特許第6238738号(P6238738)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6238738経路探索装置及びその方法、並びに経路を探索するためのコンピュータプログラム及びコンピュータプログラムを記録した記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6238738
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】経路探索装置及びその方法、並びに経路を探索するためのコンピュータプログラム及びコンピュータプログラムを記録した記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20171120BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20171120BHJP
   G08G 1/127 20060101ALI20171120BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20171120BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   G01C21/34
   G08G1/00 D
   G08G1/127
   G09B29/00 F
   G09B29/10 A
【請求項の数】13
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-269750(P2013-269750)
(22)【出願日】2013年12月26日
(65)【公開番号】特開2015-125060(P2015-125060A)
(43)【公開日】2015年7月6日
【審査請求日】2016年3月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】501271479
【氏名又は名称】株式会社トヨタマップマスター
(74)【代理人】
【識別番号】100095577
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 富雅
(74)【代理人】
【識別番号】100100424
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 知公
(74)【代理人】
【識別番号】100179202
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100188411
【弁理士】
【氏名又は名称】阪下 典子
(72)【発明者】
【氏名】山下 由美子
【審査官】 田中 純一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−275934(JP,A)
【文献】 特開2008−082724(JP,A)
【文献】 特開2010−230365(JP,A)
【文献】 特開2004−085537(JP,A)
【文献】 特開2008−286688(JP,A)
【文献】 特開2007−256020(JP,A)
【文献】 特開2004−333377(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0093194(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 − 21/36
G01C 23/00 − 25/00
G08G 1/00 − 99/00
G09B 23/00 − 29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定条件を満たす対象リンクを車両により巡回するための巡回経路を探索する経路探索装置において、
第1のエリア内における対象リンクであって、重み付け値が付与された対象リンクに関する情報を含む地図データを格納する第1の地図データベースと、
車両が走行した走行履歴を蓄積する走行履歴データベースと、
前記走行履歴に基づいて、前記第1の地図データベース内の前記対象リンクのうち走行済みリンクを特定する走行済みリンク特定部と、
前記特定された走行済みリンクの走行状況に基づいて、該走行済みリンクに重み付け値を設定する重み付け設定部と、
前記第1の地図データベース内の前記特定された走行済みリンクに付与された重み付け値に、前記設定された重み付け値を反映させることにより、前記第1の地図データベースを更新する地図データベース更新部と、
前記更新された第1の地図データベースを参照して、前記対象リンクのうち前記付与された重み付け値が第1の閾値未満である対象リンクを走行する前記巡回経路を探索する経路探索部と、
を備える、経路探索装置。
【請求項2】
前記第1のエリアに隣接する第2のエリア内における前記対象リンクに関する情報を含む地図データを格納する第2の地図データベースと、
前記第1のエリア内の前記対象リンクに対する前記付与された重み付け値が前記第1の閾値以上である対象リンクの割合を算出する割合算出部と、を備え、
前記経路探索部は、前記算出された割合が第2の閾値以上であるとき、前記更新された第1の地図データベース及び前記第2の地図データベースを参照して、前記巡回経路を探索する、
請求項1に記載の経路探索装置。
【請求項3】
前記走行済みリンク特定部は、前記対象リンクの一方の端点から他方の端点までを完走した対象リンクを前記走行済みリンクとして特定する、
請求項1又は2に記載の経路探索装置。
【請求項4】
前記走行状況は、走行画像、道路の車線数、天候、前記車両のプローブ情報、の少なくとも一である、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の経路探索装置。
【請求項5】
所定条件を満たす対象リンクを車両により巡回するための巡回経路を探索する経路探索方法において、
第1のエリア内における対象リンクであって、重み付け値が付与された対象リンクに関する情報を含む地図データを第1の地図データベースに格納する第1の格納ステップと、
車両が走行した走行履歴を走行履歴データベースに蓄積する蓄積ステップと、
走行済みリンク特定部が、前記走行履歴に基づいて、前記第1の地図データベース内の前記対象リンクのうち走行済みリンクを特定する走行済みリンク特定ステップと、
