【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の実施例1を示す情報処理装置の一例を示すブロック図である。
図1において、200は、本発明の情報処理装置としての画像形成装置(以下MFP;Multi Function Peripheral)である。なお、「MFP」は「複合機」ともいう。また、本発明の情報処理装置は、MFPに限定されるものではなく、プリンタやスキャナ等の他の情報処理装置であってもよい。
【0013】
MFP200は、プリンタ、スキャナ、コピー、FAXなどの複数の機能を備える。MFP200は、近接無線通信部300、デバイス部400、近接無線部電源202を有する。100は携帯端末で、MFP200の近接無線通信部300と近接無線通信可能な外部機器である。近接無線部電源202は、外部の交流電源(AC)から近接無線通信部300へ電力を供給する電源生成部である。
【0014】
近接無線通信部300は、NFC(Near Field Communication)である。また、携帯端末100は、NFCインタフェースを有し、該NFCインタフェースを用いて、近接無線通信部300と通信を行う。
【0015】
以下、近接無線通信部300について説明する。
近接無線通信部300において、301はNFC通信アンテナ(以下、アンテナ)である。303はRF(Radio Frequency)回路で、NFC通信のための高周波回路である。302は通信制御部で、アンテナ301に近接する携帯端末100と通信を行う。また、通信制御部302は、コントローラ部404とも通信を行う。
【0016】
305は近接通信メモリで、不揮発性のメモリである。近接通信メモリ305には、ネットワーク設定値、アドレス帳データ、仕向け国情報等を含む情報が格納されている。306はCPUである。CPU306は、CPU306に内蔵されているROM(不図示)に格納されたプログラムを読み込むことにより動作する。307は、後述する
図3に示すような通電管理テーブルが予め書き込まれた不揮発性のメモリである。308はデバイス制御部で、出力する信号(起動信号1〜3)によってデバイス部400の電源の出力制御を行う。309はワークメモリである。
【0017】
次に、デバイス部400について説明する。
デバイス部400において、404は、MFP200のコントローラ部である。405はプリンタ部、406はリーダ部である。
【0018】
コントローラ部404は、CPU、ROM、RAM、HDD、さらに、近接無線通信部300、プリンタ部405、リーダ部406及び不図示のネットワークI/Fや操作部等と接続する各種インタフェースを備えるCPUボードである。コントローラ部404は、内部のCPUがROMやHDD等に格納されたプログラムを実行することにより、MFP200全体を制御する。
【0019】
401は、コントローラ部404への電源供給部(コントローラ部電源)であり、起動信号1に応じて非常夜電力をコントローラ部404へ供給する。402はプリンタ部405への電源供給部(プリンタ電源)で、起動信号2に応じて電力をプリンタ部405へ供給する。403はリーダ部406への電源供給部(リーダ電源)で、起動信号3に応じて電力をリーダ部406へ供給する。
【0020】
以下、MFP200の電力状態を説明する。
MFP200は、スタンバイ状態と、スタンバイ状態より省電力のスリープ状態(省電力状態)を切り替えて動作する。
【0021】
スリープ状態では、近接無線部電源202が電力を近接無線通信部300に供給している。電源供給部401、402、403による非常夜電力の供給は停止しており、各起動信号1、起動信号2、起動信号3の入力に応じて、非常夜電力を出力できるように待機している状態である。
【0022】
なお、電源供給部401は、上述した非常夜電力を供給する非常夜電源部と、常夜電力を供給する常夜電源部を有する。電源供給部401の常夜電源部は、スリープ状態でも動作しており、常夜電力をコントローラ部404に供給する。スリープ状態では、コントローラ部404は常夜電力により動作し、スリープ復帰要因の発生を監視する。
【0023】
なお、スリープ復帰要因は、例えば、図示しないスリープ解除ボタンの入力等や、図示しないネットワークインタフェースでのジョブ受信等である。コントローラ部404は、スリープ復帰要因の発生を検知すると、スリープ復帰したことを、CPU306に通知する。
【0024】
