(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6238636
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】起泡性水中油型乳化組成物とそれを用いたホイップドクリーム
(51)【国際特許分類】
A23D 7/00 20060101AFI20171120BHJP
A23L 9/20 20160101ALI20171120BHJP
【FI】
A23D7/00 508
A23L9/20
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-166955(P2013-166955)
(22)【出願日】2013年8月9日
(65)【公開番号】特開2015-33371(P2015-33371A)
(43)【公開日】2015年2月19日
【審査請求日】2016年5月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000114318
【氏名又は名称】ミヨシ油脂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093230
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 利夫
(74)【代理人】
【識別番号】100174702
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 拓
(72)【発明者】
【氏名】大前 智哉
(72)【発明者】
【氏名】青森 久恵
(72)【発明者】
【氏名】田中 修一
(72)【発明者】
【氏名】安齋 東
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 史人
(72)【発明者】
【氏名】杉本 和繁
【審査官】
濱田 光浩
(56)【参考文献】
【文献】
特開平02−100646(JP,A)
【文献】
特開2010−220484(JP,A)
【文献】
特開昭61−280232(JP,A)
【文献】
特開平02−308766(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/130611(WO,A1)
【文献】
国際公開第2013/080924(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23D 7/00
A23L 9/20
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
WPIDS(STN)
FSTA(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油分としてラウリン系油脂
およびパーム系油脂を含有し、乳化剤としてレシチンおよびショ糖脂肪酸エステルを含有し、油分の含有量Xが組成物全量に対して25〜40質量%、油滴のメディアン径Rが0.8〜1.5μm、レシチンおよびショ糖脂肪酸エステルの合計量Yが組成物全量に対して0.53〜0.83質量%の範囲内であり、XとRとYが次式(I):
【数1】
で表わされる関係を満足し、レシチンおよびショ糖脂肪酸エステルの配合割合が質量比で75:25〜80:20の範囲内であり、ショ糖脂肪酸エステルのHLBが11〜16の範囲内である起泡性水中油型乳化組成物。
【請求項2】
ラウリン系油脂としてパーム核油もしくはその硬化油、分別油、またはエステル交換油のうちの1種以上、パーム系油脂としてパーム油もしくはその硬化油、分別油、またはエステル交換油のうちの1種以上を含有する請求項1に記載の起泡性水中油型乳化組成物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の起泡性水中油型乳化組成物を起泡してなるホイップドクリーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、起泡性水中油型乳化組成物とそれを用いたホイップドクリームに関する。
【背景技術】
【0002】
ナッペ、サンド、トッピングなどには、生乳から脂肪分を濃縮した生クリームが使用されているが、近年では生クリームの代わりに、植物性油脂を水中油型に乳化した起泡性水中油型乳化組成物によるホイップドクリームが用いられてきている。
【0003】
