(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(B)デキストリン脂肪酸エステルの水中油型日焼け止め化粧料中における含有量が、0.25質量%以上1.5質量%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の水中油型日焼け止め化粧料。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について詳述する。
【0012】
本発明に用いられる(A)油溶性紫外線吸収剤としては、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン等のサリチル酸系;パラアミノ安息香酸、エチルジヒドロキシプロピルパラアミノ安息香酸、グリセリルパラアミノ安息香酸、オクチルジメチルパラアミノ安息香酸、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルへキシル等のパラアミノ安息香酸系;4−(2−β−グルコピラノシロキシ)プロポキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(ユビナールMC80;BASF社製)、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、2,5−ジイソプロピルケイ皮酸メチル、2,4,6−トリス[4−(2−エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン(ユビナールT150;BASF社製)、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、p−メトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩等のケイ皮酸系;2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(パラソール1789;DSM ニュートリション ジャパン社製)等のベンゾイルメタン系;オクトクリレン(パラソール340;DSM ニュートリション ジャパン社製)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル(ソフトシェードDH;味の素社製)、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチル−1,3−ペンタンジオン、シノキサート、メチル−O−アミノベンゾエート、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、オクチルトリアゾン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルエステル(ユビナールAplus;BASF社製)、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(チノソーブS;BASF社製)、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(チノソーブM;BASF社製)が挙げられ、これらから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。(A)成分として室温(25℃)で固体状の(A)成分を用いる場合は、室温で液状の油に溶解させて用いるのが好ましく、より安定性を向上する点から後述する室温で液状のエステル油(成分(F))に溶解させて用いることがより好ましい。
【0013】
これらのうち、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(ユビナールMC80;BASF社製)、2,4,6−トリス[4−(2−エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン(ユビナールT150;BASF社製)、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(パラソール1789;DSM ニュートリション ジャパン社製)、オクトクリレン(パラソール340;DSM ニュートリションジャパン社製)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル(ソフトシェードDH;味の素社製)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルエステル(ユビナールAplus;BASF社製)、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(チノソーブS;BASF社製)、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(チノソーブM;BASF社製)から選ばれる1種又は2種以上が紫外線吸収効果の点から好ましく、2種以上を組み合わせることがより好ましい。
【0014】
本発明で用いる(A)成分の水中油型日焼け止め化粧料中における含有量は、紫外線防御効果の点から、0.6質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましい。また、本発明で用いる(A)成分の水中油型日焼け止め化粧料中における含有量は、べたつきやぬるつきを抑えみずみずしい使用感を維持できる点から、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。本発明で用いる(A)成分の水中油型日焼け止め化粧料中における含有量は、塗布後の圧迫感をさらに低減する点から18質量%以下であることがさらに好ましく、16質量%以下であることが殊更に好ましい。
また、(A)成分の水中油型日焼け止め化粧料中における含有量は、0.6〜30質量%が好ましく、2〜25質量%がより好ましく、5〜20質量%がさらに好ましく、5〜18質量%がさらに好ましく、5〜16質量%がよりさらに好ましい。
【0015】
本発明に用いられる(B)デキストリン脂肪酸エステルは、脂肪酸とデキストリンのエステルであり、前記脂肪酸の炭素数は8〜24であることが好ましく、より好ましくは炭素数が14〜18であり、前記脂肪酸は直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和脂肪酸であり、前記(B)成分の平均重合度は10〜50であることが好ましく、より好ましくは20〜30である。
具体例としては、パルミチン酸デキストリン、パルミチン酸/2−エチルヘキサン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、パルミチン酸/ステアリン酸デキストリン、オレイン酸デキストリン、イソパルミチン酸デキストリン、イソステアリン酸デキストリン等が挙げられ、これらから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
市販品としてはパルミチン酸デキストリン(レオパールKL2、レオパールKS2、レオパールTL2)、パルミチン酸/2−エチルヘキサン酸デキストリン(レオパールTT2)、ミリスチン酸デキストリン(レオパールMKL2)、(いずれも千葉製粉社製)等が挙げられる。
【0016】
本発明で用いる(B)成分の水中油型日焼け止め化粧料中における含有量は、油溶性紫外線吸収剤のべたつきや二次付着を抑える点から、0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましく、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましい。また、(B)成分の水中油型日焼け止め化粧料中における含有量は、0.1〜5質量%が好ましく、0.3〜3質量%がより好ましく、0.5〜2質量%がさらに好ましい。
