特許第6238746号(P6238746)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6238746SIP通信におけるテキスト・メッセージについての配信レポート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6238746
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】SIP通信におけるテキスト・メッセージについての配信レポート
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20171120BHJP
【FI】
   H04M11/00 302
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-536644(P2013-536644)
(86)(22)【出願日】2011年10月5日
(65)【公表番号】特表2014-501063(P2014-501063A)
(43)【公表日】2014年1月16日
(86)【国際出願番号】US2011054890
(87)【国際公開番号】WO2012057978
(87)【国際公開日】20120503
【審査請求日】2013年6月17日
【審判番号】不服2016-4107(P2016-4107/J1)
【審判請求日】2016年3月17日
(31)【優先権主張番号】12/912,562
(32)【優先日】2010年10月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ,イガン
(72)【発明者】
【氏名】フアー,スーザン
【合議体】
【審判長】 大塚 良平
【審判官】 吉田 隆之
【審判官】 山中 実
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第2056557(EP,A1)
【文献】 特表2009−500973(JP,A)
【文献】 3GPP TS 24.341 V9.1.0(2010−6)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テキスト・メッセージ・システムであって、
パケット交換ネットワークにおいてエンティティからのテキスト・メッセージがカプセル化されているセッション開始プロトコル(SIP)要求を受信するように動作可能な、ネットワーク・インターフェースと、
前記テキスト・メッセージが受信者に対して成功裏に配信されたか否かを示すための該テキスト・メッセージについての配信ステータスを決定し、
前記テキスト・メッセージ・システムに対する前記SIP要求についての配信ステータスを示す、該SIP要求に対するSIP応答を生成し、
前記SIP応答の配信ステータス・パラメータに前記テキスト・メッセージについての前記決定された配信ステータスを挿入することで、該SIP応答が、前記テキスト・メッセージ・システムに対する前記SIP要求について前記配信ステータス及び前記受信者に対する該テキスト・メッセージについての該配信ステータスの双方を報告するように動作可能な、
制御システムと、
を含み、
前記ネットワーク・インターフェースは、さらに、前記パケット交換ネットワークの上で前記SIP応答を前記エンティティに対して送信するように動作可能である、テキスト・メッセージ・システム。
【請求項2】
前記SIP応答は、SIP 700応答を含み、該SIP 700応答は、前記配信ステータス・パラメータを含み、該配信ステータス・パラメータは、前記テキスト・メッセージの配信が成功したことを示すパラメータを含んでおり、
前記制御システムは、さらに、前記配信ステータス・パラメータにモバイル・アプリケーション・パート(MAP)RP−ACKを挿入するように動作可能である、請求項1に記載のテキスト・メッセージ・システム。
【請求項3】
前記SIP応答は、SIP 701応答を含み、該SIP 701応答は、前記配信ステータス・パラメータを含み、該配信ステータス・パラメータは、前記テキスト・メッセージの配信が失敗したことを示すパラメータを含んでおり、
前記制御システムは、さらに、前記配信ステータス・パラメータにモバイル・アプリケーション・パート(MAP)RP−エラーを挿入するように動作可能である、請求項1に記載のテキスト・メッセージ・システム。
【請求項4】
前記配信ステータスは、前記エンティティから前記テキスト・メッセージについてのSMS−サブミット−レポートを含む、請求項1に記載のテキスト・メッセージ・システム。
【請求項5】
前記配信ステータスは、前記受信者への前記テキスト・メッセージについてのSMS−デリバー−レポートを含む、請求項1に記載のテキスト・メッセージ・システム。
【請求項6】
パケット交換ネットワークにおいてエンティティからのテキスト・メッセージがカプセル化されているセッション開始プロトコル(SIP)要求を、ネットワーク・インターフェースで受信するステップと、
制御システムによって、前記テキスト・メッセージが受信者に対して成功裏に配信されたか否かを示すための該テキスト・メッセージについての配信ステータスを決定するステップと、
前記制御システムによって、テキスト・メッセージ・システムに対する前記SIP要求についての配信ステータスを示す、該SIP要求に対するSIP応答を生成するステップと、
前記制御システムによって、前記SIP応答の前記配信ステータス・パラメータに前記テキスト・メッセージについての前記決定された配信ステータスを挿入するステップであり、該挿入するステップにより、該SIP応答が、前記テキスト・メッセージ・システムに対する前記SIP要求について前記配信ステータス及び前記受信者に対する該テキスト・メッセージについての該配信ステータスの双方を報告する、挿入するステップと、
前記ネットワーク・インターフェースによって、前記パケット交換ネットワークの上で前記SIP応答を前記エンティティに対して送信するステップと、
を含む方法。
【請求項7】
前記SIP応答は、SIP 700応答を含み、該SIP 700応答は、前記配信ステータス・パラメータを含み、該配信ステータス・パラメータは、前記テキスト・メッセージの配信が成功したことを示すパラメータを含んでおり、
