(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1つの演算増幅器を含む電流出力手段、基準電圧源、基準抵抗、および一対の出力端子を備え、前記演算増幅器の非反転入力端子には、前記基準電圧源の一端が接続され、前記演算増幅器の反転入力端子には、前記基準抵抗の一端が接続され、前記基準電圧源および前記基準抵抗の他端が接続され、前記電流出力手段の出力が、前記一対の出力端子の一方に接続され、前記一対の出力端子の他方が前記演算増幅器の前記反転入力端子に、前記基準抵抗を介することなく接続されており、前記一対の出力端子と被測定抵抗体が電気的に接続されることにより、前記基準抵抗の電圧降下が前記基準電圧源の電圧値と等しくなるように、前記電流出力手段から一定の直流定電流が出力される定電流発生回路において、
前記電流出力手段の出力電流を増幅する第1のトランジスタと、
前記第1のトランジスタと前記出力端子の一方との間に備えられるヒューズと、
前記第1のトランジスタを介することなく、前記ヒューズを介して、前記出力端子の一方と他方を接続する第1の経路と、
前記第1の経路に設けられる保護手段と、
前記第1のトランジスタの出力と入力とを電気的に接続する第2の経路と、
前記第2の経路中に設けられ、その駆動電圧が前記定電流発生回路における最低駆動電圧または最高駆動電圧である第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタに逆バイアスで接続されて寄生ダイオードによる電流を遮断するダイオードと
を備え、
前記第2のトランジスタが駆動していないときは、前記第2の経路が切断されて前記第1のトランジスタが駆動し、
前記最低駆動電圧以下または最高駆動電圧以上の電圧が発生して前記第2のトランジスタが駆動されると、前記第2の経路が接続されて前記第1のトランジスタの導通が切断される
ことを特徴とする定電流発生回路。
少なくとも1つの演算増幅器を含む電流出力手段、基準電圧源、基準抵抗、および一対 の出力端子を備え、前記演算増幅器の非反転入力端子には、前記基準電圧源の一端が接続され、前記演算増幅器の反転入力端子には、前記基準抵抗の一端が接続され、前記基準電圧源および前記基準抵抗の他端が接続され、前記電流出力手段の出力が、前記一対の出力端子の一方に接続され、前記一対の出力端子の他方が前記演算増幅器の前記反転入力端子に、前記基準抵抗を介することなく接続されており、前記一対の出力端子と被測定抵抗体が電気的に接続されることにより、前記基準抵抗の電圧降下が前記基準電圧源の電圧値と等しくなるように、前記電流出力手段から一定の直流定電流が出力される定電流発生回路の保護方法において、
前記電流出力手段の出力電流を増幅する第1のトランジスタと、
前記第1のトランジスタと前記出力端子の一方との間に備えられるヒューズと、
前記第1のトランジスタを介することなく、前記ヒューズを介して、前記出力端子の一方と他方を接続する第1の経路と、
前記第1の経路に設けられる保護手段と、
前記第1のトランジスタの出力と入力とを電気的に接続する第2の経路と、
前記第2の経路中に設けられ、その駆動電圧が前記定電流発生回路における最低駆動電圧または最高駆動電圧である第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタに逆バイアスで接続されて寄生ダイオードによる電流を遮断するダイオードと
が設けられ、
前記第2のトランジスタが駆動していないときは、前記第2の経路が切断されて前記第1のトランジスタを駆動し、
前記最低駆動電圧以下または最高駆動電圧以上の電圧が発生して前記第2のトランジスタが駆動されると、前記第2の経路が接続されて前記第1のトランジスタの導通を切断させる
ことを特徴とする定電流発生回路の保護方法。
