特許第6238813号(P6238813)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6238813
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
   A01D 67/02 20060101AFI20171120BHJP
   A01D 41/12 20060101ALI20171120BHJP
   A01D 67/00 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   A01D67/02
   A01D41/12 E
   A01D67/00 G
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-69072(P2014-69072)
(22)【出願日】2014年3月28日
(65)【公開番号】特開2015-188393(P2015-188393A)
(43)【公開日】2015年11月2日
【審査請求日】2016年6月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】竹中 満
(72)【発明者】
【氏名】迫 和志
【審査官】 大熊 靖夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−013332(JP,A)
【文献】 特開平06−106963(JP,A)
【文献】 特開2002−065031(JP,A)
【文献】 特開2004−180650(JP,A)
【文献】 特開2010−075150(JP,A)
【文献】 特開2013−048576(JP,A)
【文献】 特開平11−318173(JP,A)
【文献】 特開2010−220540(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 41/00−41/16,43/00−46/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転部を覆う運転キャビンと、
前記運転部の後部側の下方に設けられたエンジンルームと、
前記エンジンルームの機体横外側に設けられ、エンジン冷却風に作用する防塵ケースと、
前記運転部に対する空調装置と、が備えられ
前記空調装置の室内ユニットが、前記運転キャビンのルーフ部内におけるルーフ部後端寄り箇所のうち、機体横幅方向で、前記運転キャビンの中央部に対して前記防塵ケース側寄りの位置に設けられ
前記空調装置のコンデンサが、前記防塵ケースの内部に配備され、
前記運転キャビンの後部を支持するキャビン支持支柱が、前記エンジンルームの後側において、機体横幅方向で前記中央部に対して前記防塵ケース側寄りの位置に立設され、
前記空調装置のレシーバが、前記エンジンルームの後側において、前記キャビン支持支柱に対して前記防塵ケース側に位置するように、かつ、上下方向において前記室内ユニットと前記コンデンサとの間に位置するように、前記キャビン支持支柱に支持されているコンバイン。
【請求項2】
前記レシーバが前記運転キャビンの後壁窓の下方に位置している請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記運転キャビンにおける左右の側壁のうちの前記防塵ケース側の側壁における後部寄りの位置に、支柱が備えられ、
前記室内ユニットと前記レシーバとを接続する冷媒循環路が、前記支柱に沿って延ばされている請求項1又は2に記載のコンバイン。
【請求項4】
記防塵ケースが開閉可能に設けられ、
前記コンデンサが前記防塵ケースの内部に前記防塵ケースと共に開閉される状態で支持されている請求項1〜3のいずれか一項に記載のコンバイン。
【請求項5】
記コンデンサを前記エンジンルームに収容されたエンジンの機体横外側に配備してある請求項1〜4のいずれか一項に記載のコンバイン。
【請求項6】
前記エンジンの機体横外側にオイルクーラを配備してある請求項5に記載のコンバイン。
【請求項7】