このような起泡性水中油型乳化組成物は、ホイップ後の口溶けや食感が良いことが求められるが、それ以外にも、次のような点が求められる。まず、ホイップ前の状態で、製造時や、あるいは製品温度の上昇や輸送中の振動によっても著しい粘度上昇や固化(ボテとも称される)が生じない乳化安定性が求められる。
【0004】
またホイップ後に経時的に硬くなる現象、すなわちシマリが少ないことが求められる。
【0005】
特にナッペマシーンやトッピングマシーン等により二次加工を行った場合、圧力や温度の上昇を受け、シマリを生じ、ナッペでは延びが悪くなったり、トッピングでは、造花のキレが悪くなったり、作業性が低下するといった問題が起こることがある。そのため、二次加工後にシマリが少なく、適度な保形性があり、冷蔵保存した際にも保形性が低下したり、離水したりしないことが求められる。
【0006】
従来、この植物油脂を水中油型に乳化した起泡性水中油型乳化組成物には、口溶けが良いことや、トランス型不飽和脂肪酸が少ない等の長所から、ヤシ油やパーム核油を代表とするラウリン系油脂を配合したものが使用されてきた。
【0007】
しかしながら、ラウリン系油脂を多く配合した起泡性水中油型乳化組成物は、乳化安定性が悪く、流通過程で固化(ボテ)を起こしたり、またホイップ後、その二次加工後にシマリが強くなったり、作業性が悪くなったりするといった問題点があった。
【0008】
この問題点について、主に油脂組成に着目した改良や(特許文献1〜5)、特定の安定化剤を使用する技術(特許文献6)などが提案されている。
【0009】
特許文献1は、乳化安定性とシマリを改善するために、特定の油脂組成とし、且つ乳化剤としてモノグリセリン脂肪酸モノエステルとレシチンを使用することが提案されている。特許文献2〜5は、ラウリン系油脂と他の油脂をエステル交換したランダムエステル交換油など、特定の油脂を使用する技術が提案されている。特許文献6は、安定化剤としてカラギーナンを使用する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2012−213369号公報
【特許文献2】特開2010−220484号公報
【特許文献3】特開2002−34450号公報
【特許文献4】特開2001−245620号公報
【特許文献5】特開平11−225671号公報
【特許文献6】再表2009−25123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特定の油脂組成や特別な安定化剤の使用によらず、乳化安定性とホイップ後や二次加工後のシマリを改善することができ、更に二次加工後の保形性、保水性も満足することができる技術が望まれていた。
【0012】
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、安定した起泡性水中油型乳化組成物を得ることができ、且つ、ホイップ後や二次加工後のシマリを抑制することができ二次加工後の保形性、保水性にも優れたホイップドクリームを得ることができる、起泡性水中油型乳化組成物とそれを用いたホイップドクリームを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らはこの課題を解決するために鋭意検討した結果、油分、乳化剤、および油滴のメディアン径の関係に着目し、これらが特定の関係を満足することによって、特定の油脂組成や特別な安定化剤の使用によらずとも、起泡性水中油型乳化組成物の乳化安定性が良く、ホイップ後や二次加工後のシマリが抑制され、二次加工後の保形性、保水性にも優れたホイップドクリームを得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本発明の起泡性水中油型乳化組成物は、油分としてラウリン系油脂を含有し、乳化剤としてレシチンおよびショ糖脂肪酸エステルを含有し、油分の含有量Xが組成物全量に対して25〜40質量%、油滴のメディアン径Rが0.8〜1.5μm、レシチンおよびショ糖脂肪酸エステルの合計量Yが組成物全量に対して0.53〜0.83質量%の範囲内であり、XとRとYが次式(I):
【0015】
【数1】
【0016】
で表わされる関係を満足し、レシチンおよびショ糖脂肪酸エステルの配合割合が質量比で75:25〜80:20の範囲内であり、ショ糖脂肪酸エステルのHLBが11〜16の範囲内であることを特徴としている。
【0017】