少なくとも1つの演算増幅器を含む電流出力手段、基準電圧源、基準抵抗、および一対の出力端子を備え、前記演算増幅器の非反転入力端子には、前記基準電圧源の一端が接続され、前記演算増幅器の反転入力端子には、前記基準抵抗の一端が接続され、前記基準電圧源および前記基準抵抗の他端が接続され、前記電流出力手段の出力が、前記一対の出力端子の一方に接続され、前記一対の出力端子の他方が前記演算増幅器の前記反転入力端子に、前記基準抵抗を介することなく接続されており、前記一対の出力端子と被測定抵抗体が電気的に接続されることにより、前記基準抵抗の電圧降下が前記基準電圧源の電圧値と等しくなるように、前記電流出力手段から一定の直流定電流が出力される定電流出力手段と、
前記定電流出力手段により発生された定電流が流された状態の前記被測定抵抗体の両端の電圧を測定し、測定結果に基づいて、前記被測定抵抗体の抵抗値を求める抵抗値測定手段と
を含む抵抗測定装置において、
前記電流出力手段の出力電流を増幅する第1のトランジスタと、
前記第1のトランジスタと前記出力端子の一方との間に備えられるヒューズと、
前記第1のトランジスタを介することなく、前記ヒューズを介して、前記出力端子の一方と他方を接続する第1の経路と、
前記第1の経路に設けられる保護手段と、
前記第1のトランジスタの出力と入力とを電気的に接続する第2の経路と、
前記第2の経路中に設けられ、その駆動電圧が前記定電流出力手段の最大駆動電圧または最低駆動電圧である第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタに逆バイアスで接続されて寄生ダイオードによる電流を遮断するダイオードと
を備え、
前記第2のトランジスタが駆動していないときは、前記第2の経路が切断されて前記第1のトランジスタが駆動し、
前記最低駆動電圧以下または最高駆動電圧以上の電圧が発生して前記第2のトランジスタが駆動されると、前記第2の経路が接続されて前記第1のトランジスタの導通が切断される
ことを特徴とする抵抗測定装置。
少なくとも1つの演算増幅器を含む電流出力手段、基準電圧源、基準抵抗、および一対の出力端子を備え、前記演算増幅器の非反転入力端子には、前記基準電圧源の一端が接続され、前記演算増幅器の反転入力端子には、前記基準抵抗の一端が接続され、前記基準電圧源および前記基準抵抗の他端が接続され、前記電流出力手段の出力が、前記一対の出力端子の一方に接続され、前記一対の出力端子の他方が前記演算増幅器の前記反転入力端子に、前記基準抵抗を介することなく接続されており、前記一対の出力端子と被測定抵抗体が電気的に接続されることにより、前記基準抵抗の電圧降下が前記基準電圧源の電圧値と等しくなるように、前記電流出力手段から一定の直流定電流が出力される定電流出力手段と、
前記定電流出力手段により発生された定電流が流された状態の前記被測定抵抗体の両端の電圧を測定し、測定結果に基づいて、前記被測定抵抗体の抵抗値を求める抵抗値測定手段と
を含む抵抗測定装置の抵抗測定方法において、
前記電流出力手段の出力電流を増幅する第1のトランジスタと、
前記第1のトランジスタと前記出力端子の一方との間に備えられるヒューズと、
前記第1のトランジスタを介することなく、前記ヒューズを介して、前記出力端子の一方と他方を接続する第1の経路と、
前記第1の経路に設けられる保護手段と、
前記第1のトランジスタの出力と入力とを電気的に接続する第2の経路と、
前記第2の経路中に設けられ、その駆動電圧が前記定電流出力手段の最大駆動電圧または最低駆動電圧である第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタに逆バイアスで接続されて寄生ダイオードによる電流を遮断するダイオードと
が設けられ、
前記第2のトランジスタが駆動していないときは、前記第2の経路を切断して前記第1のトランジスタを駆動し、
前記最低駆動電圧以下または最高駆動電圧以上の電圧が発生して前記第2のトランジスタが駆動されると、前記第2の経路を接続して前記第1のトランジスタの導通が切断する
ことを特徴とする抵抗測定装置の抵抗測定方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような定電流源においては、測定端子間に過電圧が発生した場合、過電圧から回路を保護する必要が生じる。
