(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
驚くべきことに、研磨層が少なくとも一つの曲線溝およびXYパターンを形成する複数の線形溝を持つ研磨面を有する、化学機械研磨パッド用の研磨層の製造において、ステップダウンプロセスを使用して、少なくとも一つの事前に機械加工された曲線溝を持つ研磨面に線形溝を機械加工する(溝切削工具が複数の連続的な切削パスを作って各線形溝を形成し、各連続的な切削パスが形成される線形溝の深さを増大させる)ことは、複数の線形溝が単一パスの全深さ切削技術を使用して機械加工されること以外は同じプロセスを使用して生成された研磨層と比較したとき、ストリンガ欠陥の形成の低減をもたらすことが見出された。
【0016】
驚くべきことに、本発明の溝なしの研磨面を持つ研磨層を供給する好ましい方法は、硬化性材料を型凹部内に装填しながら、それを通して硬化性材料を型凹部に装填するノズル開口部の位置を、型凹部の中心軸C
axisに沿っておよびそれを中心としての両方において三次元で移動させることにより、ノズル開口部の位置が型凹部の中心軸C
axisに沿って一次元でのみ移動する同様のプロセスによって生成された研磨層に対して、生成された研磨層における密度欠陥の発生を有意に低減させることが見出された。本発明の方法による、溝なしの研磨面を持つ研磨層を供給するこの好ましい方法は、装填時間CPの全体にわたってノズル開口部の位置が型凹部の中心軸C
axisに沿って一次元でのみ(すなわち、硬化性材料を型凹部内に溜める際に、硬化性材料の上面の上方に設定された高度にノズル開口部の位置を維持するために)移動し、ケーキを革削ぎする前に革削ぎブレードを革砥で研ぐのではなく砥石で研ぐこと以外は同じプロセスを使用して生成された研磨層と比較して、表面粗さが低減した溝なしの研磨面をもたらすことも見出された。革削ぎブレードの刃先がケーキを複数の溝なし研磨層に革削ぎした後ほとんど気付かない程度に歪み、波立つことが発見された。刃先を砥石で研ぐ先行技術の手法が、刃先の波立った部分から材料の除去をもたらし、フラットにホーニングされた表面を供給するが、革削ぎブレードの長さにわたる刃先の引張特性の変動という代償を払い、その切削特性の不均一性およびそれによって生成される溝なし研磨層における表面粗さの増大をもたらすと考えられる。驚くべきことに、刃先を革砥で研ぐことは、革削ぎブレードの長さにわたるより一貫した刃先を維持しながら、刃先の波立った部分のフラット化およびホーニングの両方を容易にし、それによって生成される溝なし研磨層の表面粗さの有意な低減をもたらすことが見出された。研磨面の表面粗さの低減が研磨層を含有する化学機械研磨パッドのその後の使用中における研磨ディフェクト性能の改善を容易にすると考えられる。
【0017】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「表面粗さ」とは、表面形状測定器、例として、下記のパラメーター設定(測定タイプ―ガウス分布;傾斜―直線;傾斜補正―最小二乗;測定長さ―0.6インチ(15.24mm);カットオフ波長―0.1インチ(2.54mm);測定速度―0.24inch/s(6.1mm/s)およびフィルタのカットオフ比―300)を使用するZeiss Surfcom表面形状測定器を使用して計測される溝なし研磨層の研磨面の粗さを意味する。
【0018】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「装填時間またはCP」とは、最初の硬化性材料が型凹部内に導入された時点から開始し、最後の硬化性材料が型凹部内に導入される時点までの、硬化性材料が型凹部内に装填される間の時間(秒)を意味する。
【0019】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「装填流量またはCR」とは、装填時間CP(秒)の間、硬化性材料が型凹部内に装填される質量流量(kg/sec)を意味する。
【0020】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「初期段階開始点またはSP
IP」とは、装填時間の開始と一致する、装填時間の初期段階の開始時におけるノズル開口部の位置を意味する。
【0021】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「初期段階終点またはEP
IP」とは、装填時間の転移段階が開始される直前である、装填時間の初期段階の終了時におけるノズル開口部の位置を意味する。
【0022】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「初期段階の経路」とは、初期段階開始点SP
IPから初期段階終点EP
IPまでの装填時間の初期段階の間におけるノズル開口部の位置の移動(そのような移動がある場合)の経路を意味する。
【0023】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「転移段階開始点またはSP
TP」とは、装填時間の転移段階の開始時におけるノズル開口部の位置を意味する。転移段階開始点SP
TPと初期段階終点EP
IPとは同じ位置である。
【0024】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「転移段階転移点またはTP
TP」とは、型凹部の中心軸C
axisに対応するノズル開口部の位置の移動の方向(すなわち、xおよびy次元での移動の方向)が変化する、装填時間の転移段階の間におけるノズル開口部の位置を意味する。
【0025】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「転移段階終点またはEP
TP」とは、型凹部の中心軸C
axisに対応するノズル開口部の位置の移動の方向が変化する、型凹部のドーナツ領域内におけるノズル開口部の最初の位置を意味する。転移段階終点EP
TPは、装填時間の残段階の直前である、装填時間の転移段階の終了時におけるノズル開口部の位置でもある。
【0026】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「転移段階の経路」とは、転移段階開始点SP
TPから転移段階終点EP
TPまでの装填時間の転移段階の間におけるノズル開口部の位置が辿る経路を意味する。
【0027】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「残段階開始点またはSP
RP」とは、装填時間の残段階の開始時におけるノズル開口部の位置を意味する。残段階開始点SP
RPと転移段階終点EP
TPとは同じ位置である。
【0028】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「残段階転移点またはTP
