特許第6238734号(P6238734)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6238734
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20171120BHJP
   B41J 29/40 20060101ALI20171120BHJP
   B41J 3/60 20060101ALI20171120BHJP
   B41J 25/20 20060101ALI20171120BHJP
   B41J 29/393 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   B41J29/38 Z
   B41J29/40 Z
   B41J3/60
   B41J25/20
   B41J29/393 101
【請求項の数】11
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-269675(P2013-269675)
(22)【出願日】2013年12月26日
(65)【公開番号】特開2015-123665(P2015-123665A)
(43)【公開日】2015年7月6日
【審査請求日】2016年12月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】安▲崎▼ 浩二
【審査官】 道祖土 新吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−108358(JP,A)
【文献】 特開平11−254793(JP,A)
【文献】 特開2012−187791(JP,A)
【文献】 特開2001−071605(JP,A)
【文献】 特開2008−036825(JP,A)
【文献】 特開2004−268572(JP,A)
【文献】 特開2009−083468(JP,A)
【文献】 特開2012−020578(JP,A)
【文献】 特開2008−149657(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/005766(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 3/60
B41J 25/20
B41J 29/393
B41J 29/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づく第1画像を連続シートの第1面に印刷する第1印刷部と、画像を読取る読取手段と、画像データに基づく第2画像を連続シートの第2面に印刷する第2印刷部を備える印刷システムの制御装置であって、
前記第1印刷部が連続シートの第1面に前記第1画像に対して不定期に挿入される制御用画像を印刷した場合、前記第1印刷部により前記制御用画像を識別可能な識別マークを前記連続シートの第1面に印刷させる第1制御手段と、
前記読取手段が第1面を印刷済みの連続シートに印刷された識別マークを読み取った場合、前記第2印刷部により前記連続シートの第2面に印刷する際に前記連続シートの制御用画像に対応する領域に前記第2画像を印刷させないように制御する第2制御手段と、を有することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記第2制御手段は、前記読取手段が第1面を印刷済みの連続シートに印刷された識別マークを読み取った場合、前記第2印刷部により前記連続シートの識別マークに対応する領域に印刷をさせないように制御することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第2制御手段は、前記読取手段が第1面を印刷済みの連続シートに印刷された識別マークを読み取った場合、前記第2印刷部により前記連続シートの制御用画像に対応する領域に前記第2印刷部のための制御用画像を印刷させるように制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記第1印刷部及び/又は前記第2印刷部は、記録ヘッドから記録剤を吐出させることで印刷を実行させるものであり、
前記不定期に挿入される制御用画像は、予備吐出パターン及び不吐監視パターンのうち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記識別マークは、複数の情報を保持可能なマークであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記読取手段により読み取った識別マークに基づいて、連続シートに印刷された画像を第2読取手段に読み取らせるか否かを制御する第3制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記第1印刷部及び前記第2印刷部のうち少なくとも一方を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項8】
画像データに基づく第1画像を連続シートの第1面に印刷する第1印刷部と、画像を読取る読取手段と、画像データに基づく第2画像を連続シートの第2面に印刷する第2印刷部を備える印刷装置の制御装置であって、
前記第1印刷部が連続シートの第1面に前記第1画像に対して不定期に挿入される制御用画像を印刷した場合、前記第1印刷部により前記制御用画像を識別可能な識別マークを前記連続シートの第1面に印刷させる第1制御手段と、
前記読取手段が第1面を印刷済みの連続シートに印刷された識別マークを読み取った場合、前記第2印刷部により前記連続シートの第2面に印刷する際に前記連続シートの制御用画像に対応する領域に前記第2画像を印刷させないように制御する第2制御手段と、を有することを特徴とする制御装置。
【請求項9】
画像データに基づく第1画像を連続シートの第1面に印刷する第1印刷部と、画像を読取る読取手段と、画像データに基づく第2画像を連続シートの第2面に印刷する第2印刷部を備える印刷装置の制御装置であって、
前記第1印刷部が連続シートの第1面に前記第1画像に対して不定期に挿入される制御用画像を印刷して、前記制御用画像を識別可能な識別マークを前記連続シートの第1面に印刷させ、前記読取手段が第1面を印刷済みの連続シートに印刷された識別マークを読み取った場合、前記第2印刷部により前記連続シートの第2面に印刷する際に前記連続シートの制御用画像に対応する領域に前記第2画像を印刷させないように制御する制御手段を有することを特徴とする制御装置。
【請求項10】
画像データに基づく第1画像を連続シートの第1面に印刷する第1印刷部と、画像を読取る読取手段と、画像データに基づく第2画像を連続シートの第2面に印刷する第2印刷部を備える印刷システムの制御方法であって、
前記第1印刷部が連続シートの第1面に前記第1画像に対して不定期に挿入される制御用画像を印刷した場合、前記第1印刷部により前記制御用画像を識別可能な識別マークを前記連続シートの第1面に印刷させ、
前記読取手段が第1面を印刷済みの連続シートに印刷された識別マークを読み取った場合、前記第2印刷部により前記連続シートの制御用画像に対応する領域に前記第2画像を印刷させないように制御することを特徴とする制御方法。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の制御装置の各手段としてコンピュータを機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロール紙のような連続紙に印刷を行うにあたり、複数の印刷装置を用いるものが知られている。特許文献1では、第1の印刷装置において、第2の印刷装置で印刷処理を制御するための複数の制御マークを画像データに基づく画像毎に印刷する。そして、第2の印刷装置では、その複数の制御用マークを読取って印刷処理を制御する。具体的には、制御用マークとして、表面と裏面との印刷開始位置のずれを調整するTOFマーク、表面に印刷した印刷データと裏面に印刷した印刷データとの不整合を調整する重連マークが記載されている。また、他の制御用マークとして、表面及び裏面に印刷する印刷データの色ずれを調整するカラーレジマーク、後処理装置において裁断を行う位置を示す後処理用マークが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−149657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のものでは、用紙情報に基づいて、各マークの印刷出力位置を設定して印刷処理を行う。このため、例えば、インクジェット方式で印刷を行う場合、予備吐パターンや不吐監視パターン等の不定期なパターン画像が挿入されると対応することができないという問題があった。
