特許第6238601号(P6238601)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6238601
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】電子機器および撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/02 20060101AFI20171120BHJP
   G03B 17/04 20060101ALI20171120BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   G03B17/02
   G03B17/04
   H04N5/225 100
   H04N5/225 200
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-137846(P2013-137846)
(22)【出願日】2013年7月1日
(65)【公開番号】特開2015-11257(P2015-11257A)
(43)【公開日】2015年1月19日
【審査請求日】2016年6月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(72)【発明者】
【氏名】氏家 裕隆
【審査官】 高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−230951(JP,A)
【文献】 特開2008−271328(JP,A)
【文献】 特開2007−173473(JP,A)
【文献】 特開2011−130197(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/02
G03B 17/04
H04N 5/225
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影するために用いる撮影レンズを備え、第1面と前記第1面に隣接する第2面を有し、前記第2面に開口部が設けられた本体と、
撮影された前記被写体の画像を表示する表示面を備えた表示ユニットと、
第1の回転軸を軸として前記本体に対して回動可能に接続されるとともに前記第1の回転軸と平行な第2の回転軸を軸として前記表示ユニットに対して回動可能に接続されたヒンジユニットと、
前記本体に対して、前記開口部が閉じられる位置と前記開口部が開かれる位置の間で回動可能な蓋部とを備え、
前記表示ユニットは、前記本体に対して、前記ヒンジユニットの前記第1の回転軸および前記第2の回転軸を中心として回動させることにより、前記表示面が前記第1面と平行になるように収納される収納位置と、前記撮影レンズによる前記被写体の撮影方向と反対方向に前記表示面が向いた状態で前記被写体の画像が前記表示面に表示される第1の使用位置と、前記撮影レンズによる前記被写体の撮影方向に前記表示面が向いた状態で前記被写体の画像が前記表示面に表示される第2の使用位置との間で移動可能であり、
前記表示ユニットは、前記ヒンジユニットの前記第1の回転軸または前記第2の回転軸を中心として前記第1の使用位置回動させることにより前記第2面にせり出し
記第1の使用位置に回動することにより前記第2面側にせり出した前記表示ユニットは、前記開位置にある状態の前記蓋部と干渉しない
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記蓋部は、前記表示ユニット前記収納位置から前記第1の使用位置に回動させる場合の当該表示ユニットの回方向と同じ方向に回動させることにより前記閉位置から前記位置に移動する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記蓋部は、前記本体に対して前記閉位置からスライド移動可能であり、スライド移動端において回動させることにより、前記開位置に移動する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記本体は、前記蓋部のスライド移動の際に当該蓋部をガイドするガイド部を備える
ことを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記蓋部は、前記スライド移動端における前記蓋部の回により前記開口部が開かれた前記開位置における前記蓋部の姿勢を保持する保持機構を有する
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記保持機構は、前記蓋部に設けられた、前記開位置で前記本体に当接する当接部と、前記本体に設けられた溝部に嵌合する凸部とを有する