重み付け設定部が、前記特定された走行済みリンクの走行状況に基づいて、該走行済みリンクに重み付け値を設定する重み付け設定ステップと、
地図データベース更新部が、前記第1の地図データベース内の前記特定された走行済みリンクに付与された重み付け値に、前記設定された重み付け値を反映させることにより、前記第1の地図データベースを更新する地図データベース更新ステップと、
経路探索部が、前記更新された第1の地図データベースを参照して、前記対象リンクのうち前記付与された重み付け値が第1の閾値未満である対象リンクを走行する前記巡回経路を探索する経路探索ステップと、
を備える、経路探索方法。
【請求項6】
前記第1のエリアに隣接する第2のエリア内における所定条件を満たす対象リンクに関する情報を含む地図データを第2の地図データベースに格納する第2の格納ステップと、
割合算出部が、前記第1のエリア内の前記対象リンクに対する前記付与された重み付け値が前記第1の閾値以上である対象リンクの割合を算出する割合算出ステップと、を備え、
前記経路探索ステップでは、前記算出された割合が第2の閾値以上であるとき、前記更新された第1の地図データベース及び前記第2の地図データベースを参照して、前記巡回経路を探索する、
請求項5に記載の経路探索方法。
【請求項7】
前記走行済みリンク特定ステップでは、前記対象リンクの一方の端点から他方の端点までを完走した対象リンクを前記走行済みリンクとして特定する、
請求項5又は6に記載の経路探索方法。
【請求項8】
前記走行状況は、走行画像、道路の車線数、天候、前記車両のプローブ情報、の少なくとも一である、
請求項5〜7のいずれか一項に記載の経路探索方法。
【請求項9】
所定条件を満たす対象リンクを車両により巡回するための巡回経路を探索するためのコンピュータプログラムであって、コンピュータを、
第1のエリア内における対象リンクであって、重み付け値が付与された対象リンクに関する情報を含む地図データを第1の地図データベースに格納する第1の格納手段と、
車両が走行した走行履歴を走行履歴データベースに蓄積する蓄積手段と、
前記走行履歴に基づいて、前記第1の地図データベース内の前記対象リンクのうち走行済みリンクを特定する走行済みリンク特定手段と、
前記特定された走行済みリンクの走行状況に基づいて、該走行済みリンクに重み付け値を設定する重み付け設定手段と、
前記第1の地図データベース内の前記特定された走行済みリンクに付与された重み付け値に、前記設定された重み付け値を反映させることにより、前記第1の地図データベースを更新する地図データベース更新手段と、
前記更新された第1の地図データベースを参照して、前記対象リンクのうち前記付与された重み付け値が第1の閾値未満である対象リンクを走行する前記巡回経路を探索する経路探索手段、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項10】
前記コンピュータを、更に、
前記第1のエリアに隣接する第2のエリア内における所定条件を満たす対象リンクに関する情報を含む地図データを第2の地図データベースに格納する第2の格納手段と、
前記第1のエリア内の前記対象リンクに対する前記付与された重み付け値が前記第1の閾値以上である対象リンクの割合を算出する割合算出手段、として機能させ、
前記経路探索手段は、前記算出された割合が第2の閾値以上であるとき、前記更新された第1の地図データベース及び前記第2の地図データベースを参照して、前記巡回経路を探索する、
請求項9に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記走行済みリンク特定手段は、前記対象リンクの一方の端点から他方の端点までを完走した対象リンクを前記走行済みリンクとして特定する、
請求項9又は10に記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記走行状況は、走行画像、道路の車線数、天候、前記車両のプローブ情報、の少なくとも一である、
請求項9〜11のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
請求項9〜請求項12のいずれかに記載のコンピュータプログラムを記録する記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を走行させて現地調査を行う際、過去の現地調査の走行状況を反映し、効率的な経路を探索する装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ナビゲーション装置等で用いられる地図データは、調査対象となる道路を実際に車両で走行して得られる位置情報等の情報や、車載ビデオカメラ等により得られる走行時の車両前後方の撮影画像等に基づいて作成されている。そして、このように車両を走行させて行う現地調査(以下、走行現調ともいう)を効率的に行うために種々の開発が行われてきている。
例えば、特許文献1には、道路調査において、地図情報を取得すべき道路の通行を開始した旨、終了した旨を調査員に警告することにより、地図作成のための情報の取得漏れを軽減する技術が開示されている。
一方、特許文献2には、車両が新規道路を走行中に撮像した画像を地図管理装置へ送信し、画像解析することにより道路地図データを更新する道路地図更新システムが開示されている。詳しくは、上記画像が天候情報に基づいて地図更新に使用可能と判定された場合に限り、当該画像を送信することにより送信回数を減少できるシステムが開示されている。
本発明に関連する従来技術を開示する特許文献3又は4も参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−212972号公報
【特許文献2】特開2008−039687号公報
【特許文献3】特開2010−230365号公報
【特許文献4】特開2010−180101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、より効率的に走行現調を行うべく鋭意検討を重ねてきた。その結果、以下の点に気がついた。
