【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 掲載年月日 平成25年8月19日 掲載アドレス http://www.youtube.com/watch?v=BFhVF5dgLk0 (刊行物等) 掲載年月日 平成25年8月20日 掲載アドレス http://sho.benesse.co.jp/s/touch/experience/
【文献】
X Zhu,外,Calligraphic Beautification of Handwritten Chinese Characters:A Patternized Approach to Handwriting Transfiguration,Proceedings of ICFHR 2008,2008年,P.135-140
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記情報処理装置は、前記ズレ提示手段において、前記手書き文字の画像の形状又は位置の少なくともいずれかを連続的に変化させる際の前記変化の程度を、ユーザが調節可能なインタフェースをさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
前記ズレ提示手段は、モーフィングによって生成された、前記手書き文字の画像から前記お手本の画像へと至る中間画像を、当該お手本の画像と重畳表示させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1の実施形態]
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。またさらに、必要に応じて示す上下左右等の位置関係は特に断らない限り、図示の表示に基づくものとする。さらにまた、図面における各種の寸法比率は、その図示の比率に限定されるものではない。また、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0018】
図1は、本発明による学習支援システム1の好適な一実施形態を示すシステム構成図である。同図に示すとおり、サーバ装置100と、端末装置200とがネットワークNを介して相互に通信可能に設定されることにより、学習支援システム1が構成される。
【0019】
サーバ装置100は、ネットワークNに接続されたサーバ用コンピュータであり、そのサーバ用コンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を実現するものである。本実施形態において、サーバ装置100は、学習支援システム1によりユーザの学習を支援する事業者等によって提供され得る。
【0020】
端末装置200は、ネットワークNに接続され、サーバ装置100にアクセス可能なコンピュータである。本実施形態において、端末装置200は学習支援システム1のユーザである学習者が家庭等で学習する際に使用されるものであって、このような端末装置200として、好適には、タブレットコンピュータ(以下「タブレット端末」という。)が想定される。そこで、以下においては、理解を容易にするべく、端末装置200がタブレット端末である実施の形態を例にとって説明する。しかしながら、本発明において、端末装置200はタブレット端末に限られるものではなく、他にも、パソコン(PC)、家庭用ゲーム機器(携帯型ゲーム機を含む)、携帯電話機(いわゆるフィーチャーフォン)、スマートフォン(多機能携帯電話機)、携帯情報端末(Personal Digital Assistant;PDA)、携帯音楽プレイヤ、電子書籍リーダ、その他のコンピュータ機器を採用してもよいことは言うまでもない。
【0021】
ネットワークNは、例えばインターネット等を含む情報処理に係る通信回線又は通信網であり、その具体的な構成は、サーバ装置100と端末装置200との間でデータの送受信が可能なように構成されていれば特に制限されず、有線であるか無線であるかも問わない。また、ネットワークNは、複数種の通信回線や通信網及び種種のネットワーク機器を含んで構成され得る。例えば、ネットワークNは、端末装置200に無線接続される基地局や無線LANのアクセスポイント(WiFiルータ等)、基地局に接続された移動体通信網、アクセスポイントからルータやモデムを介して接続された電話回線、ケーブルテレビ回線又は光回線などの公衆回線、サーバ装置100に接続された電話回線、ケーブルテレビ回線又は光通信回線などの公衆回線、サーバ装置100に接続されたインターネット、移動体通信網や公衆回線とインターネットを接続するゲートウェイ装置を含む。
