特許第6238924号(P6238924)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6238924
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】二重天幕テント
(51)【国際特許分類】
   E04H 15/54 20060101AFI20171120BHJP
【FI】
   E04H15/54
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-32119(P2015-32119)
(22)【出願日】2015年2月20日
(65)【公開番号】特開2016-153574(P2016-153574A)
(43)【公開日】2016年8月25日
【審査請求日】2016年12月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000138336
【氏名又は名称】株式会社スノーピーク
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】山井 太
(72)【発明者】
【氏名】吉野 真紀夫
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−117227(JP,A)
【文献】 特開平07−269174(JP,A)
【文献】 米国特許第6499497(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 15/00 − 15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に排気用開口部を有する下層天幕と、この下層天幕の前記排気用開口部を上方から塞ぐように覆い配設して下層天幕との間に排気間隙を介在可能な上層天幕とを備え、この下層天幕と上層天幕とは、頂部を頭頂点とする略角錐形状に形成した二重天幕テントにおいて、前記排気用開口部は、前記下層天幕の複数の角錐面部の上方側に開口形成し、この複数の排気用開口部間に存する下層天幕の側辺部は、前記排気用開口部より下方に存する下層天幕の下側幕部に連設する連設幕部であって、下方側に位置する部位ほどその横幅が幅広となる形状に形成したことを特徴とする二重天幕テント。
【請求項2】
前記下層天幕は、全ての角錐面部の上方側に前記排気用開口部を設け、この各排気用開口部間に存する下層天幕の全ての側辺部は、前記排気用開口部より下方に存する下層天幕の下側幕部に連設する前記連設幕部であって、下方側に位置する部位ほどその横幅が幅広となる形状に形成したことを特徴とする請求項1記載の二重天幕テント。
【請求項3】
前記上層天幕は、全ての角錐面部の底辺部を、上方に向かって凸湾曲する湾曲底辺に形成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の二重天幕テント。
【請求項4】
前記下層天幕は、前記下側幕部と前記連設幕部とを別部材製として、この下側幕部の上縁部と連設幕部の下縁部とを縫着することにより連設した構成としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の二重天幕テント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通風・換気機能を有する二重天幕テントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、登録実用新案第3161298号(特許文献1)のような、二重天幕構造の防風機能を有するテントが提案されている。
【0003】
この特許文献1を簡単に説明すると、頂部を頭頂点とする略角錐形状の下層天幕の天頂部に開口部が設けられ、この開口部を塞ぐようにして下層天幕の上部に小型の上層天幕(開口部の雨除け)が重ねられた構成とされていて、横風や下からの巻き上げ風は、下層天幕天頂部の開口部へと誘導され、上層天幕と下層天幕との間から逃がされてテント内の風圧が減少し、防風効果が得られるものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3161298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記特許文献1のような二重天幕構造テントの改良に係るもので、テント張設時の体裁が良好であると共に、通風・換気性能を良好に確保可能な二重天幕テントを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
