(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る貯湯タンクユニットを備えた給湯器を示す全体構成図である。なお、
図2以降では、貯湯タンクに接続される配管の図示を一部省略して示している。
図2は、実施形態に係る貯湯タンクユニットを前方斜め上方向から見た一部切り欠き斜視図である。
実施形態の貯湯タンクユニット1を備えた給湯機K(
図1参照)について説明する。
給湯機Kは、低温水を加熱して温水(お湯)を作るヒートポンプユニット10と、該温水を貯留して供給する貯湯タンクユニット1とを備え構成されている。
【0013】
貯湯タンクユニット1は、温水を貯める貯湯タンク2、貯湯タンク2を覆う外箱3、および外箱3内に形成され貯湯タンク2を断熱する発泡断熱材6(
図3参照)を備えている。
なお、
図3は、貯湯タンクユニットを略水平面で切断した横断面図である。
貯湯タンク2の下部には、低温水(水道水などの水)が導入される給水管11(
図1参照)が接続されている。貯湯タンク2内の下部の低温水は、ポンプ(図示せず)によって入水管12を介してヒートポンプユニット10に導入される。ヒートポンプユニット10で加熱され高温となった温水は、出湯管13を通って貯湯タンク2の上部に導入される。
【0014】
貯湯タンク2は、例えば、ステンレス鋼などの材料を用いて、円筒形状の胴板2a、胴板2aの上部開口を覆う略お椀状の曲率をもった曲面形状の上部鏡板2b、胴板2aの下部開口を覆う略お椀状の曲率をもった曲面形状の下部鏡板2cの3部材を溶接して連結し構成されている。
【0015】
貯湯タンク2内の温水の温度は、下方から上方にいくにしたがって高くなる。すなわち、貯湯タンク2内の下部から上部にかけて、低温、中温、高温の温度分布の温水(または水)となっている。そこで、貯湯タンク2の外面には、鉛直方向に、貯湯タンク2内の温水または水の温度を測る温度センサ5a、5b、5c、5d、5e(
図2参照)が間隔をおいて複数設けられている。温度センサ5a〜5eとしては、例えばサーミスタが用いられる。
【0016】
<ヒートポンプユニット10>
図1に示すヒートポンプユニット10は、貯湯タンク2から取り出した水(低温水)を高温の温水に加熱するものであり、例えば、冷媒(例えば、二酸化炭素)を圧縮して高温・高圧にする圧縮機と、圧縮機から吐出された冷媒を凝縮させるとともに貯湯タンク2からの水と熱交換することによって水を凝縮熱で加熱する凝縮器と、凝縮器からの冷媒を減圧する減圧弁と、大気中の熱を吸熱して減圧した冷媒を蒸発させる蒸発器とを備えて構成されている。
【0017】
貯湯タンク2の上部から取り出された温水(湯)は、給湯管14を通り混合弁(図示せず)に送られ、混合弁で、給水管11から分岐した分岐給水管(図示せず)からの水と混合され所望温度の温水にされた後、給湯管17を通って給湯端末18から出湯(供給)される。
【0018】
<外箱3>
外箱3は、内部に貯湯タンク2を収容し、貯湯タンク2の保護、断熱などの用に供されるものであり、防錆処理または防錆性ある薄い鋼板で構成されている。
外箱3は、貯湯タンク2の前方に位置する前板3a(
図2参照)、側方に位置する側板3b,3b、後方に位置する後板3c、上方に位置する上板3dおよび下方に位置する底板3eによって縦長の直方体形状の箱形に構成されている。前板3a、側板3b,3b、後板3c、上板3d、底板3eは、必要箇所が嵌合、ボルト締めなどで接合され、外箱3が形成されている。
【0019】
外箱3の前方(正面側)には、配管カバー3sが設けられている。配管カバー3sは、ヒートポンプユニット10から貯湯タンク2に向かう出湯管13、分岐給水管、混合弁、給湯管17などを収容して覆い、外部空間から保護している。
【0020】
貯湯タンク2の下部には、3本の内脚2dが固定されている。貯湯タンク2は、3本の内脚2dが外箱3の底板3eの外側に取り付けられる外脚7に固定され支持されている。内脚2dおよび外脚7の数は、それぞれ3つ以上であってもよいが、3つの内脚2dおよび3つの外脚7の場合、3つの外脚7により貯湯タンクユニット1を設置する設置個所Gに一つの平面が定まり貯湯タンク2が最も安定する。そのため、3つの内脚2d、外脚7の構成が最も望ましいが、4つの脚を備えた構成としてもよい。