【0022】
図2は、本実施形態におけるサーバ装置100の好適な一実施形態を示すブロック図である。同図に示すとおり、サーバ装置100は、CPUやMPUといった演算処理部101、記憶装置としてのROM102及びRAM103、入力部105及び外部メモリ106が接続された外部インタフェース104、ディスプレイモニタ111が接続された画像処理部107、ディスク又はメモリデバイス等が収容又は接続されるスロットドライブ108、スピーカ装置112が接続された音声処理部109、並びに、ネットワークインタフェース110を備え、これらが、例えば、内部バス、外部バス、及び拡張バスを含むシステムバスといった伝送路120を介して互いに接続されて構成される。なお、入力部105、外部メモリ106、ディスプレイモニタ111、スピーカ装置112等の入出力を担うデバイス装置は、必要に応じて適宜省略してもよいし、それらを備える場合であっても、それらは伝送路120に常時接続されていなくてもよい。
【0023】
演算処理部101は、サーバ装置100全体の動作を制御し、上述した他の構成要素との間で制御信号及び情報信号(データ)の送受信を行うとともに、学習支援の実行に必要な各種の演算処理を行う。そのため、演算処理部101は、いわゆるレジスタ等の高速アクセス可能な記憶領域に対して、数値演算ユニット等を用いた加減乗除等の算術演算、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算等、更に必要に応じて、飽和演算、三角関数演算、ベクトル演算等を行うことが可能なように構成されている。
【0024】
また、ROM102には、一般に、電源投入後、最初に実行されるIPL(Initial ProgRAM103 Loader)が記憶されており、これが実行されることにより、スロットドライブ108に収容又は接続されるディスクやメモリデバイスに記録されたサーバ用プログラムや学習支援プログラムが、演算処理部101によって一旦RAM103に読み出され、そのプログラム全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムやその他の各種データが記録されている。
【0025】
さらに、RAM103は、サーバ用プログラム、学習支援プログラム、及び、各種データを一時的に記憶するためのものであり、上記の如く、読み出されたサーバ用プログラムや学習支援プログラム、その他、学習の進行や複数の端末装置200間の通信に必要なデータ等がRAM103に保持される。さらに、演算処理部101は、RAM103に変数領域を設定し、その変数領域に格納された値に対しても数値演算ユニットを用いた直接演算を行ったり、或いは、RAM103に格納された値をレジスタに一旦複製又は移設格納してそのレジスタに対しても直接演算を行ったり、さらには、それらの演算結果をRAM103に書き戻したりといった処理を行う。
【0026】
また、外部インタフェース104を介して接続された入力部105は、サーバ装置100を用いて問題や教材を含む講座を提供する事業者側のユーザが行う各種の操作入力を受け付けるものであり、入力部105としては、キーボード、タッチパッド、タッチパネルの他、例えば、音声入力装置を採用することができ、種々の操作入力、決定操作、取消操作、メニュー表示等の指示入力を行うことが可能であれば、デバイスの種類は特に制限されない。
【0027】
さらに、RAM103や、外部インタフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、サーバ装置100の作動状況、各端末装置200のアクセス状況、各端末装置200における学習の進行状況や過去の成績等を示すデータ、端末装置200間の通信のログ(記録)のデータ等が書き換え可能に記憶される。
【0028】
また、画像処理部107は、スロットドライブ108から読み出された各種データを、演算処理部101により、又は、画像処理部107自体により加工処理した後、その処理後の画像情報をフレームメモリ等で記録する。このフレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され、画像処理部107に接続されるディスプレイモニタ111へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。また、学習支援に関する画像情報は、演算処理部101との協働処理等によって、画像処理部107及び/又は演算処理部101から各端末装置200へ送出される。