前記SIP応答の前記パラメータに前記テキスト・メッセージについての前記決定された配信ステータスを挿入する前記ステップは、前記ステータス・パラメータにモバイル・アプリケーション・パート(MAP)RP−ACKを挿入するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記SIP応答は、SIP 701応答を含み、該SIP 701応答は、前記配信ステータス・パラメータを含み、該配信ステータス・パラメータは、前記テキスト・メッセージの配信が失敗したことを示すパラメータを含んでおり、
前記SIP応答の前記パラメータに前記テキスト・メッセージについての前記決定された配信ステータスを挿入する前記ステップは、前記配信ステータス・パラメータにモバイル・アプリケーション・パート(MAP)RP−エラーを挿入するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記配信ステータスは、前記エンティティから前記テキスト・メッセージについてのSMS−サブミット−レポートを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記配信ステータスは、前記受信者への前記テキスト・メッセージについてのSMS−デリバー−レポートを含む、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信の分野に関し、詳細には、セッション開始プロトコル(SIP:Session Initiation Protocol)を使用したテキスト・メッセージの配信に関する。
【背景技術】
【0002】
テキスト・メッセージングは、多数のワイヤレス通信ネットワークにおいて、通信の非常によく知られているモードになってきている。テキスト・メッセージングの1つの例は、ショート・メッセージ・サービス(SMS:Short Message Service)であり、このショート・メッセージ・サービスは、モバイル・デバイスの間で短いテキスト・メッセージ(すなわち、160キャラクタ以下)の交換を可能にする1組の通信プロトコルである。用語「テキスト・メッセージ」は、伝統的にはSMSを使用して送信されるテキストだけのメッセージのことを言っているが、それは、画像、ビデオ、サウンドの内容などのマルチメディア・メッセージを含むように拡張されている。マルチメディア・メッセージは、マルチメディア・メッセージ・サービス(MMS:Multimedia Message Service)プロトコルを使用して送信され得る。多くの場合に、モバイル・ユーザは、音声コールよりも通信のためのテキスト・メッセージングを頻繁に使用する。
【0003】
新しいテキスト・メッセージの送信者は、ユーザ・デバイス(例えば、電話)において、メッセージについての1つまたは複数の対象とする宛先を入力し、メッセージの内容も入力する。送信者のユーザ・デバイスは、テキスト・メッセージを適切なプロトコルへとフォーマットし、適切な信号チャネルの上でネットワークの中のメッセージ・センタに対してテキスト・メッセージを送信する。典型的なメッセージ・センタの1つの例は、SMSセンタ(SMSC:SMS Center)である。次いで、SMSCは、SMSメッセージをその宛先(単数または複数)に対して配信しようと試みる。
【0004】
多数の伝統的なモバイル(ワイヤレス)ネットワークは、回路交換方式である。例えば、GSM(移動通信用グローバル・システム(Global Systems for Mobile Communications))ネットワークと、CDMA2000ネットワークとは、回路交換ネットワークのタイプである。ネットワーク・オペレータは、これらのタイプの回路交換ネットワークの上でテキスト・メッセージング・サービスを提供する。人気を得ている他のタイプのネットワークは、パケット交換ネットワークである。IPマルチメディア・サブシステム(IMS:IP Multimedia Subsystem)ネットワークと、ロング・ターム・エボリューション(LTE:Long Term Evolution)ネットワークとは、パケット交換ネットワークの2つの例である。ネットワーク・オペレータは、これらのタイプのネットワークの上でもテキスト・メッセージング・サービスを提供しようと試みている。
【0005】
パケット交換ネットワークにおいて使用される1つのタイプのシグナリング・プロトコルは、セッション開始プロトコル(SIP)である。テキスト・メッセージを送信するときに、テキスト・メッセージについてのデータは、SIP要求の中にカプセル化され、このSIP要求は、一般的に、SIPメッセージ(SIP MESSAGE)である。次いで、SIP要求は、受信者に対してルーティングされ、ここで、受信者のデバイスの中のアプリケーションは、SIP要求に含まれるテキスト・メッセージを構文解析しようと試みる。
【0006】
第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPPおよび3GPP2)の技術仕様は、どのようにしてテキスト・メッセージが、パケット交換(IP)ネットワークの上で交換されるかを定義している。これらの仕様の一部分として、テキスト・メッセージが、受信者に配信されるときに、受信者は、新しいSIPトランザクションを開始して、テキスト・メッセージの配信の成功/失敗について報告して戻す必要がある。ネットワーク・オペレータが、彼らの顧客に対してテキスト・メッセージングを提供しようと試みるときに、この方法は、パケット交換ネットワークにおいて問題を引き起こす可能性がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】RFC 3261
【非特許文献2】3GPP TS 23.040