【0008】
そこで、本発明は、上記課題を解決すること、すなわち、測定端子間に過電圧が発生した場合においても、定電流源の回路を保護することができる、定電流発生回路および定電流発生回路の保護方法
、並びに抵抗測定装置、および、抵抗測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の
一側面は、電流出力手段の出力電流を増幅する第1のトランジスタと、第1のトランジスタと出力端子の一方との間に備えられるヒューズと、第1のトランジスタを介することなく、ヒューズを介して、出力端子の一方と他方を接続する第1の経路と、第1の経路に設けられる保護手段と、第1のトランジスタの出力と入力とを電気的に接続する第2の経路と、第2の経路中に設けられ、その駆動電圧
が定電流発生回路における最低駆動電圧または最高駆動電圧である第2のトランジスタと、第2のトランジスタに逆バイアスで接続されて寄生ダイオードによる電流を遮断するダイオードとを備え、第2のトランジスタが駆動していないとき
は、第2の経路が切断されて第1のトランジスタが駆動し、
最低駆動電圧以下または最高駆動電圧以上の電圧が発生して第2のトランジスタが駆動
されると、第2の経路が接続されて第1のトランジスタの導通が切断されることを特徴とする。
【0013】
本発明の電流発生回路の他の側面は、基準電圧源が、正および負の基準電圧を発生し、電流出力手段が正方向の電流および負方向の電流を出力する場合、
第1のトランジスタは、正方向の電流を増幅するトランジスタと負方向の電流を増幅するトランジスタとからなり、第2のトランジスタは、その駆動電圧が前記定電流回路における最低駆動電圧である第3のトランジスタと、駆動電圧が前記定電流回路における最大駆動電圧である第4のトランジスタとからなり、最低駆動電圧以下の過電圧が発生すると、第3のトランジスタが駆動されて第1のトランジスタの正方向の電流を増幅するトランジスタの導通が切断され、最大駆動電圧以上の過電圧が発生すると、第4のトランジスタが駆動されて第1のトランジスタの負方向の電流を増幅するトランジスタの導通が切断されることを特徴とする。
【0015】
本発明の電流発生回路の保護方法の一側面は、電流出力手段の出力電流を増幅する第1のトランジスタと、第1のトランジスタと出力端子の一方との間に備えられるヒューズと、第1のトランジスタを介することなく、ヒューズを介して、出力端子の一方と他方を接続する第1の経路と、第1の経路に設けられる保護手段と、第1のトランジスタの出力と入力とを電気的に接続する第2の経路と、
第2の経路中に設けられ、その駆動電圧が定電流出力手段における最低駆動電圧または最高駆動電圧である第2のトランジスタと、第2のトランジスタに逆バイアスで接続されて寄生ダイオードによる電流を遮断するダイオードとが設けられ、
第2のトランジスタが駆動していないときは、第2の経路が切断されて第1のトランジスタを駆動し、最低駆動電圧以下または最高駆動電圧以上の電圧が発生して第2のトランジスタが駆動されると、第2の経路が接続されて第1のトランジスタの導通を切断させることを特徴とする。
【0020】
本発明の抵抗測定装置の
一側面は、定電流
出力手段が、電流出力手段の出力電流を増幅する第1のトランジスタと、第1のトランジスタと出力端子の一方との間に備えられるヒューズと、第1のトランジスタを介することなく、ヒューズを介して、出力端子の一方と他方を接続する第1の経路と、第1の経路に設けられる保護手段と、第1のトランジスタの出力と入力とを電気的に接続する第2の経路と、第2の経路中に設けられ、その駆動電圧
が定電流出力手段の最大駆動電圧または最低駆動電圧である第2のトランジスタと、第2のトランジスタに逆バイアスで接続されて寄生ダイオードによる電流を遮断するダイオードとを備え、第2のトランジスタが駆動していないとき
は、第2の経路が切断されて前記第1のトランジスタが駆動し、
最低駆動電圧以下または最高駆動電圧以上の電圧が発生して第2のトランジスタが駆動
