【文献】
向井祐一朗,大池洋史,和田俊和,“ビジョンアルゴリズムとノルムの選定に関する一考察”,電子情報通信学会技術研究報告,2011年 5月30日,第111巻,第77号,p.73−38
【文献】
河村圭,石井大祐,渡辺裕,“全変動最小化の高速計算手法”,電子情報通信学会論文誌,2010年 3月 1日,第J93−D巻,第3号,p.326−335
【文献】
Hongbin Guo, Rosemary A. Renaut, Kewei Chen, Eric Reiman,"FDG-PET Parametric Imaging by Total Variation Minimization",Computerized Medical Imaging and Graphics,2009年 6月,Vol. 33, No. 4,p. 295-303
【文献】
Xinhui Duan, Li Zhang, Yuxiang Xing, Zhiqiang Chen, Jianping Cheng,"Few-View Projection Reconstruction With an Iterative Reconstruction-Reprojection Algorithm and TV Constraint",IEEE Transactions on Nuclear Science,2009年 6月,Vol. 56, No. 3,p. 1377-1382
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ポジトロン放射断層撮影(Positron Emission Tomography:PET)のPETスキャナで得られるデータから、遅延同時計数により偶発イベントデータを取得する取得ステップと、
L2ノルムを最小化する基準を用いた反復処理により、前記偶発イベントデータを平滑化処理する平滑化ステップと、
を含み、
前記取得ステップは、再構成断面上を示す座標を(s、φ)とする、前記反復処理の最初の反復時の時間t=0に対応する初期偶発イベントデータであるu(s、φ、t=0)を、u0(s、φ)として取得し、
前記平滑化ステップは、
s及びφに対する2次中心差分uss及びuφφを算出する2次中心差分算出ステップと、
一定のパラメータであるλにより定義される勾配utを、ut=2(uss+uφφ)−λ(u−u0)を用いて算出する勾配算出ステップと、
勾配の降下方向をパラメータ化するための理論的な時間である第1の時間t1と、第2の時間t2との時間差であり、正数であるΔtをΔt=t2−t1とし、最初の反復時のt1を0とした場合、u(s、φ、t2)=u(s、φ、t1)+Δtutを用いて、偶発イベントデータを更新する更新ステップと、
前記2次中心差分算出ステップと、前記勾配算出ステップと、前記更新ステップとを、前回の反復からのu(s、φ、t)の変化が、所定の閾値より小さくなるまで、反復する反復ステップと、
を含む、平滑化方法。
ポジトロン放射断層撮影(Positron Emission Tomography:PET)のPETスキャナで得られるデータから、遅延同時計数により偶発イベントデータを取得する取得処理と、
L2ノルムを最小化する基準を用いた反復処理により、前記偶発イベントデータを平滑化する平滑化処理と、を実行する処理回路、
を備え、
前記処理回路は、
前記取得処理において、再構成断面上を示す座標を(s、φ)とする、前記反復処理の最初の反復時の時間t=0に対応する初期偶発イベントデータであるu(s、φ、t=0)を、u0(s、φ)として取得し、
前記平滑化処理において、
s及びφに対する2次中心差分uss及びuφφを算出する2次中心差分算出処理と、
一定のパラメータであるλにより定義される勾配utを、ut=2(uss+uφφ)−λ(u−u0)を用いて算出する勾配算出処理と、
勾配の降下方向をパラメータ化するための理論的な時間である第1の時間t1と、第2の時間t2との時間差であり、正数であるΔtをΔt=t2−t1とし、最初の反復時のt1を0とした場合、u(s、φ、t2)=u(s、φ、t1)+Δtutを用いて、偶発イベントデータを更新する更新処理と、
前記2次中心差分算出処理と、前記勾配算出処理と、前記更新処理とを、前回の反復からのu(s、φ、t)の変化が、所定の閾値より小さくなるまで、反復する反復処理と