本発明のホイップドクリームは、前記の起泡性水中油型乳化組成物を起泡してなる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の起泡性水中油型乳化組成物によれば、ラウリン系油脂を使用した場合であっても、特定の油脂組成や特別な安定化剤の使用によらず、乳化安定性の良い起泡性水中油型乳化組成物が得られ、且つ、ホイップ後や二次加工後のシマリを抑制することができ二次加工後の保形性、保水性にも優れたホイップドクリームが得られる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の起泡性水中油型乳化組成物に使用される油分は、ラウリン系油脂を含有する。ラウリン系油脂は、構成脂肪酸にラウリン酸、すなわち炭素数12の飽和脂肪酸を多く含有する油脂である。ラウリン系油脂の構成脂肪酸中におけるラウリン酸の含有量は、通常35質量%以上、好ましくは40質量%以上である。
【0021】
ラウリン系油脂として、具体的には、例えば、パーム核油、ヤシ油、およびこれらの硬化油、分別油などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0022】
本発明の起泡性水中油型乳化組成物に使用される油分には、ラウリン系油脂と共に、それ以外の油脂を配合することができる。ラウリン系油脂以外の油脂としては、例えば、パーム油、菜種油、大豆油、綿実油、サフラワー油、コーン油、米油、ラード、牛脂、魚油等の動植物油脂およびこれらの硬化油、分別油、エステル交換油、乳脂肪などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0023】
本発明の起泡性水中油型乳化組成物におけるラウリン系油脂の含有量は、油分全量に対して40質量%以上が好ましく、40〜85質量%の範囲内がより好ましい。
【0024】
低トランス酸含量で、ホイップ後の風味や口溶けも満足する等の点から、本発明の起泡性水中油型乳化組成物における好ましい油脂組成のうちの一つでは、ラウリン系油脂と共にパーム系油脂を含有する。例えば、油脂の構成脂肪酸としてラウリン酸含有量20〜29質量%、パルミチン酸含有量20〜35質量%、オレイン酸含有量12〜25質量%となるようにこれらを配合することができる。
【0025】
パーム系油脂としては、パーム油やその分別油、硬化油、エステル交換油を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。パーム油の分別油としては、パーム中融点部分別油、パーム低融点部分別油などを挙げることができ、これらの部分硬化油やランダムエステル交換油を用いることもできる。パーム油の分別処理の方法は、特に限定されないが、ドライ分別、乳化分別、および溶剤分別等により行うことができる。エステル交換処理の方法は、特に限定されないが、公知の方法、例えば、ナトリウムメトキシドなどの合成触媒を使用した化学的エステル交換や、リパーゼを触媒とした酵素的エステル交換によって行うことができる。
【0026】
本発明の起泡性水中油型乳化組成物は、乳化剤としてレシチンおよびショ糖脂肪酸エステルを含有する。
【0027】
レシチンは、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン等のリン脂質が主成分であり、大豆、卵等から得られるペースト状のレシチンや、これを粉末化した高純度レシチン、溶剤で分画した分画レシチン、酵素処理したリゾレシチンなどを使用できる。
【0028】
本発明の起泡性水中油型乳化組成物に乳化剤として使用されるショ糖脂肪酸エステルは、HLBが11〜16の範囲内である。この範囲内のものを使用すると、乳化安定性の良い起泡性水中油型乳化組成物が得られ、且つ、ホイップ後や二次加工後のシマリを抑制することができ二次加工後の保形性、保水性にも優れたホイップドクリームが得られる。ショ糖脂肪酸エステルのHLBが小さ過ぎると、二次加工後のシマリが強くなったり、保形性、保水性が低下する。
【0029】
なお、ここでHLBは、グリフィン法によって決定される値である。
【0030】
本発明の起泡性水中油型乳化組成物におけるレシチンとショ糖脂肪酸エステルの配合割合は、質量比で75:25〜80:20の範囲内が好ましい。この範囲内であると、乳化安定性の良い起泡性水中油型乳化組成物が得られ、且つ、ホイップ後や二次加工後のシマリを抑制することができ二次加工後の保形性、保水性にも優れたホイップドクリームが得られる。レシチンのショ糖脂肪酸エステルに対する配合割合が大き過ぎると、増粘等を起こし乳化安定性が悪くなり、配合割合が小さ過ぎると、二次加工後のシマリが強くなったり、保形性、保水性が低下する。