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本明細書において説明される実施形態は、SIPを使用して送信されるテキスト・メッセージについての配信の成功/失敗を報告する改善された方法を提供している。テキスト・メッセージが、SIP要求の中にカプセル化されるときに、SIP要求を受信するシステムは、SIP応答を生成する。先行するシステムは、SIP要求だけの配信ステータスを示すSIP応答を送信することになる。次いで、先行するシステムは、別個のSIPトランザクションを開始して、テキスト・メッセージそれ自体の配信ステータスを報告することになる。本明細書における実施形態によれば、SIP要求(これは、テキスト・メッセージをカプセル化する)を受信するシステムは、SIP要求の中にカプセル化されたテキスト・メッセージの配信ステータスを示すSIP応答を生成する。SIP応答は、7xxメッセージなどのSIPにおいて新しく規定されることもある。テキスト・メッセージの配信ステータスをSIP応答に含めることにより、別個のSIPトランザクションを開始して、テキスト・メッセージの配信ステータスを報告する必要性は存在しない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの実施形態は、パケット交換ネットワークの上でテキスト・メッセージを処理するように適合されたテキスト・メッセージ・システムを備える。そのテキスト・メッセージ・システムは、パケット交換ネットワークにおいてエンティティからSIP要求を受信するように動作可能なネットワーク・インターフェースを含んでおり、ここでSIP要求は、テキスト・メッセージをカプセル化する。テキスト・メッセージ・システムは、受信者に対するテキスト・メッセージ配信するステータスを決定するように動作可能な制御システムをさらに含んでいる。制御システムは、さらに、テキスト・メッセージについての配信ステータス・パラメータを含むSIP応答を生成し、テキスト・メッセージについての決定された配信ステータスをSIP応答の配信ステータス・パラメータに挿入するように動作可能である。ネットワーク・インターフェースは、さらに、パケット交換ネットワークの上でSIP応答をエンティティに対して送信するように動作可能である。
【0010】
別の実施形態においては、SIP応答は、テキスト・メッセージについての成功した配信の試みを示すSIP 700応答を含む。制御システムは、さらに、テキスト・メッセージについての成功した配信の試みを示すSIP 700応答にモバイル・アプリケーション・パート(MAP:Mobile Application Part)RP−ACKを挿入するように動作可能である。
【0011】
別の実施形態においては、SIP応答は、テキスト・メッセージについての失敗した配信の試みを示すSIP 701応答を含む。制御システムは、さらに、テキスト・メッセージについての失敗した配信の試みを示すSIP 701応答にモバイル・アプリケーション・パート(MAP)RP−エラー(RP−ERROR)を挿入するように動作可能である。
【0012】
別の実施形態においては、配信ステータスは、モバイル起源の(MO:mobile originated)テキスト・メッセージについてのSMS−サブミット−レポート(SMS−SUBMIT−REPORT)を含む。
【0013】
別の実施形態においては、配信ステータスは、モバイルにより終了される(MT:mobile terminated)テキスト・メッセージについてのSMS−デリバー−レポート(SMS−DELIVER−REPORT)を含む。
【0014】
別の実施形態は、パケット交換ネットワークの上でテキスト・メッセージを処理するための方法を含む。本方法は、パケット交換ネットワークにおいてエンティティからのテキスト・メッセージをカプセル化するセッション開始プロトコル(SIP)要求を受信するステップと、テキスト・メッセージを受信者に対して配信するためのステータスを決定するステップとを含む。本方法は、テキスト・メッセージについての配信ステータス・パラメータを含むSIP応答を生成するステップと、SIP応答の配信ステータス・パラメータにテキスト・メッセージについての決定された配信ステータスを挿入するステップと、パケット交換ネットワークの上でSIP応答をエンティティに対して送信するステップとをさらに含む。
【0015】
別の実施形態においては、SIP応答は、テキスト・メッセージについての成功した配信の試みを示すSIP 700応答を含んでおり、本方法は、テキスト・メッセージについての成功した配信の試みを示すSIP 700応答にモバイル・アプリケーション・パート(MAP)RP−ACKを挿入するステップをさらに含む。
【0016】
別の実施形態においては、SIP応答は、テキスト・メッセージについての失敗した配信の試みを示すSIP 701応答を含んでおり、本方法は、テキスト・メッセージについての失敗した配信の試みを示すSIP 701応答にモバイル・アプリケーション・パート(MAP)RP−エラーを挿入するステップをさらに含む。
【0017】
別の実施形態においては、配信ステータスは、モバイル起源の(MO)テキスト・メッセージについてのSMS−サブミット−レポートを含む。
【0018】
別の実施形態においては、配信ステータスは、モバイルにより終了される(MT)テキスト・メッセージについてのSMS−デリバー−レポートを含む。
【0019】
他の例示の実施形態が、以下に説明されることもある。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態が、次に、例だけとして、また添付の図面を参照して、説明される。同じ参照番号は、すべての図面の上で同じ要素、または同じタイプの要素を表している。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】例示の実施形態におけるテキスト・メッセージ・システムを示す図である。
図2】例示の実施形態における、テキスト・メッセージの配信ステータスを報告する方法を示すフロー・チャートである。
図3】例示の実施形態における通信システムを示す図である。
図4】例示の実施形態における、SMSメッセージの失敗した配信を示すメッセージ図である。
図5】例示の実施形態における、SMSメッセージの成功した配信を示すメッセージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面および以下の説明は、本発明の特定の例示の実施形態を例証するものである。したがって、当業者なら、本明細書において明示的に説明されても、または示されてもいないが、本発明の原理を実施し、また本発明の範囲内に含まれる様々な構成を工夫することができるようになることが、理解されるであろう。さらに、本明細書において説明されるすべての例は、本発明の原理を理解する際に助けとなるように意図されており、またそのように具体的に列挙された例および状態だけに限定されることのないように解釈されるべきである。結果として、本発明は、下記で説明される特定の実施形態または例だけには限定されないが、特許請求の範囲とそれらの均等物とによって限定される。
