(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【実施例1】
【0016】
図1乃至
図4は、実施例1を示している。1は、本発明の照明装置である電気スタンドである。この電気スタンド1は、柱状の基部2と、この基部2に対して可動に設けられた首部3と、この首部3に対して可動に設けられた灯体4とを有して構成される。前記基部2は、前側の幅が広い台形の底面部2Aを有し、この底面部2Aが、設置面でもある被照射面Fと当接する。また、前記基部2は、上方に向かって細くなる形状をなす。
【0017】
そして、前記基部2の正面側には、上段操作部5と下段操作部6が設けられる。前記上段操作部5は、調光用のタッチスイッチからなる。また、前記下段操作部6は、調色用のタッチスイッチからなる。そして、前記上段操作部5は、左右方向中央に設けた主スイッチ5Aと、左右に設けた調光スイッチ5L,5Rとを備える。前記主スイッチ5Aを操作することにより、電源のオン・オフの切り換えを行うことができる。また、右の調光スイッチ5Rを操作することで明るさが増し、左の調光スイッチ5Lを操作することで、明るさが減ずるように操作することができる。また、前記下段操作部6は、左右方向中央に設けた中間スイッチ6Aと、左右に設けた調色スイッチ6L,6Rとを備える。前記中間スイッチ6Aを操作することにより、後述する電球色LEDと、白色LEDの光を混色させて、照明光を中間色に切り換えることができる。また、右の調色スイッチ6Rを操作することで、現状の点灯状態に対して、電球色LEDを相対的に強く発光させて、光を暖色に段階的に調色することができる。また、左の調色スイッチ6Lを操作することで、現状の点灯状態に対して、白色LEDを相対的に強く発光させて、光を寒色に段階的に調色することができる。
【0018】
また、前記首部3の内部には、それ自体が可撓性を有する図示しないフレキシブルシャフトが設けられている。
【0019】
図1等に示すように、前記灯体4は、前記首部3の先端に連結したケース本体11を備える。このケース本体11は、上ケース部12と下ケース部13とからなる。この上ケース部12の先端側には、フード部14が先端側に向かって延設されている。前記ケース本体11は合成樹脂製で、光を通さない不透明な材料からなる。なお、前記灯体4は、前記首部3の軸中心に対して、水平位置より上下それぞれ15度程度回動可能である。また、前記灯体4は、前記首部3を屈曲することにより、水平位置から略垂直位置まで向きを変更することができる。なお、この例の前記灯体4の水平位置とは、前記下ケース部13の下面が後述する補助線101で示す水平線と略並行となる状態の位置を指す。
【0020】
また、前記上ケース部12は先端側が斜め上向きの傾斜部12Aを有し、この傾斜部12Aの先端から前記フード部14が斜め下向きに形成される。即ち、前記上ケース部12は、側面視で山型状に形成される。また、前記上ケース部12と前記下ケース部13の先端側の間には、開口部15が形成されている。なお、前記下ケース部13には、前記開口部15の位置に立ち上がり縁部13Aが形成されている。
【0021】
前記灯体4の光学系について詳述する。前記灯体4は、光源としての複数の照明用LED16を有する。これらのLED16は、金属基板17上に左右一列に複数並べて設けられ、前記開口部15から外部に光を照射する。なお、前記LED16は、電球色LEDと、白色LEDが1:2の割合で設けられている。また、前記金属基板17は、板状の放熱体18に接続される。この放熱体18は、熱伝導性の良いアルミ等の金属からなる。
【0022】
前記LED16は、前記立ち上がり縁部13Aの位置より基端側(後側)に位置し、前記ケース本体11に内蔵されている。また、前記灯体4の水平位置で、前記LED16及び金属基板17は、前記LED16の光軸16Jが先端側(前側)に向かって斜め上向きをなすように、傾けた状態で設けられている。そして、光軸16Jと、補助線101で示す水平線とのなす角度θは、10度以上45度未満、好ましく20〜30度程度であり、
図1及び
図4では角度θが25度のものを図示している。これは、角度θが10度未満であると、被照射面F方向に向かう直射光が多くなってしまい、また、角度θが45度以上であると、光反射手段21へ照射する照射範囲が狭くなる虞が生じるからである。なお、前記金属基板17が、補助線102で示す垂直線に対してなす角度は、前記角度θと同一である。
【0023】
