(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記信号導体は、前記複数の導体層のうち前記第1グラウンド導体パターンが配置された導体層並びに前記第1及び第2導体部分が配置された導体層とは異なる導体層に配置された信号導体パターンを有し、
前記分岐導体は、前記信号導体パターンと前記第1導体部分とを電気的に接続するヴィア導体を有することを特徴とする請求項1に記載のプリント回路板。
前記電源導体は、前記複数の導体層のうち前記第1グラウンド導体パターンが配置された導体層並びに前記第1及び第2導体部分が配置された導体層とは異なる導体層に配置された電源導体パターンを有し、
前記分岐導体は、前記電源導体パターンと前記第1導体部分とを電気的に接続するヴィア導体を有することを特徴とする請求項5に記載のプリント回路板。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図である。
図1(a)は第1実施形態のプリント回路板を示す模式図であり、
図1(b)は第1実施形態のプリント回路板の等価回路を示す回路図である。プリント回路板100は、例えば複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらのデジタル複合機、或いはデジタルカメラ等の電子機器に搭載され、データ通信を行うためのデジタル信号を伝送させるために用いられるものである。
【0019】
図1(a)に示すように、プリント回路板100は、プリント配線板200と、プリント配線板200に実装された送信回路300及びコネクタ400と、を備えている。
【0020】
送信回路300は、例えば半導体パッケージで構成されており、信号端子301、電源端子302及びグラウンド端子303を有している。送信回路300は、電源端子302とグラウンド端子303との間に印加された直流電圧により動作し、信号端子301から所定の伝送レート[bps]でデジタル信号を送信する。
【0021】
デジタル信号の伝送レートに相当する周波数が基本周波数(繰り返し周波数)[Hz]であり、例えば、デジタル信号の伝送レートが1[Gbps]の場合、デジタル信号の基本周波数は1[GHz]である。換言すると、基本周波数は、1ビット当たりの周期に対応する周波数である。
【0022】
コネクタ400には、他のプリント配線板や他の電子機器に搭載された受信回路600(
図1(b))にデジタル信号を伝送するためのケーブル500が接続される。
【0023】
プリント配線板200は、複数(本第1実施形態では3つ)の導体層201,202,203が絶縁体層205及び不図示の絶縁体層を介して積層されて構成された多層基板(3層基板)である。第1導体層としての導体層201には、第2導体層としての導体層202が、絶縁体層205を介して隣接して配置されている。導体層201及び導体層202とは異なる第3導体層としての導体層203は、表層であり、送信回路300及びコネクタ400が実装されている。
【0024】
プリント配線板200は、送信回路300の信号端子301に電気的に導通し、デジタル信号の伝送線路となる信号導体211と、信号導体211から分岐する分岐導体212と、を有する。また、プリント配線板200は、送信回路300のグラウンド端子303に電気的に導通するグラウンド導体213を有する。
【0025】
信号導体211は、一端が送信回路300の信号端子301に電気的に接続され、他端がコネクタ400の端子に電気的に接続されている。本第1実施形態では、信号導体211は、導体層203に配置された信号導体パターン221である。そして、信号導体パターン221の一端に送信回路300の信号端子301がはんだ等で接合され、他端にコネクタ400の端子がはんだ等で接合されている。
【0026】
グラウンド導体213は、導体層201に配置された第1グラウンド導体パターンであるグラウンド導体パターン231と、導体層203に配置され、送信回路300のグラウンド端子303が接合されるグラウンド導体パターン232とを有する。また、グラウンド導体213は、グラウンド導体パターン231と、グラウンド導体パターン232とを電気的に接続するグラウンドヴィア導体233を有する。グラウンド導体パターン231は、面状の導体パターンであり、導体層201において、例えば全面に亘って形成されている。なお、グラウンド導体213の構成は、これに限定するものではなく、少なくともグラウンド導体パターン231を有していればよい。また、このグラウンド導体213は、不図示の電源回路のグラウンド端子に電気的に導通しており、送信回路300のグラウンド端子303には、グラウンド導体213を介してグラウンド電位が印加される。なお、プリント配線板200は、送信回路300の電源端子302に電気的に導通する不図示の電源導体を有している。送信回路300の電源端子302には、不図示の電源回路により、不図示の電源導体を介して電源電位が印加される。
【0027】
分岐導体212は、導体層202に配置された導体パターン251と、信号導体パターン221と導体パターン251とを電気的に接続するヴィア導体252と、を有する。
【0028】