スタンバイ状態は、近接無線通信部300およびデバイス部400の両方が通電されている状態である。なお、スタンバイ中には、電源供給部401の非常夜電源部が非常夜電力をコントローラ部404に供給している。電源オフ状態は、近接無線通信部300およびデバイス部400の両方が通電されていない状態である。なお、近接無線通信部300に電力が供給されるとCPU306が起動し、図示しないCPU306内部のプログラムROMを読み込んで動作を開始する。
【0025】
以下、
図2を用いて実施例1におけるCPU306の動作を説明する。
図2は、実施例1におけるCPU306の動作の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、CPU306がCPU306に内蔵されているROMに格納されたプログラムを読み込んで実行することにより実現される。
【0026】
MFP200側では、CPU306が起動したときに、S201において、近接無線通信部300をP2P(peer to peer)モードでの待機状態とする。次に、S202において、CPU306は、携帯端末100からのコマンドの受信を待つ。
【0027】
ユーザは携帯端末100からMFP200へ設定を行う(又はMFP200から情報を取得する)場合、携帯端末100において所定のアプリケーションを起動する。これによって、携帯端末100のNFCがP2Pモードとなる。この状態で、ユーザは動作を指示して、MFP200のアンテナ301へ携帯端末100を翳す(かざす)。これにより、携帯端末100と近接無線通信部300との通信が可能となる。なお、携帯端末100側の処理については後述する
図7で示す。
【0028】
CPU306は、携帯端末100からのコマンドを受信したと判定した場合(S202で「受信」の場合)、S203において、不揮発性のメモリ307に記憶される通電管理テーブル(
図3に例示)を参照する。ここで、
図3を用いて、通電管理テーブルについて説明する。
【0029】
図3は、実施例1における通電管理テーブルの一例を示す図である。
図3に示すように、実施例1の通電管理テーブルでは、携帯端末100から受信した要求データ毎(コマンド毎)に、通電して起動すべきMFP200のデバイス(モジュール(部位))を対応付けて記憶管理している。なお、
図3はあくまで一例であり、本発明を限定するものではない。CPU306は、携帯端末100から受信したコマンドに応じて、このような通電管理テーブルを参照して、MFP200の各部位への通電の有無を決定し、該通電すべきと決定した部位への電力を供給する制御を行うことができる。
【0030】
以下、
図2のフローチャートの説明に戻る。
次に、S204において、CPU306は、上記携帯端末100から受信したコマンドと通電管理テーブルに基づいて、デバイス部400への電源供給が必要かどうかを判定する。
【0031】
ここで、「スリープ時にMFPへネットワーク設定を行う」場合を例に説明する。
CPU306は、ネットワーク設定値の設定を要求するコマンドを受信した場合には、通電管理テーブルをもとに、デバイス部400への電源供給が不要と判定する。なお、ネットワーク設定値の設定を要求する場合、不揮発の近接通信メモリ305への読み書きだけとなる。上記S204において、デバイス部400への電源供給が不要と判定した場合(S204でNoの場合)、CPU306は、S205に処理を移行する。
【0032】
S205において、CPU306は、携帯端末100から受信したコマンドに対応して不揮発の近接通信メモリ305内の情報を読み出す、又は、不揮発の近接通信メモリ305に情報を書き込む。例えば、上記ネットワーク設定値の設定を要求するコマンドを受信した場合、S205において、CPU306が、携帯端末100から受信したネットワーク設定値を不揮発の近接通信メモリ305に書き込む。
【0033】
上記S205の読み出し処理(又は書き込み処理)が終了すると、CPU306は、S206において、上記受信したコマンドのレスポンスとして、上記読み出したデータ(又は書き込みが終了したこと)を携帯端末100へ送信し、S201に処理を移行する。
【0034】
なお、MFP200がスリープ中に、近接通信メモリ305に書き込まれた情報、例えば、ネットワーク設定値、アドレス帳データ、仕向け国情報等は、MFP200がスタンバイモードに復帰した際に、コントローラ部404内の記憶装置に格納される。これにより、MFP200のスリープ時に携帯端末100から行った設定が、MFP200本体へ反映されることとなる。また、MFP200がスタンバイ中に、例えば、ネットワーク設定値、アドレス帳データ、仕向け国情報等の設定変更等がなされた場合、これらの変更は、少なくともMFP200がスリープに移行するまでに、近接通信メモリ305に反映される。