を実行する、平滑化装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、平滑化方法及び平滑化装置の実施形態を詳細に説明する。本明細書に記載する実施形態とこれに付随する多くの利点は、以下の詳細な説明を参照し添付図面と関連付けて考えれば、より完全に理解できる。ただし、添付図面は、一例として提供され、本開示を限定するものではない。
【0010】
一実施形態では、ポジトロン放射断層撮影(Positron Emission Tomography:PET)のPETスキャナから得られる偶発イベントデータを平滑化処理するための方法(平滑化方法)及び装置(平滑化装置)が提供される。一実施形態に係る方法は、PETスキャナで得られるデータから、遅延同時計数により偶発イベントデータを取得する取得ステップと、L2ノルムを最小化する基準を用いた反復処理により、前記偶発イベントデータを平滑化処理する平滑化ステップと、を含む。2次元の平滑化処理を行なう場合の実施形態に係る方法における取得ステップは、t=0に対応する初期偶発イベントデータであるu(s、φ、t=0)を、u
0(s、φ)として取得する。そして、2次元の平滑化処理を行なう場合の実施形態に係る方法における平滑ステップは、s及びφに対する2次中心差分u
ss及びu
φφを算出する2次中心差分算出ステップと、一定のパラメータであるλにより定義される勾配u
tを、u
t=2(u
ss+u
φφ)−λ(u−u
0)を用いて算出する勾配算出ステップと、正数であるΔtをΔt=t
2−t
1とし、最初の反復時のt
1を0とした場合、u(s、φ、t
2)=u(s、φ、t
1)+Δtu
tを用いて、偶発イベントデータを更新する更新ステップと、「2次中心差分算出ステップと、勾配算出ステップと、更新ステップ」とを、前回の反復からのu(s、φ、t)の変化が、所定の閾値より小さくなるまで、反復する反復ステップと、を含む。
【0011】
更に、上記の方法の実施形態では、λは、0.05と2.0との間の値である。或いは、上記の方法の実施形態では、λは、0と0.01との間の値である。また、更に、上記の方法では、Δtは、0.05と0.1との間の値である。また、上記の方法では、u(s、φ、t)は、以下の式(1)により得られる値が、前記所定の閾値より小さい時、収束する。
【0013】
また、3次元の平滑化処理を行なう場合の別の実施形態に係る方法における取得ステップは、t=0に対応する初期偶発イベントデータであるu(s、φ、z、θ、t=0)を、u
0(s、φ、z、θ)として取得する。そして、3次元の平滑化処理を行なう場合の別の実施形態に係る方法における平滑ステップは、s、φ、z及びθに対する2次中心差分u
ss、u
φφ、u
zz及びu
θθを算出する2次中心差分算出ステップと、一定のパラメータであるλにより定義される勾配u
tを、u
t=2(u
ss+u
φφ+u
zz+u
θθ)−λ(u−u
0)を用いて算出する勾配算出ステップと、正数であるΔtをΔt=t
2−t
1とし、最初の反復時のt
1を0とした場合、u(s、φ、z、θ、t
2)=u(s、φ、z、θ、t
1)+Δtu
tを用いて、偶発イベントデータを更新する更新ステップと、「2次中心差分算出ステップと、勾配算出ステップと、更新ステップ」とを、前回の反復からのu(s、φ、z、θ、t)の変化が、所定の閾値より小さくなるまで、反復する反復ステップと、を含む。
【0014】
更に、上記の方法の実施形態では、λは、0.05と2.0との間の値である。或いは、上記の方法の実施形態では、λは、0と0.01との間の値である。また、更に、上記の方法では、Δtは、0.05と0.1との間の値である。また、上記の方法では、u(s、φ、z、θ、t)は、以下の式(2)により得られる値が、前記所定の閾値より小さい時、収束する。
【0016】
更に、3次元の平滑化処理を行なう場合の別の実施形態に係る方法では、初期偶発イベントデータが、PETスキャナで測定可能な全ての応答線が含まれる領域に限定されるように、マスクを適用するマスクステップ、を更に含む。
【0017】