【0005】
本発明は上述した事情に鑑み、パターン画像などが不定期に挿入された場合であっても第1面及び第2面の位置合わせを行うことができる制御装置、制御方法、及びプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る制御装置は、画像データに基づく第1画像を連続シートの第1面に印刷する第1印刷部と、画像を読取る読取手段と、画像データに基づく第2画像を連続シートの第2面に印刷する第2印刷部を備える印刷システムの制御装置であって、前記第1印刷部が連続シートの第1面に前記第1画像に対して不定期に挿入される制御用画像を印刷した場合、前記第1印刷部により前記制御用画像を識別可能な識別マークを前記連続シートの第1面に印刷させる第1制御手段と、前記読取手段が第1面を印刷済みの連続シートに印刷された識別マークを読み取った場合、前記第2印刷部により前記連続シートの第2面に印刷する際に前記連続シートの制御用画像に対応する領域に前記第2画像を印刷させないように制御する第2制御手段と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、制御用パターンなどが不定期に挿入された際に第1面及び第2面の位置合わせを行うことができる。また、第1の印刷装置により第1面へ印刷を行った際に、画像データに基づく画像以外の画像が不定期に挿入された場合であっても、再スケジュールを行う必要がなく、処理負荷を軽減でき、第1面と第2面の画像の整合性を取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態1に係る印刷システムの構成を示す図である。
図2】実施形態1に係る印刷システムにおけるコントローラの構成を説明するためのブロック図である。
図3】実施形態1に係る印刷システムにおけるエンジンの構成を説明するためのブロック図である。
図4】連続シートの第1面及び第2面に印刷するパターンの一例を示した図である
図5】実施形態1に係る印刷システムの第1印刷装置が第1面の印刷を実行する際のフローチャートである。
図6】実施形態1に係る印刷システムの第2印刷装置が、第2面の印刷を実行する際のフローチャートである。
図7】実施形態1に係る印刷システムでスキャンを実行する際のフローチャートである。
図8】実施形態1に係る印刷システムの第1印刷装置において作成される印刷テーブル例である。
図9】識別マーク仕様の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、この実施の形態で用いる装置の各構成要素の相対配置、装置形状等は、あくまで例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0010】
図1は、本実施形態の一例となる印刷システムの概略構成を示す図である。本実施形態に係る印刷システムは、第1印刷装置119、第2印刷装置120、給紙ユニット101、反転ユニット108、巻取りユニット116、コントローラ117、及びホストコンピュータ118を備える。この印刷システムでは、被記録媒体としてロールシート(搬送方向において印刷単位(1ページ)の長さよりも長い連続した連続シート)を用いる。
【0011】
本実施形態において、第1印刷装置119、第2印刷装置120は、それぞれ印刷機能のみを有するものとするが、これに限定されるものではない。例えば、原稿上の画像を読取る読取装置をさらに備えて複写機として機能するものであってもよく、他の機能を備える複合装置であってもよい。また、本実施形態では、印刷処理を行う被記録媒体(記録シートともいう)としてロールシートを例に説明するが、同一面への複数ページ分の印刷を途中で切断せずに続けて行える長尺の連続シートであれば、ロール状となったものには限らない。また、連続シートの切断は、印刷装置が自動的に切断するものであってもよいし、ユーザがマニュアル指示を行って切断するものであってもよいし、後工程で切断してもよい。被記録媒体の材質も紙には限らず、印刷処理可能なものであれば種々のものを用いることができる。また、印刷装置は、連続シートへの印刷のみではなく、所定のサイズに予めカットされたカットシートへの印刷をも可能な印刷装置としてもよい。また、印刷方式は後述する画像印刷用液体インクを用いたインクジェット方式による画像の印刷には限らない。記録剤として固形インクを用いてもよいし、トナーを用いた電子写真方式や昇華方式など種々のものを採用可能である。また、複数色の記録剤を用いたカラー記録を行うものには限らず、黒色(グレーを含む)のみによるモノクロ記録を行うものとしてもよい。また、印刷は、可視画像の印刷には限らず、不可視もしくは視認が困難な画像の印刷としてもよいし、一般的な画像以外の、例えば配線パターン、部品の製造における物理的パターン、DNAの塩基配列等のプリントなど種々のものの印刷としてもよい。つまり、記録剤を被記録媒体に付与可能なものであれば種々のタイプの記録装置に適用可能である。第1印刷装置119は、連続シートの搬送方向上流側に位置し、第2印刷装置120は、搬送方向下流側に位置する。給紙ユニット101は、連続シートであるロールシートを第1印刷装置119に供給し、巻取ユニット116は、印刷完了したシートを第2印刷装置120から巻き取る。シート反転ユニット108は、第1印刷装置119から出力されたシートの表裏反転を行う。スキャナユニット115は、第2印刷装置120で印刷完了した画像を光学的に読み取って画像内容を確認する。コントローラ117は、第1印刷装置119及び第2印刷装置120の制御や、印刷データに対してRIP処理を行う。印刷データとは、例えば、印刷対象の画像データである。
【0012】
ネットワーク133は、コントローラ117や、コントローラ117に対してジョブデータを送るためのホストコンピュータが接続される。ネットワーク133は、有線であっても無線であってもよい。
【0013】
ホストコンピュータ118は、コントローラ117にネットワーク133を介して印刷ジョブデータを送信する。ホストコンピュータ118は、印刷する画像の選択や印刷サイズ、レイアウト等の設定を行って印刷ジョブデータを作成する。図1では、ホストコンピュータ118として、ネットワーク133に接続されたホストコンピュータを示しているが、これに限定されるものではなく、コントローラ117に直接接続されているホストコンピュータであっても良い。また、コントローラ117は、ホストコンピュータ118から印刷ジョブデータを取得するものとしたが、これに限定されず、例えば、USBメモリ等の可搬メディアから印刷ジョブを取得しても良い。ホストコンピュータ118は、送信した印刷ジョブの進捗状態を、コントローラ117、第1印刷装置119、第2印刷装置120から取得し、管理を行う。
【0014】
コントローラ117は、ホストコンピュータ118からジョブデータを受信し、ジョブデータに対して各印刷装置が扱えるラスタイメージ形式に変換するRIP処理を行う。そして、データ用通信インターフェース(IF)127及び128を介して、第1印刷装置119、第2印刷装置120に印刷データを送信する。データ用通信IF127及び128は、光ファイバ等の高速データ送受信が可能なインターフェースにより構成されており、コントローラ117から第1印刷装置119、第2印刷装置120に対して大量の印刷データを送信可能である。なお、ホストコンピュータ118からの印刷ジョブの受付、RIP処理を、コントローラ117の1台で行っているが、印刷ジョブの受付を別のコンピュータで行うようにしても良いし、RIP処理を別のコンピュータで行うようにしても良い。また、サーバ構成のように、内部のブレード毎に印刷ジョブ受付やRIP処理を行うように処理を分離しても良い。また、RIP処理を各印刷装置で行わせてもよいが、ここでは各印刷装置はRIP済みの印刷データを受け取るものとして説明する。以上のように、ホストコンピュータ118、ネットワーク133、コントローラ117の構成は、図1に示す形態に限定されるものではない。