前記エンジンルームは、前記エンジンを収容する主エンジンルーム、及び、前記主エンジンルームの上方に前記主エンジンルームと区画されて位置する冷却風導入ルームを備え、
前記エンジンルームの機体横外側に前記主エンジンルームと前記冷却風導入ルームとにわたって位置する状態で設けられ、前記主エンジンルームと前記冷却風導入ルームとの連通路を内部に形成し、かつ、冷却風に除塵作用する防塵ケースを備え、
前記連通路に、前記防塵ケースの機体内側部分と、前記コンデンサとに亘って取り付けられ、前記冷却風導入ルームからの冷却風を前記コンデンサの機体横外側に向かわせる風ガイドを設けてある請求項5又は6に記載のコンバイン。
【請求項8】
前記室内ユニットの一対のドレン水路が前記運転キャビンの両横側に振り分けて下方へ延出されている請求項1〜7のいずれか一項に記載のコンバイン。
【請求項9】
前記エンジンルームを形成するエンジンボンネットが、前記運転キャビンと分離して機体横外側に出た開き姿勢と、前記運転部の下方に位置した閉じ姿勢とに揺動切換え可能に支持されている請求項1〜のいずれか一項に記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転部を覆う運転キャビンと、前記運転部の後部側の下方に設けられたエンジンルームと、前記運転部に対する空調装置とを備えたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
上記したコンバインとして、従来、たとえば特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に記載されたコンバインでは、キャビンの天井懐の前側部分に空調装置の室内ユニットが設けられている。エンジンルームの上方にコンデンサルームが設けられ、コンデサルームとグレンタンクとの間にレシーバが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−13332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の場合、レシーバと室内ユニットとを接続する冷媒循環路の長さが長くなり、空調装置に保有させる冷媒量が多くなる。また、空調装置の組付け作業に多くの手間が掛かる。
【0005】
本発明の目的は、必要な冷媒量が少なくて済み、かつ組付け作業やメンテナンスを有利にできる状態で空調装置を備えさせられるコンバインを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるコンバインは、
運転部を覆う運転キャビンと、
前記運転部の後部側の下方に設けられたエンジンルームと、
前記エンジンルームの機体横外側に設けられ、エンジン冷却風に作用する防塵ケースと、
前記運転部に対する空調装置と、が備えられ
前記空調装置の室内ユニットが、前記運転キャビンのルーフ部内におけるルーフ部後端寄り箇所のうち、機体横幅方向で、前記運転キャビンの中央部に対して前記防塵ケース側寄りの位置に設けられ
前記空調装置のコンデンサが、前記防塵ケースの内部に配備され、
前記運転キャビンの後部を支持するキャビン支持支柱が、前記エンジンルームの後側において、機体横幅方向で前記中央部に対して前記防塵ケース側寄りの位置に立設され、
前記空調装置のレシーバが、前記エンジンルームの後側において、前記キャビン支持支柱に対して前記防塵ケース側に位置するように、かつ、上下方向において前記室内ユニットと前記コンデンサとの間に位置するように、前記キャビン支持支柱に支持されている
【0007】
本発明の構成によると、室内ユニットとレシーバとが、機体前後方向での間隔が狭い状態で位置するので、室内ユニットとレシーバとを短い冷媒循環路で接続すれば済む。
コンバインでは、穀粒タンクを開放することによってエンジンルームの後方を開放できるものが多いので、レシーバは、エンジンルームの後方から見易く、かつ、取扱い易い状態で位置する。
【0008】
従って、本発明によると、空調装置に保有させる必要がある冷媒を短い冷媒循環路のために少量で済ませることができ、さらに、短い冷媒循環路は、長い冷媒循環路よりも安く得ることができ、全体として空調装置を安価に装備できる。
