(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ギヤ機構の下側の上下位置に前記ウォームギヤ機構が位置するように、前記ギヤ機構と前記ウォームギヤ機構とを前記出力軸に備えている請求項1に記載の歩行型草刈機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構造では、出力軸、ギヤ機構、刈刃駆動軸、ウォームギヤ機構及び走行伝動軸が順番に並ぶ状態となっているので、これらを収容する支持ケースが比較的大きなものとなっている。これにより、支持ケースの小型化及び軽量化という面で改善の余地がある。
本発明は、歩行型草刈機において、エンジンの動力を刈刃及び車輪に伝達する伝動系をコンパクトに構成することを目的としており、エンジンの動力を刈刃及び車輪に伝達する伝動系を収容する支持ケースの小型化及び軽量化を図ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[I](構成)
本発明の第1特徴は、歩行型草刈機において次のように構成することにある。
上下軸芯周りで回転駆動される刈刃と、前記刈刃を収容する刈刃ハウジングと、
前記刈刃ハウジングの横隣に位置する別の刈刃と、前記刈刃ハウジングの上部に備えられたエンジンと、走行用の車輪とを備え、
前記エンジンの動力を伝達するもので下向きに延出された出力軸と、前記刈刃に連結されて上向きに延出された刈刃駆動軸とを、平行に並べて配置し、
平ギヤを備えたギヤ機構を前記出力軸と前記刈刃駆動軸とに亘って備えて、前記出力軸の動力を前記ギヤ機構を介して前記刈刃駆動軸に伝達するように構成し、
前記別の刈刃に前記刈刃駆動軸の動力を伝達する刈刃伝動軸を、機体左右方向において、前記刈刃駆動軸に対して一方側に位置する状態で横向きに配置し、
前記車輪に動力を伝達する走行伝動軸を、
機体左右方向において、前記刈刃駆動軸に対して前記刈刃伝動軸とは反対側に位置する状態で前記出力軸と交差するように横向きに配置し、ウォームギヤ機構を前記出力軸と前記走行伝動軸とに亘って備えて、前記出力軸の動力を前記ウォームギヤ機構を介して前記走行伝動軸に伝達している。
【0006】
(作用及び発明の効果)
特許文献1の構造では、出力軸(特許文献1の
図10の62)、ギヤ機構(特許文献1の
図10の64,72)、刈刃駆動軸(特許文献1の
図10の65)、ウォームギヤ機構(特許文献1の
図10の73,75)及び走行伝動軸(特許文献1の
図10の74)が順番に並ぶ状態となっており、出力軸(特許文献1の
図10の62)の下方に空間が生じている。
【0007】
これに対して本発明の第1特徴によると、出力軸、ギヤ機構及び刈刃駆動軸は順番に並ぶ状態となっているが、ウォームギヤ機構及び走行伝動軸が出力軸の位置に配置されて、出力軸の動力がウォームギヤ機構を介して走行伝動軸に伝達されており、刈刃駆動軸の横外側(出力軸とは反対側)に配置されていない。
従って、本発明の第1特徴によると、特許文献1の構造において生じていた出力軸の付近の空間を、ウォームギヤ機構及び走行伝動軸を配置する為の空間として利用することにより、エンジンの動力を刈刃及び車輪に伝達する伝動系をコンパクトに構成することができる。エンジンの動力を刈刃及び車輪に伝達する伝動系を収容する支持ケースを備えた場合に、支持ケースの小型化及び軽量化を図ることができる。
【0008】
[II](構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の歩行型草刈機において次のように構成することにある。
前記ギヤ機構の下側の上下位置に前記ウォームギヤ機構が位置するように、前記ギヤ機構と前記ウォームギヤ機構とを前記出力軸に備えている。
【0009】
(作用及び発明の効果)
本発明の第2特徴のように、ギヤ機構の下側の上下位置にウォームギヤ機構が位置するように構成すると、ウォームギヤ機構につながる走行伝動軸の位置を低いものに設定することができる。これに伴って、走行伝動軸から車輪につながる伝動系の位置も低いものに設定することができるので、歩行型草刈機の全体のコンパクト化及び低重心化を図ることができる。
【0010】
[III](構成)
本発明の第3特徴は、歩行型草刈機において次のように構成することにある。
上下軸芯周りで回転駆動される刈刃と、前記刈刃を収容する刈刃ハウジングと、前記刈刃ハウジングの上部に備えられたエンジンと、走行用の車輪とを備え、
前記エンジンの動力を伝達するもので下向きに延出された出力軸と、前記刈刃に連結されて上向きに延出された刈刃駆動軸とを、平行に並べて配置し、
平ギヤを備えたギヤ機構を前記出力軸と前記刈刃駆動軸とに亘って備えて、前記出力軸の動力を前記ギヤ機構を介して前記刈刃駆動軸に伝達するように構成し、
前記車輪に動力を伝達する走行伝動軸を、前記出力軸と交差するように横向きに配置し、ウォームギヤ機構を前記出力軸と前記走行伝動軸とに亘って備えて、前記出力軸の動力を前記ウォームギヤ機構を介して前記走行伝動軸に伝達し、
前記ギヤ機構の下側の上下位置に前記ウォームギヤ機構が位置するように、前記ギヤ機構と前記ウォームギヤ機構とを前記出力軸に備え、
前記刈刃ハウジングの横隣に、別の刈刃及び前記別の刈刃を収容する別の刈刃ハウジングを備えて、
第1ベベルギヤを前記走行伝動軸の下側の上下位置に位置するように前記刈刃駆動軸に備え、前記別の刈刃に動力を伝達する刈刃伝動軸を、前記ギヤ機構と前記第1ベベルギヤとの間の上下位置に位置するように横向きに配置し、
前記刈刃伝動軸に備えた第2ベベルギヤを前記第1ベベルギヤに咬合させて、前記刈刃駆動軸の動力を前記第1及び第2ベベルギヤを介して前記刈刃伝動軸に伝達している。