また、二次付着の防止、圧迫感のなさ、さっぱり感を向上する点から、(B)成分の水中油型日焼け止め化粧料中における含有量は、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.25質量%以上がさらに好ましく、2質量%以下が好ましく、1.5質量%以下が好ましく、1.3質量%以下が好ましい。また、(B)成分の水中油型日焼け止め化粧料中における含有量は、0.1〜2質量%が好ましく、0.25〜1.5質量%がより好ましく、0.25〜1.3質量%がさらに好ましい。
【0017】
本発明では、油溶性紫外線吸収剤のべたつきや二次付着を抑え、ぬるつきやべたつきを抑制し、みずみずしい使用感を得るために、成分(A)と(B)の質量比(A/B)は、2.5以上47以下である。成分(A)と(B)との質量比(A/B)は、二次付着を抑え、よれのなさ、べたつき・ぬるつきのなさ、保湿感の良さ、肌に透明になじみ、みずみずしい使用感を得る点から、3以上が好ましく、5以上がより好ましく、6以上がさらに好ましく、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、25以下がさらに好ましい。また、成分(A)と(B)との質量比(A/B)は、3〜40が好ましく、5〜30がより好ましく、6〜25がさらに好ましい。
【0018】
本発明で用いる(C)アクリル酸系ポリマーとしては、メタアクリル酸、アクリル酸、メタアクリレート、アクリレート、メタアクリルアミド、及びアクリルアミドから選ばれるモノマーを構成単位とするホモポリマー又はこれらモノマーを2種以上含むコポリマーであればよく、例えばカルボキシビニルポリマー(シンタレンK、L;和光純薬工業社)、アルキル変性カルボキシビニルポリマー(PEMULEN TR−1、TR−2;ルーブリゾール社)、SEPPIC社から販売されているポリアクリルアミド(SEPIGEL 305)、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー(SIMULGEL EG)、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー(SIMULGEL FL、SIMULGEL NS、SEPIPLUS S、SEPINOV EMT 10)、(アクリルアミド/アクリル酸アンモニウム)コポリマー(SEPIPLUS 265)、ポリアクリレート−13(SEPIPLUS 400)等が挙げられる。これらから選ばれるアクリル酸系ポリマーの1種又は2種以上を使用することができる。
これらのうち、アルキル変性カルボキシビニルポリマー及び(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーから選ばれる1種又は2種以上を用いた場合、少量でも製剤が安定し、且つ塗布時のよれ防止効果や使用感の向上の点から好ましい。
【0019】
本発明で用いる(C)成分の水中油型日焼け止め化粧料中における含有量は、製剤の安定性の点から、0.1質量%以上が好ましく、0.25質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましく、0.4質量%以上がさらに好ましい。また、(C)成分の水中油型日焼け止め化粧料中における含有量は、ポリマーに起因する塗布時のよれやべたつきの点から2質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がより好ましく、1.2質量%以下がさらに好ましく、1質量%以下が好ましく、0.8質量%以下がより好ましい。また、(C)成分の水中油型日焼け止め化粧料中における含有量は、0.1〜2質量%が好ましく、0.25〜1.5質量%がより好ましく、0.3〜1.2質量%がさらに好ましく、0.4〜1.2質量%がさらに好ましい。さらに、(C)成分の水中油型日焼け止め化粧料中における含有量は、塗布時のよれ、保湿感の持続性の点からさっぱり感の点から、0.25〜1質量%が好ましく、0.3〜0.8質量%がより好ましい。尚、この上記(C)成分の含有量は、アクリル酸系ポリマーを含有する製品に含まれる有効成分の含有量(純分量:質量%)であり、市販原料(混合原料)の含有量(質量%)ではない。
【0020】
本発明では、二次付着性を抑え、塗布後のよれを防止して均一に伸びる塗布性能を得、また、塗布後の肌の圧迫感を防止し、さっぱりした良好な感触を得る点から、成分(B)と(C)の質量比(B/C)は、0.2以上が好ましく、0.25以上がより好ましく、0.4以上がさらに好ましく、3.0以下が好ましく、2.8以下が好ましく、2.7以下がより好ましく、2.6以下がさらに好ましい。ここで圧迫感とは、本発明は、塗布後に皮膜を形成するので、塗布したときに肌の上を必要以上に厚い膜が覆ったような違和感を感じることである。
塗布後の肌の圧迫感の低減とさっぱり感をさらに向上する点から、成分(B)と(C)の質量比(B/C)は、2.35以下がより好ましく、2.0以下がさらに好ましく、1.8以下がよりさらに好ましい。また、成分(B)と(C)の質量比(B/C)は、0.2〜3.0が好ましく、0.25〜2.35がより好ましく、0.4〜1.8がさらに好ましい。
べたつき・ぬるつきを抑え、みずみずしさや透明性を向上する点から、成分(B)と(C)の質量比(B/C)は、0.4以上が好ましく、0.6以上がより好ましい。また、成分(B)と(C)の質量比(B/C)は、0.4〜2.8が好ましく、0.6〜2.7がより好ましく、1〜2.6がさらに好ましい。
【0021】
本発明では、安定性の向上、紫外線防御効果及び塗布時のよれやべたつき防止の点から、成分(A)と(C)の質量比(A/C)は、4.5以上であって、5以上が好ましく、6.5以上がより好ましく、よれの発生を防止する観点から7以上がさらに好ましい。成分(A)と(C)の質量比(A/C)は、35以下であって、33以下が好ましく、30以下がより好ましく、保湿性を持続する点から25以下がよりさらに好ましい。また、成分(A)と(C)の質量比(A/C)は、よれやべたつきを抑制する点、塗布膜と保湿感の持続性の向上の点から、4.5〜35であって、5〜33が好ましく、6.5〜30がより好ましく、7〜30がさらに好ましく、7〜27がさらに好ましく、6.5〜25がさらに好ましい。
【0022】
本発明において(D)成分は、(A)成分および(B)成分以外の粉体であって、本発明の水中油型日焼け止め化粧料中に粉体として存在する。本発明において(D)成分に該当する「粉体」には、有機粉末や、紫外線散乱剤等の無機粉末、有機粉末に無機粉末を被覆したような複合粉末等が挙げられる。
具体的には、タルク、カオリン、セリサイト、白雲母、酸化チタン、酸化鉄などの無機白色顔料;酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄などの無機赤色系顔料;黄酸化鉄、黄土などの無機黄色系顔料;マンゴバイオレット、コバルトバイオレットなどの無機紫色系顔料;酸化クロム、水酸化クロム、コバルトチタン酸などの無機緑色系顔料;群青、紺青などの無機青色系顔料;酸化チタンコーテッド雲母、酸化チタンコーテッドオキシ酸化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、魚鱗箔、着色酸化チタンコーテッド雲母などのパール顔料;アルミニウムパウダー、カッパーパウダーなどの金属粉末顔料;合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、バーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、珪藻土、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、α−酸化鉄、水和酸化鉄、シリカ、ヒドロキシアパタイトなどの無機粉末;ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、微結晶性セルロース、シリコーンパウダーなどの有機粉末等が挙げられる。また、微粒子酸化チタンや微粒子酸化亜鉛などの紫外線散乱剤や、有機粉末に無機粉末を被覆した複合粉末なども挙げられる。本発明の水中油型日焼け止め化粧料は、安定性を確保する点から(D)粉体として酸化チタンを含有することが好ましい。