上部に排気用開口部2を有する下層天幕1と、この下層天幕1の前記排気用開口部2を上方から塞ぐように覆い配設して下層天幕1との間に排気間隙3を介在可能な上層天幕4とを備え、この下層天幕1と上層天幕4とは、頂部を頭頂点とする略角錐形状に形成した二重天幕テントAにおいて、前記排気用開口部2は、前記下層天幕1の複数の角錐面部の上方側に開口形成し、この複数の排気用開口部2間に存する下層天幕1の側辺部は、前記排気用開口部2より下方に存する下層天幕1の下側幕部5に連設する連設幕部6であって、下方側に位置する部位ほどその横幅が幅広となる形状に形成したことを特徴とする二重天幕テントに係るものである。
【0008】
また、前記下層天幕1は、全ての角錐面部の上方側に前記排気用開口部2を設け、この各排気用開口部2間に存する下層天幕1の全ての側辺部は、前記排気用開口部2より下方に存する下層天幕1の下側幕部5に連設する前記連設幕部6であって、下方側に位置する部位ほどその横幅が幅広となる形状に形成したことを特徴とする請求項1記載の二重天幕テントに係るものである。
【0009】
また、前記上層天幕4は、全ての角錐面部の底辺部を、上方に向かって凸湾曲する湾曲底辺7に形成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の二重天幕テントに係るものである。
【0010】
また、前記下層天幕1は、前記下側幕部5と前記連設幕部6とを別部材製として、この下側幕部5の上縁部と連設幕部6の下縁部とを縫着することにより連設した構成としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の二重天幕テントに係るものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は上述のように構成したから、横風や下からの巻き上げ風を、下層天幕と上層天幕の間の排気間隙から二重天幕テント外へと排気して防風効果を発揮でき、また、二重天幕テント内で調理をしたり暖を取ったりした時の熱気や煙などを、下層天幕と上層天幕の間の排気間隙から二重天幕テント外へと良好に排気でき、しかも本発明は、下層天幕の角錐面部に設けた複数の排気用開口部間の側辺部を、排気用開口部より下方に存する下層天幕の下側幕部に連設する連設幕部であって、下方側に位置する部位ほどその横幅が幅広となる形状に形成したので、前記連設幕部が広幅をもって下側幕部に連設して下側幕部の下方への弛みを抑制でき、これにより二重天幕テントの体裁が良好に保たれると共に、風の吹き上げ等があっても下層天幕が上層天幕にくっつきにくく、排気間隙が良好に確保されて通風・換気機能を良好に発揮でき、さらなる通風・換気機能の向上をねらって排気用開口部を大きく開口形成することも可能となるなど、極めて実用性に優れた二重天幕テントとなる。
【0012】
また、請求項2記載の発明においては、排気用開口部を下層天幕の全ての角錐面部の上方側に設けると共に、この全ての排気用開口部を大きく開口形成できるので、一層良好な通風・換気機能を発揮できる極めて実用性に優れた構成の二重天幕テントとなる。
【0013】
また、請求項3記載の発明においては、上層天幕の角錐面部の弛みを効果的に防止でき、これにより上層天幕が下層天幕にくっつきにくく、排気間隙が良好に確保されて通風・換気機能を確実に発揮できる一層実用性に優れた構成の二重天幕テントとなる。
【0014】
また、請求項4記載の発明においては、下層天幕の下側幕部と連設幕部とを別部材製として縫着したから、仮に下側幕部と前記連設幕部とが一体(一枚)物であると、下層天幕を構成する生地の上下幅が非常に大きくなって生地幅が足りなくなる懸念があるが、下側幕部と連設幕部とを分けたことで双方の生地の上下幅を確保し易く容易に設計実現可能となり、これにより下層天幕の大型化も容易に可能となるなど、一層実用性に優れた構成の二重天幕テントとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施例を示す斜視図である。
図2】本実施例を示す、上層天幕を省略した斜視図である。
図3】本実施例を示す、支持フレームの一部を省略した正面図である。
図4】本実施例を示す、支持フレームの一部と上層天幕を省略した正面図である。
図5】本実施例を示す平面図である。
図6】本実施例を示す、上層天幕を省略した平面図である。
