(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の多重グレーティング要素及び前記第2の多重グレーティング要素は、一の所定パターンにテッセレーション化され、前記所定パターンは、周期パターン、非周期パターン、自己相似パターン及びランダム分布パターンの少なくとも一つである、請求項1に記載の装置。
前記第1の多重グレーティング要素及び前記第2の多重グレーティング要素の少なくとも一方が、正方形、三角形及び菱形の少なくとも一つを含む形状を有する、請求項1に記載の装置。
前記第1の多重グレーティング要素の複数の要素が第1の幾何形状を有し、かつ、前記第2の多重グレーティング要素の複数の要素が第2の幾何形状を有する、請求項1に記載の装置。
前記少なくとも一つの層にある前記第1の多重グレーティング要素及び前記第2の多重グレーティング要素の少なくとも一方が、少なくとも2つの波長に最適化される、請求項1に記載の装置。
前記第1の多重グレーティング要素及び前記第2の多重グレーティング要素の少なくとも一方が、少なくとも2つの異なる波長に最適化された多重化処方を有する、請求項1に記載の装置。
請求項1に記載の装置を含むデバイスであって、前記第1の画像変調光及び前記第2の画像変調光が左眼及び右眼の視点ビューを与える立体視ディスプレイの一部であるデバイス。
【図面の簡単な説明】
【0017】
当業者であれば、図面が主に例示目的であって、ここに記載される発明主題の範囲を制限する目的でないことがわかる。図面は、必ずしも縮尺どおりではない。いくつかの例において、ここに開示される発明主題の様々な側面が、異なる特徴の理解を容易にするべく当該図面において誇張又は拡大されて示され得る。図面において、同じ参照記号は一般に、同じ特徴(例えば、機能的に類似及び/又は構造的に類似の要素)を参照する。
【0018】
【
図1】
図1は、積層グレーティングを使用したカラー導波路ディスプレイアーキテクチャの概略図である。各グレーティングの処方は、導波路光が回折されて固有の視野角タイルになることに対応する。
【
図2】
図2は、各グレーティングが与えるFOVを示す積層グレーティングを使用する一実施例における導波路ディスプレイの概略断面図である。
【
図3A】
図3Aは、テッセレーションパターンの詳細を示す一実施例におけるテッセレーション化された導波路ディスプレイの概略断面図である。
【
図3B】
図3Bは、グレーティング要素が均一に散在するテッセレーションパターンの詳細を示す一実施例におけるテッセレーション化された導波路ディスプレイの概略断面図である。
【
図3C】
図3Cは、グレーティング要素がランダムに散在するテッセレーションパターンの詳細を示す一実施例におけるテッセレーション化された導波路ディスプレイの概略断面図である。
【
図4】
図4は、一実施例におけるテッセレーション化された導波路ディスプレイの機能要素の概略正面図である。
【
図5】
図5は、一実施例における一動作状態にあるテッセレーション化された導波路ディスプレイの概略正面図である。
【
図6】
図6は、一実施例における入力画像ノードの詳細を示すテッセレーション化された導波路ディスプレイの概略正面図である。
【
図7】
図7は、一実施例における入力画像ノードの動作を例示する。
【
図8】
図8Aは、一実施例における異なるサイズ及びアスペクト比の矩形要素を含むテッセレーションパターンである。
図8Bは、一実施例におけるペンローズタイルを含むテッセレーションパターンである。
図8Cは、一実施例における六角形を含むテッセレーションパターンである。
図8Dは、一実施例における正方形を含むテッセレーションパターンである。
【
図9】
図9Aは、一実施例における菱形要素を含むテッセレーションパターンである。
図9Bは、一実施例における二等辺三角形を含むテッセレーションパターンである。
【
図10】
図10Aは、一実施例における水平方向に偏向されたアスペクト比の六角形を含むテッセレーションパターンである。
図10Bは、一実施例における水平方向に偏向されたアスペクト比の矩形を含むテッセレーションパターンである。
図10Cは、一実施例における水平方向に偏向されたアスペクト比の菱形要素を含むテッセレーションパターンである。
図10Dは、一実施例における水平方向に偏向されたアスペクト比の三角形を含むテッセレーションパターンである。
【
図11】
図11は、一実施例における2つのグレーティング層を包含するテッセレーション化された導波路の概略断面図である。
【
図12】
図12Aは、一実施例における4つの異なるグレーティング要素タイプを含むテッセレーションパターンの一例を、眼の瞳を重ねて示す。
図12Bは、一実施例における一つのグレーティング要素タイプを含むテッセレーションパターンの一例を、眼の瞳を重ねて示す。
図12Cは、一実施例における2つの異なるグレーティング要素タイプを含むテッセレーションパターンの一例を、眼の瞳を重ねて示す。
図12Dは、一実施例における3つの異なるグレーティング要素タイプを含むテッセレーションパターンの一例を、眼の瞳を重ねて示す。
【
図13】
図13は、一実施例における一つの特定のグレーティング要素タイプのためのテッセレーションパターンの一例を、眼の瞳を重ねて示す。
【
図14】
図14は、一実施例における、
図13のテッセレーションパターンに対するMTF(Modulation Transfer Function(変調伝達関数))対角度周波数を示すチャートである。
【
図15】
図15は、一実施例における、水平方向に偏向されたアスペクト比を有しかつ5つの異なるタイプの要素を含む矩形要素を使用したテッセレーションパターンの一例を示す。
【
図16】
図16Aは、一実施例における第1視野角に対応する第1タイプのテッセレーション要素の射出瞳への投影を、眼の瞳を重ねて例示する。
図16Bは、一実施例における第2視野角に対応する第2タイプのテッセレーション要素の射出瞳への投影を、眼の瞳を重ねて例示する。
図16Cは、一実施例における第3視野角に対応する第3タイプのテッセレーション要素の射出瞳への投影を、眼の瞳を重ねて例示する。
図16Dは、一実施例における
図16Aのテッセレーション要素に対応する視野角タイルを示す。
図16Eは、
図16Bのテッセレーション要素に対応する視野角タイルを示す。
図16Fは、一実施例における
図16Cのテッセレーション要素に対応する視野角タイルを示す。
【
図17】
図17は、一実施例における
図18に例示された視野角タイル張りパターンを与えるべく使用される、番号1〜7により標識された領域内のテッセレーション要素タイプの分布を示す。
【
図18】
図18は、4つの水平方向タイル及び3つの垂直方向タイルを含む視野角タイル張りパターンを示す。
【
図19】
図19Aは、一実施例における、
図17〜18に例示された実施例の2層導波路の一つの層における領域1及び7からの一タイプの要素を含むテッセレーションパターンを示す。
図19Bは、一実施例における、
図19Aの導波路の両層からの重畳テッセレーションパターンを示す。
【
図20】
図20Aは、一実施例における、
図17〜18に例示された実施例の2層導波路の一つの層における領域2及び6からの一タイプの要素を含むテッセレーションパターンを示す。
図20Bは、一実施例における、
図20Aの導波路の両層からの重畳テッセレーションパターンを示す。
【
図21】
図21Aは、一実施例における、
図17〜18に例示された本発明の実施例での2層導波路の一つの層における領域3及び5からの一タイプの要素を含むテッセレーションパターンを示す。
図21Bは、一実施例における、
図21Aの導波路の両層からの重畳テッセレーションパターンを示す。
【
図22】
図22Aは、
図17〜18に例示された本発明の実施例での2層導波路の一つの層における領域4からの一タイプの要素を含むテッセレーションパターンを示す。
図22Bは、一実施例における、
図22Aの導波路の両層からの重畳テッセレーションパターンを示す。
【
図23】
図23は、一実施例における、