RP」とは、型凹部の中心軸C
axisに対応するノズル開口部の位置の移動の方向が変化する、装填時間の残段階の間におけるノズル開口部の位置を意味する。
【0029】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「残段階終点またはEP
RP」とは、装填時間の終了と一致する、装填時間の残段階の終了時におけるノズル開口部の位置を意味する。
【0030】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「残段階の経路」とは、残段階開始点SP
RPから残段階終点EP
RPまでの装填時間の残段階の間におけるノズル開口部の位置が辿る経路を意味する。
【0031】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「ポリ(ウレタン)」とは、ポリオール、ジオール、アミン、水、またはこれらの組み合わせを非限定的に包含する活性水素基を含有する化合物を持つ、(イソシアネート末端プレポリマーを包含する)二官能性または多官能性イソシアネートの反応から得られる生成物を包含する。そのような反応生成物の例は、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリウレタン尿素、ポリエーテルウレタン、ポリエステルウレタン、ポリエーテル尿素、ポリエステル尿素、ポリイソシアヌレート、それらのコポリマーおよびそれらの混合物を非限定的に包含する。
【0032】
本明細書および請求の範囲においてライナーに関して使用する用語「実質的に非多孔性の」とは、ライナーが体積で5%以下の空隙率を含有することを意味する。
【0033】
本明細書および請求の範囲において装填時間中の硬化性材料の装填流量に関して使用する用語「本質的に一定」とは、下記の式の両方が満たされることを意味し:
CR
max≦(1.1
*CR
avg)
CR
min≧(0.9
*CR
avg)
ここで、CR
maxは装填時間中に硬化性材料が型凹部内に装填される最大質量流量(kg/sec)であり;CR
minは装填時間中に硬化性材料が型凹部内に装填される最小質量流量(kg/sec)であり;CR
avgは装填時間にわたり型凹部に装填された硬化性材料の合計質量(kg)を、装填時間(秒)の長さで割ったものである。
【0034】
本明細書および請求の範囲において硬化性材料に関して使用する用語「ゲル化時間」とは、ASTM D3795-00a (Reapproved 2006)(Standard Test Method for Thermal Flow, Cure, and Behavior Properties of Pourable Thermosetting Materials by Torque Rheometer)による標準試験方法を使用して計測される、その混合物の合計硬化時間を意味する。
【0035】
本明細書および請求の範囲において溝に関して使用する用語「実質的に円形」とは、溝の最小直径よりも20%以下の差で長い溝の最大直径を意味する。
【0036】
本明細書および請求の範囲において型凹部(20)に関して使用する用語「実質的に円形の断面」とは、型凹部の中心軸C
axis(22)から囲壁部(15)の垂直内部境界(18)までのx−y平面(30)上に投影される型凹部(20)の最大の半径r
Cが型凹部の中心軸C
axis(22)から垂直内部境界(18)までのx−y平面(30)上に投影される型凹部(20)の最小の半径r
Cよりも20%以下の差で長いことを意味する(
図2参照)。
【0037】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「型凹部」とは、ライナー(4)の上面(6,12)に相当する水平内部境界(14)と、囲壁部(15)の垂直内部境界(18)とによって画定される体積を意味する(
図1〜3参照)。
【0038】
本明細書および請求の範囲において研磨面の平面における研磨層の対称軸に対応する曲線溝の対称軸に関して使用する用語「実質的に一致する」とは、中心に研磨層の対称軸を有し、研磨面の平面における研磨層の最大の半径の10%と均等な半径を有する、研磨面の平面における円形区域内に曲線溝の対称軸が入ることを意味する。
【0039】
本明細書および請求の範囲において第二のフィーチャ(例えば、軸、x−y平面)に対する第一のフィーチャ(例えば、水平内部境界、垂直内部境界)に関して使用する用語「実質的に垂直」とは、第一のフィーチャが第二のフィーチャに対して80〜100°の角度であることを意味する。
【0040】
本明細書および請求の範囲において第二のフィーチャ(例えば、軸、x−y平面)に対する第一のフィーチャ(例えば、水平内部境界、垂直内部境界)に関して使用する用語「本質的に垂直」とは、第一のフィーチャが第二のフィーチャに対して85〜95°の角度であることを意味する。
【0041】
本明細書および請求の範囲において使用する用語「密度欠陥」とは、研磨層の残部に対して有意に低減した充填剤濃度を有する、研磨層における領域を意味する。密度欠陥は、研磨層の残部と比較して著しく高い透明度を有する領域として密度欠陥が見えるライトテーブル上に研磨層を置いて肉眼で目視することにより検出可能である。
【0042】
本明細書および請求の範囲においてノズル開口部に関して使用する用語「ノズル開口部半径またはr
NO」とは、ノズル開口部を完全に塞ぐことができる、最小円SCの半径r
SCを意味する。換言すれば、r
NO=r
SCである。実例として、
図8Aおよび8Bを参照されたい。
図8Aは、半径r
SC(64a)を有する最小円SC(63a)によって完全に塞がれたノズル開口部(62a)を示す平面図であり;ノズル開口部が円形である。
図8Bは、半径r
SC(64b)を有する最小円SC(63b)によって完全に塞がれたノズル開口部(62b)を示す平面図であり;ノズル開口部が非円形である。好ましくは、r
NOは5〜13mmである。より好ましくは、r
NOは8〜10mmである。
【0043】
本発明の方法に使用される溝なしの研磨面を持つ研磨層は、好ましくは、型基部(2)および型基部(2)に取り付けられた囲壁部(8)を有する型(1)を使用して作成されたケーキから供給され;上面(6)、底面(3)および平均厚さ(5)t
Lを持つライナー(4)がライナー(4)の底面(3)と型基部(2)との間に介在させた接着剤(7)を使用して型基部(2)に接着される。(
図1参照)。
【0044】