短い冷媒循環路は、長い冷媒循環路よりも配設し易いので、そして、レシーバの点検及び取扱いをエンジンルームの後方から行い易いので、全体として組付け作業やメンテナンス作業を行ない易い。
運転キャビンの支柱は、運転キャビンの重い荷重を受けるものだから、優れた強度を備える。従って、本発明によると、レシーバは、容易に振れ動かないように強固に支持され、内部の冷媒を揺れさせ難い。
【0009】
本発明において、前記レシーバが前記運転キャビンの後壁窓の下方に位置していると好適である。
【0010】
本発明によると、レシーバが、平面視において、運転キャビンの横内側寄り箇所に位置するので、レシーバと室内ユニットとの機体横方向での間隔が狭くなり、レシーバと室内ユニットとをさらに短い冷媒循環路で接続できる。
【0011】
【0012】
【0013】
本発明において、前記運転キャビンにおける左右の側壁のうちの前記防塵ケース側の側壁における後部寄りの位置に、支柱が備えられ、前記室内ユニットと前記レシーバとを接続する冷媒循環路が、前記支柱に沿って延ばされていると好適である。
【0014】
【0015】
本発明において、前記コンデンサを前記エンジンルームに収容されたエンジンの機体横外側に配備してあると好適である。
【0016】
本発明によると、コンデンサにおける冷媒の熱交換を、エンジンに供給される冷却風を利用して効果的に行うことができる。
【0017】
本発明において、前記防塵ケースが開閉可能に設けられ、前記コンデンサが前記防塵ケースの内部に前記防塵ケースと共に開閉される状態で支持されていると好適である。
【0018】
防塵ケースを開いて防塵ケースの内部を開放することにより、コンデンサが防塵ケースに付いて移動し、コンデンサを防塵ケースの内部で開放できる。従って、コンデンサにおける冷媒の熱交換にエンジン冷却風を利用できるものでありながら、防塵ケースを開くだけで操作簡単に、コンデサを開放状態にしてコンデンサの点検などの作業を容易にできる。
【0019】
本発明において、前記エンジンの機体横外側にオイルクーラを配備してあると好適である。
【0020】
本構成によると、オイルクーラによる作動油の冷却を、エンジンに供給される冷却風を利用して効果的に行うことができる。
【0021】
本発明において、前記エンジンルームは、前記エンジンを収容する主エンジンルーム、及び、前記主エンジンルームの上方に前記主エンジンルームと区画されて位置する冷却風導入ルームを備え、前記エンジンルームの機体横外側に前記主エンジンルームと前記冷却風導入ルームとにわたって位置する状態で設けられ、前記主エンジンルームと前記冷却風導入ルームとの連通路を内部に形成し、かつ、冷却風に除塵作用する防塵ケースを備え、
前記連通路に、前記防塵ケースの機体内側部分と、前記コンデンサとに亘って取り付けられ、前記冷却風導入ルームからの冷却風を前記コンデンサの機体横外側に向かわせる風ガイドを設けてあると好適である。
【0022】
本発明によると、冷却風導入ルームからの冷却風が、コンデンサを迂回して主エンジンルームに流入しないように、風ガイドによる案内を受けてコンデンサに流入するので、エンジン冷却風を利用したコンデンサにおける冷媒の熱交換を効果的に行うことができる。
【0023】
本発明において、前記室内ユニットの一対のドレン水路が前記運転キャビンの両横側に振り分けて下方へ延出されていると好適である。
【0024】
本発明によると、室内ユニットのドレン水を排出するのに、一対のドレン水路に分流させて迅速に排出できる。一対のドレン水路が運転キャビンの両横側に分かれているので、一本の太いドレン水路を採用するものや、一対のドレン水路が纏まって同じ箇所に位置するものに比べ、ドレン水路をコンパクトに配備できる。
【0025】
本発明において、前記エンジンルームを形成するエンジンボンネットが、前記運転キャビンと分離して機体横外側に出た開き姿勢と、前記運転部の下方に位置した閉じ姿勢とに揺動切換え可能に支持されていると好適である。
【0026】