【0023】
図1は、例示の一実施形態におけるテキスト・メッセージ・システム100を示すものである。テキスト・メッセージ・システム100は、パケット交換ネットワーク110を通してセッション開始プロトコル(SIP)を経由して送信されるテキスト・メッセージを処理するように動作可能な任意のサーバ、ゲートウェイ、エンド・ユーザ・デバイス、または他のシステムを備える。例えば、テキスト・メッセージ・システム100は、SIPによりイネーブルにされ、またSIPを経由して受信されるテキスト・メッセージを処理するアプリケーションを含むエンド・ユーザ・デバイス(またはユーザ装置(UE:User Equipment))を備えることができる。別の例においては、テキスト・メッセージ・システム100は、IMSネットワークの中のアプリケーション・サーバまたはIP−SM−GWやSMSを処理するLTEゲートウェイなど、テキスト・メッセージをカプセル化するSIP要求を受信する、パケット交換ネットワークの中のサーバ、ゲートウェイ、または何らかの他のシステムを備えることができる。テキスト・メッセージ・システム100は、パケット交換ネットワーク110の一部分であるか、または(図1に示されるように)パケット交換ネットワーク110に結合されて、パケット交換ネットワーク110においてエンティティ(図示されていない)とSIPメッセージを交換するかのいずれかである。パケット交換ネットワーク110は、IMSネットワーク、LTEネットワーク、または他の任意のIP−ベースのネットワークを備えていてもよい。
【0024】
テキスト・メッセージ・システム100は、ネットワーク・インターフェース102と、制御システム104とを含む。ネットワーク・インターフェース102は、SIPを使用してパケット交換ネットワーク110において1つまたは複数のエンティティ(図示されず)と通信するように適合された任意のデバイスまたはコンポーネントを備える。エンティティは、図1において具体的に示されてはいないが、これらのエンティティは、テキスト・メッセージをルーティングし、または生成するアプリケーション・サーバ、サービング−コール・セッション制御機能(S−CSCF:Serving−Call Session Control Functions)、LTEゲートウェイ、または他の任意の要素を備えることができる。制御システム104は、SIP要求の中にカプセル化されるテキスト・メッセージについての配信ステータスを提供するように適合された任意のデバイスまたはコンポーネントを備える。
【0025】
以下の実施形態においては、テキスト・メッセージ・システム100が、パケット交換ネットワーク110においてエンティティからのテキスト・メッセージをカプセル化するSIP要求を受信するときに、システム100は、SIP応答の形で、テキスト・メッセージの配信ステータスをエンティティに対して報告して戻すことができる。例えば、テキスト・メッセージ・システム100は、テキスト・メッセージが、その対象とする受信者(単数または複数)に対して正常に配信されたかどうか、または配信が失敗したかどうかを報告することができる。以下の実施形態において説明されるように、SIP応答の形で配信ステータスを報告することは、パケット交換ネットワークの上のテキスト・メッセージングについて以前には使用可能ではなかった。背景として、SIPの要求または「メソッド(methods)」と称される、SIPの内部で定義される1組のコマンドが存在している。1つのそのようなSIP要求は、インスタント・メッセージ、テキスト・メッセージなどを移送するために使用されるSIPメッセージである。SIPはまた、SIP応答と称される1組のコマンドを定義する。SIP応答を使用して、特定のSIP要求に対して応答する。いくつかの共通のSIP応答は、1xx、2xx、3xx、4xx、5xx、および6xxである。
【0026】
現在では、テキスト・メッセージをカプセル化するSIP要求が受信されるときに、受信デバイスは、SIP応答の形でテキスト・メッセージの配信ステータスを提供することはない。受信デバイスは、SIP 200 OKなどのように、SIP要求、それ自体が受信されたことを示すSIP応答(肯定応答)を提供する。しかし、このSIP応答は、テキスト・メッセージがその受信者(単数または複数)に対して正常に配信されたかどうかを示さず、それは、ただSIP要求の配信ステータスを示すだけである。受信デバイスは、新しいSIPトランザクションを開始して、配信ステータスを報告する別個のSIP要求を送信することにより、テキスト・メッセージの配信ステータスを提供しなければならない。以下で提供される実施形態は、配信ステータスが、SIP応答の形で提供されるので、新しいSIPトランザクションを開始して、テキスト・メッセージの配信ステータスを報告しなければならないことを回避する。
【0027】
図2は、例示の一実施形態において、テキスト・メッセージの配信ステータスを報告する方法200を示すフロー・チャートである。方法200のステップは、図1の中のテキスト・メッセージ・システム100を参照して説明されることになるが、当業者なら、方法200は、他のネットワークおよびシステムにおいて実行され得ることを理解するであろう。本明細書において、説明されるフロー・チャートのステップは、必ずしも包括的であるとは限らず、また示されていない他のステップを含むことができる。それらのステップは、代替的な順序で実行することもできる。
【0028】
ステップ202において、ネットワーク・インターフェース102は、パケット交換ネットワーク110においてエンティティ(図示されず)からSIP要求を受信し、ここでSIP要求は、テキスト・メッセージをカプセル化する。例えば、パケット交換ネットワーク110の中のエンティティは、SIP要求の形でモバイル起源の(MO)テキスト・メッセージを送信するエンド・ユーザ・デバイスを備えることができる。パケット交換ネットワーク110の中のエンティティは、代わりにSIP要求の形でテキスト・メッセージをシステム100に対して転送するサーバまたはゲートウェイを備えることもできる。SIP要求は、テキスト・メッセージ(例えば、SMSメッセージ)を移送するSIPメッセージ、または別のタイプのSIP要求を含むこともできる。