ライナー(4)は、硬化性材料が反応して凝固したケーキを形成する際の硬化性材料の嵌合を容易にし、硬化性材料が十分な強度でライナー(4)と接着し、これにより、革削ぎされる間、硬化したケーキがライナーから剥離することはない。好ましくは、使用するライナー(4)は、型基部(2)から定期的に取り外され、交換される。使用するライナー(4)は、硬化時に硬化性材料が接着する任意の材料であることができる。好ましくは、使用するライナー(4)は、ポリウレタンポリマー材料である。より好ましくは、使用するライナー(4)は、芳香族ジアミン硬化剤を用いて、トルエンジイソシアネートとポリテトラメチレンエーテルグリコールとのプレポリマー反応生成物から形成される。最も好ましくは、芳香族ジアミン硬化剤は、4,4’−メチレン−ビス−o−クロロアニリンおよび4,4’−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)から選択される。好ましくは、プレポリマー反応生成物は、6.5〜15.0重量パーセントの未反応NCO濃度を有する。6.5〜15.0wt%の未反応NCO濃度を有する市販のプレポリマーは、例として、Air Products and Chemicals, Inc.によって製造されたAirthane(登録商標)プレポリマーPET-70D、PHP-70D、PET-75D、PHP-75D、PPT-75DおよびPHP-80D、ならびにChemturaによって製造されたAdiprene(登録商標)プレポリマーLFG740D、LF700D、LF750D、LF751D、LF753DおよびL325を包含する。好ましくは、硬化剤とプレポリマー反応生成物とは、プレポリマー中の未反応NCOに対する硬化剤中のNH
2(またはOH)の化学量論比が85〜125%(より好ましくは、90〜115パーセント;最も好ましくは、95〜105%)で組み合わされる。この化学量論は、化学量論レベルの原材料を供給することにより直接的に、またはNCOの一部を、意図的にもしくは偶然得た湿気にさらして水と反応させることにより間接的に実現できる。使用するライナー(4)は、多孔性または非多孔性であることができる。好ましくは、使用するライナー(4)は、実質的に非多孔性である。
【0045】
使用するライナー(4)は、好ましくは、ライナー(4)にわたって複数の無作為に選択された点(すなわち、10点以上)において、花崗岩ベースのコンパレータ(例えば、Chicago Dial Indicator Cat# 6066-10)を使用して測定される2〜10cm(より好ましくは、2〜5cm)の平均厚さ(5)t
Lを示す。(
図1参照)。
【0046】
使用する接着剤(7)は、ライナー(4)と型基部(2)とを接着するのに好適な任意の接着剤であることができる。例として、使用する接着剤(7)は、感圧接着剤、ホットメルト接着剤、コンタクト接着剤およびこれらの組み合わせから選択することができる。好ましくは、使用する接着剤(7)は、(a)ライナー(4)と型基部(2)とを十分な強度で接着してケーキの革削ぎ作業中に型基部(2)からのライナー(4)の剥離を防止することと、(b)型基部(2)に物理的損傷を与えたり有害な残留物(すなわち、型基部(2)と交換ライナーとの間の機能的結合の獲得を損なう残留物)を残したりすることなく型基部(2)から除去可能であることの両方を両立させる。好ましくは、接着剤(7)は感圧接着剤である。
【0047】
使用する型基部(2)は、型凹部内に装填される硬化性材料の重量を支持する任意の好適な剛体材料であることができ;装填、硬化(例えば、大きな炉)および硬化したケーキの革削ぎのために使用する機器間の充填された型の移送を容易にし、反りを生むことなくプロセスに関連する温度幅に耐えることができる。好ましくは、使用する型基部(2)は、ステンレス鋼(より好ましくは、316ステンレス鋼)から作られる。
【0048】
使用するライナーの上面(12)は、型凹部(20)の水平内部境界(14)を画定する。(例えば、
図2〜3参照)。好ましくは、型凹部(20)の水平内部境界(14)はフラットである。より好ましくは、型凹部(20)の水平内部境界(14)はフラットであり、かつ型凹部の中心軸C
axisと実質的に垂直である。最も好ましくは、型凹部(20)の水平内部境界(14)はフラットであり、かつ型凹部の中心軸C
axisと本質的に垂直である。
【0049】
使用する型(10)の囲壁部(15)は、型凹部(20)の垂直内部境界(18)を画定する。(例えば、
図2〜3参照)。好ましくは、囲壁部は、x−y平面(30)と実質的に垂直な、型凹部(20)の垂直内部境界(18)を画定する。より好ましくは、囲壁部は、x−y平面(30)と本質的に垂直な、型凹部(20)の垂直内部境界(18)を画定する。
【0050】
型凹部(20)は、z−軸と一致し、型凹部(20)の水平内部境界(14)と中心点(21)で交差する中心軸C
axis(22)を有する。好ましくは、中心点(21)は、x−y平面(30)上に投影される型凹部(20)の断面C
x−sect(24)の幾何学的中心に位置する。(例えば、
図2〜4参照)。
【0051】
x−y平面上に投影される型凹部の断面C
x−sectは、任意の正または非正二次元形状であることができる。好ましくは、型凹部の断面C
x−sectは、多角形および楕円形から選択される。より好ましくは、型凹部の断面C
x−sectは、平均の半径r
C(好ましくは、r
Cは20〜100cmであり;より好ましくは、25〜65cmであり;最も好ましくは、40〜60cmである)を有する実質的に円形の断面である。最も好ましくは、型凹部は、実質的に円形の断面C
x−sectを有する略直円柱形状領域の形状であり;型凹部が型凹部の中心軸C
axisと一致する対称軸C
x−symを有し;直円柱形状領域が以下に定義される断面積C
x−areaを有し:
C
x−area=πr
C2
ここで、r
Cはx−y平面上に投影される型凹部の断面積C
x−areaの平均の半径であり;r
Cが20〜100cm(より好ましくは、25〜65cm;最も好ましくは、40〜60cm)である。
【0052】
型凹部(20)は、ドーナツ穴領域(40)およびドーナツ領域(50)を有する。(例えば、
図3〜4参照)。
【0053】
好ましくは、型凹部(20)のドーナツ穴領域(40)は、x−y平面(30)上に円形断面DH
x−sect(44)を投影し、ドーナツ穴領域対称軸DH
axis(42)を有する、型凹部(20)内の直円柱形状領域であり;DH
axisが型凹部の中心軸C
axisおよびz−軸と一致する。(例えば、
図3〜4参照)。ドーナツ穴領域(40)の円形断面DH
x−sect(44)が以下に定義される断面積DH
x−areaを有し:
DH
x−area=πr
DH2
ここで、r
DHはドーナツ穴領域の円形断面DH
x−sect(44)の半径(46)である。好ましくは、r
DH≧r
NOである(より好ましくは、r
DHが5〜25mmであり、最も好ましくは、8〜15mmである)。
【0054】
好ましくは、型凹部(20)のドーナツ領域(50)は、x−y平面(30)上に環状断面D
x−sect(54)を投影し、ドーナツ領域対称軸D
