特許第6238541号(P6238541)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6238541
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】高速撮像方法および高速撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/225 20060101AFI20171120BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20171120BHJP
   H04N 5/243 20060101ALI20171120BHJP
   G01N 21/956 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   H04N5/225 800
   H04N5/232 380
   H04N5/243
   G01N21/956 A
【請求項の数】9
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-66593(P2013-66593)
(22)【出願日】2013年3月27日
(65)【公開番号】特開2014-192721(P2014-192721A)
(43)【公開日】2014年10月6日
【審査請求日】2016年1月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000219314
【氏名又は名称】東レエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(72)【発明者】
【氏名】大久保 憲治
(72)【発明者】
【氏名】井中 千草
【審査官】 吉川 康男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−133224(JP,A)
【文献】 特開2013−228338(JP,A)
【文献】 特開2006−221514(JP,A)
【文献】 特開平07−049301(JP,A)
【文献】 特開2011−149701(JP,A)
【文献】 特開2009−262161(JP,A)
【文献】 特開2003−008300(JP,A)
【文献】 特開2013−033419(JP,A)
【文献】 特開平05−260261(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/225
G01N 21/956
H04N 5/232
H04N 5/243
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを撮像する高速撮像方法であって、
ラインセンサを備えた複数台の撮像機からなる撮像ユニットと前記ワークを保持する保持テーブルとを所定の移動速度で相対的に水平移動させながら当該ワークを撮像する撮像過程と、
前記各撮像機から取得した輝度値に基づいてワークの画像を再構成する画像再構成過程を備え、
前記撮像過程は、前記移動速度を撮像機の台数に応じて、ラインセンサの分解能とスキャンレートから決まる最適移動速度よりも速い速度に調整し、
前記撮像機のスキャンレートによって決まるスキャン周期を、前記撮像機の台数に応じて均等に分割し、
前記分割後のスキャン周期を撮像機に順番に割当て、割当てられた前記分割後のスキャン周期の始点で撮像機のシャッタリングを行うとともに、割当てられた前記分割後のスキャン周期内で撮像機の露光時間を調整したサイクルを繰り返しながら前記ワークを撮像する過程で、
撮像しきれないエリアを互いに補うように先行の撮像機と後行の撮像機を順番に撮像させる撮像サイクルを繰り返しながら前記ワークを撮像し、撮像機ごとに取得された複数画素分の輝度値を記憶部に格納し、
前記画像再構成過程は、取得した前記輝度値を読み出し、読み出された前記輝度値を前記撮像機の台数に応じて増幅させ、増幅後の輝度値に基づいて、ワークの画像を再構成する
ことを特徴とする高速撮像方法。
【請求項2】
ワークを撮像する高速撮像方法であって、
ラインセンサを備えた複数台の撮像機からなる撮像ユニットと前記ワークを保持する保持テーブルとを所定の移動速度で相対的に水平移動させながら当該ワークを撮像する撮像過程と、
前記各撮像機から取得した輝度値に基づいてワークの画像を再構成する画像再構成過程を備え、
前記撮像過程は、前記移動速度を撮像機の台数に応じて、ラインセンサの分解能とスキャンレートから決まる最適移動速度よりも速い速度に調整し、
前記撮像機のスキャンレートによって決まるスキャン周期を、前記撮像機の台数に応じて均等に分割し、
前記分割後のスキャン周期を撮像機に順番に割当て、割当てられた前記分割後のスキャン周期の始点で撮像機のシャッタリングを行うとともに、割当てられた前記分割後のスキャン周期を超えて撮像機の露光時間を終了させ、先行の撮像機と後行の撮像機の露光時間をオーバーラップさせたサイクルを繰り返しながら前記ワークを撮像し、複数画素分にわたって取得された輝度値を撮像機ごとに画素数で平均化した輝度値を記憶部に格納し、
前記画像再構成過程は、記憶部から取得した順に前記輝度値を読み出し、演算時点の画素の輝度値を平均化前の輝度値まで増幅させ、直前に算出した画素の輝度値から現時点の増幅後の輝度値を減算した輝度値に基づいて、ワークの画像を再構成する
ことを特徴とする高速撮像方法。
【請求項3】
ワークを撮像する高速撮像方法であって、
同じ複数本のラインセンサを有する複数台の撮像機を備えた撮像ユニットと前記ワークを保持する保持テーブルとを所定の移動速度で相対的に水平移動させながら当該ワークを撮像する撮像過程と、
前記各撮像機から取得した輝度値に基づいてワークの画像を再構成する画像再構成過程を備え、
前記撮像過程は、前記移動速度を撮像機のラインセンサに応じて、ラインセンサの分解能とスキャンレートから決まる最適移動速度よりも速い速度に調整し、
前記撮像機のスキャンレートによって決まるスキャン周期を、前記撮像機の有するラインセンサの本数に応じて均等に分割し、
前記撮像機ごとに分割後のスキャン周期ラインセンサに順番に割当て、割当てられた前記分割後のスキャン周期の始点でシャッタリングを行うとともに、割当てられた前記分割後のスキャン周期内で各ラインセンサへの露光時間を終了させるよう調整したサイクルを繰り返しながら前記ワークを撮像させる過程で、
先行の撮像機と後行の撮像機の撮像タイミングをずらしながら交互に同一部位をオーバーラップさせる撮像サイクルを繰り返しながら前記ワークを撮像し、撮像機ごとに複数本のラインセンサにわたって取得された複数画素分の輝度値を積分遅延回路により1画素分の輝度値として記憶部に格納し、
前記画像再構成過程は、取得した順に前記輝度値を読み出し、演算時点の画素の輝度値を平均化前の輝度値まで増幅させ、直前に算出した画素の輝度値から現時点の増幅後の輝度値を減算した輝度値に基づいて、ワークの画像を再構成する
ことを特徴とする高速撮像方法。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の高速撮像方法において、