図19A〜22Bのタイル張りパターンの重畳から得られる複合テッセレーションパターンを例示する。
【
図24】
図24は、一実施例における、一タイプのみのグレーティング要素のための2層導波路にあるテッセレーションパターンの一例を示す。
【
図25】
図25は、一実施例における、2層導波路の第1層にある複合テッセレーションパターンを示す。
【
図26】
図26は、一実施例における、2層導波路の第2層にある複合テッセレーションパターンを示す。
【
図27】
図27Aは、一実施例における入力画像ノードの画像出力部分を示す概略断面図である。
図27Bは、一実施例における入力画像ノードの画像入力部分を示す概略断面図である。
【
図28】
図28Aは、一実施例における、入力画像ノード、及び当該入力画像ノードの、垂直方向ビーム拡張器を介したデジレンズ(DigiLens(登録商標))導波路との結合を示す断面図である。
図28Bは、一実施例における
図28Aの実施例の光線トレースを示す。
【
図29】
図29は、一実施例におけるデジレンズ導波路及び垂直方向ビーム拡張器の平面図である。
【
図30】
図30Aは、一実施例における導波路252を、結合グレーティングによりTIR経路内に向けられた入力光線とともに示す。
図30Bは、入力結合光学機器を有する一実施例における導波路を示す。当該入力結合光学機器は、互いに隣接して配置された第1及び第2のグレーティングと、当該導波路及び第1のグレーティングによって挟まれた半波長フィルムと、当該導波路及び第2のグレーティングによって挟まれた偏光ビームスプリッタ(PBS)フィルムとを含む。
【
図31】
図31は、一実施例における、本発明において使用される導波路の一部の概略断面図である。光が当該導波路から対向方向に抽出される。
【
図32】
図32は、一実施例における、照度均一性を改善するべくビームスプリッタ層を組み入れた、本発明において使用される導波路の一部の概略断面図である。
【
図33】
図33は、一実施例における、両面アドレス指定を使用して電極層での配線トラック数を低減する方法を例示する。
【
図34】
図34は、一実施例における、テッセレーション化された導波路にある電極配線トラックを交互配置する一つのスキームを例示する。
【
図35】
図35は、一実施例における、テッセレーション化された導波路にある電極配線トラックを交互配置するもう一つのスキームを例示する。
【
図36】
図36は、一実施例における、テッセレーション化された導波路にある電極配線トラックを交互配置するさらなるスキームを例示する。
【
図37】
図37Aは、一実施例における本発明の湾曲バイザー実装の概略平面図を示す。
図37Bは、一実施例における本発明の湾曲バイザー実装の概略側面図を示す。
【
図38】
図38は、一実施例における本発明の湾曲バイザー実装の断面を示す。デジレンズが、光学的に隔離された導波路の積層を含む。
【
図39】
図39は、一実施例における本発明の湾曲バイザー実装の断面を示す。デジレンズが、単数の導波路構造を形成するグレーティング層の積層を含む。
【
図40】
図40Aは、一実施例における本発明の湾曲バイザー実装の断面図を示す。デジレンズが切り子要素を含む。
図40Bは、一実施例における
図40Aの2つの切り子要素間の光学的界面を示す。
図40Cは、一実施例における
図40Aの2つの切り子要素間の光学的界面を詳細に例示する。
【
図41】
図41は、一実施例における本発明の湾曲バイザー実装の断面を示す。デジレンズが、湾曲光導波路に埋め込まれた切り子要素を含む。
【
図42】
図42Aは、一実施例における、本発明の一実施例のマイクロテッセレーション化されたパターンに対する回折効率の角度ごとの変動を示すチャートである。
図42Bは、一実施例における
図42Aのチャートに対応するマイクロテッセレーション分布を示す。
【
図43】
図43Aは、一実施例におけるアパチャ充填率50%の規則的なマイクロテッセレーションパターンに対するMTF(Modulation Transfer Function(変調伝達関数))プロットを示すチャートである。
図43Bは、一実施例における
図43Aのマイクロテッセレーションパターンによって生成されるアパチャ充填率50%の効果を示す概略的例示である。
【
図44】
図44Aは、一実施例におけるアパチャ充填率25%の規則的なマイクロテッセレーションパターンに対するMTFプロットを示すチャートである。
図44Bは、一実施例における
図43Aのマイクロテッセレーションパターンによって生成されるアパチャ充填率25%の効果を示す概略的例示である。
【
図45】
図45Aは、一実施例におけるアパチャ充填率50%の規則的なマイクロテッセレーションパターンに対するMTFプロットを示すチャートである。
図45Bは、一実施例における
図45Aの場合に対するフットプリント図である。
【
図46】
図46Aは、一実施例における50ミクロンのマイクロテッセレーションに対するアパチャ充填率75%の効果を示すフットプリント図である。
図46Bは、一実施例における50ミクロンのマイクロテッセレーションに対するアパチャ充填率75%の効果を例示するMTFプロットを示すチャートである。
【
図47】
図47Aは、一実施例における50ミクロンのマイクロテッセレーションに対するアパチャ充填率50%の効果を示すフットプリント図である。
図47Bは、一実施例における50ミクロンのマイクロテッセレーションに対するアパチャ充填率50%の効果を例示するMTFプロットを示すチャートである。
【
図48】
図48Aは、一実施例における50ミクロンのマイクロテッセレーションに対するアパチャ充填率25%の効果を示すフットプリント図である。
図48Bは、一実施例における50ミクロンのマイクロテッセレーションに対するアパチャ充填率25%の効果を例示するMTFプロットを示すチャートである。
【
図49】
図49Aは、一実施例における125ミクロンのマイクロテッセレーションに対するアパチャ充填率75%の効果を示すフットプリント図である。
図49Bは、一実施例における125ミクロンのマイクロテッセレーションに対するアパチャ充填率75%の効果を例示するMTFプロットを示すチャートである。
【
図50】
図50Aは、一実施例における125ミクロンのマイクロテッセレーションに対するアパチャ充填率50%の効果を示すフットプリント図である。
図50Bは、一実施例における125ミクロンのマイクロテッセレーションに対するアパチャ充填率50%の効果を例示するMTFプロットを示すチャートである。
【
図51】
図51Aは、一実施例における125ミクロンのマイクロテッセレーションに対するアパチャ充填率25%の効果を示すフットプリント図である。
図51Bは、一実施例における125ミクロンのマイクロテッセレーションに対するアパチャ充填率25%の効果を例示するMTFプロットを示すチャートである。
【
図52】
図52Aは、一実施例における250ミクロンのマイクロテッセレーションに対するアパチャ充填率75%の効果を示すフットプリント図である。
図52Bは、一実施例における250ミクロンのマイクロテッセレーションに対するアパチャ充填率75%の効果を例示するMTFプロットを示すチャートである。
【
図53】
図53Aは、一実施例における250ミクロンのマイクロテッセレーションに対するアパチャ充填率50%の効果を示すフットプリント図である。
図53Bは、一実施例における250ミクロンのマイクロテッセレーションに対するアパチャ充填率50%の効果を例示するMTFプロットを示すチャートである。
【
図54】
図54Aは、一実施例における250ミクロンのマイクロテッセレーションに対するアパチャ充填率25%の効果を示すフットプリント図である。
図54Bは、一実施例における250ミクロンのマイクロテッセレーションに対するアパチャ充填率25%の効果を例示するMTFプロットを示すチャートである。
【
図55】
図55Aは、一実施例における、眼の瞳の直径3mmに対し、125ミクロンのマイクロテッセレーションに対するアパチャ充填率50%での1mmのテッセレーションの効果を示すフットプリント図である。