axis(52)を有する、型凹部(20)内のトロイド形状領域であり;D
axisが型凹部の中心軸C
axisおよびz−軸と一致する。(例えば、
図3〜4参照)。ドーナツ領域(50)の環状断面D
x−sect(54)は、以下に定義される断面積D
x−areaを有し:
D
x−area=πR
D2−πr
D2
ここで、R
Dはドーナツ領域の環状断面D
x−sectの外周半径(56)であり;r
Dはドーナツ領域の環状断面D
x−sectの内周半径(58)であり;r
D≧r
DHであり;R
D>r
Dであり;R
D<r
Cである。好ましくは、r
D≧r
DHであり、rDが5〜25mmである。より好ましくは、r
D≧r
DHであり、r
Dが8〜15mmである。好ましくは、r
D≧r
DHであり;R
D>r
Dであり;R
D≦(K
*r
C)であり、Kが0.01〜0.2(より好ましくは、0.014〜0.1、最も好ましくは、0.04〜0.086)である。より好ましくは、r
D≧r
DHであり;R
D>r
Dであり;R
Dは20〜100mm(より好ましくは、20〜80mm、最も好ましくは、25〜50mm)である。
【0055】
装填時間CPの長さ(秒)は、有意に変動することができる。例として、装填時間CPの長さは、型凹部のサイズ、平均装填流量CR
avgおよび硬化性材料の特性(例えば、ゲル化時間)に依存する。好ましくは、装填時間CPは、60〜900秒(より好ましくは、60〜600秒、最も好ましくは、120〜360秒)である。通常、装填時間CPは、硬化性材料が示すゲル化時間によって制約される。好ましくは、装填時間CPは、型凹部に装填されている硬化性材料が示すゲル化時間以下である。より好ましくは、装填時間CPは、硬化性材料が示すゲル化時間未満である。
【0056】
装填流量CR(kg/sec)は、装填時間CPの途中で変動させることができる。例として、装填流量CRは、断続的であることができる。換言すれば、装填流量CRは、装填時間の途中で一回以上、一時的にゼロまで低下させることができる。好ましくは、硬化性材料は、装填時間にわたり、本質的に一定の流量で型凹部に装填される。より好ましくは、硬化性材料は、装填時間CPにわたり、本質的に一定の流量で型凹部内に装填され、平均装填流量CR
avgが0.015〜2kg/sec(より好ましくは、0.015〜1kg/sec、最も好ましくは、0.08〜0.4kg/sec)である。
【0057】
装填時間CPは、初期段階、転移段階および残段階として区別される三つの個別の段階に分割される。初期段階の開始は、装填時間CPの開始に相当する。初期段階の終了後、直ちに転移段階の開始となる。転移段階の終了後、直ちに残段階の開始となる。残段階の終了は、装填時間CPの終了に相当する。
【0058】
ノズルは、装填時間CPの間、移動または変形(例えば、伸縮)し、これにより、ノズル開口部の位置は三次元全ての次元で移動する。ノズル(60)は、装填時間CPの間、移動または変形(例えば、伸縮)し、これにより、ノズル開口部(62)の位置は、装填時間CPの間、型凹部(120)の水平内部境界(112)に対応する型凹部の中心軸C
axis(122)に沿って移動し、硬化性材料(70)が型凹部(120)内に溜められる際に、ノズル開口部(62)の位置が硬化性材料(70)の上面(72)の上方に維持される。(
図5A〜5B参照)。好ましくは、ノズル開口部(62)の位置は、装填時間CPの間、型凹部(120)の水平内部境界(112)に対応する型凹部の中心軸C
axis(122)に沿って移動し、硬化性材料(70)が型凹部(120)内に溜められる際に、硬化性材料(70)の上面(72)の上方の高度(65)にノズル開口部(62)の位置が維持され;ここで、高度は>0〜30mm(より好ましくは、>0〜20mm、最も好ましくは、5〜10mm)である。(
図5B参照)。型凹部の中心軸C
axisに沿ったノズル開口部の位置の動き(すなわち、z次元での動き)は、装填時間中に一時的に停止することができる。好ましくは、ノズル開口部の位置は、各転移段階転移点TP
TP(そのような転移点がある場合)および各残段階転移点TP
RPにおいて、型凹部の中心軸C
axisに対応するその動きを一時的に停止する(すなわち、ノズル開口部の位置のz次元での移動を一時的に止める)。
【0059】
ノズル開口部の位置は、装填時間の初期段階の全体にわたって(すなわち、初期段階の継続する間)、型凹部のドーナツ穴領域内にある。ノズル開口部の位置は、初期段階の全体にわたって固定させたままにしておくことができ、この場合、初期段階開始点SP
IPと初期段階終点EP
IPとは同じ位置である(すなわち、SP
IP=EP
IP)。好ましくは、SP
IP=EP
IPであるとき、初期段階は、>0〜90秒の長さ(より好ましくは、>0〜60秒の長さ;最も好ましくは、5〜30秒の長さ)である。最も好ましくは、ノズル開口部の位置は、装填時間の初期段階の開始から、型凹部内の硬化性材料の上面が上昇し始め、その時点で転移段階が始まるまで固定されたままであり;この場合、初期段階開始点SP
IP(80)と初期段階終点EP
IP(81a)(この点は、転移段階開始点SP
TP(82a)と一致する)とは、型凹部(220)のドーナツ穴領域(140)内の、型凹部の中心軸C
axis(222)に沿った同じ位置である。好ましくは、ドーナツ穴領域(140)は直円柱形状であり;ドーナツ穴の対称軸DH
axis(142)が型凹部の中心軸C
axis(222)およびz−軸と一致する。(
図6A〜6C参照)。ノズル開口部の位置は、初期段階の間に移動することができ、この場合、初期段階開始点SP
IPが初期段階終点EP
IPとは異なる(すなわち、SP
IP≠EP
IP)。好ましくは、SP
IP≠EP
IPのとき、初期段階は、>0〜(CP−10.02)秒の長さであり;ここで、CPは装填時間(秒)である。より好ましくは、SP
IP≠EP
IPのとき、初期段階は、>0〜(CP−30)秒の長さであり;ここで、CPは装填時間(秒)である。最も好ましくは、装填時間の初期段階の間、型凹部(220)内の硬化性材料の上面が上昇するとき、ノズル開口部の位置は、好ましくは、型凹部(220)のドーナツ穴領域(140)内を型凹部の中心軸C
axis(222)に沿って、初期段階開始点SP
IP(80)から初期段階終点EP
IP(81b)(この点は、転移段階開始点SP
TP(82b)と一致する)へと移動し、硬化性材料が型凹部(220)内に溜められる際に、装填時間の初期段階の全体にわたってノズル開口部の位置が硬化性材料の上面の上方の高度に維持される。(
図6A〜6C参照)。
【0060】
ノズル開口部の位置は、装填時間の転移段階の間、型凹部のドーナツ穴領域内の点からドーナツ領域内の点へと移動する。好ましくは、転移段階は、0.02〜30秒の長さ(より好ましくは、0.2〜5秒の長さ;最も好ましくは、0.6〜2秒の長さ)である。好ましくは、ノズル開口部の位置は、転移段階の間、型凹部の中心軸C