【0035】
次に、「スリープ時にプリンタログを取得する」場合を例に説明する。
CPU306は、携帯端末100からプリンタログを取得するコマンドを受信した場合には、通電管理テーブルをもとに、プリンタログを取得するためにコントローラ部404とプリンタ部405へ電力供給が必要と判定する。上記S204において、デバイス部400への電源供給が必要と判定した場合(S204でYesの場合)、CPU306は、S207に処理を移行する。
【0036】
S207において、CPU306は、デバイス制御部308に対して、通電管理テーブルで起動すべきデバイスに記載されているデバイスを起動するように指示する。上記「スリープ時にプリンタログを取得する」場合、CPU306は、デバイス制御部308に対して、電源供給部401、電源供給部402を起動させるための起動信号1、起動信号2を出力するように指示する。これにより、コントローラ部404とプリンタ部405が起動する。
【0037】
コントローラ部404が起動すると、S208において、CPU306は、コントローラ部404に、プリンタログの取得を指示する。この指示に応じて、コントローラ部404は、プリンタ部405と通信を行って動作のログ(プリンタログ)を取得し、該取得したプリンタログをCPU306へ送出する。上記S208の処理が終了すると、CPU306は、S206において、上記受信したコマンドのレスポンスとして、上記取得したデータを携帯端末100へ送信し、S201に処理を移行する。
【0038】
このように、MFP200内の近接無線通信部300内の近接通信メモリ305に記憶できる少量のデータの交換については、MFP200のデバイス部400を起動せず、外部リーダライタ機器との通信で行うことができる。なお、この方法で実行できる処理は、例えば、ネットワーク設定、アドレス帳の読み取り/書き込み設定、印刷枚数カウンタの読み取り、仕向け地の書き込み設定、ユーザモードの書き込み設定等である。
【0039】
一方、近接無線通信部300内の近接通信メモリ305に記憶できないデータ(例えば、ログ、温度等の各種リアルタイムデータ、メンテ用画像形成プロセスデータ等)については、MFP200内部の対応するモジュール(部位)を起動して取得する。なお、上記のMFP200を起動する指示に対してMFP200が起動できなかった場合は、MFP200が故障している可能性があるため、携帯端末100へはその旨を通知する。
【0040】
以下、
図7を参照して、携帯端末100側の処理について説明する。
図7は、携帯端末100側の処理の一例を示すフローチャートを示す。この処理は、携帯端末100の図示しないCPUが図示しないROM等に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0041】
S701において、携帯端末100のCPU(不図示)は、ユーザによるMFP200へ設定を行うためのアプリケーションの起動指示を検知すると、該アプリケーションを起動する。なお、上記アプリケーションのプログラムは、携帯端末100のROM(不図示)等に格納されている。
【0042】
次に、S702において、携帯端末100のCPUは、MFP200への要求を入力する入力画面を表示し、S703において、ユーザによるMFP200への指示の入力を待機する。そして、ユーザによるMFP200への指示が入力されたと判定した場合(S703でYesの場合)、携帯端末100のCPUは、S704において、NFCインタフェースをP2Pモードで動作させる。
【0043】
次に、S705において、携帯端末100のCPUは、MFP200との通信の成立を待つ。そして、MFP200との通信が成立したと判定した場合(S705でYesの場合)、携帯端末100のCPUは、S706に処理を進める。
【0044】
S706において、携帯端末100のCPUは、ユーザにより入力されたMFP200への指示に対応するコマンドを、MFP200へ送信する。次に、S707において、携帯端末100のCPUは、MFP200からの応答を待つ。そして、MFP200からの応答があると(S706でYesの場合)、携帯端末100のCPUは、S708において、MFP200からの応答を受信し、本フローチャートの処理を終了する。
【0045】