図55Bは、一実施例における、眼の瞳の直径3mmに対し、125ミクロンのマイクロテッセレーションに対するアパチャ充填率50%での1mmのテッセレーションの効果を例示するMTFプロットを示すチャートである。
【
図56】
図56Aは、一実施例における、眼の瞳の直径3mmに対し、125ミクロンのマイクロテッセレーションに対するアパチャ充填率50%での1.5mmのテッセレーションの効果を示すフットプリント図である。
図56Bは、一実施例における、眼の瞳の直径3mmに対し、125ミクロンのマイクロテッセレーションに対するアパチャ充填率50%での1.5mmのテッセレーションの効果を例示するMTFプロットを示すチャートである。
【
図57】
図57Aは、一実施例における、眼の瞳の直径3mmに対し、125ミクロンのマイクロテッセレーションに対するアパチャ充填率50%での3mmのテッセレーションの効果を示すフットプリント図である。
図57Bは、一実施例における、眼の瞳の直径3mmに対し、125ミクロンのマイクロテッセレーションに対するアパチャ充填率50%での3mmのテッセレーションの効果を例示するMTFプロットを示すチャートである。
【
図58】
図58Aは、一実施例におけるユーザ定義アパチャのMTFを示すチャートである。
図58Bは、一実施例におけるビットマップアパチャ関数のMTFを示すチャートである。
【
図59】
図59Aは、一実施例における本発明の一実施例のビットマップアパチャ関数である。
図59Bは、一実施例における、
図59Aの実施例に対する回折効率対角度を示すチャートである。
【
図60】
図60は、一実施例における、可変透過率及び眼の瞳3mmでランダムに位置決めされた125μmマイクロテッセレーションを使用した1.0mmのテッセレーションの効果を示すMTFプロットである。
【
図61】
図61は、一実施例におけるビットマップアパチャ関数である。
【
図62】
図62は、一実施例における、可変透過率及び眼の瞳3mmでランダムに位置決めされた125μmマイクロテッセレーションを使用した1.5mmのテッセレーションの効果を示すMTFプロットである。
【
図63】
図63は、一実施例における第1実装テッセレーションパターンの第1の照度均一性分析である。
【
図64】
図64は、一実施例における第1実装テッセレーションパターンの第2の照度均一性分析である。
【
図65】
図65は、一実施例における第1実装テッセレーションパターンの第3の照度均一性分析である。
【
図66】
図66は、一実施例における第1実装テッセレーションパターンの第4の照度均一性分析である。
【
図67】
図67は、一実施例における第1実装テッセレーションパターンの第5の照度均一性分析である。
【
図68】
図68は、一実施例における第1実装テッセレーションパターンの第6の照度均一性分析である。
【
図69】
図69は、一実施例における第1実装テッセレーションパターンの第7の照度均一性分析である。
【
図70】
図70は、一実施例における第1実装テッセレーションパターンの第8の照度均一性分析である。
【
図71】
図71は、一実施例における第1実装テッセレーションパターンの第9の照度均一性分析である。
【
図72】
図72は、一実施例における第1実装テッセレーションパターンの第10の照度均一性分析である。
【
図73】
図73は、一実施例における第1実装テッセレーションパターンの第11の照度均一性分析である。
【
図74】
図74は、一実施例における第1実装テッセレーションパターンの第12の照度均一性分析である。
【
図75】
図75は、一実施例における、一実施例の第1実装テッセレーションパターンの第13の照度均一性分析である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のディスプレイに関連する様々な概念及び実施例の詳細な説明を以下に述べる。なお、上述で導入された及び以下で詳細に述べられる様々な概念は、任意の多数の方法で実装することができるが、述べられた概念は任意の特定の実装態様に限られない。主に例示目的として、特定の実装及び適用が与えられる。
【0021】
一実施例において与えられるのは、画像を表示する装置であって、少なくとも第1及び第2の画像変調光を与えるべく構成された入力画像ノードと、第1及び第2の画像変調光の少なくとも一つを少なくとも第1の方向に伝播するべく構成されたホログラフィック導波路デバイスとを含む装置である。ホログラフィック導波路デバイスは、少なくとも一つの層に配置された少なくとも第1及び第2の散在多重グレーティング要素を含み、第1及び第2のグレーティング要素はそれぞれ第1及び第2の処方を有する。第1及び第2の画像変調光はそれぞれ、第1の視野角(FOV)及び第2のFOV画像情報によって変調される。第1の多重グレーティング要素は、当該少なくとも一つの層からの第1の画像変調光を第1の多重出力光線に偏向して第1のFOVタイルを形成するべく構成され、第2の多重グレーティング要素は、当該層からの第2の画像変調光を第2の多重出力光線に偏向して第2のFOVタイルを形成するべく構成される。
【0022】
もう一つの実施例において与えられるのは、画像を表示する装置であって、少なくとも第1及び第2の画像変調光を与えるべく構成された入力画像ノードと、第1及び第2の画像変調光の少なくとも一つを少なくとも第1の方向に伝播するべく構成されたホログラフィック導波路デバイスとを含む装置である。ホログラフィック導波路デバイスは、少なくとも一つの層に配置された少なくとも第1及び第2の散在多重グレーティング要素である。第1及び第2のグレーティング要素はそれぞれ第1及び第2の処方を有する。第1及び第2の画像変調光はそれぞれ、第1の視野角(FOV)及び第2のFOV画像情報によって変調される。第1の多重グレーティング要素は、当該少なくとも一つの層からの第1の画像変調光を第1の多重出力光線に偏向して第1のFOVタイルを形成するべく構成され、第2の多重グレーティング要素は、当該層からの第2の画像変調光を第2の多重出力光線に偏向して第2のFOVタイルを形成するべく構成される。第1及び第2の多重グレーティング要素は、受動モード又は切り換えモードにあるSBGを含む。
【0023】
もう一つの実施例において与えられるのは、画像を表示する装置であって、少なくとも第1及び第2の画像変調光を与えるべく構成された入力画像ノードと、ビーム拡張器と、第1及び第2の画像変調光の少なくとも一つを少なくとも第1の方向に伝播するべく構成されたホログラフィック導波路デバイスとを含む装置である。ホログラフィック導波路デバイスは、少なくとも一つの層に配置された少なくとも第1及び第2の散在多重グレーティング要素を含む。第1及び第2のグレーティング要素はそれぞれ、第1及び第2の処方を有する。第1及び第2の画像変調光はそれぞれ、第1視野角(FOV)及び第2FOVの画像情報によって変調される。第1の多重グレーティング要素は、当該少なくとも一つの層からの第1の画像変調光を第1の多重出力光線に偏向して第1のFOVタイルを形成するべく構成され、第2の多重グレーティング要素は、当該層からの第2の画像変調光を第2の多重出力光線に偏向して第2のFOVタイルを形成するべく構成される。
【0024】
もう一つの実施例において与えられるのは、画像を表示する装置であって、少なくとも第1及び第2の画像変調光を与えるべく構成された入力画像ノードと、第1及び第2の画像変調光の当該少なくとも一つを少なくとも第1の方向に伝播するべく構成されたホログラフィック導波路デバイスとを含む装置である。ホログラフィック導波路デバイスは、少なくとも一つの層に配置された少なくとも第1及び第2の散在多重グレーティング要素を含む。第1及び第2のグレーティング要素はそれぞれ、第1及び第2の処方を有する。第1及び第2の画像変調光はそれぞれ、第1視野角(FOV)及び第2FOVの画像情報によって変調される。第1の多重グレーティング要素は、当該少なくとも一つの層からの第1の画像変調光を第1の多重出力光線に偏向して第1のFOVタイルを形成するべく構成され、第2の多重グレーティング要素は、当該層からの第2の画像変調光を第2の多重出力光線に偏向して第2のFOVタイルを形成するべく構成される。第1及び第2の多重グレーティング要素の少なくとも一つは所定のパターンでテッセレーション化される。