ことを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記本体は、前記蓋部の前記開口部に対するスライド移動時にクリック力を発生させるクリック手段を備える
ことを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記開口部は、少なくとも電池を収納する収納部に設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電子機器として機能する撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮影データを記録したメモリカードを着脱可能に収納するメモリカード収納部や電池を着脱可能に収納する電池収納部を筐体内に備える撮像装置が提案されている。また、電池やメモリカードをゴミなどから守るために、収納部に蓋を設け、蓋の開状態において、電池、メモリカードの挿抜をすることができる電子機器が提案されている。
【0003】
また、特許文献1は、カメラ本体に対して開閉自在に回転する表示ユニットを備え、表示ユニットを使用者の撮影姿勢に適した方向へ向けることが可能である撮像装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−134814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表示ユニットがカメラ本体に対して開閉自在に回転する撮像装置では、表示ユニットが回転して開き状態(使用位置にある状態)となったときに、例えば、カードカバー、電池蓋等の、収納部の蓋部と干渉する場合がある。そして、蓋部が変形したり、破損したり、表示ユニットを傷つけてしまう可能性もある。
【0006】
本発明は、本体に対して使用位置と収納位置との間で回動する表示部と、開口部に対して開閉自在に回動する蓋部とを持つ電子機器であって、表示部が使用位置にある状態での、表示部と蓋部との干渉を避けることができる電子機器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態の電子機器は、被写体を撮影するために用いる撮影レンズを備え、第1面と前記第1面に隣接する第2面を有し、前記第2面に開口部が設けられた本体と、撮影された前記被写体の画像を表示する表示面を備えた表示ユニットと、第1の回転軸を軸として前記本体に対して回動可能に接続されるとともに前記第1の回転軸と平行な第2の回転軸を軸として前記表示ユニットに対して回動可能に接続されたヒンジユニットと、前記本体に対して、前記開口部が閉じられる位置と前記開口部が開かれる位置の間で回動可能な蓋部とを備える。前記表示ユニットは、前記本体に対して、前記ヒンジユニットの前記第1の回転軸および前記第2の回転軸を中心として回動させることにより、前記表示面が前記第1面と平行になるように収納される収納位置と、前記撮影レンズによる前記被写体の撮影方向と反対方向に前記表示面が向いた状態で前記被写体の画像が前記表示面に表示される第1の使用位置と、前記撮影レンズによる前記被写体の撮影方向に前記表示面が向いた状態で前記被写体の画像が前記表示面に表示される第2の使用位置との間で移動可能であり、前記ヒンジユニットの前記第1の回転軸または前記第2の回転軸を中心として前記第1の使用位置回動させることにより前記第2面にせり出し、前記第1の使用位置に回動することにより前記第2面側にせり出した前記表示ユニットは、前記開位置にある状態の前記蓋部と干渉しない。
【発明の効果】
【0008】
本発明の電子機器によれば、表示部が本体に対して回動して使用位置にある状態での表示部と蓋部との干渉を避けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の電子機器の構成の一例を示す図である。
図2】パネルユニットの動作を説明する図である。
図3】パネルユニットの動作を説明する図である。
図4】ビデオカメラの分解斜視図の一例である。
図5】底面カバーの詳細構成を示す図である。
図6】電池蓋の詳細構成を示す図である。
図7】電池ボックスユニットの詳細構成を示す図である。
図8】電池蓋の開き動作を説明する図である。
図9】電池蓋の開き動作を説明する図である。
図10】電池蓋とパネルユニットの双方が開いた状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本実施形態の電子機器の構成の一例を示す図である。図1(A)は、電子機器の前面構成を示す斜視図である。図1(A)中、電子機器が備える左側の蓋が開いている。図1(B)は、電子機器の背面構成を示す斜視図である。図1(B)中、電子機器が備える右側の蓋が開いている。図1に示す例では、撮像装置の一例であるビデオカメラが、本実施形態の電子機器として機能する。