導体パターン251は、グラウンド導体パターン231に対向して配置されている。導体パターン251は、送信回路300で発生したノイズ電流を送信回路300のグラウンド端子303に帰還させる電気経路L
e1に沿う第1区間S1の第1導体部分である導体パターン255を有する。また、導体パターン251は、電気経路L
e1に沿う区間であって、第1区間S1よりも信号導体211から遠い第2区間S2の第2導体部分である導体パターン256を有する。
【0029】
導体パターン255は、電気経路L
e1の方向に対して交差(直交)する幅方向の大きさが導体パターン256よりも小さく形成されている。即ち、導体パターン255の幅方向の幅wが、導体パターン256の幅方向の幅sよりも小さく形成されている。
【0030】
本実施形態では、導体パターン255は、直線状に延びて形成された帯状の導体パターンである。導体パターン256は、面状の導体パターンである。導体パターン255の一端がヴィア導体252に接続され、他端が導体パターン256に接続されている。
【0031】
導体パターン255は、細長の帯状の導体パターンであるので、主にインダクタとして作用する。また、導体パターン256は、面状の導体パターンであるので、対向するグラウンド導体パターン231と対で主にキャパシタとして作用する。なお、ヴィア導体252は、主にインダクタとして作用する。
【0032】
したがって、ヴィア導体252及び導体パターン255によるインダクタと、互いに対向する導体パターン256及びグラウンド導体パターン231によるキャパシタとにより、
図1(b)に示すようなLC直列共振回路Q
1が形成される。
【0033】
ここで、ヴィア導体252のインダクタンスをL
1[H]、導体パターン255のインダクタンスをL
2[H]、対向した導体パターン256及びグラウンド導体パターン231のキャパシタンスをC[F]とする。このLC直列共振回路Q
1の共振周波数f
1は、以下の式(1)で表せる。
【0035】
この共振周波数f
1においては、信号導体211(信号導体パターン221)とグラウンド導体213(グラウンド導体パターン231)との間のインピーダンスが小さくなる。そのため、送信回路300から送信されるデジタル信号の周波数成分のうち、LC直列共振回路Q
1の共振周波数f
1と合致する成分は遮断される。つまり、共振周波数f
1と合致する成分がLC直列共振回路Q
1を通じて送信回路300のグラウンド端子303に帰還される。これにより、LC直列共振回路Q
1の共振周波数f
1と合致する成分は、受信回路600(つまり、ケーブル500)へ伝送されず、ケーブル500からのEMIが抑制される。
【0036】
図9は、比較例のプリント回路板の概略構造を示す説明図である。
図9(a)は比較例のプリント回路板を示す模式図であり、
図9(b)は比較例のプリント回路板の等価回路を示す回路図である。なお、本第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0037】
図9(a)では、ヴィア導体252と面状の導体パターン256とが直接接続されている。そのため、
図9(b)に示すようにヴィア導体252、導体パターン256及びグラウンド導体パターン231でLC直列共振回路Q
2が形成される。ヴィア導体252のインダクタンスをL
1[H]、対向した導体パターン256及びグラウンド導体パターン231のキャパシタンスをC[F]とすると、この場合のLC直列共振回路Q
2の共振周波数f
2は、以下の式(2)で表せる。
【0039】
ここで、導体パターン256とグラウンド導体パターン231との対向面積をS[m
2]、導体パターン256とグラウンド導体パターン231との対向距離、すなわち層間厚(絶縁体層の層厚)をt[m]とする。また、プリント配線板の絶縁体層(つまり、絶縁体)の比誘電率をε
rとする。キャパシタのキャパシタンスC[F]は、以下の式(3)で表せる。
【0041】
高密度実装が求められるプリント配線板では、ICなど実装部品の配置や配線等の制約により、対向面積Sをより小さく抑えることが必要とされる。そのような場合では、層間厚tをより小さくすることで、対向面積Sが小さくても所望の容量値を得ることができる。
【0042】
一方、プリント配線板は製造ばらつき等の影響により、層間厚tが設計値と実物値とでずれることがある。このずれは、層間厚tが小さいほどその割合も大きくなる。
【0043】
製造誤差で層間厚tの設計値と実物値とにずれが生じると、式(3)より容量値(キャパシタンス値)が変化し、結果として式(2)の関係から共振周波数が設計値からずれる。
【0044】
デジタル信号の高調波成分の周波数に設計した共振周波数と実物の共振周波数がずれると、LC直列共振回路(フィルタ回路)Q
2の低インピーダンスのピーク周波数が高調波成分の周波数と合わなくなる。そのため、充分な高調波成分の遮断効果が得られない。
【0045】
これに対し本第1実施形態のプリント回路板100では、ヴィア導体252と面状の導体パターン256との間に、導体パターン256より配線幅の小さい帯状の導体パターン255が設けられている。この導体パターン255により、層間厚tの設計値からのずれによる共振周波数の設計値からのずれを抑制する。
