【実施例】
【0021】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0022】
本実施例は、平面視長方形に形成した複数の基台部10を長辺同士が突き合わさる向きで分離自在に並設状態に連設して成る横長のソファ台座部1と、このソファ台座部1に着脱自在に設けられる背凭れ部2と、前記ソファ台座部1及びこのソファ台座部1に設けられた前記背凭れ部2に着脱自在に設けられるクッション部材3とから成る組立式ソファであって、前記基台部10は、前記ソファ台座部1に前記背凭れ部2を設けてソファ基台9を形成する際に、前記ソファ
台座部1に前記背凭れ部2を上方に突設状態に取付ける背凭れ取付部4と、前記ソファ台座部1を形成する連設状態の前記基台部10を分離し、この分離した基台部10を一人掛け用の椅子に形成する際に、この基台部10に前記背凭れ部2を上方に突出状態に取付ける第二背凭れ取付部15とが設けられた構成であり、前記ソファ台座部1の前記背凭れ取付部4に前記背凭れ部2を取り付けて該背凭れ部2を前記ソファ台座部1に上方に突出状態に設けると共に、前記クッション部材3を前記ソファ台座部1上に敷設し、且つ、前記背凭れ部2に前記クッション部材3を配設することでソファ形態となり、分離状態の前記基台部10の前記第二背凭れ取付部15に前記背凭れ部2を取り付けて該背凭れ部2を前記基台部10に上方に突出状態に設けると共に、前記クッション部材3を前記基台部10上に敷設し、且つ、前記背凭れ部2に前記クッション部材3を配設することで、この基台部10が一人掛け用の椅子形態となるように構成されたものであり、具体的には、本実施例の組立式ソファは、三体の基台部10を分離自在に連設して成るソファ台座部1と、このソファ台座部1に着脱自在に設ける二体の背凭れ部2と、四枚のクッション部材3とで構成されたものである。
【0023】
また、本実施例は、椅子形態時はテーブルとセットとなったテーブルセット形態となり、更にベッド形態にも形態を変換できるように構成されている。即ち、本実施例の組立式ソファは、ソファ形態、ベッド形態、およびテーブルセット形態の三形態に形態を変換することができるように構成されている。
【0024】
また更に、本実施例は、簡易な構成で容易に組立・分解(形態変換)することができ、更に、コンパクトな収納形態で簡易に持ち運び移動できる構成であり、室内は勿論のこと、ベランダや庭などの屋外、或いはキャンプ場などの野外に持ち運んで使用することができるように構成されている。
【0025】
以下、本実施例に係る構成各部について詳細に説明する。
【0026】
ソファ台座部1は、背凭れ部2を上方に突出状態に取り付ける背凭れ取付部4と、背凭れ部2をソファ台座部1の左右方向となる側方に突出状態に取り付ける背凭れ側方取付部5とを設けた構成として、背凭れ取付部4に背凭れ部2を取り付けて該背凭れ部2をソファ台座部1に上方に突出状態に設けることでソファ基台9となり、また、背凭れ取付部4に取り付けた背凭れ部2を背凭れ側方取付部5に付け替えて背凭れ部2をソファ台座部1の側方に突出状態に設けることでベッド基台6となる構成としている。
【0027】
また、本実施例のソファ台座部1は、三体の基台部10で構成されており、具体的には、基台部10を平面視長方形に形成し、この平面視長方形の基台部10を長辺同士が突き合わさる向き(縦向き)にして分離自在に並設状態に連設して成る構成としている。
【0028】
より具体的には、本実施例の基台部10は、平板状に形成した合成樹脂製の台板部11と、この台板部11を支持する金属製の脚部12とから成る構成としている。
【0029】
本実施例の基台部10を構成する台板部11は、長辺と短辺との寸法比を3:2に設定した平面視長方形に形成した構成とし、具体的には、長辺の寸法を75cm、短辺の寸法を50cmに設定した構成としている。
【0030】
また、この台板部11は、背凭れ部2を上方に突出状態に取付けるための背凭れ取付部4と、背凭れ部2を側方に突出状態に取り付けるための背凭れ側方取付部5とを設けた構成とし、具体的には、背凭れ取付部4は、後述する背凭れ部2を構成する棒状の背凭れ支柱部13を上方に突出状態に差し込み係合し得る縦孔状に形成した構成とし、より具体的には、本実施例の背凭れ取付部4は、背凭れ部2(背凭れ支柱部13)がソファ台座部1に対してやや後傾状態で上方に突出状態となるよう、この縦孔を傾斜状に形成した構成としている。