【0029】
ステップ204において、制御システム104は、テキスト・メッセージを受信者に対して配信するためのステータスを決定し、このステータスは、テキスト・メッセージの配信ステータスと称される。配信ステータスは、テキスト・メッセージをその対象とする受信者(単数または複数)に対して配信することの成功または失敗を示す任意の情報を含む。テキスト・メッセージの配信ステータスを決定するために使用されるプロセスは、この出願の範囲を超えている。しかしながら、一例においては、テキスト・メッセージ・システム100が、エンド・ユーザ・デバイスの中に実装される場合、そのときには制御システム104(またはエンド・ユーザ・デバイスの中の別のシステム)は、テキスト・メッセージについてのデータを構文解析して、アドレス指定エラー、フォーマット・エラー、または他の任意のタイプのエラーが存在していたかどうかを判定することができる。1つまたは複数のエラーが、テキスト・メッセージを構文解析する際に検出される場合、そのときには制御システム104は、テキスト・メッセージの配信が失敗していることを判定することができる。テキスト・メッセージを構文解析する際にエラーが検出されない場合、そのときには制御システム104は、テキスト・メッセージの配信が成功したことを判定することができる。
【0030】
ステップ206において、制御システム104は、テキスト・メッセージについての配信ステータス・パラメータを含むSIP応答を生成する。現在、使用可能なSIP応答の組は、テキスト・メッセージの配信ステータスについての規定されたパラメータを有してはいない。したがって、本明細書において提供される実施形態によれば、配信ステータス・パラメータを含む1つまたは複数の新しいSIP応答が、定義され、これを使用して、テキスト・メッセージを受信者に対して配信するステータスを示す。これらの新しいSIP応答は、以下でより詳細に考察される。用語「パラメータ」が、本明細書において使用されるが、ヘッダ・パラメータ、ヘッダ・フィールド、ヘッダ内容など、他の用語を使用して、SIP応答の拡張された機能を説明することができる。
【0031】
ステップ208において、制御システム104は、SIP応答の配信ステータス・パラメータにテキスト・メッセージについての決定された配信ステータスを挿入する。次いで、ネットワーク・インターフェース102は、ステップ210においてパケット交換ネットワーク110上でSIP応答をエンティティに対して送信する。上記の説明から明らかなように、SIP応答は、テキスト・メッセージの配信ステータスを実際に含んでいる。SIP応答は、SIP要求の配信ステータスを示すこともできる。SIP応答は、テキスト・メッセージの配信ステータスを含むので、パケット交換ネットワーク110の中のテキスト・メッセージ・システム100とエンティティとの間の新しいSIPトランザクション(例えば、別のSIP要求)が、テキスト・メッセージの配信ステータスを報告する必要はない。これは、複数の理由のために有利である。例えば、複数のSIPトランザクションがテキスト・メッセージの配信ステータスを報告することを必要とするときには、送信者と受信者との両方が、2つのSIPトランザクションについての関連するデータを保存して、2つのトランザクションからのSIP要求/応答を相関させる必要がある。また、第1のSIP要求の送信者は、配信ステータスを報告する第2のSIP要求を受信するノードと同じではない可能性もあり、それゆえに、SIPトランザクションの相関は、難しい可能性がある。SIP応答の中のテキスト・メッセージの配信ステータスを(SIP要求のステータスと一緒に)報告することは、本明細書における実施形態におけるように、テキスト・メッセージングが、パケット交換ネットワークにおいて効果的に実装されることを可能にする。
【0032】
本明細書における実施形態によれば、SIP応答コマンド(RFC 3261を参照)は、テキスト・メッセージをカプセル化するSIP要求についての新しい応答のコード/カテゴリをサポートするように拡張される。新しいSIP応答のうちの1つは、成功した結果で完了される試みを示すSIP 700である。より詳細には、SIP 700は、テキスト・メッセージの配信が成功したことを示すパラメータを含んでいる。SIP 700の中のパラメータは、配信の成功を示す様々な情報を入力されることもある。情報の1つの例は、MAP RP−ACK(モバイル起源の(MO)テキスト・メッセージについてのSMS−サブミット−レポート、またはモバイルにより終了される(MT)テキスト・メッセージについてのSMS−デリバー−レポートのいずれか)とすることができる。
【0033】
新しいSIP応答のうちの別の1つは、成功しなかった(失敗した)結果で完了される試みを示すSIP 701である。より詳細には、SIP 701は、テキスト・メッセージの配信が失敗したことを示すパラメータを含んでいる。SIP 701の中のパラメータは、成功しなかった配信を示す様々な情報を入力されることもある。情報の1つの例は、MAP RP−エラー(モバイル起源の(MO)テキスト・メッセージについてのSMS−サブミット−レポート、またはモバイルにより終了される(MT)テキスト・メッセージについてのSMS−デリバー−レポートのいずれか)とすることができる。
【0034】

図3は、例示の一実施形態における通信システム300を示すものである。通信システム300は、複数のワイヤレス通信ネットワークを含んでおり、これらのワイヤレス通信ネットワークは、この実施形態においては、CDMAネットワーク310と、IMSネットワーク320と、LTEネットワーク330として示されている。下記で説明される実施形態は、SIPメッセージを使用した、モバイル・デバイス350に対するSMSメッセージの配信を例証している。
【0035】
