(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明を実施するための一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1において、符号100は本発明に係るフィレット形状作成装置を示している。
【0015】
まず、フィレット形状作成装置100(以下、作成装置100という)について説明する。本実施形態において、作成装置100は、
図1に示すように、3次元形状データ読込部111と、番地付与部112と、記憶部(メモリー)113と、フィレット形状生成部114と、番地更新部115と、入出力部120と、演算処理部130を備えている。作成装置100は、同図に示すように、設計データベース200と、入力装置300と、出力装置400に対し、ネットワーク回線500により接続されている。
【0016】
設計データベース200は、3次元形状データベース210と、フィレット情報データベース220と、設計プログラムデータベース230を備えている。3次元形状データベース210には、製品や部品の3次元形状データが格納されている。
【0017】
フィレット情報データベース220には、製品や部品の3次元形状データのフィレット対象部に対するフィレット情報が格納されている。設計プログラムデータベース230には、製品や部品の3次元形状データを作成するための設計プログラム、3次元形状データのフィレット対象部にフィレット形状を作成するためのプログラム等が格納されている。
【0018】
作成装置100のうち、3次元形状データ読込部111は、入力装置300、例えばキーボードからの操作により、設計データベース200の3次元形状データベース210から、製品や部品の3次元形状データ(
図3参照)を作成装置100内に読み込むもので、読み込まれた3次元形状データは記憶部113に一時保存されるようになっている。
【0019】
番地付与部112は、読み込まれた3次元形状データのうち、フィレット対象部に対し、入力装置300からの操作により、異なる番地を自動的に割り振りするもので、付与された番地は、入力装置300からの入力操作により番地ごとに指定される曲率半径の値(以下、R値という)とともに、記憶部113に保存されるようになっている。
【0020】
フィレット形状生成部114は、入力装置300からの操作により、読み込まれた3次元形状データの各フィレット対象部に対し、対応する番地に指定されたR値のフィレット形状を生成するようになっている。フィレット形状が生成された3次元形状データは、入力装置300からの操作により、記憶部113に保存されるようになっている。
【0021】
番地更新部115は、作成された3次元形状データに、その作成途中、あるいはその後に形状変更が生じた場合に、変更対象のフィレット対象部に対し、入力装置300からの操作により、新たに異なる番地を自動的に割り振りするもので、新たに付与された番地は、入力装置300からの入力操作により、番地ごとに指定されるR値とともに、記憶部113に更新保存されるようになっている。
【0022】
次に、上記作成装置100を用いて、3次元形状データのフィレット対象部にフィレット形状を作成する手順について、
図2以降を参照しながら説明する。なお、以下に具体的に記述する条件や設定値は、本発明の実施の形態を説明するための一例であって、本発明はこれに限定されない。
【0023】
まず、作成者が、入力装置300からの操作により、3次元形状データベース210から、製品や部品の3次元形状データを作成装置100内に読み込む(ステップS1)。読み込まれた3次元形状は、記憶部113に保存される。
図3に、読み込まれた3次元形状データ1を示す。
【0024】
次に、作成者が、入力装置300からの操作により、設計データベース200からフィレット作成プログラムを読み込み、同プログラムを開く。
図4に出力装置400上に表示される同プログラムの操作画面Gを示す。作成者が、操作画面G上で、番地作成ボタンAをクリックすると、
図5に示すように、3次元形状データ1の、フィレット対象部に対し、それぞれ異なる番地((1)〜(4))が自動的に作成され、割り振りされる(ステップS2)。なお、3次元形状データ1は、操作画面G上の作業領域に表示される。
【0025】
割り振りされた番地((1)〜(4))は、設計データベース200のフィレット情報データベース220から記憶部113に読み出しされたフィレット情報リストFIに自動入力される。
図6にフィレット情報リストFIを示す。
【0026】
なお、フィレット対象部は、図示例では、3次元形状データ1の形状の折れ部(稜線)を対象とし、
図6のフィレット情報リストFIに示す座標情報およびエッジ断面の折れ角度情報により特定される。座標情報は、前記折れ部(稜線)の始点(X,Y,Z)、終点(X,Y,Z)、中央点(X,Y,Z)から構成される。
【0027】
次に、作成者が、割り振られた番地((1)〜(4))に対し、入力装置300からの操作により、フィレット情報リストFIに、指定されたR値を入力し、保存する(ステップS3)。保存されたフィレット情報リストFIは、フィレット情報データベース220に更新保存される。
【0028】
次に、作成者が、操作画面G上で、フィレット作成ボタンCをクリックすると、3次元形状データ1の各フィレット対象部に対し、フィレット情報リストFIに基づき、対応する番地((1)〜(4))に指定されたR値のフィレット形状が生成される(ステップS4)と共に、生成されたフィレット形状を含む3次元形状データ1が出力装置400上の前記操作画面Gの作業画面に表示される(ステップS5)。
図7にフィレット形状(F
1〜F
4)を含む3次元形状データ1を示す。
【0029】
図8は、フィレット形状の生成処理(ステップS4)のフローを示している。作成者が、操作画面G上でフィレット作成ボタンCをクリックすると、フィレット作成プログラムが、フィレット対象部の凹凸、各番地に指定されたR値の大小からフィレット生成の順番を決定し、処理を実行する。フィレット生成の処理の結果は、