【0031】
また更に、本実施例ではこの背凭れ取付部4を、背凭れ部2(背凭れ支柱部13)の後傾角度が浅い状態(急傾斜状態)で突設し得る第一背凭れ取付部4Aと、この第一背凭れ取付部4Aに取り付けた状態よりも後傾状態が深い状態(緩傾斜状態)で突設し得る第二背凭れ取付部4Bとから成る構成とし、具体的には、本実施例では、第一背凭れ取付部4Aの傾斜状態を背凭れ部2の後傾角度が105°となるように設定し、第二背凭れ取付部4Bの傾斜状態を背凭れ部2の後傾角度が115°となるように設定した構成として、使用者の好みに合わせて背凭れ部2の傾斜状態を緩急二段階に設定できる構成としている。尚、この後傾角度の設定値に関しては、上記に限らず適宜設計変更可能なものとする。
【0032】
また、本実施例の第一背凭れ取付部4Aは、台板部11の一側短辺からこの台板部11の長辺寸法の約1/3内側に入った位置に所定間隔をおいて二つ設けた構成とし、また、第二背凭れ取付部4Bは、台板部11の長辺方向中央部を挟んで第一背凭れ取付部4Aと対称位置となる位置、即ち、台板部11の他側短辺からこの台板部11の長辺寸法の約1/3の内側に入った位置に第一背凭れ取付部4Aと同様、所定間隔をおいて二つ設けた構成としている。
【0033】
即ち、本実施例は、ソファ形態においては、ソファ台座部1の上面全体を座部とせず、背凭れ部2を端部から長辺方向に長辺寸法の1/3内側に位置する箇所に設けて、この背凭れ部2よりも手前側の基台部10の2/3のスペースを座部とし、背凭れ部2よりも奥側の1/3のスペースはクッション部材3を敷設しないクッション部材非敷設部7として、座部の奥行を基台部10(ソファ台座部1)の奥行よりも浅くすることで、座部が深くなり過ぎて座りにくくなることを防ぎ、ソファとしての座部が浅過ぎず深すぎず丁度良い奥行となるように構成している。
【0034】
また、背凭れ側方取付部5は、棒状の背凭れ支柱部13を側方に突出状態に差し込み係合し得る横孔状に形成した構成とし、具体的には、本実施例では、上方への抜けを阻止する上方抜け止め部を設けた凹条溝14をこの台板部11の左右両端部間(対向する長辺間)に架設状態に設け、この凹条溝14の両端部を夫々背凭れ側方取付部5とした構成とし、本実施例では、この背凭れ側方取付部5を台板部11の長辺の長さ方向となる前後方向の両側、言い換えると基台部10の手前側と奥側の二か所の対称位置に設けた構成としている。
【0035】
即ち、本実施例の基台部10は、左右両側の手前側及び奥側の夫々に背凭れ側方取付部5を設けた構成とし、三体の基台部10のいずれがソファ台座部1の端部に配置されてもソファ台座部1の左右両側端部に夫々背凭れ側方取付部5が設けられるように構成している。
【0036】
また、本実施例の基台部10(台板部11)は、上述した背凭れ取付部4とは別の、背凭れ部2を上方に突出状態に取付ける第二背凭れ取付部15を設けた構成としている。
【0037】
この第二背凭れ取付部15は、本発明の組立式ソファをテーブルと椅子とのテーブルセット形態にする際に使用するもので、具体的には、この第二背凭れ取付部15に背凭れ部2を上方に突出状態に取付けて、基台部10を背凭れ付きの一人掛け用の椅子形態に形成するものである。
【0038】
本実施例は、この椅子形態においてはソファ形態よりも座面奥行を浅くした構成とし、そのため、この第二背凭れ取付部15の位置を背凭れ取付部4よりも基台部10の長辺方向内側、具体的には、基台部10(台板部11)の長辺方向略中央部に設けた構成としている。
【0039】
より具体的には、第二背凭れ取付部15は、基台部10(台板部11)の長辺方向中央部の左右両端部(略台縁に近い位置)に夫々設けた構成とし、また、本実施例では、この基台部10を前後方向のいずれの側を正面としても良いように、この第二背凭れ取付部15を背合わせ状態に対で設けた構成としている。
【0040】