複数台の前記撮像機ごとに保持テーブルとの相対的な位置関係を検出する検出過程と、
前記検出過程で求めた前記位置関係から撮像機同士の相対的なズレ量を求める演算過程を備え、
前記画像再構成過程は、演算過程で求まったズレ量に基づいて、取得画像データの位置を補正しながら画像を再構成する
ことを特徴とする高速撮像方法。
【請求項5】
ワークを撮像する高速撮像装置であって、
前記ワークを保持する保持テーブルと、
前記保持テーブルに載置されたワークに向けて光を照射する照明ユニットと、
前記ワークを撮像するラインセンサを備えた複数台の撮像機からなる撮像ユニットと、
前記保持テーブルと撮像ユニットを所定の移動速度で相対的に水平移動させる水平駆動機構と、
前記撮像機の台数に応じて、ラインセンサの分解能とスキャンレートから決まる最適移動速度よりも速い移動速度に調整し、前記撮像機のスキャンレートによって決まるスキャン周期を、前記撮像機の台数に応じて均等に分割し、
前記分割後のスキャン周期を撮像機に順番に割当て、割当てられた前記分割後のスキャン周期の始点で撮像機にシャッタリングを行わせるとともに、割当てられた前記分割後のスキャン周期内で撮像機の露光時間を調整したサイクルを繰り返しながら複数台の撮像機で前記ワークを撮像させる過程で、
撮像しきれないエリアを互いに補うように先行の撮像機と後行の撮像機を順番に撮像させる撮像サイクルを繰り返しながら前記ワークを撮像し、撮像機ごとに取得された複数画素分の輝度値を記憶部に格納させる制御部と、
前記各撮像機によって取得された輝度値を読み出し、読み出された前記輝度値を前記撮像機の台数に応じて増幅させ、増幅後の輝度値に基づいて、ワークの画像を再構成する演算処理部と、
を備えたことを特徴とする高速撮像装置。
【請求項6】
ワークを撮像する高速撮像装置であって、
前記ワークを保持する保持テーブルと、
前記保持テーブルに載置されたワークに向けて光を照射する照明ユニットと、
前記ワークを撮像するラインセンサを備えた複数台の撮像機からなる撮像ユニットと、
前記保持テーブルと撮像ユニットを所定の移動速度で相対的に水平移動させる水平駆動機構と、
前記撮像機の台数に応じて、ラインセンサの分解能とスキャンレートから決まる最適移動速度よりも速い移動速度に調整し、前記撮像機のスキャンレートによって決まるスキャン周期を、前記撮像機の台数に応じて均等に分割し、
前記分割後のスキャン周期を撮像機に順番に割当て、割当てられた前記分割後のスキャン周期の始点で撮像機にシャッタリングを行わせるとともに、割当てられた前記分割後のスキャン周期を超えて撮像機の露光時間を終了させ、先行の撮像機と後行の撮像機の露光時間をオーバーラップさせたサイクルを繰り返させながら複数台の撮像機で前記ワークを撮像させ、複数画素分にわたって取得された輝度値を撮像機ごとに画素数で平均化した輝度値を記憶部に格納させる制御部と、
前記記憶部から取得した順に前記輝度値を読み出し、演算時点の画素の輝度値を平均化前の輝度値まで増幅させ、直前に算出した画素の輝度値から現時点の増幅後の輝度値を減算した輝度値に基づいて、ワークの画像を再構成する演算処理部と、
を備えたことを特徴とする高速撮像装置。
【請求項7】
ワークを撮像する高速撮像装置であって、
前記ワークを保持する保持テーブルと、
前記保持テーブルに載置されたワークに向けて光を照射する照明ユニットと、
前記ワークを撮像する同じ複数本のラインセンサを有する複数台の撮像機からなる撮像ユニットと、
前記保持テーブルと撮像ユニットを所定の移動速度で相対的に水平移動させる水平駆動機構と、
前記撮像機のラインセンサに応じて、ラインセンサの分解能とスキャンレートから決まる最適移動速度よりも速い移動速度に調整し、前記撮像機のスキャンレートによって決まるスキャン周期を、前記撮像機の有するラインセンサの本数に応じて均等に分割し、撮像機ごとに分割後のスキャン周期ラインセンサに順番に割当て、割当てられた前記分割後のスキャン周期の始点でシャッタリングを行うとともに、割当てられた前記分割後のスキャン周期内で各ラインセンサへの露光時間を終了させるよう調整したサイクルを繰り返しながら前記ワークを撮像させる過程で、
先行の前記撮像機と後行の前記撮像機の撮像タイミングをずらしながら交互に同一部位をオーバーラップさせる撮像サイクルを繰り返させながら前記ワークを撮像し、撮像機ごとに複数本のラインセンサにわたって取得された複数画素分の輝度値を積分遅延回路により1画素分の輝度値として記憶部に格納させる制御部と、
前記記憶部から取得した順に前記輝度値を読み出し、演算時点の画素の輝度値を平均化前の輝度値まで増幅させ、直前に算出した画素の輝度値から現時点の増幅後の輝度値を減算した輝度値に基づいて、ワークの画像を再構成する演算処理部と、
を備えたことを特徴とする高速撮像装置。
【請求項8】
請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の高速撮像装置であって、
前記撮像ユニットは、照明ユニットから照射されてワークで反射した光または当該ワークを透過した光を導光する鏡筒部と、
前記鏡筒部を導光する光を一部透過させるとともに、角度を変えて一部を反射させて複数台の撮像機に光を導光さる光学部材と
を備えたことを特徴とする高速撮像装置。
【請求項9】
請求項5ないし請求項8のいずれかに記載の高速撮像装置であって、
複数台の前記撮像機ごとに保持テーブルとの相対的な位置を検出する検出器を備え、
前記制御部は、検出器によって検出された位置情報を記憶する記憶部を備え、
前記演算処理部は、撮像機ごとに取得された位置情報を前記記憶部から読み出して撮像機同士の相対的なズレ量を求め、当該ズレ量に基づいて取得画像データの位置を補正しながら画像を再構成する
ことを特徴とする高速撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス、半導体ウエハおよび電子基板などのワークを撮像する高速撮像方法および高速撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エリアイメージセンサを走査方向に移動させる過程で、移動軌跡上の所定位置と移動方向と直行する水平方向に1/2画素ずらした位置への移動を交互に繰り返しながら撮像する方法が提案および実施されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3907560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、撮像対象のワークとして、例えば半導体デバイスなどは、単位時間当たりの製造数量を増やすために、画像解析処理による検査装置などにおいて高いスループットが求められている。そこで、基板1枚当たりに費やす検査時間を短縮するために、ワークを保持する保持ステージの移動を高速化したり、或いは複数台の撮像カメラを配置したりする形態が提案されている。
【0005】