なお、S706〜S708の処理時間は、携帯端末100からMFP200へ送信されるコマンドによって変わる。すなわち、MFP200のデバイス部400を起動してデバイス部400から情報を入手する場合は長くなり、MFP200のデバイス部400を起動せずにMFP200から情報を入手する場合は短くなる。
【0046】
近距離無線通信を用いて画像形成装置から取得あるいは設定するデータについて、データによって画像形成装置本体を起動することが必要な場合と不要な場合がある。本実施例では、近距離無線通信部300がコマンドに対応するテーブルをもち、MFP200本体(デバイス部400等)を通電するか通電しない、あるいは通電する場合はどのデバイスに通電するかの判定を行う。本実施例によれば、操作者は、スリープ状態という省電力状態で待機している画像形成装置に対して、携帯端末を操作して翳すだけで、画像形成装置から必要な情報を取得あるいは設定することができる。その際、必要な場合のみ自動で画像形成装置本体を起動し、不必要な場合には画像形成装置本体を起動することなく省電力状態のままで、必要な情報の取得や設定を行うことができる。よって、操作者の誤操作等により、不必要に画像形成装置本体を起動して余分な電力を消費することがない。また、操作者は近距離無線通信を用いて動作を指示するだけでよく、操作者の利便性を向上させることもできる。
【実施例2】
【0047】
上述の実施例1では、近接無線通信部300は、スタンバイ状態及びスリープ状態の双方の状態において外部電源に基づく電力により駆動する構成を説明した。実施例2では、近接無線通信部300は、スタンバイ状態では外部電源に基づく電力により駆動し、前記スリープ状態では携帯端末100からの電波により誘起される電力で駆動する。以下、実施例2について詳細に説明する。なお、実施例2では、実施例1と同一の構成については説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0048】
図4は、本発明の実施例2を示す情報処理装置の一例を示すブロック図である。なお、
図1と同一のものには同一の符号を付してある。
図4において、201は電源切り替え部で、近接無線部電源202によりACから生成された電力(B入力)とアンテナ301から誘起した電力(A入力)とを切り替えて、近接無線通信部300へ供給するためのものである。電源切り替え部201は、デバイス制御部308からの切替信号に応じて、供給源(A入力、B入力)を切り替え選択する。304は電源生成部で、アンテナ301に誘起した電力からDC電源(A入力)を生成するためのものである。
【0049】
スタンバイ状態では、電源切り替え部201では電力供給源としてB入力が選択されており、近接無線部電源202からの電力(B入力)を近接無線通信部300に供給されている。スリープ状態に移行する場合に、コントローラ部404等からの制御により、電源切り替え部201は電力供給源をB入力からA入力に切り替える。即ち、スリープ状態では、電源切り替え部201はA入力が近接無線通信部300への供給源となるよう選択されている。したがって、スリープ状態では、近接無線通信部300は、リーダライタ動作している携帯端末100からアンテナ301へ誘起する電力で動作する。
【0050】
MFP200がスリープ状態では、電源供給部401の非常夜電源部、電源供給部402、403、近接無線部電源202は停止しているがACは通電されており、起動信号に応じて電力を出力できるように待機している状態である。なお、スリープ状態でも、電源供給部401の常夜電源部は動作しており、コントローラ部404は、スリープ復帰要因の発生を監視している。
【0051】
コントローラ部404は、スリープ復帰要因の発生を検知すると、近接無線部電源202に起動信号(不図示)を出力し、近接無線部電源202を動作させるとともに、電源切り替え部201の電力供給源をA入力からB入力に切り替える。さらに、近接無線部電源202のCPU306が起動すると、コントローラ部404は、スリープ復帰したことを、CPU306に通知する。なお、近接無線通信部300に電力が供給されると、CPU306が起動し、図示しないCPU内部のプログラムROMを読み込んで動作を開始する。
【0052】
以下、
図5を用いて実施例2におけるCPU306の動作を説明する。
図5は、実施例2におけるCPU306の動作の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、CPU306がCPU306に内蔵されているROMに格納されたプログラムを読み込んで実行することにより実現される。