axisに対応して10〜70mm/sec(より好ましくは、15〜35mm/sec、最も好ましくは、20〜30mm/sec)の平均速度で移動する。好ましくは、ノズル開口部の位置の移動は、各転移段階転移点TP
TP(そのような転移点がある場合)および転移段階終点EP
TPにおいて、型凹部の中心軸C
axisに対応するその動きを一時的に停止する(すなわち、xおよびy次元での移動を一時的に止める)。好ましくは、ノズル開口部の位置は、転移段階の間、転移段階開始点SP
TPから任意の転移段階転移点TP
TPを通って転移段階終点EP
TPへと、型凹部の中心軸C
axisに対応して一定の速度で移動する。好ましくは、転移段階の間、ノズル開口部の位置は、転移段階開始点SP
TPから複数の転移段階転移点TP
TPを通って転移段階終点EP
TPへと移動し;x−y平面上に投影される転移段階の経路が略曲線の形状である(より好ましくは、転移段階の経路が略螺旋状緩和曲線の形状である)。最も好ましくは、転移段階の間、ノズル開口部の位置は、転移段階開始点SP
TPから転移段階終点EP
TPへと直接移動し;x−y平面上に投影される転移段階の経路は直線である。
【0061】
図6A〜6Cは、中心軸C
axis(222);対称軸DH
axis(142)を持つ直円柱形状のドーナツ穴領域(140);および対称軸D
axis(152)を持つトロイド形状のドーナツ領域(150)を有する型凹部(220)内での三つの異なる転移段階の経路を示し;型凹部の中心軸C
axis(222)、ドーナツ穴の対称軸DH
axis(142)およびドーナツの対称軸D
axis(152)の各々がz軸と一致する。
図6A〜6Cに示した転移段階の第一の経路は、型凹部(220)のドーナツ穴領域(140)内の転移段階開始点SP
TP(82a)から始まり、型凹部(220)のドーナツ領域(150)内の転移段階終点EP
TP(89)へと直接進行し、この場合、転移段階の経路83aが単一直線(84)としてx−y平面(130)上に投影される。
図6A〜6Cに示した転移段階の第二の経路は、型凹部(220)のドーナツ穴領域(140)内の転移段階開始点SP
TP(82b)から始まり、型凹部(220)のドーナツ領域(150)内の転移段階終点EP
TP(89)へと直接進行し、この場合、転移段階の経路83bが単一直線(84)としてx−y平面(130)上に投影される。
図6A〜6Cに示した転移段階の第三の経路は、ドーナツ穴領域(140)内の転移段階開始点SP
TP(82a)から始まり、ドーナツ穴領域(140)内の転移段階転移点TP
TP(88)を通って転移し、次に、ドーナツ領域(150)内に位置する転移段階終点EP
TP(89)へと進行し、この場合、転移段階の経路(85)が一対の接続線(87)をx−y平面(130)上に投影する。ここで留意すべきことは、転移段階終点EP
TP(89)が残段階開始点SP
RP(90)に相当することである(すなわち、これらは同じ位置である)。
【0062】
ノズル開口部の位置は、装填時間の残段階の間、ドーナツ領域内にある(すなわち、装填時間の残段階のほんの一部の間において、ノズル開口部の位置はドーナツ穴領域を通過する、またはドーナツ穴領域にあることができる)。好ましくは、ノズル開口部の位置は、装填時間の残段階の全体にわたって(すなわち、残段階の継続する間)ドーナツ領域内にある。好ましくは、残段階は≧10秒の長さである。より好ましくは、残段階は、10〜<(CP−0.2)秒の長さであり;ここで、CPは装填時間(秒)である。なおもより好ましくは、残段階は、30〜<(CP−0.2)秒の長さであり;ここで、CPは装填時間(秒)である。最も好ましくは、残段階は、0.66
*CP〜<(CP−0.2)秒の長さであり;ここで、CPは装填時間(秒)である。好ましくは、ノズル開口部の位置は、残段階の間、型凹部の中心軸C
axisに対応して10〜70mm/sec(より好ましくは、15〜35mm/sec、最も好ましくは、20〜30mm/sec)の平均速度で移動する。好ましくは、ノズル開口部の位置は、各残段階転移点TP
RPにおいて、型凹部の中心軸C
axisに対応するその動きを一時的に停止することができる(すなわち、ノズル開口部の位置のxおよびy次元での移動を一時的に止めることができる)。好ましくは、ノズル開口部の位置は、残段階の間、残段階開始点SP
RPから残段階転移点TP
RPの各々を通って、型凹部の中心軸C
axisに対応して一定の速度で移動する。好ましくは、残段階の間、ノズル開口部の位置は、残段階開始点SP
RPから複数の残段階転移点TP
RPを通って移動し;残段階の経路が一連の接続線をx−y平面上に投影する。好ましくは、残段階転移点TP
RPは、全て型凹部のドーナツ領域内に位置する。好ましくは、残段階の経路によってx−y平面上に投影される一連の接続線は、略円または型凹部の中心軸C
axisからの変動し得る距離の二次元の略螺旋状の形状である。好ましくは、残段階の経路によってx−y平面上に投影される一連の接続線は、二次元の略螺旋状の形状であり、次に続く残段階転移点TP
RPが型凹部の中心軸C
axisからの距離を増加または減少させてx−y平面上に投影される。より好ましくは、残段階の経路によってx−y平面上に投影される一連の接続線は、略円の形状であり、次に続く残段階転移点TP
RPが型凹部の中心軸C
axisからの均等な距離でx−y平面上に投影し、残段階の経路によってx−y平面上に投影される一連の接続線が正(すなわち、等辺等角)多角形である。好ましくは、正多角形は、≧5個の辺(より好ましくは、≧8個の辺;最も好ましくは、≧10個の辺;好ましくは、≦100個の辺;より好ましくは、≦50個の辺;最も好ましくは、≦20個の辺)を有する。最も好ましくは、残段階の経路は、略渦巻の形状である。換言すれば、残段階の間、ノズル開口部の位置は、型凹部の中心軸C
axisに沿って移動を続けて、型凹部内に溜められている硬化性材料の上面の上方における所望の高度を維持し、一方、それと同時にノズル開口部の位置は、x−y平面上に正多角形を投影する経路を進む(好ましくは、正多角形が5〜100個の辺;より好ましくは、5〜50個の辺;なおもより好ましくは、8〜25個の辺;最も好ましくは、8〜15個の辺を有する)。
【0063】
図7A〜7Cは、中心軸C
axis(222);対称軸DH
axis(142)を持つ直円柱形状のドーナツ穴領域(140);および対称軸D
axis(152)を持つトロイド形状のドーナツ領域(150)を有する型凹部(220)内において略渦巻の形状の、好ましい残段階の経路(95)の一部分を示し;型凹部の中心軸C
axis(222)、ドーナツ穴の対称軸DH
axis(142)およびドーナツの対称軸D