【0021】
貯湯タンクユニット1の外箱3の下面を成す底板3eには、複数の外脚7が外箱3内の貯湯タンク2を支持する内脚2dにボルトなどにより固定されている。そのため、外脚7における外箱3の底板3eに当接する上板7a(
図1参照)には、ボルトが挿通する取り付け穴が設けられている。
【0022】
一方、外脚7の貯湯タンクユニット1の設置箇所Gの基礎(一般的にコンクリートで養生した土台)に当接する外脚7の下板7bには、基礎への固定用のアンカーボルトが挿通する取り付け穴が設けられている。
【0023】
<貯湯タンク2と外箱3との間の発泡断熱材6>
図3においてドット表示で示すように、貯湯タンク2と外箱3との間の隙間のスペースs1には発泡性の断熱材である発泡断熱材6が充填されている。
【0024】
発泡性の断熱材の発泡断熱材6は、貯湯タンク2と外箱3との間に、液状の発泡性の発泡断熱材6を充填し、充填後に発泡させることで構成されるものである。発泡断熱材6としては、例えば、硬質ポリウレタンフォームが用いられる。この硬質ポリウレタンフォームは、ポリオール成分とイソシアネート成分の2つのウレタン原液を、発泡剤、触媒、整泡剤の存在下で反応させることにより得られるものである。発泡剤としては、シクロペンタン、水、炭酸ガスなどである。なお、発泡断熱材6は、硬質ポリウレタンフォーム以外のものを用いてもよい。
【0025】
このように、貯湯タンク2と外箱3との間に隙間のスペースs1(
図3参照)を設け、スペースs1に断熱材の発泡断熱材6を充填することで、貯湯タンク2内の温水の熱が、外箱3の外側の外部空間に漏洩するのを抑制している。
【0026】
<貯湯タンク2と外箱3との間の発泡断熱材6の充填>
図4は、発泡断熱材の充填方法の一例を示す外箱と貯湯タンクの側方からの透視図であり、
図4(a)は発泡断熱材の充填中を示し、
図4(b)は発泡断熱材の充填終了時を示す。なお、
図4に示す上下方向および前後方向の矢印は、設置時の貯湯タンク2(
図1参照)の向きを示している。
【0027】
ここに示す例では、貯湯タンク2と外箱3との間の空間(スペースs1)に発泡断熱材6を充填する場合、配管カバー3s(
図1参照)を取り付ける前の状態において、
図4(a)に示すように、貯湯タンク2を収容した外箱3を水平方向に寝かせ(倒し)、配管カバー3sが取り付けられる前板3aの側を上向きにして、外箱3の設置時の上下方向が略水平から斜め下向きになる状態にする。なお、発泡断熱材6の充填が支障なく行えれば貯湯タンク2を収容した外箱3の姿勢は任意である。
【0028】
そのため、外箱3の前板3aには、発泡断熱材6を充填する際の入口となる充填口3a1,3a2が形成されている。外箱3の充填口3a1は、外箱3の下部の底板3e側に形成され、外箱3の充填口3a2は、外箱3の上部の上板3d側に形成されている。
【0029】
充填口3a1,3a2が、外箱3の前板3aに形成されることにより、最終的には(
図1の貯湯タンクユニット1の状態では)前板3aが配管カバー3sに覆われるので、充填口3a1,3a2の開口が風雨に晒されることがない。そのため、充填口3a1,3a2は、前板3aに形成されることが好ましい。
【0030】
発泡断熱材6の発泡時、外箱3は発泡断熱材6から内圧を受けて膨らむこととなる。そこで、
図4(a)に示すように、外箱3を寝かせた(倒した)状態において、外箱3の外面に密着させてその周囲を発泡管理治具(やとい、ともいう)30で覆う(
図4(a)、(b)の二点鎖線参照)。
【0031】
発泡管理治具30は、発泡断熱材6の発泡時の発泡断熱材6の発泡による内圧に抗するため、外箱3の周囲全体を取り囲んで前板3a、側板3b,3b、後板3c、上板3d、底板3eのすべてを変形しないように内方に向けて押し付ける板状の治具を備えている。
そして、発泡管理治具30(以下、やとい30(30a、30b、30c)と称す)の外側から、ノズル(図示せず)を充填口3a1,3a2に挿入し、充填口3a1,3a2から液状の発泡断熱材6を注入する。
そして、発泡断熱材6の注入が完了すると、