【0053】
MFP200側では、CPU306が起動したときに、S501において、近接無線通信部300をP2Pモードでの待機状態とする。次に、S502において、CPU306は、CPU306の起動要因を判別する。CPU306は、コントローラ部404からの通知により起動要因を判別可能である。コントローラ部404からスリープ復帰の通知があった場合には「スリープ復帰」と判断し、該通知がなかった場合には「携帯端末からの誘起」と判断する。
【0054】
CPU306は、CPU306の起動要因が携帯端末100からの誘起であると判定した場合(S502で「携帯端末からの誘起」の場合)、S503に処理を進める。S503では、CPU306は、携帯端末からの誘起による起動を示すフラグを、ワークメモリ309へ記録し、S504に処理を進める。S504において、CPU306は、携帯端末100からのコマンドを待つ。
【0055】
ユーザは携帯端末100からMFP200へ設定を行う(又は情報を取得する)場合、所定のアプリケーションを起動する。これによって、携帯端末100のNFCがP2P(peer to peer)モードとなる。この状態で、動作を指示して、MFP200のアンテナ301へ携帯端末100を翳す。これにより、携帯端末100と近接無線通信部300との通信が可能となる。なお、携帯端末100側の処理については
図7に示した通りである。
【0056】
CPU306は、携帯端末100からのコマンドを受信したと判定した場合(S504で受信の場合)、CPU306は、S505において、不揮発性のメモリ307に記憶される通電管理テーブルを参照する。なお、実施例2の不揮発性のメモリ307には、
図6に示すような通電管理テーブルが予め書き込まれている。ここで、
図6を用いて、実施例2の通電管理テーブルについて説明する。
【0057】
図6は、実施例2における通電管理テーブルの一例を示す図である。
図6に示すように、実施例1の通電管理テーブルでは、携帯端末100から受信した要求データ毎に、起動すべきMFP200のデバイスを記憶管理している。実施例2では、例えば、プリンタログ、プリンタプロセス値、リーダログ、リーダセンサ補正値等の取得の場合には、起動すべきデバイスに、近接無線通信部300が含まれる。なお、
図6はあくまで一例であり、本発明を限定するものではない。
【0058】
以下、
図5のフローチャートの説明に戻る。
次に、S506において、CPU306は、上記携帯端末100から受信したコマンドと通電管理テーブルに基づいて、近接無線通信部300への電源供給が必要かどうかを判定する。
【0059】
ここで、「スリープ時にMFPへネットワーク設定を行う」場合を例に説明する。
CPU306は、ネットワーク設定値の設定を要求するコマンドを受信した場合には、通電管理テーブルをもとに、近接無線通信部300への電源供給が不要と判定する。なお、ネットワーク設定値の設定を要求する場合、不揮発の近接通信メモリ305への読み書きだけとなる。上記S506において、近接無線通信部300への電源供給が不要と判定した場合(S506でNoの場合)、CPU306は、S507に処理を移行する。
【0060】
S507において、CPU306は、携帯端末100から受信したコマンドに対応して不揮発の近接通信メモリ305内の情報を読み出す、又は、不揮発の近接通信メモリ305に情報を書き込む。例えば、上記ネットワーク設定値の設定を要求するコマンドを受信した場合、S507において、CPU306が、携帯端末100から受信したネットワーク設定値を不揮発の近接通信メモリ305に書き込む。
【0061】
上記S507の読み出し処理(又は書き込み処理)が終了すると、CPU306は、S508において、上記受信したコマンドのレスポンスとして、上記読み出したデータ(又は書き込みが終了したこと)を携帯端末100へ送信し、S504に処理を移行する。
【0062】
次に、「スリープ時にプリンタログを取得する」場合を例に説明する。
CPU306は、携帯端末100からプリンタログを取得するコマンドを受信した場合には、通電管理テーブルをもとに、プリンタログを取得するために近接無線通信部300、コントローラ部404、及びプリンタ部405へ電力供給が必要と判定する。上記S506において、近接無線通信部300への電源供給が必要と判定した場合(S506でYesの場合)、CPU306は、S509に処理を移行する。
【0063】