【0046】
以下にその原理を説明する。層間厚、つまり絶縁体層205の層厚をt[m]、導体パターン255の配線幅をw[m]、導体パターン255の電気経路L
e1の方向の配線長をl[m]とする。グラウンド導体パターン231に絶縁体層205を介して対向して配置された導体パターン256のインダクタンス値L
2[H]は、以下の近似式(4)で表される。
【0048】
式(3)と式(4)とを比較するとわかる通り、層間厚tの変化に対し、CとL
2は増減が逆に変化する。すなわち、層間厚tが設計値よりも実物値が大きかった場合、Cは設計値より小さくなるが、L
2は設計値より大きくなる。逆に、層間厚tが設計値よりも実物値が小さかった場合、Cは設計値より大きくなるが、L
2は設計値より小さくなる。
【0049】
その結果、導体パターン255を設けず、L
2がない
図9のような比較例と比較して、式(1)より、層間厚tの変化に対する共振周波数f
1の変化が少なくなる。したがって、製造誤差による層間厚tのずれが生じても、充分な高調波成分の遮断効果を得ることができる。
【0050】
共振周波数を層間厚tの関数としてf(t)とおき、層間厚tの変化量δtに対する共振周波数f(t)の変化量をδf(t)とすると、それらの関係は以下の式(5)で表せる。
【0052】
図1に示した本実施形態のLC直列共振回路Q
1における共振周波数f
1は、式(1)、式(3)及び式(4)より、以下の式(6)と表せる。
【0054】
また、
図9に示した比較例のLC直列共振回路Q
2における共振周波数f
2は、式(2)及び式(3)より、以下の式(7)と表せる。
【0056】
式(6)及び式(7)を層間厚tについて微分し、一例としてt=1.0×10
−4[m]における層間厚tの変化量δtに対する共振周波数f(t)の変化量δf(t)を、式(5)より求めた。その結果を
図2に示す。
【0057】
ここで、L
1はヴィア導体252のインダクタンスであり、層間厚tに対してほとんど影響がないことから定数とし、一例として1.0×10
−9[H]とした。また、プリント配線板の絶縁体層(絶縁体)の比誘電率ε
r=4.3、面状の導体パターン256とグラウンド導体パターン231との対向面積S=1.0×10
−4[m
2]とした。また、帯状の導体パターン255の配線幅w=1.0×10
−3[m]、導体パターン255の配線長l=2.0×10
−3[m]とした。
【0058】
図2において、実線が層間厚の変化に対する本第1実施形態のLC直列共振回路Q
1の共振周波数の変化、破線が層間厚の変化に対する比較例のLC直列共振回路Q
2の共振周波数の変化を示している。このグラフより、比較例に対して本第1実施形態では、層間厚の変化に対する共振周波数の変化が少なくなっている。
【0059】
以上、本第1実施形態によれば、分岐導体212の導体パターン251と、グラウンド導体パターン231との間の絶縁体層205の層厚が製造誤差によりばらついても、LC直列共振回路Q
1の共振周波数f
1のばらつきを抑制することができる。したがって、LC直列共振回路Q
1による遮断効果の低下を抑制することができ、デジタル信号を送信する送信回路300の動作に起因したケーブル500からのEMIを効果的に低減することができる。
【0060】
また、本第1実施形態では、分岐導体212はヴィア導体252を有している。つまり、信号導体パターン221と導体パターン251とは、異なる導体層に配置されている。したがって、信号導体パターン221を導体層203に多数配置する必要がある場合であっても、導体パターン251が別の導体層202に配置されるので、プリント配線板200の大型化を抑制することができる。
【0061】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るプリント回路板について説明する。
図3は、本発明の第2実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図である。
図3(a)は第2実施形態のプリント回路板を示す模式図であり、
図3(b)は第2実施形態のプリント回路板の等価回路を示す回路図である。なお、本第2実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0062】
図3(a)に示すように、プリント回路板100Aは、プリント配線板200Aと、プリント配線板200Aに実装された送信回路300及びコネクタ400と、を備えている。
【0063】
プリント配線板200Aは、複数(本第2実施形態では4つ)の導体層201A,202A,203A,204Aが不図示の絶縁体層を介して積層されて構成された多層基板(4層基板)である。第1導体層としての導体層201Aには、第2導体層としての導体層202Aが、絶縁体層を介して隣接して配置されている。導体層201A及び導体層202Aとは異なる第3導体層としての導体層203Aは、表層であり、送信回路300及びコネクタ400が実装されている。導体層201A,202A,203Aとは異なる第4導体層としての導体層204Aは、導体層203Aとは反対側の表層である。
【0064】