図4(b)に示すように、発泡断熱材6が発泡して上昇して外箱3と貯湯タンク2との間の隙間のスペースs1が満たされる。発泡に際して、貯湯タンク2と外箱3は、発泡断熱材6から大きな内圧を受けることとなる。
このとき、発泡断熱材6の圧力によって貯湯タンク2が変形しないように、高圧空気を貯湯タンク2に供給し内圧を高めておいても良い。ここで用いる高圧空気としては窒素等の不燃性の気体が好ましく、発泡断熱材6が固形化した直後に貯湯タンク2内の高圧空気を逃がすことで貯湯タンク2内外の圧力差を解消しておくことが望ましい。
【0032】
<スペーサ部材p1>
図5は、比較例の貯湯タンクユニットにおける貯湯タンクと外箱とを上方から見た上面図である。なお、
図5では、貯湯タンク102と外箱103との間に設置される発泡断熱材106を省略して示している。
【0033】
図5に示す比較例の貯湯タンク102と外箱103との構成では、発泡断熱材106を、貯湯タンク102と外箱103との間に充填した場合、後板103cと側板103bとを接続した接続部103s1と貯湯タンク102との水平方向の距離は、後板103cと貯湯タンク102との水平方向の距離や、側板103bと貯湯タンク102との水平方向の距離に比べて長い。換言すれば、後板103cと側板103bとを接続した接続部103s1と貯湯タンク102との間の水平方向の容積は、後板103cと貯湯タンク102との水平方向の容積や、側板103bと貯湯タンク102との水平方向の容積に比べて大きい。
【0034】
そのため、後板103cと側板103bとの接続部103s1と貯湯タンク102との間に充填される発泡断熱材106の厚さは、後板103cと貯湯タンク102との間に充填される発泡断熱材106の厚さや、側板103bと貯湯タンク102との間に充填される発泡断熱材106の厚さに比べて厚い。
【0035】
これにより、後板103cと側板103bとの接続部103s1に対向する貯湯タンク102の箇所が発泡断熱材106の発泡時に受ける内圧が他の箇所より大きくなり、当該
箇所が変形する場合がある。
【0036】
そこで、実施形態の貯湯タンクユニット1では、
図6、
図3に示すように、外箱3における後板3cと側板3bとの接続部3s1の箇所に、水平面で切った断面が三角形である三角柱形状のスペーサ部材p1をそれぞれ設けている。
図6は、実施形態の貯湯タンクユニットにおける貯湯タンクと外箱とを上方から見た上面図である。
スペーサ部材p1は、それぞれ後板3cと側板3bとの接続部3s1の近傍に、工業用両面テープ、接着材などで固着される。
【0037】
スペーサ部材p1の設置により、貯湯タンク2と外箱3との間の略水平方向の隙間のスペースs1(容積や距離)が略均等にでき、貯湯タンク2と外箱3との間の略水平方向の発泡断熱材6の厚さが均等に近くなる。これにより、発泡断熱材6の発泡時に貯湯タンク2が受ける内圧がほぼ均等になり、発泡断熱材6の発泡時の内圧による貯湯タンク2の変形が抑制される。
【0038】
なお、スペーサ部材p1は、後板3cと側板3bとの接続部3s1に対向する貯湯タンク2の箇所が受ける内圧が低下すればよいので、その形状は、水平面で切った断面が三角形である三角柱形状以外の形状を採用してもよい。なお、スペーサ部材p1は、
図6の三角柱形状の場合、後板3cと側板3bとに固着し易く形状も簡単であるので、製造上、またコスト的にも有利で、最も望ましい。
【0039】
ところで、貯湯タンクユニット1の前板3aおよび側板3bの接続部3s2と貯湯タンク2との隙間には、
図6に示すように、配管(13、14など)が引き回されるため、接続部3s2と貯湯タンク2との隙間の発泡断熱材6が充填される容積が低下し、貯湯タンク2が受ける内圧はさほど大きくならない。そのため、スペーサ部材p1のようなスペーサ部材は設置しないこととしている。なお、貯湯タンク2が受ける内圧が大きい場合は、スペーサ部材p1を設置してもよい。
【0040】
<外箱3の中央部を膨らませる構成の工程>
図7(a)〜(c)は、比較例の貯湯タンクと外箱との間の空間に発泡断熱材を充填する工程を示す貯湯タンクユニットを水平面で切断した横断面図である。
【0041】
<比較例の発泡断熱材106の充填の工程と構成>
比較例の貯湯タンクユニット101では、発泡断熱材106の充填に際して、まず、