CDMAネットワーク310は、ホーム・ロケーション・レジスタ(HLR:Home Location Register)312と、モバイル交換センタ(MSC:Mobile Switching Center)314と、パケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイ(PDN−GW:Packet Data Network Gateway)316とを含む。HLR 312は、CDMAネットワーク310を使用することが認可されたモバイル・デバイスの加入情報および他の詳細(例えば、加入者プロファイル)を記憶する中央加入者データベースである。MSC 314は、モバイル・デバイスについてのサービング・ノードであり、またCDMAネットワーク310において、音声コール、SMS、および他のサービスを処理することを担っている。PDN−GW 316は、CDMAネットワーク310と、IMSネットワーク320などのパケット交換ネットワークとの間で信号を相互に作用させる、CDMAネットワーク310の中の任意のノードまたは要素を備える。CDMAネットワーク310は、基地局、無線ネットワーク制御装置など、簡潔にするために示されていない他のネットワーク要素を含むことができる。
【0036】
IMSネットワーク320は、プロキシ−コール・セッション制御機能(P−CSCF:Proxy−Call Session Control Function)322と、サービング−コール・セッション制御機能(S−CSCF:Serving−Call Session Control Function)324と、ホーム加入者サーバ(HSS:Home Subscriber Server)326と、パケット・ゲートウェイ(PGW:packet gateway)328とを含む。P−CSCF 322は、IMSドメインに対するエントリ・ポイントであり、またIMSデバイスについてのアウトバウンド・プロキシ・サーバとしての機能を果たす。S−CSCF 324は、信号プレーンの中央ノードであり、IMSネットワーク320の上でセッションを開始するIMSデバイスについてのセッション制御を実行する。S−CSCF 324は、図3において示されていない1つまたは複数のアクセス・ネットワークの上でIMSデバイスと通信する。HSS 326は、加入に関連した情報(例えば、加入者プロファイル)を記憶し、エンド・ユーザの認証および認可を実行し、加入者の位置についての情報を提供するなどを行う加入者サーバである。PGW 328は、外部ネットワークとパケットを交換する、IMSネットワーク320の中の任意のノードまたは要素を備える。
【0037】
LTEネットワーク330の要素は、簡潔にするためにこの実施形態においては示されていない。
【0038】
通信システム300はまた、SMSセンタ(SMSC)342と、SMSゲートウェイ344とを含んでおり、このSMSゲートウェイは、LTEゲートウェイ、IPショート・メッセージ・ゲートウェイ(IP−SM−GW:IP Short Message Gateway)、またはIPの上でSMSを処理する何らかの他のゲートウェイを備えることができる。SMSセンタ342は、記憶−および−転送の処理を使用してSMSメッセージを配信する、回路交換ネットワークについての任意のノードを備える。SMSゲートウェイ344は、SIP−ベースのネットワークと、異なるシグナリング・プロトコルを使用するネットワークまたはデバイスと、の間で信号を相互に作用させる任意のノードを備える。例えば、ネットワークまたはデバイスが、ショート・メッセージ・ピア・ツー・ピア(SMPP:Short Message Peer−to−Peer)プロトコルを使用して、SMSメッセージを交換する場合、そのときにはSMSゲートウェイ344は、SIPに対してSMPPプロトコル・メッセージを相互に作用させ、また逆も同様である。通信システム300はまた、外部ショート・メッセージング・エンティティ(ESME:External Short Messaging Entities)346および348を含んでいる。ESMEは、SMSC342またはSMSゲートウェイ344に接続して、SMSメッセージの送信および/または受信に従事する外部アプリケーションである。ESMEの典型的な例は、自動化されたマーケティング・メッセージをモバイル・ユーザに対して送信するシステム、SMS投票を処理する投票システムなどである。
【0039】
この実施形態について、ESME 348は、モバイル・デバイス350を対象とするSMSメッセージを生成することを仮定している。以下の実施形態は、どのようにして配信ステータスが、SIP応答の形で提供されるかを示すものである。
【0040】
図4は、例示の一実施形態におけるSMSメッセージの失敗した配信を示すメッセージ図である。参照として、図1のテキスト・メッセージ・システム100は、この実施形態においてはモバイル・デバイス350の中に実装されることになる。ESME 348が、モバイル・デバイス350のためのSMSメッセージを生成した後に、ESME 348は、SMPPプロトコルのデータ_smメッセージ(data_sm message)をフォーマットし、またデータ_smメッセージの中にSMSメッセージをカプセル化する。このポイントにおける1つの仮定は、ESME 348が、SMPPプロトコルについてイネーブルにされることである。そうでない場合には、SMPPゲートウェイが、ESME 348と、SMSゲートウェイ344との間に実装されることもある。次いで、ESME 348は、データ_smメッセージをSMSゲートウェイ344に対して送信する。データ_smメッセージに応答して、SMSゲートウェイ344は、ダイアメーター・ユーザ・データ要求(UDR:User Data Request)を使用してモバイル・デバイス350の登録ステータスについてHSS 326に問い合わせを行う。HSS 326は、モバイル・デバイス350が登録されていることを決定し、またモバイル・デバイス350が登録されていることを示すダイアメーター・ユーザ・データ応答(UDA:User Data Answer)を用いてSMSゲートウェイ344に対して応答する。次いで、SMSゲートウェイ344は、SMSメッセージをカプセル化するSIPメッセージを構築する。SIPメッセージ・ヘッダ(SIP MESSAGE header)は、以下のように構築されることもある。
MESSAGE tel:+19305020103 SIP/2.0
Via: SIP/2.0/UDP 135.1.62.120:5060;branch=z9hG4b
To: tel:+19305020103
From: tel:+19305020106;tag=1(ESMEアドレス−長符号)
Call-ID: 689e5af445Ic0170@livemas1