プリント配線板200Aは、上記第1実施形態と同様、信号導体211と、信号導体211から分岐する分岐導体212と、を有する。また、プリント配線板200Aは、送信回路300のグラウンド端子303に電気的に導通するグラウンド導体213Aを有する。
【0065】
グラウンド導体213Aは、導体層201Aに配置された第1グラウンド導体パターンであるグラウンド導体パターン231Aと、上記第1実施形態と同様のグラウンド導体パターン232と、を有する。
【0066】
また、グラウンド導体213Aは、グラウンド導体パターン231Aよりも面積が大きい第2グラウンド導体パターンであるグラウンド導体パターン236を有している。また、グラウンド導体213Aは、グラウンド導体パターン236とグラウンド導体パターン231Aとを電気的に接続するグラウンドヴィア導体237を有している。更に、グラウンド導体213Aは、グラウンド導体パターン232とグラウンド導体パターン236とを電気的に接続するグラウンドヴィア導体238を有している。
【0067】
グラウンド導体パターン231Aは、第1導体部分である導体パターン255に絶縁体層を介して対向する第3導体部分である導体パターン234を有する。また、グラウンド導体パターン231Aは、第2導体部分である導体パターン256に絶縁体層を介して対向する第4導体部分である導体パターン235を有する。導体パターン234は、電気経路の方向に交差(直交)する幅方向の大きさが導体パターン235よりも小さく形成されている。
【0068】
本第2実施形態では、導体パターン234は、直線状に延びて形成された帯状の導体パターンである。導体パターン235は、面状の導体パターンである。導体パターン234の一端がグラウンドヴィア導体237に接続され、他端が導体パターン235に接続されている。
【0069】
帯状の導体パターン234は、導体パターン255と同一形状かつ同一面積に形成され、面状の導体パターン235は、導体パターン256と同一形状かつ同一面積に形成されている。
【0070】
グラウンド導体パターン236は、面状の導体パターンであり、導体層204Aに配置されており、導体層204Aにおいて例えば全面に亘って形成されている。また、このグラウンド導体213Aは、不図示の電源回路のグラウンド端子に電気的に導通しており、送信回路300のグラウンド端子303には、グラウンド導体213Aを介してグラウンド電位が印加される。なお、プリント配線板200Aは、送信回路300の電源端子302に電気的に導通する不図示の電源導体を有している。送信回路300の電源端子302には、不図示の電源回路により、不図示の電源導体を介して電源電位が印加される。
【0071】
導体パターン234,255は、細長の帯状の導体パターンであるので、主にインダクタとして作用する。また、導体パターン235,256は、面状の導体パターンであるので、互いに対向する導体パターン235,256で主にキャパシタとして作用する。なお、ヴィア導体237,252は、主にインダクタとして作用する。
【0072】
したがって、ヴィア導体252、導体パターン255、一対の導体パターン235,256、導体パターン234及びグラウンドヴィア導体237により、
図3(b)に示すようなLC直列共振回路Q
3が形成される。
【0073】
グラウンドヴィア導体237のインダクタンスをL
3[H]、帯状の導体パターン234のインダクタンスをL
4[H]、面状の導体パターン256と面状の導体パターン235のキャパシタンスをC[F]とする。LC直列共振回路Q
3の共振周波数f
3は、以下の式(8)と表される。
【0075】
本第2実施形態では、グラウンド導体パターン231Aが、導体パターン255に対向する帯状の導体パターン234を有することで、帯状の導体パターン255とグラウンド導体パターン231Aとの誘導結合が、上記第1実施形態よりも大きくなる。したがって、層間厚tに対する導体パターン255のインダクタンスL
2の変化量が第1実施形態よりも大きい。その結果、上記第1実施形態よりも、層間厚tの変化に対するキャパシタンスCの変化を相殺する効果が大きくなり、LC直列共振回路Q
3の共振周波数f
3のばらつきをより効果的に抑制することができる。したがって、LC直列共振回路Q
3による遮断効果の低下を抑制することができ、デジタル信号を送信する送信回路300の動作に起因したケーブル500からのEMIを効果的に低減することができる。
【0076】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係るプリント回路板について説明する。
図4は、本発明の第3実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図である。
図4(a)は第3実施形態のプリント回路板を示す模式図であり、
図4(b)は第3実施形態のプリント回路板の等価回路を示す回路図である。なお、本第3実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0077】
図4(a)に示すように、プリント回路板100Bは、プリント配線板700と、プリント配線板700に実装された送信回路300及びコネクタ800と、を備えている。
【0078】