図7(a)に示すように、貯湯タンク102と、貯湯タンク102を内部に配置した外箱103を、ロボットなどの自動機に取り付けられたやとい130の内方に配置する。ここで、外箱103の各板の前板103a、側板103b、後板103cは、平板状に形成されている。また、発泡断熱材106の充填、発泡に際して、前板103a、側板103b、後板103cが変形しないように押圧するやとい130の押圧面130mも、平らな面に形成されている。
【0042】
続いて、
図7(a)の白抜き矢印のように、やとい130を外箱103に向けて移動させ、
図7(b)に示すように、やとい130の押圧面130mにより、外箱103の前板103a、側板103b、後板103cを押圧して支持し、貯湯タンク102と外箱103との間に発泡断熱材106を充填して発泡させる。この際、外箱103の前板103a、側板103b、後板103cは、発泡断熱材106の充填、発泡に際して、発泡断熱材106よって内圧を受けるが、やとい130の押圧面130mによって押圧されるので、変形しない。
【0043】
そして、発泡断熱材106の充填、発泡が終了すると、やとい130が外箱103から外される。すると、発泡断熱材106が固形化して収縮する。この際、外箱103の前板103a、側板103b、後板103cの中央部は、端部側に比べて強度が低いため、
図7(c)に示すように、前板103a、側板103b、後板103cの各中央部は貯湯タンク102側に凹み、前板103a、側板103b、後板103cが平らでなくなる場合がある。これにより、発泡断熱材106の厚みが薄い所と厚い所とができる。そのため、断熱性能が低下し、また強度が低下する。さらには、ユーザからの見た目もよくない。
【0044】
また、外箱103の上面を形成する上板は、
図7と同様の方法で発泡断熱材106の充填、発泡を行って上板が平板となるように製作した場合、同様に、上板の中央部が下方に向けて凹んで製作される場合がある。上板の中央部に凹みができると、上板の中央部に雨水、雪などが溜まるという問題が生じる。
【0045】
<実施形態の発泡断熱材6の充填の工程と構成>
図8(a)〜(c)は、実施形態の貯湯タンクユニットの貯湯タンクと外箱との間の空間に発泡断熱材を充填する工程を示す貯湯タンクユニットを水平面で切断した横断面図であり、
図9(a)〜(c)は、実施形態の貯湯タンクユニットの貯湯タンクと外箱との間の空間に発泡断熱材を充填する工程を示す貯湯タンクユニットを鉛直面で切断した縦断面図である。なお、
図8(a)〜(c)、
図9(a)〜(c)では、スペーサ部材p1を省略して示している。
図8(a)、
図9(a)に示すように、外箱3の前板3a、側板3b、後板3c、上板3d、底板3eは、それぞれ鋼板製の平板が用いられる。
【0046】
一方、側方に配置される4つのやとい30aは、発泡断熱材6の充填、発泡時に前板3a、側板3b、後板3cを押圧する各押圧面30m1は、中央部が外方に向けて凹む凹形状を有して形成されている。
同様に、上方に配置されるやとい30bは、発泡断熱材6の充填、発泡時に、上板3dを押圧する押圧面30m2は、中央部が外方に向けて凹む凹形状を有して形成されている。
【0047】
下方に配置される30cの押圧面30m3は、底板3eの外脚7の取り付け部3e1が平面を保つため、必要に応じて平面状の治具または外脚7の取り付け部3e1に固定する平面状の補強部材などの補強材h1を底板3eの外脚7の取り付け部3e1に当接させて、発泡断熱材6の充填、発泡が行われる。
そこで、底板3eに対向して配置されるやとい30cの押圧面30m3は、底板3eの外脚7の取り付け部3e1に対向する箇所は逃げ30mtが形成されるとともに、中央部が外方に向けて凹む凹形状を有して形成されている。
【0048】
発泡断熱材6の充填に際しては、まず、
図8(a)、
図9(a)に示すように、貯湯タンク2と、貯湯タンク2を内部に配置した外箱3を、ロボットなどの自動機に取り付けられたやとい30a、30b、30cの内方に載置する。
【0049】
続いて、
図8(a)、
図9(a)の白抜き矢印のように、やとい30a、30b、30cを外箱3に向けて移動させ、
図8(b)、