本開示の一実施形態では、L2ノルムのサイノグラム画像の勾配(gradient)を反復的に最小化するための偶発サイノグラム平滑化処理方法が記載される。サイノグラム画像の勾配は、サイノグラム空間のピクセルごとの局所的な勾配の総和として計算される。
【0018】
2次元(2D)の平滑化処理では、u
0(s、φ)は、ノイズを有する画像の各ピクセルの強度値を示す。ここで、「s及びφ」は、ノイズを有する画像の全てのピクセルを示すΩ(積分範囲)に属する。すなわち、「s及びφ」は、再構成断面(アキシャル面)の位置を示す座標再構成断面(アキシャル面)上を示す座標となる。また、2次元(2D)の平滑化処理では、u(s、φ)は、真のノイズの無い画像を示す。イメージングモデルは、「u
0(s,φ)=u(s,φ)+n(s,φ)」として記述される。
【0019】
ただし、u(s、φ)は、加法性雑音(例えば、ガウス分布)であり、E[u
0(s、φ)]=u(s、φ)である。
【0020】
目的は、画像勾配のL2ノルムを最小化する基準の下で、u
0(s、φ)からu(s、φ)を推定することである。下記の導出を明確にするために、「u及びu
0」を、「u(s、φ)及びu
0(s、φ)」を示す記号とすると、最適化問題は、以下の式(3)となる。
【0022】
従って、最小化される目的関数は、以下の式(4)となる。
【0024】
オイラーラグランジュ方程式(Euler-Lagrange equation)を使用することにより、以下の式(5)が得られる。
【0026】
ここで、変量「t」は、勾配の降下方向をパラメータ化するための理論的な時間として導入される。「u
t」は、tの方向に沿った勾配を表わす。「u
0」は、「t=0」における進化画像(evolving image)を表わし、オリジナルのノイズを有する画像「u(s、φ、0)=u
0(s、φ)」である。上記の「u
t=2(u
ss+u
φφ)−λ(u−u
0)」では、「λ」は、平滑化画像が、オリジナルのノイズを有する画像と大きく異なる場合、異なる量の制約を加えるのに用いられる制約パラメータである。強いノイズの場合(例えば、ノイズが信号又は画像を圧倒する場合)、λは「0」、又は、λは非常に小さな値(例えば、略0.01より小さく、且つ、0より大きい値)に設定される。弱いノイズの場合、λは、約0.5と2との間に設定される。すなわち、λの値が大きいほど、偶発同時計数の離散的な分布に追従した平滑化が行なわれ、λの値が小さいほど、偶発同時計数の分布を優先的に連続分布にする平滑化が行なわれる。
【0027】
次に、画像は、以下の式(6)で更新される。
【0029】
式(6)では、Δt=t
2−t
1は、安定性の限界を表わし、略0.05と0.1との間の小さな値に設定される。「t」が増加するにつれて、ノイズ除去画像が得られる。
【0030】
図3は、本開示の一実施形態に係る方法のフローチャートである。
図3は、PETスキャナから得られるイベントデータの偶発差異を削減する方法のフローチャートである。
【0031】
ステップ100では、t=0で、初期偶発イベントデータである最初の偶発イベントデータ「u(s、φ、t=0)=u
0(s、φ)」を取得する。初期偶発イベントデータは、遅延同時計数により得られた遅延同時計数情報から生成された偶発サイノグラムの画像、又は、偶発サイノグラムから再構成された再構成画像である。
【0032】
ステップ110では、s、φに対して2次中心差分u
ss、u
φφを計算する。具体的には、2次中心差分(2回微分)は、以下の式(7)により算出される。なお、式(7)では、2つのパラメータを「x及びy」で示している。
【0034】
次に、ステップ120では、勾配u
tを、「u
t=2(u
ss+u
φφ)−λ(u−u
0)」を用いて計算する。ただし、λは、一定のパラメータである。
【0035】
ステップ130では、「u(s、φ、t
2)=u(s、φ、t
1)+Δtu
t」を用いて、偶発イベントデータを更新する。ただし、Δt=t
2−t
1であり、最初の反復時は「t
1=0」、Δtは、正である。
【0036】