【0011】
(作用及び発明の効果)
特許文献1の構造では、出力軸(特許文献1の図10の62)、ギヤ機構(特許文献1の図10の64,72)、刈刃駆動軸(特許文献1の図10の65)、ウォームギヤ機構(特許文献1の図10の73,75)及び走行伝動軸(特許文献1の図10の74)が順番に並ぶ状態となっており、出力軸(特許文献1の図10の62)の下方に空間が生じている。
これに対して本発明の第3特徴によると、出力軸、ギヤ機構及び刈刃駆動軸は順番に並ぶ状態となっているが、ウォームギヤ機構及び走行伝動軸が出力軸の位置に配置されて、出力軸の動力がウォームギヤ機構を介して走行伝動軸に伝達されており、刈刃駆動軸の横外側(出力軸とは反対側)に配置されていない。
従って、本発明の第3特徴によると、特許文献1の構造において生じていた出力軸の付近の空間を、ウォームギヤ機構及び走行伝動軸を配置する為の空間として利用することにより、エンジンの動力を刈刃及び車輪に伝達する伝動系をコンパクトに構成することができる。エンジンの動力を刈刃及び車輪に伝達する伝動系を収容する支持ケースを備えた場合に、支持ケースの小型化及び軽量化を図ることができる。
また、本発明の第3特徴のように、ギヤ機構の下側の上下位置にウォームギヤ機構が位置するように構成すると、ウォームギヤ機構につながる走行伝動軸の位置を低いものに設定することができる。これに伴って、走行伝動軸から車輪につながる伝動系の位置も低いものに設定することができるので、歩行型草刈機の全体のコンパクト化及び低重心化を図ることができる。
また、歩行型草刈機では、特許文献1のように一つの刈刃及び刈刃ハウジングを備えた1面刈り型式以外に、2つの刈刃ハウジング(刈刃)を左右方向に並べて配置した2面刈り型式がある。
【0012】
前述のような2面刈り型式の歩行型草刈機において、本発明の第3特徴によると、刈刃駆動軸の動力を刈刃伝動軸を介して別の刈刃に伝達するように構成する場合、走行伝動軸の上側の上下位置にギヤ機構が位置するのに対して、走行伝動軸の下側の上下位置に第1ベベルギヤが位置することになり、ギヤ機構と第1ベベルギヤとの間の上下位置に走行伝動軸が位置することになって、走行伝動軸、ギヤ機構及び第1ベベルギヤがコンパクトに配置される。
【0013】
同様に本発明の第3特徴によると、ギヤ機構と第1ベベルギヤとの間の上下位置に刈刃伝動軸が位置することによって、刈刃伝動軸、ギヤ機構及び第2ベベルギヤがコンパクトに配置される。
さらに、ギヤ機構と第1ベベルギヤとの間の上下位置に走行伝動軸が位置し、ギヤ機構と第1ベベルギヤとの間の上下位置に刈刃伝動軸が位置することにより、走行伝動軸と刈刃伝動軸とが同じような上下位置に位置するようになるので、前述のコンパクト化の面で有利なものとなる。
【0014】
以上のように本発明の第3特徴によると、ギヤ機構と第1ベベルギヤとの間の上下位置に走行伝動軸が位置する点、ギヤ機構と第1ベベルギヤとの間の上下位置に刈刃伝動軸が位置する点、並びに、走行伝動軸と刈刃伝動軸とが同じような上下位置に位置する点により、エンジンの動力を刈刃及び車輪に伝達する伝動系をコンパクトに構成することができる。エンジンの動力を刈刃及び車輪に伝達する伝動系を収容する支持ケースを備えた場合に、支持ケースの小型化及び軽量化を図ることができる。
【0015】
[IV](構成)
本発明の第4特徴は、本発明の第3特徴の歩行型草刈機において次のように構成することにある。
前記ギヤ機構の動力を前記刈刃駆動軸に伝動及び遮断自在な刈刃クラッチを、前記ギヤ機構と前記刈刃駆動軸との接続部分に備えている。
【0016】
(作用及び発明の効果)
刈刃を駆動及び停止させる刈刃クラッチを備える場合、本発明の第4特徴によると、刈刃クラッチをギヤ機構と刈刃駆動軸との接続部分に備えており、刈刃クラッチによりギヤ機構の動力を刈刃駆動軸に伝動及び遮断自在に構成している。
これにより、刈刃クラッチがギヤ機構と同じ上下位置に位置することになって、前項[III]の記載と同様に、ギヤ機構及び刈刃クラッチと第1ベベルギヤとの間の上下位置に走行伝動軸(刈刃伝動軸)が位置することになり、走行伝動軸(刈刃伝動軸)、ギヤ機構(刈刃クラッチ)及び第1ベベルギヤがコンパクトに配置されて、エンジンの動力を刈刃及び車輪に伝達する伝動系をコンパクトに構成することができる。エンジンの動力を刈刃及び車輪に伝達する伝動系を収容する支持ケースを備えた場合に、支持ケースの小型化及び軽量化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[1]
図1,2,3に示すように、第1刈刃ハウジング1(刈刃ハウジングに相当)、第2刈刃ハウジング2(別の刈刃ハウジングに相当)、第1及び第2刈刃ハウジング1,2に収容された第1刈刃11(刈刃に相当)及び第2刈刃12(別の刈刃に相当)、第1刈刃ハウジング1の上部に支持されたエンジン3、第1刈刃ハウジング1に連結された操縦ハンドル4、第1刈刃ハウジング1に支持された第1前輪5(走行用の車輪に相当)及び後輪7(走行用の車輪に相当)、第2刈刃ハウジング2に支持された第2前輪6(走行用の車輪に相当)等を備えて、2面刈り型式の歩行型草刈機が構成されている。
【0019】
図1,2,3に示すように、第1及び第2刈刃ハウジング1,2は板金を折り曲げて構成されており、第1刈刃ハウジング1の左の横隣の前後軸芯P1周りに、第2刈刃ハウジング2が上下に姿勢変更自在(揺動自在)に連結されている。平面視でU字状の支持フレーム13が第1刈刃ハウジング1に連結されて後方に延出されており、支持フレーム13に連結された支持ブラケット13aに後輪7が回転自在に支持されている。