【0011】
カメラ本体101は、ビデオカメラの本体部である。カメラ本体101は、撮影レンズ102、マイク103、レリーズ釦104、パネルユニット105、ストラップピン106を備える。撮影レンズ102は、被写体を撮影するためのレンズである。マイク103は、音声を録音する。レリーズ釦104は、静止画撮影の開始を指示するための釦である。
【0012】
パネルユニット105は、撮像画像を表示する表示パネルである。ストラップピン106は、ストラップを固定するためのピンである。
【0013】
また、カメラ本体101は、電源スイッチ107、再生釦108、電池蓋109を備える。電源スイッチ107は、カメラ本体101を起動するためのスイッチである。再生釦108は、記録した映像を再生する動作モードに切り換えるための釦である。電池蓋109は、カメラ本体101の後ろ側に設けられ、電池を取り出す際に開閉する。
【0014】
カメラ本体101の左側面には、左側面蓋110が設けられている。左側面蓋110を開くと、メモリーカードスロット110a、USBジャック110bが設けられている。メモリーカードスロット110aは、記録媒体であるメモリカードを挿入することが可能である。また、USBジャック110bは、PC(Personal Computer)等の接続が可能であるUSBケーブルを挿入可能である。
【0015】
カメラ本体101の右側面には、右側面蓋111が設けられている。右側面蓋111を開くと、DCジャック111a、HDMI(登録商標)ジャック111bが設けられている。DCジャック111aは、電源供給可能なDCケーブルを挿入可能である。HDMI(登録商標)ジャック111bは、撮影画像を外部に出力可能であるHDMI(登録商標)ケーブルを挿入可能である。本実施形態では、光軸に沿って撮影レンズ102を配置した方向を本体前方、電池蓋109方向を本体後方と定義する。また、図1(A),(B)に示すように、パネルユニット105がカメラ本体101に対して閉じている状態を収納状態と定義する。また、収納状態でのパネルユニット105の位置を収納位置と定義する。
【0016】
図2および図3は、パネルユニットの動作を説明する図である。図2(A)は、パネルユニット105をカメラ本体101に対して回動させて開いた状態である。本実施形態では、この状態を使用状態と定義する。また、使用状態でのパネルユニット105の姿勢を通常撮影姿勢と定義する。また、使用状態でのパネルユニット105の位置を、使用位置と定義する。
【0017】
図2(B)は、使用状態におけるビデオカメラの前面を示す斜視図である。図3(A)は、使用状態での左側面を示す側面図である。パネルユニット105は、回転可能な2軸のヒンジ部を持ち、ヒンジの第1回転軸105aが、本体後方に配置されている。また、第2回転軸105bが、パネルユニット105の中心よりも上方に配置されている。収納面101aは、パネルユニットを収納する面である。
【0018】
図1(A)に示す収納状態から第1回転軸105aを中心に回転すると、パネルユニット105の表示面が後方へと移動し、パネルユニット105は、図2(A)乃至図3(A)に示すように、通常撮影姿勢をとる。すなわち、パネルユニット105は、カメラ本体101に対して、使用位置と収納位置との間で回動する表示部として機能する。このとき、パネルユニット105の一部が後方までせり出す。具体的には、パネルユニット105は、カメラ本体101の、収納状態においてパネルユニット105の裏面と当接する収納面101aと隣接する面にせり出す(オーバーハングする)。これにより回転角の拡大とパネルユニット105の大型化を実現できる。
【0019】
ここで、収納面101aと隣接する面には、後述するように、電池を収納する収納部として機能する電池ボックス120の開口部(図8中のO)が設けられている。ビデオカメラは、開口部を開閉する電池蓋109と、通常撮影姿勢をとる場合のパネルユニット105とが干渉しない構成になっている。
【0020】
通常撮影姿勢から、第2回転軸105bを中心にパネルユニット105を図3(A)に示す状態で反時計方向に回転させると、被写体方向にパネルユニット105が向き、図3(B)に示す対面撮り姿勢になる。対面撮り姿勢は、主に自分撮りに使用する姿勢である。対面撮り姿勢において、使用者は、パネルユニット105の表示面を見て、画角などを確認しながら自分撮りを行うことができる。
【0021】
図4は、ビデオカメラの分解斜視図の一例である。ビデオカメラは、メイン基板112、前面カバーユニット113、上面カバーユニット114、底面カバーユニット115、左カバーユニット116、右カバーユニット117、電池ボックスユニット118に分解できる。メイン基板112は、電源ICなどの電気部品とHDMI(登録商標)やUSBなどの端子を備えている。