axis(152)の各々がz軸と一致する。残段階の経路(95)は、型凹部(220)のドーナツ領域(150)内の残段階開始点SP
RP(90)から始まり、型凹部(220)のドーナツ領域(150)内の複数の残段階転移点TP
RP(92)を通って進行し;全ての残段階転移点TP
RPが型凹部の中心軸C
axis(222)から均等の距離にあり;残段階の経路(95)が正十面体(100)を形成する十本の均等の長さの線(97)としてx−y平面(130)上に投影される。ここで留意すべきことは、残転移開始点SP
RP(90)が転移段階終点EP
TP(89)に相当することである(すなわち、これらは同じ位置である)。
【0064】
硬化性材料は、好ましくは、液状プレポリマーを含む。より好ましくは、硬化性材料は、液状プレポリマーおよび複数の微小成分を含み、複数の微小成分が液状プレポリマー中に均一に分散している。
【0065】
液状プレポリマーは、好ましくは、重合(すなわち、硬化)して、ポリ(ウレタン)を含む材料を形成する。より好ましくは、液状プレポリマーは、重合して、ポリウレタンを含む材料を形成する。最も好ましくは、液状プレポリマーは、重合(硬化)して、ポリウレタンを形成する。あるいは、液状プレポリマーは、溶融加工可能な熱可塑性材料である。好ましくは、溶融加工可能な熱可塑性材料は、熱可塑性ポリ(ウレタン)(TPU)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ナイロン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリスチレン、アクリル系ポリマー、ポリ尿素、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリエチレンイミン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキサイド、ポリオレフィン、ポリアクリル酸アルキル、ポリメタクリル酸アルキル、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリケトン、エポキシ、シリコーン、エチレンプロピレンジエン単量体から形成されたポリマー、タンパク質、多糖類、ポリアセテートおよび前述の少なくとも二つの組み合わせからなる群より選択される。
【0066】
好ましくは、液状プレポリマーは、ポリイソシアネート含有材料を含む。より好ましくは、液状プレポリマーは、ポリイソシアネート(例えば、ジイソシアネート)と水酸基含有材料との反応生成物を含む。
【0067】
好ましくは、ポリイソシアネートは、メチレンビス−4,4’−シクロヘキシル−イソシアネート;シクロヘキシルジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート;プロピレン−1,2−ジイソシアネート;テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート;1,6−ヘキサメチレン−ジイソシアネート;ドデカン−1,12−ジイソシアネート;シクロブタン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート;1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン;メチルシクロヘキシレンジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネートのトリイソシアネート;2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジイソシアネートのトリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン;エチレンジイソシアネート;2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;2,4,4−トリ−メチルヘキサメチレンジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;およびこれらの組み合わせから選択される。最も好ましくは、ポリイソシアネートは、脂肪族であり、14パーセント未満の未反応イソシアネート基を有する。
【0068】
好ましくは、本発明で使用する水酸基含有材料は、ポリオールである。例示的なポリオールは、例として、ポリエーテルポリオール、(部分的および完全に水素化された誘導体を包含する)水酸基末端ポリブタジエン、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオールおよびこれらの混合物を包含する。
【0069】
好ましいポリオールは、ポリエーテルポリオールを包含する。ポリエーテルポリオールの例は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(「PTMEG」)、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールおよびこれらの混合物を包含する。炭化水素鎖は、飽和または不飽和結合、ならびに置換または無置換の芳香族および環状基を有することができる。好ましくは、本発明のポリオールは、PTMEGを包含する。好適なポリエステルポリオールは、ポリエチレンアジペートグリコール;ポリブチレンアジペートグリコール;ポリエチレンプロピレンアジペートグリコール;o−フタレート−1,6−ヘキサンジオール;ポリ(ヘキサメチレンアジペート)グリコール;およびこれらの混合物を非限定的に包含する。炭化水素鎖は、飽和もしくは不飽和結合、または置換もしくは無置換の芳香族および環状基を有することができる。好適なポリカプロラクトンポリオールは、1,6−ヘキサンジオール開始ポリカプロラクトン;ジエチレングリコール開始ポリカプロラクトン;トリメチロールプロパン開始ポリカプロラクトン;ネオペンチルグリコール開始ポリカプロラクトン;1,4−ブタンジオール開始ポリカプロラクトン;PTMEG開始ポリカプロラクトン;およびこれらの混合物を非限定的に包含する。炭化水素鎖は、飽和もしくは不飽和結合、または置換もしくは無置換の芳香族および環状基を有することができる。好適なポリカーボネートは、ポリフタレートカーボネートおよびポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコールを非限定的に包含する。
【0070】