また、前記傾斜部12A及びフード部14内には、板状の前記光反射手段21が設けられている。この光反射手段21の光反射面である内面の少なくとも一部は、前記LED16の位置より上方に位置する。また、前記光反射手段21は、前記LED16の上部から前記フード部14の先端側に亘って連続して設けられている。
【0024】
前記光反射手段21は、光を反射するものであって、鏡面反射の割合より拡散反射の割合が大きな素材で形成されている。前記光反射手段21の鏡面反射の割合は、10%以下が眩しさを低減する面から好ましく、かつ、拡散反射の割合は、80%を超えるものが照明効果の点から好ましい。なお、前記光反射手段21は、反射面が白色のものを用いている。前記光反射手段21の一例としては、超微細発泡反射板MCPET(登録商標:古河電気工業株式会社製)などを用いることができる。超微細発泡反射板MCPETは、厚さ0.94mm、全反射率99%、拡散反射率96%である。補足すると、上述した反射率は、波長550nmの光における硫酸バリウムとの相対値であり、全反射率99%に対して3%が鏡面反射分であり、残りの1%が吸収された分である。
【0025】
前記光反射手段21は、基端に斜め上向きの基端側傾斜部21Aを設け、この基端側傾斜部21Aの先端に略水平な中間部21Bを設け、この中間部21Bの先端に斜め下向きの先端側傾斜部21Cを設け、この先端側傾斜部21Cの先端に略水平な先端部21Dを設けている。なお、前記基端側傾斜部21Aと中間部21Bの間、前記中間部21Bと先端側傾斜部21Cとの間、前記先端側傾斜部21Cと先端部21Dの間には、それぞれ屈曲部21Kが設けられている。また、いずれも水平に対して、前記基端側傾斜部21Aの傾斜角度は前記角度θ以上で45度以下、前記先端側傾斜部21Cの角度は、前記角度θと略同一又は同一であり、かつ、前記フード部14の角度より大きい。なお、前記基端側傾斜部21A、中間部21B、先端部21Dの長さはさほど変わらないが、前記先端側傾斜部21Cは最も長く、前記中間部21Bのおよそ5倍程度の長さを有する。
【0026】
前記基端側傾斜部21Aは、その基端が前記金属基板17の前面に当接又は近接し、その先端が略開口部15に位置する。また、先端側傾斜部21Cは、前記フード部14の先端側まで延設されており、その先端は前記LED16よりも下方に位置する。従って、前記フード部14及び前記先端側傾斜部21Cは、前記LED16の位置から引き出された補助線101で示す水平線と交差するように、それぞれの傾斜角度と長さが規定されている。
【0027】
前記放熱体18は、前記金属基板17の後面と、前記光反射手段21の上面を覆うように設けられる。具体的には、前記放熱体18は、前記金属基板17の後面に接すると共に、前記光反射手段21の上面に貼り付けられる。即ち、金属製放熱体18の下面に、前記光反射手段21が貼り付けられている。なお、
図4等に示すように、前記放熱体18は、前記光反射手段21に倣った形状となるように成形される。従って、前記放熱体18は、前記光反射手段21に対応して、基端側傾斜部と、中間部と、先端側傾斜部と、先端部とを有し、更に金属基板17の後面に沿う部分とを一体に有する。
【0028】
前記LED16の照射側には、合成樹脂製で、透光性を有するLEDカバー22が設けられている。このLEDカバー22は、前記光軸16Jと直交する前面部23と、該光軸16Jと略平行な下面部24とを一体に有して断面略L字型に形成される。前記前面部23の上縁は、基端側傾斜部21Aの先端側に近接又は当接し、前記下面部24の後縁は金属基板17の前面に当接している。なお、前記LEDカバー22は、透明又は半透明のものを用いることができ、前記LED16に近接するため、耐熱性に優れた合成樹脂、例えばポリカーボネート等を用いることが好ましい。
【0029】
前記LEDカバー22には、前記LED16から放射される光のうち、前記光反射手段21に照射されない直射光が通過する範囲に、拡散光生成手段25を設けている。本実施例において、前記拡散光生成手段25は、前記LEDカバー22の外面に施したシボ加工部からなる。この拡散光生成手段25は、前記下面部24の底面と、前記前面部23の下部側とに設けられている。そして、
図1に示すように、前記LED16と先端側傾斜部21Cの先端とを結ぶ仮想線103の位置より多少上方に、前記拡散光生成手段25の上端が位置している。なお、前記拡散光生成手段25の上端と、仮想線103が前記前面部23に交差する位置との高さの差を0〜5mm程度とすることが好ましい。そして、前記LEDカバー22の前面部23のうち、前記拡散光生成手段25以外の部分は、前記LED16が放射した光を拡散させずに透過させる透過部26である。なお、本実施例においては、前記仮想線103が前記前面部23に交差する位置よりも上方の前記LEDカバー22の部分については、その殆どの部分が透過部26である。