【0015】
また、コントローラ117は、制御用通信IF129、130、131、132を介して、第1印刷装置119、第2印刷装置120、給紙ユニット101、巻取ユニット116に制御コマンドを送信し、各装置の制御を行う。また、コントローラ117は、制御用通信IF131及び132を介して、第1印刷装置119および第2印刷装置120に印刷ジョブの情報や、印刷や制御に必要な各種設定データを送信する。また、コントローラ117は、第1印刷装置119および第2印刷装置120から、各印刷装置の状態や、印刷ジョブが印刷中か印刷終了か等の進捗情報を取得する。
【0016】
第1印刷装置119は、データ用通信IF127を介して、コントローラ117からRIP処理済の印刷データを受信する。第1印刷装置119は、シートに印刷された各種マークを読み取る読取センサ102、各色に対応した記録ヘッド105、記録ヘッド105にインクを供給する各色に対応したインクタンク106を含む。また、第1印刷装置119は、シート上に印刷された画像のインクを乾燥させる乾燥ユニット107、操作ユニット103を含む。操作ユニット103は、ユーザが種々の指示操作を行ったり、ユーザに種々の情報を通知したりするためのユニットである。例えば、ユーザは、画像が印刷中か印刷終了かなど、オーダー毎の印刷状況の確認を行うことができる。また、ユーザは、インク残量やシート残量等の装置の各種状態の確認、記録ヘッド位置の調整値やレジ調整値の入力、記録ヘッドの回復動作等の装置メンテナンスの実行などを指示することができる。第1印刷装置119は、制御ユニット121、記録材の搬送量及び搬送状態を制御するエンコーダ123や搬送ローラー125を含む。制御ユニット121は、コントローラ(CPUまたはMPU)やユーザインターフェース情報の出力器(表示情報や音響情報などの発生器)、各種I/Oインターフェースを備えた制御部を内蔵し、第1印刷装置119全体を統括的に制御する。第1印刷装置119の構成は、これに限定されるものではなく、例えば、必要に応じてユニットやセンサ等が追加されても良い。
【0017】
第2印刷装置120は、データ用通信IF128を介して、コントローラ117から印刷データを受信する。第2印刷装置120は、シートに印刷された各種マークを読み取る読取センサ109、各色に対応した記録ヘッド112、記録ヘッド112にインクを供給する各色に対応したインクタンク113を含む。また、第2印刷装置120は、シート上に印刷された画像のインクを乾燥させる乾燥ユニット114、操作ユニット110を含む。操作ユニット110は、ユーザが種々の指示操作を行ったり、ユーザに種々の情報を通知したりするためのユニットである。例えば、ユーザは、画像が印刷中か印刷終了かなど、オーダー毎の印刷状況の確認を行うことができる。また、ユーザは、インク残量やシート残量等の装置の各種状態の確認、記録ヘッドの位置調整値やレジ調整値の入力、記録ヘッドの回復動作等の装置メンテナンスの実行などを指示することができる。第2印刷装置120は、制御ユニット122、記録材の搬送量及び搬送状態を制御するエンコーダ123や搬送ローラー126を含む。制御ユニット122は、コントローラ(CPUまたはMPU)やユーザインターフェース情報の出力器(表示情報や音響情報などの発生器)、各種I/Oインターフェースを備えた制御部を内蔵し、第2印刷装置120全体を統括的に制御する。第2印刷装置120の構成は、これに限定されるものではなく、例えば、必要に応じてユニットやセンサ等が追加されても良い。本実施形態では、第1印刷装置119と第2印刷装置120を同一の構成としているが、第1印刷装置119のみ給紙ユニット101の制御を行う制御基板を搭載するといったように、互いに異なる構成にしてもよい。
【0018】
また、本実施形態では、第1印刷装置119と第2印刷装置120を同一の構成としているが、第1印刷装置119のみ給紙ユニット101の制御を行う制御基板を搭載するといった、異なる構成にすることも可能であり、本実施形態の構成に限定されるものではない。
【0019】
給紙ユニット101は、シートを第1印刷装置119に搬送する制御を行う。ユーザはシートを給紙ユニット内の制御バーに装着してから給紙ユニット本体に装填する。給紙ユニット101は、コントローラ117から制御用通信IF129を通じて給紙開始の指示を受け、用紙搬送を開始する。また、搬送速度の誤差を吸収するループ作成制御部104を備え、搬送速度の調整を行う。給紙ユニット101にループ制御部を設けたが、これに限定されず、例えば、第1印刷装置119の中に、搬送速度を吸収するループ制御部を設けてもよい。給紙ユニット101から引き出されたシートは図中a方向に搬送され、第1印刷装置119に到達する。本実施形態では、給紙ユニットとしてシートの構成を示したが、上述したように、カットシートを給紙するもの、ロール状ではない連続のシートの給紙となったものであってもよい。第1印刷装置119では、コントローラ117から受信した印刷データに従って、画像の印刷を行う。記録ヘッド105では複数色分の独立した記録ヘッドがシートの搬送方向に沿って保持されている。本実施形態では、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、LC(ライトシアン)、LM(ライトマゼンタ)、G(グレー)、K(ブラック)の7色に対応したライン型の記録ヘッドである。なお、記録ヘッド105は、これら以外の色に対応しても良く、これらの全てに対応していなくとも良い。第1印刷装置119では、シート(記録材)の搬送に同期させて、記録ヘッド105からインクを吐出させてシート上に画像を形成する。なお、記録ヘッド105は、インクの吐出先が搬送ローラー125と重ならない位置に配置されている。本実施形態では、インクをシートに直接吐出させる構成としたが、これに代えて、中間転写体にインクを付与した後、そのインクをシートに付与することによって画像を形成させる構成であってもよい。
【0020】
インクタンク106は各色のインクを独立して貯蔵する。インクタンク106からはチューブによって各色に対応して設けられたサブタンク(図示せず)までインクが供給され、サブタンクから各記録ヘッド105までチューブを介してインクが供給される。記録ヘッド105は、印刷時の搬送方向a方向に沿って各色(本実施形態では7色)のラインヘッドが並んでいる。各色のラインヘッドは、継ぎ目無く単一のノズルチップで形成されたものであってもよいし、分割されたノズルチップが一列又は千鳥配列のように規則的に並べられたものであってもよい。本実施形態では、本装置が使用可能な最大サイズのシートの印刷領域の幅分をカバーする範囲にノズルが並んでいる所謂フルマルチヘッドとする。ノズルからインクを吐出するインクジェット方式は、発熱素子を用いた方式、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、MEMS素子を用いた方式等を採用することができる。印刷データに基づいて各ヘッドのノズルからインクが吐出されるが、吐出のタイミングは搬送用エンコーダ123の出力信号によって決定される。なお、本実施形態では、記録剤としてインクを用いたインクジェット方式のプリンタの例を記載したが、これに限定されない。サーマルプリンタ(昇華型、熱転写型など)、ドットインパクトプリンタ、LEDプリンタ、レーザープリンタなどの電子写真方式など、様々な印刷方式のプリンタであってもよい。
【0021】
シートに画像が形成された後、当該シートは乾燥ユニット107まで搬送される。乾燥ユニット107は、インクが付与されたシートを短時間で乾燥させるために、ユニット内を通過するシートを温風(加温された気体(空気))で加熱するユニットである。なお、乾燥の方法は温風を用いるのに代え、冷風、ヒーターによる加温、待機させることのみによる自然乾燥、紫外光等の電磁波の照射など種々のものとしてもよい。
【0022】
シートに印刷された画像の乾燥完了後は、反転ユニット108まで搬送される。反転ユニット108では、第1印刷装置119で印刷した第1面の画像の裏面に印刷をさせるべく、シート上下の反転を行う。反転されたシートは、搬送速度の誤差を吸収するループ作成制御部111を経由し、第2印刷装置120に到達する。反転ユニット108の後ろにループ制御部を設けているが、第2印刷装置120の中に、搬送速度を吸収するループ制御部があってもよい。