Max-Forwards: 70
CSeq: 1 MESSAGE
Route: LTE GW SIP URI
P-Charging-Vector=icid-value="PCSF:192.161.1.xxx-xxxxxxxx"
Content-Type: application/vnd.3gpp.sms
Content-Length: xx(リレー・レイヤ・メッセージの長さ)
<<カプセル化されたRP−データ(SMS−デリバー)>>
【0041】
次いで、SMSゲートウェイ344は、IMSネットワーク320においてSIPメッセージをS−CSCF 324に対して送信する。S−CSCF 324は、次にはSIPメッセージをモバイル・デバイス350に対してルーティングする。次いで、モバイル・デバイス350は、SIPメッセージの中のSMSメッセージ(RP−データ)を構文解析しようと試みる。この実施形態について、エラーが、1つまたは複数の理由のために起こることを仮定する。モバイル・デバイス350は、その結果として、SMSメッセージの配信が失敗していると判定する。次いで、モバイル・デバイス350は、SMSメッセージの配信ステータスについてのパラメータを含むSIP 701応答を生成し、またSIP 701応答のパラメータに失敗した配信の表示を挿入する。例えば、モバイル・デバイス350は、失敗した配信についての理由を示すTP−失敗−原因(TP−Failure−Cause)の値を含むSMS−デリバー−レポート(3GPP TS 23.040を参照)を挿入することができる。SIP 701応答は、以下のように見えることもある。
SIP/2.0 701 Attempted with unsuccessful result
Via: SIP/2.0/UDP 135.1.30.70:5080;branch=z9hG4bK287482662-1402101
Max-Forwards: 69
From: <sip:+19305020103@verizon.net; user=phone; lr>;tag=pctUA_287482662
To: LTE GW SIP URI
Call-ID: 287482662-1402079
CSeq: 1 MESSAGE
Content-Type: application/vnd.3gpp.sms
Content-Length: xx (リレー・レイヤ・メッセージの長さ)
<<カプセル化されたRP−エラー(SMS−デリバー−レポート・メッセージ)>>
【0042】
次いで、モバイル・デバイス350は、SIP 701応答をS−CSCF 324に対してルーティングする。S−CSCF 324は、次にはSIP 701応答をSMSゲートウェイ344に対してルーティングする。SMSゲートウェイ344は、SIP 701応答を処理して、失敗した配信を識別する(例えば、SMSメッセージについての配信の失敗についての理由を示すTP−失敗−原因の値を処理する)。次いで、SMSゲートウェイ344は、エラー・コードをデータ_sm_resp(data_sm_resp)の中のSMPPコマンド_ステータス結果コード(SMPP command_status result code)にマッピングする(それが異なるプロトコルである場合、異なるマッピングが存在し得る)。以下に提供される表1は、エラー・コード・マッピングの一例を示すものである。
【0043】
【表1】
【0044】
次いで、SMSゲートウェイ344は、データ_sm_respメッセージをESME 348に対して送信し、このメッセージは、SMSメッセージの失敗した配信をESME 348に対して報告する。図4における実施形態においては、SIP 701応答は、SMSメッセージの配信ステータス(失敗)を実際に含んでいる。SIP 701応答は、SMSメッセージの配信ステータスを含んでいるので、モバイル・デバイス350は、新しいSIPトランザクション(例えば、別のSIPメッセージ)を開始して、SMSメッセージの配信ステータスをSMSゲートウェイ344に対して提供する必要はない。
【0045】
別の実施形態についてモバイル・デバイス350が、ESME 348を対象とするSMSメッセージを生成することを仮定する。以下の実施形態は、どのようにして配信ステータスが、SIP応答の形で提供されるかを示すものである。
【0046】
図5は、例示の一実施形態におけるSMSメッセージの成功した配信を示すメッセージ図である。参照として、図1のテキスト・メッセージ・システム100は、この実施形態においてはSMSゲートウェイ344の中に実装されるであろう。モバイル・デバイス350が、ESME 348についてSMSメッセージを生成した後に、モバイル・デバイス350は、SIPメッセージをフォーマットし、またSMSメッセージをSIPメッセージの中でカプセル化する。このポイントにおける1つの仮定は、モバイル・デバイス350が、SIP−イネーブルにされることである。SIPメッセージは、以下のように見えることもある。
MESSAGE tel:+19305020103 SIP/2.0
Via: SIP/2.0/UDP 135.1.30.70:5080;branch=z9hG4bK287482662-1402101
Max-Forwards: 70
From: <sip:+19305020106@verizon.net; user=phone; lr>;tag=pctUA_287482662
To: LTE GW SIP URI
Call-ID: 287482662-1402079
CSeq: 1 MESSAGE
Route: LTE GW SIP URI
P-Asserted-Identity: <sip:+19305020106@somedomain.com>
P-Asserted-Identity: <tel:+19305020106>
Content-Type: application/vnd.3gpp.sms
Content-Length: xx (リレー・レイヤ・メッセージの長さ)
<<カプセル化されたRP−データ(SMS−サブミット・メッセージ)>>
【0047】