プリント配線板700は、複数(本第3実施形態では3つ)の導体層701,702,703が絶縁体層705及び不図示の絶縁体層を介して積層されて構成された多層基板(3層基板)である。第1導体層としての導体層701には、第2導体層としての導体層702が、絶縁体層705を介して隣接して配置されている。導体層701及び導体層702とは異なる第3導体層としての導体層703は、表層であり、送信回路300及びコネクタ800が実装されている。
【0079】
プリント配線板700は、送信回路300の電源端子302に電気的に導通し、送信回路300に電力供給する電源線路となる電源導体711と、電源導体711から分岐する分岐導体712と、を有する。また、プリント配線板700は、送信回路300のグラウンド端子303に電気的に導通するグラウンド導体713を有する。なお、プリント配線板700は、送信回路300の信号端子301に電気的に導通し、デジタル信号の伝送線路となる不図示の信号導体を有している。
【0080】
電源導体711は、一端が送信回路300の電源端子302に電気的に接続され、他端がコネクタ800の端子に電気的に接続されている。本第3実施形態では、電源導体711は、導体層703に配置された電源導体パターン721である。そして、電源導体パターン721の一端に送信回路300の電源端子302がはんだ等で接合され、他端にコネクタ800の端子がはんだ等で接合されている。
【0081】
グラウンド導体713は、導体層701に配置された第1グラウンド導体パターンであるグラウンド導体パターン731と、導体層703に配置され、送信回路300のグラウンド端子303が接合されるグラウンド導体パターン732とを有する。また、グラウンド導体713は、グラウンド導体パターン731と、グラウンド導体パターン732とを電気的に接続するグラウンドヴィア導体733を有する。グラウンド導体パターン731は、面状の導体パターンであり、導体層701において、例えば全面に亘って形成されている。なお、グラウンド導体713の構成は、これに限定するものではなく、少なくともグラウンド導体パターン731を有していればよい。また、このグラウンド導体713は、電源ケーブルであるケーブル900を介して不図示の電源回路のグラウンド端子に電気的に導通しており、送信回路300のグラウンド端子303には、グラウンド導体713を介してグラウンド電位が印加される。なお、送信回路300の電源端子302は、電源導体711及びケーブル900を介して、不図示の電源回路の電源端子に電気的に導通している。したがって、送信回路300の電源端子302には、不図示の電源回路により、電源電位が印加される。
【0082】
分岐導体712は、導体層702に配置された導体パターン751と、電源導体パターン721と導体パターン751とを電気的に接続するヴィア導体752と、を有する。
【0083】
導体パターン751は、グラウンド導体パターン731に対向して配置されている。導体パターン751は、送信回路300で発生したノイズ電流を送信回路300のグラウンド端子303に帰還させる電気経路L
e2に沿う第1区間S11の第1導体部分である導体パターン755を有する。また、導体パターン751は、電気経路L
e2に沿う区間であって、第1区間S11よりも電源導体711から遠い第2区間S12の第2導体部分である導体パターン756を有する。
【0084】
導体パターン755は、電気経路L
e2の方向に対して交差(直交)する幅方向の大きさが導体パターン756よりも小さく形成されている。即ち、導体パターン755の幅方向の幅wが、導体パターン756の幅方向の幅sよりも小さく形成されている。
【0085】
本第3実施形態では、導体パターン755は、直線状に延びて形成された帯状の導体パターンである。導体パターン756は、面状の導体パターンである。導体パターン755の一端がヴィア導体752に接続され、他端が導体パターン756に接続されている。
【0086】
導体パターン755は、細長の帯状の導体パターンであるので、主にインダクタとして作用する。また、導体パターン756は、面状の導体パターンであるので、対向するグラウンド導体パターン731と対で主にキャパシタとして作用する。なお、ヴィア導体752は、主にインダクタとして作用する。ヴィア導体752及び導体パターン755によるインダクタと、互いに対向する導体パターン756及びグラウンド導体パターン731によるキャパシタとにより、
図4(b)に示すような上記第1実施形態と同様のLC直列共振回路Q
1が形成される。
【0087】
以上、本第3実施形態によれば、分岐導体712の導体パターン751と、グラウンド導体パターン731との間の絶縁体層705の層厚が製造誤差によりばらついても、LC直列共振回路Q
1の共振周波数のばらつきを抑制することができる。したがって、LC直列共振回路Q
1による遮断効果の低下を抑制することができ、デジタル信号を送信する送信回路300の動作に起因したケーブル900からのEMIを効果的に低減することができる。
【0088】