【0025】
一実施例において、第1及び第2の多重グレーティング要素の少なくとも一つは、切り換えモード又は受動モードにあるSBG(切り換え可能ブラッググレーティング)を含む。
【0026】
一実施例において、第1及び第2の多重グレーティング要素の少なくとも一つは電気的に切り換え可能である。
【0027】
一実施例において、第1及び第2の多重グレーティング要素の少なくとも一つは、所定の最小レベルと最大レベルとの間にある回折効率を有する非回折状態及び回折状態を有する。
【0028】
一実施例において、第1又は第2の多重グレーティング要素にあるすべての要素は切り換えられるべく構成される。
【0029】
一実施例において、第1及び第2の多重グレーティング要素の少なくとも一つは回折状態を有し、及び回折状態の場合にある。第1のグレーティング要素は、当該少なくとも一つの層からの第1の画像変調光を第1の多重出力光線に偏向して第1のFOVタイルを形成するべく構成される。第2のグレーティング要素は、当該層からの第2の画像変調光を第2の多重出力光線に偏向して第2のFOVタイルを形成するべく構成される。
【0030】
一実施例において、当該少なくとも一つの層は、パターン化された電極が適用される透明基板間に挟まれる。
【0031】
一実施例において、当該少なくとも一つの層は、パターン化された電極が適用される透明基板間に挟まれ、当該パターン化された電極の少なくとも一つは、第1の多重の第1のグレーティング要素と重なる第1の多重電極要素、及び第2の多重の第2のグレーティング要素と重なる第2の多重電極要素を含む。
【0032】
一実施例において、第1及び第2の多重グレーティング要素の少なくとも一つは、空間依存の回折効率を有する。
【0033】
一実施例において、第1及び第2の多重グレーティング要素の少なくとも一つは、導波路の長さに沿った距離とともに増加する回折効率を有する。
【0034】
一実施例において、当該少なくとも一つの層内において、グレーティング要素は、第1帯域内で、N1>N2の場合に整数N2の異なる処方の、N2>N3の場合にN3の異なる処方の、及びN3>N4の場合に整数N4の異なる処方の要素を包含する帯域が連続して左右に当接して散在された整数N1の異なる処方を有する。一実施例において、第1及び第2の多重グレーティング要素の少なくとも一つは、第1の帯域内で、9の異なる処方の、6の異なる処方の、及び1の処方の要素を包含する帯域が連続して左右に当接して散在された12の異なる処方を有する。
【0035】
一実施例において、各FOVタイルは、無限遠に画像を与えるべく構成される。
【0036】
一実施例において、各FOVタイルは、人間の眼の遠点に画像を与えるべく構成される。
【0037】
一実施例において、ホログラフィック導波路デバイスは、偏光回復のためのビームスプリッタ薄層、四分の一波長板及びグレーティングデバイスの少なくとも一つを含む。
【0038】
一実施例において、所与の処方の少なくとも一つのグレーティング要素からの画像変調光が、人間の眼の瞳の瞬時アパチャを境界とする射出瞳領域内に存在する。一実施例において、所与の処方の少なくとも3つのグレーティング要素からの画像変調光が存在する。
【0039】
一実施例において、FOVタイルはFOV空間内で当接して矩形FOVを形成する。
【0040】
一実施例において、FOVタイルはFOV空間内で当接して連続視野角を与える。
【0041】
一実施例において、FOVタイルの少なくとも2つが重なる。
【0042】
一実施例において、FOVタイルは当接して近似的に水平方向40度×垂直方向30度のFOVを与える。
【0043】
一実施例において、FOVタイルは当接して近似的に水平方向60度×垂直方向30度のFOVを与える。
【0044】
一実施例において、FOVタイルは当接して近似的に水平方向80度×垂直方向80度のFOVを与える。
【0045】
一実施例において、入力画像ノードはさらにスペックル除去器を含む。
【0046】
一実施例において、第1及び第2の多重グレーティング要素の少なくとも一つがHPDLC(Holographic Polymer Dispersed Liquid Crystal(ホログラフィック高分子分散型液晶))に記録される。
【0047】
一実施例において、第1及び第2の多重グレーティング要素の少なくとも一つが逆モードのSBG(切り換え可能ブラッググレーティング)である。
【0048】
一実施例において、ホログラフィック導波路デバイスは湾曲する。
【0049】
一実施例において、第1及び第2の多重グレーティング要素は種々の厚さを有する。
【0050】
一実施例において、ホログラフィック導波路デバイスは、エッジ同士が当接する切り子セクションを含む。
【0051】
一実施例において、ホログラフィック導波路デバイスは、エッジ同士が当接し、かつ、プラスチック連続湾曲体積に埋め込まれた切り子セクションを含む。
【0052】
一実施例において、ホログラフィック導波路デバイスはプラスチックを含む。
【0053】
一実施例において、ホログラフィック導波路デバイスは、射出瞳の第1の方向への拡張を与えるべく構成され、ビーム拡張器が、射出瞳の第2の方向への拡張を与えるべく構成される。
【0054】
一実施例において、ホログラフィック導波路デバイスは、射出瞳の第1の方向への拡張を与えるべく構成され、ビーム拡張器が、射出瞳の第1の方向と直交する第2の方向への拡張を与えるべく構成される。
【0055】
一実施例において、ビーム拡張器はさらに、入力画像ノードからの画像変調光のための入力ポートと、出力ポートと、光を第2の方向へ伝播させるべく構成された少なくとも一つの導波路層とを含む。当該少なくとも一つの導波路層は、第2の方向に沿った基板から変調光を抽出して出力ポートを通して第1の方向に向けるべく構成された少なくとも一つのグレーティング薄層を含む。
【0056】
一実施例において、ビーム拡張器はさらに、隣接した配置される少なくとも2つのグレーティング薄層を含む少なくとも一つの導波路層を含む。
【0057】
一実施例において、ビーム拡張器はさらに、少なくとも2つの重なったグレーティング薄層を含む少なくとも一つの導波路層を含む。
【0058】
一実施例において、ビーム拡張器は、偏光回復のためのビームスプリッタ薄層、四分の一波長板及びグレーティングデバイスの少なくとも一つを含む。
【0059】
一実施例において、第1及び第2の画像変調光は連続的に提示される。
【0060】
一実施例において、第1及び第2の変調画像光の少なくとも一つは、導波路デバイス内で内部全反射(TIR)を受ける。
【0061】
一実施例において、入力画像ノードは、マイクロディスプレイ、当該マイクロディスプレイを照明するべく構成された光源、当該マイクロディスプレイに画像データを書き込むプロセッサ、並びにコリメーションレンズ、リレーレンズ、ビームスプリッタ及び拡大レンズの少なくとも一つを含む。
【0062】
一実施例において、第1及び第2の多重グレーティング要素は、所定のパターンにテッセレーション化される。
【0063】
一実施例において、当該所定のパターンは、周期パターン、非周期パターン、自己相似パターン、非自己相似タイル張りパターン及びランダム分布パターンの少なくとも一つである。一実施例において、非周期パターンはペンローズタイル張りパターンである。もう一つの実施例において、自己相似パターンはペンローズタイル張りパターンである。
【0064】
一実施例において、第1又は第2の多重グレーティング要素におけるすべての要素は、同時に回折状態に切り換えられるべく構成される。
【0065】
一実施例において、第1及び第2の多重グレーティング要素の少なくとも一つは、少なくとも一つの対称軸を有する。
【0066】
一実施例において、第1及び第2の多重グレーティング要素の少なくとも一つは、正方形、三角形及び菱形の少なくとも一つを含む形状を有する。