本発明によると、運転キャビンとエンジンボンネットとを一体に開くものに比べ、エンジンボンネットだけを開いて楽にエンジンルームを開放できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】コンバインの全体を示す側面図である。
図2】コンバインの全体を示す平面図である。
図3】運転キャビンおよび原動部を示す側面図である。
図4】運転キャビンおよび原動部を示す後面図である。
図5】原動部を示す後面図である。
図6】開き姿勢のエンジンボンネットを示す正面図である。
図7】エンジンボンネットの揺動操作要領を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係る普通型のコンバインの全体を示す側面図である。図2は、本発明の実施例に係る普通型のコンバインの全体を示す平面図である。図1,2に示すように、本発明の実施例に係るコンバインは、機体フレーム1の下部に左右一対のクローラ走行装置2,2(以下、走行装置2と略称する。)が装備された自走可能な走行機体を備えている。走行機体の前部の右寄り箇所に、運転キャビン10によって覆われ、かつ運転座席8が備えられた運転部3、及び、運転部3の後部側の下方に位置する原動部20を設けてある。機体フレーム1の後部の左側領域に脱穀装置4を設け、脱穀装置4の前部に刈取り前処理装置5を上下に揺動操作できるように連結してある。機体フレーム1の後部の右側領域に穀粒タンク6を設けてある。
【0029】
このコンバインは、稲、麦などの収穫作業を行なうものである。
すなわち、刈取り前処理装置5は、前部に位置する刈取り部5aが圃場面の近くに下降した下降作業状態と、刈取り部5aが圃場面から高く上昇した上昇非作業状態とに昇降操作できるように構成されている。刈取り前処理装置5を下降作業状態に下降させて走行機体を走行させることにより、刈取り前処理装置5が前方の植立穀稈を刈取り対象と刈取対象外とに分草し、刈取り対象の植立穀稈を刈取り、刈取り穀稈の株元から穂先までの全体をフィーダ5bによって脱穀装置4に供給する。脱穀装置4は、刈取り穀稈を回転駆動される扱胴(図示せず)によって脱穀処理し、穀粒をワラ屑などの塵埃と選別した状態で穀粒タンク6に搬送する。穀粒タンク6は、脱穀装置4からの穀粒を貯留し、貯留した穀粒を排出オーガ7によって排出する。穀粒タンク6は、後端側に位置する機体上下向きの揺動軸芯Pまわりに機体横外側に出た開き姿勢に切り換えることが可能に支持されており、穀粒タンク6を開き姿勢にすることにより、原動部20の後方を開放できるようになっている。
【0030】
運転キャビン10について説明する。
図2,3,4に示すように、運転キャビン10は、上部がフロントガラス11aによって構成された前壁11と、左右の側壁12と、後壁窓13aが設けられた後壁13と、ルーフ部14とを備えている。
【0031】
右の側壁12の前方に、乗降口15、及び、乗降口15を開閉するドア16を設けてある。ドア16の前端側がドアヒンジ16aを介して運転キャビン10に支持されており、ドア16は、ドアヒンジ16aを支点にして機体上下向きの開閉軸芯Yまわりに揺動操作することにより、開閉できる。後壁窓13aには、透明なガラス板が開閉可能に備えられている。ルーフ部14の前後長さは、後端部14aが左右の側壁12及び後壁13から後方に突出する長さに設定されている。
【0032】
原動部20について説明する。
図3,4,5に示すように、原動部20は、運転部3の後部側の下方に設けられたエンジンルーム22を備えている。エンジンルーム22の下側部分には、エンジン23が設けられている。エンジン23は、クランク軸が機体横向きになる横置き姿勢で機体フレーム1に支持され、走行装置2、脱穀装置4及び刈取り前処理装置5に駆動力を出力するように構成されている。エンジンルーム22の上側部分には、エンジン用のエアクリーナ24が設けられている。
【0033】
エンジンルーム22のうちのエンジン23を収容する主エンジンルーム22aは、エンジン23の上方を覆う天板21tが備えられたエンジンボンネット21によって形成されている。エンジンボンネット21は、天板21tを備える他、エンジン23の前方に位置する前縦壁板21f、及び、エンジン23の後方に位置する後縦壁板21rを備えている。