されると、第2の経路が接続されて第1のトランジスタの導通が切断されることを特徴とする。
【0021】
本発明の抵抗測定方法の一側面は、電流出力手段の出力電流を増幅する第1のトランジスタと、第1のトランジスタと出力端子の一方との間に備えられるヒューズと、第1のトランジスタを介することなく、ヒューズを介して、出力端子の一方と他方を接続する第1の経路と、第1の経路に設けられる保護手段と、第1のトランジスタの出力と入力とを電気的に接続する第2の経路と、第2の経路
中に設けられ、その駆動電圧が定電流出力手段の最大駆動電圧または最低駆動電圧である第2のトランジスタと、第2のトランジスタに逆バイアスで接続されて寄生ダイオードによる電流を遮断するダイオードとが設けられ、
第2のトランジスタが駆動していないときは、第2の経路を切断して第1のトランジスタを駆動し、
最低駆動電圧以下または最高駆動電圧以上の電圧が発生して第2のトランジスタが駆動されると、第2の経路を接続して前記第1のトランジスタの導通が切断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、過電圧が発生した場合においても、定電流源を構成する素子を保護することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施の形態の四端子抵抗測定装置について、
図1〜
図7を参照しながら説明する。
【0025】
図1を参照して、四端子抵抗測定装置1について説明する。
【0026】
四端子抵抗測定装置1は、被測定抵抗体2の抵抗値を測定するものであって、定電流源11、一対の電流供給端子であるHi側電流供給端子12およびLo側電流供給端子13、一対の電圧検出端子であるHi側電圧検出端子14およびLo側電圧検出端子15、電圧検出部16、A/D変換部17、処理部18、並びに、表示部19を備えている。
【0027】
定電流源11は、一対の出力端子(
図2を用いて後述する出力端子40および出力端子41)間に接続された外部回路に対して、内部の定電圧源(
図2を用いて後述する定電圧源32)が出力する直流定電圧の電圧値と基準抵抗(
図2を用いて後述する基準抵抗33)の抵抗値とによって決められる電流値(既知の電流値)の測定電流(直流定電流)Imを供給可能となっている。定電流源11の詳細な構成については、
図2を用いて後述する。
【0028】
Hi側電流供給端子12は、定電流源11の一方の出力端子(
図2を用いて後述する出力端子40)に接続されている。Lo側電流供給端子13は、定電流源11の他方の出力端子(
図2を用いて後述する出力端子41)に接続されている。Hi側電圧検出端子14は、電圧検出部16の一方の入力端子に接続され、Lo側電圧検出端子15は、電圧検出部16の他方の入力端子に接続されている。
【0029】
電圧検出部16は、高入力インピーダンスの一対の入力端子に接続されたHi側電圧検出端子14およびLo側電圧検出端子15間に発生する電圧V1を検出して、この電圧V1の波形を示す電圧信号SvをA/D変換部17に出力する。A/D変換部17は、電圧信号Svを入力するとともに、予め規定されたサンプリング周期でサンプリングすることにより、電圧信号Svの電圧(振幅)を示す電圧データDvを生成して処理部18に出力する。
【0030】
処理部18は、CPUおよび内部メモリを備えて構成されて、A/D変換部17から供給される電圧データDvに基づいて、被測定抵抗体2の抵抗値測定処理を実行し、測定結果を表示部19に供給する。
【0031】
表示部19は、一例として、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置で構成されて、抵抗値測定処理の結果を表示する。
【0032】
次に、四端子抵抗測定装置1の動作について説明する。
【0033】
まず、Hi側電流供給端子12およびHi側電圧検出端子14の被測定抵抗体2における一方の端子への接続作業、並びに、Lo側電流供給端子13およびLo側電圧検出端子15の被測定抵抗体における他方の端子への接続作業が、測定者により実施される。