保持ステージの移動を高速化するのは容易である。しかしながら、撮像カメラのスキャンレートを超える高速撮像を行うと本来取得すべき画像データと異なる画像が出力される。すなわち、撮像カメラの分解能とスキャンレートから決まる最適移動速度を超えてワークを撮像できないといった問題がある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、撮像機のスキャンレートに制限されることなくワークを高速に撮像することのできる高速撮像方法および高速撮像装置を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
【0008】
すなわち、ワークを撮像する高速撮像方法の一実施形態であって、
ラインセンサを備えた複数台の撮像機からなる撮像ユニットと前記ワークを保持する保持テーブルとを所定の移動速度で相対的に水平移動させながら当該ワークを撮像する撮像過程と、
前記各撮像機から取得した輝度値に基づいてワークの画像を再構成する画像再構成過程を備え、
前記撮像過程は、前記移動速度を撮像機の台数に応じて、ラインセンサの分解能とスキャンレートから決まる最適移動速度よりも速い速度に調整し、
前記撮像機のスキャンレートによって決まるスキャン周期を、前記撮像機の台数に応じて均等に分割し、
前記分割後のスキャン周期を撮像機に順番に割当て、割当てられた前記分割後のスキャン周期の始点で撮像機のシャッタリングを行うとともに、割当てられた前記分割後のスキャン周期内で撮像機の露光時間を調整したサイクルを繰り返しながら前記ワークを撮像する過程で、
撮像しきれないエリアを互いに補うように先行の撮像機と後行の撮像機を順番に撮像させる撮像サイクルを繰り返しながら前記ワークを撮像し、撮像機ごとに取得された複数画素分の輝度値を記憶部に格納し、
前記画像再構成過程は、取得した前記輝度値を読み出し、読み出された前記輝度値を前記撮像機の台数に応じて増幅させ、増幅後の輝度値に基づいて、ワークの画像を再構成する
ことを特徴とする。
【0009】
(作用・効果) この方法によれば、撮像機のスキャンレートによって決まるスキャン周期を、撮像機の台数に応じて均等に分割し、当該分割後のスキャン周期に複数台の撮像機を順番に割当て、割当てられた分割後のスキャン周期の始点で撮像機のシャッタリングを行う。このとき、割当てられた分割後のスキャン周期ごとに撮像機の露光時間が調整される。オリジナルのスキャンレートによって決まるスキャン周期を分割し、複数台の撮像機で割当てられた分割後のスキャン周期を利用した1サイクルの撮像を繰り返してワークを撮像する。したがって、撮像機の最適移動速度を超えた速度でワークを撮像している過程で、先行する撮像機によって撮像しきれないエリアの画像を後方から追従する撮像機が撮像するので、目的とする撮像エリア全体の画像データを取得することができる。なお、各撮像機のラインセンサの露光時間は重複しないので、各撮像機の出力信号から求めた輝度値を合成するだけでワークの画像を再構成することができる。換言すれば、露光時間を分割後のスキャンレートよりも短い時間となるようシャッタリングを調整可能な撮像機によって好適に実施することができる。
【0010】
また、他の実施形態は、ラインセンサを備えた複数台の撮像機からなる撮像ユニットと前記ワークを保持する保持テーブルとを所定の移動速度で相対的に水平移動させながら当該ワークを撮像する撮像過程と、
前記各撮像機から取得した輝度値に基づいてワークの画像を再構成する画像再構成過程を備え、
前記撮像過程は、前記移動速度を撮像機の台数に応じて、ラインセンサの分解能とスキャンレートから決まる最適移動速度よりも速い速度に調整し、
前記撮像機のスキャンレートによって決まるスキャン周期を、前記撮像機の台数に応じて均等に分割し、
前記分割後のスキャン周期を撮像機に順番に割当て、割当てられた前記分割後のスキャン周期の始点で撮像機のシャッタリングを行うとともに、割当てられた前記分割後のスキャン周期を超えて撮像機の露光時間を終了させ、先行の撮像機と後行の撮像機の露光時間をオーバーラップさせたサイクルを繰り返しながら前記ワークを撮像し、複数画素分にわたって取得された輝度値を撮像機ごとに画素数で平均化した輝度値を記憶部に格納し、
前記画像再構成過程は、記憶部から取得した順に前記輝度値を読み出し、演算時点の画素の輝度値を平均化前の輝度値まで増幅させ、直前に算出した画素の輝度値から現時点の増幅後の輝度値を減算した輝度値に基づいて、ワークの画像を再構成する
ことを特徴とする。
【0011】
この方法によれば、先行および後行の撮像機の露光時間をオーバーラップさせて撮像するので、各撮像機から出力される輝度値は、互いに合成されている、しかしながら、演算時点の画素の輝度値を平均化前の輝度値まで増幅させ、直前に算出した画素の輝度値から現時点の増幅後の輝度値を減算した輝度値を求め、当該輝度値に基づいてワークの画像を再構成するができる。したがって、露光時間が調整できない安価な撮像機であっても撮像機自体のスキャンレートに制限されることなく、ワークの画像を高速に取得することができる。
【0012】
さらに、他の実施形態は、同じ複数本のラインセンサを有する複数台の撮像機を備えた撮像ユニットと前記ワークを保持する保持テーブルとを所定の移動速度で相対的に水平移動させながら当該ワークを撮像する撮像過程と、
前記各撮像機から取得した輝度値に基づいてワークの画像を再構成する画像再構成過程を備え、
前記撮像過程は、前記移動速度を撮像機のラインセンサに応じて、ラインセンサの分解能とスキャンレートから決まる最適移動速度よりも速い速度に調整し、
前記撮像機のスキャンレートによって決まるスキャン周期を、前記撮像機の有するラインセンサの本数に応じて均等に分割し、
前記撮像機ごとに分割後のスキャン周期ラインセンサに順番に割当て、割当てられた前記分割後のスキャン周期の始点でシャッタリングを行うとともに、割当てられた前記分割後のスキャン周期内で各ラインセンサへの露光時間を終了させるよう調整したサイクルを繰り返しながら前記ワークを撮像させる過程で、
先行の撮像機と後行の撮像機の撮像タイミングをずらしながら交互に同一部位をオーバーラップさせる撮像サイクルを繰り返しながら前記ワークを撮像し、撮像機ごとに複数本のラインセンサにわたって取得された複数画素分の輝度値を積分遅延回路により1画素分の輝度値として記憶部に格納し、
前記画像再構成過程は、取得した順に前記輝度値を読み出し、演算時点の画素の輝度値を平均化前の輝度値まで増幅させ、直前に算出した画素の輝度値から現時点の増幅後の輝度値を減算した輝度値に基づいて、ワークの画像を再構成する
ことを特徴とする。
【0013】
この方法によれば、1台の撮像機が複数本のラインセンサを有しているので、1台の撮像機当たりの撮像領域を広げることができる。また、撮像機の台数に応じてスキャンレートを分割し、分割後のスキャンレートを各ラインセンサに割り当てた状態でワークの撮像を可能にする。ここで、撮像機ごとに複数本のラインセンサにわたって取得された複数画素分の輝度値を積分遅延回路により1画素分の輝度値として出力するので、ビニング機能を利用してワークを高速に撮像することができる。なお、先行する撮像機と後行する撮像機によって撮像される領域が重複する部分が生じるが、取得した順に前記輝度値を読み出し、演算時点の画素の輝度値を平均化前の輝度値まで増幅させ、直前に算出した画素の輝度値から現時点の増幅後の輝度値を減算した輝度値に基づいて、ワークの画像を再構成することにより、重複分の輝度値を除去した鮮明なワークの画像を再構成することができる。