【0067】
一実施例において、第1の多重グレーティング要素の複数の要素は第1の幾何形状を有し、第2の多重グレーティング要素の複数の要素は第2の幾何形状を有する。
【0068】
一実施例において、第1及び第2のグレーティング要素の少なくとも一つは、少なくとも2つの異なる幾何形状を有する。
【0069】
一実施例において、当該少なくとも一つの層にあるすべてのグレーティング要素は、一つの波長に対して最適化される。
【0070】
一実施例において、当該少なくとも一つの層にある第1及び第2のグレーティング要素の少なくとも一つは、少なくとも2つの波長に対して最適化される。
【0071】
一実施例において、第1及び第2のグレーティング要素の少なくとも一つは、少なくとも2つの異なる波長に対して最適化された多重化処方を有する。
【0072】
一実施例において、第1及び第2のグレーティング要素の少なくとも一つは、少なくとも2つの異なる回折効率角度帯域に対して最適化された多重化処方を有する。
【0073】
一実施例において、第1及び第2の画像変調光の少なくとも一つはコリメートされる。
【0074】
一実施例において、第1及び第2の画像変調光の少なくとも一つは偏光される。
【0075】
一実施例において、装置はさらに、少なくとも一波長の光を与えるレーザを含む照明源を含む。
【0076】
一実施例において、ホログラフィック導波路デバイスは、透明ディスプレイを与えるべく構成される。
【0077】
いくつかの実施例において与えられるのは、ここに記載される装置を含むデバイスである。デバイスは、反射型ディスプレイの一部である。デバイスは、第1及び第2の画像変調光が左眼及び右眼の視点ビューを与える立体視ディスプレイの一部である。デバイスは、実像形成ディスプレイの一部である。デバイスは、HMD、HUD及びHDDの少なくとも一つの一部である。デバイスは、コンタクトレンズの一部である。
【0078】
一実施例において、入力画像ノードは、マイクロディスプレイ、当該マイクロディスプレイを照明するべく構成された光源、当該マイクロディスプレイに画像データを書き込むプロセッサ、並びにコリメーションレンズ、リレーレンズ、ビームスプリッタ及び拡大レンズの少なくとも一つを含む。
【0079】
もう一つの実施例において与えられるのは、画像を表示する方法であって、(i)一の入力画像ノードと、M及びNを整数として(M×N)散在多重グレーティング要素を含む一のホログラフィック導波路デバイスとを含む一の装置を与えることと、(ii)整数1≦I≦N及び1≦J≦Mに対し視野角(FOV)タイル(I,J)に対応する画像変調光(I,J)入力画像ノードを生成することと、(iii)処方整合FOVタイル(I,J)の複数のグレーティング要素をこれらの回折状態に切り換えることと、(iv)処方整合FOVタイル(I,J)の複数のグレーティング要素を、画像変調光(I,J)によって照明することと、(v)画像変調光I,Jを回折してFOVタイルI,Jにすることとを含む方法である。
【0080】
一実施例において、方法はさらに、完全なFOVタイルが達成されるまで(ii)〜(v)を繰り返すことを含む。
【0081】
一実施例において、方法はさらに、入力画像をサンプリングして複数の角度インターバルにすることであって、当該複数の角度インターバルのそれぞれは、瞳全体のサイズの割合である一の有効射出瞳を有することを含む。
【0082】
一実施例において、方法はさらに、第1及び第2の光学基板の少なくとも一つの当該少なくとも一つのグレーティング薄層のグレーティング厚さ、屈折率変調、kベクトル、表面グレーティング周期及びホログラム・基板屈折率差の少なくとも一つを修正することによって画像の表示を改善することを含む。
【0083】
なお、上述の概念及び以下に詳細に記載される追加的な概念のすべての組み合わせは(かかる概念が互いに矛盾しない限り)、ここに記載される発明主題の一部として意図される。特に、本開示の最後に現れる請求に係る主題のすべての組み合わせは、ここに記載される発明主題の一部として意図される。なお、ここに明示的に使用される用語であって、参照として組み入れられる任意の開示に現れる用語も、ここに記載される特定の概念と最も一貫する意味が与えられるべきである。
【0084】
ここに与えられる少なくともいくつかの実施例は、米国特許第8,233,204号明細書に開示されるタイプの導波路HMDにおける多重の異なるグレーティング処方を使用して、大きなFOVをタイル張りする課題を克服する。一実施例において、グレーティング角度帯域の制約条件が、FOVタイルのサイズを約10°×10°までに制限する結果、垂直及び水平方向のFOVタイル数が増加するにつれて手に負えないほど大きなグレーティング積層がもたらされる。フルカラーを達成しようとすれば、層の数は3桁増加する。
【0085】
ここに記載される実施例の一つの重要な特徴は、異なる処方のグレーティングを積層する代わりに、これらを小さな要素に細切れにすることにある。当該小さな要素はその後、散在されて一以上の重なる層にあるテッセレーションパターンにされる。
【0086】
一実施例のテッセレーション化されたディスプレイは、入力画像ノード(IIN)と、第1のビーム拡張器導波路(通常は垂直方向)と、接眼部としても機能する第2のビーム拡張器導波路(通常は水平方向)とを含む。一実施例において、接眼部は、テッセレーション機能及びビーム拡張機能を組み合わせる。各導波路は、入力及び出力ブラッググレーティングを包含する。各導波路は、一を超えるグレーティング層を含む。カラーの実施例において、各原色に対して別個のモノクロ導波路が使用される。カラーを与えるもう一つのオプションは、異なるカラー処方を有するホログラムがスーパーインポーズされる多重化されたグレーティングを、一の導波路に記録することである。多重化はまた、異なる角度帯域のグレーティングを組み合わせるためにも使用される。
【0087】
多くの異なるテッセレーションスキームが可能である。これらは、周期(すなわち側方変位の下で不変である)、非周期、自己相似及びランダムなスキームを含む。パターンは、中心FOV近くにおける詳細を与えるべく設計される。ここに与えられる複数の実施例は、受動又は切り換え可能のテッセレーションソリューションを含み、かつ、受動要素及び切り換え可能要素を組み合わせたハイブリッドソリューションを含む。
【0088】
一実施例において、各テッセレーション要素から回折された光線は、射出瞳においてフットプリントを形成する。典型的に、かかるフットプリントは、瞬時の眼の瞳面積内に少なくとも2つ必要である。正確な数は、テッセレーションのサイズ及び形状のようなファクタに依存する。一実施例において、テッセレーションは、顕著な設計及び製造課題を提示する。小さな(数ミリメートルの)グレーティング要素は、解像度の損失及び照明のリップルをもたらす。これらは双方とも修正困難であることがわかっている。テッセレーション化されたホログラフィックアレイのホログラフィック記録及び電極パターン形成は現行プロセスによっては難しい。これらの課題は、受動グレーティング要素を使用することで克服できる。一実施例において、グレーティングを薄くすることにより、接平面における帯域が増加される一方、直交かつサジタル平面においては広帯域が達成される。テッセレーションは、上記設計及び製造課題が解決できれば、大きなFOVへの道筋を与えてくれる。カラーの80°×80°FOVが合理的な目標である。
【0089】