通常、走行現調は、車載ビデオカメラを車両に固定して備え、走行現調の対象となるリンク(以下、対象リンクということがある)を走行して取得される走行画像から、地図データ作成に有用な情報を抽出することにより行われる。そのため、有用な情報、すなわち、道路標識等の交通規制に関する情報や交差点名称を記載した看板(以下、単に「信号機看板」ということがある)に関する文字情報を、撮像範囲内に鮮明に収めることが重要となる。一度の走行現調で、地図データ作成に利用可能な走行画像(鮮明な画像)を取得できれば効率的であるが、常にこのような走行画像を取得することは容易でない。走行画像の鮮明具合は、走行現調時の走行状況に依存するためである。
ここで、走行現調が、最適な走行状況下で行われた場合のみ、取得された走行画像が利用可能な画像であるとして、走行したリンクを走行済みとし、最適とはいえない走行状況下で行われた場合には再度走行を要するリンクとしても良い。しかしながら、最適とはいえない走行状況下で走行現調が実施された場合であっても、同じリンクを複数回走行すれば、それらの走行画像から上記有用な情報が得られることも少なくない。このような場合に、最適とはいえない走行状況下での走行を一律に要再走の対象とするのは効率性に欠ける。
そこで、本発明者は、走行現調の際の走行状況に基づき、リンクごとに取得された走行画像の利用可能度合いを重み付けして、地図データベース内の対応するリンクに関連付けられた重み付け値に反映させ、該反映された重み付け値が第1の閾値未満である対象リンクについて経路探索の対象とすることで、効率的な走行現調を遂行可能なことに想到した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、その第1の局面は次のように規定される。即ち、
第1のエリア内における所定条件を満たす対象リンクであって、重み付け値が付与された対象リンクに関する情報を含む地図データを格納する第1の地図データベースと、
車両が走行した走行履歴を蓄積する走行履歴データベースと、
前記走行履歴に基づいて、前記第1の地図データベース内の前記対象リンクのうち走行済みリンクを特定する走行済みリンク特定部と、
前記特定された走行済みリンクの走行状況に基づいて、該走行済みリンクに重み付け値を設定する重み付け設定部と、
前記第1の地図データベース内の前記特定された走行済みリンクに付与された重み付け値に、前記設定された重み付け値を反映させることにより、前記第1の地図データベースを更新する地図データベース更新部と、
前記更新された第1の地図データベースを参照して、目的地までの経路であって、前記対象リンクのうち前記付与された重み付け値が第1の閾値未満である対象リンクを走行する経路を探索する経路探索部と、
を備える、経路探索装置。
【0006】
このように規定される第1の局面の経路探索装置によれば、車両の走行履歴に基づいて走行済みリンクを特定し、該走行済みリンクに対応する走行履歴に関連付けて蓄積された走行状況に基づき、走行済みリンクに重み付け値を設定する。そして、設定された重み付け値を、地図データベース内の走行済みリンクに対応する対象リンクに付与された重み付け値に反映させることにより、上記地図データベースを更新する。さらには、該更新された地図データベース内の対象リンクに付与された重み付け値に基づいて、該重み付け値が第1の閾値未満である対象リンク(以下、要再走リンクともいう)を含むように経路探索する。このように、走行現調を行った対象リンクについては、走行状況に応じて重み付けを行い、該重み付けを更新するため、複数回の走行現調に基づいて総合的に走行画像の利用可否を行うことが可能となる。ゆえに、実施された走行現調を効率的に利用することができる。また、走行現調を行うごとに重み付け値を更新するため、自動的に走行を要する対象リンクを特定でき、該特定された対象リンクを含む経路探索が可能になり、走行現調の効率性を向上させることができる。
ここでリンクとは、道路ネットワークデータの構成要素であって、一般に道路の交差点等に対応するノード−ノード間を結ぶ道路に対応して生成されたデータをいう。対象リンクとは、通常の地図データベースに含まれるリンクのうち、走行現調の対象となるリンクであり、例えばリンク属性等を基準として選択される。このようなリンク属性としては、例えば、道路幅、リンク種別、車線数、路線番号等が挙げられる。詳細には、道路幅が所定閾値以上であるリンク、リンク種別が幹線道路、高速道路であるリンク、車線数が所定閾値以上であるリンク等が対象リンクとして選択される。当該対象リンクは、上記リンク属性を基準として選択される他、オペレータの手動により選択することとしても良い。
【0007】
上記走行済みリンクとは、車両により走行されたリンクである。好ましくは、前記対象リンクの一方の端点から他方の端点までを完走した対象リンクを前記走行済みリンクとして特定することとすることができる(第4の局面)。このような装置によれば、当該対象リンク全域にわたる情報を取得することができ、より綿密な地図データベースを作成することができる。走行済みリンクの他の例としては、一の対象リンクにおいて所定割合以上(例えば、50%以上)走行されているリンクを走行済みリンクとしても良い。また、別の例として、一の対象リンクの一部を走行した場合において、その走行した部分について走行済みである旨の情報を、対象リンクに付与することで走行済みリンクとすることとしても良い。例えば、走行履歴が対象リンクから逸脱した座標に基づき、当該逸脱点までを走行済みとしたり、対象リンクのリンク形状に反してハンドル操作を行った場合に当該操作を行った座標に基づき、当該操作地点までを走行済みとすることとしても良い。この場合、上記重み付け設定部は、該走行済みリンク中の走行済み部分に基づいて重み付け値を設定することができる。
【0008】
上記重み付け値とは、走行現調の際に取得された走行画像の利用可能度合いを、走行現調時の走行状況に基づいて算出した値であって、例えばコストとして表すことができる。当該重み付け値は、重み付け値の低い対象リンクを優先的に経路に含める等、経路探索の際の対象リンク選択の指標として用いられる。他の利用方法としては、例えば、グーグル株式会社のストリートビューのように、一般ユーザが参照する画像として走行画像を公開する場合に、重み付け値の高い、すなわち、良好な走行状況で撮像された走行画像を優先的に公開するための指標とすることもできる。上記走行状況は、走行画像、道路の車線数、天候、前記車両のプローブ情報、の少なくとも一とすることができる(第5の局面)。