また、本第3実施形態では、分岐導体712はヴィア導体752を有している。つまり、電源導体パターン721と導体パターン751とは、異なる導体層に配置されている。したがって、電源導体パターン721の幅を導体層703において大きくする場合であっても、導体パターン751が別の導体層702に配置されるので、プリント配線板700の大型化を抑制することができる。
【0089】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係るプリント回路板について説明する。
図5は、本発明の第4実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図である。
図5(a)は第4実施形態のプリント回路板を示す模式図であり、
図5(b)は第4実施形態のプリント回路板の等価回路を示す回路図である。なお、本第4実施形態において、上記第3実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0090】
図5(a)に示すように、プリント回路板100Cは、プリント配線板700Aと、プリント配線板700Aに実装された送信回路300及びコネクタ800と、を備えている。
【0091】
プリント配線板700Aは、複数(本第4実施形態では4つ)の導体層701A,702A,703A,704Aが不図示の絶縁体層を介して積層されて構成された多層基板(4層基板)である。第1導体層としての導体層701Aには、第2導体層としての導体層702Aが、絶縁体層を介して隣接して配置されている。導体層701A及び導体層702Aとは異なる第3導体層としての導体層703Aは、表層であり、送信回路300及びコネクタ800が実装されている。導体層701A,702A,703Aとは異なる第4導体層としての導体層704Aは、導体層703Aとは反対側の表層である。
【0092】
プリント配線板700Aは、上記第3実施形態と同様、電源導体711と、電源導体711から分岐する分岐導体712と、を有する。また、プリント配線板700Aは、送信回路300のグラウンド端子303に電気的に導通するグラウンド導体713Aを有する。
【0093】
グラウンド導体713Aは、導体層701Aに配置された第1グラウンド導体パターンであるグラウンド導体パターン731Aと、上記第3実施形態と同様のグラウンド導体パターン732と、を有する。
【0094】
また、グラウンド導体713Aは、グラウンド導体パターン731Aよりも面積が大きい第2グラウンド導体パターンであるグラウンド導体パターン736を有している。また、グラウンド導体713Aは、グラウンド導体パターン736とグラウンド導体パターン731Aとを電気的に接続するグラウンドヴィア導体737を有している。更に、グラウンド導体713Aは、グラウンド導体パターン732とグラウンド導体パターン736とを電気的に接続するグラウンドヴィア導体738を有している。
【0095】
グラウンド導体パターン731Aは、第1導体部分である導体パターン755に絶縁体層を介して対向する第3導体部分である導体パターン734を有する。また、グラウンド導体パターン731Aは、第2導体部分である導体パターン756に絶縁体層を介して対向する第4導体部分である導体パターン735を有する。導体パターン734は、電気経路の方向に交差(直交)する幅方向の大きさが導体パターン735よりも小さく形成されている。
【0096】
本第4実施形態では、導体パターン734は、直線状に延びて形成された帯状の導体パターンである。導体パターン735は、面状の導体パターンである。導体パターン734の一端がグラウンドヴィア導体737に接続され、他端が導体パターン735に接続されている。
【0097】
帯状の導体パターン734は、導体パターン755と同一形状かつ同一面積に形成され、面状の導体パターン735は、導体パターン756と同一形状かつ同一面積に形成されている。
【0098】
グラウンド導体パターン736は、面状の導体パターンであり、導体層704Aに配置され、導体層704Aにおいて例えば全面に亘って形成されている。また、グラウンド導体713Aは、ケーブル900を介して不図示の電源回路のグラウンド端子に電気的に導通しており、送信回路300のグラウンド端子303には、グラウンド導体713Aを介してグラウンド電位が印加される。
【0099】
導体パターン734,755は、細長の帯状の導体パターンであるので、主にインダクタとして作用する。また、導体パターン735,756は、面状の導体パターンであるので、互いに対向する導体パターン735,756で主にキャパシタとして作用する。なお、ヴィア導体737,752は、主にインダクタとして作用する。
【0100】
したがって、ヴィア導体752、導体パターン755、一対の導体パターン735,756、導体パターン734及びグラウンドヴィア導体737により、
図5(b)に示すような、上記第2実施形態と同様のLC直列共振回路Q
3が形成される。
【0101】
本第4実施形態では、グラウンド導体パターン731Aが、導体パターン755に対向する帯状の導体パターン734を有することで、帯状の導体パターン755とグラウンド導体パターン731Aとの誘導結合が、上記第3実施形態よりも大きくなる。したがって、層間厚に対する導体パターン755のインダクタンスL
