特許第6238891号(P6238891)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大塚製薬株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6238891-封入装置及び封入方法 図000002
  • 特許6238891-封入装置及び封入方法 図000003
  • 特許6238891-封入装置及び封入方法 図000004
  • 特許6238891-封入装置及び封入方法 図000005
  • 特許6238891-封入装置及び封入方法 図000006
  • 特許6238891-封入装置及び封入方法 図000007
  • 特許6238891-封入装置及び封入方法 図000008
  • 特許6238891-封入装置及び封入方法 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6238891
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】封入装置及び封入方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 31/00 20060101AFI20171120BHJP
   B65B 31/04 20060101ALI20171120BHJP
   B65B 1/06 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   B65B31/00 A
   B65B31/04 A
   B65B1/06
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-510100(P2014-510100)
(86)(22)【出願日】2013年3月21日
(86)【国際出願番号】JP2013058040
(87)【国際公開番号】WO2013153928
(87)【国際公開日】20131017
【審査請求日】2016年2月22日
(31)【優先権主張番号】特願2012-88847(P2012-88847)
(32)【優先日】2012年4月9日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000206956
【氏名又は名称】大塚製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100156845
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 威一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124431
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 順也
(74)【代理人】
【識別番号】100112896
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 宏記
(74)【代理人】
【識別番号】100179213
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 未知子
(72)【発明者】
【氏名】原嶋 高志
(72)【発明者】
【氏名】浅井 義彦
【審査官】 宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−182219(JP,A)
【文献】 実開昭61−030606(JP,U)
【文献】 特開2004−067224(JP,A)
【文献】 特開2005−255236(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第04036421(DE,A1)
【文献】 米国特許第03949536(US,A)
【文献】 特開2007−126208(JP,A)
【文献】 特開昭63−272601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 31/00−31/10
B65B 37/00−39/14
B65B 1/00− 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋状の容器に内容物を収容して封入する封入装置であって、
前記袋状の容器を保持する容器保持具と、
開口が開いた前記容器に内容物を供給する内容物供給部と、
前記容器に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、
前記容器に液化不活性ガスを供給する液化不活性ガス供給部と、
前記液化不活性ガスの供給後に、前記容器の開口を封止する封止部と
を備え、
前記内容物供給部は、前記容器の開口から挿入され、前記内容物の供給をガイドする2個のガイド部材を備え、
当該2個のガイド部材はそれぞれ、上端部を中心に搖動して、下端部が近接離間するように構成され、
前記容器保持具は、前記2個のガイド部材に対して上下動可能に構成され、
前記容器保持は、前記容器の開口を開いた状態に保持して上昇することで、前記容器の開口に前記2個のガイド部材を挿入し、
記容器の開口に前記2個のガイド部材が挿入された後、前記2個のガイド部材は、下端部が互いに離間するように搖動し、前記内容物は、前記2個のガイド部材の間から前記容器内に供給され、
前記内容物が前記容器に収容された後、前記2個のガイド部材の下端部が互いに離間した状態のままで、前記2個のガイド部材を前記容器から抜き出すように、前記容器保持は下降する、