【0009】
上記経路探索部は、前記第1のエリア内の前記対象リンクを巡回する経路を探索するものとすることができる(第2の局面)。
ここで、巡回経路とは、上記第1のエリア内に存在する対象リンクをより効率良く巡回するための経路であり、このような巡回経路として、例えば、該エリア内の対象リンクを一筆書きの要領で走行する経路や、該エリア内においてより多くの対象リンクを走行しつつ同一の対象リンクを走行する回数を極力抑えた経路等が挙げられる。
【0010】
所定エリア内において要再走リンクが少なくなったとき、すなわち、第1の閾値以上のコストが付与された対象リンクの割合が大きくなったときには、該要再走リンクのみを巡回するよう経路を探索することは効率性に欠けることとなる。
そこで、この発明の第3の局面は次のように規定される。即ち、
第2の局面に規定の経路探索装置において、第2のエリア内における所定条件を満たす対象リンクに関する情報を含む地図データを格納する第2の地図データベースと、
前記第1のエリア内の前記対象リンクに対する前記付与された重み付け値が前記第1の閾値以上である対象リンクの割合を算出する割合算出部と、を備え、
前記経路探索部は、前記算出された割合が第2の閾値以上であるとき、前記更新された第1の地図データベース及び前記第2の地図データベースを参照して、前記経路を探索する。
このように規定される第4の局面の経路探索装置によれば、所定エリア内の第1の閾値以上のコストが付与された対象リンクの割合を算出し、該割合が所定閾値以上であるとき、該エリアに隣接するエリアを含めて巡回経路を探索するため、走行現調の効率性が向上する。
【0011】
また、この発明の第6の局面は次のように規定される。即ち、
第1のエリア内における所定条件を満たす対象リンクであって、重み付け値が付与された対象リンクに関する情報を含む地図データを第1の地図データベースに格納する第1の格納ステップと、
車両が走行した走行履歴を走行履歴データベースに蓄積する蓄積ステップと、
走行済みリンク特定部が、前記走行履歴に基づいて、前記第1の地図データベース内の前記対象リンクのうち走行済みリンクを特定する走行済みリンク特定ステップと、
重み付け設定部が、前記特定された走行済みリンクの走行状況に基づいて、該走行済みリンクに重み付け値を設定する重み付け設定ステップと、
地図データベース更新部が、前記第1の地図データベース内の前記特定された走行済みリンクに付与された重み付け値に、前記設定された重み付け値を反映させることにより、前記第1の地図データベースを更新する地図データベース更新ステップと、
経路探索部が、前記更新された第1の地図データベースを参照して、目的地までの経路であって、前記対象リンクのうち前記付与された重み付け値が第1の閾値未満である対象リンクを走行する経路を探索する経路探索ステップと、
を備える、経路探索方法。
このように規定される第6の局面の発明によれば、第1の局面と同等の効果を奏する。
【0012】
この発明の第7の局面は次のように規定される。即ち、
第6の局面に規定の方法において、前記経路探索ステップでは、前記第1のエリア内の前記対象リンクを巡回する経路を探索する。
このように規定される第7の局面の発明によれば、第2の局面と同等の効果を奏する。
【0013】
この発明の第8の局面は次のように規定される。即ち、
第7の局面に規定の方法において、第2のエリア内における所定条件を満たす対象リンクに関する情報を含む地図データを第2の地図データベースに格納する第2の格納ステップと、
割合算出部が、前記第1のエリア内の前記対象リンクに対する前記付与された重み付け値が前記第1の閾値以上である対象リンクの割合を算出する割合算出ステップと、を備え、
前記経路探索ステップでは、前記算出された割合が第2の閾値以上であるとき、前記更新された第1の地図データベース及び前記第2の地図データベースを参照して、前記経路を探索する。
このように規定される第8の局面の発明によれば、第3の局面と同等の効果を奏する。
【0014】
この発明の第9の局面は次のように規定される。即ち、
第6〜第8のいずれかの局面に規定の方法において、前記走行済みリンク特定ステップでは、前記対象リンクの一方の端点から他方の端点までを完走した対象リンクを前記走行済みリンクとして特定する。
このように規定される第9の局面の発明によれば、第4の局面と同等の効果を奏する。
【0015】
この発明の第10の局面は次のように規定される。即ち、
第6〜第9のいずれかの局面に規定の方法において、前記走行状況は、走行画像、道路の車線数、天候、前記車両のプローブ情報、の少なくとも一である。
このように規定される第10の局面の発明によれば、第5の局面と同等の効果を奏する。
【0016】
更に、この発明の第11の局面は次のように規定される。即ち、
経路を探索するためのコンピュータプログラムであって、コンピュータを、
第1のエリア内における所定条件を満たす対象リンクであって、重み付け値が付与された対象リンクに関する情報を含む地図データを第1の地図データベースに格納する第1の格納手段と、
車両が走行した走行履歴を走行履歴データベースに蓄積する蓄積手段と、
前記走行履歴に基づいて、前記第1の地図データベース内の前記対象リンクのうち走行済みリンクを特定する走行済みリンク特定手段と、
前記特定された走行済みリンクの走行状況に基づいて、該走行済みリンクに重み付け値を設定する重み付け設定手段と、
前記第1の地図データベース内の前記特定された走行済みリンクに付与された重み付け値に、前記設定された重み付け値を反映させることにより、前記第1の地図データベースを更新する地図データベース更新手段と、
前記更新された第1の地図データベースを参照して、目的地までの経路であって、前記対象リンクのうち前記付与された重み付け値が第1の閾値未満である対象リンクを走行する経路を探索する経路探索手段、
として機能させる、コンピュータプログラム。
このように規定される第11の局面の発明によれば、第1の局面と同等の効果を奏する。
【0017】
この発明の第12の局面は次のように規定される。即ち、
第11の局面に規定のコンピュータプログラムにおいて、前記経路探索手段は、前記第1のエリア内の前記対象リンクを巡回する経路を探索する。
このように規定される第12の局面の発明によれば、第2の局面と同等の効果を奏する。
【0018】
この発明の第13の局面は次のように規定される。即ち、