【0023】
上記(D)粉体の含有量は、塗布時の透明性やみずみずしい使用感が得られる点から、水中油型日焼け止め化粧料全量に対して5質量%以下であり、好ましくは3質量%以下であり、より好ましくは2.7質量%以下であり、より好ましくは2.5質量%以下であり、より好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、さらに好ましくは0.8質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以下であり、さらに好ましくは0.3質量%以下である。尚、本発明には、(D)粉体の含有量が0の場合が含まれる。
【0024】
本発明の水中油型日焼け止め化粧料では、みずみずしい使用感を向上する観点から、さらに(E)エタノールを含有することができる。(E)成分の水中油型日焼け止め化粧料中における含有量は、上記の点から、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上がさらに好ましく、5質量%以上がよりさらに好ましく、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、12質量%以下がさらに好ましい。また、(E)成分の水中油型日焼け止め化粧料中における含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、2〜12質量%がさらに好ましく、5〜12質量%がさらに好ましい。
【0025】
本発明の水中油型日焼け止め化粧料では、エモリエント効果を付与するために、さらに(F)成分として、(A)成分以外の常温(25℃)で液状のエステル油を含有することができる。具体的な(F)成分としては、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソセチル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸プロピレングリコール、セバシン酸ジエチルヘキシル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチルプロパン、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリカプリル酸グリセリル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジミリスチン酸グリセリル、ジラウリン酸ジエチレングリコール、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、ジ酢酸モノステアリン酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、安息香酸アルキル(C
12〜C
15)、乳酸オクチルドデシル、モノステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸プロピレングリコール、乳酸オレイル、ジカプロン酸プロピレングリコール、セバシン酸ジイソプロピル、モノステアリン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ジエチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジヤシ油脂肪酸グリセリル、ジラウリン酸グリセリル、セスキオレイン酸グリセリル、モノオレイン酸エチレングリコール、乳酸セチル、セバシン酸ジエチル、ヒマシ油脂肪酸メチル、パルミチン酸エチレングリコール、ジラウリン酸ポリエチレングリコール及びジピバリン酸トリプロピレングリコールからなる群から選択される1種又は2種以上を挙げることができる。
これらのうち、炭素数12〜18の脂肪酸と炭素数14〜22の分岐アルコールとのエステル、トリ(C
12〜C
18分岐脂肪酸)グリセリル、C
2〜C
18ジカルボン酸ジ(C
2〜C
18アルキル)、安息香酸アルキル(C
12〜C
15)等が好ましく、具体的にはミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソセチル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチルヘキシル、ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、安息香酸アルキル(C
12〜C
15)、リンゴ酸ジイソステアリルがより好ましい。
【0026】
(F)成分の水中油型日焼け止め化粧料中における含有量は、上記の点から、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上がさらに好ましく、12質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、7質量%以下がさらに好ましい。また、(F)成分の水中油型日焼け止め化粧料中における含有量は、0.5〜12質量%が好ましく、1〜8質量%がより好ましく、2〜7質量%がさらに好ましい。さらに、(A)成分が常温(25℃)で固体の紫外線吸収材を含有する場合、(A)成分の溶解性や安定性を向上させるため、1質量%以上が好ましい。
【0027】
本発明では、紫外線吸収剤のべたつきや二次付着を抑え、みずみずしい使用感を得る観点、圧迫感を抑える観点から、成分(A)と(F)の和と、成分(B)の質量比((A+F)/B)は、2.75以上が好ましく、5以上がより好ましく、80以下が好ましく、60以下がより好ましく、二次付着をより抑え、みずみずしい使用感をより向上する観点から、50以下がさらに好ましく、30以下がよりさらに好ましく、圧迫感をより低減する観点から10以上がよりさらに好ましい。また、成分(A)と(F)の和と、成分(B)の質量比((A+F)/B)は、2.75〜60が好ましく、5〜30がより好ましい。
【0028】
本発明では、製剤の安定性を高めるために、成分(A)と(F)の和と、成分(C)の質量比((A+F)/C)は、4.6以上が好ましく、10以上がより好ましく、300以下が好ましく、200以下がより好ましく、70以下がさらに好ましく、45以下がよりさらに好ましい。また、成分(A)と(F)の和と、成分(C)の質量比((A+F)/C)は、4.6〜300が好ましく、10〜200がより好ましい。
【0029】
本発明の水中油型日焼け止め化粧料には、塗布時の乾き際のなじみを向上させるため、さらに(G)成分として、ポリエチレングリコールを含有することができる。成分(G)としては、ポリスチレンを標準としたGPC法による数平均分子量が1000以上のものが好ましく、前記分子量が1000〜2500000のものが好ましく、前記分子量が1000〜30000のものがより好ましく、前記分子量が10000〜30000のものがさらに好ましい。
成分(G)としては、ポリエチレングリコール1500、ポリエチレングリコール1540、ポリエチレングリコール2000、ポリエチレングリコール6000、ポリエチレングリコール20000(以上、三洋化成工業社製)等の市販品を用いることができる。
これらのうち、塗布後の肌感触がつるつるするので、ポリエチレングリコール1540 、ポリエチレングリコール2000、ポリエチレングリコール6000、ポリエチレングリコール20000が好ましく、ポリエチレングリコール20000がより好ましい。
【0030】