ステップ140では、u(s、φ、t)は、収束したか否かが判定される。すなわち、ステップS140では、適切なノルムを使ってu(s、φ)の変化が、閾値より小さいか否かが、決定される。u(s、φ、t)が収束した場合、処理は終了する。しかし、u(s、φ、t)が収束しなかった場合、ステップ110〜130が、反復される。u(s、φ、t)の収束は、上記の数(1)により算出される値が、所定の閾値より小さいか否かを調べることによって、決定することができる。
【0037】
図1は、偶発差異の削減前後の補間された偶発サイノグラムを示す図であり、
図2は、
図1に示す偶発差異の削減前後の偶発サイノグラムのφ=64におけるプロファイルを示す図である。
図1及び2は、テストデータで上記の
図3に示す方法を実行した結果の一例を示す図である。
図1は、1枚の(s、φ)スライスを用いて、偶発差異の削減の前後に補間された偶発サイノグラムを示す図である。
図1の上図は、平滑化処理前の偶発サイノグラムを示し、
図1の下図は、平滑化処理後の偶発サイノグラムを示す。
図1の上図に示す平滑化処理前の偶発サイノグラムは、複数の点が描出されており、偶発同時計数が離散的な分布となっているのに対し、
図3に示す平滑化処理により、
図1の下図に示す平滑化処理後の偶発サイノグラムは、偶発同時計数が連続的で滑らかな分布として描出されている。
図1は、
図3に示す平滑化処理が、勾配の曲率にペナルティを課した局所的な平滑化処理であることを示している。また、
図2は、偶発差異の削減前後における
図1のφ=64のプロファイルを示している。
図2からも、離散的な偶発同時計数の分布が、平滑化処理による推定結果から、連続的で滑らかな偶発同時計数の分布となることが示されている。すなわち、
図3に示す方法によって、偶発同時計数の連続分布を推定することができる。
【0038】
上記の方法を、3次元再構成を行なう場合、すなわち、パラメータが4つの4次元(4D)平滑化処理に適用した場合、4Dデータ「u(s、φ、z、θ)」に対する最適化問題は、以下の式(8)となる。なお、「s及びφ」は、再構成空間におけるアキシャル面上の位置を示す座標であり、「z及びθ」は、再構成空間における軸方向(アキシャル方向)の位置を示す座標である。
【0040】
ただし、式(8)のΩは、マスクにより定義された不規則な形状の部位を表す。マスクにより定義される部位は、矩形の立方体に限定されるものではない。
【0041】
画像は、式「u(s、φ、z、θ、t
2)=u(s、φ、z、θ、t
1)+(t
2−t
1)u
t」により更新される。ただし、「u
t=2(u
ss+u
φφ+u
zz+u
θθ)−λ(u−u
0)」である。
【0042】
図4は、本開示の別の一実施形態に係る方法のフローチャートである。
図4は、PETスキャナから得られるイベントデータの偶発差異を削減する方法のフローチャートである。
【0043】
ステップ200では、t=0で、初期偶発イベントデータである最初の偶発イベントデータ「u(s、φ、z、θ、t=0))=u
0(s、φ、z、θ)」を取得する。初期偶発イベントデータは、PETスキャナが収集した3次元空間での遅延同時計数により得られた遅延同時計数情報から生成された偶発サイノグラムの画像、又は、偶発サイノグラムから再構成された再構成画像である。
【0044】
ステップ210では、s、φ、z、θに対して2次中心差分u
ss、u
φφ、u
zz及びu
θθを計算する。具体的には、2次中心差分は、以下の式(9)により算出される。
【0046】
次に、ステップ220では、勾配u
tを、「u
t=2(u
ss+u
φφ+u
zz+u
θθ)−λ(u−u
0)」を用いて計算する。ただし、λは、一定のパラメータである。
【0047】
ステップ230では、偶発イベントデータが、「u(s、φ、z、θ、t
2)=u(s、φ、z、θ、t
1)+Δtu
t」を用いて、偶発イベントデータを更新する。ただし、Δt=t
2−t
1であり、最初の反復時は「t
1=0」、Δtは、正である。
【0048】
ステップ240では、u(s、φ、z、θ、t)は、収束したか否かが判定される。すなわち、ステップS240では、適切なノルムを使ってu(s、φ、z、θ、t)の変化が、閾値より小さいか否かが、決定される。u(s、φ、z、θ、t)が収束した場合、処理は終了する。しかし、u(s、φ、z、θ、t)が収束しなかった場合、ステップ210〜230が、反復される。u(s、φ、z、θ、t)の収束は、上記の数(2)により算出される値が、所定の閾値より小さいか否かを調べることによって、決定できる。方法は、取得した最初の偶発イベントデータが、PETスキャナの測定可能な応答線全てを含む部位に限定されるように、マスクを適用するマスクステップを更に含むことができる。