【0034】
四端子抵抗測定装置1の作動状態において、Hi側電流供給端子12およびHi側電圧検出端子14が被測定抵抗体2の一方の端子に正常に接続され、かつLo側電流供給端子13およびLo側電圧検出端子15が被測定抵抗体2の他方の端子に正常に接続されているときには、定電流源11の一方の出力端子から、Hi側電流供給端子12、被測定抵抗体2およびLo側電流供給端子13を経由して他方の出力端子に至る経路に、測定電流Imが供給される。
【0035】
電圧検出部16は、Hi側電圧検出端子14およびLo側電圧検出端子15間に発生している電圧V1を検出して、電圧V1の波形を示す電圧信号SvをA/D変換部17に出力する。そして、A/D変換部17は、電圧信号Svの入力を受け、予め規定されたサンプリング周期でサンプリングすることにより、電圧信号Svの電圧(振幅)を示す電圧データDvを生成して、処理部18に出力する。
【0036】
このように、四端子抵抗測定装置1の各構成要素がそれぞれの動作を開始している状態において、処理部18は、A/D変換部17から出力される電圧データDvに基づいて、被測定抵抗体2の両端間電圧である電圧V1の電圧値を算出し、この算出した電圧V1の電圧値と定電流源11から出力される測定電流Imの電流値(既知)とに基づいて、被測定抵抗体2の抵抗値を測定して、表示部19に表示させる。
【0037】
次に、
図2を参照して、定電流源11の詳細な構成について説明する。
【0038】
定電流源11は、電流出力部31、定電圧源(直流定電圧源)32、基準抵抗33、抵抗34、トランジスタ35、抵抗36、トランジスタ37、ヒューズ38、保護回路39、出力端子40、および、出力端子41を含んで構成されている。ここでは、定電圧源32の電圧値をV1、基準抵抗33の抵抗値をR1とする。
【0039】
電流出力部31は、少なくとも1つの演算増幅器を含んで構成され、所定の電流値の電流を出力可能なものである。電流出力部31は、例えば、複数の素子によって構成されている回路であってもよいし、電流ドライバICなどを用いてもよい。定電流源11においては、定電圧源32が、電流出力部31の演算増幅器の非反転入力端子(以下、電流出力部31の非反転入力端子と称する)とグランドとの間に接続され、基準抵抗33が、電流出力部31の演算増幅器の反転入力端子(以下、電流出力部31の反転入力端子と称する)とグランドとの間に接続されている。電流出力部31の反転入力端子は、出力端子41とも接続されている。電流出力部31の出力端子は、抵抗34およびトランジスタ35、または、抵抗36およびトランジスタ37、並びに、ヒューズ38を介して、出力端子40と接続されている。また、出力端子40は、
図1を用いて説明したHi側電流供給端子12に電気的に接続され、出力端子41は、
図1を用いて説明したLo側電流供給端子13に電気的に接続されている。なお、電気的に接続されているというのは、例えば、ダイオードなどを介して接続されている場合も含むものである。また、ヒューズ38は、四端子抵抗測定装置1を使用するユーザによって、取り替えることが可能なようになされている。
【0040】
ここでは、定電圧源32は、基準抵抗33に対して、正電圧を印加するものとして図示されているが、定電圧源32は、基準抵抗33に対して、負電圧を印加するように切り替えることが可能とされている。また、トランジスタ35およびトランジスタ37は、ここでは、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor-Field-Effect-Transistor)として図示され、トランジスタ35はNチャネル、トランジスタ37はPチャネルであって、それぞれのゲート端子が抵抗34または抵抗36を介して電流出力部31の電流出力端子と接続され、それぞれのソース端子がヒューズ38と接続されている。なお、トランジスタ35およびトランジスタ37には、例えば、バイポーラトランジスタなどの他の形態のトランジスタを用いることも可能である。
【0041】
電流出力部31は、基準抵抗33の抵抗値と定電圧源32の電圧値V