成分(G)は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、含有量は、保湿感が向上する点から、水中油型日焼け止め化粧料中に0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上がさらに好ましく、ヌルつきや乾き際のべたつきを抑える点から、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。また、(G)成分の水中油型日焼け止め化粧料中の含有量は、0.001〜5質量%が好ましく、0.01〜3質量%がより好ましく、0.05〜1質量%がさらに好ましい。
【0031】
本発明の水中油型日焼け止め化粧料には、塗布時のさっぱり感を向上させるため、(H)成分としてシリコーン油を含有することができる。具体的な(H)成分としては、25℃における粘度が50mPa・s以下のものが好ましく、1〜30mPa・sのものがより好ましく、1〜20mPa・sのものがさらに好ましい。
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサンが好ましく、25℃における粘度が20mPa・s以下のジメチルポリシロキサン、オクタメチルシクロポリシロキサンがより好ましく、25℃における粘度が20mPa・s以下のジメチルポリシロキサンがさらに好ましい。粘度の測定は、25℃において、B型粘度計(TOKI SANGYO VISCOMETER TVB-10M、東機産業社製)にて、ロータ1、60rpm、1分間で測定できる。
【0032】
成分(H)は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、含有量は、塗布時の伸びが向上する点から、水中油型日焼け止め化粧料中に0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましく、ヌルつきを抑える点から、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましい。また、成分(H)の水中油型日焼け止め化粧料中の含有量は、0.1〜5質量%が好ましく、0.2〜3質量%がより好ましく、0.3〜2質量%がさらに好ましい。
【0033】
本発明の水中油型日焼け止め化粧料は、水を含有する。水中油型日焼け止め化粧料中の水の含有量は、みずみずしい使用感、さっぱり感、圧迫感の低減と適度な粘度のバランスの点から、40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以下であることが好ましく、85質量%以下であることがより好ましい。
【0034】
本発明の水中油型日焼け止め化粧料には、上記成分及び水以外に、本発明の効果を損なわない範囲であれば、通常化粧料に配合される非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤、低級アルコール、低級アルコールを除く水溶性溶剤、(A)成分、(F)成分、及び(H)成分以外の油剤、フッ素化合物、樹脂、有効成分、酸、塩基、増粘剤、防菌防腐剤、香料、保湿剤、塩類、溶媒、酸化防止剤、キレート剤、pH調整剤、昆虫忌避剤、生理活性成分等の成分を使用することができる。
【0035】
前記界面活性剤のうち、非イオン界面活性剤としては、乳化安定性をより高める点から、非イオン界面活性剤のHLBは、10〜20のものが好ましく、HLBは12〜18のものがより好ましい。 なお、非イオン界面活性剤を2種以上用いる場合は、混合した非イオン界面活性剤のHLBが上記範囲にあることが好ましい。
【0036】
ここで、HLB(親水性−親油性のバランス〈Hydrophilic-Lypophilic Balance〉)は、界面活性剤の全分子量に占める親水基部分の分子量を示すものであり、非イオン界面活性剤については、グリフィン(Griffin)の式により求められるものである。
2種以上の非イオン界面活性剤から構成される混合界面活性剤のHLBは、次のようにして求められる。混合界面活性剤のHLBは、各非イオン界面活性剤のHLB値をその配合比率に基づいて相加算平均したものである。
【0037】
混合HLB=Σ(HLBx×Wx)/ΣWx
HLBxは、非イオン界面活性剤XのHLB値を示す。
Wxは、HLBxの値を有する非イオン界面活性剤Xの重量(g)を示す。
【0038】
非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロースエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
これらのうち、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルが好ましく、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルがより好ましい。
【0039】
非イオン界面活性剤は、上記から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、安定性の点から、含有量は、水中油型日焼け止め化粧料中に0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましく、8質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましい。また、非イオン界面活性剤の水中油型日焼け止め化粧料中の含有量は、0.001〜8質量%が好ましく、0.005〜5質量%がより好ましく、0.01〜3質量%が更に好ましい。
【0040】
本発明の水中油型日焼け止め化粧料は、アニオン界面活性剤を含有することができる。アニオン界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸アルギニン等の炭素数12〜24の脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキルエーテル硫酸エステル塩;ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン塩;N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム等の脂肪酸アミドスルホン酸塩;モノステアリルリン酸ナトリウム等のアルキルリン酸塩;ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩;ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等の長鎖スルホコハク酸塩;N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸アルギニン、N−ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム等の長鎖N−アシルグルタミン酸塩などが挙げられる。これらのうち、脂肪酸アミドスルホン酸塩が好ましく、脂肪酸が炭素数12〜24である脂肪酸アミドスルホン酸塩が好ましく、N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウムがさらに好ましい。
アニオン界面活性剤は、上記から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、安定性の点から、含有量は、水中油型日焼け止め化粧料中に0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましく、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下が更に好ましく、0.05質量%以下が殊更に好ましい。具体的な範囲としては、0.001〜1質量%が好ましく、0.005〜0.5質量%がより好ましく、0.01〜0.1質量%が更に好ましく、0.01〜0.05質量%が殊更に好ましい。