【0029】
またさらに、音声処理部109はスロットドライブ108から読み出された各種データを音声信号に変換し、音声処理部109に接続されたスピーカ装置112から出力する。また、学習支援に関する音声情報(キャラクタの声や効果音など)は、演算処理部101との協働処理等によって、音声処理部109及び/又は演算処理部101から各端末装置200へ送出される。
【0030】
さらにまた、ネットワークインタフェース110は、サーバ装置100をネットワークNへ接続するためのものであり、例えば、LANの構築に使用される諸規格に準拠するもの、アナログモデム、ISDNモデム、ADSLモデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネット等に接続するためのケーブルモデム等、及び、これらを、伝送路120を介して演算処理部101と接続するための通信インタフェース回路とから構成される。
【0031】
なお、サーバ装置100は、単一のコンピュータから構成されるものであっても、ネットワークN上に分散した複数のコンピュータから構成される、いわゆるクラウドコンピューティングの形態のものであってもよい。また、単一のコンピュータが複数のサーバ機能を備えるようなものでもよい。
【0032】
サーバ装置100のハードウェア構成は、上述したとおりであるが、
図3は、
図1及び
図2に示すサーバ装置100を機能的な観点から示す機能構成図である。サーバ装置100は、端末装置200からの学習者の要求に応じて、学習を支援するためのものであり、そのための機能として、少なくともサーバ通信部131、サーバ記憶部132、及びサーバ処理部133を備える。
【0033】
サーバ通信部131は、サーバ装置100とネットワークNとの間で通信を行うものであり、端末装置200等から受信したデータを、サーバ処理部133に供給するとともに、サーバ処理部133から供給されたデータを、端末装置200へ送信する機能を有する。かかるサーバ通信部131は、具体的には、少なくとも上述した
図2に示すネットワークインタフェース110から構成される。
【0034】
また、サーバ記憶部132は、各種プログラムや各種データを記憶するためのものであり、具体的には、上述した、
図2に示すROM102、RAM103、外部メモリ106、及びスロットドライブ108の少なくとも何れか1つから構成される。ここで、サーバ記憶部132に記憶される学習支援プログラムは、後述する処理手順を実行する学習支援アプリケーションのプログラムであり、サーバ記憶部132には、かかる学習支援に係る表示データや各種演算結果のデータも記憶される。
【0035】
また、サーバ記憶部132には、データとして、少なくとも、学習者マスタ及び手本マスタが記憶される。学習者マスタは、学習者の学習の進行状況や過去に書き取りを行った手書き文字の画像(以下「手書き画像」という。)等の学習結果等を管理するためのものである。また、手本マスタは、学習者が手書きする文字の手本となる画像(以下「手本画像」という。)を管理するためのものである。この他に、サーバ処理部133における所定の演算処理に関する一時的なデータを一時的に記憶してもよい。なお、これらの各マスタは、必要に応じて、例えば学習者を識別するためのID等によって互いに関連付けられている。
【0036】
サーバ処理部133は、
図2に示す演算処理部101から構成されており、演算処理部101による制御指令に基づいて後述する各機能モジュールによる処理が実行される。すなわち、演算処理部101が、本実施形態におけるサーバ処理部133として機能する。本実施形態における学習支援を例にして更に説明すれば、機能モジュールとして、画面提示処理部1331と、中間画像生成部1332とを備える。これらの各部(機能モジュール)は、演算処理部101のプロセッサで実行される上記プログラムにより実現され、或いは、ファームウェアとして演算処理部101に実装されていてもよい。なお、これらの各部の動作については、後述する。
【0037】
図4は、
図1に示す端末装置200のブロック図であり、機能的な観点を含む機能構成図でもある。なお、端末装置の好適なシステム構成図は、
図2に示すサーバ装置100のシステム構成と共通する構成を備えることに加え、例えば、デジタルカメラ等の撮像装置を含んでいる。本実施形態において、端末装置200は、上述の如く、例えばタブレット端末であり、
