特許第6238907号(P6238907)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6238907外部加熱型マイクロ波プラズマガス化炉及び合成ガス製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6238907
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】外部加熱型マイクロ波プラズマガス化炉及び合成ガス製造方法
(51)【国際特許分類】
   C10J 3/12 20060101AFI20171120BHJP
   C01B 3/02 20060101ALI20171120BHJP
   C10J 3/02 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   C10J3/12
   C01B3/02 Z
   C10J3/02 J
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-549317(P2014-549317)
(86)(22)【出願日】2012年10月26日
(65)【公表番号】特表2015-507673(P2015-507673A)
(43)【公表日】2015年3月12日
(86)【国際出願番号】CN2012083566
(87)【国際公開番号】WO2013097533
(87)【国際公開日】20130704
【審査請求日】2014年8月8日
【審判番号】不服2016-3273(P2016-3273/J1)
【審判請求日】2016年3月3日
(31)【優先権主張番号】201110449489.7
(32)【優先日】2011年12月29日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512244657
【氏名又は名称】武▲漢凱▼迪工程技▲術▼研究▲総▼院有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】▲陳義龍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼岩▲豊▼
(72)【発明者】
【氏名】夏明▲貴▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼亮
【合議体】
【審判長】 國島 明弘
【審判官】 原 賢一
【審判官】 日比野 隆治
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−536258(JP,A)
【文献】 特表2009−536261(JP,A)
【文献】 特表2008−545840(JP,A)
【文献】 特表2009−536260(JP,A)
【文献】 特開昭54−83002(JP,A)
【文献】 特開昭60−116717(JP,A)
【文献】 特開昭63−146400(JP,A)
【文献】 特開平8−236293(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10J3/00-3/86
C01B3/00-3/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部加熱型マイクロ波プラズマバイオマス燃料ガス化炉であって、垂直方向に配置される炉本体と、前記炉本体と連通するとともに炉本体の中央部に配置されるフィーダと、前記炉本体の間隙領域に配置されて蒸気を噴霧するための上側ノズルと、前記炉本体の床領域に配置されて二酸化炭素、蒸気、またはその組合せを噴霧するための下側ノズルと、前記炉本体の上部にある合成ガス出口付近に配置される合成ガスの温度と成分を監視する監視ユニットと、前記間隙領域の上側ノズルの上端に位置するマイクロ波プラズマ発生装置とを含み、
前記炉本体の床領域は、炉本体底部に位置する床媒体が落下する領域であり、
前記炉本体の間隙領域は、炉本体の炉壁と前記床領域で囲まれる領域であり、