カチオン界面活性剤と両性界面活性剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、含有量は、水中油型日焼け止め化粧料中に0.5質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、0.01質量%以下がさらに好ましく、含有されないことがよりさらに好ましい。
【0041】
本発明の水中油型日焼け止め化粧料は、(E)成分以外の水溶性溶剤として、(G)成分以外の多価アルコールを含有することができる。前記(G)成分以外の多価アルコールとしては、プロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ヘキシレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール等が挙げられる。これらのうち、プロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ヘキシレングリコール、グリセリンから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、グリセリンが、保湿性の点からより好ましい。前記(G)成分以外の多価アルコールの含有量は、水中油型日焼け止め化粧料に0.1〜25質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく、1〜15質量%が更に好ましい。
【0042】
本発明の水中油型日焼け止め化粧料は、(A)成分、(F)成分及び(H)成分以外の油剤を含有することができる。かかる油剤としては、例えば、ホホバ油、オリーブ油等の植物油;液状ラノリン等の動物油;流動パラフィン、軽質イソパラフィン、スクワラン、スクワレン等の直鎖又は分岐鎖の炭化水素油、炭素数14〜22の高級アルコールなどが挙げられる。これらのうち、炭化水素油が好ましく、流動イソパラフィンが伸ばしやすさの点からより好ましい。(A)成分、(F)成分及び(H)成分以外の油剤の含有量は、水中油型日焼け止め化粧料中に0.1〜25質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく、1〜15質量%が更に好ましい。
【0043】
有効成分としては、例えば、アスコルビン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸等の水溶性ビタミン類;オウバクエキス、カンゾウエキス、アロエエキス、スギナエキス、茶エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、ニンジンエキス、ハマメリス抽出液、プラセンタエキス、海藻エキス、マロニエエキス、ユズエキス、アスナロエキス、ローヤルゼリーエキス、ユーカリエキス、アスナロ抽出液等の動・植物抽出液などが挙げられる。酸としては、クエン酸、酒石酸、乳酸、リン酸、コハク酸、アジピン酸等が挙げられ、塩基としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、アルギニン、炭酸ナトリウム等が挙げられる。
【0044】
本発明は、(B)成分、(C)成分以外のポリマー又は増粘剤を含有することができる。かかるポリマー又は増粘剤としては、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、グアーガム、キサンタンガム、カルボキシメチルキトサン、ヒアルロン酸ナトリウム、オキサゾリン変性シリコーン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N−ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体等が挙げられる。
【0045】
(B)成分、(C)成分以外のポリマー又は増粘剤の含有量は、安定性の確保、よれの防止の点から、水中油型日焼け止め化粧料全量中2質量%未満が好ましく、1質量%未満がより好ましく、0.8質量%未満がさらに好ましく、0.5質量%未満がよりさらに好ましく、0.3質量%未満が殊更に好ましい。(B)成分、(C)成分以外の増粘剤は、含有しなくてもよい。
【0046】
本発明の水中油型日焼け止め化粧料の剤型としては、水中油型乳化系であればよく、液状、乳液状、クリーム状、ペースト状などに適用が可能であり、さらにシートに含浸させて用いたり、スプレー容器に収用して、霧状に塗布させたり、ムース状に塗布して適用できる。
【0047】
本発明の水中油型日焼け止め化粧料の粘度(25℃)は、使用感と安定性の点から4000mPa・s以上が好ましく、5000mPa・s以上がより好ましく、また、100000mPa・s以下が好ましく、80000mPa・s以下がより好ましい。ここで粘度は、20000mPa・s未満の場合は、B型粘度計(TOKI SANGYO VISCOMETER TVB-10M、東機産業社製)にて、ロータNo.4、30rpm、1分間で測定した値であり、20000mPa・s以上の場合は、B型粘度計(TOKI SANGYO VISCOMETER TVB-10R、東機産業社製)にて、ロータT-D、5rpm、1分間で測定した値である。
【0048】
本発明の水中油型日焼け止め化粧料は、例えば次のように製造することができる。一部の水に(C)成分を加えた水相を撹拌する工程、さらに水相に塩基を加える工程を備える。一方、(A)成分、(B)成分を含む油相を80℃以上で加熱撹拌する工程を備える。前記の水相に前記の油相を加えて撹拌した後に、他の成分を加えて撹拌する工程を備える。なお、固体の(G)を加える場合は、一部の水に(G)成分を加え、(G)成分の融点以上に加熱し撹拌して溶融し、これを上記の他の成分とともに加える。
【0049】
前述の実施形態に関し、さらに本発明は以下の水中油型日焼け止め化粧料を開示する。
【0050】
<1>(A)油溶性紫外線吸収剤、(B)デキストリン脂肪酸エステル及び(C)アクリル酸系ポリマーを含有し、次の条件(1)〜(3)を満たす水中油型日焼け止め化粧料。(1)(D)粉体の含有量が5質量%以下である
(2)(A)油溶性紫外線吸収剤と(B)デキストリン脂肪酸エステルとの質量比(A/B)が、2.5以上40以下である
(3)(A)油溶性紫外線吸収剤と(C)アクリル酸系ポリマーとの質量比(A/C)が4.5以上35以下である
【0051】
<2>(B)成分と(C)成分との質量比(B/C)が、好ましくは0.2以上3以下である前記<1>の水中油型日焼け止め化粧料。
<3>(D)粉体の含有量が、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは2.7質量%以下であり、より好ましくは2.5質量%以下であり、さらに好ましくは2質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下であり、さらに好ましくは0.8質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.3質量%以下である前記<1>又は<2>の水中油型日焼け止め化粧料。
【0052】
<4>(A)成分が、好ましくは、サリチル酸系、パラアミノ安息香酸系、ベンゾフェノン系、ケイ皮酸系、ベンゾイルメタン系、オクトクリレン、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチル−1,3−ペンタンジオン、シノキサート、メチル−O−アミノベンゾエート、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、オクチルトリアゾン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルエステル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン及びメチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノールから選ばれる1種又は2種以上である前記<1>〜<3>のいずれか1の水中油型日焼け止め化粧料。