2の変化量が第3実施形態よりも大きい。その結果、上記第3実施形態よりも、層間厚の変化に対するキャパシタンスCの変化を相殺する効果が大きくなり、LC直列共振回路Q
3の共振周波数のばらつきをより効果的に抑制することができる。したがって、LC直列共振回路Q
3による遮断効果の低下を抑制することができ、デジタル信号を送信する送信回路300の動作に起因したケーブル900からのEMIを効果的に低減することができる。
【実施例】
【0102】
[実施例1]
実施例1として、
図1(a)に示す上記第1実施形態のプリント回路板100をモデル化し、3次元電磁界シミュレーションを実施して効果の検証を行った結果について説明する。シミュレーションモデルとして、プリント配線板200は、外形が幅100[mm]、長さ100[mm]、厚さ1.67[mm]とした。導体層203には、信号導体211として幅3[mm]、長さ100[mm]、厚さ0.035[mm]の信号導体パターン221を設けたマイクロストリップ構造とした。導体層201には、幅100[mm]、長さ100[mm]、厚さ0.035[mm]のグラウンド導体パターン231を設けた。
【0103】
絶縁体層の絶縁体(誘電体)はFR4(比誘電率4.3)とし、導体は銅(導電率5.8×10
7[S/m])を用いた。
【0104】
送信回路300と受信回路600は、Sパラメータのポート1及びポート2として信号導体211の両端とグラウンド導体213の間に設定した。
【0105】
さらに、信号導体211の中点に径0.2[mm]、長さ1.535[mm]のヴィア導体252を設け、ヴィア導体252の先端に幅0.2[mm]、長さ1.5[mm]、厚さ0.035[mm]の帯状の導体パターン255を設けた。さらにその先端に、幅4.3[mm]、長さ4.3[mm]、厚さ0.035[mm]の面状の導体パターン256を設けた。面状の導体パターン256とグラウンド導体パターン231との間の層間厚は30[μm]とした。
【0106】
また、
図9(a)に示す比較例のプリント回路板についても同様にモデル化した。実施例1のシミュレーションモデルと異なる点のみ説明すると、ヴィア導体252の先端に直接幅4.94[mm]、長さ4.94[mm]、厚さ0.035[mm]の面状の導体パターン256を接続した。各々、一例としてLC共振周波数が1[GHz]となるように寸法を決めた。
【0107】
それぞれのモデルについて、層間厚を30[μm]から1[μm]ずつ40[μm]まで変化させた場合のフィルタ透過特性として、SパラメータのS21をシミュレーションから求めた。求めたS21の結果から得られた層間厚に対する共振周波数の値をプロットしたものを
図6に示す。
図6中、実線が実施例1、破線が比較例のシミュレーション結果である。
【0108】
この結果より、層間厚が30[μm]から40[μm]へ変化した場合、比較例では151.5[MHz]変化したのに対して、本実施例1では123[MHz]の変化であり、共振周波数の変化を約20[%]抑制していることが確認できた。
【0109】
共振周波数のずれを抑制する効果の大きい導体パターン256の配線幅sと導体パターン255の配線幅wの範囲について説明する。
【0110】
ある所望の共振周波数を実現する導体パターン256の配線幅sと導体パターン255の配線幅wの組み合わせは、導体パターン256の配線長lを調整することで多数ある。ここでも一例として1[GHz]を所望の共振周波数としたときの組み合わせ例と、それぞれの場合に層間厚を30[μm]から40[μm]に変化させた場合の共振周波数の変化量をシミュレーションによって求めた結果を表1に示す。面状の導体パターン256は、ここでも一例として幅と長さが等しい四角形状としている。
【0111】
【表1】
【0112】
これらの結果について、横軸を配線幅w/配線幅s、縦軸を共振周波数の変化量としてプロットしたグラフを
図7に示す。実線の菱形のプロットがs=2.7[mm]の場合、実線の四角形のプロットがs=4.2[mm]の場合、実線の三角形のプロットがs=6.36[mm]の場合、破線が比較例の形状の場合の値を示す。
【0113】
図7より、まず導体パターン256の配線幅sが大きくなっていくと、共振周波数の変化量が導体パターン255の配線幅wによらず増えることがわかる。導体パターン256の配線幅sを大きくすると、式(3)において対向面積Sが大きくなり、キャパシタの容量値が大きくなる。よって式(1)より、所望の共振周波数を得るためには導体パターン255のインダクタンスL
2を小さくしなければならない。しかし、インダクタンスL
2が小さくなるほど、層間厚tの変化に対するインダクタンスL
2の変化量が減り、共振周波数のずれの抑制効果が減少していく。そのため、導体パターン256の配線幅sの範囲には上限がある。
【0114】
導体パターン255のインダクタンスL
2が存在する条件は、
【0115】
【数9】
であり、式(1)を用いて導体パターン256の配線幅sの範囲を導出すると、
【0116】
【数10】
となる。ここで、L
1はヴィア導体252のインダクタンスであり、例えばヴィア径が0.2[mm]の場合、およそ1[nH/mm]である。
【0117】
次に、