第12の局面に規定のコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータを、更に、
第2のエリア内における所定条件を満たす対象リンクに関する情報を含む地図データを第2の地図データベースに格納する第2の格納手段と、
前記第1のエリア内の前記対象リンクに対する前記付与された重み付け値が前記第1の閾値以上である対象リンクの割合を算出する割合算出手段、として機能させ、
前記経路探索手段は、前記算出された割合が第2の閾値以上であるとき、前記更新された第1の地図データベース及び前記第2の地図データベースを参照して、前記経路を探索する。
このように規定される第13の局面の発明によれば、第3の局面と同等の効果を奏する。
【0019】
この発明の第14の局面は次のように規定される。即ち、
第11〜第13のいずれかの局面に規定のコンピュータプログラムにおいて、前記走行済みリンク特定手段は、前記対象リンクの一方の端点から他方の端点までを完走した対象リンクを前記走行済みリンクとして特定する。
このように規定される第14の局面の発明によれば、第4の局面と同等の効果を奏する。
【0020】
この発明の第15の局面は次のように規定される。即ち、
第11〜第14のいずれかの局面に規定のコンピュータプログラムにおいて、前記走行状況は、走行画像、道路の車線数、天候、前記車両のプローブ情報、の少なくとも一である。
【0021】
第11〜第15のいずれかの局面に規定されるコンピュータプログラムを記録する記録媒体が第16の局面として規定される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の実施の形態の経路探索装置1の構成を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の実施の形態の経路探索装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
図3図3は、(A)第1の地図データベース3内に格納される地図データを、(B)走行履歴データベース5内に格納される走行履歴データを、(C)更新後の第1の地図データベース3内に格納される地図データを説明するための模式図である。
図4図4は、本発明の他の実施の形態の経路探索装置21の構成を示すブロック図である。
図5図5は、本発明の他の実施の形態の経路探索装置21の動作の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、(A)第1の地図データベース3内に格納される地図データ、(B)走行履歴データベース5内に格納される走行履歴データ、(C)更新後の第1の地図データベース3内に格納される地図データ及び第2の地図データベース23内に格納される地図データ、を説明するための模式図である。
図7図7は、本発明の実施例の移動体端末装置51の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
この発明の実施の形態の経路探索装置を説明する。
図1に、経路探索装置1の概略構成を示す。適宜、図3に示す模式図を用いて、以下に説明する。
図1に示すように、この経路探索装置1は、第1の地図データベース3、走行履歴データベース5、走行済みリンク特定部7、重み付け設定部9、地図データベース更新部11及び経路探索部13を備えている。
【0024】
第1の地図データベース3には、経路を探索するための地図データであって、第1のエリア内の対象リンクを含むリンクに関する情報を含む地図データが格納されている(図3(A)参照)。当該第1の地図データベース3は、通常の地図データベースに上記基準等を適用して作成することができる。具体的には、通常の地図データベース内のリンクに上記重み付け値としてのコストを付与することにより作成される。図3(A)において、リンクに付与されるコストを括弧内に示す。例えば、L11に付与されるコストは0である。この例において、後述の経路探索部の探索対象となる対象リンクは、コストが1未満(第1の閾値未満)のリンクとしており、当該リンクを太線で表している(L11〜L22)。また、上記対象リンク以外のリンクには高い値のコスト(例えば、コスト∞等)を付与することにより、経路探索の際に選択されるリンクとしての優先度を下げることができる。このような第1の地図データベースを用いれば、実質的に上記対象リンクが経路の対象として選択されることとなる。また、第1の地図データベース3内に格納される対象リンクに対して、デフォルト設定で「未走行」である旨のデータや、「走行回数0回」である旨のデータが入力されていても良い。
【0025】
走行履歴データベース5には、車両が走行した走行履歴が蓄積される(図3(B)参照)。当該走行履歴データベース5には、例えば、車両のプローブ情報に基づき、該車両が走行した各リンクの履歴R〜R10が蓄積される。各リンクの履歴は、走行日時、走行速度、走行した車線等を含むこととしても良い。他の例として、各リンクの履歴は、車両に取り付けられた撮像装置(図示せず)で取得された走行画像(走行画像データ)と関連付けられていても良い。上記走行画像データは、時間的に連続する複数のフレーム画像から構成されていることが好ましい。ここで、車両に取り付けられる撮像装置の設置向きや角度は、走行画像中に信号機看板の文字表示や交通規制標識を撮像可能なように設定すれば、特に制限されない。例えば、進行方向を撮影するよう設置するか、あるいは、進行方向と逆方向を撮影可能なよう設置することが好ましい。さらには進行方向及び進行方向と逆方向の両方を撮影可能なように複数の撮像装置を設置しても良い。さらに他の例として、外部情報等として取得された走行時の天候等が関連付けられていても良い。各リンクの走行履歴R〜R10は、例えば、図3(B)の点線として表すことができる。
【0026】
走行済みリンク特定部7は、上記走行履歴データベース5内に蓄積された走行履歴に基づいて、上記第1の地図データベース内の対象リンクのうち走行済みリンクを特定する。当該走行済みリンクの特定方法は、特に限定されないが、対象リンクの一部、例えば半分以上を走行したものを走行済みリンクとして特定することができる。他の例として、対象リンクの一方の端点から他の方の端点までを完走したものを上記走行済みリンクとして特定したり、対象リンクを完走していない場合であっても走行した部分について部分的に走行済みと特定することとしても良い。