【0030】
従って、前記LED16から放射される光のうち、前記光反射手段21に照射されない直射光が前記拡散光生成手段25を透過することにより、拡散光となって前記被照射面Fに照射される。
【0031】
次に、本実施例の作用について説明する。なお、前記電気スタンド1は、予め図示しない交流電源に接続されているものとする。そして、使用者が前記主スイッチ5Aを操作することで、前記灯体4に設けられた前記LED16に電力が供給され、このLED16が発光する。そして、上述したように、使用者が前記調光スイッチ5L,5Rを操作することで、前記LED16に供給される電力が段階的に調節され、このLED16の明るさが変化する。また、上述したように、使用者が前記調色スイッチ6L,6Rを操作することで、前記LED16の発光色を段階的に調節することができる。
【0032】
なお、前記LED16に通電することで発生する熱は、前記金属基板17を介して前記放熱体18に移動し、この放熱体18から放出される。
【0033】
図4に示したように、前記LED16から放射された光の一部は、前記LEDカバー22の透過部26を透過して、前記光反射手段21に照射される。前記光反射手段21に照射された光は、この光反射手段21において反射することにより、所定の割合の拡散光が生成されて下方に照射され、被照射面Fを照明することができる。この場合、水平に対して上向きの角度が大きな光は、前記中間部21Bで反射し、水平に対して上向きの角度が小さな光は、前記先端側傾斜部21Cで反射し、所定割合が拡散光となって下側に照射される。このように、前記光反射手段21に照射された光は、この光反射手段21で反射されることにより、所定の割合の拡散光が生成されるので、本来点光源である前記LED16の眩しさや多重影を低減させ、目に優しい柔らかい光で被照射面Fを照明することができる。また、前記光反射手段21に、略水平な前記中間部21Bを設けることにより、前記先端側傾斜部21Cの水平に対する角度を大きく設定することができ、前記LED16の光を良好に下方に導くことができる。また、前記基端側傾斜部21Aにおいても反射により光は拡散するが、基端側傾斜部21Aの水平に対する角度が光軸
16Jの角度θより大きいから、前記基端側傾斜部21Aで反射した後で前記拡散光生成手段25に向かう光量を抑えることができる。
【0034】
一方、前記LED16から放射された光のうち、前記光反射手段21に照射されない直射光、即ち前記拡散光生成手段25を透過する光は、該拡散光生成手段25を透過することにより、拡散光となって下方に照射される。
【0035】
以上のように、本実施例では、
基端側に光源たるLED16を備えた灯体4と、前記LED16の上方に設けられた光反射手段21とを有する照明装置たる電気スタンド1において、前記LED16の光軸16Jが
先端側に向かって水平よりも上向きに規定されていると共に、前記光反射手段21と交差
し、LED16
の照射側には透光性を有する光源カバーたるLEDカバー22が設けられ、LEDカバー22の被照射面方向に直接向かう光が照射される範囲に、拡散光生成手段25が設けられ、光反射手段21は、先端側に向かって水平よりも上向きの基端側傾斜部21Aを基端側に有し、基端側傾斜部21Aの水平に対する角度が、光軸16Jの水平に対する角度θより大きいから、前記LED16の放射光を前記光反射手段21で反射させて、拡散光に変化させることによって、眩しさや多重影を低減することができる。また、導光体等の部品を用いる必要がないため、前記灯体4の重さを比較的軽量にすることができると共に、前記電気スタンド1自体を安価に製造することができる。
また、前記基端側傾斜部21Aにおいても反射により光は拡散するが、基端側傾斜部21Aの水平に対する角度が光軸16Jの角度θより大きいから、前記基端側傾斜部21Aで反射した後で前記拡散光生成手段25に向かう光量を抑えることができる。
【0036】
また、光源
たるLED16の照射側に透光性を有する前記LEDカバー22が設けられ、このLEDカバー22のうち、被照射面F方向に直接向かう光が透過する範囲に、拡散光生成手段25を設けたから、前記LEDカバー22により使用者が前記LED16に直接触れないようにでき、且つ、直射光がシボ加工等によって形成された前記拡散光生成手段25を透過することにより、直射光の眩しさ及び多重影の発生を低減することができる。
【0037】