封入装置。
【請求項2】
前記不活性ガス供給部は、前記内容物の供給中に、前記不活性ガスを前記容器に供給する、請求項1に記載の封入装置。
【請求項3】
前記不活性ガス供給部は、前記ガイド部材に取り付けられるガス供給管を備えている、請求項1に記載の封入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封入装置及び封入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
容器に食品などの内容物を充填して封止すると、容器内に存在する酸素が内容物を酸化させるおそれがある。そのため、従来より、内容物が充填された容器を封止する前に、不活性ガスを注入して酸素と置換することが行われている。しかしながら、不活性ガスを用いると、ガス交換に時間を要するという問題がある。そこで、例えば、特許文献1には、不活性ガスの代わりに、液化不活性ガスを用いる技術が開示されている。すなわち、容器に液化不活性ガスを注入し、容器内部でこれを気化させることで、酸素置換を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭62−158626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、特許文献1では液化不活性ガスを注入することで、酸素置換を行っているが、袋状の容器では、液化不活性ガスが気化して容器の中に充満すると、容器の開口を閉じにくくなったり、あるいは容器内での気体の量、つまり容器の容積を制御するのが難しいという問題がある。そのため、液化不活性ガスを注入した後は、できるだけ早く容器の開口を閉じる必要がある。しかしながら、このように,液化不活性ガスの注入後、早いタイミングで容器の開口を閉じると、酸素置換が十分に行えないという新たな問題が発生する。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、袋状の容器であっても酸素置換を十分に行うことができる、封入装置及び封入方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、袋状の容器に内容物を収容して封入する封入装置であって、開口が開いた前記容器に内容物を供給する内容物供給部と、前記容器に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、前記容器に液化不活性ガスを供給する液化不活性ガス供給部と、前記液化不活性ガスの供給後に、前記容器の開口を封止する封止部と、を備えている。
【0007】
この構成によれば、次のような効果を得ることができる。袋状の容器では、液化不活性ガスが容器内で気化すると、容器の開口を閉じにくくなったり、あるいは容器内での気体の量を調整しがたくなる。これに対して、液化不活性ガスの注入後、早いタイミングで容器の開口を閉じると、酸素置換が十分に行えない可能性がある。そこで、上記のように、液化不活性ガスの供給前に、不活性ガスを供給するようにすると、容器内の酸素置換を十分に行うことができる。その結果、容器内に残存する酸素量を低減することができる。
【0008】
上記装置において、不活性ガス供給部は、内容物の供給中に、不活性ガスを容器に供給することができる。このようにすると、容器の開口を封止するまでに要する時間を短縮することができる。
【0009】
上記装置において、内容物供給部には、容器の開口から挿入され、内容物の供給をガイドする少なくとも1つのガイド部材を設けることができる。このようなガイド部材を設けると、袋状容器のように、剛性の低い柔らかい容器であっても、内容物の供給が容易になる。
【0010】
上記装置において、2個のガイド部材を設け、これら2個のガイド部材において、少なくとも容器の開口に挿入される側の端部を、近接離間するように構成し、内容物を2個のガイド部材の間から容器内に供給するように構成することができる。
【0011】
この構成によると、両ガイド部材の容器開口側の端部を近接させることで、これらガイド部材の厚みが小さくなるため、容器の開口にガイド部材を容易に挿入することができる。そして、ガイド部材を挿入後、これらを離間して隙間を形成すれば、この隙間を内容物の通路とすることができるため、内容物の供給を容易に行うことができる。
【0012】
上記装置において、不活性ガス供給部には、ガイド部材に取り付けられるガス供給管を設けることができる。このようにすると、ガス供給管をガイド部材とともに容器内に挿入できるため、例えば、ガス供給管の剛性が低く柔らかい場合であっても、容器内に確実に挿入することができる。さらに、容器内の深い位置までガス供給管を挿入することができるため、容器内部の深い位置の酸素交換を確実に行うことができ、酸素の残存率をさらに低下することができる。
【0013】
本発明に係る封入方法は、袋状の容器に内容物を供給して封入する封入方法であって、開口が開いた前記容器に内容物を供給するステップと、前記容器に不活性ガスを供給するステップと、前記不活性ガスの供給後に、前記容器に液化不活性ガスを供給するステップと、前記液化不活性ガスの供給後に、前記容器の開口を封止するステップと、を備えている。
【0014】
上記不活性ガスを供給するステップは、内容物を供給するステップにおいて行うことができる。
【0015】