図4に示すように、端末通信部231、端末記憶部232、操作部233、表示部234、及び端末処理部235を備えている。
【0038】
端末通信部231は、所定の周波数帯を感受帯域とするアンテナを含む通信インタフェース回路を備え、端末装置200を、無線通信ネットワークNを介してネットワークNに接続する。その場合の通信形態としては、特に制限されず、例えば、通信用の基地局やアクセスポイント等により割り当てられるチャネルを介して、その基地局やアクセスポイントとの間でWCDMA(登録商標)(Wideband Code Division Multiple Access)方式やWiFi(Wireless Fidelity)方式等による無線信号回線を確立し、基地局やアクセスポイントとの間で通信を行う。そして、端末通信部231は、端末処理部235から供給されたデータをサーバ装置100に送信するとともに、サーバ装置100から受信したデータを端末処理部235に供給する。
【0039】
端末記憶部232は、例えば、フラッシュメモリ、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくとも何れか1つを備え、端末処理部235での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。これらのうち、ドライバプログラムとしては、学習者へ提供される学習内容に関し、スケジュール、書き方の解説等の学習過程及び学習内容に係るデータの所得及び表示を行うためのプログラム等を例示することができる。さらに、データとしては、学習の進行状況や過去の学習結果に係る表示データ等が挙げられる。なお、端末記憶部232は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。さらに、端末記憶部232は、所定の文字の手本画像及び手書き画像を少なくとも一時的に記憶する。
【0040】
操作部233は、例えば、上述したサーバ装置100の入力部105と同等の構成のものを例示することができる。本実施形態においては、操作部233として、例えば、タッチパネルを用いるが、端末装置200の操作が可能であり、プレイが文字、数字等を入力することができるものであれば、どのようなデバイスでもよく、例えば、キーボードやマウス、タッチパッド等を用いてもよい。
【0041】
タッチパネルは、表示部234の画面に対応する形状及び大きさの略矩形の検出面を備えており、この検出面上に物体が接触した場合に、当該物体の接触位置を検出する。本実施形態では、タッチパネルは、物体の接触位置を所定の時間間隔で順次検出する。タッチパネルの検出面は、表示部234の画面と重なるよう配置されている。また、タッチパネルは、必ずしも物体が検出面に接触した場合だけ物体の位置を検出するのではなく、検出面上の検出可能範囲まで物体が近接した場合に、当該物体の検出面に対する位置を検出するようにしてもよい。タッチパネルは、例えば、静電容量式や感圧式、光学式等、検出面上における物体の位置を検出可能なデバイスであれば、どのような方式のものであってもよい。
【0042】
学習者は、自分の指やスタイラス(ペン型デバイス)等のオブジェクトをタッチパネルに接触させて操作入力を行う。学習者により操作部233が操作されると、操作部233は、その操作に対応する信号を発生し、その信号を端末処理部235に供給する。端末装置200は、学習者による操作信号を、上記の端末通信部231を介してサーバ装置100へ送信することにより、学習の進行に必要な動作を要求する。
【0043】
また、表示部234は、端末処理部235から供給された映像データに応じた映像、画像データに応じた画像等を表示するものであり、後述する端末装置200の画面の主要部を構成する。かかる表示部234としては、テキスト、映像、画像等の表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等が挙げられる。
【0044】
さらに、端末処理部235は、CPUやMPUといった一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備え、端末装置200の全体的な動作を統括制御するものであり、例えば、上述したサーバ装置100の演算処理部101と同等の構成のものを例示することができる。また、端末処理部235は、端末装置200の各種処理が、端末記憶部232に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に沿って、且つ、操作部233の操作等に応じて適切な手順で実行されるように、端末通信部231、表示部234等の動作を制御する。