<5>(A)成分が、好ましくはパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、2,4,6−トリス[4−(2−エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オクトクリレン、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルエステル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン及びメチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノールから選ばれる1種又は2種以上である前記<1>〜<4>のいずれか1の水中油型日焼け止め化粧料。
<6>(A)成分の水中油型日焼け止め化粧料中における含有量が、好ましくは0.6質量%以上であり、より好ましくは2質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%以上であり、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは18質量%以下であり、さらに好ましくは16質量%以下である前記<1>〜<5>のいずれか1の水中油型日焼け止め化粧料。
<7>(B)成分が、好ましくは直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸とデキストリンのエステルであって、好ましくは脂肪酸の炭素数は8〜24であり、より好ましくは脂肪酸の炭素数は14〜18であり、好ましくは平均重合度が10〜50であり、より好ましくは20〜30である前記<1>〜<6>のいずれか1の水中油型日焼け止め化粧料。
<8>(B)成分が、好ましくはパルミチン酸デキストリン、パルミチン酸/2−エチルヘキサン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、パルミチン酸/ステアリン酸デキストリン、オレイン酸デキストリン、イソパルミチン酸デキストリン及びイソステアリン酸デキストリンから選ばれる1種又は2種以上である前記<1>〜<7>のいずれか1の水中油型日焼け止め化粧料。
<9>(B)成分の水中油型日焼け止め化粧料中における含有量が、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.2質量%以上であり、より好ましくは0.25質量%以上であり、より好ましくは0.3質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、さらに好ましくは2質量%以下であり、さらに好ましくは1.5質量%以下であり、さらに好ましくは1.3質量%以下である前記<1>〜<8>のいずれか1の水中油型日焼け止め化粧料。
<10>(A)成分と(B)成分との質量比(A/B)が、好ましくは3以上であり、より好ましくは5以上であり、さらに好ましくは6以上であり、好ましくは40以下であり、より好ましくは30以下であり、さらに好ましくは25以下である前記<1>〜<9>のいずれか1の水中油型日焼け止め化粧料。
<11>(C)成分が、好ましくは、メタアクリル酸、アクリル酸、メタアクリレート、アクリレート、メタアクリルアミド、アクリルアミドから選ばれるモノマーを構成単位とするホモポリマー又はこれらモノマーを2種以上含むコポリマーであり、より好ましくはカルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリアクリルアミド、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリルアミド/アクリル酸アンモニウム)コポリマー、及びポリアクリレート−13から選ばれる1種又は2種以上である前記<1>〜<10>のいずれか1の水中油型日焼け止め化粧料。
<12>(C)成分の水中油型日焼け止め化粧料中における含有量が、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.25質量%以上であり、より好ましくは0.3質量%以上であり、さらに好ましくは0.4質量%以上であり、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1.5質量%以下であり、さらに好ましくは1.2質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下であり、さらに好ましくは0.8質量%以下である前記<1>〜<11>のいずれか1の水中油型日焼け止め化粧料。
<13>(B)成分と(C)成分との質量比(B/C)が、好ましくは0.2以上であり、より好ましくは0.25以上であり、さらに好ましくは0.4以上であり、よりさらに好ましくは0.6以上であり、好ましくは3以下であり、より好ましくは2.8以下であり、さらに好ましくは2.7以下であり、さらに好ましくは2.6以下であり、よりさらに好ましくは2.35以下であり、よりさらに好ましくは2.0以下であり、よりさらに好ましくは1.8以下である前記<1>〜<12>のいずれか1の水中油型日焼け止め化粧料。
<14>(A)成分と(C)成分との質量比(A/C)が、好ましくは5以上であり、より好ましくは6.5以上であり、さらに好ましくは7以上であり、好ましくは33以下であり、より好ましくは30以下であり、さらに好ましくは25以下である前記<1>〜<13>のいずれか1の水中油型日焼け止め化粧料。
<15>(D)成分が、好ましくは有機粉末、無機粉末及び有機粉末に無機粉末を被覆した複合粉末から選ばれる1種又は2種以上である前記<1>〜<14>のいずれか1の水中油型日焼け止め化粧料。
<16>(D)成分が、好ましくは酸化チタンであり、好ましくは水中油型日焼け止め化粧料中における酸化チタンの含有量が5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下である<1>〜<15>のいずれか1の水中油型日焼け止め化粧料。
<17>さらに、好ましくは(E)エタノールを含有する前記<1>〜<16>のいずれか1の水中油型日焼け止め化粧料。
<18>(E)成分の水中油型日焼け止め化粧料中における含有量が、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは1質量%以上であり、さらに好ましくは2質量%以上であり、よりさらに好ましくは5質量%以上であり、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは12質量%以下である前記<17>の水中油型日焼け止め化粧料。
<19>さらに、好ましくは(F)25℃で液状のエステル油を含有する前記<1>〜<18>のいずれか1の水中油型日焼け止め化粧料。
<20>(F)成分が、好ましくは炭素数12〜18の脂肪酸と炭素数14〜22の分岐アルコールとのエステル、トリ(C
12〜C
18分岐脂肪酸)グリセリル、C
2〜C
18ジカルボン酸ジ(C
2〜C
18アルキル)及び安息香酸アルキル(C
12〜C
15)から選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソセチル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチルヘキシル、ジ2−エチルヘキサン酸オネペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、安息香酸アルキル(C
12〜C