上記不活性ガスを供給するステップは、不活性ガスを供給するガス供給管を容器の内部に挿入するサブステップと、前記ガス供給管から不活性ガスを排出するサブステップと、を備えることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、袋状の容器であっても酸素置換を十分に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る封入装置で用いられる容器の一実施形態に係る正面図、側面図、及び平面図である。
図2】本発明に係る封入装置の一実施形態の概略構成を示す平面図である。
図3】容器保持具及び充填補助具の断面図である。
図4】充填補助具の平面図(a)及び断面図(b)である。
図5】収容具の斜視図である。
図6】封入工程を説明する断面図である。
図7】封入工程を説明する断面図である。
図8】封入工程を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る封入装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1はこの装置で用いられる容器の正面図、側面図、及び平面図である。図2はこの封入装置の概略構成を示す平面図である。
【0019】
図1に示すように、この封入装置は、袋状の容器に食品等の内容物を封入するための装置である。この装置によって、容器の上部開口を開き、この開口から内容物及び不活性ガスを注入し、さらに開口から液化不活性ガスを注入した後、開口を塞ぐ、といった工程が行われる。この装置で用いられる容器は、例えば、図1のように構成されている。同図に示すように、この容器100は、プラスチックなどのシート材で構成されたいわゆるスタンディングパウチであり、容器100の側面を構成する一対の側面部101と、底面を構成する底面部102とを有している。側面部101は、一対の側面シート材を重ね合わせて構成され、上部に開口が形成されるように、側面シート材の両側同士がヒートシールされている。そして、両側面シート材により形成される下部開口を塞ぐように、底面シート材が側面シート材にヒートシールされ、底面部102を構成している。後述するように、容器100の上部開口は、開いたまま上記封入装置に搬送され、この装置において上部開口が閉じられる。
【0020】
<1.封入装置の概略構成>
次に、封入装置の概略構成について説明する。図2に示すように、この封入装置は、回転可能な平面視円環状の支持体1を備えている。この支持体1には、複数の容器保持具2が所定間隔をおいて取り付けられており、これら容器保持具2は支持体1とともに回転する。また、各容器保持具2の上方には、支持体1に支持される充填補助具3が設けられている。各充填補助具3は、容器100内に内容物を充填する際の補助を行うようになっている。
【0021】
支持体1には、容器供給ユニット4、内容物搬送ユニット5、及び封止用搬送ユニット6が隣接している。容器供給ユニット4は、支持体1の周囲の一箇所の受け入れ位置において、支持体1上の容器保持具2に容器100を供給するように構成されている。すなわち、支持体1は回転するため、容器供給ユニット4は受け入れ位置を次々に通過する容器保持具2に容器100を供給する。容器保持具2に保持された容器100は、後述するように内容物及び不活性ガスが充填された後、離脱位置において容器保持具2から離脱し、封止用搬送ユニット6に渡される。離脱位置は、支持体1を挟んで受け入れ位置の反対側に設けられている。すなわち、受け入れ位置で容器保持具2に渡された容器100は、支持体1とともに約180度回転した後、離脱位置で容器保持具2から封止用搬送ユニット6に渡される。
【0022】
内容物搬送ユニット5は、複数の内容物供給具51を搬送するためのものであり、支持体1から離間した位置から支持体1に近接し、支持体1の周囲に沿って延びた後、支持体1から離間する搬送経路52を有している。複数の内容物供給具51は、所定間隔をおいて、この搬送経路52に沿って搬送される。各内容物供給具51は、支持体1の充填補助具3と対向し、この対向状態を維持するように支持体1に沿って搬送される。すなわち、内容物搬送ユニット5は、充填補助具3と同期するように、内容物供給具51を搬送する。
【0023】
封止用搬送ユニット6は、上記離脱位置から延びる搬送経路61を有しており、この搬送経路61上を複数の容器支持具62が所定間隔をおいて移動する。各容器支持具62は、離脱位置で支持体1から渡された容器100を保持した状態で搬送する。また、封止用搬送ユニット6の搬送経路61上には、容器100内に液化不活性ガスを注入する液化不活性ガス供給部63、及び容器の上部開口をシールする封止部64が設けられている。
【0024】
<2.支持体>
次に、支持体1について、図3及び図4を参照しつつ詳細に説明する。図3は容器保持具及び充填補助具の断面図、図4は充填補助具の平面図(a)及び断面図(b)である。上述したように、支持部1の周縁には、所定間隔をおいて、複数の容器保持具2が配置されており、各容器保持具2の上方には充填補助具3が配置されている。なお、図2では8個の容器保持具2及び充填補助具3が記載されているが、その数は特には限定されない。図3に示すように、容器保持具2は、充填補助具3に対して上下動可能となっており、容器100の各側面部101に固定される一対の固定部材21を有している。各固定部材21は、後述するように、上部開口が開いた状態で搬送されてくる容器100の側面部101それぞれに固定され、容器100の上部開口を開いた状態に保持する。そして、各容器100は、上部開口を広げた状態で、支持体1ととともに回転するようになっている。
【0025】