前記マイクロ波プラズマ発生装置は1層または2層が配置され、
前記マイクロ波プラズマ発生装置が1層の場合、該マイクロ波プラズマ発生装置は3個または4個の作用ガス入口を含み、
前記マイクロ波プラズマ発生装置が2層の場合、各層は3個または4個のプラズマ作用ガス入口を含み、
プラズマ流は前記ガス化炉の間隙領域に水平方向かつ接線方向に噴霧され、
前記外部加熱装置は外部熱源を利用して加熱し、循環床媒体出口が炉本体底部に配置されるとともに循環床媒体入口が炉本体上部に配置され、或いは、循環床媒体出口および循環床媒体入口のいずれもが前記炉本体の側壁に配置され、前記外部加熱装置は前記炉本体から分離されるとともに、循環床媒体が未反応の残留炭素およびスラグとともに前記循環床媒体出口から流出し、前記外部加熱装置により加熱されて、前記循環床媒体入口から前記炉本体に戻るように、前記循環床媒体出口および循環床媒体入口の間に配置され、
前記外部加熱装置はスラグを排出するためのスラグ出口を含む、ガス化炉。
【請求項2】
前記外部加熱装置の熱源はマイクロ波、高温マイクロ波プラズマ、レーザ、プラズマアーク、太陽エネルギ、またはそれらの組み合わせである、請求項1のガス化炉。
【請求項3】
前記マイクロ波プラズマ発生装置は電極ギャップが大きく、プラズマ活性が高く、且つ体積範囲が広いものであり、マイクロ波プラズマ発生装置のマイクロ波電源は基本周波数が2.45GHzであり、単一のマイクロ波プラズマ発生装置の出力は200kW以内である、請求項1又は2のガス化炉。
【請求項4】
請求項1、2またはのいずれかの外部加熱型マイクロ波プラズマバイオマス燃料ガス化炉を利用するバイオマス燃料ガス化方法であって、前記方法はバイオマス燃料をガス化するために外部熱エネルギを使用するものであり、
1)バイオマス燃料および固形廃棄物を含む原料をフィーダから炉本体に導入し、前記原料を高温床領域でガス化し熱分解して、多量の一酸化炭素、水素、二酸化炭素と、少量のメタンおよびタールを含む合成ガスを生成する工程と、
2)前記合成ガスを上方へ前記ガス化炉の間隙領域に流し、前記マイクロ波プラズマ発生装置を始動させて非平衡状態の高活性、高電離度の高温プラズマ酸化剤を生じさせることにより、前記合成ガスを前記プラズマ酸化剤と混合し粉砕して、蒸気を上側ノズルから炉本体に噴霧し、間隙領域の温度を1000〜1200℃に制御し、前記合成ガスをプラズマ雰囲気に3〜10秒滞留させるように前記プラズマ酸化剤の流量を調整し、プラズマ流を撹拌して熱伝達および質量移動を高め、前記炉本体上部に配置される合成ガス出口から最終合成ガス生成物を回収する工程と、
3)床領域の残留炭素が酸化還元されるように、高温の二酸化炭素蒸気、またはその組合せを下側ノズルから前記炉本体に噴霧する工程と、
4)未反応残留炭素、残留スラグおよび床媒体を循環床媒体出口から外部加熱装置に送り、そこで残留炭素は燃焼させられ、床媒体は加熱されてスラグから分離させられ、前記スラグを前記外部加熱装置に設置されたスラグ出口から排出する工程と、
5)分離された床媒体を循環床媒体入口から前記炉本体に戻し、前記床媒体は下方へ流れ、逆方向に流れる高温合成ガスと熱交換を行い、床領域の温度が600〜1000℃になるよう熱エネルギを放出し、冷却された床媒体を前記外部加熱装置に送り再度加熱し、必要に応じて循環を数回繰り返す工程と、前記循環床媒体出口温度は750〜1200℃であり、前記加熱された床媒体の温度は床領域内での温度よりも高く、
6)監視ユニットにより前記合成ガスの温度と成分を監視し、ガス化作用を確実に行うために二酸化炭素流量、蒸気流量、マイクロ波出力を調整する工程と
を含む方法。
【請求項5】
工程2において、前記合成ガスが前記間隙領域のプラズマ雰囲気にとどまる滞留時間は3〜6秒である、請求項の方法。
【請求項6】
工程2において、前記合成ガスが前記間隙領域のプラズマ雰囲気にとどまる滞留時間は4〜6秒である、請求項の方法。
【請求項7】