更に詳細に説明すると、本実施例の第二背凭れ取付部15は、背凭れ取付部4と同様、背凭れ部2が後傾状態に設けられるよう傾斜状態の縦孔に形成した構成とし、本実施例は、この第二背凭れ取付部15の傾斜状態を背凭れ部2の後傾角度が110°となるように設定した構成としている。
【0041】
また、本実施例の基台部10は、更に、上述した背凭れ取付部4及び第二背凭れ取付部15とは別の、背凭れ部2を上方に突出状態に取付ける第三背凭れ取付部23を設けた構成としている。
【0042】
この第三背凭れ取付部23は、ベッド形態において、フラットなベッド形態から背上げ姿勢状態のベッド形態とする際に使用するもので、具体的には、ベッド形態の一方の背凭れ側方取付部5に取り付けた背凭れ部2をこの第三背凭れ取付部23に付け替えることで、フラットなベッド形態を、足を伸ばし上体を起こした背上げ姿勢状態で使用できるベッド形態にすることができるように構成している。
【0043】
具体的には、第三背凭れ取付部23は、基台部10(台板部11)の短辺方向(左右方向)の中央部付近で且つこの基台部10の前後両端部(略短辺側の台縁に近い位置)に夫々設けた構成としている。本実施例では、この第三背凭れ取付部23を背凭れ取付部4や第二背凭れ取付部15と同様に傾斜状の縦孔に形成した構成とし、具体的には、この第三背凭れ取付部23の傾斜状態を背凭れ部2の後傾角度が115°となるように設定した構成としている。
【0044】
また、台板部11を支持する脚部12は、金属製パイプ部材を曲成して上方に開口するコ字状に形成し、左右夫々の縦杆部の先端部を台板部11の裏面に設けた脚部取付部16に挿脱自在に差込み係合して台板部11に対して着脱自在に設けた構成としている。
【0045】
また、本実施例では、この脚部12の左右夫々の縦杆部の先端部に操作紐17を連結すると共に、この操作紐17を、脚部取付部16に設けた貫通孔を通じて台板部11の裏面側から表面側に引き回し配設した構成として、脚部12を脚部取付部16に取り付ける際、台板部11の表側に配設した操作紐17を引っ張り操作すると、操作紐17を連結した脚部12の先端部(脚部取付部16に差し込み係合する縦杆部の先端部)がこの操作紐17にガイドされて使用者(組立て者)が位置決めしなくても脚部取付部16に導入され差し込み係合する構成としている。
【0046】
また更に、本実施例の基台部10は、台板部11の裏面に脚部収納部18を設け、上述した脚部12をこの脚部収納部18に収納自在に設けた構成としている。
【0047】
即ち、本実施例の基台部10は、収納時、脚部12が台板部11に収納され、突出部のない扁平状の収納形態となり、基台部10同士を重ね合わせ収納自在な構成としている。
【0048】
また、本実施例の基台部10は、クッション部材3をこの基台部10上の所定位置に定着状態で敷設するためのクッション部材定着手段を着脱自在に設けた構成とし、具体的には、基台部10とクッション部材3とに面ファスナ24(いずれか一方に雄側面ファスナ、他方に雌側面ファスナ)を設け、この面ファスナ24の雌雄係合により位置ズレすることなく基台部10にクッション部材3を定着状態で敷設することができるように構成している。
【0049】
また更に、本実施例の基台部10は、隣り合う基台部10同士を連結する連結部材19を設けた構成として、各基台部10を並設状態に連設してソファ台座部1を形成する際、各基台部10同士をこの連結部材19を介して分離不能または位置ずれし難い状態にして連結して、ソファ台座部1の形状を保持するように構成している。
【0050】
具体的には、連結部材19は、棒状(円柱状または円筒状)に形成し、一端部が一方の基台部10に着脱自在に連結し、他端部が他方の基台部10に着脱自在に連結する構成としている。
【0051】