図4に示すように、充填補助具3は向かい合って配置される2個のガイド部材31を備えている。両ガイド部材31は、上下方向に延びる板材により形成されており、上端部を中心に揺動自在に支持されている。そして、両ガイド部材31が向かい合うことで、上部には矩形状の開口が形成されるととともに、下部はくちばし状に形成されている。また、各ガイド部材31が上端部を中心に揺動し、下部が近接離間することで、これらの間の空間が広がったり狭まったりするように構成されている。
【0026】
また、各充填補助具3には、不活性ガスを供給するガス供給管7が取り付けられている。このガス供給管7には、図示を省略するガス供給源から窒素などの不活性ガスが供給される。各ガス供給管7は、一方のガイド部材31の外面に取り付けられており、ガイド部材31の上部から下部に向かって延びている。そして、ガイド部材31の下部付近において開口し、不活性ガスを噴射するようになっている。
【0027】
<3.容器供給ユニット>
次に、容器供給ユニット4について説明する。容器供給ユニット4は、上述した受け入れ位置まで延びる搬送経路41を有しており、受け入れ位置の近傍に容器100の上部開口を開く一対の吸着部材42が設けられている。各吸着部材42は、近接離間するように構成され、搬送されてきた容器100の側面部にそれぞれ吸着した後、互いに離間することで、容器100の上部開口を広げるようになっている。そして、容器100の上部開口を広げた状態で、容器100を支持体1の容器保持具2に渡すように構成されている。
<4.内容物搬送ユニット>
次に、内容物搬送ユニット5について、図5も参照しつつ詳細に説明する。図5は収容具の斜視図である。図2に示すように、内容物搬送ユニット5には、搬送経路52に沿って移動する内容物供給具51が設けられており、各内容物供給具51には、図5に示すように、内容物が収容されるカップ状の収容具52が設けられている。各収容具52には、図示を省略する内容物供給部において、内容物が充填され、この内容物が各容器100に供給される。すなわち、収容具52の容積が容器100に収容される内容物の量に対応している。各収容具52は、内容物供給具51に揺動自在に支持されており、図5(b)に示すように、揺動することで収容具52が傾斜し、収容された内容物を下方に落下させるようになっている。上述したように、各内容物供給具51は、充填補助具3と対向するように配置されており、収容具52が傾斜したときに、上述した2個のガイド部材31の上部開口に、内容物が落下するような位置に、収容具52が配置されている。なお、収用具51は、内容物を一気に落下させるのではなく、徐々に傾きながら内部物を落下させているため、内容物が落下によって受ける衝撃を小さくすることができる。
【0028】
<5.封止用搬送ユニット>
続いて、封止用搬送ユニット6について、詳細に説明する。図2に示すように、封止用搬送ユニット6には、容器100を支持する複数の容器支持具62が設けられている。容器支持具62は、一対の固定部材60を有しており(図8参照)、これら固定部材60によって、支持体1の容器保持具2から受け取った容器100を、上部が開口した状態で保持できるようになっている。また、封止用搬送ユニット6に設けられた液化不活性ガス供給部63には、液化不活性ガスを排出するためのノズル631が設けられており(図8参照)、このノズル631が搬送経路61の上方に配置されている。これにより、上部開口が開いた状態で搬送経路61を通過する容器100に対して、ノズル631から液化不活性ガスが注入される。より詳細に説明すると、ノズル63には開閉弁が内蔵されており、この開閉弁を所定時間おきに開閉することで、ノズル63から断続的に液化不活性ガスが滴下され、容器100内に供給される。また、搬送経路61において、液化不活性ガス供給部63の下流側には、封止部64が設けられており、開いている容器100の上部開口を両側から押圧して閉じるとともに、ヒートシールを施して封止するようになっている。
【0029】
<6.封入装置による封入工程>
続いて、上記のように構成された封入装置における封入工程について、図6から図8も参照しつつ説明する。図6から図8は封入工程を説明する断面図である。以下では、多数の球状の食品を封入する場合について説明する。まず、支持体1を回転させることで、これとともに容器保持具2及び充填補助具3が回転する。そして、回転している支持体1に対し、容器供給ユニット4から容器100を一枚ずつ供給する。容器供給ユニット4では、受け入れ位置の直前において各容器100の上部開口が開かれ、このように開いた状態で、容器供給ユニット4から容器保持具2に対して容器100が渡される。容器保持具100は、固定部材21によって容器100の開口を開いた状態に保持する。この状態で、図6(a)に示すように、容器保持具2は上昇し、これによって充填補助具3のガイド部材31が容器100の開口に挿入される。このとき、両ガイド部材31は、下端部同士が近接し、全体として厚さが小さいため、容器100の開口に容易に挿入される。そして、両ガイド部材31の下端部が容器100に挿入されると、図6(b)に示すように、これらガイド部材31の下端部が互いに離間するように揺動する。これにより、容器100の開口を大きく広げることができるとともに、両ガイド部材31の間に内容物が通過する隙間が形成される。このとき、両ガイド部材31の下端部が容器100の開口に挿入された後、容器100内へ進入するにしたがって、両ガイド部材31の下端部間の距離が徐々に広がるようにしてもよい。
【0030】