図6のフィレット情報リストFIに表示される。
【0030】
図9はフィレット形状の生成処理の様子を示している。例えば番地(1)に対しR値(R=10)が指定されているとする。フィレット生成処理を実行すると、
図9(A)に示すように、番地(1)のR値に従い生成された曲線CL
10が番地(1)の近傍の面に接線接続されないときはエラーとなり、処理の結果がNGと表示される。
【0031】
そこで、作成者が番地(1)に対し新たにR値(R=5)を指定し、再びフレット生成処理を実行し、
図9(B)に示すように、生成された曲線CL
5が番地(1)の近傍の面に接線接続されると、番地(1)のR値に従い生成される曲線と滑らかに接続処理され、フィレット生成処理が成功し、処理の結果がOKと表示される。
【0032】
以上のようにして、作成者は、3次元形状データ1のフィレット対象部に対し、指定されたR値のフィレット形状(F
1〜F
4)を効率よく作成し付与できる。また、3次元形状データ1を作成しながら、同時に、フィレット対象部にフィレット形状(F
1〜F
4)を付与できる。
【0033】
次に、3次元形状データ1に形状変更が生じる場合について説明する。作成者(設計者)が、必要に応じて3次元形状データ1の形状を変更する場合(ステップS6)、変更後に生じるフィレット対象部に対してもフィレット形状を作成する必要がある。
【0034】
図10に、形状変更後の3次元形状データ1’を示す。形状変更前の3次元形状データ1のフィレット対象部は、その途中の形状が変更されたことにより、新規なフィレット対象部に置き換わる。
【0035】
そして、作成者が、操作画面G上で、番地更新ボタンBをクリックすると、
図11に示すように、3次元形状データ1の、新規なフィレット対象部に対し、それぞれ新規に異なる番地((5)〜(18))が自動的に作成され、割り振りされる(ステップS7)。
【0036】
割り振りされた番地((5)〜(18))は、設計データベース200のフィレット情報データベース220から記憶部113に読み出しされたフレット情報リストFIに自動入力される。
図12に新たに異なる番地((5)〜(18))が割り振りされたフィレット情報リストFIを示す。なお、番地(1)、番地(2)は、形状変更に伴い、それぞれ、番地((5)〜(9))、番地((14)〜(18))に置き換わる。
【0037】
次に、作成者が、割り振られた番地((5)〜(18))に対し、入力装置300からの操作により、フィレット情報リストFIに、指定されたR値を入力し、保存する(ステップS8)。なお、保存されたフィレット情報リストFIは、フィレット情報データベース220に更新保存される。
【0038】
次に、作成者が、操作画面G上で、フィレット作成ボタンCを再びクリックすると、3次元形状データ1の、形状変更に伴う新規のフィレット対象部を含む各フィレット対象部に対し、フィレット情報リストFIに基づき、対応する全ての番地((3)〜(18))に指定されたR値のフィレット形状がそれぞれ生成される(ステップS9)と共に、生成されたフィレット形状(F
3〜F
18)を含む3次元形状データ1’が、操作画面Gの作業領域に表示される(ステップS10)。
図13にフィレット形状(F
3〜F
18)を含む3次元形状データ1’を示す。
【0039】
以上のようにして3次元形状データ1の形状変更後のフィレット対象部に対し、指定されたR値のフィレット形状(F
3〜F
18)を効率よく付与することができる。
【0040】
上記の各ステップ(S1)〜(S10)を含むプログラムを実行することで、製品または部品の3次元形状データに対し、適正なフィレット形状を効率よく付与し、設計時間の短縮を図ることができる。
【0041】
製品または部品のフィレット対象部は、折れ部(稜線)に限らない。2つの折れ部や3つの折れ部が集まる角部もフィレット対象部になる。この場合も前述のプログラムに従い、角部に番地を付与し、R値を指定してフィレット生成処理を実行することで、フィレット形状を作成することができる。
【0042】
図14は、フィレット対象部に付与される番地の他の例を示している。3次元形状データの折れ部(稜線)によっては、フィレット形状を付与するにあたり、折れ部の始点と終点の途中に、R値を徐々に変更させる区間を設ける場合がある。このR値が徐々に変わる区間に対し、新たに番地(a〜b、h〜g:a、hは同区間の始点、b、gは終点を特定する)が付与され、徐々に変わるR値(R=8〜6、6〜8)が指定される。そして、フィレット生成処理を実行することで、当該区間にR値が徐々に変わるフィレット形状を作成することができる。
【0043】
なお、上記実施形態のフィレット形状作成装置においては、操作画面G上にR指示図表示ボタンDが設けられている。R指示図表示ボタンDをクリックすると、3次元形状データ1に対応する2次元データのR指示図が設計データベース200から読み込まれる。
図15に角部のR値を示した図(R指示図という)の例を示す。同図に示すように、R指示
図RDには、予めフィレット対象部に対し、作成者によりR値情報(座標情報、R値)が付与されている。
【0044】
作成者が、入力装置300からの操作により、R指示図のフィレット対象部を選択し、フィレット作成プログラムを実行すると、選択されたフィレット対象部のR値情報が、対応する3次元形状データ1のフィレット対象部に対し関連付けられる。そして、作成者が、操作画面G上でフィレット作成ボタンBをクリックすると、上記した各ステップS4〜S5が実行され、3次元形状データ1の各フィレット対象部にフィレット形状が作成される。
【0045】
以上説明してきたように、本発明のフィレット形状作成装置を用いた作成方法を実行することにより、3次元形状データを作成しながら、あるいは3次元形状データに形状変更があるとその都度、フィレット対象部にフィレット形状を効率よく作成することができ、設計時間の大幅な短縮を図ることができる。また、設計時間の短縮により、設計者は、より創造的な検討に時間を割くことができる。