【0034】
エンジンルーム22のうちのエアクリーナ24を収容する冷却風導入ルーム22bは、エンジンボンネット21の天板21t、運転部3の後壁9、この後壁9の上端部と運転キャビン10の後壁13の下端部とに亘る天板22tなどによって形成されている。冷却風導入ルーム22bは、運転座席8より後方に配置されている。冷却風導入ルーム22bと主エンジンルーム22aとは、エンジンボンネット21の天板21tによって区画されている。運転部3の後壁9のうちの下側部分9aは、上側部分9bと分割され、エンジンボンネット21と共に揺動するように天板21tに支持されている。
【0035】
エンジンボンネット21の機体横外側に防塵ケース25を連結してある。防塵ケース25は、エンジンルーム22の機体横外側に位置し、エンジンルーム22にエンジン冷却風が吸引されることを可能にしている。
【0036】
すなわち、防塵ケース25は、機体側面視での形状が主エンジンルーム22a及び冷却風導入ルーム22bを覆う形状に形成された縦板部25aと、縦板部25aからエンジンルーム22に向かって延出した状態で縦板部25aの周部に沿っている周壁板部25bとを備え、箱状に構成されている。防塵ケース25は、エンジン23の機体横外側で主エンジンルーム22aと冷却風導入ルーム22bとを連通させ、冷却風導入ルーム22bから主エンジンルーム22aにエンジン冷却風を流動させる連通路26を内部に形成している。縦板部25aには、エンジンルーム22の外気が内部に吸引されることを可能にする通気口部27aを設けてある。防塵ケース25の機体横内側の縦板部25cに、冷却風導入ルーム22bから外気が吸引されることを可能にする通気口部27bを設けてある。通気口部27a及び27bには、吸引される外気に混在する塵埃を濾過によって除去する除塵機能を備えてある。
【0037】
エンジン23の機体横外側であって、防塵ケース25の機体横内側の箇所に、エンジン冷却用の回転ファン28、及び、エンジン冷却用のラジエータ29を設けて、エンジン23の冷却を行なうように構成してある。
【0038】
すなわち、回転ファン28がエンジン23によって駆動され、機体横内側に向けて送風する。回転ファン28の送風作用により、エンジンボンネット21の外気を防塵ケース25の通気口部27aから防塵ケース25の内部に吸引して冷却風を発生させ、この冷却風をラジエータ29に供給する。エンジンボンネット21の外気を冷却風導入ルーム22bから通気口部27bを介して防塵ケース25の上端側の内部に吸引して冷却風を発生させ、この冷却風を連通路26を介してラジエータ29の機体横外側に導入し、通気口部27aからの冷却風に合流させてラジエータ29に供給する。
【0039】
エンジンボンネット21の機体横外側の下部が機体フレーム1に設けられた支持部1aに機体前後向きの開閉軸芯Xを介して回動可能に支持されており、エンジンボンネット21は、開閉軸芯Xまわりに揺動操作することにより、運転キャビン10と分離して機体横外側に出てエンジンルーム22を開放した開き姿勢(図6参照)と、運転部3の下方に位置してエンジンルーム22を覆った閉じ姿勢とに切り換えることができる。防塵ケース25は、エンジンボンネット21と共に揺動する。
【0040】
図7に示すように、運転座席8をエンジンボンネット21の天板21tの前端部に設けられた支柱型の支持部8cに対して回転操作することにより、運転座席8のエンジンボンネット21に対する取付姿勢を、背当て部8aが座部8bの後側に位置した着座用の取付姿勢と、背当て部8aが座部8bの前側に位置したエンジンボンネット揺動用の取付姿勢とに切り換えられる。運転座席8をエンジンボンネット揺動用の取付姿勢にしておくことにより、エンジンボンネット21の揺動時に、運転座席8が乗降口15を通過するように構成してある。
【0041】
つまり、原動部20の点検や清掃などのメンテンス作業を行なう場合、運転座席8をエンジンボンネット揺動用の取付姿勢に切り換えた状態でエンジンボンネット21を揺動操作することにより、エンジンボンネット21及び防塵ケース25を運転座席8が付いたままの状態で開き姿勢に切り換えることができ、エンジンルーム22を開放してエンジン23及びラジエータ29などを取り扱い易くできる。