15)、及びリンゴ酸ジイソステアリルから選ばれる1種又は2種以上である前記<19>の水中油型日焼け止め化粧料。
<21>好ましくは(F)25℃で液状のエステル油を含有し、(A)成分と(F)成分の和と、(B)成分との質量比((A+F)/B)が、好ましくは2.75以上であり、より好ましくは5以上であり、よりさらに好ましくは10以上であり、好ましくは80以下であり、より好ましくは60以下であり、さらに好ましくは50以下であり、よりさらに好ましくは30以下である前記<1>〜<20>のいずれか1の水中油型日焼け止め化粧料。
<22>好ましくは(F)25℃で液状のエステル油を含有し、(A)成分と(F)成分の和と、(C)成分との質量比((A+F)/C)が、好ましくは4.6以上であり、より好ましくは10以上であり、好ましくは300以下であり、より好ましくは200以下であり、さらに好ましくは70以下であり、さらに好ましくは45以下である前記<1>〜<21>のいずれか1の水中油型日焼け止め化粧料。
<23>さらに、好ましくは(G)ポリエチレングリコールを含有し、より好ましくは(G)ポリエチレングリコールが数平均分子量1000以上のものであり、さらに好ましくは(G)成分が数平均分子量1000〜2500000のものであり、さらに好ましくは(G)成分が数平均分子量1000〜30000のものであり、よりさらに好ましくは(G)成分が数平均分子量20000〜30000もものである前記<1>〜<22>のいずれか1の水中油型日焼け止め化粧料。
<24>(G)成分の水中油型日焼け止め化粧料中における含有量が、好ましくは0.001質量%以上であり、より好ましくは0.01質量%以上であり、さらに好ましくは0.05質量%以上であり、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下である前記<23>の水中油型日焼け止め化粧料。
<25>さらに好ましくは(H)シリコーン油を含有する前記<1>〜<24>のいずれか1の水中油型日焼け止め化粧料。
<26>(H)成分が、好ましくは25℃における粘度が50mPa・s以下であり、より好ましくは25℃における粘度が1〜30mPa・sであり、さらに好ましくは25℃における粘度が1〜20mPa・sであり、より好ましくはジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサンから選ばれる1種又は2種であり、よりさらに好ましくはジメチルシクロポリシロキサンである前記<25>の水中油型日焼け止め化粧料。
<27>(H)成分の含有量が、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.2質量%以上であり、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、さらに好ましくは2質量%以下である前記<25>又は<26>の水中油型日焼け止め化粧料。
<28>さらに好ましくは、非イオン界面活性剤を含有し、より好ましくは非イオン界面活性剤のHLBが10〜20であり、さらに好ましくは非イオン界面活性剤のHLBが12〜18である前記<1>〜<27>のいずれか1の水中油型日焼け止め化粧料。
<29>非イオン界面活性剤の含有量が、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上であり、また、好ましくは8質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である前記<28>の水中油型日焼け止め化粧料。
<30>さらに好ましくは、アニオン界面活性剤を含有し、好ましくはアニオン界面活性剤の含有量は0.001質量%以上であり、より好ましくは0.005質量%以上であり、さらに好ましくは0.01質量%以上であり、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以下であり、さらに好ましくは0.1質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.05質量%以下である前記<1>〜<29>のいずれか1の水中油型日焼け止め化粧料。
<31>さらに好ましくは、アニオン界面活性剤を含有し、好ましくは脂肪酸アミドスルホン酸又はその塩を含有し、より好ましくは炭素数12〜24の脂肪酸を由来とする脂肪酸アミドスルホン酸又はその塩を含有し、さらに好ましくはN-ステアロイル-N-メチルタウリンナトリウムを含有する前記<1>〜<30>のいずれか1の水中油型日焼け止め化粧料。
<32>さらに好ましくは(G)成分以外の多価アルコーを含有し、より好ましくは1,3-プロパンジオール、1、3-プロパンジオール、プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、グリセリンから選ばれる1種又は2種以上の多価アルコールを含有する前記<1>〜<31>のいずれか1の水中油型日焼け止め化粧料。
<33>(G)成分以外の多価アルコールの含有量が、好ましくは0.1〜25質量%であり、より好ましくは0.5〜20質量%であり、さらに好ましくは1〜15質量%である前記<32>の水中油型日焼け止め化粧料。
<34>好ましくは、(A)成分、(F)成分、及び(H)成分以外の油剤を含有する前記<1>〜<33>のいずれか1の水中油型日焼け止め化粧料。
<35>25℃における粘度が、好ましくは4000mPa・s以上であり、より好ましくは5000mPa・s以上であり、好ましくは100000mPa・s以下であり、より好ましくは80000mPa・s以下であり、さらに好ましくは前記<1>〜<34>のいずれか1の水中油型日焼け止め化粧料。
【実施例】
【0053】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0054】
説明にあたり、以下の実施例1〜14、比較例1〜7で行った官能評価、二次付着性及び安定性の評価方法について述べる。
【0055】
(1)使用感の評価
専門パネラー10名により、表1及び表2に示す水中油型日焼け止め化粧料を実際に使用した時の、べたつき・ぬるつきの無さ、よれの無さ(均一に伸びてむらにならない)、みずみずしさ・透明性、保湿感、の各使用特性を次の評価基準に従って評価してもらった。評価結果の平均値を表1及び表2に示す。
(評価基準)
【0056】
(a)べたつき・ぬるつきの無さ
5点:べたつき・ぬるつき感が非常に少ない
4点:べたつき・ぬるつき感が少ない
3点:普通(どちらともいえない)
2点:べたつき・ぬるつき感が多い
1点:べたつき・ぬるつき感が非常に多い
(b)よれの無さ(均一に伸びてむらにならない)
5点:よれず、均一にのび、むらが非常に少ない
4点:よれず、均一にのび、むらが少ない
3点:普通(どちらともいえない)
2点:よれやすく、均一にのびず、むらがある
1点:よれて、のび、むらが非常にある
(d)みずみずしさ・透明性
5点:肌に透明になじみ、非常にみずみずしく感じる
4点:肌に透明になじみ、みずみずしく感じる
3点:肌に透明になじみにくいが、みずみずしく感じる
2点:肌に透明になじみにくく、みずみずしさがない
1点:肌が白くなり、みずみずしさがない
(e)保湿感
5点:肌のうるおい感が非常に高い
4点:肌のうるおい感が高い
3点:普通(どちらともいえない)
2点:肌のうるおい感が少ない
1点:肌のうるおい感が非常に少ない
【0057】
(2)二次付着性評価
PMMA板上に、試料を2mg/cm
2として均一に塗布し、乾燥させた。試料乾燥後、SPFアナライザー(SPF 290S plus、Optometricus USA,Inc製)にて、PMMA板上の所定8箇所の吸収スペクトル(波長350nm)の透過率(%)を測定し、8箇所の平均を求めた。その後、ティッシュペーパー上にPMMA板の塗布面を下にして置き、450gの負荷をPMMA板の上から10分間かけてティッシュペーパーに付着させた後、PMMA板の透過率(%)を測定した。付着させる前と後との透過率の差(%)を計算し、その差が小さいほど二次付着性が低いとして評価した。表1及び2にはその透過率の差(%)を示した。