一実施例は、拡大された射出瞳(又はアイボックス)を与えるべく、別個の垂直及び水平方向のビーム拡張導波路を使用する。一実施例において、IINからのコリメートされた画像光が、FOVがマイクロディスプレイ及びコリメート光学機器により画定された第1のビーム拡張導波路に供給される。一実施例は、入力又は「結合」光学機器が、多くの異なる態様で構成されることを許容する。当該態様は、古典的な光学レンズ・鏡設計から、全面的に回折(ホログラフィック)光学機器に基づくコンパクト設計にまで及ぶ。一実施例は、(大きなFOVにとっては切り換え可能グレーティングの使用が好ましいが)完全に受動のグレーティングを使用して実装される。従来型の受動グレーティングでは動作しない。受動SBGを使用する一つの利点は、グレーティングの屈折率変調を、対応する広い範囲の回折効率で極低値から極高値までチューニングできることにある。SBGの高い屈折率変調は、ブラッグ縞を形成する高分子豊富領域とLC(Liquid Crystal(液晶))豊富領域が交互の帯域に起因する。代替的に、能動グレーティングも使用することができる。能動グレーティングは、対応する広い範囲の回折効率で極低値から極高値までチューニングすることができる。
【0090】
垂直及び水平方向ビーム拡張器は、損失が多い導波路に基づく。すなわち、導波路であって、その長さに沿って当該導波路から光を均一に抽出するべく設計された導波路である。出願日2013年3月15日の米国特許出願第13/844456号明細書に実証されるように、これは、グレーティングの厚さの変更(及び変調)によって達成することができる。一実施例において、その最も簡単な場合にこれは、ウェッジ付きグレーティングを(セル壁を傾斜させることによって)作ることを伴う。その結果、ホログラムの厚さは、伝播方向に増加する。一般に、グレーティングの厚さは、1.0〜1.2ミクロンから2.8〜3.0ミクロンまでばらつく。厚さが小さいと、最低効率(かつ最大角度帯域)になる。いくつかの実施例は、2つのウェッジ角を使用して厚さを直交方向に変更することによるか又はグレーティングの片面又は両面に曲率を適用することによる一般的な態様での、洗練された抽出制御を許容する。
【0091】
一実施例において、ビーム拡張グレーティングは極めて薄い(3ミクロンよりも十分に小さい)。その結果、極めて広い回折効率角度帯域が得られる。厚さ及び屈折率変調を最適化することにより、ディスプレイに必要な所望のグレーティング特性のすべてを満たすことができる。当該特性とは、例えば、グレーティングに結合するための極めて高い効率及び当該効率のための大きなダイナミックレンジ、ビーム拡張に必要な均一な抽出である。
【0092】
画像転送効率及びフォームファクタを向上させるべく、画像サンプリングを使用することができる。幅が広いFOV画像光を導波路に結合することは通常、導波路まで効率的に伝播され得る画像角度コンテンツが、限られた角度範囲に起因して、ある程度失われる結果となる。この光の一部は導波路から結合解除される。ここに記載される少なくともいくつかの実施例は、入力画像をサンプリングして多重角度インターバルにすることによってこの課題を克服する。多重角度インターバルのそれぞれは一の有効射出瞳を有する。有効射出瞳とは、瞳全体のサイズの割合であり、導波路の厚さもこれに対応して低減される。
【0093】
ここに与えられる実施例の一つの特徴は、各導波路の入力及び出力における固定周波数表面グレーティングを、回転されたkベクトルと組み合わせることにある。表面グレーティングは、ブラッグ縞と基板エッジとの交差であり、導波路の基本的な光線光学を(近似的に)説明する。kベクトルは、ブラッググレーティングに直交する方向であり、グレーティングの回折効率と角度特性との関係を説明する。kベクトル方向を導波路伝播方向に沿うように変更すること(kベクトル回転)により、第1に、画像光の導波路への効率的な結合を与えることが、第2に、ひとたび結合されると、所望の角度コンテンツすべてが高効率で導波路まで確実に送信されることが可能となる。kベクトル回転は、上述のように、グレーティング厚さ制御によって増大されるのが望ましい。
【0094】
一般に、角度コンテンツの導波路への伝播は、以下の一つ以上を精細にチューニングすることによって最適化することができる。すなわち、グレーティング厚さ、屈折率変調、kベクトル回転、表面グレーティング周期及びホログラム・基板屈折率差である。テッセレーションパターンは、導波路アイ追跡器を実装する赤外感知要素を含む。
【0096】
かなり大きな視野角を作る一つの方法は、これを解析して一組の小さな視野角(それぞれが導波路の光学的制限に適合する)にし、かつ、これらを、眼が統一広角ディスプレイとして認識する程度に迅速に(時間)連続的に表示することにある。これを行う一つの方法は、極めて迅速にオン及びオフに連続的に切り換えることができるホログラフィック要素を使用することによる。かかる切り換え可能ホログラフィック要素を与えるための一つの望ましいソリューションは、切り換え可能ブラッググレーティング(SBG)として知られるデバイスである。
【0097】
回折光学要素(DOE)の光学設計上の利点は、固有かつ効率的なフォームファクタ、並びに屈折力及び薄層への拡散のような複合的な光学機能をエンコードする能力を含む。高い回折効率を提供するブラッググレーティング(一般には体積位相グレーティング又はホログラムとも称する)が、ヘッドアップディスプレイのようなデバイスにおいて広く使用されている。重要なクラスのブラッググレーティングデバイスは、切り換え可能ブラッググレーティング(SBG)として知られている。SBGは、体積位相グレーティング又はホログラムを高分子分散型液晶(PDLC)混合物に記録することによって形成される回折デバイスである。典型的に、SBGデバイスは、まず、光重合可能な単量体と液晶材料との混合物からなる薄フィルムを平行なガラス板又は基板間に配置することによって製造される。一方又は双方のガラス基板が、PDLC層間に電界を適用するための、例えば透明なインジウムスズ酸化物フィルムを含む電極をサポートする。体積位相グレーティングがその後、干渉して所望のグレーティング構造を形成する2つの相互にコヒーレントなレーザビームを使用して液体材料を照明することによって記録される。記録プロセス中、単量体が重合し、かつ、HPDLC混合物が相分離を受ける。これにより、液晶の微細液滴が密集した領域が作られ、透明な高分子の領域が散在される。液晶豊富と液晶枯渇の交互領域が、グレーティングの縞平面を形成する。得られた体積位相グレーティングは、極めて高い回折効率を示し得る。当該回折効率は、PDLC層間に適用される電界の大きさによって制御することができる。電界が透明電極を介してホログラムに適用される場合、LC液滴の自然配向が変更されることにより、当該縞の屈折率変調が低減し、かつ、ホログラム回折効率が極めて低レベルまで下降する。なお、当該デバイスの回折効率は、例えば、電圧適用のない100%に近い効率から、十分な高電圧が適用される実質的にゼロの効率までの連続範囲にわたる適用電圧によって、調整することができる。
【0098】
SBGは、自由空間アプリケーションのための透過型又は反射型グレーティングを与えるべく使用することができる。SBGは、HPDLCが導波路コア又は当該導波路に近接するエバネッセント結合層のいずれかを形成する導波路デバイスとして実装される。ここで基板導波光学機器(Substrate Guided Optics(SGO))と称される一つの特定構成では、HPDLCセルを形成するべく使用される平行なガラス板が、内部全反射(TIR)光導波路構造を与える。光がSBGとの「結合」を解除されるのは、当該光が切り換え可能グレーティングによってTIR条件を超える角度で回折される場合である。SGOは現在のところ、様々なディスプレイ及びセンサのアプリケーションにおいて注目されている。HPDLCに関する初期の研究のほとんどは反射型ホログラムに向けられていたが、透過型デバイスの方が、光学システム構成要素としてかなり多用途であることがわかりつつある。
【0099】
SBGにおいて使用されるHPDLCは、液晶(LC)、単量体、光重合開始剤染料及び共重合開始剤を含む。混合物は界面活性剤を含む。特許及び科学文献は、SBGを製造するべく使用され得る材料システム及びプロセスの多くの例を包含する。2つの基本特許は、Sutherlandによる米国特許第5,942,157号明細書、及びTanaka等による米国特許第5,751,452号明細書である。双方の出願が、SBGデバイスを製造するのに適した単量体及び液晶材料の組み合わせを記載する。
【0100】