工程3乃至5において、前記ガス化炉床領域における反応温度は600〜850℃に制御される、請求項乃至のいずれかの方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオマスおよび固形廃棄物のガス化方法に関し、特に、外部熱エネルギおよびマイクロ波プラズマの存在下で、高品質の合成ガスを合成するバイオマスおよび固形廃棄物のガス化炉およびガス化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化石燃料などのこれまでの主要なエネルギ源が急速に減少するに従い、人類は低発熱燃料、例えばバイオマス燃料、石炭、自治体固形廃棄物などに一層の注目を集めるようになっている。特にバイオマス燃料は、光合成により生成される有機物質を主に含む。したがって、バイオマス燃料は太陽エネルギから発生するので、再生可能であるとともに、供給源が豊富で幅広い。
【0003】
現在では、合成ガスを合成するためにバイオマスを使用するのが、バイオマスエネルギの多くの変換方法や使用方法において、最も有用な形態の一つである。いかにして高品質の合成ガスを有用に獲得するかが、常に産業界において厳しい課題であった。
【0004】
従来型のバイオマス固定床ガス化方法は、構造が単純であり、操作が柔軟であり、固定床への固形物質の滞留時間が長く、粉砕効果が高いという特徴がある。固定床でのバイオマス燃料には、均一な粒径を有するように一次破砕を必要とする。しかし、ガス化温度が低く不均一であることから、タール含有量が多く、合成ガス中の活性成分が少なく、ガス化効率が低いことから、これら全てのためにバイオマスのガス化は大きく制限されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の課題に鑑み、本発明の目的の一つは、経済的且つ効率良く工業利用が可能な外部加熱型ガス化炉、およびこのガス化炉を使用して、高品質の合成ガスを合成するために、バイオマスと固形廃棄物をガス化する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、以下の技術構成を採用する。
【0007】
外部加熱型マイクロ波プラズマバイオマス燃料ガス化炉は、垂直方向に配置される炉本体と、前記炉本体と連通するとともに炉本体の中央部に配置されるフィーダと、炉本体の間隙領域に配置されて蒸気を噴霧するための上側ノズルと、炉本体の床領域に配置されて二酸化炭素、蒸気、またはその組合せを噴霧するための下側ノズルと、炉本体の上部にある合成ガス出口付近に配置される合成ガスの温度と成分を監視する監視ユニットと、前記間隙領域の上側ノズルの上端に位置するマイクロ波プラズマ発生装置とを含み、前記炉本体の床領域は、炉本体底部に位置する床媒体が落下する領域であり、前記炉本体の間隙領域は、炉本体の炉壁と前記床領域で囲まれる領域であり、前記マイクロ波プラズマ発生装置は1層または2層が配置され、前記マイクロ波プラズマ発生装置が1層の場合、該マイクロ波プラズマ発生装置は3個または4個の作用ガス入口を含み、前記マイクロ波プラズマ発生装置が2層の場合、各層は3個または4個のプラズマ作用ガス入口を含み、プラズマ流は前記ガス化炉の間隙領域に水平方向かつ接線方向に噴霧され、外部加熱装置は外部熱源を利用して加熱し、循環床媒体出口が炉本体底部に配置されるとともに循環床媒体入口が炉本体上部に配置され、或いは、循環床媒体出口および循環床媒体入口のいずれもが前記炉本体の側壁に配置され、外部加熱装置は炉本体から分離されるとともに、循環床媒体が未反応の残留炭素およびスラグとともに循環床媒体出口から流出し、外部加熱装置により加熱されて、循環床媒体入口から炉本体に戻るように、循環床媒体出口および循環床媒体入口の間に配置され、前記外部加熱装置はスラグを排出するためのスラグ出口を含む。
【0008】
部加熱装置の熱源はマイクロ波、高温マイクロ波プラズマ、レーザ、プラズマアーク、太陽エネルギ、またはそれらの組み合わせである。
【0009】
外部加熱装置は炉本体と一体化しており、外部加熱装置の熱源はマイクロ波、高温マイクロ波プラズマ、レーザ、プラズマアーク、太陽エネルギ、循環流動床(CFB)ボイラからの高温床媒体、またはそれらの組み合わせである。
【0010】