【0023】
なお、反転ユニット108は取り外し可能である。後述するフローのように片面印刷を行う場合は、反転ユニット108を取り外し、第1印刷装置119、第2印刷装置120の両方で第1面に対して印刷する構成にすることが可能である。
【0024】
第2印刷装置120では、コントローラ117から受信した印刷データに従って画像印刷を行う。最初にマーク読取センサ109で、第1面に印刷されている位置検出や、第1面にどのような画像が印刷されているかの画像識別用に印刷されているマークを読取って、第1面に対応する第2面の画像の確定や第2面画像印刷開始位置の決定を行う。読取センサ109で読み取った結果に応じて、第2面への印刷画像、印刷タイミングを計る。記録ヘッド112、インクタンク113、乾燥ユニット114は、それぞれ第1印刷装置119の記録ヘッド105、インクタンク106、乾燥ユニット107と同様の構成のため、説明を省略する。同様に、搬送用エンコーダ124、搬送ローラー126は、それぞれ第1印刷装置119の搬送用エンコーダ123、搬送ローラー125と同様の構成のため、説明を省略する。
【0025】
シートは、印刷された画像の乾燥完了後、スキャナユニット115まで搬送される。スキャナユニット115では、2本のスキャナセンサが相対向するように配置されて同時にシートの両面を読取可能となっており、シート両面に印刷された画像を同時に読取り確認を行う。シート上の印刷画像や特殊パターンを光学的に読取って印刷画像に問題がないかどうかの確認や、インクの吐出状態を含む本装置の状態確認等を行う。本実施形態では、画像の確認方法において、ヘッドの状態を確認するためのパターンを読み込むことによるインクの吐出状態を確認するものでもよいし、元画像との比較を行うことによる印刷の成否を確認するものでもよい。確認の方法は種々のものの中から適宜選択することが可能である。また、画像の状態や、装置の状態を確認した際にNG(No Good)と判断した場合には、当該画像に対してパンチで穴を開ける、しるしをつける等行い、どの画像の状態がNGであるか、確認できるようにする。本実施形態では、第2印刷装置120の下流側に配置されるスキャナユニット115においてスキャナセンサを2本搭載して両面を同時に読み取っているが、これに限定されるものではない。例えば、第1印刷装置119のすぐ後ろに1本目のスキャナを配置し、第1面の印刷画像のスキャンを行い確認し、第2印刷装置120の後ろに2本目のスキャナを配置し、第2面の印刷画像のスキャン(読み取り)を行い確認するといった構成でもよい。また、スキャナで読取りを行っているが、カメラのようなエリアセンサを使用しているもので読み取ってもよい。スキャン完了後のシートは、巻取りユニット116まで搬送される。
【0026】
巻取りユニット116は、第2印刷装置120から排出された印刷済みのシートを巻き取る制御を行う。巻取りユニット116は、コントローラ117から制御用通信IF130を通じて巻取り指示があってから巻取り動作を開始し、両面が印刷されたシートの巻取りを行う。なお、本実施形態に示す印刷システムは片面印刷、両面印刷いずれも可能なシステムである。片面印刷の場合は、第1印刷装置119で印刷を行ってもよいし、第2印刷装置120で印刷を行ってもよいし、ジョブ単位やページ単位、さらには1ページ内の画像単位で第1印刷装置119と第2印刷装置120で役割分担してもよい。両面印刷の場合は、第1印刷装置119で第1面の印刷、第2印刷装置120で第2面の印刷をするようにしてもよいし、第1印刷装置119で第2面の印刷、第2印刷装置120で第1面の印刷をするようにしてもよい。
【0027】
また、本実施形態では2台の印刷装置によって構成される印刷システムについて説明したが、これに限定されない。3台以上の印刷装置を重連接続してもよいし、重連接続された2台の印刷装置のセットが複数あり、1つのコントローラ117によって制御される構成でもよい。
【0028】
図2は、本実施形態で適用するコントローラ117における制御の構成を説明するためのブロック図である。図において、コントローラ117は、メイン制御部201と画像処理部212を含む。これらはシステムバス211で接続される。
【0029】
メイン制御部201はコントローラ117の主制御部である。メイン制御部201は、ホストコンピュータ118から供給されるジョブデータを画像処理部212で印刷データ(ラスタイメージデータ)に変換させる。さらに、メイン制御部201は制御用通信IF208およびデータ用通信IF207を介して接続される第1印刷装置119と第2印刷装置120の印刷制御を行う。メイン制御部201は、ジョブ管理用通信IF202、CPU203、ROM204、RAM205、HDD206、データ用通信IF207、制御用通信IF208、及びUI−IF209を有する。これらは、システムバス211で接続される。
【0030】
画像処理部212は、メイン制御部201と同様にCPU、ROM、およびRAMを有する。
【0031】
ジョブ管理用通信IF202は、ホストコンピュータ118から供給される印刷ジョブやその他のコマンド、更にステータス信号等の送受信を行う。CPU203は、各種演算を行い、コントローラ117全体を統括的に制御する。ROM204は、CPU203が実行する各種制御プログラムや固定データを記憶する。RAM205は、CPU203が各種演算および制御を行う際の作業エリアとして用いられる。HDD206は、ホストコンピュータ118から供給される印刷ジョブや所要のテーブル、および画像処理部212から得た印刷データ等を一時的に格納する領域である。データ用通信IF207は、HDD206に格納された印刷データを第1印刷装置119と第2印刷装置120へ送信するためのインターフェースである。制御用通信IF208は、第1印刷装置119及び第2印刷装置120との間で、制御コマンドやステータス信号等を送受信するためのインターフェースである。UI−IF209は、操作パネル210との間でコマンド等を送受信するためのインターフェースである。
【0032】
操作パネル210は、ユーザが第1印刷装置119と第2印刷装置120を操作して印刷設定等を行うための入力装置である。さらに、操作パネル210は、第1印刷装置119と第2印刷装置120のステータス等をユーザに通知するための表示装置の役割も果たす。操作パネル210は、メイン制御部201のUI−IF209を介してシステムバス211に接続されている。
【0033】
画像処理部212は、メイン制御部201から受信した制御コマンドに応じて、印刷ジョブの色空間(例えば、YCbCr)から、標準的なRGB色空間(例えば、sRGB)に変換する。また、有効な画素数への解像度変換、画像解析、画像補正等、様々な画像処理が必要に応じて実行される。これらの画像処理によって得られた印刷データは、HDD206に格納される。
【0034】
図3は、第1印刷装置119および第2印刷装置120の制御構成を示すブロック図である。なお、本実施形態では第1印刷装置119と第2印刷装置120は同じ構成を持つものとして記載するが、異なる構成であってもよい。
【0035】
第1印刷装置119および第2印刷装置120は、制御用通信IF301、データ用通信IF302、エンジン制御部310、ヘッド制御部303、モータ制御部304、読取制御部305、操作部306をそれぞれ含む。これらの構成要素はシステムバス307によって接続されている。図3に示すエンジン制御部310、ヘッド制御部303、モータ制御部304、読取制御部305は、制御ユニット121および122にそれぞれ含まれる。また、操作部306は、操作ユニット103および110にそれぞれ含まれる。制御用通信IF301およびデータ用通信IF302は、第1印刷装置119および第2印刷装置120をコントローラ117と接続するためのインターフェースである。制御用通信IF301は、コントローラ117から制御コマンドやステータス信号等を受信するためのインターフェースである。データ用通信IF302は、コントローラ117から印刷データを受信するためのインターフェースである。
【0036】
エンジン制御部310は、CPU311、ROM312、RAM313、HDD314から構成され、これらの構成要素はシステムバス307によって接続されている。