図4に示す方法によっても、偶発同時計数の連続分布を推定することができる。
【0049】
上述した2次偏導関数(second-order partial derivaties)であるu
ss、u
φφ、u
zz及びu
θθは、マスクによって限定されるボクセルで計算される。ボクセルが、マスクの境界線である場合、偏導関数は、境界線を横切る方向でゼロに設定される。
【0050】
上記の実施形態の利点は、マスクを適用する方法を、柔軟に適用可能であることである。すなわち、上記の実施形態では、再構成用のFOVに任意のマスクを適用したデータに対しても、安定した平滑化処理を行なうことができる。
図3及び
図4に示す処理の後は、プロンプトデータから平滑化処理後の偶発イベントデータを差し引くことで、ノイズの無いPET画像が再構成される。なお、
図3及び
図4に示す本実施形態の平滑化処理は、所謂、汎関数の変分法により停留値を求める処理と類似した処理である。
【0051】
上述した平滑化方法は、コンピュータシステム又はプログラム可能な論理を使って実行可能である。
図5は、本開示の実施形態を実行できるコンピュータシステム1201を示す図である。コンピュータシステム1201は、例えば、上述の処理を実行する処理回路、モジュール、又は、ユニットを含むことができる。
【0052】
コンピュータシステム1201は、バス1202に連結されたディスクコントローラ1206を含む。ディスクコントローラ1206は、磁気のハードディスク1207、及び、取り外し可能なメディアドライブ1208(例えば、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、読取専用コンパクトディスクドライブ、読込み/書込みコンパクトディスクドライブ、コンパクトディスクジュークボックス、テープドライブ、及び、取り外し可能な光磁気ドライブ)のように、情報及び指令を格納するための1つ又は複数の格納デバイスを制御する。格納デバイスは、適切なデバイスインターフェースを使って、コンピュータシステム1201に加えることができる。適切なデバイスインターフェースは、例えば、SCSI(Small Computer System Interface)、IDE(Integrated Device Electronics)、EIDE(Enhanced IDE)、DMA(Direct Memory Access)、又は、ultra―DMAである。
【0053】
また、コンピュータシステム1201は、特定目的論理デバイス(例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit))、又は、特定目的論理デバイス(例えば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field-Programmable Gate Array))を含むこともできる。
【0054】
また、コンピュータシステム1201は、バス1202に連結された表示部コントローラ1209を含むことができる。表示部コントローラ1209は、情報をコンピュータユーザーに表示するためのディスプレイ、又は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)等の表示部1210を制御する。コンピュータシステムは、コンピュータユーザーと対話したり、処理装置1203へ情報を提供したりするために、キーボード1211及びポインティングデバイス1212等の入力デバイスを含む。ポインティングデバイス1212は、例えば、マウス、トラックボール、タッチスクリーンセンサー用のフィンガー、又は、処理装置1203に指令情報及び命令選択を伝えたり、表示部1210上のカーソル運動を制御したりするためのポインティングスティックであっても良い。
【0055】