また、本実施例では、前記光反射手段21の反射率が、鏡面反射の割合よりも拡散反射の割合の方が大きいから、効率よく光源の眩しさ及び多重影の発生を低減させることができる。
【0038】
更に、前記光源がLED16からな
る。
【0039】
また、実施例上の効果として、前記光軸16Jと、前記補助線101で示す水平線とのなす角度θは、10度以上45度未満、好ましく20度以上30度以下であるから、被照射面Fの比較的広い範囲を効果的に照明することができる。即ち、角度θが45度を越えると、前記光反射手段21へ照射する照射範囲が狭くなる虞があり、また、角度θが10度未満では、被照射面F方向に直接向かう直射光が多くなってしまうため、上記の範囲が好ましい。また、水平位置で、先端側傾斜部21Cの先端が、前記LED16よりも下方に位置するから、前側に直接光が漏れ難くなる。更に、金属製の前記放熱体18の内面に板状の前記光反射手段21を重ねて貼り付けて固定したから、シート状で可撓性を有する前記光反射手段21の取り付けを容易に行うことができる。また、前記光反射手段21の鏡面反射の割合が10%以下であるから、眩しさの低減効果に優れる。しかも、前記LEDカバー22には、前記LED16が放射した光が拡散せずに透過する透過部26を設けたから、照明効率の低下を防止することができる。
[参考例
1]
【0040】
図5は本発明の
参考例
1を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述する。同図はLEDカバーの変形例を示す。
参考例
1のLEDカバー31は、LED16の正面側に設けられた透過部32と、前記LED16の下方に設けられた反射部33とを一体的に有する。なお、この反射部33は、白色等のものが用いられ、光を反射する。この場合、前記透過部32と反射部33とを二色成型により一体成型することができる。また、前記透過部32と反射部33を透明又は半透明な同一材質とし、この反射部33の内面又は外面に、塗装や反射部材を設けて反射面を設けてもよい。
【0041】
また、前記反射部33は、前記LED16に近接した位置にあり、先端側に向かって高くなるように傾斜している。なお、前記反射部33の水平に対する角度は、前記角度θよりも小さい。また、前記反射部33と前記基端側傾斜部21Aとの間隔は、先端側に向かって拡大する。
【0042】
次に、本
参考例の作用について説明する。前記LED16から反射部33に向かう光は、この反射部33で反射した後、前記光反射手段21で反射して、所定の拡散光が生成される。このように、前記反射部33が光を透過せず、光を反射するため、外部に前記LED16の直射光が漏れることがなく、全て前記光反射手段21で反射してから被照射面Fを照射するので、良好に照明することができる
。
【0043】
また、本
参考例では、光源がLED16からなり、このLED16の照射側にLEDカバー31が設けられ、このLEDカバー31の透過部32が透光性を有し、前記LEDカバー31の反射部33が前記LED16の光を反射するから、このLED16の光が全て光反射手段21で反射してから外部に照射されるため、被照射面Fを良好に照明することができる。
[参考例
2]
【0044】
図6は本発明の
参考例
2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述する。同図はLEDカバーの変形例を示す。
参考例
2のLEDカバー41は、LED16の光軸16Jと直交し、前記LED16から放射された光を集光するレンズ部42と、前記光軸16Jと略平行な下面部43とを一体に有して断面略逆L字型に形成される。前記レンズ部42は、前記LED16から放射された光を集光し、光反射手段21の先端側傾斜部21Cに光を導くように形成される。なお、前記LEDカバー41は、実施例1と同様に、透明又は半透明のもので、耐熱性に優れた合成樹脂、例えばポリカーボネート等を用いることが好ましい。また、前記LEDカバー41の下面部43には、前記LED16から放射された光を拡散させる拡散光生成手段44が設けられている。本
参考例において、前記拡散光生成手段44は、前記LEDカバー41の下面部43に施したシボ加工部からなる。この拡散光生成手段44は、前記下面部43の底面と、前記下面部43の先端側(前側)とに設けられている。
【0045】
次に、本
参考例の作用について説明する。実施例1で示したように、前記LED16から放射され、前記基端側傾斜部21Aや前記中間部21Bで反射された光は、その多くが被照射面Fを照射する。しかしながら、前記基端側傾斜部21Aや前記中間部21Bで反射した一部の光は、前記LED16の方向に戻ってしまい、被照射面Fを効率よく照明できない可能性が生じる。従って、本