透過型SBGの周知の属性の一つは、LC分子がグレーティング縞平面に対する直交方向に整合する傾向である。LC分子整合の効果は、透過型SBGが、効率的にP偏光(すなわち、入射平面内の偏光ベクトルを有する光)を回折するが、S偏光(すなわち、入射平面に対して直交する偏光ベクトルを有する光)に対してはほぼゼロの回折効率を有する点にある。空気中のガラス光導波路は、内部入射角が約42度を上回る場合、内部全反射によって光を伝播する。したがって、典型的には、ここに記載される透過型SBGは、導波路に入る入力P偏光をTIR(内部全反射)角約42から約70度まで回折するべく、又はTIR光を前記角度で出力光経路まで回折するべくSBG設計を使用する。
【0101】
通常は、SBGは、電圧が適用されない場合に回折を行い、他の時点において電圧が適用される場合に光学的受動状態に切り換えられる。しかしながら、SBGは、電圧が適用された場合に回折を行い、かつ、他の場合すべてで光学的受動のままとなる逆モードで動作するべく設計することもできる。逆モードSBGを製造する方法は、例えばPopovich等による国際出願第GB2012/000680号明細書に開示されるような任意の適切な方法である。同文献はまた、ニアアイ(near eye)アプリケーションにおける改善された耐久性、軽量性及び安全性という利点を与えるべくどのようにして可撓性プラスチック基板を使用してSBGを製造するのかも開示する。
【0102】
添付図面を参照して例示のみにより、本発明を以下にさらに記載する。当業者にとって明らかなことであるが、本発明は、以下の説明に記載される本発明の一部又はすべてについて実施することができる。本発明を説明する目的のため、光学設計及び視認ディスプレイの当業者に知られている光学技術の周知の特徴は、本発明の基本原理をあいまいとしないように省略又は簡略化されている。特に記載しない限り、光線又はビームの方向に関連する「軸上」という用語は、本発明に関連して記載される光学コンポーネントの表面に直交する軸に対して平行な伝播を言及する。以下の記載において、光、光線、ビーム及び方向という用語は、相互交換可能にかつ互いに関連して、直線軌道に沿う光エネルギーの伝播方向を示すべく使用される。以下の説明の複数部分は、光学設計の当業者が通常用いる用語を使用して提示される。以下の説明において、「一実施例における」というフレーズの繰り返しの使用は、必ずしも同じ実施例を言及するわけではないことにも留意すべきである。
【0103】
ここに与えられる実施例の一つの重要な特徴は、かなり大きな視野角を作る一つの方法が、当該大きな視野角を解析して一組の小さな視野角(それぞれが導波路の光学的制限に適合する)にし、かつ、これらを、眼が統一画像として認識する程度に高速に(時間)連続的に表示することであるとの理解にある。
【0104】
これを行う一つの方法は、極めて迅速にオン及びオフに連続切り換えができるホログラフィック要素による。出願日2012年4月25日の米国仮特許出願第61/687,436号明細書が示しているのは、高解像度の超広視野角を時間連続的にタイル張りするべく、多重SBGが同じ導波路に一緒に積層し、かつ、迅速承継的にアクティブにできることである。さらに、各サブ視野角が、関連付けられた画像素子のフルデジタル解像度を有し、人間の眼の視力限界に近いか又はこれさえも超える画像の形成が可能となる。
【0105】
この初期の出願に開示されるタイル張りは、標準的な導波アーキテクチャの双子の欠陥(すなわち限られた視野角及び限られたピクセル解像度)を克服する一方、大きな視野角全体に垂直方向及び水平方向にタイルすることが必要な場合に限界がある。小さなFOV及び一方向のみの拡張を有するモノクロディスプレイに対しては、単にグレーティング平面を積層するだけでタイル張りを遂行することができる。しかしながら、視野角が双方の方向に拡張され、かつ、カラーが付加される場合、このアプローチにより必要な層の数は、急速に非実用的となる。例えば、
図1を考慮すると、ディスプレイを与えるビーム偏向システムの概略図を示す。ディスプレイは、画像生成器2からの入力光100をFOV領域又はタイルの中へ偏向するべく電気的切り換え可能グレーティングSBGの積層1を使用するという原理に基づく。一実施例において、各SBGは本質的に平面グレーティングビーム偏光器である。これは、入射TIR光を、固有のFOVタイルを形成する出力光に偏向する。SBG要素10A〜10Dが第1行の4つのFOVタイルを与え、要素11A〜11Dが第2行の4つのFOVタイルを与え、及び、要素12A〜12Dが第3行の4つのFOVタイルを与える。有利には、画像光はコリメートされ、例えば光導波路又は基板導波光学機器によってSBG積層に送達される。SBGを包含するべく使用される基板は、光導波路基板を与える。
図2は、4つの別個の層に構成された4つのSBG10A〜10Dを使用してどのようにして水平方向視野角を生成できるのかを示す。一つの入力SBGが、画像生成器からの入力画像光をTIR経路内に向けることを可能とする。入力画像生成器は、レーザモジュール、マイクロディスプレイ、並びにコリメーション及びビーム拡張のための光学機器を含む。出力SBGは、FOV空間内の画像連続性を与えるべく水平方向に千鳥状とされる。
図2は、一行のFOVタイル10A〜10Dに対応するSBGグループ3のための一平面内の限定的光線を示す。限定的光線101A〜101D、及び法線102、103に対する最大角範囲θ1が示される。光線は射出瞳104を画定する。
【0106】
一実施例において、各サブ視野角が、SBGの回折効率及び角度帯域によって限定される。SBGグレーティングデバイスは、空気中で近似的に角度帯域±5°(材料特性、屈折率変調ビーム幾何形状及び厚さの影響を受ける)を有する。一実施例において、実際には、薄いSBGを使用することにより大きな角を達成することができる。一実施例において、SBGは厚さが、約4μm以下、例えば約3.5μm以下、3μm、2.5μm、2μm、1.5μm、1μm、0.5μm未満である。薄いSBGに起因する増加した帯域によって、低いピーク回折効率が得られる。一実施例において、屈折率変調を増加させることが望ましい。
【0107】
一実施例において、上のSBG10Aは視野角−20°から−10°を与え、次のSBG10Bは視野角−10°から0°を与え、次のSBG10Cは視野角0°から10°を与え、及び、下のSBG10Dは視野角10°から20°を与える。一つが右20°を与える。各出力FOVが、水平方向範囲10度、かつ、入力コリメーション光学機器及び導波路制限によって設定される垂直方向範囲、典型的には10度のFOVタイルを与える。SBG要素が連続して迅速に表示される(SBGが、例えば35マイクロ秒もの小さな切り換え速度を有する)場合、眼は別個の光出力を統合し、水平方向視野角40°×垂直方向視野角10度が知覚される。新たな出力SBGがアクティブにされるたびに、2によって一般に示される入力画像生成器が新たなデジタル画像によって更新される。一実施例において、入力画像生成器は、近似的に水平方向1000ピクセル×垂直方向800ピクセル解像度の画像を与える。したがって、完全な知覚画像は、4000×800ピクセル解像度を有する。タイルは、SBG層からの重なる光線によって画定される射出瞳を通るFOV空間において当接する。上記原理に基づくHMDは、本出願人による国際出願日2010年4月26日、名称「COMPACT HOLOGRAPHIC EDGE ILLUMINATED EYEGLASS DISPLAY」の(及び本出願人の包袋番号SBG073PCTによっても参照される)国際出願第GB2010/000835号明細書に開示されている。これは、その全体が参照としてここに組み入れられる。
【0108】
図1に示される積層アプローチは、相対的に小さなFOVにとって適している。一実施例において、ほぼ水平方向60度×垂直方向10度の視野角が実現可能である。視野角が増加すると、必要とされるSBG層の数が非実用的となる。すなわち、6つの層が、ディスプレイの性能が散乱、吸収及び他の光学的損失によって妥協される前において、現在の実用限界となる。13、14によって概略的に示される青及び緑のための追加層が加えられる場合、タイル数は3倍増加する。