コンピュータシステム1201は、メインメモリ1204等のメモリに含まれる1つ又は複数の指令の1つ又は複数のシーケンスを実行する処理装置1203に応答して、本開示の処理ステップの一部又は全てを実行する。そのような指令は、ハードディスク1207、又は、取り外し可能なメディアドライブ1208等の別のコンピュータ可読媒体からメインメモリ1204に読み込むことができる。メインメモリ1204に含まれる指令のシーケンスを実行するために、多重処理配列(multi-processing arrangement)内の1つ又は複数のプロセッサを採用しても良い。別の実施形態では、配線による回路をソフトウェア指令の代わりに、又は、それとの組み合わせに使用してもよい。このように、実施形態は、ハードウェア回路とソフトウェアとの如何なる特有の組み合わせにも制限されない。
【0056】
上記のように、コンピュータシステム1201は、本開示の教示によってプログラムされた指令を格納し、且つ、本明細書に記載のデータ構造、表、記録、又は他のデータを含む少なくとも1つのコンピュータ可読媒体又はメモリを含む。コンピュータ可読媒体は、コンパクトディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、テープ、光磁気ディスク、「EPROM(Electrically Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュEPROM」等のPROM(Programmable Read Only Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static RAM)、SDRAM(Synchronous DRAM)、又は、任意の他の磁気媒体、コンパクトディスク(例えば、CD−ROM)、又は、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、又は、穴のパターンをもつ他の物理的媒体である。
【0057】
本開示は、コンピュータ可読媒体のうちのいずれか1つ又はそれらの組み合わせに格納された、コンピュータシステム1201を制御するためのソフトウェアを含む。該ソフトウェアは、本開示を実行するためのデバイス、又は、デバイス群を駆動し、コンピュータシステム1201に人間のユーザーと対話できるようにするためのものである。そのようなソフトウェアには、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、及びアプリケーションソフトが含まれるが、これらに限定されるものではない。そのようなコンピュータ可読媒体は、本開示を実施する際に実行される処理工程の全て又は一部(処理工程が区分される場合)を実行するための本開示のコンピュータプログラム製品を更に含む。
【0058】
本実施形態のコンピュータ符号化デバイスは、如何なる機械言語に翻訳処理可能な、又は、実行可能な符号化機構であってもよく、スクリプト、機械言語に翻訳可能なプログラム、DLL(Dynamic Link Libraries)、Java(登録商標)クラス、及び、完全な実行可能プログラムを含むが、これらに限定されるものではない。更に、本実施形態の処理工程の部分は、より良い性能、信頼性、及び費用の全て、又は、いずれかのために、区分けされてもよい。
【0059】
本明細書で使用される「コンピュータ可読媒体」は、処理装置1203に実行のための指令を提供する際に関係する任意の非一過性媒体を指す。コンピュータ可読媒体は、不揮発性媒体又は揮発性媒体を含む多くの形状をとることができるが、これらに限定されるものではない。不揮発性媒体は、例えば、ハードディスク1207、又は、取り外し可能なメディアドライブ1208等の光学ディスク、磁気ディスク、及び光磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メインメモリ1204等の動的メモリを含む。一方、伝送媒体は、バス1202を作るワイヤーを含む、同軸ケーブル、銅線、及び光ファイバーを含む。また、伝送媒体は、電波や赤外線のデータ通信中に生成される波等の音波又は光波の形をとっても良い。
【0060】