マイクロ波プラズマ発生装置は、電極ギャップが大きく、プラズマ活性が高く、体積範囲が広い。マイクロ波プラズマ発生装置のマイクロ波電源は、基本周波数が2.45GHzであり、単一のマイクロ波プラズマ発生装置の出力は200kW以内である。
【0011】
本発明はまた、外部加熱型マイクロ波プラズマバイオマス燃料ガス化炉を使用するバイオマス燃料ガス化方法を提供する。本方法は、バイオマス燃料をガス化するために、外部熱エネルギを利用するものであり、本方法は以下の工程を含む。
【0012】
1)バイオマス燃料と固形廃棄物を含む原料をフィーダから炉本体に導入し、原料を高温床領域でガス化および熱分解して、多量の一酸化炭素、水素、二酸化炭素と、少量のメタンおよびタールを含む合成ガスを生成する工程。
【0013】
2)合成ガスを上方にガス化炉間隙領域へ流させ、マイクロ波プラズマ発生装置を始動させて、非平衡状態の高活性、高電離度の高温プラズマ酸化剤を生じさせることにより、合成ガスをプラズマ酸化剤と混合し粉砕して、蒸気を上側ノズルから炉本体に噴霧し、間隙領域の温度を1000〜1200℃に制御し、合成ガスがプラズマ雰囲気に3〜10秒滞留するようにプラズマ酸化剤の流量を調整し、プラズマ流を撹拌させて熱伝達と質量移動を高め、炉本体上部に配置される合成ガス出口から最終合成ガス生成物を回収する工程。
【0014】
3)下側ノズルからの二酸化炭素高温蒸気、またはその組合せを炉本体に噴霧して、床領域内の残留炭素を酸化還元させ、一部の固定炭素を消費する工程。
【0015】
4)未反応の残留炭素と残留スラグと床媒体を循環床媒体出口から外部加熱装置に搬送し、そこで残留炭素を燃焼させ、床媒体を加熱してスラグから分離させるとともに、スラグを外部加熱装置に設置されたスラグ出口から排出する工程。
【0016】
5)分離された床媒体を循環床媒体入口から炉本体に戻し、床媒体を下方に流し、逆方向に流れる高温合成ガスと熱交換を行い、床領域内の温度が600〜1000℃になるように熱エネルギを放出し、冷却された床媒体を外部加熱装置に送り再度加熱し、必要に応じて循環を数回繰り返し、循環床媒体出口温度を750〜1200℃にするとともに、加熱された床媒体温度を床領域の温度よりも高くする工程。
【0017】
6)監視ユニットにより合成ガスの温度と成分を監視し、ガス化作用を確実にするために二酸化炭素流量、蒸気流量、マイクロ波出力を調整する工程。
【0018】
工程2において、間隙領域内のプラズマ雰囲気にとどまる合成ガスの滞留時間は3〜6秒である。
【0019】
工程2において、間隙領域内のプラズマ雰囲気にとどまる合成ガスの滞留時間は4〜6秒である。
【0020】
工程3〜5において、ガス化炉床領域の反応温度は、600〜850℃に制御される。
【0021】
本発明はまた、外部加熱型マイクロ波プラズマガス化炉を使用するガス化方法を提供する。
【0022】
本方法は、バイオマス燃料をガス化するために外部熱エネルギを使用するものであり、本方法は以下の工程を含む。
【0023】
1)バイオマス燃料および固形廃棄物を含む原料をフィーダから炉本体に導入し、原料を高温床領域でガス化し熱分解し、固形バイオマスの床領域への滞留時間を長くして、床領域で複雑且つ高効率の熱分解反応を完全に行い、先ず固形燃料を高温化で熱分解し、主要成分である揮発性物質および余剰固定炭素物質を生成し、次に揮発性物質を高温下で粉砕して、多量の一酸化炭素、水素、二酸化炭素と、少量のメタンおよびタールを含む合成ガスを生成し、スラグを外部加熱装置に設置されたスラグ排出口から排出させる工程。
【0024】
2)合成ガスを上方に、ガス化炉間隙領域に流し、マイクロ波プラズマ発生装置を始動させて、非平衡状態の高活性、高電離度の高温プラズマ酸化剤を生じさせることにより、合成ガスをプラズマ酸化剤と混合し粉砕して、蒸気を上側ノズルから炉本体に噴霧し、間隙領域の温度を1000〜1200℃に制御し、合成ガスがプラズマ雰囲気に3〜10秒滞留するようにプラズマ酸化剤の流量を調整し、プラズマ流を撹拌して熱伝達と質量移動を高め、炉本体上部に配置される合成ガス出口から最終合成ガス生成物を回収する工程。合成ガスはタール含有量が僅かであり、或いはタールを含まない。