【0031】
本発明の起泡性水中油型乳化組成物は、乳化剤としてレシチンおよびショ糖脂肪酸エステル以外の他の乳化剤を配合することもできる。このような他の乳化剤としては、例えば、モノグリセリン脂肪酸モノエステルなどが挙げられる。本発明の起泡性水中油型乳化組成物における他の乳化剤の含有量は、乳化剤全量に対して10質量%以下の範囲内が好ましい。
【0032】
本発明の起泡性水中油型乳化組成物は、油分の含有量Xが組成物全量に対して25〜40質量%、油分のメディアン径Rが0.8〜1.5μm、レシチンおよびショ糖脂肪酸エステルの合計量Yが組成物全量に対して0.53〜0.83質量%の範囲内であり、XとRとYが前記式(I)で表わされる関係を満足する。この関係を満足することによって、乳化安定性の良い起泡性水中油型乳化組成物が得られ、且つ、ホイップ後や二次加工後のシマリを抑制することができ二次加工後の保形性、保水性にも優れたホイップドクリームが得られる。また、前記式(I)は、起泡性水中油型乳化組成物における油滴の全表面積に対し、安定し、且つホイップ後や二次加工後にシマリの少ない起泡性水中油型乳化組成物を製造できる適当な乳化剤使用量の範囲を示している。油球表面積に対して適切な乳化剤量ではない場合、すなわち不等式の範囲外の乳化剤量を使用した場合、良好な乳化状態を保つことができなくなるか、あるいは良好な乳化状態の起泡性水中油型乳化組成物を製造することはできるが、ホイップ後や二次加工後にホイップドクリームのシマリを抑制することはできなくなる。
【0033】
なお、油滴のメディアン径Rは、油滴の粒度分布をレーザー回折散乱法によって測定し、粒度分布からメディアン径(積算で50体積%における直径)を算出することで得ることができる。
【0034】
本発明の起泡性水中油型乳化組成物には、以上の各成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲内において、その他の成分を配合することができる。このような他の成分としては、脱脂粉乳等の無脂乳固形分や、リン酸塩等の塩類など、その他、起泡性水中油型乳化組成物に通常使用される各種の食品素材や食品添加物などが挙げられる。
【0035】
本発明の起泡性水中油型乳化組成物は、例えば、次の手順で製造することができる。
【0036】
まず油分、乳化剤、水などの各成分を混合して乳化する。乳化にはホモミキサーなどを用いることができる。乳化剤のレシチンは水相、油相のいずれに添加してもよいが、油相に添加しておくことが好ましい。また、無脂乳固形分や塩類等を用いる場合、これらは予め水に溶解して用いる。乳化は、油相については配合油脂が完全に溶解する温度に加温し、水相については混合後の油相が温度低下を起こさない温度に加温し、油相と水相を混合し、例えば60〜70℃で行うことができる。
【0037】
乳化した後、均質化を行う。均質化は、高圧ホモジナイザーを用いて、従来より起泡性水中油型乳化組成物の製造に用いられている圧力等の条件を適宜に設定して行うことができる。この均質化の工程において油滴のメディアン径を調整することができる。また均質化の前後の工程として、殺菌または滅菌処理をすることができる。
【0038】
そして、均質化後の乳化物を冷却することにより、本発明の起泡性水中油型乳化組成物を製造することができる。冷却は、短時間で目的の温度まで冷却できる設備を用いて行うことが好ましく、このような設備としては、例えば、プレート式熱交換器、チューブ式熱交換器、掻き取り式熱交換器などを挙げることができ、このような設備を用いて短時間で1〜7℃の温度範囲まで冷却することが好ましい。このような温度範囲であると、シマリを抑制し、且つ製品の粘度増加も抑制できる。冷却後、冷蔵下で攪拌し、タンク中で冷却温度にて例えば1〜2日程度放置し安定化させる(エージング)。その後、充填され、製品となる。
【0039】
本発明の起泡性水中油型乳化組成物を、泡立器具、または専用のミキサーを用いて空気を抱き込ませるように攪拌することによって、起泡状態を呈するホイップドクリームを製造することができる。なお、ホイップする際に、グラニュー糖、砂糖、液糖などの糖類や、アルコール類、香料、増粘安定剤、生クリームなどを添加してもよい。
【0040】