【0042】
図3,5に示すように、エンジン23の機体横外側におけるラジエータ29と防塵ケース25の縦板部25aとの間にオイルクーラ30を配備してある。オイルクーラ30は、ラジエータ29よりも風上側でエンジン冷却風が供給され、刈取り前処理装置5を昇降操作する油圧シリンダ(図示せず)などを駆動する作動油をエンジン冷却風との熱交換によって冷却するように構成してある。
【0043】
オイルクーラ30は、エンジンボンネット21又は防塵ケース25に連結された支持部材(図示せず)に支持されており、エンジンボンネット21及び防塵ケース25と共に揺動するようにエンジンボンネット21に支持されている。従って、エンジンボンネット21を開き姿勢に切換えることにより、オイルクーラ30を防塵ケース25と共に機体横外側に開くことができる。
【0044】
空調装置40について説明する。
図3,4に示すように、運転キャビン10のルーフ部内に設けられた室内ユニット41を備え、この室内ユニット41によって運転部3に空調用空気を供給する空調装置40が装備されている。
【0045】
室内ユニット41は、ルーフ部14の内部のうちのルーフ部後端寄り箇所に設けてある。具体的には、ルーフ部14のアウターとインナーとによって形成される天井裏空間のうち、アウター及びインナーの前端よりも後端に近い箇所に設けてある。
【0046】
室内ユニット41は、エバポレータ及び送風ファンなどの他、排水部から延出された一対のドレン水路42,42を備えている。一対のドレン水路42,42は、運転キャビン10の両横側に振り分けて運転キャビン10の下方へ延出してある。具体的には、一対のドレン水路42,42それぞれは、可撓性を備えたドレンホースによって構成してある。
一方のドレン水路42は、運転キャビン10の左後角部に位置する機体上下向きの後キャビンフレーム18の内部を後キャビンフレーム18の上端部から下端部まで通り、後キャビンフレーム18の下端部から運転キャビン10の外部を機体フレーム1の下方へ出口まで延びるように配備してある。他方のドレン水路42は、運転キャビン10の右後角部に位置する機体上下向きの後キャビンフレーム18の内部を後キャビンフレーム18の上端部から下端部まで通り、後キャビンフレーム18の下端部から運転キャビン10の外部を機体フレーム1の下方へ出口まで延びるように配備してある。
【0047】
空調装置40は、室内ユニット41を備える他、室内ユニット41から戻った冷媒を圧縮処理するコンプレッサー43と、コンプレッサー43からの冷媒を冷却処理するコンデンサ44と、コンデンサ44と室内ユニット41との間で液冷媒を貯留するレシーバ45とを備えている。コンプレッサー43、コンデンサ44及びレシーバ45は、次の如く配備してある。
【0048】
コンプレッサー43は、主エンジンルーム22aの後側でステーを介して機体フレーム1に支持されている。コンプレッサー43は、エンジン23から伝動ベルトを介して伝達される駆動力によって駆動されるように構成してある。
【0049】
コンデンサ44は、防塵ケース25の内部に配置し、ラジエータ29よりも風上側でエンジン冷却風が供給され、冷媒をエンジン冷却風との熱交換によって冷却する。冷却風導入ルーム22bからのエンジン冷却風が連通路26に設けてある風ガイド31(図5参照)による案内を受けてコンデンサ44の機体横外側に向かって流動するように構成してあり、コンデンサ44は、冷却風導入ルーム22bからのエンジン冷却風によっても冷媒を冷却させる。
【0050】
コンデンサ44は、エンジンボンネット21又は防塵ケース25に連結された支持部材(図示せず)に支持され、エンジンボンネット21及び防塵ケース25と共に揺動するようにエンジンボンネット21に支持されている。従って、エンジンボンネット21を開き姿勢に切換えることにより、コンデンサ44を防塵ケース25と共に機体横外側に開くことができる。
【0051】
エンジンルーム22の後方に、後壁13の下部と機体フレーム1とにわたって連結されて、運転キャビン10を支持する機体上下向きの支柱(キャビン支持支柱)19を設けてある。