好ましくは、複数の微小成分は、封入気泡、中空ポリマー材料(すなわち、微小球)、液状充填中空ポリマー材料、水溶性材料(例えば、シクロデキストリン)および不溶相材料(例えば、鉱物油)から選択される。好ましくは、複数の微小成分は、ポリビニルアルコール、ペクチン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル、ポリ(二塩化ビニリデン)、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシエーテルアクリライト、デンプン、マレイン酸共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリウレタン、シクロデキストリンおよびこれらの組み合わせ(例えば、スウェーデン、スンツヴァル市のAkzo Nobelより入手可能なExpancel(商標))などの微小球である。微小球は、例として、分岐化、ブロッキングおよび架橋により化学的に修飾し、溶解性、膨潤性および他の特性を変化させることができる。好ましくは、微小球は、150μm未満の平均径、より好ましくは、50μm未満の平均径を有する。最も好ましくは、微小球48は、15μm未満の平均径を有する。微小球の平均径は変動することもでき、サイズの異なる微小球、または異なる微小球48の混合物を使用することができることに留意されたい。最も好ましい微小球の材料は、アクリロニトリルおよび二塩化ビニリデンの共重合体(例えば、Akzo Nobelより入手可能なExpancel(登録商標))である。
【0071】
液状プレポリマーは、場合により、さらに硬化剤を含む。好ましい硬化剤は、ジアミンを包含する。好適なポリジアミンは、第一級および第二級アミンの両方を包含する。好ましいポリジアミンは、ジエチルトルエンジアミン(「DETDA」);3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミンおよびその異性体;3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミンおよびその異性体(例えば、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン);4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジフェニルメタン;1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ベンゼン;4,4’−メチレン−ビス−(2クロロアニリン);4,4’−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)(「MCDEA」);ポリテトラメチレンオキサイド−ジ−p−アミノベンゾエート;N,N’−ジアルキルジアミノジフェニルメタン;p,p’−メチレンジアニリン(「MDA」);m−フェニレンジアミン(「MPDA」);メチレン−ビス2−クロロアニリン(「MBOCA」);4,4’−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)(「MOCA」);4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)(「MDEA」);4,4’−メチレン−ビス−(2,3−ジクロロアニリン)(「MDCA」);4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、2,2’,3,3’−テトラクロロジアミノジフェニルメタン;トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート;およびこれらの混合物を非限定的に包含する。好ましくは、ジアミン硬化剤は、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミンおよびその異性体から選択される。
【0072】
硬化剤は、ジオール、トリオール、テトラオールおよび水酸基末端硬化剤を包含することもできる。好適なジオール、トリオールおよびテトラオール基は、エチレングリコール;ジエチレングリコール;ポリエチレングリコール;プロピレングリコール;ポリプロピレングリコール;低分子量ポリテトラメチレンエーテルグリコール;1,3−ビス−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン;1,3−ビス−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン;1,3−ビス−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン;1,4−ブタンジオール;1,5−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオール;レゾルシノール−ジ−(ベータ−ヒドロキシエチル)エーテル;ヒドロキノン−ジ−(ベータ−ヒドロキシエチル)エーテル;およびこれらの混合物を包含する。好ましい水酸基末端硬化剤は、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン;1,3−ビス−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン;1,3−ビス−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン;1,4−ブタンジオール;およびこれらの混合物を包含する。水酸基末端硬化剤およびジアミン硬化剤は、飽和、不飽和の芳香族および環状基を一つ以上包含することができる。また、水酸基末端硬化剤およびジアミン硬化剤は、ハロゲン基を一つ以上包含することができる。
【0073】
好ましくは、本発明の方法で提供される研磨層は、ASTM D412(バージョンD412-02)に定められている試験法によって測定した際に、350MPa以下(好ましくは、10〜200MPa)のヤング弾性率を示す。
【0074】
本発明の好ましい方法において、刃先を有する革削ぎブレードを使用して、硬化したケーキを溝なしの研磨面を有する少なくとも一つの研磨層に革削ぎすることにより、溝なしの研磨面を有する研磨層が硬化したケーキから得られる。好ましくは、革砥研ぎ研磨剤が革削ぎブレードの刃先に適用され、ケーキを革削ぎして溝なしの研磨面を有する少なくとも一つの研磨層を供給する前に、革砥を使用して刃先をホーニングする。本発明の方法で使用する革砥研ぎ研磨剤は、好ましくは、脂肪酸に分散した酸化アルミニウムの砥粒を含む。より好ましくは、本発明の方法で使用する革砥研ぎ研磨剤は、18〜35wt%の脂肪酸に分散した70〜82wt%の酸化アルミニウムの砥粒を含む。本発明の方法で使用する革砥は、好ましくは、革製の革砥である。最も好ましくは、本発明の方法で使用する革砥は、回転工具(例えば、Dremel(登録商標)回転工具)とともに使用するように設計された革製の革砥である。場合により、硬化したケーキを加熱して、革削ぎ作業を容易にする。好ましくは、硬化したケーキを革削ぎして溝なしの研磨面を持つ研磨層を供給する革削ぎ作業中に、硬化したケーキは、赤外線加熱灯を使用して加熱される。