【0014】
さらに、上記各実施形態において、複数台の撮像機ごとに保持テーブルとの相対的な位置関係を検出する検出過程と、
検出過程で求めた前記位置関係から撮像機同士の相対的なズレ量を求める演算過程を備え、
画像再構成過程は、演算過程で求まったズレ量に基づいて、取得画像データの位置を補正しながら画像を再構成することが好ましい。
【0015】
この方法によれば、各撮像機の位置ズレがオフセットされるので、微妙な位置調整を行う手間を省きつつ正確な位置合わせが容易にでき、画像を再構成することができる。
【0016】
また、この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
【0017】
すなわち、ワークを撮像する高速撮像装置の一実施形態であって、
前記ワークを保持する保持テーブルと、
前記保持テーブルに載置されたワークに向けて光を照射する照明ユニットと、
前記ワークを撮像するラインセンサを備えた複数台の撮像機からなる撮像ユニットと、
前記保持テーブルと撮像ユニットを所定の移動速度で相対的に水平移動させる水平駆動機構と、
前記撮像機の台数に応じて、ラインセンサの分解能とスキャンレートから決まる最適移動速度よりも速い移動速度に調整し、前記撮像機のスキャンレートによって決まるスキャン周期を、前記撮像機の台数に応じて均等に分割し、
前記分割後のスキャン周期を撮像機に順番に割当て、割当てられた前記分割後のスキャン周期の始点で撮像機にシャッタリングを行わせるとともに、割当てられた前記分割後のスキャン周期内で撮像機の露光時間を調整したサイクルを繰り返しながら複数台の撮像機で前記ワークを撮像させる過程で、
撮像しきれないエリアを互いに補うように先行の撮像機と後行の撮像機を順番に撮像させる撮像サイクルを繰り返しながら前記ワークを撮像し、撮像機ごとに取得された複数画素分の輝度値を記憶部に格納させる制御部と、
前記各撮像機によって取得された輝度値を読み出し、読み出された前記輝度値を前記撮像機の台数に応じて増幅させ、増幅後の輝度値に基づいて、ワークの画像を再構成する演算処理部と、
を備えたことを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、制御部が、撮像機の台数に応じて、ラインセンサの分解能とスキャンレートから決まる最適移動速度よりも速い移動速度に調整し、撮像機のスキャンレートによって決まるスキャン周期を、撮像機の台数に応じて均等に分割し、分割後のスキャン周期を撮像機に順番に割当て、割当てられた分割後のスキャン周期の始点で撮像機にシャッタリングを行わせるとともに、割当てられた分割後のスキャン周期内で撮像機の露光時間を調整したサイクルを繰り返しながら複数台の撮像機でワークを撮像させる過程で、撮像しきれないエリアを互いに補うように先行の撮像機と後行の撮像機を順番に撮像させる撮像サイクルを繰り返しながら前記ワークを撮像し、撮像機ごとに取得された複数画素分の輝度値を記憶部に格納させる。したがって、上記方法の一実施形態を好適に実現することができる。
【0019】
また、他の高速撮像装置の実施形態は、
前記ワークを保持する保持テーブルと、
前記保持テーブルに載置されたワークに向けて光を照射する照明ユニットと、
前記ワークを撮像するラインセンサを備えた複数台の撮像機からなる撮像ユニットと、
前記保持テーブルと撮像ユニットを所定の移動速度で相対的に水平移動させる水平駆動機構と、
前記撮像機の台数に応じて、ラインセンサの分解能とスキャンレートから決まる最適移動速度よりも速い移動速度に調整し、前記撮像機のスキャンレートによって決まるスキャン周期を、前記撮像機の台数に応じて均等に分割し、
前記分割後のスキャン周期を撮像機に順番に割当て、割当てられた前記分割後のスキャン周期の始点で撮像機にシャッタリングを行わせるとともに、割当てられた前記分割後のスキャン周期を超えて撮像機の露光時間を終了させ、先行の撮像機と後行の撮像機の露光時間をオーバーラップさせたサイクルを繰り返させながら複数台の撮像機で前記ワークを撮像させ、複数画素分にわたって取得された輝度値を撮像機ごとに画素数で平均化した輝度値を記憶部に格納させる制御部と、
前記記憶部から取得した順に前記輝度値を読み出し、演算時点の画素の輝度値を平均化前の輝度値まで増幅させ、直前に算出した画素の輝度値から現時点の増幅後の輝度値を減算した輝度値に基づいて、ワークの画像を再構成する演算処理部と、
を備えたことを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、制御部が、撮像機の台数に応じて、ラインセンサの分解能とスキャンレートから決まる最適移動速度よりも速い移動速度に調整し、撮像機のスキャンレートによって決まるスキャン周期を、撮像機の台数に応じて均等に分割し、分割後のスキャン周期を撮像機に順番に割当て、、割当てられた各前記分割後のスキャン周期の始点でで撮像機にシャッタリングを行わせるとともに、割当てられた分割後のスキャン周期を超えて撮像機の露光時間を終了させ、先行の撮像機と後行の撮像機の露光時間をオーバーラップさせたサイクルを繰り返しながら複数台の撮像機で前記ワークを撮像させ、複数画素分にわたって取得された輝度値を撮像機ごとに画素数で平均化した輝度値を記憶部に格納させる。したがって、上記方法の一実施形態を好適に実現することができる。
【0021】
さらに、他の高速撮像装置の実施形態は、
前記ワークを保持する保持テーブルと、
前記保持テーブルに載置されたワークに向けて光を照射する照明ユニットと、
前記ワークを撮像する同じ複数本のラインセンサを有する複数台の撮像機からなる撮像ユニットと、
前記保持テーブルと撮像ユニットを所定の移動速度で相対的に水平移動させる水平駆動機構と、
前記撮像機のラインセンサに応じて、ラインセンサの分解能とスキャンレートから決まる最適移動速度よりも速い移動速度に調整し、前記撮像機のスキャンレートによって決まるスキャン周期を、前記撮像機の有するラインセンサの本数に応じて均等に分割し、撮像機ごとに分割後のスキャン周期ラインセンサに順番に割当て、割当てられた前記分割後のスキャン周期の始点でシャッタリングを行うとともに、割当てられた前記分割後のスキャン周期内で各ラインセンサへの露光時間を終了させるよう調整したサイクルを繰り返しながら前記ワークを撮像させる過程で、
先行の前記撮像機と後行の前記撮像機の撮像タイミングをずらしながら交互に同一部位をオーバーラップさせる撮像サイクルを繰り返させながら前記ワークを撮像し、撮像機ごとに複数本のラインセンサにわたって取得された複数画素分の輝度値を積分遅延回路により1画素分の輝度値として記憶部に格納させる制御部と、
前記記憶部から取得した順に前記輝度値を読み出し、演算時点の画素の輝度値を平均化前の輝度値まで増幅させ、直前に算出した画素の輝度値から現時点の増幅後の輝度値を減算した輝度値に基づいて、ワークの画像を再構成する演算処理部と、