【0037】
CPU311は、各種演算を行い、第1印刷装置119又は第2印刷装置120全体を制御する。ROM312は、CPU311が実行する各種制御プログラムや印刷装置の各種動作に必要な固定データを格納する。RAM313は、CPU311の作業エリアとして用いられたり、種々の受信データの一時格納領域として用いられたり、各種設定データを記憶させたりする。HDD314は、印刷装置の各種動作に必要なパラメータや所要のテーブル等を記憶する。
【0038】
エンジン制御部310は、制御用通信IF301を介してコントローラ117から受信した制御コマンドに応じて、ヘッド制御部303、モータ制御部304、および読取制御部305の制御を行い、印刷データを被記録媒体に記録する。ヘッド制御部303は、システムバス307を介してエンジン制御部310から受信した制御コマンドと、データ用通信IFを介してコントローラ117から受信した印刷データに応じて、記録ヘッド105および112の駆動制御を行う。それにより、印刷データを被記録媒体に記録する。
【0039】
モータ制御部304は、システムバス307を介してエンジン制御部310から受信した制御コマンドに応じて、ステッピングモータ等を駆動させて搬送ローラー125および126の駆動制御等、搬送機構の制御を行う。
【0040】
読取制御部305は、システムバス307を介してエンジン制御部310から受信した制御コマンドに応じて、センサ102および109を用いて被記録媒体上に印刷されたマーク等の検出を行う。
【0041】
操作部306は、ユーザとの入出力IFであり、ハードキーやタッチパネルの入力部、および情報を提示するディスプレイや音声発生器などの出力部を含む。操作部306は、印刷装置の各種動作に必要なパラメータ設定や、印刷状態や使用用紙の表示等を行う。
【0042】
なお、本実施形態では、エンジン制御部310がコントローラ117から受信した制御コマンドに応じて、ヘッド制御部303、モータ制御部304、および読取制御部305の制御を行うものとして記載したが、これに限定されるものではない。例えば、各制御部間で制御コマンドの送受信をしてもよいし、コントローラ117から各制御部が直接制御コマンドを受信してもよい。
【0043】
また、本実施形態では、ヘッド制御部303がコントローラ117から印刷データを直接受信するものとしたが、これに限定されるものではない。例えば、エンジン制御部310がコントローラ117から印刷データを受信し、システムバス307を介してエンジン制御部310からヘッド制御部303へ印刷データを送信してもよい。
【0044】
図4は、シートの第1面及び第2面に印刷する画像パターン例を示した図である。画像印刷パターン群439は、第1印刷装置119において第1面を印刷する際の通常画像、及び制御用パターンを印刷する際の印刷パターン例である。ここで、通常画像とは、画像データ(本実施形態では、ジョブデータ)に基づく、ユーザに提供されるべき画像を指し、制御用パターンとは、画像データに基づく画像以外の印刷装置が制御に用いるパターン画像である。制御用パターンは、不定期に挿入されるものであり、例えば、画像のライン数やドットカウントが所定の閾値以上となった場合に、挿入される。すなわち、画像(例えば、画像数)に対して必ずしも定期的に挿入されるものではなく、例えば、画像の大きさや画像の濃度が異なる場合、画像に対して不定期に挿入される。なお、画像の大きさが一定である場合などは、画像に対して定期的に挿入されることもある。
【0045】
本実施形態では、制御用パターンとしては、識別マーク、カットマーク、先端予備吐パターン、予備吐パターン、不吐監視パターンを例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。なお、先端予備吐パターン、予備吐パターン、及び不吐監視パターンは、第1印刷装置又は第2印刷装置の制御に使用するパターンであり、通常画像に対して不定期に挿入される。以下、先端予備吐パターン、予備吐パターン、及び不吐監視パターンは、「制御用画像」ともいう。
【0046】
通常画像は、コントローラ117でRIPを行い、RIP済みデータを受信した第1印刷装置119又は第2印刷装置120がそのデータを印刷することで形成される。
【0047】
予備吐とは、インクを正常に吐出させるようにするための予備吐出であり、画像データに基づく画像を印刷するためにインクを吐出する前に予備吐パターンを用いて実行する。また、予備吐パターンは、予備吐出を行うために形成したパターンであり、ROM312に保存されている。先端予備吐とは、シートの先端に印刷する予備吐出である。先端予備吐パターンは、HDD314内にあらかじめ保持してあるパターンであり、用紙先端に印刷を行うパターンである。なお、画像間に行われる予備吐は、ランダム、又はある一定間隔(例えば、所定の搬送距離毎、所定のインク使用量毎等)で行うことで、画像の品質を保つことができる。なお、予備吐パターンは、HDD314に保存されていてもよい。
【0048】
不吐監視パターンは、記録ヘッドの各ノズルに不吐が発生していないか確認するための確認パターンであり、制御用パターンの一つである。なお、不吐監視パターンは、ヘッド一色毎に専用のパターンをHDD314内にあらかじめ保持してあり、第1印刷装置119又は第2印刷装置120が、不吐監視印刷パターンの印刷指示を受けると、パターン印刷を行う。なお、不吐監視パターンは、ROM312に保存されていてもよい。
【0049】
カットマークは、後工程でカットさせる箇所を特定するために印刷されるマークであり、HDD314内にあらかじめ保持されている。本実施形態では、カットマークは、画像間に挿入されるものと、画像データ中に含まれ、通常画像と同時に印刷を行うものとがある。なお、マークの形状はどのようなパターンでもよく、丸い形や三角の形などでもよく、後工程で読み取れる形であればどのような形状でも構わない。
【0050】
識別マークは、画像を識別可能なマークであり、識別したい画像の前又は後に印刷され、本実施形態では、識別したい画像の直前に印刷する。識別マークは、例えば、バーコードやそれに代わるものである。識別マークは、HDD314内にあらかじめ保持されており、識別したい画像に応じて埋め込む情報を変更して生成される。例えば、通常画像を識別したい場合には、通常画像を識別するための識別マークを通常画像を印刷する直前に挿入して印刷する。また、制御用画像を識別したい場合には、制御用画像を識別するための識別マークを制御用画像を印刷する直前に挿入して印刷する。本実施形態では、通常画像を識別するマークと、制御用画像を識別するマークは同一形態のマーク(例えば、バーコード等)であり、埋め込む情報のみを変更する。識別マークの形態は、バーコードに限定されるものではなく、複数の情報を埋め込めるマーク(複数の情報を保持可能なマーク)であれば、どのような形態でも構わない。
【0051】
本実施形態では、図4に示すように、画像印刷パターン群439を連続シートの第1面に印刷する。具体的には、まず、連続シートの第1面に、先端予備吐401、カットマーク402、識別マーク403、通常画像404、カットマーク405、識別マーク406、予備吐出パターン(以下、予備吐パターンという)407、カットマーク408の順に印刷を行う。
【0052】
識別マーク403は、通常画像404の直前に印刷され、その後に印刷される画像が通常画像であることを識別可能とする。通常画像は、第1印刷装置119で受信したRIP済みデータに基づく画像である。識別マーク406は、識別マーク403と同様又は異なるマークで、制御用画像の一つである画像間の予備吐パターンを識別可能なマークであり、予備吐パターンが印刷される直前に印刷される。ただし、識別マーク406と識別マーク403でマーク種別自体は同様であったとしても埋め込まれている情報は異なるものである。カットマーク408は、後工程で予備吐パターン407のような制御用画像をカットさせるためのカットマークである。カットマーク408は、後工程でカット可能なマークであればよく、カットマーク405と同様のマークでもよいし、後工程で制御用画像を分離するために異なるマークとしてもよい。
【0053】
さらに、シートの第1面には、識別マーク409、通常画像410、カットマーク437、識別マーク411、予備吐パターン412、カットマーク413、識別マーク414、不吐監視パターン415、カットマーク416、識別マーク417の順に印刷を行う。