1とによって決められる一定の電流値を有する直流電流を出力する。定電圧源32により印加される電圧が正電圧(図中の定電圧源32の回路記号で示される方向)である場合、電流出力部31から供給される直流電流は、抵抗34を介してトランジスタ35により増幅され、ヒューズ38を介して、一対の出力端子40および出力端子41間に接続された外部回路に対して供給される。また、定電圧源32により印加される電圧が負電圧である場合、抵抗36およびトランジスタ37を介して、外部回路に逆方向の直流電流が供給されるようになされている。
【0042】
保護回路39は、出力端子40と出力端子41とをヒューズ38を介して接続する第1の経路上であって、トランジスタ35またはトランジスタ37とヒューズ38とを接続する経路上ではなく、さらに、出力端子41と電流出力部31の反転入力端子とを接続する経路上ではない位置に備えられている。保護回路39は、例えば、双方向のツェナーダイオー
ドの機能を有するように複数の素子で構成された回路、または、バリスタなどで構成されると好適である。逆バイアスを印加されたツェナーダイオードは、制御された降伏を示し、ダイオードにかかる電圧がツェナー電圧に等しくなるように電流が流れる。また、バリスタは、両端子間の電圧が低い場合には電気抵抗が高く、ある程度以上に電圧が高くなると急激に電気抵抗が低くなり、電流が流れやすくなる。保護回路39は、トランジスタ35およびトランジスタ37の駆動電圧では導通せず、過電圧が印加された場合にのみ導通するような定数を有している。
【0043】
この構成により、出力端子40−出力端子41間、すなわち、
図1を用いて説明したHi側電流供給端子12−Lo側電流供給端子13間に過電圧V2がかかった場合、図中Aで示される経路(逆方向の過電圧がかかった場合は、逆方向の経路)に電流が流れるとともに、トランジスタ37および負電源VEEの図示せぬ電源トランス、および、グランドラインを介して、図中Bで示される経路(逆方向の過電圧がかかった場合は、トランジスタ35および正電源Vccの図示せぬ電源トランスおよびグランドラインを介した逆方向の経路)にも電流が流れるため、ヒューズ38が溶断され、定電流源11を構成する他の素子を保護することができるようになされている。経路Aと経路Bに流れる電流の電流値の比は、それぞれの経路が有する抵抗値によって決まり、従来通りの測定環境においては、図中Aで示される経路に多くの電流が流れる。したがって、主に、ヒューズ38を切断させるための電流値は、主に図中Aで示される経路に流れる電流に基づいて設定される。
【0044】
ところで、近年、低抵抗の被測定抵抗体を測定したいというニーズにこたえるため、定電流源で高い電流値の電流をドライブすることが求められている。したがって、基準抵抗33の抵抗値R1が低く設定される場合が多くなる。したがって、基準抵抗33の抵抗値R1が低く設定された場合、図中Bで示される経路に流れる電流が多くなってしまう。ヒューズ38を切断させるための電流値は、上述したように、主に図中Aで示される経路に流れる電流に基づいて設定されていたので、基準抵抗33の抵抗値R1が従来よりも低く設定された場合、基準抵抗33とトランジスタ37(逆方向の過電圧の場合は、トランジスタ35)に大きな電力が印加してしまうため、これらの素子が焼損する恐れがある。
【0045】
次に、
図3を参照して、基準抵抗33の抵抗値R1が低く設定された場合であっても、ヒューズ38の溶断のために必要な電流値の設定を大幅に落とすことなく、トランジスタ37(逆方向の過電圧の場合は、トランジスタ35)を保護することができる四端子抵抗測定装置61について説明する。
【0046】
図3の四端子抵抗測定装置61は、定電流源11に代わって、定電流源71が備えられている以外は、
図1を用いて説明した四端子抵抗測定装置1と同様の構成を有するものである。
【0047】
次に、
図4を参照して、
図3の定電流源71について説明する。
【0048】