次いで、モバイル・デバイス350は、SIPメッセージをS−CSCF 324に対して送信する。SIPメッセージに応答して、S−CSCF 324は、SIPメッセージをSMSゲートウェイ344に対してルーティングする。SMSゲートウェイ344は、RP−データとSMS−サブミット PDUとを構文解析することによりSIPメッセージからSMSメッセージを取り出す。次いで、SMSゲートウェイ344は、SMPPプロトコルのデータ_smメッセージを生成し、またデータ_smメッセージの中にSMSメッセージをカプセル化する。SMSゲートウェイ344は、データ_smメッセージをESME 348に対して送信する(ESME 348が、SMPPプロトコルについてイネーブルにされることを仮定して)。
【0048】
データ_smメッセージに応答して、ESME 348は、データ_smメッセージの中にカプセル化されるSMSメッセージを構文解析しようと試みる。この実施形態について、SMSメッセージが、ESME 348に対して成功裏に配信されたことを仮定する。ESME 348は、配信が、成功したことを決定し、また成功した結果コードを用いてSMPPプロトコルのデータ_sm_respメッセージを生成する。次いで、ESME 348は、データ_sm_respメッセージをSMSゲートウェイ344に対してルーティングする。
【0049】
SMSゲートウェイ344は、データ_sm_respメッセージを受信し、またその結果を処理して、SMSメッセージが、その受信者に成功裏に配信されたことを決定する。次いで、SMSゲートウェイ344は、SMSメッセージの配信ステータスについてのパラメータを含むSIP 700応答を生成し、またSMSメッセージの配信が、成功したことを示す表示をそのパラメータに挿入する。例えば、SMSゲートウェイ344は、成功した配信を示すSMS−サブミット−レポート(3GPP TS 23.040参照)を挿入することができる。SIP 700応答は、以下のように見えることもある。
SIP/2.0 700 Attempted with successful result
Via: SIP/2.0/UDP 135.1.30.70:5080;branch=z9hG4bK287482662-1402101
Max-Forwards: 69
From: <sip:+19305020106@verizon.net; user=phone; lr>;tag=pctUA_287482662
To: <sip:+19305020106@verizon.net; user=phone; lr>;
Call-ID: 287482662-1402079
CSeq: I MESSAGE
Content-Type: application/vnd.3gpp.sms
Content-Length: xx(リレー・レイヤ・メッセージの長さ)
<<カプセル化されたRP−ACK(SMS−サブミット−レポート・メッセージ)>>
【0050】
次いで、SMSゲートウェイ344は、SIP 700応答をS−CSCF 324に対してルーティングする。S−CSCF 324は、次にはSIP 700応答をモバイル・デバイス350に対してルーティングし、この応答は、成功した配信の試みをモバイル・デバイス350に対して報告する。図5における実施形態において、SIP 700応答は、SMSメッセージの配信ステータス(成功)を実際に含んでいる。SIP 700応答は、SMSメッセージの配信ステータスを含むので、SMSゲートウェイ344は、新しいSIPトランザクション(例えば、別のSIPメッセージ)を開始して、SMSメッセージの配信ステータスをモバイル・デバイス350に対して提供する必要はない。
【0051】
図面の中に示され、または本明細書において説明される様々な要素のうちの任意のものは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの何らかの組合せとして実装されることもある。例えば、ある要素は、専用のハードウェアとして実装されることもある。専用のハードウェア要素は、「プロセッサ」、「コントローラ」と称され、または何らかの類似した専門用語で示されることもある。プロセッサによって提供されるときに、機能は、単一の専用のプロセッサにより、単一の共用プロセッサにより、またはそれらの一部が共用され得る、複数の個別のプロセッサにより、提供されることもある。さらに、用語「プロセッサ」または「コントローラ」の明示的な使用は、ソフトウェアを実行することができるハードウェアだけを排他的に意味するように解釈されるべきではなく、また、限定することなく、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)ハードウェア、ネットワーク・プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)または他の回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:field programmable gate array)、ソフトウェアを記憶するためのリード・オンリー・メモリ(ROM:read only memory)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:random access memory)、不揮発性ストレージ、ロジック、あるいは何らかの他の物理的ハードウェアのコンポーネントまたはモジュールを暗黙のうちに含むことができる。
【0052】
また、ある要素は、その要素の機能を実行するプロセッサまたはコンピュータによって実行可能な命令として実装されることもある。命令のいくつかの例は、ソフトウェアと、プログラム・コードと、ファームウェアとである。それらの命令は、プロセッサによって実行されるときに、要素の機能を実行するようにプロセッサに指示するように動作可能である。それらの命令は、プロセッサによって読み取り可能であるストレージ・デバイスに記憶されることもある。ストレージ・デバイスのいくつかの例は、デジタル・メモリまたはソリッド・ステート・メモリ、磁気ディスクや磁気テープなどの磁気ストレージ媒体、ハード・ドライブ、あるいは光学的に読み取り可能なデジタル・データ・ストレージ媒体である。
【0053】
特定の実施形態が、本明細書において説明されているが、本発明の範囲は、これらの特定の実施形態だけには限定されない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲と、その任意の均等物とによって定義される。
図1
図2
図3
図4
図5