【0020】
図1,2,3に示すように、第1及び第2刈刃ハウジング1,2の前部に二股状の支持ブラケット8が連結され、支持ブラケット8の横軸芯P2周りに、二股状の支持アーム9が上下に揺動自在に支持されており、支持アーム9に第1及び第2前輪5,6が回転自在に支持されている。側面視で三角形状の前カバー10が、第1及び第2刈刃ハウジング1,2の前部から前方に延出されて、前カバー10により支持アーム9や第1及び第2前輪5,6が覆われている。
【0021】
図1,2,3に示すように、支持アーム9に連結された操作レバー9aが前カバー10を貫通して上方に延出されている。支持アーム9の操作レバー9aを操作して支持アーム9の角度を変更し、支持アーム9の操作レバー9aを前カバー10のレバーガイド10aに係合させて固定することにより、第1及び第2刈刃ハウジング1,2に対する第1及び第2前輪5,6の高さを変更することができる。
【0022】
以上のように
図1,2,3に示すように、第1及び第2刈刃ハウジング1,2に対する第1及び第2前輪5,6の高さを変更することにより、地面に介する第1及び第2刈刃ハウジング1,2の姿勢を変更して、第1及び第2刈刃11,12の刈高さを変更する。
第1及び第2刈刃ハウジング1,2の間の後部に位置するカバー69が第1刈刃ハウジング1の左後部に連結されており、刈草が第1及び第2刈刃ハウジング1,2の間から後方に飛散しないように、カバー69により刈草を抑えている。
【0023】
[2]
次に、エンジン3の支持構造について説明する。
図1,3,4,6に示すように、第1刈刃ハウジング1の上壁部の裏面に支持フレーム13が配置され、第1刈刃ハウジング1の上壁部の上面に断面L字状の連結金具14が配置されており、支持フレーム13と連結金具14とに亘ってボルト15を連結することにより、支持フレーム13と連結金具14との間で第1刈刃ハウジング1の上壁部を挟み込むようにして、第1刈刃ハウジング1に支持フレーム13及び連結金具14が連結されている。
【0024】
図1,2,3,4,6に示すように、第1支持ケース21が連結金具14にボルト連結されて、第1刈刃ハウジング1の上面に第1支持ケース21が配置されており、第1支持ケース21の上面にエンジン3が連結されている。エンジン3は出力軸3aが下方に向くようにシリンダケースが横向きに配置されており、エンジン3の出力軸3aに遠心クラッチ16が接続されて、遠心クラッチ16のボス部16aが下向きに配置されている。
遠心クラッチ16は、エンジン3のアイドリング状態で遮断状態となり、エンジン3の回転数がアイドリング状態よりも上昇すると伝動状態となる。
【0025】
図4,6,9に示すように、伝動軸17(エンジンの動力を伝達するもので下向きに延出された出力軸に相当)が第1支持ケース21に上下向きに回転自在に支持されており、遠心クラッチ16のボス部16aに伝動軸17がスプライン構造により連結されて、エンジン3の出力軸3a、遠心クラッチ16(ボス部16a)及び伝動軸17が同芯状に配置されている。
【0026】
図2に示すように、平面視において、第1前輪5の左右中央と後輪7の左右中央とを通る前後方向の中央線CLが、第1刈刃ハウジング1の左右中央に位置しており、エンジン3(出力軸3a)が中央線CLに対して右側(第2刈刃ハウジング2の反対側)にオフセットして配置されている。
【0027】
図4,6,9に示すように、伝動軸17と平行に第1刈刃駆動軸31(刈刃駆動軸に相当)が第1支持ケース21に上下向きに回転自在に支持されて、第1刈刃駆動軸31の下部に第1刈刃11が連結されている。
図2に示すように、平面視において、第1刈刃駆動軸31が中央線CLに対して少し左側(第2刈刃ハウジング2側)に配置されており、エンジン3(出力軸3a)が第1刈刃駆動軸31に対して右側(第2刈刃ハウジング2の反対側)にオフセットして配置されている。
【0028】
[3]
次に、後輪7への走行伝動系について説明する。
遠心クラッチ16の伝動下手側から、第1及び第2刈刃11,12にエンジン3の動力を伝達する作業伝動系と、後輪7にエンジン3の動力を伝達する走行伝動系とが、並列的に分岐されて、エンジン3の動力が第1及び第2刈刃11,12、後輪7に伝達されるように構成されている。
【0029】
図4,5,9に示すように、伝動軸18(走行伝動軸に相当)が、伝動軸17と直交(交差)するように伝動軸17の後側に横向き(左右方向)に回転自在に配置されている。伝動軸17にウォームギヤ19aが連結され、伝動軸18にウォームホイル19bが連結されて、ウォームギヤ19aがウォームホイル19bに咬合しており、ウォームギヤ19a及びウォームホイル19bによりウォームギヤ機構19が構成されている。
【0030】
図4,5,9に示すように、伝動軸20が伝動軸18の後側に伝動軸18と平行に横向き(左右方向)に回転自在に支持されている。ウォームギヤ機構19のウォームホイル19bの両外側の伝動軸18の部分に、低速ギヤ23及び高速ギヤ24が連結され、伝動軸20に低速ギヤ25及び高速ギヤ26が相対回転自在に支持されており、低速ギヤ23,25が咬合して、高速ギヤ24,26が咬合している。
【0031】
図5及び
図9に示すように、伝動軸20において低速及び高速ギヤ25,26の間の部分に、シフト部材27がスプライン構造により伝動軸20と一体回転及びスライド自在に支持されており、シフト部材27が一対のバネ70により低速及び高速ギヤ25,26に咬合しない中立位置に付勢されている(走行クラッチ35の遮断状態)。これにより、低速及び高速ギヤ25,26とシフト部材27とによって、咬合式の走行クラッチ35が構成されている。