S509において、CPU306は、デバイス制御部308に対して、電源切り替え部201の電力供給元をB入力へ切り替え、近接無線部電源202によりAC入力から生成した電源を近接無線通信部300へ供給するように指示する。
【0064】
次に、S509において、CPU306は、上記携帯端末100から受信したコマンドと通電管理テーブルに基づいて、デバイス部400への電源供給が必要かどうかを判定する。
【0065】
次に、S510において、CPU306は、デバイス部400への電源供給が必要かどうかを判定する。上述のように、携帯端末100からプリンタログを取得するコマンドの場合、CPU306は、デバイス部400(ここではコントローラ部404、及びプリンタ部405)へ電力供給が必要と判定する。上記S510において、デバイス部400への電源供給が必要と判定した場合(S510でYesの場合)、CPU306は、S511に処理を移行する。
【0066】
S511において、CPU306は、デバイス制御部308に対して、通電管理テーブルで起動すべきと記載されていたデバイスを起動するように指示する。上記「スリープ時にプリンタログを取得する」場合、CPU306は、デバイス制御部308に対して、電源供給部401、402を起動させるための起動信号1、起動信号2を出力するように指示する。
【0067】
コントローラ部404が起動すると、S512において、CPU306は、コントローラ部404に、プリンタログの取得を指示する。この指示に応じて、コントローラ部404は、プリンタ部405と通信を行って動作のログ(プリンタログ)を取得し、該取得したプリンタログをCPU306へ送出する。上記S512の処理が終了すると、CPU306は、S508において、上記受信したコマンドのレスポンスとして、上記取得したデータを携帯端末100へ送信し、S501に処理を移行する。
【0068】
また、上記S510にて、CPU306はデバイス部400への電源供給が必要ないと判定した場合(S510でNoの場合)、S508において、上記コマンドに対応する処理を行い、該コマンドのレスポンスを携帯端末100へ送信し、S504に移行する。
【0069】
次に「スリープ時に復帰ボタンを押された」場合を説明する。これは図示しない操作パネルにあるスリープ解除ボタンを操作することでもスリープから復帰する場合である。
CPU306は、CPU306の起動要因がスリープ復帰であると判定した場合(S502で「スリープ復帰」の場合)、図示しないステップにおいて、復帰ボタンから起動したことを示すフラグをワークメモリ309へ記録し、S513に処理を進める。S513では、CPU306は、デバイス制御部308に対して、デバイス部400の全電源(電源供給部401、402、403)を起動させるための起動信号1、起動信号2、起動信号3を出力するように指示する。これにより、デバイス部400(コントローラ部404、プリンタ部405、リーダ部406)が起動する。
【0070】
次に、S513において、CPU306は、携帯端末100からのコマンドを待つ。そして、携帯端末100からのコマンドを受信したと判定した場合(S513で「受信」の場合)、CPU306は、S514において、上記コマンドに対応する処理を行い、該コマンドのレスポンスを携帯端末100へ送信し、S513に処理を移行する。
【0071】
以上示したように、実施例2では、スリープ状態において、近接無線部電源202からの近接無線通信部300への電力供給を停止する構成である。よって、実施例1の効果に加え、さらなる省電力を実現することができる等の効果を奏する。
【0072】
上記各実施例では、本発明をMFP、プリンタ等の画像形成装置に適用する場合を説明した。しかし、本発明は、近接無線通信部を有し、携帯端末100から情報取得又は設定を行うことができる情報処理装置であれば適用可能である。
【0073】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、上記各実施例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0074】
(他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施例の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施例及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。