【0045】
この端末処理部235は、上記の各種プログラムによって実現される、又は、ファームウェアとして端末装置200に実装された機能モジュールとして、少なくとも閲覧実行部2351と手書き文字表示部2352とを備えている。
【0046】
この閲覧実行部2351により、上述した学習の進行に係る表示データの取得及び表示が行われる。すなわち、閲覧実行部2351は、学習者からの指示に応じて、手本画像や各種画面等、学習に係る表示データの取得要求を、端末通信部231を介してサーバ装置100に送信するとともに、対応する表示データを、サーバ装置100から端末通信部231を介して受信する。さらに、閲覧実行部2351により、受信された表示データに基づいて描画データを作成される。すなわち、閲覧実行部2351は、受信した表示データを解析して、制御データ及び内容データを特定し、特定した制御データに従って同じく特定した内容データをレイアウトすることにより、描画データを再構成し、その描画データを表示部234に出力する。本実施形態では、手本画像に関するデータ及び画面に関するデータを含む内容データを特定し、特定した内容データに従って手本表示エリア及び手書きエリア等をレイアウトすることにより、描画データを再構成し、その描画データを表示部234に出力する。
【0047】
より具体的には、閲覧実行部2351は、手本表示手段、書取領域表示手段、手書き文字表示手段、及び、ズレ提示手段として機能する。手本表示手段は、学習者に書き取りを行わせる文字について、この文字の手本画像を、表示部234に表示する。手本表示手段は、端末記憶部232に一時的に保存された手本画像をこの端末記憶部233から読み出して表示することができる。書取領域表示手段は、学習者が文字の書き取りをするための領域である手書きエリアを表示部234に表示する。ズレ提示手段は、表示部234において、手書き画像の形状または位置の少なくともいずれかを連続的に変化させることによって、手書き画像と手本画像とのズレを、学習者に視覚的に提示する。例えば、ズレ提示手段は、モーフィングによって生成された手書き画像から手本画像へと至る中間画像手本画像と重畳表示させることができる。閲覧実行部2351のこれらの機能の詳細については後述する。
【0048】
手書き文字表示部2352は、学習者が書き取る手書き画像を、手書きエリアに表示する。例えば、表示部234が、タッチスクリーンディスプレイの場合、手書き文字表示部2352は、タッチスクリーンディスプレイ上または近傍におけるユーザの指やスタイラス等のオブジェクトを検出し、検出された指やスタイラス等の位置または移動の軌跡に従って、学習者が領域に書き取った手書き画像を手書きエリアに描画する。また、設定により、スタイラスペン等でタッチパネル上をタッチしたときに、線を引く代わりに、チェックマークを書き込んだり、所定のイラスト画像をタッチ位置に挿入したりすることもできる。
【0049】
このように構成された学習支援システム1において、本発明による学習支援用のプログラムに従って実施される学習支援処理の好適な一実施形態について、以下に説明する。
【0050】
図5は、本発明の一実施形態によって実行される処理手順の一部を示す概略フロー図である。ここでは、学習者がタブレット端末(端末装置200)にスタイラスを用いて平仮名の「ほ」という文字の書き方を学習する場合について説明する。同図に示すように、学習者がタブレット端末の電源を入れると、タブレット端末の表示部234にホーム画面が表示される(S51)。例えばホーム画面には、これまでの学習の進捗状況や、今月の目標等を表示するものとしてもよい。
【0051】
次に、学習者が、表示部234に表示された学習開始ボタンをタップするなどして、学習の開始を指示すると、学習開始指示データが学習者IDとともにタブレット端末からサーバ装置100に送信される(S52)。
【0052】
サーバ装置100が、学習開始指示データを受信すると、受信した学習者IDから、学習者マスタを検索し、学習者の学習履歴を参照する。そして、学習者の学習済みの手書き画像を取得して、文字表画面提示処理を行う。
図6は文字表画面の一例を示す図である。文字表には、書き方学習をすることが可能な文字が一覧表示されている。