実施のために、処理装置1203への1つ又は複数の指令の1つ又は複数のシーケンスを実行する際に、様々な形式のコンピュータ可読媒体を含むことができる。例えば、指令は、最初、リモートコンピュータの磁気ディスクで処理されるものとする。リモートコンピュータは、本開示の全て又は一部を実行するための指令を、遠隔で動的メモリに読み込み、モデムを使って電話線を通して指令を送信できる。コンピュータシステム1201へのモデムローカルは、電話線でデータを受信し、データをバス1202に乗せることができる。バス1202は、データをメインメモリ1204へ伝達する。処理装置1203は、メインメモリ1204から指令を取り出して実行する。メインメモリ1204が受信した指令は、処理装置1203による実行の前か後かに、ハードディスク1207又は取り外し可能なメディアドライブ1208に任意に格納されることになる。
【0061】
また、コンピュータシステム1201は、バス1202に連結された通信インターフェース1213も含む。通信インターフェース1213は、ネットワークリンク1214に連結された双方向データ通信を備える。ネットワークリンク1214は、例えば、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network:LAN)1215、又は、インターネット等の別の通信ネットワーク1216に接続される。例えば、通信インターフェース1213は、任意のパケット交換LANに取り付けられるネットワークインターフェイスカードであってもよい。別の例として、通信インターフェース1213は、ISDN(Integrated Services Digital Network)カードであっても良い。無線リンクが、実装されてもよい。そのような実装例では、通信インターフェース1213は、様々な種類の情報を表わすデジタルデータストリームを運ぶ電気、電磁気、又は光の信号を送受信する。
【0062】
ネットワークリンク1214は、一般的に、1つ又は複数のネットワークを通して別のデータデバイスへのデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク1214は、ローカルエリアネットワーク1215を介して、又は、通信ネットワーク1216を介して、通信サービスを提供するサービスプロバイダによって運営される設備を通して別のコンピュータへの接続を提供できる。ローカルエリアネットワーク1215及び通信ネットワーク1216は、例えば、デジタルデータストリームを運ぶ電気、電磁気、又は光の信号と、関連する物理層(例えば、CAT5ケーブル、同軸ケーブル、光ファイバー等)とを使用する。デジタルデータをコンピュータシステム1201に搬入搬出する、様々なネットワークを通る信号、ネットワークリンク1214上の信号、及び、通信インターフェース1213を通る信号は、ベースバンド信号、又は、搬送波ベース信号で実装されても良い。ベースバンド信号は、デジタルデータビットストリームを記述する非変調電気パルスとしてデジタルデータを伝達する。ここで、「ビット」という語は、シンボルを意味すると広く解釈されており、各シンボルは、少なくとも1つ又は複数の情報ビットを運ぶものである。また、デジタルデータは、導電媒体一面に伝播される、又は、伝播媒体の中を通る電磁波のように伝達される、振幅、位相、及び周波数の全て又はいずれかの偏移変調信号をともなうような搬送波を変調するために使用されてもよい。従って、デジタルデータは、有線通信路を通して非変調のベースバンドデータとして伝送、及び搬送波を変調することによって、ベースバンドとは異なる所定の周波数バンド内で伝送の両方又は一方が行われても良い。コンピュータシステム1201は、プログラムコードを含むデータを(単数又は複数の)ネットワークであるLAN1215及び通信ネットワーク1216、ネットワークリンク1214、及び通信インターフェース1213を経由して送受信できる。さらに、ネットワークリンク1214は、LAN1215を経由して、PDA(Personal Digital Assistant)ラップトップコンピュータ、又は、携帯電話等のモバイルデバイス1217への接続を提供できる。
【0063】
以上、説明したとおり本実施形態によれば、偶発同時計数の連続分布を推定することができる。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。