を備えたことを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、制御部が、撮像機のラインセンサに応じて、ラインセンサの分解能とスキャンレートから決まる最適移動速度よりも速い移動速度に調整し、記撮像機の有するライセンサの本数に応じて撮像機のスキャンレートによって決まるスキャン周期を均等に分割し、撮像機ごとに分割後のスキャン周期ラインセンサに順番に割当て、割当てられた分割後のスキャン周期の始点でシャッタリングを行うとともに、割当てられた分割後のスキャン周期内で各ラインセンサへの露光時間を終了させるよう調整したサイクルを繰り返しながら前記ワークを撮像させる過程で、先行の前記撮像機と後行の前記撮像機の撮像タイミングをずらしながら交互に同一部位をオーバーラップさせる撮像サイクルを繰り返させながら前記ワークを撮像し、撮像機ごとに複数本のラインセンサにわたって取得された複数画素分の輝度値を積分遅延回路により1画素分の輝度値として記憶部に格納させる。したがって、上記方法の一実施形態を好適に実現することができる。
【0023】
この構成において、撮像機は、例えば、照明ユニットから照射されてワークで反射した光または当該ワークを透過した光を導光する鏡筒部と、
前記鏡筒部を導光する光を一部透過させるとともに、角度を変えて一部を反射させて複数台の撮像機に光を導光さる光学部材とから構成する。
【0024】
この構成によれば、同一視野から取り込まれた反射光が複数台の撮像機のラインセンサに投影されるので、位置ズレのない同一条件からワークの画像をより精度よく再構成することができる。
【0025】
なお、上記各実施形態において複数台の前記撮像機ごとに保持テーブルとの相対的な位置を検出する検出器を備え、
制御部は、検出器によって検出された位置情報を記憶する記憶部を備え、
演算処理部は、撮像機ごとに取得された位置情報を前記記憶部から読み出して撮像機同士の相対的なズレ量を求め、当該ズレ量に基づいて取得画像データの位置を補正しながら画像を再構成することが好ましい。
【0026】
この構成によれば、各撮像機の位置ズレがオフセットされるので、微妙な位置調整を行う手間を省きつつ正確な位置合わせが容易にでき、画像を再構成することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の高速撮像方法および高速撮像装置によれば、撮像機のスキャンレートに制限されることなく、ワークの高速な撮像を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本実施例に係る内部検査装置の概略構成を示す斜視図である。
図2】本実施例に係る内部検査装置の概略構成を示す正面図である。
図3】高速撮像装置の撮像動作を説明するフローチャートである。
図4】撮像カメラの切り替えを示すタイミングチャートである。
図5】実施例の撮像対象となる画像パターンを示す図である。
図6】画像の再構成処理を示す模式図である。
図7】変形例の撮像カメラの切り替えを示すタイミングチャートである。
図8】変形例の撮像対象となる画像パターンを示す図である。
図9】変形例の画像の再構成処理を示す模式図である。
図10】変形例の撮像対象となる画像パターンを示す図である。
図11】変形例の第1撮像カメラの出力画像処理を示す模式図である。
図12】変形例の第2撮像カメラの出力画像処理を示す模式図である。
図13】変形例の画像の再構成処理を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。なお、本実施例では、ワークとして表面に回路パターンの形成された半導体ウエハ(以下、単に「ウエハW」という)を利用し、ウエハ表面の検査用にウエハ全面を撮像する場合を例にとって説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施例に係る高速撮像装置の概略構成を示す斜視図である。図2は、高速撮像装置の要部構成を示す正面図であり、一部に断面図を含んでいる。
【0031】
高速撮像装置は、撮像ユニット1、検査ステージ2および制御部3などから構成されている。
【0032】
撮像ユニット1は、鏡筒本体4、第1撮像カメラ5、第2撮像カメラ6、照明ユニット7、対物レンズ8a、8b、8cおよびレボルバ9などから構成されている。
【0033】
鏡筒本体4は、上方で2本に分岐されており、鏡筒のそれぞれに第1撮像カメラ5と第2撮像カメラ6が備えられている。また、鏡筒本体4の下部には、レボルバ9を介して倍率の異なる複数個の対物レンズ8a、8bを備えている。つまり、撮像視野を変更できるよう構成されている。なお、レボルバ9は、軸P周りに回転する。
【0034】
また、鏡筒本体4の側面に照明ユニット7が装備されている。鏡筒本体4の照射ユニット7の連接部分に照射ユニット7からの光を下部のウエハWに導くとともに、撮像ユニット1からの落射光のうちウエハWの表面またはウエハWを透過した裏面側から正反射する反射光(以下、適宜「観察光」という)を全透過させる第1光学部材10が配備されている。なお、第1光学部材10は、例えばハーフミラーまたはビームスプリッタなどが挙げられる。
【0035】
さらに、鏡筒本体4の分岐部分には、ウエハWからの観察光を第1撮像カメラ5および第2撮像カメラ6のそれぞれに分岐する第2光学部材11が配備されている。なお、第2光学部材11によって分岐された観察光は、反射ミラー12によって全反射されて第2撮像カメラ6に導かれる。なお、第2光学部材11は、例えばハーフミラーまたはビームスプリッタなどが挙げられる。
【0036】
第1撮像カメラ5および第2撮像カメラ6は、同じスキャンレートのものが利用される。例えば、CCD(charge coupled device)またはCMOS(complementary metal oxide semiconductor)などの撮像素子を1次元配列したラインセンサ13a、13bをそれぞれ備えている。当該撮像素子は、観察光の輝度に応じた輝度値にデジタル変換して輝度データとして出力する。
【0037】
検査ステージ2は、保持テーブル14、第1可動台15、第2可動台16および第3可動台17などから構成されている。
【0038】
保持テーブル14は、ウエハWよりも大形で扁平な多孔質または金属製のチャックテーブルで構成されている。
【0039】
保持テーブル14の下部に配備された3台の可動台は、下から第1可動台15、第2可動台16および第3可動台17の順に配備されている。第1可動台15は、装置基台15bに敷設されたガイドレール15rに沿ってY軸方向に往復移動するスライダ15sから構成されている。
【0040】
第2可動台16は、第1可動台15のスライダ15s上に配置された基台16bに敷設されたガイドレール16rに沿ってX軸方向に往復移動するスライダ16sから構成されている。
【0041】
第3可動台17は、第2可動台16のスライダ16sに設けられたモータ18(例えばダイレクト・ドライブ・モータ)によってθ方向に回転する。ここで、本実施例では、X軸方向の移動を主走査方向とする。
【0042】