【0032】
図1,2,3に示すように、支持フレーム13のブラケット13aに円筒状の支持部13bが横向き(左右方向)に連結されて、支持部13bに駆動軸28が回転自在に支持されており、駆動軸28の一方の端部に後輪7が連結されている。
図1,2,3,5,9に示すように、伝動軸20が第1支持ケース21から右側に突出して、伝動軸20の突出部分にスプロケット20aが連結されており、駆動軸28に連結されたスプロケット28aと伝動軸20のスプロケット20aとに亘って伝動チェーン29が巻き付けられている。
【0033】
図1,2,3に示すように、カバー30が第1支持ケース21と支持フレーム13の支持ブラケット13aとに亘って連結されており、カバー30により伝動軸20及び駆動軸28のスプロケット20a,28a、伝動チェーン29が覆われている。支持フレーム13の支持ブラケット13aの横軸芯P4周りに、支持部材34が上下に位置変更自在に支持されており、伝動チェーン29の張力を維持するテンション輪33が支持部材34に回転自在に支持されている。
【0034】
以上の構造により
図5及び
図9に示すように、エンジン3の動力が遠心クラッチ16、伝動軸17、ウォームギヤ機構19、伝動軸18、低速及び高速ギヤ23,24、低速及び高速ギヤ25,26に伝達されている。シフト部材27を中立位置に操作すると(走行クラッチ35の遮断状態)、エンジン3の動力がシフト部材27の位置で遮断されて、歩行型草刈機(後輪7)は停止する。
【0035】
図5及び
図9に示すように、シフト部材27を低速ギヤ25に咬合させると(走行クラッチ35の伝動状態)、エンジン3の動力が低速ギヤ23,25からシフト部材27、伝動軸20、伝動チェーン29及び駆動軸28を介して、低速の状態で後輪7に伝達されて歩行型草刈機(後輪7)が前進する。
【0036】
図5及び
図9に示すように、シフト部材27を高速ギヤ26に咬合させると(走行クラッチ35の伝動状態)、エンジン3の動力が高速ギヤ24,26からシフト部材27、伝動軸20、伝動チェーン29及び駆動軸28を介して、高速の状態で後輪7に伝達されて歩行型草刈機(後輪7)が前進する。
【0037】
[4]
次に、作業伝動系における第1刈刃11への部分について説明する。
図5,6,9に示すように、第1刈刃駆動軸31が、伝動軸17と平行に第1支持ケース21の上下軸芯P5周りに回転自在に支持されている。第1刈刃駆動軸31の下部に第1刈刃11が連結されており、第1刈刃11が第1刈刃ハウジング1の内部に配置されている。
【0038】
図4,6,8に示すように、第1刈刃11は、第1刈刃駆動軸31の下部に連結された横長の支持部11a、支持部11aの一方の端部の上下軸芯P3周りに自由回転自在に支持された上側及び下側のブレード11b、支持部11aの他方の端部の上下軸芯P3周りに自由回転自在に支持された上側及び下側のブレード11b等により構成されている。
【0039】
図5,6,9に示すように、平ギヤである小径の伝動ギヤ36(ギヤ機構に相当)が、伝動軸17の上部に固定され、平ギヤである大径の伝動ギヤ37(ギヤ機構に相当)が、第1刈刃駆動軸31の上部に相対回転自在に支持されており、伝動ギヤ36,37が咬合している。これにより、伝動軸17において、上側の上下位置に伝動ギヤ36が位置し、伝動ギヤ36の下側の上下位置に、ウォームギヤ機構19が位置している。
【0040】
図5,6,9に示すように、第1刈刃駆動軸31の上部に、シフト部材38がスプライン構造により第1刈刃駆動軸31と一体回転及びスライド自在に支持されて、シフト部材38を伝動ギヤ37との咬合側(上方)に付勢するバネ39が備えられており、伝動ギヤ37とシフト部材38との間で刈刃クラッチ40が構成されている。
【0041】
図5,6,9に示すように、エンジン3の動力が遠心クラッチ16から伝動軸17、伝動ギヤ36,37に伝達されている。
これにより、シフト部材38を伝動ギヤ37に咬合させると(刈刃クラッチ40の伝動状態)、エンジン3の動力がシフト部材38を介して第1刈刃駆動軸31に伝達されて、第1刈刃11が上下軸芯P5周りに回転駆動されるのであり、後述する[5]に記載のように、エンジン3の動力が第2刈刃駆動軸32に伝達されて、第2刈刃12が上下軸芯P6周りに回転駆動される。
シフト部材38を伝動ギヤ37から離間させると(刈刃クラッチ40の遮断状態)、エンジン3の動力がシフト部材38の位置で遮断されて、第1及び第2刈刃11,12は停止する。
【0042】
図3,5,6に示すように、横向き(前後方向)の操作軸43が第1支持ケース21に回転自在に支持されて、操作軸43のアーム43aがシフト部材38に係合しており、第1支持ケース21から外部に突出した操作軸43の部分に、バネ線材で構成された操作アーム43bが連結されている。
【0043】
図6に示す状態は、シフト部材38を伝動ギヤ37に咬合させた状態(刈刃クラッチ40の伝動状態)である。
図6に示す状態において、操作軸43の操作アーム43bを押し下げることにより、操作軸43を回転させて、操作軸43のアーム43aによりシフト部材38を、バネ39に抗して伝動ギヤ37から下方に離間させることができる(刈刃クラッチ40の遮断状態)。
次に、操作軸43の操作アーム43bを押し下げた状態で第1支持ケース21の係合部(図示せず)に係合させることにより、刈刃クラッチ40を遮断状態に維持することができる。
【0044】
[5]
次に、作業伝動系における第2刈刃12への部分について説明する。