【0054】
識別マーク409は、識別マーク403と同様に通常画像を識別するためのマークである。識別マーク409は、識別マーク403と完全一致していてもよいが、本実施形態では、完全一致ではなく、埋め込まれている詳細情報は異なるものとした。カットマーク437は、通常画像410を後工程でカットするためのカットマークである。識別マーク411は、その直後に印刷される画像間の予備吐パターン412を識別するためのマークである。カットマーク413は、予備吐パターン412を後工程でカットするためのカットマークである。識別マーク414は、不吐監視パターン415を識別するためのマークである。不吐監視パターン415は、印刷用ヘッド105に不吐が発生していないか確認するための確認パターンである。カットマーク416は、不吐監視パターン415を後工程でカットするためのカットマークである。
【0055】
図4に示す予備吐パターン412、不吐監視パターン415のように、制御用画像が連続して配置される場合には、カットマーク413をなくし、カットマーク416だけにしてもよい。すなわち、カットマーク413を挿入せず制御することもできる。
【0056】
識別マーク417は、欠陥領域418を識別するためのマークである。識別マーク417は、他の識別マーク406,411,414と同様もしくは異なるマークであり、欠陥領域を検出すると直前にこのマークの印刷を行う。欠陥領域418は、連続シートの印刷することができない欠陥領域である。次に、連続シートの第2面への印刷について説明する。連続シートの第2面への印刷は、画像印刷パターン群439に対応する。本実施形態では、図4に示すように、画像印刷パターン群440を連続シートの第2面に印刷する。具体的には、図4に示すように、連続シートの第2面に、先端予備吐419、通常画像422、カットマーク423、予備吐パターン425、通常画像428、カットマーク438の順に印刷を行う。さらに、予備吐パターン430、不吐監視パターン433の順に印刷を行う。
【0057】
先端予備吐パターン419は、先端予備吐パターン401に対応する位置に印刷する。すなわち、第2面において、第1面の先端予備吐パターン401と同様の位置に印刷する。そして、カットマーク402に対応する位置には、余白420を挿入する。また、識別マーク403に対応する位置には、余白421を挿入する。カットマークは、いずれか一方の面に印刷されていればよく、また、識別マーク403は、第1面に印刷されていればよいためである。なお、ここでいう余白は、印刷を行わない(インクを付与しない)部分を指す。
【0058】
そして、読み取りセンサ109が識別用マーク403を読取って、第1面のその次の領域が通常画像であることを識別すると、識別用マーク403を認識した後からモータ制御部304で規定ステップ数分を搬送する。その後、通常画像404に対応する位置に通常画像422を印刷する。カットマーク423は、カットマーク405同様に423に付随している後工程でカットできるカットマークである。そして、識別マーク406に対応して余白424を挿入する。読み取りセンサ109が識別マーク406を読取って、第1面のその次の領域に画像間の予備吐パターンが印刷されていることが識別されると、画像間予備吐パターン407に対応してその反対面に画像間予備吐パターン425を印刷する。
【0059】
そして、カットマーク408に対応する位置には、余白426を挿入し、識別マーク409に対応する位置には余白427を挿入する。
【0060】
読み取りセンサ109が識別用マーク409を読取って、第1面のその次の領域が通常画像であることを識別すると、識別用マーク409を認識した後からモータ制御部304でシートを所定量(ステッピングモータであれば、規定ステップ数分)を搬送させる。その後、通常画像410に対応する位置に通常画像422を印刷する。そして、識別マーク411に対応する位置に余白429を挿入する。
【0061】
読み取りセンサ109が識別マーク411を読取って、第1面のその次の領域が画像間予備吐パターンであることが識別されると、画像間予備吐パターン430を挿入する。そして、カットマーク413に対応する位置に余白431を挿入し、識別マーク414に対応する位置に余白432を挿入する。
【0062】
読み取りセンサ109が識別マーク414を読取って、第1面のその次の領域が不吐監視パターンであることを識別すると、不吐監視パターン415に対応するその反対面の位置に不吐監視パターン433を印刷する。そして、カットマーク416に対応する位置には余白434を挿入し、識別マーク417に対応する位置には余白435を挿入する。
【0063】
読み取りセンサ109が識別マーク417を読取って、第1面のその次の領域が欠陥領域であることを識別すると、欠陥領域418に対応する位置に欠陥領域分の余白436を挿入する。
【0064】
本実施形態では、第1面に印刷されているカットマークや識別マークの第2面は余白を挿入するものとしたが、これに限定されるものではない。例えば、装置状態を保つための予備吐パターンを挿入、画像確認用のパターンを印刷するといった処理を行ってもよい。
【0065】
ここで、本実施形態では、予備吐パターンや不吐監視パターンは、印刷ライン数によって定期的に挿入される。例えば、15000ライン(600dpi換算)印刷した場合に予備吐パターンを挿入、30000ライン(600dpi換算)印刷したら不吐監視パターンを挿入といったように、定期的に制御用パターン挿入を行う。予備吐パターンを上述した設定で実行する場合、15000ラインを超えない範囲で、通常画像間に次の予備吐パターンを挿入する。したがって、通常画像の長さによっては、前回のパターンから14000ラインで挿入される場合や、10000ラインで挿入される場合もある。一方、不吐監視パターンの場合も同様で、30000ラインを基準にそのラインを超えない範囲で、通常画像間に次の不吐監視パターンを挿入する。したがって、通常画像の長さによっては、前回のパターンから20000ラインで挿入される場合や、28000ラインで挿入される場合もある。上述したように、定期頻度で制御用パターン挿入するように設定するが、挿入するタイミング(ライン数)は画像長さ等状況に応じて変化するため、制御用パターンは不定期に挿入される。すなわち、制御用パターンが挿入されるタイミングは、通常画像の数に対して不定期であり、単純に予測することができるものではない。
【0066】
本実施形態では、第1印刷装置で連続シートの第1面に印刷を行い、第2印刷装置でその連続シートの第2面に印刷を行うことにより、両面印刷を行う。このため、第1印刷装置が印刷する通常画像と、第2印刷装置が印刷する通常画像は、印刷ライン数が同じとなる。したがって、第1印刷装置が予備吐パターンや不吐監視パターンを挿入したタイミングと同じタイミングで第2印刷装置も予備吐パターンや不吐監視パターンを挿入すればよい。
【0067】
図5は、第1印刷装置で第1面の印刷画像に識別マークを挿入する際のフローチャートである。この処理は、第1印刷装置119のCPU311がROM312に格納されたプログラムをRAM313にロードすることにより実行される。
【0068】
S501で第1面に印刷を行うためにどの画像をどの順番で印刷するかといった印刷テーブルを作成する。S502で、印刷開始すると、まず、先端予備吐パターンを印刷する。S503で、印刷テーブルに記載されている画像順に印刷を行う。
【0069】
S504で、次に印刷する画像が通常画像であるか判定する。ここで、本実施形態では、次に印刷する画像の判定を行ったが、2以上先の画像の判定を行うようにしてもよい。通常画像であれば、S508へ進み、通常画像用の識別マークを作成し、S512で印刷テーブルの通常画像の直前に登録し、S503へ戻る。これにより、S503では、通常画像の前に通常画像用の識別マークが印刷される。
【0070】
S504で次に印刷する画像が通常画像でない場合は、S505で次に印刷する画像が不吐監視パターンであるか判定する。ここで、次に印刷する画像が不吐監視パターンであるかの判定は、予め設定したライン数を印刷したかに基づいて行う。本実施形態では、次の通常画像を印刷すると、ライン数が30000ラインに達する場合は、次に印刷する画像が不吐監視パターンであると判定する。不吐監視パターンであれば、S509へ進み、不吐監視画像用の識別マークを作成し、S512で印刷テーブルの不吐監視パターンの直前に登録し、S503へ戻る。これにより、S503では、不吐監視パターンの前に不吐監視パターン用の識別マークが印刷される。