より具体的には、本実施例の連結部材19は、両端部を基台部10に抜け止め自在に差込み係合する構成とし、詳細には、本実施例は、連結部材19の両端部に突起状に形成した抜け止め係止部20を設け、基台部10の連結部材取付部22にこの突起状に形成した抜け止め係止部20と凹凸係合し得る凹部に形成した係止受部21を設け、この連結部材19に設けた抜け止め係止部20を連結部材取付部22に差し込んだ後、この連結部材19を回動操作して抜け止め係止部20を係止受部21に係合させることで、この突起状の抜け止め係止部20が凹部に形成した係止受部21に抜け止め係合して、この連結部材19が基台部10(ソファ台座部1)に抜け止め状態に設けられる構成としている。尚、本実施例では、この連結部材取付部22を、背凭れ側方取付部5と共通化(兼用)した構成とし、この背凭れ側方取付部5である基台部10上に形成した凹条溝14の端部に側方から連結部材19を抜け止め自在に差し込み係合する構成としている。
【0052】
また、本実施例では、この連結部材19を上述した操作紐17と連結した構成として、操作紐17を引っ張り操作する際の操作ハンドルとしても使用できるように構成している。
【0053】
また、背凭れ部2は、平面視長方形に形成した板状若しくはシート状の背凭れ面部8と、この背凭れ面部8を支持する背凭れ支柱部13とから成り、具体的には、背凭れ面部8の左右方向(長手方向)両端部に背凭れ支柱部13を着脱自在に設けて、この二本の背凭れ支柱部13間に横長シート状の背凭れ面部8が架設状態に設けられて形成される構成としている。
【0054】
より具体的には、背凭れ面部8は、短辺(高さ方向)の寸法を基台部10の短辺の寸法の1/2に設定した横長の長方形に形成した布製シートに板状芯材26を設けた構成とすると共に、この板状芯材26が設けられない左右両端部を折り返し自在な背凭れ幅寸法調整部27とした構成とし、この背凭れ幅寸法調整部27の折り返し量を調整することにより、背凭れ面部8の左右方向の長さを自在に調整し得る構成としている。尚、図中符号28は、この背凭れ幅寸法調整部27の折り返し状態を保持するための面ファスナである。
【0055】
また、本実施例の背凭れ部2は、基台部10同様、クッション部材3を所定位置に定着状態で配設するためのクッション部材定着手段を設けた構成とし、具体的には、背凭れ面部8表面側に基台部10と同様の面ファスナ24を設け、この面ファスナ24とクッション部材3に設けた面ファスナとの雌雄係合により位置ズレしたり倒れたりすることなく定着状態で配設することができるように構成している。
【0056】
また、クッション部材3は、平面視長方形状に形成した構成とし、具体的には、基台部10と平面視形状を略同形状且つ略同寸法とした構成としている(即ち、このクッション部材3も基台部10同様、長辺75cm、短辺50cmに設定した構成としている)。
【0057】
また、上述したように、基台部10及び背凭れ部2に設けた面ファスナ24と雌雄係合する面ファスナ24を裏面側に設けた構成とし、この面ファスナ24を介して基台部10及び背凭れ部2に位置ズレすることなく定着状態で敷設または配設されるように構成している。
【0058】
また、本実施例は、上述した基台部10、背凭れ部2、クッション部材3をコンパクトな収納形態にして持ち運び自在な構成としている。
【0059】
具体的には、本実施例の基台部10は、脚部12を台板部11の脚部収納部18内に収納配設することによって台板部11のみの大きさになり、また、この台板部11はクッション部材3と略同形状に形成されているので、基台部10(台板部11)とクッション部材3とを重ね合わせて収納することができ、また、背凭れ部2も背凭れ面部8と背凭れ支柱部13とを分離自在に設けた構成としたので、図示するように、これら全てのパーツを重ね合わせることで持ち運びし易いコンパクトな収納形態にすることができる構成としている。
【0060】
次に、本実施例の組立式ソファをソファ形態に組立てる組立方法(組立て手順)、及びこのソファ形態からベッド形態またはテーブルセット形態へ形態を変換する方法(手順)について説明する。
【0061】
本実施例の組立式ソファをソファ形態に組み立てる場合は、先ず、基台部10を組み立てる。
【0062】
具体的には、台板部11の裏面に設けた脚部収納部18より脚部12を離脱させ、連結部材19を操作ハンドルとして上方に引き上げて操作紐17を引っ張り上げ、この操作紐17の引張り操作により脚部12の先端部を脚部取付部16に差込み係合させ、台板部11に脚部12を組み付けて基台部10を形成する。
【0063】