図7】本実施例の通風・換気機能の説明正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0017】
二重天幕テントA内に強い横風や下からの巻き上げ風が吹き込むと、この風は下層天幕1の角錐面部の上方側に開口形成した排気用開口部2へと誘導されて、この下層天幕1と上層天幕2との間の排気間隙3から二重天幕テントA外へと排気されることになるので、二重天幕テントA内での風圧の上昇が防止される(防風効果が得られる。)。
【0018】
また、二重天幕テントA内にバーベキューコンロ15などを設置して調理を行ったり、暖を取る目的でストーブを設置使用したり焚火を行ったりすると、上昇気流が発生して熱気や煙などが下層天幕1の角錐面部の上方側に開口形成した排気用開口部2へと誘導され、この下層天幕1と上層天幕2との間の排気間隙3から二重天幕テントA外へと排気されることになる。
【0019】
また、前記排気用開口部2は、上記した通風・換気機能の向上を目的に大きく開口させたいが、この排気用開口部2を大きく開口させてしまうと排気用開口部2の下方に存する下層天幕1の下側幕部5の上縁に張力が作用しづらくなってこの下側幕部5上縁が下方へ弛み易くなり、この弛みが大きいと体裁が悪い上に、風が吹き上げた際などに下層天幕1が上層天幕4にくっついて排気間隙3が塞がれ易く、却って通風・換気性能の低下を招いてしまう懸念もある。
【0020】
そこで、本発明は、下層天幕1の複数の角錐面部に設けた前記排気用開口部2間の側辺部を、前記排気用開口部2より下方に存する下層天幕1の下側幕部5に連設する連設幕部6であって、下方側に位置する部位ほどその横幅が幅広となる形状に形成している。
【0021】
そのため、たとえ排気用開口部2を大きく開口形成しても、前記連設幕部6が広幅をもって下側幕部5に連設していることによってこの下側幕部5の上方側に張力が作用し易くなるので、この下側幕部5の下方への弛みが小さく抑えられる。従って、二重天幕テントAの体裁が良好に保たれると共に、二重天幕テントA内に風の吹き上げなどがあっても下層天幕1が上層天幕4にくっつきにくく、排気間隙3が確保されて通風・換気機能が良好に発揮されることになる。
【実施例】
【0022】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0023】
本実施例の二重天幕テントAは、上部に排気用開口部2を有する下層天幕1と、この下層天幕1の前記排気用開口部2を上方から塞ぐように覆い配設して(排気用開口部2の雨除けとして機能して)下層天幕1との間に排気間隙3を介在可能な上層天幕4とを備えている。
【0024】
また、この下層天幕1と上層天幕4とは、図1図2に示すように、天頂部を頭頂点とする略四角錐形状に形成すると共に、この略四角錐形状が内部に配した支持フレーム8によって保持される構成としている。
【0025】
また、支持フレーム8について説明すると、図2に示すように、上下方向にやや厚みを有し且つ平面視正方形状をなすように組成した底枠部9の下部四隅に、地面に接地する脚柱10を垂設すると共に、底枠部9の上部中心部に頭頂支柱11を立設した構成としたもので、この支持フレーム8の頭頂支柱11が下層天幕1及び上層天幕4の前記頭頂点たる中心部を下方から支持すると共に、支持フレーム8の底枠部9が下層天幕1下側の四辺部を内方から支持することで下層天幕1が略四角錐形状に張設され、この下層天幕1上に重ねた上層天幕4も略四角錐形状に張設される構成としている。
【0026】
また、上層天幕4は、前記下層天幕1の上部の排気用開口部2を上方から塞ぐように覆い配設可能であって下層天幕1より一回り小さめのサイズに構成し、この上層天幕4の各角錐面部間の各側辺部の下側を、前記下層天幕1の対応する各側辺部の上側に縫着等により止着した構成としている。
【0027】
即ち、本実施例では、下層天幕1と上層天幕4とが分離不能な構成とし、そうでありながらも、上層天幕4の下縁(上層天幕4の各角錐面部の底辺部)が下層天幕1の上面部と接離自在なことで、この下層天幕1,上層天幕4間の間隙と前記排気用開口部2とが連通して前記排気間隙3が形成される構成としている。
【0028】
更に詳しくは、下層天幕1は、略四角錐状の頂幕部12と、この頂幕部12と外形が同調する略角錐台形状の下幕本体部13とから成り、この頂幕部12の下縁(頂幕部12の各角錐面部の底辺部)に、下幕本体部13の上縁を縫着などの連結手段で連結することによって前記頂幕部12を頭頂点とする略四角錐形状に構成している。図中符号16は頂幕部12と下幕本体部13の連結部である。
【0029】