ここで、Y軸方向は、ラインセンサ13a、13bの撮像素子の並び方向であって副走査方向とする。なお、第1可動台15、第2可動台16は、本発明の水平駆動機構を構成する。
【0043】
制御部3は、撮像ユニット1および検査ステージ2などの動作を総括的にコントロールするとともに、内部に記憶部20および演算処理部21を備えている。詳細については、当該高速撮像装置の動作説明に沿って説明する。
【0044】
次に、図3のフローチャートに沿って上述の高速撮像装置を用いたウエハWの検査画像を取得する一巡の動作について説明する。
【0045】
<ステップS1> 条件設定
まず、検査ステージ2の主走査方向である第2可動台16のスライダ16sの移動速度を決める。そうすると、第1撮像カメラ5および第2撮像カメラ6のスキャンレートによって最適移動速度V1が決まる。つまり、ラインセンサ13a、13bの分解能とスキャンレートによって決まる。本実施例では、所定の分解能に達する露光時間を予め実験やシミュレーションによって決める。例えば、第1撮像カメラ5と第2撮像カメラ6のスキャンレートが10kHzで、1画素が10μmで、観察倍率を10倍とした場合、第1撮像カメラ5と第2撮像カメラ6の最適移動速度V1は10mm/secとなる。
【0046】
ここで、撮像ユニット1は、主走査方向の前後に2台に第1撮像カメラ5および第2撮像カメラ6を備えているので、本実施例の場合、第2可動台16のスライダ16sの主走査速度V2を最適移動速度V1の2倍の20mm/secに設定するとともに、両撮像カメラ5,6による撮像が交互に行われるように設定する。これら各条件は、制御部3の記憶部20に記憶される。なお、第1撮像カメラ5および第2撮像カメラ6の露光時間は、分割後のスキャンレートよりも僅かに短く設定されているが、シャッタリングのタイミングが調整可能な撮像カメラを用いるものとし、当該スキャンレート内で適宜に設定変更する。つまり、シャッタリングのタイミングを調整しない状態が破線51,61で示すタイミングであるが、シャッタリングのタイミングを調整して露光時間を短くした状態が実線52,62で示すタイミングである。
【0047】
<ステップS2> ウエハの設定
条件設定が完了すると、搬送ロボットなどによってカセットからウエハWを搬出し、図1に示すように、保持テーブル14に載置する。ウエハWは、外周領域に形成されたオリエンテーションフラットまたはVノッチなどに基づいて位置合わせされる。すなわち、第1可動台15および第2可動台16を移動させて位置合わせするとともに、第3可動台17をモータ18の回転軸周りに回転させてウエハWの位置合わせを行う。
【0048】
<ステップS3> 撮像開始
ウエハWのアライメント処理と撮像開始の初期位置への移動が完了すると、撮像ユニット1を所定高さに移動および設定した後に、第2可動台16のスライダ16sの主走査速度V2をX軸方向に最適移動速度V1の2倍の速度で走査させながらウエハWの撮像を開始する。撮像開始と同時に、図4に示すように、制御部3から第1撮像カメラ5にトリガ信号1が送信されると、それを受けて第1撮像カメラ5のシャッターがON状態となり撮像が開始され、観察光がラインセンサ13aに露光される。また、制御部3から第2撮像カメラ6にトリガ信号2が送信されると、それを受けて第2撮像カメラ6のシャッターがON状態となり撮像が開始され、観察光がラインセンサ13bに露光される。このとき、トリガ信号1とトリガ信号2はそれぞれ交互に出力するようにしておく。さらに、第1撮像カメラ5と第2撮像カメラ6は、上述したようにシャッタリング時間を通常(つまり、破線51,61で示す状態)の半分(つまり、実線52,62で示す状態)に設定しておく。
【0049】
第1撮像カメラ5および第2撮像カメラ6は、シャッタリング時間を短く設定しても、通常のシャッタリング時間経過後に画像データを出力されるよう構成されていることが一般的である。そのため、両撮像カメラ5,6からの出力信号は、破線51,61で示されたOFF状態となった後に、輝度データ1a、1b…および輝度データ2a、2b…のように、両撮像カメラ4,6から交互に出力される。そうすることで、ワークを2倍の速度で移動させつつ、2台の撮像カメラ5,6を用いて、見かけ上2倍のスキャンレートで撮像が行われることとなる。
【0050】
図5は、撮像対象となる画像パターンであり、マトリクス状に分割された画像パターンの輝度値(90)が示されている。ここで空白の部分は、輝度値が0であることを意味している。また、縦軸は撮像する時刻:t0〜t16、横軸は撮像に用いるラインセンサのアドレス(1〜16)を例示している。また、図中右側には、第1撮像カメラ5と第2撮像カメラ6のシャッターがON状態となっているタイミング(t1a〜t8a、t1b〜t8b)が、併せて示されている。つまり、時刻t2のときに、ラインセンサのアドレス8,9において、第1撮像カメラ5を用いて、シャッターONとなるタイミングt2aで輝度90部分の撮像が行われる。同様に、時刻t3のときに、ラインセンサのアドレス7,10において、第2撮像カメラ6を用いて、シャッターONとなるタイミングt2bで輝度90部分の撮像が行われる。そして、上記一連の連続撮像処理を1サイクルとし、ウエハWの一端から他端まで走査される間に当該サイクルを繰り返しながら両撮像カメラ5、6によってウエハWが撮像される。
【0051】
<ステップS4> 画像再構成処理
上記一連の連続撮像処理サイクルを行って画像を撮像し、後に画像再構築をする処理について説明する。
【0052】
図6(a)は、第1撮像カメラ5から出力される輝度データであり、図6(b)は、第2撮像カメラ6から出力される輝度データである。上述の連続撮像処理サイクルが繰り返されると、図4図5で示すように、第1撮像カメラ5と第2撮像カメラ6の撮像タイミング及びデータ出力タイミングは交互に行われる。そのため、図6(a)に示すように、第1撮像カメラ5から、シャッターONとなるタイミングt1a〜t8aで撮像した画像に対応するデータ出力タイミング(つまり、時刻d1a〜d8a)で、それぞれ輝度データが出力される。また、図6(b)に示すように、第2撮像カメラ6から、シャッターONとなるタイミングt1b〜t8bで撮像した画像に対応するデータ出力タイミング(つまり、時刻d1b〜d8b)で、それぞれ輝度データが出力される。
【0053】
なお、両撮像カメラ5,6から出力される信号は、A/D変換されて輝度値として第1撮像カメラ5および第2撮像カメラ6ごとに分けて記憶部20に記憶されている。
【0054】
演算処理部21は、記憶部20から両撮像カメラ5、6の輝度値を読み出し、読み出した輝度値を交互に古い方から順に並べて図6(c)に示すように合成し、ウエハWの全体画像の再構成処理をする。なお、上述したように両カメラ5,6の露光時間を通常の半分に設定したので、記憶部20に記憶されている輝度値は本来の値の半分(45)となっている。そのため、画像再構成処理を行う際は、このことを考慮して、輝度値を2倍した値(90)に演算する処理も併せて行う。
【0055】
<ステップS5> ウエハ搬出