次に、この組み立てた三体の基台部10を長辺同士が突き合わさる向き(縦向き)にして並設し、隣り合う基台部10同士を連結部材19で連結してソファ台座部1を形成する。尚、本実施例では、基台部10一体の寸法を長辺75cm、短辺50cmに設定したので、ソファ台座部1は、長辺(左右方向の長さ)150cm、短辺(奥行)75cmの平面視横長の長方形に形成される。
【0064】
次に、このソファ台座部1に背凭れ部2を取り付けてソファ基台9を形成する。
【0065】
具体的には、先ず、背凭れ部2の後傾角度を105°、115°のいずれにするかを決め、その決定した後傾角度に対応する背凭れ取付部4(第一背凭れ取付部4Aまたは第二背凭れ取付部4B)が奥側に配置するようソファ台座部1の前後の向きを合わせる。例えば、背凭れ部2の後傾角度を105°とする場合は、基台部10に設けた第一背凭れ取付部4Aがソファ台座部1の奥側に位置するようにソファ台座部1の向きを合わせ、一つ目の背凭れ部2の背凭れ支柱部13をソファ台座部1の左側の基台部10の左側に位置する第一背凭れ取付部4Aと中央の基台部10の左側に位置する第一背凭れ取付部4Aとに差し込んで、この一つ目の背凭れ部2をソファ台座部1上に上方に向かって突出状態に設け、二つ目の背凭れ部2の背凭れ支柱部13をソファ台座部1の右側の基台部10の右側に位置する第一背凭れ取付部4Aと中央の基台部10の右側に位置する第一背凭れ取付部4Aとに差し込んで、この二つ目の背凭れ部2をソファ台座部1上に上方に向かって突出状態に設けて、二体の背凭れ部2をソファ台座部1上に左右方向に並設状態に取付けてソファ基台9を形成する。
【0066】
最後に、このソファ基台9上にクッション部材3を、面ファスナ24を介して定着状態に敷設すると共に、背凭れ部2にもクッション部材3を、面ファスナ24を介して定着状態に配設する。
【0067】
具体的には、ソファ基台9の手前側(具体的には、背凭れ部2よりも手前側)に二枚のクッション部材3を短辺同士が突き合わさる横向きで連設状態に敷設して座部を形成すると共に、二体の背凭れ部2の夫々にクッション部材3を短辺同士が突き合わさる横向きで連設状態に立て掛け配設して組み立て完了となる。
【0068】
即ち、本実施例は、基台部10とクッション部材3との平面視形状を、略同形状且つ略同寸法の長辺と短辺との寸法比が3:2の長方形としたから、三体の基台部10を長辺同士が突き合わさる縦向きにして並設状態に連設して形成したソファ台座部1の左右方向の長さと、二枚のクッション部材3を横向きにして並設状態に連設した長さとが等しくなり、ソファ台座部1上にクッション部材3を敷設した際、クッション部材3が余ってソファ台座部1から飛び出したり、あるいは長さが足りなくなってクッション部材3が無い座部が形成されることなく、ソファ台座部1上の座部となる位置全体にきっちりとクッション部材3が敷設されることとなる。
【0069】
これにより、本実施例のソファ形態においては、座部の奥行がソファ台座部1の奥行の2/3の寸法、即ち、約50cmとなり、浅過ぎず深すぎずソファとして丁度良い奥行寸法となり、座り心地の良いソファとなる。
【0070】
また、このソファ形態からベッド形態に形態を変換する場合は、先ず、クッション部材3を取り外した後、背凭れ取付部4に取り付けた二体の背凭れ部2を夫々取り外し、この取り外した二体の背凭れ部2を、ソファ台座部1を形成する基台部10に設けた背凭れ側方取付部5に取り付けて、この背凭れ部2でソファ台座部1を左右方向に長さを延長してベッド基台6を形成する。
【0071】
具体的には、本実施例は、背凭れ取付部4と背凭れ側方取付部5とで背凭れ支柱部13を差し込む間隔が異なり、背凭れ取付部4のほうを背凭れ側方取付部5よりも背凭れ部2の横幅が長くなるようにしており、よって、背凭れ取付部4から背凭れ側方取付部5に背凭れ部2を付け替える際は、背凭れ部2の背凭れ面部8の左右両端部の折り返し量を調整して、背凭れ側方取付部5の取り付け状態に適した長さ(横幅寸法)に調整し(即ち背凭れ支柱部13の間隔を適宜な間隔に調整し)、この長さ調整を施した背凭れ部2を背凭れ側方取付部5に取り付けてベッド基台6を形成する。
【0072】