【0027】
重み付け設定部9は、走行済みリンク特定部7で特定された走行済みリンクの走行状況に基づいて、該走行済みリンクに重み付け値を設定する。当該設定の方法としては、例えば、現調時の走行状況に基づき、当該現調によって取得される画像が利用可能と判断される場合には、再度の走行を要しないためコスト1を設定する。一方、現調時の走行状況に基づき、取得された画像に所望の情報が映っていない、あるいは、所望の情報は映っているものの明瞭でない、等の可能性がある場合には、当該現調のみによって再走不要となることがないよう、例えば、1未満(0.1など)の値をコストとして設定する。当該設定されるコストは、走行状況の程度に応じて段階的に設定することができる。当該重み付け値を設定する際に参照される走行状況としては、特に限定されないが、走行画像、道路の車線数、天候、現調車両のプローブ情報、経過時間等が挙げられる。重み付け設定部9は、これらの走行状況の一を用いて重み付け値を設定しても良いし、二以上の走行状況を組み合わせて重み付け値を設定することにしても良い。二以上の走行状況を用いる際には、夫々の走行状況に基づき得られた重み付け値を加算して総合的な重み付け値を設定しても良く、また走行状況の重要度を反映させるべく、夫々の走行状況に基づいて得られた重み付け値に適宜係数を乗じて総合的な重み付け値を設定しても良い。上記した走行状況の詳細を以下に示す。
【0028】
(走行画像)
例えば、現調車両の前後に大型車両等が存在している場合や、夜間や曇天など周囲が薄暗い場合、逆光などで光が画像に映りこんでしまう場合には、取得された画像内に現調の目的とする標識や交差点名が明りょうに映り込む可能性が低い。そこで、画像内の変化を指標として、取得された画像内に変化が見られない場合や変化が小さい場合には、利用可能な画像が取得できている可能性が低いとすることができる。具体的には、現調の際に取得された走行画像を画像処理して、所定条件を充足している場合には、当該画像は、撮像情報の観点からは、利用可能な画像であるものとしてコスト1を設定することができる。一方、所定条件を充足していない場合には、当該画像を利用可能な画像である可能性が低いものとし、例えば、1未満(0.1など)の値をコストとして設定することができる。当該コストは、明度や輝度の度合いに応じて、段階的に増減させることにしても良い。この点については、本出願人による特願2013−254058号明細書及び図面を参照されたい。
上記利用可能な画像であるか否かの判断は、走行画像全体として行っても良く、また、その一部について行っても良い。例えば、走行画像内において現調の対象が映り込む領域について画像処理し、その結果が上記所定の条件を満たせば利用可能な画像であると判断することができる。具体的には、現調の対象が交差点名称である場合、交差点看板は走行画像内の上側領域に映り込み、現調の対象が交通規制である場合、道路標識は走行画像内の左側領域に移り込む可能性が高い。このような場合、現調対象に対応する領域の画像処理結果に基づき、当該画像が利用可能であるか判断する。現調対象に対応する領域の画像が鮮明であれば、所望の情報を得るに足るからである。
【0029】
(道路の車線数)
走行現調を行って走行済みとされた道路であっても、当該道路の車線数によっては、利用可能な画像を取得する観点から必ずしも適切な車線を走行しているとは限らない。車線数の多い道路、すなわち、幅員の大きい道路の場合、走行する車線によっては、道路標識や交差点名等所望の情報が画像内に収まらない可能性がある。そこで、現調の際、車線数属性等に適した車線を走行した場合にはコスト1を、それ以外の場合には適宜1未満のコストを設定することができる。
【0030】
(天候)
雨天や曇天等の天候では、現調を行っても道路標識や交差点名等の情報が鮮明に撮像された画像を取得することは困難である。そこで、走行現調時の天候に基づいて、晴天等鮮明な画像を取得可能な場合にはコスト1を設定し、それ以外の場合には適宜1未満のコストを設定することができる。当該コストは、車外の明度等に応じて段階的に設定しても良い。このような天候情報は、外部から取得しても良いし、車両に備えられた雨天検知器や日照計等から得られる情報に基づいて判断されても良い。
【0031】
(車両のプローブ情報)
例えば、現調車両の車両速度が速い場合、取得される画像が乱れてブレが生じる可能性がある。また、走行時刻が夕方、夜間、早朝の場合には、辺りがまだ薄暗く、又は真っ暗で良好な画像を取得できる可能性が低い。そのため、所定閾値以上(例えば、60km/h以上)の車両速度で走行した場合や、走行時刻が所定範囲(18:00〜6:00の間)にある場合には、1未満の値をコストとして設定することができる。一方、車両速度が所定閾値未満である場合や、走行時刻が所定範囲外である場合にはコスト1を設定することができる。当該コストは、走行時の速度や時刻に基づいて、段階的に増減させることにしても良い。
また、他の例として、交差点で停止した車両の車載ビデオカメラで、前方の信号機看板を撮影する場合、交差点の幅が広いと信号機看板までの距離が大きく該信号機看板の文字情報が不鮮明となる場合がある。このような場合、交差点を右左折する時に撮影しても、やはり交差点中心から信号機までの距離が長いため信号機看板の文字情報を利用可能な程度に鮮明に取得できない可能性もある。このような交差点においては、車両が信号機に十分近づけるよう交差点を直進走行すれば、前方の信号機看板の文字情報を鮮明に撮影できる可能性が高い。そこで、交差点幅が広い場合、すなわち、前方信号機までの距離が大きい場合には、車両の走行履歴を参照して直進走行した場合にはコスト1を、それ以外の場合には適宜1未満のコストを設定することができる。この点については、本出願人による特願2013−248160号明細書及び図面を参照されたい。また、車両の後方を撮像することによって、信号機看板の文字情報を撮像可能な場合にも、適宜コストを設定しても良い。
【0032】
(経過時間)
例えば、走行済みリンクの前回現調時から長期間経過している場合には、経年変化により道路標識や交差点名等が変更されている可能性がある。そのため、前回現調時から所定期間経過している場合、前回の現調以前に付与された重み付け値をキャンセルするよう重み付け値を設定することができる。例えば、負の値(−1など)をコストとして設定するようにしても良い。