図6の例では、50音の平仮名が一覧表示されており、片仮名ボタンを押すことで、片仮名の一覧に切り替えることが可能である。書き方学習の対象となるのは平仮名、片仮名に限定されず、漢字、ハングル、アルファベット、数字、図形、記号などであってもよい。また、絵画の練習を行うことができるものとしてもよい。好適には、文字表の文字の一覧において、学習済みの文字の欄には学習者の手書き画像が、未学習の文字の欄には手本画像が表示される。
【0053】
学習者が、文字表から学習する文字をタップするなどして選択すると、文字IDがタブレット端末からサーバ装置100に送信される。サーバ装置100が、文字IDを受信すると、好適には、画面提示処理部1331が、受信した文字IDから手本マスタを検索し、手本画像を含む学習画面の提示処理を行い(S53)、手本画像と学習画面に関するデータが、サーバ装置100からタブレット端末に送信される(S54)。タブレット端末が手本画像を受信すると、端末記憶部232は、受信した手本画像を少なくとも一時的に記憶する。端末記憶部232に記憶された手本画像は、閲覧実行部2351によって読み出され、学習画面に表示されることになる。
【0054】
図7は本実施形態に係る学習画面の一例を示す図である。学習画面は、閲覧実行部2351によって表示される。学習画面には、学習者が文字の書き取りをすることが可能な手書きエリア301、文字の書き取りの手本画像が表示される手本表示エリア302と、を含んでいる。この例では、手書きエリア301と手本表示エリア302とが並べて表示されており、学習者は、「ほ」の手本画像402を見ながら手書きエリア301に「ほ」という文字をスタイラスを用いて手書きすることができる。学習者がタブレット端末の操作部233にスタイラスを接触させる又は近傍まで近づけると、手書き文字表示部2352は、スタイラスを検出する。検出されたスタイラスの位置又は移動の軌跡に従って、手書き文字表示部2352が、手書き文字を手書きエリア301に表示する(S55)。
【0055】
手書き文字表示部2352が、学習者による文字の書き取りが完了したと判断すると、手書き画像が少なくとも一時的に端末記憶部232に記憶され、サーバ装置100に送信される(S56)。サーバ装置100が、手書き画像401を受信すると、中間画像生成部1332が、手書き画像401から手本画像402へと形状が変化していく途中の画像(中間画像)を生成する(S57)。
【0056】
具体的には、中間画像生成部1332は、学習者が書き取りを行った際のスタイラスの移動の軌跡(以下、運筆データという。)とあらかじめサーバ記憶部132に記憶されたお手本の運筆データとを用いて中間画像を生成する。具体的には、運筆データを時系列の連続した特徴点(座標)として扱い、お手本の運筆データと学習者の運筆データとに、書き出しからの経過時間と距離とに基づいて対応関係を与える。この対応関係に基づいて、中間画像生成部1332は、手書き画像の運筆データの各特徴点をお手本の運筆データの特徴点へと徐々に近づけるように中間画像を生成する。この中間画像の生成処理には、既存のモーフィングやクロスディゾルブ等の技術を用いることができる。
【0057】
中間画像を生成する間隔を細かくすることで、滑らかに変化させることが可能になる。生成された中間画像はその変化順を追って時系列に並べられ、タブレット端末に送信される(S58)。また、このとき、受信した手書き画像401及び、生成した中間画像は学習マスタに登録される(S59)。
【0058】
一方で、タブレット端末では、学習者の文字の書き取りが完了すると、手書きエリア301に書き込まれた手書き画像401と、手本画像402とを重畳させるように表示する(S60)。例えば、
図8に示す手本画像403のように、手本画像が手書き画像に重畳表示されるものとしてもよい。手本画像403は、手書きエリアに対して、バランスの良い大きさで、バランスの良い位置に表示される。
【0059】
タブレット端末は、サーバ装置100から中間画像を受信すると、閲覧実行部2351が、手書き画像の形状や位置を連続的に変化させることで、手書き画像と手本画像とのズレをユーザに視覚的に提示する(S61)。具体的には、手書きエリア301に重畳して表示される手書き画像401と、手本画像403との画素の差を補間する複数の中間画像を、これらの複数の中間画像の表示順序が、前記形状の変化の順を追って時系列順となるように、手書きエリア301に順次表示する。これによって、手書き画像401の形状が、徐々に手本画像403の形状に変化しているように表示することができる。
【0060】