ウエハWの撮像が完了すると、搬送ロボットなどによってウエハWを吸着し、図示しないカセットにウエハWを搬送する。以上で一連の検査画像を取得する処理が完了し、以後、同じ処理が繰り返される(ステップS6)。
【0056】
走査方向の前後に配備した2台の第1撮像カメラ5および第2撮像カメラ6を利用しつ 走査方向の前後に配備した2台の第1撮像カメラ5および第2撮像カメラ6を利用しつつ移動速度を撮像カメラの台数の2倍に設定しただけでは、1台の撮像カメラで連続的にウエハWの全面を撮像できない。しかしながら、上記実施例装置によれば、スキャンレートを撮像カメラの台数に応じて2等分にしたタイミングで各撮像カメラ5、6の撮像を交互に切り替え、さらに露光時間を半分に設定することにより、第1撮像カメラ5および第2撮像カメラ6のそれぞれの露光時間が半分になりつつも、ウエハ全体の画像が途切れることなく、連続した画像データを取得することができる。したがって、取得した画像データ(輝度値)の基づいて単純に合成するだけでウエハWの全体画像を容易に再構成することができる。すなわち、撮像カメラの最適移動速度V1を超えた2倍の速度V2速度であっても、ウエハWの画像を容易かつ精度よく取得することができるので、検査工程のスループットを高めることができる。
【0057】
本発明は上述した実施例のものに限らず、次のように変形実施することもできる。
【0058】
(1)上記実施例の装置および方法において、第1撮像カメラ5および第2撮像カメラ6の露光時間を短く設定できないものがある。しかし、その様な撮像カメラを用いた場合でも、以下に述べる手段によって、本発明の目的を達成することができる。つまり、上述したステップS3,S4に替えて、以下の処理ステップS3’,S4’を行うことにより具現化できる。
【0059】
<ステップS3’> 撮像開始
ウエハWのアライメント処理と撮像開始の初期位置への移動が完了すると、撮像ユニット1を所定高さに移動および設定した後に、第2可動台16のスライダ16sの主走査速度V2をX軸方向に最適移動速度V1の2倍の速度で走査させながらウエハWの撮像を開始する。撮像開始と同時に、図7に示すように、制御部3から第1撮像カメラ5にトリガ信号1が送信されると、それを受けて第1撮像カメラ5のシャッターがON状態となり撮像が開始され、観察光がラインセンサ13aに露光される。また、制御部3から第2撮像カメラ6にトリガ信号2が送信されると、それを受けて第2撮像カメラ6のシャッターがON状態となり撮像が開始され、観察光がラインセンサ13bに露光される。このとき、トリガ信号1とトリガ信号2はそれぞれ交互に出力するようにしておく。なお、第1撮像カメラ5と第2撮像カメラ6は、シャッタリング時間は通常の状態(つまり、実線53,63で示す状態)であり、交互に同一部位をオーバーラップしながら撮像を行っている。また、上記ステップS3と同様に、ワークを2倍の速度で移動させつつ、2台の撮像カメラ5,6を用いて、見かけ上2倍のスキャンレートで撮像が行われる。
【0060】
図8は、撮像対象となる画像パターンであり、マトリクス状に分割された画像パターンの輝度値(90)が示されている。ここで空白の部分は、輝度値が0であることを意味している。また、縦軸は撮像する時刻:t0〜t16、横軸は撮像に用いるラインセンサのアドレス(1〜16)を例示している。また、図中右側には、第1撮像カメラ5と第2撮像カメラ6のシャッターがON状態となっているタイミング(t1a〜t8a、t1b〜t8b)が、併せて示されている。つまり、時刻t2〜t3にかけて、ラインセンサのアドレス8,9において、第1撮像カメラ5を用いて、シャッターONとなるタイミングt2aで輝度90部分の撮像が行われる。同様に、時刻t3〜t4にかけて、ラインセンサのアドレス7,10において、第2撮像カメラ6を用いて、シャッターONとなるタイミングt2bで輝度90部分の撮像が行われる。そして、上記一連の連続撮像処理を1サイクルとし、ウエハWの一端から他端まで走査される間に当該サイクルを繰り返しながら両撮像カメラ5、6によってウエハWが撮像される。
【0061】
<ステップS4’> 画像再構成処理
上記一連の連続撮像処理サイクルを行って画像を撮像し、後に画像再構築をする処理について説明する。
【0062】
図9(a)は、第1撮像カメラ5から出力される輝度データであり、図9(b)は、第2撮像カメラ6から出力される輝度データである。
【0063】
上述の連続撮像処理サイクルが繰り返されると、図7図8で示すように、第1撮像カメラ5と第2撮像カメラ6の撮像タイミングおよびデータ出力タイミングは交互に行われる。そのため、図9(a)に示すように、第1撮像カメラ5から、シャッターONとなるタイミングt1a〜t8aで撮像した画像に対応するデータ出力タイミング(つまり、時刻d1a〜d8a)で、それぞれ輝度データが出力される。また、図9(b)に示すように、第2撮像カメラ6から、シャッターONとなるタイミングt1b〜t8bで撮像した画像に対応するデータ出力タイミング(つまり、時刻d1b〜d8b)で、それぞれ輝度データが出力される。(ここまでは、ステップS4と同様である)。なお、両撮像カメラ5,6から出力される信号は、A/D変換されて輝度値として第1撮像カメラ5および第2撮像カメラ6ごとに分けて記憶部20に記憶されているが、シャッター時間が長く2画素に渡って撮像が行われるため、2画素分が平均化され輝度値が格納されることになる。そこで、2つのカメラで取得された輝度値が、それぞれ時系列的に平均化されたものであることと、他方のカメラでもオーバーラップして取得されていることを考慮し、下記の手順に基づいて画像再構成処理を行う(これらは、上記ステップS4と相違する)。
【0064】
まず、この設定条件で第1撮像カメラ5と第2撮像カメラ6の撮像を交互に繰り返して行って画像データを取得した場合、トリガ信号を受けた現時点の撮像カメラが撮像を開始した前半の露光時間内の出力信号と先行する撮像カメラの後半の露光時間の出力信号がオーバーラップして出力される。両出力信号に基づいて求めた輝度値は、先行して取得さるべき輝度値が合成された測定輝度値として記憶部20に記憶される。
【0065】
そこで、演算処理部21は、記憶部20から読み出した両撮像カメラ5、6の輝度値をそれぞれ交互に古い方から順に並べつつ、読み出した輝度値(B)を2倍した値(2B)から、直前の画素の輝度値(A)を減算した値(C=A−2B)を演算して求める処理を行う。なお、第1列目の輝度値(B)に対する直前の画素の輝度値(A)は、0をあてはめて処理を開始する。
【0066】
例えば、アドレス8,9について説明すると、以下のようになる。まず、第1撮像カメラ5にて時刻t1aで撮像された画像は、時刻d1aで輝度値(B)が0として出力される。また、この場所の輝度値(C)は、直前の画素の輝度値(A)が0をあてはめられている。そのため、時刻d1aのアドレス8,9に対応する部分は、輝度値0と算出される。続いて、第2撮像カメラ6にて時刻t1bで撮像された画像は、時刻d1bで輝度値(B)が45として出力される。また、この場所の輝度値(C)は、直前の画素の輝度値(A)が0と算出されている。そのため、時刻d1bのアドレス8,9に対応する部分は、輝度値90と算出される。
【0067】