レシーバ45は、エンジンルーム22のうちの冷却風導入ルーム22bの後側であって、運転キャビン10の後壁窓13aの下方に、支柱19に支持される状態で設けてある。
【0052】
レシーバ45とコンデンサ44とを接続するコンデンサ側の冷媒循環路46、及び、レシーバ45と室内ユニット41とを接続する室内ユニット側の冷媒循環路47は、図3,4に示す如く配備してある。
【0053】
すなわち、コンデンサ側の冷媒循環路46、及び、室内ユニット側の冷媒循環路47は、可撓性を備えた冷媒ホースによって構成してある。コンデンサ側の冷媒循環路46は、コンデンサ44から防塵ケース25の内部を下降し、防塵ケース25の下端部からエンジンボンネット21の開閉軸芯Xの近くを通ってエンジンボンネット21の下端部でエンジンルーム22の後側に至り、この箇所からエンジンルーム22の後側を上昇してレシーバ45に至るように配備してある。
【0054】
室内ユニット側の冷媒循環路47は、レシーバ45から防塵ケース25の上端部よりも機体横内側において、冷却風導入ルーム22bの上外側を通って上昇して運転キャビン10の後端部に至り、この箇所から運転キャビン10の内部に入って右の側壁12の内側近くを前方に向かって支柱17の下端部に至り、この支柱17の内部を下端部から上端まで通ってルーフ部14の内部に入り、ルーフ部14の内部を後方に向かって通って室内ユニット41に至るように配備してある。
支柱17は、乗降口15の後側に機体上下向きに位置し、側壁12及びルーフ部14を支持し、かつ、閉じられたドア16の遊端部を受ける戸当たり機能を備えるものである。
【0055】
〔別実施例〕(1)上記した実施例では、レシーバ45を後壁窓13aの下方に配置した例を示したが、後壁13のうちの後壁窓13aから機体横外側に外れた箇所の下方に位置させて実施してもよい。
【0056】
(2)上記した実施例では、レシーバ45が運転キャビン10の支柱19に支持される例を示したが、機体フレーム1や運転キャビン10から延出した専用の支持部材に支持されるよう構成して実施してもよい。
【0057】
(3)上記した実施例では、冷媒循環路47が支柱17の内部を通る例を示したが、支柱17の内部を通らないように配備して実施してもよい。
【0058】
(4)上記した実施例では、コンデンサ44をエンジン23の横外側に配備した例を示したが、冷却風導入ルーム22bに配備するとか、エンジンボンネット21の外部に配備して実施してもよい。
【0059】
(5)上記した実施例では、防塵ケース25がエンジンボンネット21と共に開閉される例を示したが、防塵ケース25をエンジンボンネット21と分離させて開閉できるように構成して実施してもよい。そして、コンデンサ44が防塵ケース25と共に開閉せず、コンデンサ44がエンジンボンネット21側に支持されたままで、防塵ケース25が開閉するように構成して実施してもよい。
【0060】
(6)上記した実施例では、冷却風導入ルーム22bを備えた例を示したが、冷却風導入ルーム22bを備えないエンジンルーム22を採用して実施してもよい。
【0061】
(7)上記した実施例では、一対のドレン水路42,42を備えた実施例を示したが、ドレン水路42を一つだけ備えて実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、全稈投入型の脱穀装置の他、自脱型の脱穀装置を備えるコンバインにも利用可能である。また、クローラ走行装置の他、走行車輪を備えたコンバインにも利用可能である。
【符号の説明】
【0063】
3 運転部
10 運転キャビン
13a 後壁窓
14 ルーフ部
17 支柱
19 支柱(キャビン支持支柱)
21 エンジンボンネット
22 エンジンルーム
22a 主エンジンルーム
22b 冷却風導入ルーム
23 エンジン
25 防塵ケース
26 連通路
30 オイルクーラ
31 風ガイド
40 空調装置
41 室内ユニット
42 ドレン水路
44 コンデンサ
45 レシーバ
47 冷媒循環路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7