また、上層天幕4は、前記頂幕部12と、この頂幕部12と外形が同調する略角錐台形状の上幕本体部14とから成り、この頂幕部12の下縁に、上幕本体部14の上縁を縫着などの連結手段で連結することによって前記頂幕部12を頭頂点とする略四角錐形状に構成している。図中符号17は頂幕部12と上幕本体部14の連結部である。
【0030】
即ち、本実施例の下層天幕1と上層天幕4とは、その頭頂点をひとつの頂幕部12で兼用した構成としている。尚、下層天幕1と上層天幕4とに、夫々別々の頭頂点(本実施例の頂幕部12など)を有する構成としても良い。
【0031】
本実施例では、前記下層天幕1の前記下幕本体部13の四面ある全ての角錐面部に夫々前記排気用開口部2を設けている(図2図6参照)。また、この各排気用開口部2は、前記下幕本体部13の各角錐面部の中ほどより上方側に設けると共に、下幕本体部13の角錐面部の形状に同調する略台形状の開口に形成している。
【0032】
また、本実施例の下層天幕1は、その前記下幕本体部13の各角錐面部に設けた前記排気用開口部2間の四箇所の各側辺部を、前記排気用開口部2より下方に存する下層天幕1(下幕本体部13)の下側幕部5に連設する連設幕部6に形成している。
【0033】
具体的には、前記連設幕部6は、図2図4図6に示すように、四箇所の前記各側辺部に沿って前記頂幕部12の下縁と、前記下側幕部5の上縁とを連設する帯状幕に形成している。即ち、言い換えると、本実施例の下層天幕1の下幕本体部13は、各排気用開口部2間の四箇所の各側辺部に、前記頂幕部12の下縁に連結する帯状の連設幕部6を有する形状に形成している。
【0034】
また、この連設幕部6は、前記下側幕部5とは別部材製として、この下側幕部5の上縁部と連設幕部6の下縁部とを縫着することにより連設した(下幕本体部13を構成した)構成としている。図中符号18は下側幕部5と連設幕部6の縫着部である。
【0035】
また、本実施例の連設幕部6は、下方側に位置する部位ほどその横幅が徐々に幅広となる形状に形成し、このように構成した各連設幕部6により略台形状を呈する前記各排気用開口部2の下側開口部分の左右開口縁は、下方側に位置する部位ほどその開口幅が幅狭となる湾曲縁となるように構成している(図2図4図6参照)。
【0036】
即ち、各連設幕部6は、帯状にすることで各排気用開口部2の開口面積を大きく阻害することなく、そうでありながらその下端と前記下側幕部5の上端との連設(縫着)範囲を広くした構成としており、これにより各排気用開口部2の下部開口縁の左右部に張力がかかり易く、排気用開口部2に臨設する下側幕部5の上縁部が下方へ弛みにくくなる構成としている。
【0037】
また、本実施例では、前記上層天幕4は、図1図3図5に示すように、その全ての角錐面部の底辺部(下縁)を、上方に向かって凸湾曲する湾曲底辺7に形成している。
【0038】
即ち、この上層天幕4の角錐面部の底辺部が水平ストレート縁であると、この底辺部に張力がかかりにくく下方へ弛み易いが、この底辺部を湾曲底辺7に形成したことで、この湾曲底辺7には張力がかかり易く弛みを防止でき、これにより上層天幕4が下層天幕1にくっつきにくく、前記排気間隙3が良好に確保されて通風・換気機能が良好に発揮されることになる構成としている。
【0039】
以上のように構成した本実施例の二重天幕テントAによれば、二重天幕テントA内に強い横風や下からの巻き上げ風が吹き込むと、図7中の太矢印で示したように、この風が下層天幕1の角錐面部の上方側に開口形成した四箇所の排気用開口部2へと誘導されて、この下層天幕1と上層天幕2との間の排気間隙3から二重天幕テントA外へと排気されることになるので、二重天幕テントA内での風圧の上昇が防止される(防風(耐風)効果が得られ、二重天幕テントAの倒壊が防止される。)。
【0040】
また、二重天幕テントA内にバーベキューコンロ15などを設置して調理を行ったり、暖を取る目的でストーブを設置使用したり焚火を行ったりした場合においても、図7中の細矢印で示したように、上昇気流が発生して熱気や臭いや煙が四箇所の前記排気用開口部2へと誘導され、前記排気間隙3から二重天幕テントA外へと排気されることになる。
【0041】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0042】
1 下層天幕
2 排気用開口部
3 排気間隙
4 上層天幕
5 下側幕部
6 連設幕部
7 湾曲底辺
A 二重天幕テント
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7