図5,6,9に示すように、伝動軸18の上側の上下位置に位置するように、伝動ギヤ37が第1刈刃駆動軸31に相対回転自在に支持されて、伝動軸18の下側の上下位置に位置するように、ベベルギヤ41(第1ベベルギヤに相当)が第1刈刃駆動軸31に固定されており、バネ39の下部がベベルギヤ41により支持されている。
【0045】
図5,6,9に示すように、伝動軸44(刈刃伝動軸に相当)が、第2刈刃ハウジング22に向けて第1支持ケース21の上部の左側に横向き(左右方向)に回転自在に支持されており、伝動軸44に固定されたベベルギヤ42(第2ベベルギヤに相当)が、ベベルギヤ41に咬合している。これにより、伝動ギヤ37とベベルギヤ41との間の上下位置に、伝動軸44及びベベルギヤ42が位置しており、第1刈刃駆動軸31の動力がベベルギヤ41,42を介して伝動軸44に伝達される。
【0046】
図2,3,6に示すように、第2刈刃ハウジング2の上部に第2支持ケース22が連結されており、第2刈刃駆動軸32が第2支持ケース22の上下軸芯P6周りに回転自在に支持されている。第2刈刃駆動軸32の下部に第2刈刃12が連結されており、第2刈刃12が第2刈刃ハウジング2の内部に配置されている。
【0047】
図6及び
図8に示すように、第2刈刃12は、第2刈刃駆動軸32の下部に連結された横長の支持部12a、支持部12aの一方の端部の上下軸芯P7周りに自由回転自在に支持された上側及び下側のブレード12b、支持部12aの他方の端部の上下軸芯P7周りに自由回転自在に支持された上側及び下側のブレード12b等により構成されている。
【0048】
図6及び
図9に示すように、長いボス部51aを備えたベベルギヤ51が、ベベルギヤ51のボス部51a(回転軸芯)を第1刈刃ハウジング1に向けた横向き(左右方向)の姿勢で、第2支持ケース22の内部に回転自在に支持されており、第2刈刃駆動軸32の上部に固定されたベベルギヤ52が、第2支持ケース22の内部においてベベルギヤ51に咬合している。
【0049】
図6及び
図9に示すように、ベベルギヤ51のボス部51aに断面6角状の孔部が形成され、断面6角状の伝動軸45がベベルギヤ51と一体回転及びスライド自在にベベルギヤ51のボス部51aに挿入されており、伝動軸45の一端が第2支持ケース22の内部に位置し、伝動軸45の他端が第2支持ケース22の外部に位置している。伝動軸44と伝動軸45の他端とが、2個の自在継手46(ユニバーサルジョイント)を介して接続されている。
この場合、2個の自在継手46が互いに直接に直列に連結されているので、一方の自在継手46に対して他方の自在継手46を、回転方向での適切な位相に連結しておくことにより、この後において2個の自在継手46を互いに分離する必要がない。
【0050】
図3及び
図6に示すように、ゴム製でジャバラ状のカバー55が、2個の自在継手46を覆うように伝動軸44,45に亘って接続されており、板金を断面コ字状に折り曲げたトンネル状のカバー56が第2刈刃ハウジング2に連結されて、カバー56によりカバー55が覆われている。板金を断面コ字状に折り曲げたトンネル状のカバー57が、第1刈刃ハウジング1に連結されており、カバー57により伝動軸44及びカバー56が覆われている。
【0051】
図6及び
図9に示すように、2個の自在継手46が互いに接近して連結されて、2個の自在継手46に要する長さ(カバー55の長さ)が短いものになっている。
これにより、自在継手46と第1支持ケース21との間隔が大きなものとなるので、第1支持ケース21において、伝動軸44を支持する一対のベアリングの間隔を大きなものに設定することができて、伝動軸44を安定して支持することができる。
同様に、自在継手46と第2支持ケース22との間隔が大きなものとなるので、第2支持ケース22において、ベベルギヤ51を支持する一対のベアリングの間隔を大きなものに設定することができて、ベベルギヤ51を安定して支持することができる。
【0052】
図6及び
図9に示すように、自在継手46と伝動軸44とがトルクリミッターとしてのシャーピン(図示せず)により連結され、自在継手46と伝動軸45とがトルクリミッターとしてのシャーピン(図示せず)により連結されている。
これにより、シャーピンが破断したとしても、カバー56,57を第1及び第2刈刃ハウジング1,2から取り外すことにより、シャーピンの交換が容易に行える。
【0053】
以上の構造により
図6及び
図9に示すように、第1刈刃駆動軸31の動力が、ベベルギヤ41,42、伝動軸44、自在継手46、伝動軸45、ベベルギヤ51,52を介して第2刈刃駆動軸32に伝達されて、第2刈刃12が上下軸芯P6周りに回転駆動される。
【0054】
[6]
次に、第2刈刃ハウジング2を第1刈刃ハウジング1に対して前後軸芯P1周りに上下に姿勢変更する構造について説明する。
図7に示すように、路面及び路面から下方に向う傾斜面としての法面の草刈りを行う場合、第2刈刃ハウジング2を第1刈刃ハウジング1に対して斜め下向きに設定して、第1刈刃11により路面の草刈りを行い、第2刈刃12により法面の草刈りを行う。
【0055】
図1,2,13,14,15に示すように、右の操縦ハンドル4にブラケット47が下向きに連結されて、ブラケット47の横向きのピン47aに操作レバー48が前後に揺動自在に支持されており、操作レバー48の基部をブラケット47に押圧するバネ49が備えられている。ブラケット47のピン47aが挿入される操作レバー48の孔部は少し大きめに設定されており、操作レバー48をブラケット47のピン47a周りに前後に揺動操作可能であると同時に、操作レバー48をバネ49に抗して少し左右にも操作可能である。
【0056】