学習画面には、閲覧実行部2351において、手書き文字の画像の形状または位置の少なくともいずれかを連続的に変化させる際の変化の程度を、ユーザが調節可能なインタフェースとして、スライドバーが表示されている。タブレット端末200の表示部234は、このスライドバーのスライダーに対する学習者からの操作の方向又は速度に応じて、表示する中間画像を切り替える。より具体的には、端末処理部235は、スライダーの位置に応じて、表示部234に表示させる中間画像を決定し、学習者がスライダーを動かす速度に応じて、中間画像を切り替える速度を決定することができる。例えば、
図8の例では、学習者が、スライドバー500のスライダー501を右から左へと動かすことで、手書き画像が手本画像へと徐々に変化していく。
【0061】
図9は、この変化の様子を模式的に表す図である。
図9の(A)は、スライダー501が
図8のスライドバー500の右端の位置である、位置601にあるときに表示される画像(手書き画像)である。
図9(B)は、スライダー501が位置602にあるときに表示される、変化の途中の中間画像、
図9(C)は、スライダー501が位置603にあるときに表示される中間画像である。また、
図9(D)は、スライダー501がスライドバー500の左端の位置である、位置604にあるときに表示される画像(手本画像)である。このように、スライダー501を右から左へと移動させるに従い、手書き画像が、
図9の(A)から(D)へと、徐々に手本画像に近づくように変化する。
【0062】
一方で、スライドバー500のスライダー501を
図8の左から右へと動かすと、
図9の(D)から(A)へと形状が変化させることも可能である。さらに、スライダー501を動かすスピードに応じて変化のスピードも制御することができるものとしてもよい。このようにスライドバー500は、学習者からの操作に応じて、手書き画像401の形状の変化の方向又は速度を制御することができる。
【0063】
これによってお手本として表示される手本画像と、自分が書き込んだ文字である手書き画像とのズレがひと目で分かるので、学習者は、どこの形を直せばいいのかが、直感的に認識することができる。
【0064】
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
【0065】
例えば、既述の実施形態において、タブレット端末はサーバ装置100と通信し、書き方学習に必要なデータの送受信を行う構成になっている。しかし、これに限定されず、例えば、タブレット端末は、書き方学習に必要なデータを、サーバ装置100から書き方学習アプリケーションとしてダウンロードし、書き方学習アプリケーションの実行時には、サーバ装置100と通信を行わないものとしてもよい。
【0066】
また、既述の実施形態において、手書き画像の形状を変化させる構成を説明したが、
図10に示すように、手本表示エリア302と手書きエリア301とを並べて表示し、スライドバー500のスライダー501の動きに応じて、手本画像と手書き画像とを重畳させる構成としてもよい。例えば、
図10のスライダー501を左にドラッグすると、手書き画像401が手書きエリア301ごと画面左へと移動する(
図10の(A))。このとき、たとえば、スライダー501が一番右にない場合、手本画像402の色を薄くするなどすることで、手書き画像401が重畳された際に、見やすく表示することができる。スライダー501が一番左に移動すると、手本表示エリア302と手書きエリア301とが重なって、手本画像402と手書き画像401とのズレを確認することができる。
【0067】
また、既述の実施形態において、
図7を用いて、学習者は書き方学習を行う際に、手書きエリア301と並べて表示された手本表示エリア302の手本画像402を見ながら、文字の書き取りを行うものとしたが、学習画面には、手本表示エリアを表示しないものとしてもよい。この場合、手本画像は、学習者の文字の書き取りが終わり、手本画像403が手書きエリアに表示されるまでは、学習画面に表示されない。
【0068】
また、中間画像を切り替えるためのインタフェースとして、スライドバーを説明したが、これに限定されず、例えば左右の矢印が表示されたボタン等であってもよい。この場合、表示部234は学習者がボタンを押した回数に応じて中間画像を切り替えることができる。
【0069】
また、既述の実施形態において、中間画像をサーバ装置100において生成する構成を説明したが、これに限定されず、端末装置200側でモーフィング等によって生成するものとしてもよい。