【0025】
3)床領域の温度を600〜1000℃に、また間隙領域の温度を750〜1600℃に維持するために、ガス化炉部に配置される外部加熱装置によりガス化炉を加熱する工程。
【0026】
4)監視ユニットにより合成ガスの温度と成分を監視し、ガス化作用を確実に行うために二酸化炭素流量、蒸気流量、マイクロ波出力を調整し、合成ガス出口温度を900〜1200℃となるように制御する工程。
【0027】
本発明の実施形態に係る効果は、以下のとおりである。
【0028】
1.ガス化炉は外部加熱装置を利用して熱エネルギを供給するので、活性成分を生成するために、酸化剤を添加することなくバイオマスの化学エネルギを利用することができ、合成ガスの活性成分(CO+H2)の体積百分率は90%を超える。
【0029】
2.ガス化炉の間隙領域に配置されるマイクロ波プラズマ発生装置は、タールの非平衡開裂反応を促進し、生成されるタールは僅かであり、或いはタールは生成されないので、工業での直接利用が可能なレベルとなり、良好な経済効率が達成される。
【0030】
3.ガス化炉はバイオマス燃料の粒径に対する特定の要件を備えておらず、一次粉砕により粒径要件を満たすことができるので、製造コストが低く、経済効率が良い。
【0031】
4.外部熱源は、例えば工業排熱などいずれの種類のエネルギ源であってもよく、エネルギ源の包括的な利用を助ける。
【0032】
本発明を、添付の図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の一実施形態に係り、プラズマガス化炉の概略図、およびこのガス化炉を使用するガス化方法のフローチャート。
図2図1のA−A線視断面図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図面には、以下の符号を使用する。1.フィーダ、2.炉本体、3.マイクロ波プラズマ発生装置、4.下側ノズル、5.上側ノズル、6.監視ユニット、7.循環床媒体出口、8.ガス化炉間隙領域、9.外部加熱装置、10.循環床媒体入口
【実施例1】
【0035】
外部加熱型マイクロ波プラズマガス化炉は、垂直方向に配置される円柱状の炉本体2と、炉本体2と連通するフィーダ1と、炉本体の間隙領域に配置されて蒸気を噴霧するための上側ノズル5と、炉本体の床領域に配置されて二酸化炭素、蒸気、またはその組合せを噴霧するための下側ノズル4と、上側ノズル5の上端に位置するマイクロ波プラズマ発生装置3と、炉本体2の上部にある合成ガス出口付近に配置される監視ユニット6を含み、循環床媒体出口7は炉本体2の底部に配置され、循環床媒体入口10は炉本体の上部に配置され、外部加熱装置9は循環床媒体出口7および循環床媒体入口10の間に配置されるとともに炉本体2から分離されており、循環床媒体が循環床媒体出口7から流出し、外部加熱装置9により加熱され、循環床媒体入口10から炉本体に戻され、外部加熱装置9はスラグを排出するためのスラグ出口を含む。
【0036】
任意で、循環床媒体出口7および循環床媒体入口10はいずれも、炉本体2の側壁に配置される。
【0037】
フィーダ1は炉本体2の中央部分に配置される。1層または2層のマイクロ波プラズマ発生装置3はガス化炉の間隙領域8内に配置される。マイクロ波プラズマ発生装置の各層は、3個または4個のプラズマ作用ガス入口を含み、プラズマ流はガス化炉の間隙領域8に水平方向かつ接線方向に噴霧される。マイクロ波プラズマ発生装置3は電極ギャップが大きく、プラズマ活性が高く、体積範囲が広い。マイクロ波プラズマ発生装置3のマイクロ波電源は、基本周波数が2.45GHzであり、単一のマイクロ波プラズマ発生装置の出力は200kW以内である。
【0038】
外部加熱装置9の熱源はマイクロ波、高温マイクロ波プラズマ、レーザ、プラズマアーク、太陽エネルギ、または工業排熱である。外部加熱装置9は床媒体を加熱し、循環に適するように高温にする。外部加熱装置9では、固定炭素物質が完全に燃焼させられ、床媒体とバイオマススラグは完全に分離させられる。
【0039】