続いて、第1撮像カメラ5にて時刻t2aで撮像された画像は、時刻d2aで輝度値(B)が45として出力される。また、この場所の輝度値(C)は、直前の画素の輝度値(A)が90をあてはめられている。そのため、時刻d2aのアドレス8,9に対応する部分は、輝度値0と算出される。同様の処理を、全てのアドレスについても、逐次連続的に行うことで、図9(c)に示すようなウエハWの全体の輝度値を示す、全体画像として再構成できる。
【0068】
以上のように、露光時間を調整できない安価な撮像カメラであっても、2台の撮像カメラを用いることで、上記メイン実施例と同様に、撮像カメラのスキャンレートに制限されず、最適移動速度V1を超えた2倍の速度V2での撮像を実現することができる。
【0069】
(2)上記実施例の装置および方法において、第1撮像カメラ5および第2撮像カメラ6は、複数本のラインセンサを備えた構成であってもよい。この場合、主走査方向の前後にラインセンサを隣接配備するように構成し、それぞれのラインセンサで取得した同一アドレスの輝度値を、時間遅延積分処理(いわゆるTDI(Time Delay integration)処理)をするように構成しておく。この構成は、別体のラインセンサ複数本とTDI回路とを組み合わせて具現化してもよいし、一般に入手可能ないわゆるTDIカメラ(上記構成が一体となっているもの)を用いてもよい。
【0070】
この構成の場合、ラインセンサ自体のスキャンレートが、上記実施例と同じく、ワークの移動速度が最適移動速度V1であれば、複数のセンサで取得された輝度値を時間遅延積分処理して、高感度撮像が実現できる。そのため、ワークの輝度値が低い場合、このような形態のカメラを用いて検査することが好ましい。しかしながら、ワークの移動速度が、最適移動速度V1と一致しない場合、時間遅延積分処理のタイミングが合わず、所定の取得画像データが得られない。そこで本発明に係る変形例では、TDIカメラを用いた場合、上述したステップS3’に代えて、下述のステップS3”を行う。
【0071】
<ステップS3”> 撮像開始
ウエハWのアライメント処理と撮像開始の初期位置への移動が完了すると、撮像ユニット1を所定高さに移動および設定した後に、第2可動台16のスライダ16sの主走査速度V2をX軸方向に最適移動速度V1の2倍の速度に設定して走査させながらウエハWの撮像を開始する。このとき、第1撮像カメラ5と第2撮像カメラ6は、例えば、主走査方向に4列のラインセンサと時間遅延積分処理回路とを備えたTDIカメラを用いて構成しておく。
【0072】
また、上述の変形例(1)と同様に、制御部3から第1撮像カメラ5と第2撮像カメラ6に対して、トリガ信号1とトリガ信号2が交互に送信されるように構成しておく。また、第1撮像カメラ5と第2撮像カメラ6が、交互に同一部位をオーバーラップしながら撮像を行うように構成しておく。そして、ワークを主走査速度V2で移動させつつ、2台の撮像カメラ5,6を用いて、撮像を行う。
【0073】
図10は、撮像対象となる画像パターンであり、マトリクス状に分割された画像パターンの輝度値(20)が示されている。ここで空白の部分は、輝度値が0であることを意味している。また、縦軸は撮像する時刻:t0〜t16、横軸は撮像に用いるラインセンサのアドレス(1〜16)を例示している。
【0074】
両撮像カメラ5、6ごとに分けて測定輝度値に基づいて画像を構成すると、次のようになる。例えば、第1撮像カメラ5は、時刻t3では図11(a)に示す位置にあり、時刻t5では図11(b)に示す位置にある。そして、時刻t2〜t3にかけて第1ラインセンサ群を用いて撮像・取得した前段の輝度データは、TDI処理にて後段に送られ、時刻t4〜t5にかけて第2ラインセンサ群を用いて撮像・取得した後段の輝度データと積算処理がされる。そして、所定段数(上記例では2段)分の積算された値が、時刻d2aで1回の撮像分の輝度データとして外部に出力される。そして、複数回分の撮像の出力信号に基づいて画像を構成すると、図11(c)に示すように、輝度値の重複した部分が生じる。
【0075】
一方、第2撮像カメラ6は、第1撮像カメラ5の撮像位置と主走査方向に1画素分ずれた場所を観察するように取り付けられている。そのため、第2撮像カメラ6は、時刻t4では図12(a)に示す位置を観察し、時刻t6では図12(b)に示す位置を観察することになる。そして、時刻t3〜t4にかけて第1ラインセンサ群を用いて撮像・取得した前段の輝度データは、TDI処理にて後段に送られ、時刻t5〜t6にかけて第2ラインセンサ群を用いて撮像・取得した後段の輝度データと積算処理がされる。そして、所定段数(上記例では2段)分の積算された値が、時刻d2bで1回の撮像分の輝度データとして外部に出力される。そして、複数回分の撮像の出力信号に基づいて画像を構成すると、図12(c)に示すように輝度値の重複した部分が生じる。
【0076】
当該測定輝度値からウエハWの画像を再構成するとき、演算処理部21は、上記変形例(1)と同様の画像再構成処理を行うことで、所望の全体画像として再構成することができる。しかも、複数のラインセンサと用いてTDI処理を行っていることで、図13に示すような、輝度値を増幅させた画像データを取得することができる。
【0077】
この構成によれば、1本のラインセンサを備えた撮像カメラで構成した撮像ユニットを用いた場合よりも高感度でワークを撮像することができる。
【0078】
(3)上記実施例の装置および方法において、第1撮像カメラ5および第2撮像カメラ6ごとに保持テーブル14との相対的な位置関係をセンサまたはそれぞれの撮像カメラの予備撮像を通じて得た位置関係から撮像カメラ同士の相対的なズレ量を求め、当該ズレ量に応じて画像を補正してもよい。
【0079】
(4)上記実施例の装置および方法では、撮像ユニット1に2台の第1撮像カメラ5および第2撮像カメラ6を備えた構成であったが、当該台数に限定されない。すなわち、撮像カメラは、2台以上であればよい。この場合、撮像カメラの台数を増やすごとに第2可動台16の移動速度を高速にすることができる。例えば、最適移動速度V1×撮像カメラの台数に設定し、第2可動台16のスライダ16sを移動させる。また、スキャンレートを台数分に均等に分割し、当該分割したタイミングで交互に撮像するとともに、撮像タイミングを切り替えるまでの時間をそれぞれの撮像カメラの露光時間に設定すればよい。
【0080】
また、TDIカメラを使う形態においても、主走査方向に並列されるラインセンサの数やビニングする画素数(段数)は、設定する主走査速度や所望の増感度合いに応じて適宜設定するものとする。
【符号の説明】
【0081】
1 … 撮像ユニット
2 … 検査ステージ
3 … 制御部
4 … 鏡筒本体
5 … 第1撮像カメラ
6 … 第2撮像カメラ
7 … 照明ユニット
13a… ラインセンサ(第1撮像カメラ用)
13b… ラインセンサ(第2撮像カメラ用)
14 … 保持テーブル
15 … 第1可動台
16 … 第2可動台
17 … 第3可動台
20 … 記憶部
21 … 演算処理部
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