図4の定電流源71は、抵抗81、電圧検出部82、制御部83、および、スイッチ84が新たに備えられている。抵抗81は、その一端が電流出力部31の出力端子に接続され、他端は、抵抗34および抵抗36にそれぞれ接続されている。過電圧が発生した場合、電流出力部31の動作電圧範囲を超える電圧がかかってしまう可能性があるため、抵抗81は、電流出力部31を保護することが可能な抵抗値R2に設置される。電圧検出部82は、トランジスタ35およびトランジスタ37の出力電圧を検出可能なように、定電流源71の所定の部分に接続される。制御部83は、電圧検出部82から所定の検出信号を供給可能なように接続されている。スイッチ84は、接続状態となった場合、トランジスタ35およびトランジスタ37のそれぞれのソース端子(トランジスタ35およびトランジスタ37がそれぞれバイポーラトランジスタである場合は、エミッタ端子)と、抵抗34または抵抗36を介して、トランジスタ35およびトランジスタ37のそれぞれのゲート端子とを短絡する、換言すれば、トランジスタ35およびトランジスタ37の駆動電圧を短絡させることが可能な第2の経路に設けられている。それ以外の部分は、
図2を用いて説明した定電流源11と基本的に同様の構成を有するものである。
【0049】
電圧検出部82はトランジスタ35およびトランジスタ37の出力段における電圧を検出し、過電圧が発生している場合、検出信号を生成して、制御部83に供給する。
【0050】
制御部83は、電圧検出部82から、過電圧が発生していることを示す検出信号の入力を受けた場合、スイッチ84を接続状態として、トランジスタ35およびトランジスタ37のソースとゲートを短絡させることにより、トランジスタ35およびトランジスタ37の導通を遮断させる。
【0051】
すなわち、スイッチ84が接続状態となった場合、トランジスタ35およびトランジスタ37の導通が遮断されるため、図示せぬ電源トランスからグランドラインに電流が流れることはなくなる。これにより
図2を用いて説明した経路Bに電流が流れない。
【0052】
次に、
図5のフローチャートを参照して、定電流源71が実行するスイッチ制御処理について説明する。
【0053】
ステップS1において、制御部83は、電圧検出部82から供給される電圧検出結果に基づいて、トランジスタ35またはトランジスタ37の出力段における過電圧が検出されたか否かを判断する。
【0054】
ステップS1において、トランジスタ35またはトランジスタ37の出力段における過電圧が検出されたと判断された場合、ステップS2において、制御部83は、スイッチ84を接続状態として、トランジスタ35およびトランジスタ37の入力と出力とを短絡させて、導通を遮断する。ステップS2の処理の終了後、処理は、ステップS1に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0055】
ステップS1において、トランジスタ35またはトランジスタ37の出力段における過電圧が検出されていないと判断された場合、ステップS3において、制御部83は、スイッチ84を開放状態として、トランジスタ35およびトランジスタ37を駆動させる。このとき、定電流源71は、外部の回路に定電流Imを供給する。ステップS3の処理の終了後、処理は、ステップS1に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0056】
このような処理が実行されることにより、過電圧が発生している場合にトランジスタ35およびトランジスタ37の導通が遮断されるため、図示せぬ電源トランスからグランドラインに電流が流れることはなくなる。これにより
図2を用いて説明した経路Bに電流が流れない。したがって、過電圧が発生した場合においても、定電流源71内の素子を保護することが可能となる。
【0057】
また、
図4を用いて説明した定電流源71と同様の機能を有する定電流源を、ハードウェアで構成することが可能である。
【0058】
次に、
図6を参照して、ハードウェアで構成された定電流源を備えた四端子抵抗測定装置91について説明する。
【0059】