図1,2,13,14,15に示すように、右の操縦ハンドル4に平板状のレバーガイド50が連結されて、レバーガイド50の開口部50eに操作レバー48が挿入されて上方に延出されている。レバーガイド50の開口部50eに平行位置50a、第1下降位置50b、第2下降位置50c、第3下降位置50dが備えられている。ワイヤ53のアウター53bの端部がレバーガイド50の前部に連結されており、ワイヤ53のインナー53aが操作レバー48に接続されている。
【0057】
図2,3,6,7に示すように、第2支持ケース22に連結された前後向きの支持ピン22aに、アーム54が上下に揺動自在に支持されており、ストッパーピン22bが第2支持ケース22に連結されている。第1刈刃ハウジング1にブラケット58が連結されており、ワイヤ53のアウター53bがブラケット58に連結され、ワイヤ53のインナー53aがアーム54に接続されている。
【0058】
[7]
次に前項[6]に記載に構造に基づいて、第2刈刃ハウジング2を第1刈刃ハウジング1に対して前後軸芯P1周りに上下に姿勢変更する操作について説明する。
図6,13,14に示す状態は、操作レバー48をレバーガイド50の平行位置50aに操作して保持している状態であり、ワイヤ53のインナー53aにおけるアーム54との接続部分53cが
図6に示す位置に位置している。
【0059】
図6に示す状態において、アーム54が第2支持ケース22のストッパーピン22bに当たっているので、第2刈刃ハウジング2が自重で下方に姿勢変更しようとしてもできない状態(固定状態のワイヤ53の接続部分53cに対して、第2支持ケース22(支持ピン22a)が下方に移動しようとしてもできない状態)であり、第2刈刃ハウジング2が第1刈刃ハウジング1と平行な姿勢に保持されている。
【0060】
図7,13,14に示すように、操作レバー48をレバーガイド50の第1下降位置50b(第2下降位置50c)(第3下降位置50d)に操作して保持すると、ワイヤ53の接続部分53cが
図6に示す位置から少し下方に移動して固定される。これに伴って、アーム54が
図7の紙面反時計方向に揺動して、第2支持ケース22のストッパーピン22bから少し上方に離れる。
【0061】
これにより、
図7に示すように、第2刈刃ハウジング2は第1刈刃ハウジング1と平行な姿勢から少し下方に姿勢変更可能な状態となるのであり、第2刈刃ハウジング2が下方に姿勢変更すると、これに伴ってアーム54が第2支持ケース22の支持ピン22a周りに
図7の紙面時計方向に揺動するのであり、アーム54が第2支持ケース22のストッパーピン22bに当たる姿勢が、第2刈刃ハウジング2の下限姿勢となる。
【0062】
以上のように、第2刈刃ハウジング2は第1刈刃ハウジング1と平行な姿勢と下限姿勢との間で自由に上下に姿勢変更可能な状態となるのであり、第2前輪6が法面に沿って走行することにより、第2刈刃ハウジング2が法面に沿って上下に姿勢変更する。
操作レバー48をレバーガイド50の第1下降位置50b、第2下降位置50c、第3下降位置50dに操作して保持することにより、第2刈刃ハウジング2の下限姿勢を上下に3段階に設定することができるのであり、レバーガイド50の第3下降位置50dが最も下方に位置する第2刈刃ハウジング2の下限姿勢に対応する。
【0063】
[8]
次に前項[7]に記載のように、第2刈刃ハウジング2が上下に姿勢変更した場合の第2支持ケース22及び伝動軸45の状態について説明する。
前項[7]に記載のように、第2刈刃ハウジング2が上下に姿勢変更すると、
図6及び
図7に示すように、自在継手46を屈曲点として伝動軸45が上下に姿勢変更するのに対して、第2支持ケース22は上下に姿勢変更すると同時に左右にも位置変更する。
【0064】
この場合、前項[5]及び
図6に示すように、ベベルギヤ51のボス部51aに断面6角状の孔部が形成されて、断面6角状の伝動軸45がベベルギヤ51と一体回転及びスライド自在にベベルギヤ51のボス部51aに挿入されている。
これにより、
図6及び
図7に示すように、伝動軸45に対してベベルギヤ51(第2支持ケース22)がスライドすることによって、第2支持ケース22が上下に姿勢変更すると同時に左右にも位置変更する状態が許容されるのであり、第2刈刃ハウジング2が下方に姿勢変更するほど、伝動軸45に対してベベルギヤ51(第2支持ケース22)が左側(外側)にスライドする(ベベルギヤ51(第2支持ケース22)から伝動軸45が引き出される)。
【0065】
図6及び
図7に示すように、円板状のストッパー部材59が第2支持ケース22の内部に位置する伝動軸45の一方の端部に、ボルト60により連結されている。
この場合、操作レバー48を第3下降位置50dに操作した状態が、第2刈刃ハウジング2の下限姿勢が最も下方に位置する状態であり、第2刈刃ハウジング2が下限姿勢まで下方に姿勢変更しても、ベベルギヤ51がストッパー部材59に当たらないように、ワイヤ53(インナー53a)の長さが設定されている。
【0066】
しかしながら、長期の使用等によりワイヤ53(インナー53a)が伸びることがあるのであり、ワイヤ53(インナー53a)が伸びても、ベベルギヤ51がストッパー部材59に当たることにより、それ以上に第2刈刃ハウジング2が下方に姿勢変更することができなくなる。
【0067】
図6及び
図7に示すように、グリス充填用のグリスニップル61が第2支持ケース22の上部中央(第2刈刃駆動軸32の略直上)に備えられている。これにより、グリスニップル61から第2支持ケース22の内部にグリスを補給することができるのであり、第2支持ケース22の内部に位置するベベルギヤ51,52、ベベルギヤ51と伝動軸45との間の部分にグリスを補給することができる。
【0068】
[9]