外部加熱型マイクロ波プラズマガス化炉を使用するガス化方法は、以下の工程を含む。
【0040】
1)バイオマス燃料と固形廃棄物を含む原料をフィーダ1から炉本体2に導入し、原料を高温床領域でガス化し熱分解し、固定床と同様の床領域により、固形バイオマスの床領域への滞留時間を長くして、床領域で複雑且つ高効率の熱分解反応を完全に行い、先ず固形燃料を高温化で熱分解し、主要成分である揮発性物質および余剰固定炭素物質を生成し、次に揮発性物質を高温下で粉砕して、多量の一酸化炭素、水素、二酸化炭素と、少量のメタンおよびタールを含む合成ガスを生成する工程。
【0041】
2)合成ガスを上方に、ガス化炉の間隙領域8に流し、マイクロ波プラズマ発生装置を始動させて、非平衡状態の高活性、高電離度の高温プラズマ酸化剤を生じさせることにより、合成ガスをプラズマ酸化剤と混合し粉砕して、蒸気を上側ノズル5から炉本体に噴霧し、間隙領域の温度を1000〜1200℃に制御し、合成ガスをプラズマ雰囲気に3〜10秒滞留させるように、プラズマ酸化剤の流量を調整し、プラズマ流を撹拌して熱伝達および質量移動を高め、且つ炉本体上部に配置される合成ガス出口からの最終合成ガス生成物を回収する工程。合成ガス生成物はタールを僅かに含み、或いはタールを含まない。
【0042】
3)固定炭素含有量が多く、床領域が多量の熱を有する(即ち、外部加熱装置9により供給された外部熱エネルギが十分である)時に、作用ガスを下側ノズル4から炉本体に噴霧することにより、床領域の残留炭素が酸化還元されて、合成ガスにより多くの一酸化炭素または水素を生成し、未反応残留炭素および残留スラグと床媒体を循環床媒体出口から外部加熱装置9に送り、そこで残留炭素が燃焼させられるとともに、床媒体は加熱されてスラグから分離させられ、スラグを外部加熱装置に設置されたスラグ出口から排出し、分離された床媒体を循環床媒体入口10から炉本体2に戻し、床媒体は下方へ流れ、合成ガスの温度が1000〜1200℃となるように、逆方向に流れる高温合成ガスと熱交換を行い、床領域内の温度が600〜1000℃になるように熱エネルギを放出し、冷却された床媒体を外部加熱装置9に送り再度加熱し、必要に応じて循環を数回繰り返す工程。循環床媒体出口7の温度は750〜1200℃である。
【0043】
4)監視ユニット6により合成ガスの温度と成分を監視し、ガス化作用を確実に行うために二酸化炭素流量、蒸気流量、マイクロ波出力を調整し、合成ガス出口温度を800〜1200℃となるように制御する工程。
【0044】
工程2において、間隙領域のプラズマ雰囲気にとどまる合成ガスの滞留時間は3〜6秒、特に4〜6秒である。
【0045】
工程3において、ガス化炉の床領域内の反応温度は600〜850℃に制御される。
【0046】
工程3において、噴霧される作用ガスは二酸化炭素または高温蒸気であり、合成ガスの成分に対する要件により決められる。
【0047】
ガス化炉の床媒体は、蓄熱能力が高い高温耐熱材料からなる。外部加熱装置により加熱されたバイオマス燃料はガス化炉に流入し、逆方向に流れる高温合成ガスと熱交換を行い、次に下方へ高温床領域に流れ、そこでバイオマス燃料は急速に加熱される。バイオマス燃料は酸素含有量が多く、固定炭素含有量が少ない。従って、床領域では、バイオマス燃料が熱分解されて揮発性物質およびセミコークスを生成する。熱分解領域を高温に保つために、適当な高温蒸気二酸化炭素またはその組合せがガス化炉に噴霧されることにより、揮発性物質は高温下で粉砕され、多量の活性成分(CO+H2)と少量のタール蒸気が生成され、このタール蒸気は上方にガス化炉の間隙領域へ流れる。未反応の炭素を含む残留スラグは床媒体とともに大量に外部加熱装置に送られ、そこで残留炭素および床媒体は加熱され、混合物中の残留炭素の完全燃焼を促すために、酸化剤が導入される。床媒体はスラグから分離される。加熱された床媒体は炉本体の上部または側部から炉本体に送られ、下方へ流れて、逆方向に流れる高温合成ガスと熱交換を行い、合成ガスの温度を低下させるとともに、床媒体の温度を上昇させる。高温床媒体は床領域に落下し、熱エネルギを新しく導入されたバイオマス燃料に供給するとともに、粉砕反応温度を維持する。熱交換後、次の加熱および分離を行うために、冷却された床媒体は外部加熱装置に送られる。上記工程は、必要に応じて数回繰り返される。床媒体の循環係数は、燃料特性によって決められる。