【0071】
S505で次に印刷する画像が不吐監視パターンでない場合は、S506で次に印刷する画像が画像間予備吐パターンであるか判定する。ここで、次に印刷する画像が画像間予備吐パターンであるかの判定は、予め設定したライン数を印刷したかに基づいて行う。本実施形態では、次の通常画像を印刷すると、ライン数が15000ラインに達する場合は、次に印刷する画像が不吐監視パターンであると判定する。画像間の予備吐パターンであれば、S510へ進み、予備吐パターン用の識別マークを作成し、S512で印刷テーブルの画像間の予備吐パターンの直前に登録し、S503へ戻る。これにより、S503では、画像間の予備吐パターンの前に予備吐パターン用の識別マークが印刷される。
【0072】
S505で次に印刷する画像が予備吐パターンでない場合は、S507へ進み、欠陥領域があるか判定する。ここで、欠陥領域があるかの判定は、欠陥マークを検出したかに基づいて行う。欠陥領域があれば、S511へ進み、欠陥領域用の識別マークを作成し、S512で印刷テーブルの欠陥領域の直前に登録し、S503へ戻る。これにより、S503では、欠陥領域の前に欠陥領域用の識別マークが印刷される。
【0073】
S507で次に印刷する画像が欠陥領域でない場合は、S513で印刷終了が通知されたか確認する。印刷終了が通知されていれば、S514で印刷終了用の識別マークを作成し、S512で印刷テーブルの最後に登録し、処理を終了する。S513で印刷終了が通知されていない場合は、S515で印刷パターンエラーにし、処理を終了する。
【0074】
なお、S504〜507の順序は、上述したものに限定されるものではなく、どのような順番であってもよい。
【0075】
図6は、第1印刷装置119により連続シートの第1面に印刷されている識別マークを読取って、第2印刷装置120により連続シートの第2面に印刷する画像を生成して印刷する際のフローチャートである。この処理は、第2印刷装置120のCPU311がROM312に格納されたプログラムをRAM313にロードすることにより実行される。
【0076】
まず、S601で第1面に印刷されている識別マークの読取りを開始する。次に、S602で印刷テーブルを作成する。S603で、第1面の印刷画像に対応した第2面に印刷を行うためにどの画像をどの順番で印刷するかといった印刷テーブルを作成する。
【0077】
S604で読取った識別マークが通常画像用マークであるか確認する。通常画像用識別マークであれば、S608で第1面に対応する第2面の通常画像を作成し、S616で印刷テーブルに登録し、S603に戻る。
【0078】
S604で読取った識別マークが通常画像用識別マークでない場合は、S605で読取った識別マークが不吐監視用識別マークであるか確認する。不吐監視用識別マークであれば、S617へ進み、第1面に不吐監視パターンが印刷されていた場合の第2面に余白を挿入するように設定されているか判定する。余白を挿入するようになっていれば、S609で第1面の不吐監視パターンと同様の長さの余白を作成し、S616で印刷テーブルに登録し、S603に戻る。S617で余白を挿入する設定になっていない場合、S610で第1面の不吐監視パターンと同様の不吐監視パターンを作成し、S616で印刷テーブルに登録し、S603に戻る。
【0079】
S605で読取った識別マークが不吐監視パターン用識別マークでない場合は、S606で読取った識別マークが予備吐パターン用識別マークであるか判定する。予備吐パターン用識別マークであれば、S618で第1面に予備吐パターンが印刷されていた場合の第2面に余白を挿入するように設定されているか確認する。余白を挿入するように設定されていれば、S611で第1面の予備吐パターンと同様の長さの余白を作成し、S616で印刷テーブルに登録し、S603へ戻る。S618で余白を挿入するように設定されていない場合、S612で第1面の画像間の予備吐パターンと同様の予備吐パターンを作成し、S616で印刷テーブルに登録し、S603へ戻る。
【0080】
S606で読取った識別マークが画像間予備吐用識別マークでない場合は、S607で読取った識別マークが欠陥領域用識別マークであるか確認する。欠陥領域用識別マークであれば、S613で第1面の欠陥領域と同様の長さの欠陥領域を作成し、S616で印刷テーブルに登録し、S603へ戻る。
【0081】
S607で読取った識別マークが欠陥領域でない場合は、S607で読取った識別マークが印刷終了マークであるか確認する。印刷終了マークであれば、印刷を終了する。印刷終了マークでなければ、識別マークは認識したが、通常画像、もしくは制御用パターンのどのマークであるか判別できないマークであるため、S615でマーク読取りエラーにする。
【0082】
図7は、スキャナ115で第1面に印刷されている識別マークを読取って、どの画像をスキャンするかを決定する際のフローチャートである。この処理は、スキャナ115の図示しないCPUにより実行される。
【0083】
S701で識別マークの読取りを開始する。S702で読取った識別コードが通常画像であるか判定する。通常画像であれば、S707へ進み、第1面及び第2面共に画像スキャン実施し、S712で第1面及び第2面共にスキャンした画像の解析を行い、S702へ戻る。
【0084】
S702で読み取った識別コードが通常画像でない場合は、S703で読取った識別コードが不吐監視画像であるか判定する。不吐監視パターンであれば、S708へ進み、第1面及び第2面共に画像スキャンを実施し、S712でスキャンした画像の解析を行い、S702へ戻る。
【0085】
S703で読み取った識別コードが不吐監視パターンでない場合は、S704へ進み、読取った識別コードが画像間予備吐画像であるか判定する。予備吐パターンであれば、S709でスキャンを実施せず、スルーし、S702へ戻る。
【0086】
S704で読み取った識別コードが予備吐パターンでない場合は、S705へ進み、欠陥領域であるか判定する。欠陥領域であれば、スキャンを実施せず、スルーし、S702へ戻る。
【0087】
S705で読み取った識別コードが欠陥領域でない場合は、S706へ進み、識別マークが印刷終了マークであるか確認する。印刷終了マークであれば、S711でスキャナを停止させて処理を終了する。S706で識別マークが印刷終了マークでない場合、定義されていないマークなので、マーク読取りエラーにしてS702へ戻る。
【0088】
本実施形態では、第1印刷装置119で印刷した印刷制御マークをスキャナユニット115で読取って、印刷制御マークの情報が通常画像と不吐監視パターンのときのみ、つまり指定された画像のみスキャンすることが可能である。
【0089】
ここで、図8は、第1印刷装置で第1面の画像印刷を行う際に、画像の印刷順に応じて作成される印刷テーブル例である。上述した通り、第1印刷装置119は、CPU311によって、RAM313上に印刷装置がどの画像をどの順番で印刷するかの情報テーブルを作成し、作成された印刷テーブルに従って印刷を行う。図8は、図5の印刷順を元にして作成される印刷テーブルの説明図である。801で先端予備吐を挿入する。用紙先頭には、必ず先端予備吐を入れる。802で801先端予備吐をカットするためのカッタマークを挿入する。803でコントローラ117から投入された通常画像(1)を挿入する。803の通常画像(1)の直前に、814で通常画像用識別マークを挿入する。804で画像間予備吐を挿入する。804の画像間予備吐の直前に、815で画像間予備吐用識別マークを挿入する。805で画像間予備吐をカットするためのカッタマークを挿入する。806でコントローラ117から投入された通常画像(2)を挿入する。806の通常画像(2)の直前に、816で通常画像用識別マークを挿入する。807で画像間予備吐を挿入する。807の画像間予備吐の直前に、817で画像間予備吐用識別マークを挿入する。808で807画像間予備吐をカットするためのカッタマークを挿入する。809で、不吐監視パターンを挿入する。809の不吐監視パターンの直前に、818で不吐監視パターン識別マークを挿入する。810で、809不吐監視パターンをカットするための、カットマークを挿入する。印刷中に欠陥マークを検知した場合には、811で欠陥領域分の余白を挿入する。811欠陥領域の直前に、819で欠陥領域識別マークを挿入する。その後は、812でその先に印刷する通常画像及び、制御パターンである画像間予備吐、不吐監視パターン、欠陥領域を挿入していく。813で印刷終了時にカッタマークを挿入して、820で最後のカッタマークの直前に印刷終了の識別マークを挿入する。第1印刷装置119は、この印刷テーブルに登録された順に画像印刷を行う。