そして、このベッド基台6上に取り外した四枚のクッション部材3を、このクッション部材3の長辺同士が突き合わさる向きで連設状態に敷設することで、ベッド形態への形態の変換作業が終了する。
【0073】
即ち、本実施例は、背凭れ部2の背凭れ面部8の短辺の寸法を、基台部10(クッション部材3)の短辺の寸法の1/2に設定し、背凭れ部2をソファ台座部1に取り付けた際、この背凭れ面部8の長辺がソファ台座部1の台縁に突き合わさる(当接または近接)状態で取り付けられ、丁度この背凭れ面部8の短辺長さ分突出状態に取付けられることとなり、この背凭れ部2をソファ台座部1の左右両側に取り付けることで丁度、基台部10の短辺寸法分(クッション部材3の短辺寸法分)の長さが延長され、ベッド基台6は基台部10四体分の長さとなり、よって、この基台部10と略同形状、同寸法のクッション部材3を四枚、このベッド基台6上にクッション部材3が余ってソファ台座部1から飛び出したり、あるいは長さが足りなくなってクッション部材3が無い部分が形成されることなく、ベッド基台6上全面にきっちりとクッション部材3が敷設されたベッド形態を形成することができる。
【0074】
また、本実施例のベッド形態においては、基台部10の寸法を長辺75cm、短辺50cmとしたから、ベッド基台6の寸法は、幅75cm、長さ200cmとなり、ベッドとして十分な広さを確保した実用的なベッド形態を形成することができる。
【0075】
また、このベッド形態において、左右いずれか一方の背凭れ部2を背凭れ側方取付部5から取り外し、背凭れ面部8の長さを調整して背凭れ支柱部13を第三背凭れ取付部23に差し込み係合することで、フラット状態のベッド形態から一側が起き上がった背上げ姿勢状態のベッド形態にすることができる。
【0076】
また、ソファ形態からテーブルセット形態に形態を変換する場合は、先ず、背凭れ部2を背凭れ取付部4から取り外した後、ソファ台座部1を形成している連結状態の三体の基台部10を連結解除して分離状態にする。
【0077】
次に、この分離した三体の基台部10の内の二体の基台部10を椅子形態にする。具体的には、背凭れ取付部4から取り外した背凭れ部2を基台部10の第二背凭れ取付部15に取り付け、この背凭れ部2を基台部10の長辺方向略中央部にやや後傾状態で上方に突出状態に設けて椅子基台25を形成し、この椅子基台25上にクッション部材3を、この椅子基台25を形成する基台部10と同じ向きにして敷設すると共に、背凭れ部2にクッション部材3を配設して一人掛け用の椅子形態を形成する。尚、本実施例は、背凭れ部2にクッション部材3を配設する際、クッション部材3を長辺方向に二つ折りにし、この二つ折りにしたクッション部材3を背凭れ部2の上方から被せるようにして設けることで、より外観を一般的な椅子に近い形態としている。
【0078】
このようにして、二体の基台部10を椅子形態にし、残り一体の基台部10をテーブルとしいて使用することで本実施例の組立式ソファをテーブルセットとして使用することができる。尚、本実施例では、基台部10をそのままテーブルとして使用する構成としたが、例えば、基台部10上に天板を設けてテーブルを形成する構成としても良い。
【0079】
このように、本実施例は、ソファ形態、ベッド形態、およびテーブルセット形態の三形態に形態を変換することができ、しかも、ソファ形態では、座部の左右の幅(長さ)も奥行もベッド形態に比べて短く(狭く)、ソファとして丁度良い大きさ(形状)とすることができ、ベッド形態に形態を変換した際は、長さ方向、幅方向共にソファ形態よりも寸法が広がり十分な大きさのベッド面を有するベッド形態となり、極めて使い勝手の良い実用性に優れた組立式ソファとなる。
【0080】
また、本実施例は、形態変換の際は、背凭れ部2の取付け位置を変更してクッション部材3を敷き直す、または付け直すだけの極めて簡易な操作で容易に実現でき、また、背凭れ部2も連結部材19も差し込み係合する構成としたから、組み付け作業にドライバー等の工具を必要とせず、誰もが容易に組み立て、形態変換作業を行うことができる実用性に優れた画期的な組立式ソファとなる。
【0081】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。