図7より、導体パターン256の配線幅sの値によらず、w/sの値が大きくなると共振周波数の変化量が増えることがわかる。導体パターン256の配線幅sに対して導体パターン255の配線幅wが近づいていくと、導体パターン255がインダクタンスとして働かなくなっていくためである。また、w/sの値が小さすぎても、共振周波数の変化量が増えることがわかる。これは、導体パターン255の配線幅wが小さくなると、式(4)より導体パターン255の配線長lが小さくなるため、層間厚tの変化に対するL
2の変化量が小さくなるためである。
図7より、共振周波数の変化量が最も少なくなる極値の範囲は、およそ、
【0118】
【数11】
である。
【0119】
[実施例2]
実施例2として、
図3(a)に示す上記第2実施形態のプリント回路板100Aをモデル化し、3次元電磁界シミュレーションを実施して効果の検証を行った結果について説明する。シミュレーションモデルについは、実施例1で用いたモデルと異なる部分のみ説明する。
【0120】
信号導体211の中点に径0.2[mm]、長さ0.75[mm]のヴィア導体252を設け、ヴィア導体252の先端に幅0.2[mm]、長さ1.5[mm]、厚さ0.035[mm]の導体パターン255を設けた。さらにその先端に、幅4.38[mm]、長さ4.38[mm]、厚さ0.035[mm]の導体パターン256を設けた。さらに、導体パターン256と層間厚30[μm]で対向する面状の導体パターン235を設け、導体パターン235と接続され、導体パターン255と層間厚30[μm]で対向する帯状の導体パターン234を設けた。そしてヴィア導体252と対称となる位置に径0.2[mm]、長さ0.75[mm]のグラウンドヴィア導体237を設けた。これらの寸法は、一例としてLC共振周波数が1[GHz]となるように決めた。
【0121】
このモデルと上記比較例のモデルのそれぞれについて、層間厚を30[μm]から1[μm]ずつ40[μm]まで変化させた場合のフィルタ透過特性としてSパラメータのS21をシミュレーションから求めた。求めたS21の結果から、層間厚に対する共振周波数の値をプロットしたものを
図8に示す。
図8中、実線が実施例2、破線が比較例のシミュレーション結果である。
【0122】
この結果より、層間厚が30[μm]から40[μm]へ変化した場合、比較例では151.5[MHz]変化したのに対して、本実施例2では105[MHz]の変化であり、共振周波数の変化を約30[%]抑制していることが確認できた。
【0123】
なお、本発明は、以上説明した実施形態及び実施例に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
【0124】
上記第1、第2実施形態では、ヴィア導体252、導体パターン255,256で構成されるLC共振型フィルタ構造を、信号導体211とグラウンド導体213との間に1つ設けた場合について説明したがこれに限定するものではない。伝送するデジタル信号の不要な高調波は複数あるため、その周波数に合わせて複数のLC共振型フィルタ構造を設けてもよい。
【0125】
同様に、上記第3、第4実施形態では、ヴィア導体752、導体パターン755,756で構成されるLC共振型フィルタ構造を、電源導体711とグラウンド導体713との間に1つ設けた場合について説明したがこれに限定するものではない。電源導体711に発生する不要な高調波は複数あるため、その周波数に合わせて複数のLC共振型フィルタ構造を設けてもよい。
【0126】
また、上記第1、第3実施形態では、プリント配線板が3つの導体層を有する3層基板である場合について説明したが、これに限定するものではなく、4つ以上の導体層を有する多層基板であってもよい。同様に、上記第2、第4実施形態では、プリント配線板が4つの導体層を有する4層基板である場合について説明したが、これに限定するものではなく、5つ以上の導体層を有する多層基板であってもよい。
【0127】
また、上記第1、第2実施形態では、信号導体211が信号導体パターン221である場合について説明したが、信号導体211が信号導体パターン221の他、信号ヴィア導体や他の信号導体パターン等を有していてもよい。同様に、上記第3、第4実施形態では、電源導体711が電源導体パターン721である場合について説明したが、電源導体711が電源導体パターン721の他、電源ヴィア導体や他の電源導体パターン等を有していてもよい。
【0128】
また、上記第1実施形態では、分岐導体212がヴィア導体252を有する場合について説明したが、これに限定するものではない。導体パターン251が、導体層203に配置される場合には、ヴィア導体252は省略可能である。この場合、導体層203が第2導体層である。
【0129】
同様に、上記第3実施形態では、分岐導体712がヴィア導体752を有する場合について説明したが、これに限定するものではない。導体パターン751が、導体層703に配置される場合には、ヴィア導体752は省略可能である。この場合、導体層703が第2導体層である。
【0130】
また、上記第1〜第4実施形態において、分岐導体212,712の導体パターン251,751の第2区間S2,S12の後段に更に別の導体パターンやヴィア導体等の導体が形成されていてもよい。