図9(b)に示すように、やとい30a、30b、30cの凹形状を有する各押圧面30m1、30m2、30m3が、外箱3の発泡終了時の最終形状となるように設計した所定位置に配置される。その後、貯湯タンク2と外箱3との間に発泡断熱材6を充填して発泡させる。
【0050】
発泡断熱材6の充填、発泡に際して、外箱3の前板3a、側板3b、後板3c、上板3d、底板3eは、発泡断熱材6よって内圧を受けて膨らむが、
図8(b)、
図9(b)に示すように、所定位置のやとい30a、30b、30cの各押圧面30m1、30m2、30m3に押圧され支持され、発泡断熱材6の充填、発泡作業が遂行される。
【0051】
そして、発泡断熱材6の発泡終了時、
図8(b)、
図9(b)に示すようにやとい30a、30b、30cの凹形状を有した各押圧面30m1、30m2、30m3に沿った凸形状に前板3a、側板3b、後板3c、上板3d、底板3eが形成される。
【0052】
そして、発泡断熱材6の充填、発泡が終了すると、
図8(c)、
図9(c)に示すように、やとい30a、30b、30cが外箱3から外される。すると、貯湯タンク2と外箱3との間に充填された発泡断熱材6は固形化して収縮する。この際、外箱3の前板3a、側板3b、後板3c、上板3d、底板3eの中央部は内方側に向けて凹むが、やとい30a、30b、30cの中央部が外方に凸形状に凹んだ各押圧面30m1、30m2、30m3の形状に支持されて、発泡断熱材6の充填、発泡が行われ中央部が外方に凸形状に形成されているので、発泡終了後、発泡断熱材6が収縮しても、前板3a、側板3b、後板3c、上板3d、底板3eは中央部が外方に向けた凸形状に形成されることとなる。なお、
図9(c)では、前板3a、側板3b、後板3c、上板3d、底板3eが平面の場合を二点鎖線で示している。
【0053】
図8(a)〜(c)、
図9(a)〜(c)に示す工程で製作された貯湯タンクユニット1は、前板3a、側板3b、後板3c、上板3d、底板3eの各中央部と、貯湯タンク2との間に充填される発泡断熱材6の厚みが厚い。そのため、貯湯タンクユニットの断熱性能が高い、また、発泡断熱材6の厚みが厚いため、強度が高い。
【0054】
さらに、人の目は平面を見ると凹んで見える特性をもつが、前板3a、側板3b、後板3c、上板3d、底板3eの各中央部が膨らんで形成されるので、前板3a、側板3b、後板3c、上板3d、底板3eが、ユーザによってそれぞれ平面のように目視され、ユーザの見た目が良好である。
さらに、上板3dの中央部3d1(
図9(c)参照)が凸形状に形成されるため、雨水が上板3dの中央部3d1に溜まることが抑制される。
【0055】
<上板3dの変形例>
図10(a)は、発泡断熱材の充填、発泡作業時に上板に対向して配置されるやといの変形例を示す縦断面図であり、
図10(b)は、発泡断熱材の充填、発泡作業後の外箱の上板廻りを示す縦断面図である。
【0056】
変形例の上板3dのやとい31bは、外箱3の上板3dの端部3dtに、前板3a、側板3b、後板3cなどの取り付け部を設ける場合である。
この場合、前板3a、側板3b、後板3cなどが確実に上板3dの端部3dtにとりつけられるように、端部3dtは平面状に形成されることが望ましい。
【0057】
そこで、発泡断熱材6の充填、発泡作業時に上板3dに対向して所定位置に配置されるやとい31bは、上板3dを押圧する押圧面31m2の中央部31b1を外方に凹む凹形状とするとともに、端部31tを平面形状としている。
【0058】
図10(a)に示す構成により、発泡断熱材6の充填、発泡後の外箱3の上板3dは、
図10(b)に示すように、前板3a、側板3b、後板3cの取り付け部の端部3dtが平面状に形成されるとともに、中央部3dcが外方に向けて凸形状に形成される。
この構成により、外箱3の上板3dに雨水が溜まることがないとともに、上板3dの端部3dtに、前板3a、側板3b、後板3cなどを確実に固定できる。
【0059】
<底板3eの変形例>
図11(a)は、底板のやといの変形例を示す縦断面図であり、
図11(b)は、発泡断熱材の充填、発泡作業後の外箱の下板廻りを示す縦断面図である。
る。
【0060】
変形例の底板3eのやとい31cは、外箱3の底板3eの端部に外脚7の取り付け部を設けない場合である。