【0022】
前面カバーユニット113は、ビデオカメラの前面部を構成する。前面カバーユニット113は、レンズ102や図示しないセンサなどを保持する。上面カバーユニット114は、ビデオカメラの上面部を構成する。上面カバーユニット114には、パネルユニット105が取り付けられている。底面カバーユニット115は、ビデオカメラの背面部及び底面部を構成する。底面カバーユニット115には、電池蓋109が取り付けられている。左カバーユニット116は、ビデオカメラの左側面部を構成する。左カバーユニット116には、レリーズ釦104が設けられている。電池ボックスユニット118は、挿入された電池を保持する。
【0023】
以下に、ビデオカメラの組み立て方について説明する。まず、前面カバーユニット113に対してメイン基板112を取り付けた後、左カバーユニット116と右カバーユニット117をそれぞれにメイン基板112に対して組み込み、上面カバーユニット114をメイン基板112に取り付ける。次に、電池ボックスユニット118をメイン基板112に対して組みつけ、最後に底面カバーユニット115を上面カバーユニット114に対して外形を合わせるように組みつけることで一体化する。
【0024】
次に、図5および図6を参照して、底面カバーユニット115を構成する底面カバー119と電池蓋109の詳細構成を説明する。図5(A)は、底面カバー119の斜視図である。図5(B)は、図5(A)の符号Aで示す回転軸119a周辺を拡大した拡大図である。図6は、電池蓋109の斜視図である。
【0025】
図5(A)、図5(B)に示すように、底面カバー119には、電池蓋109と係合する回転軸119aが設けられている。回転軸119aの周囲には、溝部として、スライド溝119bと回転保持溝119cとが設けられている。
【0026】
また、図6に示すように、電池蓋109は、腕部109a、軸穴部109b、姿勢保持凸部109c、クリック当接部109d、ストッパー部109e、爪部109fを備える。腕部109aには、軸穴部109b、姿勢保持凸部109cが設けられている。軸穴部109bは、長穴形状であり、底面カバー119の回転軸119aと嵌合する。底面カバー119の回転軸119aと電池蓋109の軸穴部109bとが嵌合することで、電池蓋109が、底面カバー119にスライド及び回転可能に支持される。
【0027】
姿勢保持凸部109cは、底面カバー119のスライド溝119b、回転保持溝119cと勘合する。クリック当接部109dは、電池蓋109をスライドさせる際にクリック力を出す。ストッパー部109eは、回転方向に電池蓋109を開いたときに電池ボックスユニット118に突き当たる。爪部109fは、電池ボックスユニット118に当接することで、電池蓋109が閉じた状態の姿勢を保持する。図示していないが、姿勢保持凸部109c、回転軸119a、スライド溝119b、回転保持溝119cは、左右対称に設けられている。
【0028】
図7は、電池ボックスユニットの詳細構成を示す図である。図7(A)は、電池ボックスユニット118の前面構成を示す斜視図である。また、図7(B)は、電池ボックスユニット118の側面構成を示す側面図である。
【0029】
電池ボックスユニット118は、電池ボックス120、排出バネ(不図示)、板金121、電池ロックレバー122、開閉バネ123、シャフト124を備える。電池ボックス120は、電池を収納する。排出バネは、電池を排出する。すなわち、電池ボックスユニット118と底面カバーユニット115とが組付けられた状態で、電池ボックス120は、電池を収納する収納部として機能する。電池蓋109は、収納部の開口部を開閉する蓋部である。この開口部は、カメラ本体101の収納面101a(図2(A))と隣り合う面に設けられている。なお、本実施形態では、収納部として電池ボックスを適用するが、電子機器に収納して用いる任意のデバイスを収納する収納部に本発明を適用可能である。例えば、収納部が、メモリカードを収納するメモリカード収納部であってもよい。
【0030】
板金121は、電池ボックスユニット118の1面を構成する。電池ロックレバー122は、電池を保持する。開閉バネ123は、電池ロックレバー122を一定方向へ付勢する。シャフト124は、電池ロックレバー122と勘合して軸支する。
【0031】
また、電池ボックス120は、当て面120a、スライドレール120bを備える。当て面120aは、電池蓋109を閉めた状態で電池蓋の爪部109fと当接する。スライドレール120bは、電池蓋109のスライド移動時に電池蓋109をガイドするガイド部として機能する。また、板金121には、電池蓋109をスライド移動する際にクリック力を出すクリック部121aが設けられている。
【0032】