【0090】
本実施形態では、814、815、816、817、818、819といった通常画像と制御用パターンを識別する印刷制御マークを第1面印刷時に印刷し、第2印刷装置で印刷制御マークを読取る。第1面に対応する第2面に印刷する画像が通常画像なのか、制御用パターンなのか、余白挿入なのかといった何の画像を印刷するのか決定する。
【0091】
図9は、識別マーク仕様の一例を示した図である。
本実施形態では、バーコードを使用して通常画像、及び制御用パターンの識別を行っている。バーコードは、例えば、13桁(EANコードを想定:共通商品コードとして全世界で使用されているもの)を使用し、最初の二桁は国コードを入れる。図9では、日本を例にとり49を入れている。それ以外の国であれば、アメリカなら00、フランスなら30、ドイツなら40といった具合に装置の仕向けに応じで入れる国コードを変更すればよい。次の二桁は、通常画像、及び制御用パターンの種別を識別するコードである。00であれば通常画像、01で画像間予備吐パターン、02であれば不吐監視パターン、03であれば欠陥領域、04であれば印刷終了を意味する。次の三桁は、通常画像時の第1面に印刷するページ番号のコードである。最後の五桁は、印刷される画像の長さを600dpi換算のライン数のコードである。本実施形態では、最後の五桁により、ライン数を確認して、印刷する画像の長さや、余白を挿入する長さを確認する。図9の例で示しているバーコードでは、国コード49日本、次の2桁は00なので通常画像、次の3桁は001なので第1面にページ番号1ページ目の画像が印刷されている。最後5桁は、15000ライン(600DPI換算での画像長さ:約25inch)という情報が入力されている。本実施形態では、一次元バーコードを使用して、通常画像、及び制御用パターンの種別の識別を行うものとしたが、識別方法については、これに限定されず、例えば、QRコード(登録商標)といった二次元バーコードを使用してもよいし、他のパターンのマークでもよい。
【0092】
本実施形態では、第1面に挿入されるタイミングか予測不能な不吐監視パターンや、予備吐パターン、欠陥領域等の制御用パターンが不定期に挿入された場合であっても、第2面の適切な位置に通常画像を配置することができる。すなわち、第1面と第2面の画像の整合及び画像の位置合わせを行うことができる。
【0093】
ここで、制御用のパターン画像を識別する識別マークを挿入しない場合、通常画像の印刷中に制御用パターンが印刷される場合、第1面と第2面の位置合わせを行うためには、スケジューリング情報を送信する必要がある。具体的には、制御用のパターン画像を第1面のどこに挿入して印刷したかというスケジューリング情報を第1印刷装置が作成して第2印刷装置に送信し、第2印刷装置は送信されたスケジュール情報に応じた第2面の印刷内容を再スケジューリングする必要がある。これに対し、本実施形態では、第1印刷装置119で、通常画像と、制御用画像と、を識別可能な識別マークを印刷することにより、画像データに基づく画像以外の不定期に挿入されるパターン画像(制御用画像)に対応可能である。すなわち、本実施形態では、第1面に予測不能な不定期に挿入される予備吐パターンや不吐監視パターン等の制御用画像が印刷されることを考慮し、第1印刷装置119において制御用画像が印刷される度に、制御用画像を識別する識別マークを挿入する。そして、第2印刷装置120で印刷する際に、識別マークに基づいて、第2印刷装置120で印刷する画像を決定する。これにより、第1印刷装置119でスケジューリング情報を作成し、第2印刷装置120に送信する必要がなく、また、連続シートの第1面に印刷された内容に応じて、第2面の印刷の再スケジューリングを行う必要がない。したがって、第2印刷装置120の処理負荷を軽減することができる。
【0094】
(他の実施形態)
本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。上述した実施形態は、本発明の効果を得るための一手段であり、類似の別手法を用いたり、異なるパラメータを用いたとしても、本発明と同等の効果が得られる場合は、本発明の範疇に含まれる。
【0095】
例えば、予備吐パターンや不吐監視パターンなどの制御用画像の挿入タイミングは、印刷ライン数に基づくものに限定されず、例えば、記録剤の吐出量に基づくものとしてもよい。この場合、第1印刷装置で吐出する記録剤の量と第2印刷装置で吐出する記録剤の量は、必ずしも一致しないが、それぞれで印刷する画像の大きさが同じとなるため、同程度となる。また、第1印刷装置で吐出する記録剤の量は、制御用パターンを印刷する分、第2印刷装置で使用する記録剤の量より多くなることがあるが、制御用パターンで使用する記録剤の量は、通常画像と比較して非常に少ない。したがって、第1印刷装置で吐出する記録剤の量に基づいて、第2印刷装置でも制御用画像を挿入するようにしても問題は生じない。
【0096】
また、第1面を印刷済みの連続シートの第2面にどのようなパターンを挿入するかは、上述したものに限定されるものではない。本実施形態では、第1面に制御用パターンを印刷した場合は、第2面に同様の制御用パターンを印刷する構成にしていたが、これに限定されるものではない。例えば、第1面に画像間予備吐を印刷し、第2面に不吐監視パターンを印刷するようにしてもよい。なお、上述した実施形態では、識別マークは、制御用画像の種別も識別可能としたが、制御用画像か否かのみ識別できるものとしてもよい。その場合は、制御用画像を含む制御用パターン部分において、制御用画像の印刷を許可するように設定すればよい。
【0097】
また、上述した実施形態では、第1印刷装置119が、印刷した制御用画像を識別する識別マークをシートの第1面に挿入させるか判定するようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、図5に示す制御フローは、コントローラ117が実行するようにしてもよい。すなわち、コントローラ117が第1印刷装置119に所定の識別マークを挿入(印刷)させるように制御してもよい。
【0098】
上述した実施形態では、第2印刷装置120が、連続シート上の画像の読取及び連続シートの第2面に印刷する画像を決定するようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、図6に示す制御フローは、コントローラ117が実行するようにしてもよい。また、画像の読取のみを、第1印刷装置119や他の装置において行ってもよい。
【0099】
また、上述した実施形態では、第1印刷装置119及び第2印刷装置120により印刷を実行するものとしたが、2つのプリンタエンジンを備える1つの印刷装置により印刷を実行するものにおいても本発明を適用することができる。すなわち、第1印刷部及び第2印刷部を備える1つの印刷装置にも本発明は適用可能である。この場合、印刷装置は、例えば、2つのプリンタエンジンを備えると共に、第1印刷部が印刷した制御用画像を識別する識別マークをシートの第1面に挿入させるか判定してもよいし、外部に設けられる装置によりシートの第1面に挿入させるか判定させてもよい。
【0100】
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。また、プログラムは、1つのコンピュータで実行させても、複数のコンピュータを連動させて実行させるようにしてもよい。また、上記した処理の全てをソフトウェアで実現する必要はなく、処理の一部または全部をASIC等のハードウェアで実現するようにしてもよい。また、CPUも1つのCPUで全ての処理を行うものに限らず、複数のCPUが適宜連携をしながら処理を行うものとしてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9