一方、今回の現調が前回現調時から所定期間内である場合には、特に重み付け値を付与する必要はない。上記のように、前回現調時から所定期間を経過しているときコスト−1とした場合には、コスト0とすれば良い。
【0033】
地図データベース更新部11は、上記第1の地図データベース内の上記特定された走行済みリンクに付与された重み付け値に、重み付け設定部9で設定された重み付け値を反映させることにより、第1の地図データベースを更新する(図3(C)参照)。当該重み付け値を反映させる方法としては、既に付与されている重み付け値に、重み付け設定部9で設定された重み付け値を加算等することができる。他の例としては、重み付け設定部9で設定された重み付け値と、第1の地図データベース3内の対応する対象リンクに関連付けられた重み付け値とを比較し、設定された重み付け値の方が大きい場合、既に対象リンクに関連付けられている走行画像を、当該設定された重み付け値に関連付けられた走行画像に置き換えることにより、地図データベースの更新を行っても良い。
【0034】
経路探索部13は、上記第1の地図データベース3を参照して、目的地までの経路であって、対象リンクに付与されたコストが1未満(第1の閾値未満)である対象リンクを含む経路を探索する。当該探索の方法として、特に、付与されたコストが低い対象リンクを優先的に走行するような経路を探索することができる。経路探索部13は、第1の地図データベース3内の要再走リンクを巡回すべく、巡回経路を探索することにしても良い。当該探索の方法としては、例えば、上記要再走リンクを一筆書きの要領で走行可能な経路を探索することとすることができる。なお、当該巡回経路は、もちろん要再走リンク以外の対象リンク、対象リンク以外のリンクを含んでいても良い。経路探索部13は、例えば、図3(C)中、点線で示すような巡回経路を探索する。
【0035】
図2を用いて、図1に示す経路探索装置1の動作の一例を説明する。
まず、ステップ1では、図示しない走行履歴取得部は、車両の走行履歴R〜R10を取得し、該走行に際して取得された走行状況と関連付けて走行履歴データベース5に蓄積する。当該蓄積された走行履歴R〜R10の一例を図3(B)に示す。
ステップ3では、走行済みリンク特定部7は、上記第1の地図データベース3を参照して、ステップ1で取得された走行履歴Rに対応する対象リンクLを抽出する。例えば、走行履歴Rに対応する対象リンクとして対象リンクL11が抽出される。
ステップ5では、走行済みリンク特定部7は、ステップ1で取得された走行履歴Rが、ステップ3の対象リンクLの両端点間を完走しているか否か判定する。ステップ5においてYesのときステップ7へ進む。例えば、上記抽出された走行履歴Rは、対象リンクL11の一方の端点から他方の端点まで走行しているので、ステップ7へ進む。一方、走行履歴が、対応する対象リンクの両端点間を完走していない場合には、ステップ13へ進む。
【0036】
ステップ7では、走行済みリンク特定部7は、上記ステップ3で抽出された対象リンクLを走行済みリンクと特定する。
ステップ9では、重み付け設定部9は、ステップ1の走行履歴Rに関連付けられた走行状況に基づいて、コストを算出する。例えば、走行履歴に関連付けられた連続する走行画像を比較し、輝度変化量に応じてコストを算出することができる。例えば、輝度変化量が所定閾値以上である場合にコスト1とし、それ以下の場合にコスト0.1とすることができる。
ステップ11では、地図データベース更新部11は、ステップ9で算出されたコストを、第1の地図データベース3内におけるステップ5の対象リンクLに付与されているコストに加算することにより第1の地図データベースを更新する。
【0037】
当該走行履歴Rに続く走行履歴Rn+1について、ステップ3〜ステップ9を実行する(ステップ13、15)。
ステップ17では、経路探索部13は、ステップ11を実行することにより更新された第1の地図データベース3を参照して、巡回経路を探索する。すなわち、更新された第1の地図データベース3において、付与されているコストが1未満である対象リンクL12、L13、L14、L15、L18、L19、L22を巡回すべく、例えば、図3(C)中、点線で示すような巡回経路を探索する。この例のように、当該巡回経路を走行後、さらに再走を要するリンクが存在する場合には、該リンクを走行すべく新たに巡回経路を探索することとしても良いし、後述の経路探索装置21にて行われるように隣接エリアの対象リンクと併せて巡回できるよう経路探索することとしても良い。
【0038】
図4に、他の実施の形態の経路探索装置21を示す。図4において、図1と同一の要素には同一の符号を付して、その説明を部分的に省略する。
図4に示すのは、所定エリア内における、第1の閾値未満の対象リンク、すなわち、要再走リンクが少ないとき、該エリア内の要再走リンクと、該エリアに隣接するエリアの対象リンクとを併せて巡回経路を探索することが可能な経路探索装置21である。すなわち、当該装置21は、図1に示す装置1において、第2の地図データベース23及び割合算出部25を更に備え、経路探索部13に代えて巡回経路探索部27を備えている。
【0039】
第2の地図データベース23には、巡回経路を探索するための地図データであって、第1のエリアに隣接する第2のエリア内の対象リンクに関する情報を含む地図データが格納されている。上記第2のエリアは、上記第1のエリアに隣接していれば良く、両エリア内のリンクが直接接続していることは要せず、また、両エリア内のリンクが重複していても良い。当該第2の地図データベース23は、上記第1の地図データベース3と同様の方法によって更新されているものであっても良い。
割合算出部25は、上記更新された第1の地図データベース3を参照して、上記第1のエリア内の全対象リンクに対する要再走リンク以外の対象リンクの割合を算出する。当該算出の方法として、例えば、上記第1のエリア内の全対象リンクのリンク数に対する上記要再走リンク以外のリンクのリンク数の割合を算出することができる。また、他の例としては、上記第1のエリア内の全対象リンクの総距離に対する上記要再走リンク以外のリンクの総距離の割合を算出することとしても良い。
【0040】