図8および図9は、電池蓋の開き動作を説明する図である。図8(A)は、電池ボックスユニット118と底面カバーユニット115とを組み付けた、電池蓋閉じ状態での電池蓋の斜視図である。図8(B)は、電池蓋閉じ状態から、矢印A方向へと電池蓋109をスライド移動させた状態を示す図である。図9は、図8(B)に示す状態から、電池蓋109を矢印B方向へと回転させた状態(電池蓋開状態)を示す図である。
【0033】
図8(A)に示す電池蓋閉じ状態において、電池蓋109は、爪部109fが電池ボックス120の当て面120aと当接することで、その姿勢を保持している。電池蓋閉じ状態から、電池蓋109に矢印A方向への力を加えると、クリック部121aがクリック当接部109dの山形状を乗り上げることでクリック力を発生させながら、電池蓋109がスライド移動可能となる。
【0034】
電池蓋109は、回転軸119aと勘合している軸穴部109bの長穴の範囲内で移動することにより、電池ボックス120の開口部Oに対してスライド移動する。電池蓋109は、スライド移動端において、底面カバー119に設けられた回転軸119aを中心に、図9中の矢印B方向へと電池蓋109のストッパー部109eが電池ボックスに突き当たる回転移動端まで回転する。これにより、電池蓋109が、電池ボックス120の開口部Oを開く。その結果、電池の挿抜が可能となる。すなわち、電池蓋109は、開口部Oに対して回動して当該開口部を開閉する。
【0035】
図10は、電池蓋とパネルユニットの双方が開いた状態を説明する図である。図10(A)は、電池蓋109をスライドした後、パネルユニット105を矢印方向に回動させることで通常撮影姿勢をとった場合の、光軸に沿った断面を示す図である。符号109gは、電池蓋109がスライド移動したときの位置を示す。位置109gでは、電池蓋109と開いた位置にあるパネルユニット105と干渉する。しかし、本実施形態では、電池蓋109がスライド移動した後、パネルユニット105の回転方向と同じ方向に回転する。これにより、パネルユニット105が通常撮影姿勢をとって、一部が後方にせり出した場合でも電池蓋109が同方向に回転するため、パネルユニット105が、電池蓋開き状態での電池蓋109の位置と干渉しない。
【0036】
本実施形態では、ビデオカメラは、電池蓋109が回動して開口部Oを開いた状態でパネルユニット105が通常撮影姿勢をとって場合に電池蓋109とパネルユニット105とが干渉しない。他の実施形態では、パネルユニット105が通常撮影姿勢をとった状態で電池蓋109が回動して開口部Oを開いた場合であっても、電池蓋109とパネルユニット105とが干渉しない構成をとってもよい。
【0037】
次に、電池蓋109を開いた状態で姿勢を保持する機構について説明する。図10(B)は、図10(A)中のC部の拡大図である。図10(B)では、説明の便宜上、電池蓋109と底面カバー119のみ示す。
【0038】
まず、電池蓋109が、電池蓋閉じ状態からスライド移動したとき、電池蓋109の姿勢保持凸部109cは、底面カバー119のスライド溝部119b内を移動する。次に、電池蓋109がスライド端より回転移動を始めると、電池蓋109の姿勢保持凸部109cが、スライド溝部119bの円弧上の端部119dを乗り越える。電池蓋109が回転移動を終えたとき、図10(B)に示すように、電池蓋109のストッパー部109eが電池ボックスユニット118に突き当たると同時に、電池蓋109の姿勢保持凸部109cが、底面カバー119の回転保持溝119cに落ち込んで嵌合する。これにより、電池蓋109は開き状態の姿勢で保持することができる。すなわち、ストッパー部109eと、姿勢保持凸部109cとが、電池蓋109の開き状態の姿勢を保持する保持機構として機能する。
【0039】
なお、電池のかわりに、電池と略同形状のDCカプラー(疑似電池型アダプタ)を電池ボックス120に装填し、交流電力を直流電力に変換するACアダプタからDCカプラーに直流電力を供給するように構成してもよい。その場合、DCカプラーとACアダプタを接続するケーブルが電池蓋109やパネルユニット105と干渉することなく、DCカプラーを電池ボックス120に装填した状態で電子機器を使用することができる。
【0040】
以上説明した本実施形態の電子機器は、電池蓋109の開動作の途中で、不意にパネルユニット105を開いても電池蓋109が逃げる構造を有する。これにより、電池蓋109、パネルユニット105の不用意な破損、傷付きを防止することができる。本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0041】
101 カメラ本体
102 撮影レンズ
105 パネルユニット
109 電池蓋
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10