【0048】
少量のタール蒸気とフライアッシュを含む合成ガスは上方へ、ガス化炉間隙領域に流れ、そこにはマイクロ波プラズマ発生装置が配置される。非平衡状態の高活性、高電離度のプラズマ酸化剤の存在下では、高温合成ガス中のタール蒸気は急速に粉砕され、タールは完全に取り除かれる。合成ガス出口の合成ガスは冷却および精製されて、直接利用できるレベルに達する。
【実施例2】
【0049】
本実施例のガス化炉は、以下の点を除き実施例1と基本的に同じである。(A)外部加熱装置9が炉本体2から分離されておらず、炉本体2と一体化されており、炉本体底部に配置される循環床媒体出口7と炉本体上部に配置される循環床媒体入口10は省略される。従って、外部熱源はガス化炉に導入されることが可能となり、媒体循環工程が省略されるので、システムが簡易になり、操作性や効率が向上する。
【0050】
(B)外部加熱装置9の熱源はマイクロ波、高温マイクロ波プラズマ、レーザ、プラズマアーク、太陽エネルギ、循環流動床(CFB)ボイラの高温床媒体である。
【0051】
外部加熱型マイクロ波プラズマガス化炉を使用するガス化方法は、以下の工程を含む。
【0052】
1)バイオマス燃料および固形廃棄物を含む原料をフィーダ1から炉本体2に導入し、原料を高温床領域でガス化し熱分解し、固定床と同様の床領域により、固形バイオマスの床領域への滞留時間を長くして、床領域で複雑且つ高効率の熱分解反応を完全に行い、先ず固形燃料を高温化で熱分解し、主要成分である揮発性物質および余剰固定炭素物質を生成し、次に揮発性物質を高温下で粉砕して、多量の一酸化炭素、水素、二酸化炭素と、少量のメタンおよびタールを含む合成ガスを生成し、スラグを外部加熱装置に設置されたスラグ排出口から排出させる工程。
【0053】
2)合成ガスを上方へ、ガス化炉の間隙領域8に流れさせ、マイクロ波プラズマ発生装置3を始動させて非平衡状態の高活性、高電離度の高温プラズマ酸化剤を生じさせることにより、合成ガスはプラズマ酸化剤と混合し粉砕して、蒸気を上側ノズルから炉本体に噴霧し、間隙領域の温度を1000〜1200℃に制御し、合成ガスをプラズマ雰囲気に3〜10秒滞留させるためにプラズマ酸化剤の流量を調整し、プラズマ流を撹拌して熱伝達および質量移動を高め、炉本体上部に配置される合成ガス出口から最終合成ガス生成物を回収する工程。合成ガス生成物はタールを僅かに含み、或いはタールを含まない。
【0054】
3)炉本体2の部に配置される外部加熱装置9によりガス化炉を加熱して、床領域温度を600〜1000℃に、また間隙領域温度を750〜1600℃に維持する工程。
【0055】
4)監視ユニット6により合成ガスの温度と成分を監視し、ガス化作用を確実に行うために、二酸化炭素流量、蒸気流量、マイクロ波出力を調整し、合成ガス出口温度を900〜1200℃に制御する工程。
【0056】
ガス化の最適作用条件を達成するとともに、性能要件全体を満たすために重要なことは、床領域温度を制御し、床媒体供給量を制御し、且つ二酸化炭素流量、蒸気流量、マイクロ波出力を調整することである。合成ガス出口付近に配置される監視ユニットは、上記パラメータをリアルタイムで監視することができるので、ガス化工程を一連で、且つ完全自動化で制御するとともに、ガス化炉の作動安定性を維持する。
【0057】
本発明の詳細な実施形態を図示および説明してきたが、当該技術分野に属する者であれば、本発明の広範な態様から逸脱することなく、変更および変形を行えること明白である。従って、添付の請求の範囲の目的は、これらの変更や変形全てを本発明の真の主旨および範囲に入るものとして含むことである。
【符号の説明】
【0058】
1 フィーダ
2 炉本体
3 マイクロ波プラズマ発生装置
4 下側ノズル
5 上側ノズル
6 監視ユニット
7 循環床媒体出口
8 ガス化炉間隙領域
9 外部加熱装置
10 循環床媒体入口
図1
図2