この場合、
図11に示すように、発泡断熱材6の充填、発泡作業時に、外箱3の底板3eに対向するやとい31cは、底板3eの端部を平面に押圧して支持する必要(
図9(a)、(b)参照)がない。
【0061】
そこで、底板3eのやとい31cの押圧面31m3は、単に中央部31c1が外方に凹んだ形状の曲率をもつとしている。
やとい31cを用いて、発泡断熱材6の充填、発泡作業が行われると、
図11(b)に示すように、外箱3の底板3eの中央部が外方に向けて凸形状に形成される。
【0062】
<側方に配置される前板3a、側板3b、後板3cなどのやといの変形例>
図12(a)は、発泡断熱材の充填、発泡作業時に前板、側板、後板などに対向して配置されるやといの変形例を示す縦断面図であり、
図12(b)は、発泡断熱材の充填、発泡作業後の外箱の前板、側板、後板などの廻りを示す縦断面図である。
【0063】
変形例の側板3b、前板3a、後板3cなどのやとい31aは、外箱3の側板3bや後板3cなどの端部に設置箇所G(
図2参照)への取り付け部を設ける場合である。
この場合、貯湯タンクユニット1が確実に設置箇所Gに取り付けられるように、外箱3の側板3bや前板3a、後板3cなどの端部は平面状に形成されることが望まれる。
【0064】
そこで、発泡断熱材6の充填、発泡作業時に外箱3の側板3bや前板3a、後板3cなどに対向して配置されるやとい31aは、側板3bや前板3a、後板3cなどを押圧する押圧面31m1の中央部31a1を外方に凹む凹形状とするとともに、端部31atを平面形状としている。
【0065】
図12(a)に示す構成により、発泡断熱材6の充填、発泡後の外箱3の側板3bや前板3a、後板3cは、
図12(b)に示すように、側板3b、前板3a、後板3cの取り付け部の端部3bt(3at、3ct)が平面状に形成されるとともに、各中央部(3b1)が外方に向けて凸形状に形成される。
【0066】
側板3b、後板3cの取り付け部の端部3bt(3at、3ct)が平面状に形成されることにより、外箱3が設置箇所Gに側板3bや前板3a、後板3cの取り付け部の平面の端部3bt(3at、3ct)を介して確実に固定される。
【0067】
なお、前記実施形態、変形例1〜3では、外箱3の上板3d、前板3a、側板3b、後板3c、および底板3eの各中央部が外方に凸形状となる場合を例示したが、外箱3の上板3d、前板3a、側板3b、後板3c、および底板3eのうちの少なくとも何れかの板の中央部が外方に凸形状に形成するように構成してもよい。
【0068】
<外箱13の変形例>
図13は、変形例の貯湯タンクユニットを示す斜視図である。
【0069】
前記したように、比較例の
図5に示す構造では、貯湯タンク102と外箱103との間の水平方向の距離(容積)に違いがある場合、発泡断熱材106の発泡時に、貯湯タンク102が発泡断熱材106の内圧により変形する可能性がある。
そこで、変形例の貯湯タンクユニット11は、外箱13の上面視の形状を比較例の
図5に示す四角形の構造と異なり、
図13に示すように、八角形などの多角形としたものである。
【0070】
これにより、貯湯タンク12と外箱13との水平方向の距離(容積)が略均等になるため、貯湯タンクユニット11に印加される発泡断熱材16の発泡時の内圧が均等に近くなり、発泡断熱材16の充填、発泡時の貯湯タンク12の変形を未然に抑制できる。
【0071】
貯湯タンクユニット11の外箱13が、上面視で八角形の場合にも、中央部が外方に凹んだ中央部を有するやといを用いて外箱13を押圧して支持することで、外箱13の中央部が外方に向けて凸形状に形成することができる。
【0072】
これにより、外箱13内の各板の中央部に設けられる発泡断熱材16の厚さが厚くなる。そのため、貯湯タンクユニット11の断熱性能が向上する。また、貯湯タンクユニット11の強度を向上できる。さらに、ユーザにより外箱13の各板がそれぞれ平面状に目視され、ユーザの見た目が良好である。
【0073】
なお、貯湯タンク12と外箱13との水平方向の距離(容積)が均等に近付けば、外箱13の上面視の形状を、八角形以外の五角形以上の多角形、円形などの曲率をもつ形状にしてもよい。
なお、この変形例においても、前記した変形例の構成を適宜適用できる。