次に、エンジン3のアクセルを操作するアクセルレバー64の構造について説明する。
図1,2,10,11,12に示すように、左の操縦ハンドル4の握り部4aの前側の下面に、パイプ状の支持部62が横向き(左右方向)に連結されている。板材を折り曲げて基部65が構成されて、基部65が支持部62の横軸芯P8周りに上下に揺動自在に支持され、丸棒状のアクセルレバー64が基部65に連結されており、アクセルレバー64が左の操縦ハンドル4の握り部4aの下側に位置して、左の操縦ハンドル4(支持部62)の横軸芯P8周りに上下に揺動自在に支持されている。
【0069】
図10,11,12に示すように、基部65の右及び左の縦壁部65aが上方に延出され、右及び左の縦壁部65aの上部に亘って上壁部65bが形成されている。基部65の縦壁部65a及び上壁部65bの間の開口部に、右の操縦ハンドル4が通っており、基部65の上壁部65bが左の操縦ハンドル4の上面に当たることにより、アクセルレバー64の下限姿勢が設定される。
【0070】
図10,11,12に示すように、左の操縦ハンドル4にブラケット4bが連結されており、ワイヤ66のアウター66bが左の操縦ハンドル4のブラケット4bに連結されている。アクセルレバー64に横向きに連結されたアーム64aに、ワイヤ66のインナー66aが融通用のバネ68を介して接続され、ワイヤ66のインナー66aがエンジン3のアクセル(図示せず)に接続されている。
【0071】
エンジン3のアクセルはアイドリング位置に戻るように付勢されており、ワイヤ66のインナー66aがエンジン3側に引かれる構成となっている。
図1及び
図10に示す状態は、エンジン3のアクセルがアイドリング位置に位置して、アクセルレバー64が下限姿勢であるアイドリング位置に位置している状態であり、アクセルレバー64が左の操縦ハンドル4の握り部4aから所定間隔を置いて下側に位置している。
【0072】
[10]
次に、走行クラッチ35を操作する走行クラッチレバー63の構造について説明する。
図10,11,12に示すように、縦長の板材を湾曲状に曲げて走行クラッチレバー63が構成されており、走行クラッチレバー63の基部63aが、基部65(アクセルレバー64)の外側に位置して、左の操縦ハンドル4の支持部62の横軸芯P8周りに上下に揺動自在に支持されている。
【0073】
これにより
図10,11,12に示すように、左の操縦ハンドル4の握り部4aの下側に、走行クラッチレバー63が位置している。走行クラッチレバー63の横幅がアクセルレバー64の横幅よりも十分に大きなものに構成されており、走行クラッチレバー63がアクセルレバー64よりも長く後方に延びたものに構成されている。
【0074】
図10,11,12に示すように、ワイヤ67のアウター67bが左の操縦ハンドル4のブラケット4bに連結されて、走行クラッチレバー63から横向きに延出された接続部63bに、ワイヤ67のインナー67aが融通用のバネ68を介して接続されている。
走行クラッチ35(
図5及び
図9参照)に切換機構(図示せず)が備えられており、ワイヤ67のインナー67aが切換機構に接続されている。
図5及び
図9に示すように、一対のバネ70によりシフト部材27が中立位置(遮断位置)に付勢されていることによって、ワイヤ67のインナー67aが切換機構側に引かれる構成となっている。
【0075】
切換機構は、ワイヤ67(インナー67a)の引き操作により、中立位置のシフト部材27が低速ギヤ25への咬合側に操作される低速状態と、中立位置のシフト部材27が高速ギヤ26への咬合側に操作される高速状態とに切換自在に構成されており、作業者が手動により切換機構を事前に低速及び高速状態に操作しておいく。
【0076】
図1及び
図10に示す状態は、シフト部材27が中立位置(走行クラッチ35の遮断状態)に位置して、走行クラッチレバー63の基部63aが左の操縦ハンドル4の下面に当たった下限姿勢である遮断位置に位置している状態である。
この状態において、遮断位置の走行クラッチレバー63が、アイドリング位置のアクセルレバー64から所定間隔を置いて下側に位置しており、遮断位置の走行クラッチレバー63と左の操縦ハンドル4との間に、アイドリング位置のアクセルレバー64が位置している。
【0077】
[11]
次に、走行クラッチレバー63及びアクセルレバー64の操作について説明する(その1)。
図1及び
図10に示すように、走行クラッチレバー63及びアクセルレバー64から手を離している状態において、走行クラッチレバー63が遮断位置に位置し、アクセルレバー64がアイドリング位置に位置している(遠心クラッチ16の遮断状態)。
【0078】
図1及び
図10に示す状態において、左の操縦ハンドル4の握り部4aに左手を置き、左手の指で走行クラッチレバー63を持って、左手を握り操作することにより、走行クラッチレバー63が上方に操作される。
この場合、前項[10]に記載の切換機構を事前に低速状態又は高速状態に操作しておき、刈取クラッチ40(
図6及び
図9参照)を事前に伝動状態に操作しておく。
【0079】
図10,11,12に示すように、走行クラッチレバー63がアイドリング位置のアクセルレバー64に当たる位置まで上方に操作されると、ワイヤ67のインナー67aの引き操作により、シフト部材27が低速ギヤ25(高速ギヤ26)に咬合する位置に操作される(走行クラッチ35の伝動状態)。
この場合、アクセルレバー64(エンジン3のアクセル)はアイドリング位置であるので、遠心クラッチ16は遮断状態であり、後輪7、第1及び第2刈刃11,12は停止している。
【0080】