このようにして得られたホイップドクリームは、食品の各種用途に使用することができるが、ホイップ後や二次加工後のシマリを抑制することができ、二次加工後の保形性、保水性にも優れていることから、ケーキ等のナッペ用や、パン、パイ、シュー、デニッシュ、クッキー、ビスケット等のサンド用、デザートやコーヒー等のトッピング用などに好適に用いることができる。
【0041】
本発明において二次加工とは、ホイップ後にナッペマシーンやトッピングマシーン等を通過させる機械を用いた成形手法、またはしぼり袋を用いた手作業による成形手法を示す。
【実施例】
【0042】
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、表1に示す各成分の配合量は質量部を示す。
【0043】
表1に示す配合で、食用油脂に乳化剤のレシチンとモノグリセリン脂肪酸モノエステルを添加し油相とした。一方、水に乳化剤のショ糖脂肪酸エステル、脱脂粉乳、およびリン酸ナトリウムを添加し水相とした。
【0044】
水相と油相を60℃に加温し、水相に油相を添加し攪拌して乳化した後、高圧ホモジナイザーで最終的な起泡性水中油型乳化組成物の油滴のメディアン径が所定の値となるように均質化した。均質化後、高温(約140℃)で殺菌し、5℃に急冷し、さらに、攪拌しながら5℃でエージングし、起泡性水中油型乳化組成物を得た。
【0045】
ホイップドクリームは、得られた起泡性水中油型乳化組成物を縦型ミキサーでホイップして得た。
【0046】
得られた起泡性水中油型乳化組成物と、これを起泡して得たホイップドクリームについて次の測定および評価を行った。
(1)起泡性水中油型乳化組成物
[油滴のメディアン径]
油滴の目標メディアン径(R)及び製造後メディアン径は、レーザー回折式粒子径分布測定装置(SALADA-2100)を用いて測定した。目標メディアン径は、冷却後すぐに測定し、製造後メディアン径は、エージング後に測定した。目標メディアン径と製造後メディアン径に差がないもの、標準偏差が0.20未満のものを良好な乳化状態であると判断した。
[乳化安定性]
起泡性水中油型乳化組成物を5℃および20℃に調温し、各温度において30分攪拌した時のボテ発生の有無を目視で観察し、ボテがないものを良、ボテが発生した場合は、その状態により、増粘、固化として判定した。
[粘度]
起泡性水中油型乳化組成物を5℃に調温した後、B型粘度計(東京計器製)を用いて5℃における粘度を測定した。
(2)ホイップドクリーム
[ホイップ時間]
ホイップ開始から、ホイップ終点に至るまでの時間を測定した。
[二次加工後の保形性]
ホイップ直後のクリームをデポジッターに通過させ、花形状に造形したものを15℃、20℃の各温度で1日間静置し、形状の変化を目視により以下の基準で判定した。◎および○を良、△および×を不良と評価した。
◎:造花直後と比較して形状の変化なし。
○:やや形状の変化がある。または若干「しわ」のようなものが見える。
△:かなり形が崩れている。または「しわ」のようなものが見える。
×:完全に形が崩れている。または「ひび」が入っている。
[二次加工後の保水性]
ホイップ直後のクリームをデポジッターに通過させ、花形状に造形したものを15℃、20℃の各温度で1日間静置し、離水の有無を目視により以下の基準で判定した。◎および○を良、△および×を不良と評価した。
◎:造花直後と比較して離水が認められない。
○:やや離水が認められる。
△:かなりの離水が認められる。
×:離水が激しい。
[造花性]
造花をしぼり袋でしぼった際に、造花の先端まできれいにツノを作れるかを目視観測し、以下の基準で判定した。
◎:きれいなツノができる。
○:ほぼきれいなツノができる。またはツノが少し垂れる。
△:きれいなツノができない。またはツノが垂れる。
×:ツノができない。
[比重]
ホイップ直後の比重を測定した。
[硬さ]
ホイップ直後、デポジッター通過後(二次加工後)、また各々の30分静置(15℃)後のクリームの硬さをレオメーター(サン科学、CR-500DX)により測定した。次の(A)〜(C)のいずれも満足する場合をシマリが良いものとした。
(A) ホイップ直後とその30分後の硬さの差が30gf/cm
2未満
(B) ホイップ直後とデポジッター通過後の硬さの差が70gf/cm
2未満、好ましくは50gf/cm
2未満
(C) デポジッター通過後とその30分後の硬さの差が40gf/cm
2未満
評価結果を表1および表2に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】