参考例では、前記レンズ部42を設け、前記LED16から放射された光を特に前記光反射手段21の先端側傾斜部21Cに導くように集光している。これにより、前記レンズ部42が、前記LED16から前記基端側傾斜部21Aや前記中間部21Bに向かう光の割合を低減させることで、前記LED16の方向に反射する成分を低減して、より効率的に反射光によって被照射面Fを照明することができる。
【0046】
また、前記レンズ部42を設けても、前記LED16から放射された光の一部が、前記先端側傾斜部21Cの方向に集光されず、被照射面F方向に直接向かう直射光となってしまう。従って、前記LEDカバー41には、前記LED16から放射された光のうち、被照射面Fに直射向かう光が透過する範囲に、前記拡散光生成手段44を設けている。これにより、直射光がシボ加工等の拡散光生成手段44を透過することで、直射光の眩しさ及び多重影の発生を低減することができる。
[参考例
3]
【0047】
図7は本発明の
参考例
3を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述する。同図はLEDカバーの変形例を示す。
参考例
3のLEDカバー51は、LED16の上方に設けられた上側反射板52と、前記LED16の下方に設けられた下側反射板53からなる。即ち、前記LEDカバー51は、金属基板17上に左右一列に多数並べて設けられた前記LED16を上下間で挟むように、一対に設けられている。また、前記LEDカバー51は、塗装や反射部材を設けて反射面になっている。また、前記LEDカバー51は、金属等の鏡面反射率の高い素材を用いて一体成型し、その内面を反射面としても構わない。また、前記上側反射板52と下側反射板53の間隔は、基端側から先端側に向かって拡大する。なお、前記上側反射板52と下側反射板53の先端側は開放しており、厳密な意味ではカバーではないが、前記上側反射板52と下側反射板53の先端側の間隔を狭くして前記LED16に触れられないようにすることで、実質的にカバーと同様の作用を持たせることができる。
【0048】
次に、本
参考例の作用について説明する。前述したように、実施例1のような構造では、前記基端側傾斜部21Aや前記中間部21Bで反射した一部の光は、前記LED16の方向に戻ってしまい、被照射面Fを効率よく照明できない可能性が生じる。従って、本
参考例では、前記上側反射板52と下側反射板53を設け、前記LED16から放射された光を特に前記光反射手段21の先端側傾斜部21Cに導くように反射する。そして、前記LED16から放射された光が、前記上側反射板52と下側反射板53で反射されると、これら上側反射板52と下側反射板53によって、殆どが前記光反射手段21の先端側傾斜部21Cの方向に向かい、この先端側傾斜部21Cで拡散光へと変化して、被照射面Fが照射される。このように、本
参考例では、前記LED16の上下を覆うように、前記上側反射板52と下側反射板53を設けたことで、前記LED16から前記基端側傾斜部21Aや前記中間部21Bに向かう光の割合を低減させることで、前記LED16の方向に反射する成分を低減して、より効率的に反射光によって被照射面Fを照明することができる。
【0049】
なお、本発明は以上の実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、光反射手段は、上述した実施例に記載されたものに限定されず、反射板に白塗りで凹凸を設けたものや、アルミ製の板材の上面を粗したものや、表面に微細な気孔を複数有する発泡体等でもよい。また、光軸とは光源からの直接光の光軸(狭義の光軸)を指すが、反射又は屈折によって屈曲させた光軸(広義の光軸)であっても良い。また、拡散光生成手段は、上述した実施例に記載されたものに限定されず、乳白で塗装したもの等、様々なもので応用可能であり、且つ、拡散光生成手段はLEDカバーの内面側に設けてもよい。更に、実施例1のLEDカバーの下部側内面を反射面に形成してもよい。また、上
記実施例
及び各参考例を組み合わせても良い。例えば、
参考例
3に記載したような上側反射板と下側反射板の間に、
参考例
2に記載したような光を集光するレンズ部を設けても構わない。このようにすれば、前記上側反射板と下側反射板によって、基端側傾斜部や中間部に向かう光の割合を低減させると共に、前記レンズ部によってLEDから放射された光を先端側傾斜部に集光させることができる。従って、より効率的に反射光によって被照射面Fを照明することができる。