図10,11,12に示すように、前述の状態から左手を握り操作して走行クラッチレバー63を上方に操作すると、走行クラッチレバー63がアクセルレバー64に当たっていることによって、アクセルレバー64もアイドリング位置から上方(高速側)に操作されるのであり(エンジン3のアクセルが高速側に操作されるのであり)、これに伴ってエンジン3の回転数がアイドリング状態から上昇していく。以上のようにして、左の操縦ハンドル4の握り部4aと、走行クラッチレバー63と、アクセルレバー64とを共握りすることができる。
この場合、シフト部材27は低速ギヤ25(高速ギヤ26)に咬合する位置を越えて操作されないので、走行クラッチレバー63の上方への操作はバネ68が伸びることによって許容される。
【0081】
前述のようにしてエンジン3の回転数がアイドリング状態から上昇していくと、遠心クラッチ16が伝動状態となって、エンジン3の動力が後輪7、第1及び第2刈刃11,12に伝達されるのであり、歩行型草刈機(後輪7)が前進して、第1及び第2刈刃11,12が回転駆動される。
左手を握り操作して、走行クラッチレバー63及びアクセルレバー64を左の操縦ハンドル4の握り部4aに当たる位置まで操作すると、エンジン3のアクセルが最高速位置に操作される。
【0082】
[12]
次に、走行クラッチレバー63及びアクセルレバー64の操作について説明する(その2)。
図1及び
図10に示すように、走行クラッチレバー63及びアクセルレバー64から手を離している状態において、走行クラッチレバー63が遮断位置に位置し、アクセルレバー64がアイドリング位置に位置している。この状態において、走行クラッチレバー63とアクセルレバー64との間に空間がある。
図10に示す状態において、刈取クラッチ40(
図6及び
図9参照)を事前に伝動状態に操作しておき、左の操縦ハンドル4の握り部4aに左手を置いて、左手の指を走行クラッチレバー63とアクセルレバー64との間に入れて、左手を握り操作することによりアクセルレバー64を上方に操作する。
【0083】
これによって、走行クラッチレバー64を遮断位置に残した状態(走行クラッチ35の遮断状態)で、アクセルレバー64を高速側(エンジン3のアクセルを高速側)に操作して、遠心クラッチ16を伝動状態とすることができるので、歩行型草刈機(後輪7)を停止させた状態で第1及び第2刈刃11,12を回転駆動することができる。
前述のように、走行クラッチレバー64を遮断位置に残した状態(走行クラッチ35の遮断状態)で、アクセルレバー64を高速側(エンジン3のアクセルを高速側)に操作する状態は、以下のような状態である。
【0084】
刈取作業中において第1及び第2刈刃ハウジング1,2の内部に刈草が滞留した場合、走行クラッチレバー63及びアクセルレバー64から手を離して、歩行型草刈機(後輪7)、第1及び第2刈刃11,12を停止させ、右及び左の操縦ハンドル4を押し下げて第1及び第2刈刃ハウジング1,2を前上がり状態として、第1及び第2刈刃11,12を地面から上方に位置させる。
次に、走行クラッチレバー64を遮断位置に残した状態(走行クラッチ35の遮断状態)で、アクセルレバー64を高速側(エンジン3のアクセルを高速側)に操作することにより、歩行型草刈機(後輪7)を停止させた状態で、地面の上方に位置する第1及び第2刈刃11,12が空転する状態となって、第1及び第2刈刃ハウジング1,2の内部に滞留した刈草が第1及び第2刈刃11,12により強制的に放出される。
【0085】
前述のような状態以外に、走行クラッチレバー64を遮断位置に残した状態(走行クラッチ35の遮断状態)とすることにより、後輪7が自由回転する状態となるので、この状態においてアクセルレバー64を高速側(エンジン3のアクセルを高速側)に操作することによって、作業者が右及び左の操縦ハンドル4を持って歩行型草刈機を押し操作しながら、第1及び第2刈刃11,12を回転駆動して刈取作業を行うことができる。
【0086】
次に、刈取クラッチ40(
図6及び
図9参照)を遮断状態に操作しておき、前項[11]に記載のように、左の操縦ハンドル4の握り部4aと走行クラッチレバー63とアクセルレバー64とを共握りすると、第1及び第2刈刃11,12を停止させた状態で、後輪7を回転駆動して歩行型草刈機を前進させることができる。
以上のような状態は、刈取作業を行わずに路上を移動するような場合に適しており、切換機構を高速状態に操作しておくとよい。
【0087】
[発明の実施の別形態]
前述の[発明を実施するための形態]において、以下の(1)〜(6)に示すように構成してもよい。
(1)第2刈刃ハウジング2を廃止して、1つの刈刃ハウジング及び刈刃を備えた歩行型草刈機に構成する。
(2)遠心クラッチ16に代えて、手動により伝動及び遮断状態に操作される摩擦クラッチを備える。
(3)ギヤ機構において、2個の伝動ギヤ36,37ではなく、3個以上の伝動ギヤによりギヤ機構を構成する。
(4)後輪7だけではなく、第1前輪5(又は第1及び第2前輪5,6)にも、エンジン3の動力を伝達するように構成する。
(5)走行クラッチ35において、高速ギヤ24,26を廃止して、低速ギヤ23,25のみによりエンジン3の動力を伝達するように構成する。又は低速ギヤ23,25を廃止して、高速ギヤ24,26のみによりエンジン3の動力を伝達するように構成する。
(6)ギヤ機構の下側の上下位置にウォームギヤ機構19を備えるのではなく、上下を逆転させて、ウォームギヤ機構19の下側の上下位置にギヤ機構を備えるように構成する。このように構成した場合、ベベルギヤ41と伝動ギヤ37(刈刃クラッチ40)の上下関係が逆転して、上側にベベルギヤ41が位置し、下側に伝動ギヤ37(刈刃クラッチ40)が位置することになる。