【0058】
(3)安定性評価
安定性評価
試料を室温30℃で1ヶ月間保存し、目視にて、化粧料中の油相の分離の有無を確認した。油相の分離有無について、下記判定基準に準じて評価を行った。
×:明らかな油相の分離が見られる
△:僅かに油相の分離が見られる
○:油相の分離が見られない
【0059】
実施例1〜14及び比較例1〜7
表1及び表2に示す水中油型日焼け止め化粧料を常法により製造し、上記評価を行った。結果を併せて表1及び表2に記載する。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
※1 ユビナールMC80(BASF社製)
※2 ユビナールAplus(BASF社製)
※3 レオパールKL2(千葉製粉社製)
※4 レオパールMKL2(千葉製粉社製)
※5 Sフェイス MX−10(阪本薬品工業社製)
※6 PEMULEN TR−1(ルーブリゾール社製)
※7 SIMULGEL EG(SEPPIC社製)、含有量は括弧内がポリマー純分値
【0063】
表1及び表2の結果から明らかなように、本発明の水中油型日焼け止め化粧料(実施例1〜14)は、紫外線吸収剤によるべたつき、ぬるつきが抑えられ、塗布時のよれが防止されて均一に塗布でき、みずみずしく透明性が良好であり、保湿感も良好であった。また、衣服等への二次付着性も低く、保存安定性も良好であった。
一方、(B)成分が他の成分、あるいは(B)成分を含まない比較例1及び比較例3はべたつきやぬるつきがあり、二次付着性も大きかった。また(C)成分を含まない、あるいは(C)成分が他の成分である比較例2及び比較例4は、保存安定性が低いか、あるいは塗布時によれが生じ、保湿感、みずみずしさ等も十分ではなかった。また、(A)成分と(B)成分の質量比(A/B)が2.5以上47以下の範囲外である比較例5及び6は、べたつきやぬるつきが生じ、よれも生じるなど使用感が悪かった。(A)成分と(C)成分の質量比(A/C)が、4.5以上35以下の範囲外である比較例6は、安定性が悪く、製剤の分離が見られた。
【0064】
実施例15及び比較例8
表3記載の実施例15及び比較例8の水中油型日焼け止め化粧料を製造し、塗布膜の状態及び保湿感の持続性を評価した。
【0065】
(製造方法)
・室温で、水を入れた配合槽をディスパーで撹拌しながら成分(C)を添加し、さらに塩基を添加し水相を調整した。成分(A)と(B)を約80℃で加熱撹拌し、油相を調整した。その後、水相に油相を添加し、撹拌して表3に記載の水中油型日焼け止め化粧料を得た。
(1)塗布膜の状態(外観評価)
ウレタン製人工皮革の直径4cmの円に化粧料を0.2g塗布し、人さし指で1分間なじませた。その後、静置し一晩乾燥させた。
皮膜の状態を下記の評価基準により専門パネラー3人で目視判定した。評価結果の平均値を表3に示す。
(評価基準)
5点:均一な膜が形成されている。
4点:ほぼ均一な膜が形成されている。
3点:膜にやや不均一の部分がみられる。
2点:あまり均一な膜が形成されていない。
1点:均一な膜が形成されていない
【0066】
(2)保湿感の持続
専門パネラー3名により、化粧料を約0.1gとり、前腕内側の約2cm×5cmの面積に塗布し、3時間後の保湿感について、次の評価基準に従って評価した。評価結果の平均値を表3に示す。
(評価基準)
5点:肌のうるおい感が非常に高い
4点:肌のうるおい感が高い
3点:肌のうるおい感がやや高い
2点:肌のうるおい感が少ない
1点:肌のうるおい感が非常に少ない
【0067】
【表3】
【0068】
表3より、成分(A)、(B)及び(C)を含有し、A/Bが2.5以上47以下、A/Cが4.5以上35以下、かつB/Cが0.2以上3以下の水中油型日焼け止め化粧料は、塗布後の状態が良好なので、塗布後の感触が良好で保湿感が持続することがわかる。
【0069】
実施例16〜27及び比較例9〜10
表4記載の実施例16〜27及び比較例9〜10の水中油型日焼け止め化粧料を製造し、その肌への塗布性(よれのなさ)、保湿感の持続及び塗布後の圧迫感のなさを後述の評価基準により評価した。評価結果の平均値を表4に示す。
【0070】
(製造方法)
・室温で、一部の水を入れた配合槽をディスパーで撹拌しながら成分(C)を添加し、さらに塩基を添加し水相を調整した。成分(A)と(B)を約80℃で加熱撹拌し、油相を調整した。(G)成分を残りの水に加え、加熱撹拌した。その後、水相に油相を添加し、撹拌し、さらに残りの成分を添加して水中油型日焼け止め化粧料を得た。
【0071】
(1)よれのなさ(均一に伸びてむらにならない)
専門パネラー3名により、化粧料を約0.1gとり、手の甲の約2cm×5cmの面積に塗布し、次の評価基準に従って評価した。
5点:よれず、均一にのび、むらが非常に少ない
4点:よれず、均一にのび、むらが少ない
3点:普通(どちらともいえない)
2点:よれやすく、均一にのびず、むらがある
1点:よれて、のび、むらが非常にある
【0072】
(2)保湿感の持続
専門パネラー3名により、化粧料を約0.1gとり、前腕内側の約2cm×5cmの面積に塗布し、3時間後の保湿感について、次の評価基準に従って評価した。
5点:肌のうるおい感が非常に高い
4点:肌のうるおい感が高い
3点:肌のうるおい感がやや高い
2点:肌のうるおい感が少ない
1点:肌のうるおい感が非常に少ない(3)塗布後の圧迫感のなさ
専門パネラー3名により、化粧料を約0.1gとり、手の甲の約2cm×5cmの面積に塗布し、次の評価基準に従って評価した。
5点:圧迫感が全く感じられない
4点:圧迫感がほぼ感じられない
3点:圧迫感がやや感じられる
2点:圧迫感が感じられる
1点:圧迫感を非常に感じる
(3)さっぱり感
専門パネラー3名により、化粧料を約0.1gとり、手の甲の約2cm×5cmの面積に塗布し、次の評価基準に従って評価した。
5点:さっぱり感が非常にある
4点:さっぱり感がある
3点:さっぱり感がややある
2点:さっぱり感があまりない
1点:さっぱり感がない
【0073】
(4)粘度の測定条件
25℃で、
粘度20000mPa・s未満 B型粘度計(東機産業製、TOKI SANGYO VISCOMETER TVB-10M) ロータNo.4、30rpm、1min
粘度20000mPa・s以上 B型粘度計(東機産業製、TOKI SANGYO VISCOMETER TVB-10R) ロータT−D、5rpm、1min
で測定した。
【0074】
【表4】
【0075】
※1、※2、※3、※6は表1と同じ。
※8PEMULEN TR−2(ルーブリゾール社製)
※9コスモール 525(日清オイリオグループ株式会社)
※10フィンソルブTN (Innospec Active Chemicals LLC製)
※11PEG−20000S(三洋化成工業株式会社 )
※12KF−96A−10CS (信越化学工業株式会社製)
【0076】
表4より、本発明の水中油型日焼け止め化粧料は、よれが防止され、保湿感が持続し、圧迫感が抑制され、さっぱりとした良好な使用感を有していた。(B)成分を含有しない比較例9は、よれがあり、保湿感が持続しなかった。B/Cが0.2以上3以下の範囲外の比較例10は、圧迫感があり、さっぱりした使用感が得られなかった。
【0077】
以下に本発明の水中油型日焼け止め化粧料の処方例を挙げる。いずれも優れた効果が得られるものであることが期待される。
【0078】
処方例1 (水中油型サンスクリーン)
【0079】
【表5】
【0080】
処方例2 (水中油型サンスクリーン)
【0081】
【表6】
【0082】
※1:有効成分量
【0083】
処方例3(水中油型サンスクリーン)
【0084】
【表7】
【0085】
処方例4 (水中油型サンスクリーン)
【0086】
【表8】
【0087】
処方例5 (水中油型サンスクリーン)
【0088】
【表9】