巡回経路探索部27は、上記割合算出部25で算出された割合が所定閾値以上であるとき、上記更新された第1の地図データベース3及び第2の地図データベース23を参照して、巡回経路を探索する。当該探索の方法は、特に限定されず、上記経路探索部13と同様にして行うことができる。特には、当該巡回経路探索部27は、上記要再走リンクの割合がより小さい第1の地図データベース3内の対象リンク(要再走の対象リンク)を優先的に巡回することにしても良い。上記所定閾値は、例えば、80%以上とすることができる。
上記経路探索装置21の構成要素の一部をサーバ装置で実行可能とする経路探索システムとしても良い。当該サーバ装置で実行可能な構成は、特に限定されないが、例えば、地図データベース更新部11、割合算出部25及び巡回経路探索部27とすることができる。サーバ装置で一元管理することで、異なる車両の走行履歴に基づき、一括して地図データベースを更新することができ、効率的な巡回経路の探索を行うことができる。
【0041】
図5を用いて、図4に示す経路探索装置21の動作の一例を説明する。
ステップ21〜35は、ステップ1〜15と同様であるため、説明を省略する。
ステップ37では、割合算出部25は、上記第1の地図データベース3内の全対象リンクの総距離を算出する。
続くステップ39では、割合算出部25は、上記第1の地図データベース3内の対象リンクのうち、付与されているコストが1以上である対象リンクの総距離を算出する。
ステップ41では、割合算出部25は、ステップ37及び39の算出結果に基づいて、全対象リンクに対するステップ39の対象リンクの割合を算出する。当該算出の結果、ステップ39の対象リンクの割合が80%以上であるとき(ステップ43:Yes)、ステップ45へ進む。
【0042】
ステップ47では、巡回経路探索部27は、上記更新された第1の地図データベース3及び上記第2の地図データベース23を参照して、第1のエリア内のコスト1未満である対象リンク)及び第2のエリアのコスト1未満である対象リンクを巡回すべく巡回経路を探索する。すなわち、更新された第1の地図データベース3において、対象リンクL15、L19を巡回すべく、例えば、図6(C)中、点線で示すような巡回経路を探索する。
一方、ステップ43においてNoの場合には、ステップ47へ進む。
ステップ47では、巡回経路探索部27は、上記更新された第1の地図データベース3を参照して、第1のエリア内のコスト1未満である対象リンクを巡回すべく巡回経路を探索する。
【0043】
図7に、実施例の移動体端末装置51を示す。図7において、図1及び図4と同一の要素には同一の符号を付して、その説明を部分的に省略する。
図7に示すのは、図4に示す装置21を備えた移動体端末装置51である。この移動体端末装置51は、制御部510、メモリ部511、入力部512、出力部513、インターフェース部514、端末位置特定部515、プローブ情報取得部516、第1の地図データベース3、第2の地図データベース23、走行履歴データベース5、走行済みリンク特定部7、重み付け設定部9、割合算出部25、地図データベース更新部11及び巡回経路探索部27を備えている。
【0044】
制御部510はCPU、バッファメモリその他の装置を備えたコンピュータ装置であり、移動体端末装置51を構成する他の要素を制御する。
メモリ部511にはコンピュータプログラムが保存され、このコンピュータプログラムはコンピュータ装置である制御部510に読み込まれて、これを機能させる。このコンピュータプログラムは、移動体端末装置の記憶装置としての内蔵ハードディスク又は内蔵メモリ、移動体端末装置に差し替え可能な記憶媒体としてのSD(登録商標)メモリカード、メモリスティック、スマートメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)、DVD等の汎用的な媒体へ保存できる。
入力部512は、例えば、ユーザの指令の入力に用いられる。具体的には、上記経路探索における目的地等の入力に用いられる。入力部512として、マウス、ライトペン又はディスプレイの表示内容と協働するタッチパネル等のポインティングデバイスやキーボード又はマイクロホン等の音声入力装置を用いることができる。
【0045】
出力部513はディスプレイを含み、後述の端末位置特定部515で特定された端末装置の位置や、巡回経路探索部27で探索された巡回経路、対象リンクや要再走リンクの表示等、その他の情報を表示する。この出力部513は音声発信部を含むこともできる。
インターフェース部514は移動体端末装置51を無線ネットワーク等へ連結させる。
端末位置特定部515は、GPS装置やジャイロ装置により端末装置の現在の位置情報を特定する。併せて、現在時刻を特定することもできる。
プローブ情報取得部516は、車両のプローブ情報を取得する。当該プローブ情報取得部516は、ネットワークを介して無線で連結された車両から送信されるプローブ情報を取得することとしても良いし、車両内のメモリへ一旦格納し、直接又は有線を介して得られるプローブ情報を取得することとしても良い。当該プローブ情報には、少なくとも座標情報、プローブカーを特定するID情報が含まれる。GPS等の位置検出機能を有する車両であればこれらの情報を特定することができる。更に、時間情報、速度情報、方位情報、高度情報、アクセル開度、エンジン回転数、前後加速度、ヨーレイト、ストップランプ、ABSウォーニングランプ、燃料消費量、電力残存容量、舵角(ハンドルの回転角度情報)、シフトレバー情報等を備えていても良い。
【0046】
以上、本発明の実施の形態及び実施例について説明してきたが、これらのうち、2つ以上の実施の形態(実施例)を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらのうち、1つの実施の形態(実施例)を部分的に実施しても構わない。さらには、これらのうち、2つ以上の実施の形態(実施例)を部分的に組み合わせて実施しても構わない。
【0047】
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
1 21 経路探索装置
3 23 地図データベース(地図DB
5 走行履歴データベース(走行履歴DB)
7 走行済みリンク特定部
9 重み付け設定部
11 地図データベース更新部(地図DB更新部)
13 経路探索部
25 割合算出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7