【0075】
好ましくは、溝なしの研磨面に機械加工される少なくとも一つの曲線溝は、複数の同心円形溝および少なくとも一つの螺旋状溝からなる群より選択される。より好ましくは、溝なしの研磨面に機械加工される少なくとも一つの曲線溝は、複数の同心の実質的に円形の溝である。最も好ましくは、研磨層は実質的に円形の断面を有し、溝なしの研磨面に機械加工される少なくとも一つの曲線溝は複数の同心の実質的に円形の溝であり、各溝が研磨面の平面において研磨層の対称軸と実質的に一致する対称軸を有する。
【0076】
好ましくは、少なくとも一つの曲線溝は、350μm以上の溝深さを有する。より好ましくは、少なくとも一つの曲線溝は、500μm以上の溝深さを有する。なおもより好ましくは、少なくとも一つの曲線溝は、500〜2,500μmの溝深さを有する。その上なおもより好ましくは、少なくとも一つの曲線溝は、500〜1,500μmの溝深さを有する。最も好ましくは、少なくとも一つの曲線溝は、500〜1,250ミルの溝深さを有する。
【0077】
XYグリッドパターンの複数の線形溝は、少なくとも一つの曲線溝の機械加工の後、研磨面に機械加工される。好ましくは、複数の線形溝は、ステップダウンプロセスによって機械加工され、溝切削工具が複数の連続的な切削パスを作って各線形溝を形成し、各連続的な切削パスが形成される線形溝の深さを増大させる。好ましくは、ステップダウンプロセスは、切削工具を用いて少なくとも2本の連続的なパスを伴う。より好ましくは、ステップダウンプロセスは、切削工具を用いて4〜10本の連続的なパスを伴う。最も好ましくは、ステップダウンプロセスは、切削工具を用いて4〜6本の連続的なパスを伴う。パスごとの好ましい最大切削深さは、溝が形成される材料の弾性率に依存し、溝が形成される材料の弾性率が低くなるほど、パスごとの好ましい最大切削深さが小さくなる。好ましくは、溝切削工具は、1〜60cm/sec(より好ましくは、5〜60cm/sec;最も好ましくは、5〜20cm/sec)の送り速度を有する。好ましくは、(研磨面を包含する)研磨層は、XYグリッドパターンを形成する機械加工作業の間、室温にある。より好ましくは、研磨層(研磨面を包含する)は、XYグリッドパターンを形成する機械加工作業の間、18〜25°Cの温度にある。
【0078】
好ましくは、XYグリッドを形成する複数の線形溝は、350μm以上の溝深さを示す。より好ましくは、XYグリッドを形成する複数の線形溝は、500μm以上の溝深さを示す。なおもより好ましくは、XYグリッドを形成する複数の線形溝は、500〜2,500μmの溝深さを示す。その上なおもより好ましくは、XYグリッドを形成する複数の線形溝は、500〜1,500μmの溝深さを示す。最も好ましくは、XYグリッドを形成する複数の線形溝は、500〜1,250μmの溝深さを示す。
【0079】
好ましくは、本発明の好ましい方法によって生成されたケーキは、装填時間CPの全体にわたってノズル開口部の位置が型凹部の中心軸C
axisに沿って一次元でのみ(すなわち、硬化性材料を型凹部内に溜める際に、硬化性材料の上面の上方に設定された高度にノズル開口部の位置を維持するために)移動すること以外は同じプロセスを使用して生成されたケーキと比較して、より少ない密度欠陥を含有する。より好ましくは、本発明の好ましい方法で生成されたケーキは、ケーキごとに、少なくとも50%以上(より好ましくは、少なくとも75%以上;最も好ましくは、少なくとも100%以上)密度欠陥のない研磨層を供給する。なおもより好ましくは、型凹部は40〜60cmである平均の半径r
Cを有する実質的に円形の断面を有し;本発明の方法を使用して生成したケーキは装填時間CPの全体にわたってノズル開口部の位置が型凹部の中心軸C
axisに沿って一次元でのみ移動すること以外は同じプロセスを使用して生成されたケーキによって供給された密度欠陥のない研磨層の数と比較して、密度欠陥のない研磨層の数において2倍の増加(より好ましくは、3倍の増加)を提供する。
【0080】
好ましくは、本発明の好ましい方法を使用して供給された溝なしの研磨面を持つ研磨層は、装填時間CPの全体にわたってノズル開口部の位置が型凹部の中心軸C
axisに沿って一次元でのみ(すなわち、硬化性材料を型凹部内に溜める際に、硬化性材料の上面の上方に設定された高度にノズル開口部の位置を維持するために)移動し、ケーキを革削ぎする前に革削ぎブレードを革砥で研ぐのではなく砥石で研ぐこと以外は同じプロセスを使用して供給された溝なし研磨層と比較して、表面粗さが低減した研磨面を示す。より好ましくは、本発明の好ましい方法を使用して供給された溝なしの研磨面を持つ研磨層は、表面粗さが少なくとも10%(より好ましくは、少なくとも20%;最も好ましくは、少なくとも25%)低減した研磨面を示す。
【0081】
好ましくは、本発明の方法を使用して生成した、少なくとも一つの曲線溝とXYグリッドパターンの複数の線形溝との組み合わせを持つ溝付き研磨面を有する研磨層は、軟質フォームを機械加工する従来の手法を使用して複数の線形溝を機械加工(すなわち、単一パスの全深さ切削技術を使用して機械加工)すること以外は同じプロセスを使用して生成された研磨層と比較して、より少ないストリンガ欠陥を含有する。
【0082】
本発明の一部の実施態様を下記の実施例において、ここで詳細に記載する。
【0083】
実施例
溝なしの研磨面、2.0mmの平均厚さおよび表1に報告するASTM D412-02により測定されたヤング弾性率を有する研磨層を、上に記載した鋳造および革削ぎプロセスを使用して作成した。次に、溝なし研磨層の各々を、最初に旋盤上で機械加工して、762ミクロンの深さ、508ミクロンの幅および3.0mmのピッチの呼び寸法を有する円形の溝パターンを研磨面に形成した。次に、研磨層の各々に、フライス盤上で第二の機械加工作業を受けさせ、787ミクロンの深さ、2.0mmの幅および40.0mmのピッチの呼び寸法を有するXYグリッドパターンの複数の線形溝を作り出し、XYグリッドパターンを円形の溝パターンに重ね合わせた。XYグリッドパターンを2セットの研磨層上に機械加工した。第一のセットでは、単一の全深さ切削パスを使用してXYグリッドパターンを形成した。第二のセットでは、6本の連続的な全深さではない切削パスを使用して溝を形成するステップダウンプロセスを使用してXYグリッドパターンを形成した。各研磨層に作り出された(
図9に図示するタイプの)ストリンガ欠陥の数を表1に報告する。このデータから明らかなように、ストリンガ欠陥の数は、ステップダウンプロセスの使用を通じて有意に低減した。ストリンガ欠陥の低減Δを表1に報告する(Δ=全深さ切削プロセスによるストリンガ欠陥の総数−ステップダウン切削プロセスによるストリンガ欠陥の総数)。また、概して、研磨層に使用する材料の弾性率が低くなるほど、ステップダウンプロセスを使用した溝の機械加工に関連する恩恵が大きくなる。