図6の四端子抵抗測定装置91は、定電流源71に代わって、定電流源95が設けられている以外は、
図3を用いて説明した四端子抵抗測定装置61と同様の構成を有するものである。
【0060】
図7を参照して、定電流源95の詳細な構成について説明する。
【0061】
定電流源95は、電圧検出部82、制御部83、および、スイッチ84に代わって、トランジスタ35およびトランジスタ37の入力と出力とを短絡させることが可能な経路が正方向および負方向のそれぞれに設けられ、それらの第2の経路中に、トランジスタ101およびトランジスタ103が設けられるとともに、トランジスタ101およびトランジスタ103の寄生ダイオードによる電流を遮断するために、トランジスタ101およびトランジスタ103のそれぞれと逆バイアスの方向に接続されたダイオード102およびダイオード104が新たに設けられている以外は、
図4を用いて説明した定電流源71と同様の構成を有するものである。
【0062】
ここでは、正方向の経路を、
図4と同様に第2の経路と称し、負方向の経路を第3の経路と称する。
【0063】
また、トランジスタ101およびトランジスタ103として、MOSFET以外の、例えば、バイポーラトランジスタなどを用いることが可能である。
【0064】
トランジスタ101およびトランジスタ103の駆動電圧は、それぞれ、通常の測定状態においては駆動されない電圧に設定されている。具体的には、例えば、トランジスタ101の駆動電圧は、定電流源95の最低駆動電圧であり、トランジスタ103の駆動電圧は、定電流源95の最高駆動電圧である。このようにすることにより、回路内の電源電圧範囲を超える過電圧が入力された場合のみトランジスタ101またはトランジスタ103が導通する。
【0065】
そして、負方向の過電圧が入力されて、トランジスタ101が導通することにより、トランジスタ35の入力と出力とが短絡される。また、正方向の過電圧が入力されてトランジスタ103が導通することにより、トランジスタ37の入力と出力とが短絡される。すなわち、トランジスタ101およびダイオード102、ならびに、トランジスタ103およびダイオード104は、
図4の電圧検出部82、制御部83、および、スイッチ84と同様の機能を有するものである。
【0066】
図7を用いて説明した回路構成により、過電圧が発生している場合であっても、トランジスタ35またはトランジスタ37の導通が遮断されるため、図示せぬ電源トランスからグランドラインに電流が流れることはなくなる。これにより
図2を用いて説明した経路Bに電流が流れない。したがって、過電圧が発生した場合においても、定電流源95内の素子を保護することが可能となる。
【0067】
なお、ここでは、定電流源71または定電流源95の定電圧源32は、基準抵抗33に対して、正電圧または負電圧を印加するように切り替えることが可能とされているものとして説明したが、定電圧源32が、基準抵抗33に対して正電圧または負電圧のみを印加する場合、電流出力部31が発生する電流は一方向となるため、他方向の電流増幅に必要な回路、および、その回路の保護のために必要な回路を省略可能であることは言うまでもない。
【0068】
また、上述した定電流源71または定電流源95は、個別の装置として実現してもよいことは言うまでもない。さらに、上述した定電流源71または定電流源95は、定電流の出力を必要する他の装置に応用可能である。
【0069】
さらに、上述した定電流源71または定電流源95は、各装置内において、定電流源として1つのユニットとして構成されていなくても、定電流発生回路として同様の回路構成を用いることにより、同様の効果を奏することが可能であることは言うまでもない。
【0070】
上述した技術は、ハードウェアとしては、例えば、抵抗測定装置以外にも、定電流を発生する定電流源を含む各種の装置、および、定電流を発生する回路を含む各種の装置、並びに、定電流発生装置などに適用することができる。
【0071】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。