【0074】
また、この変形例においても、外箱13の少なくとも何れかの板の中央部を外方に凸形状に形成してもよい。また、前記した各変形例の各構成を、外箱13の対応する少なくとも何れかの板に適用してもよい。。
【0075】
<外箱3の遮光性能>
貯湯タンクユニット1の外箱3と貯湯タンク2との間に設置される発泡断熱材6(硬質ポリウレタンフォームなどを含む)は、高温、例えば90度前後の温水が溜められる貯湯タンク2に接触している。
【0076】
図14は、給湯機Kの使用環境を示す概念図である。
加えて、
図14に示すように、給湯機Kは、屋外に設置されるため、太陽の直射日光を浴びる状況で使用される。そのため、太陽光が外箱3に照り付け、外箱3は非常な高温となる。つまり、貯湯タンクユニット1は、大変な高温の環境下で使用されることとなる。
【0077】
図15は、太陽光の日射スペクトルを示す図(標準日射スペクトル(JIS A 5759による))であり、横軸は波長(mm)を示し、縦軸はその強度を示している。
太陽光エネルギーにおける紫外線領域が占める割合は3%であり、可視光線領域が占める割合は47%であり、赤外線波長域を占める割合は50%である。
【0078】
図16は、高日射反射率塗料と一般塗料の塗膜(マンセル明度N6.0グレー)の分光反射スペクトルの一例を示す図であり、横軸に波長(mm)を示し、縦軸に分光反射率(%)を示している。高日射反射率塗料の分光反射率を実線で示し、一般塗料の分光反射率を破線で示す。
図16より、高日射反射率塗料は、波長800mm弱からの近赤外線領域での反射率の違いが、一般塗料より優れた遮熱効果を示す。
【0079】
そこで、実施形態の貯湯タンクユニット1の外箱3の外面3gには、分光反射率(%)が50%を超える塗料を塗って、太陽光に対する外箱3の遮光や遮熱を行っている。
または、外箱3の外面3gに、分光反射率(%)が50%を超える塗料に代えて、白色の塗料を塗って反射率を高め、太陽光に対する外箱3の遮光や遮熱を行っている。
これにより、外箱3内の発泡断熱材6への太陽熱の影響を低下させることができる。
【0080】
なお、上述の説明では、外箱3の外面3gに分光反射率(%)が50%を超える塗料または白色の塗料を塗布する場合を例示したが、外箱3の外面3gが分光反射率(%)が50%を超えるフィルムまたは白色のフィルムなどの外装材でもよい。つまり、外箱3の外面3gが、分光反射率が50%を超え、または、外面3gが白色であれば、その実現態様は、塗料、フィルム以外のものを使用してもよい。
【0081】
以上のことから、貯湯タンクユニット1は、加熱された温水が貯留される貯湯タンク2と、貯湯タンク2を内部に収容する外箱3と、貯湯タンク2と外箱3との間に充填され発泡して形成される発泡断熱材6とを備え、外箱3は、上板3d、底板3e、および側方に配置される側方板3b、3a、3cを有して形成され、上板3d、底板3e、および側方板3b、3a、3cのうちの少なくとも何れかの板の中央部が外方に向けて凸状に形成され、かつ、外箱3の外面3gは太陽光に対して遮光性を有することにより、高い断熱性、強度向上、高い太陽光の遮光性を有する貯湯タンクユニット1を実現できる。
【0082】
以上、説明した構成により、高い断熱性能を備え、信頼性が高い貯湯タンクユニット1およびその製造方法を実現することができる。
【0083】
なお、本発明は前記した実施形態、変形例に限定されるものでなく、様々な実施例が含まれる。例えば、上記した実施形態、変形例は本発明を分り易く説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。例えば、説明した構成の一部を含むものであってもよい。
【0084】
また、ある実施形態、変形例の一部を他の実施形態、変形例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態、変形例の構成に他の実施形態、変形例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態、変形例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。