また、これと並行して内容物搬送ユニット5によって内容物が充填された収容具52が搬送される。収容具52は、充填補助具3と対向するように支持体1の周囲に沿って搬送される。そして、容器100が受け入れ位置から離脱位置へ移動する間に、収容具52は傾斜し、図6(b)に示すように、内容物を落下させる。内容物は充填補助具3のガイド部材31の上部開口に落下し、両ガイド部材31の間の隙間を通過して容器100内に収容される。このとき、ガイド部材31とともに容器100内に挿入されたガス供給管7から不活性ガスを排出する。ガイド部材31は、容器100の中間部から底部付近まで挿入されているため、不活性ガスは、容器100の中間部から底部付近に亘って排出される。これにより、容器100の中間部から底部付近において酸素置換が行われる。なお、図6の例よりもガイド部材31を容器100の中に深く進入させることもできる。すなわち、ガイド部材31の下端部が容器100の底面部付近まで達するようにすれば、内容物を容器100の底面部102付近まで確実に収容することができる。このとき、ガス供給管7も容器100の底面部102付近まで達するため、不活性ガスにより容器100の底面部102から開口付近に亘って酸素置換を行うことができる。その結果、置換率を向上することができる。
【0031】
こうして、内容物が容器100に収容されると、図7に示すように、容器保持具2を下降させ、ガイド部材31を容器100から抜き出す。そして、容器保持具2が離脱位置に到達すると、容器100を上部開口が開いた状態で、封止用搬送ユニット6の容器支持具62に渡す。容器支持具62は、固定部材60を容器100に固定し、上部開口が開いた状態を維持したまま容器100を搬送経路61に沿って搬送する。そして、図8に示すように、容器100が液化不活性ガス供給部63のノズル631の下方を通過するとき、ノズル631から液化不活性ガスが滴下し、容器100の上部開口から容器100内に落下する。液化不活性ガスは、容器100内で気化を開始し、これにより容器100内で酸素置換が行われる。これに続いて、容器100が封止部64を通過すると、上部開口がシールされ、封止される。その後、容器内部では、液化不活性ガスが完全に気化し、容器100を所定の大きさに膨らませる。このように容器100を膨らませることで、容器100に外力が作用したときに、内容物が破壊されるのを防止することができる。したがって、柔らかく壊れやすい食品などの収容に特に有利である。
【0032】
上記工程における具体的な例としては、例えば、容器の容積が1000mL、内容物の量が体積:約200〜250mLであるとき、不活性ガスの注入量を約200〜250mL、液化不活性ガスの注入量を約1〜2gとし、液化不活性ガスの注入から容器開口の封止までの時間を約0.3〜3秒とすると、酸素残存率が8%以下にすることができる。また、外部から押圧しても、内容物に力が作用しない程度に容器を膨らませることができる。但し、上記は、一例であり、これに限定されるものではない。
【0033】
<7.特徴>
以上のように、本実施形態によれば、液化不活性ガスに加え、容器100内に不活性ガスを供給しているため、容器100内の酸素置換を十分に行うことができる。その結果、容器100内に残存する酸素量を低減することができる。特に、不活性ガスを注入することで、酸素置換量の制御を液化不活性ガスの注入時だけで調整する必要がなくなるため、液化不活性ガスの注入から封止までの時間、液化不活性ガスの滴下量の調整を、容器の容積の調整に比重をおいて行うことができる。したがって、酸素置換量の制御及び容器の容積の制御を正確に行うことができる。
【0034】
<8.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、容器保持具を支持体とともに回転させながら、内容物及び不活性ガスの充填を行っているが、封入工程における搬送経路は、これに限定されるものではなく、例えば、直線状の搬送経路を用いることもできる。
【0035】
また、容器供給ユニット4、内容物搬送ユニット5、封止用搬送ユニット6を個別に設ける必要はなく、一連の工程の中で、容器の上部開口を開いた状態にし、内容物及び不活性ガスを注入し、その後、液化不活性ガスを注入し、開口の封止を行える装置であれば、特には限定されない。
【0036】
上記実施形態では、スタンディングパウチを容器としたが、横方向に開口がある容器においても適用可能である。また、容器に収容される内容物は、粒状、チップ状、豆状、固形状の食品のほか、壊れやすい内容物とすることができる。
【0037】
上記実施形態では、ガイド部材31にガス供給管7を取り付けているが、ガス供給管7の排出口の位置は、ガイド部材31の下部でなくてもよく、内容物の量、容器の形態などに応じて適宜変更することができる。また、ガイド部材にガス供給管を取り付けず、別個に容器内に挿入することもできる。なお、ガイド部材の形態についても特には限定されず、内容物の供給をガイドできるものであれば、特には限定されない。例えば、上記実施形態では、両ガイド部材31を揺動自在に支持し、下端部が近接離間するようにしているが、両ガイド部材31が全面にわたって近接離間するように構成することができる。
【0038】
また、容器の形態も上述したものに限定されず、上部に開口が形成されている袋状の容器であれば、本発明に係る装置を適用することができる。
【符号の説明】
【0039】
31 ガイド部材(内容物供給部)
5 内容物搬送部(内容物供給部)
63 液化不活性ガス供給部
64 封止部
7 ガス供給管(不活性ガス供給部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8