【0109】
別個のRGBのSBGを使用することを回避する一つの方法は、多重化SBGを使用することである。この場合、照明は、R及びB/G照明として光導波路の対向端から与えられ、色彩範囲がある程度譲歩される。しかしながら、多重化グレーティングは、製造の複雑性及びクロストークの問題を引き起こす。
【0110】
ここに記載される実施例の一つの利点は、極めて大きな数のSBG層の必要性が最小限となることにある。一実施例が与えるのは、
図3に示されるように、SBGをインターレースすることによって積層を圧縮することである。これは、
図1〜2に例示されるようにグレーティングを単に積層することとは対照的である。上述の単なる積層スキーム(差し込み)を参照してわかるのは、通常であれば一つのカラーチャネルを生成するべく4つのホログラフィック平面の積層が必要となる光学的プロセスが、交互配置されたグレーティングの単数層によって遂行できるということである。なお、
図1〜3において、ホログラムのシェーディングパターンは、4つの異なるタイプを区別することのみを目的としており、グレーティングの幾何形状を提示するものではない。
【0111】
まず、
図3Aの概略側面図を参照すると、選択的に切り換え可能なビーム偏向要素の多重グループを含む画像を表示する装置が与えられる。好ましい実施例において、ビーム偏向器は、第1回折状態及び第2の回折状態を有する複数のSBGである。第1の回折状態は高い回折効率を示し、第2の回折状態は低い回折効率を示す。
【0112】
一実施例において、SBGは、電圧が適用された場合に回折を行い、かつ、他の場合すべてで光学的受動のままとなる逆モードで動作する。SBGは、薄い基板層(100ミクロンもの薄さ)によって分離された連続SBG薄層として実装される。一実施例において、基板はプラスチックを含む。一実施例において、基板は、(ITOの代わりに)透過型導電コーティングを有するプラスチック基板を含む。
【0113】
簡便のため、番号15〜18で示された4グループのSBG要素を例示する。各グループは、記号A〜Dで標識された4つの要素を含む。SBG要素のパターンの繰り返しが点線で示される。ビーム偏向要素のグループ数又はグループごとの要素数は制限されない。要素は、透明基板14A、14Bによって挟まれた薄いHPDLCグレーティング薄層15の形態をとる。基板の対向面に透明電極が適用され、当該電極の少なくとも一つが、SBG要素と重なるパターンとされる。
【0114】
後に詳細に述べる入力画像生成器が、一般に100で示されるコリメートされた画像光を与える。各グループのビーム偏向要素が画像光を回折して一セットのFOVタイルを与える多重光線にする。所与のタイルに対応する複数の要素が固有のグレーティング処方を有する。光線は、幾何学的な光学原理に従って射出瞳を画定する。図面の投影におけるグループ15及び18からの限定的光線が107、108で示される。各要素は、回折効率角度帯域±θを有する。
図3と
図2とを比較すれば明らかなことだが、
図3の実施例は、
図2に示されたSBG層を単数のSBG薄層内に散在させることと等価である。一実施例において、第1の多重ビーム偏向要素及び第2の多重ビーム偏向要素は、
図3Bに示されるように均一に散在される。一実施例において、第1の多重ビーム偏向要素及び第2の多重ビーム偏向要素は、
図3Cに示されるようにランダムに散在される。
【0115】
図3はHMDの原理を示す。上記原理に基づくディスプレイは、2つのサブシステムを含む。すなわち、カラー導波路(ここではデジレンズ(DigiLens(登録商標))とも称する)、及び、当該カラー導波路内に入力画像を送り込むべく構成されたデバイスである(ここでは画像送り込みノードとも称する)。
【0116】
一実施例におけるディスプレイの基本原理を、
図4〜7の正面図を使用して詳細に例示する。カラーディスプレイにおいて、デジレンズは、それぞれが赤、緑又は青のカラー結像チャネルを与える3つの個別RGB導波路の一積層を含む。一実施例において、各導波路はさらに、2つのホログラフィック層(二重層と称する)に分割される。一実施例において、特に記載しない限り、当該説明は二重層を仮定する。したがって、
図4においてデジレンズ2は、層21、22をさらに含む二重層を含む。装置はさらに、IIN(Input Image Node(入力画像ノード)3、デジレンズ駆動電子機器4、及びIINからの光をデジレンズ内に入れるための結合器を含む。IINとデジレンズ駆動電子機器とは通信リンク103によって接続される。各SBG層は複数アレイのSBGを包含する。これらは、複数セットのサブアレイを含む。いずれの所与のサブアレイも、その部材は、所定セットの光学的処方の一つを有する。各処方は、一の固有のFOVタイルに対応する。SBG処方の数は、FOVタイルの数に等しい。いくつかの実施例において、処方は、IINからの入射TIR入力光を偏向させてFOVタイルを画定する出力光にするのに必要なブラッググレーティングの幾何形状を画定する。簡便のため、番号200〜202により示される3つのSBG要素サブアレイが例示される。各サブアレイの3つの要素は記号A〜Cによって標識されて例示される。駆動電子機器は、電圧出力103A〜103Cを与える。SBG要素300A〜300Cへの接続104A〜104Cが示される。アレイ要素の分布は、FOVタイルに依存する。例えば、FOVの中心領域近くにあるFOVタイルは、対応SBG要素がデジレンズの中心近くに分布することを必要とする。アレイ要素の空間的な構成は、後に詳細に説明する。
図5は、IINからの入力コリメート画像光200がデジレンズに結合されて、導波路2への入力においてコリメート画像光201を与えることを示す。SBGサブアレイ200〜202に対する導波路からの典型的なコリメート出力ビームは、一般に、202A〜202Cで示される。
【0117】
一実施例において、SBGは、電圧が適用された場合に回折を行い、かつ、他の場合すべてで光学的受動のままとなる逆モードで動作する。
【0118】
SBGは、図示のとおり薄い基板層(100ミクロンもの薄さ)によって分離された連続SBG薄層として実装される。これは、モノリシックホログラフィック光学機器による狭帯域レーザ照明の資産を十分に利用する平面モノリシック設計である。SBGをモノクロ層として構成する動機は、ホログラフィック光学機器及びSBGビームスプリッタを使用して、フラット、ソリッドステートかつ精密整合のディスプレイを与え得るようにすることにある。これにより、かさばる屈折型光学機器の必要性が最小限となる。一実施例において、ディスプレイの解像度は、マイクロディスプレイの解像度によってのみ制限される。当該設計は、各層に多くのタイルをインターレースすること及び/又は新たな層を追加することによって、大きなFOVまでのスケールにすることができる。同様に、瞳、アイレリーフ及びFOVアスペクト比も、当該アプリケーションに適するように合わせることができる。
【0119】
図6は、一実施例におけるIINを詳細に示す。IINの役割は、デジタル画像を形成し、コリメートし、及びデジレンズに送り込むことにある。2つの個別光学サブシステムが使用される。すなわち、一つはマイクロディスプレイを照明し、一つは当該画像をコリメートする。IINは、画像プロセッサ3A、入力画像生成器3B及び垂直方向ビーム拡張器(VBE)3Cを含む。画像プロセッサは、通信リンク150を介して入力画像生成器に画像データを与える。画像プロセッサはまた、デジレンズ駆動電子機器との電子的リンクによって、デジレンズ内のSBG要素の切り換えも制御する。以下の説明で詳細に記載される入力画像生成器は、レーザモジュール及びマイクロディスプレイを含む。入力生成器からのコリメート画像光203は、ビーム拡張器3Cに結合される。ビーム拡張器3C自体は結合器5に光接続される。
図7は、IINの動作を、入力画像生成器及びVBEに集中してさらに詳細に例示する。図面に与えられるXYZ直交座標軸を参照する。正面図はYX平面に対応し、Y軸は、当該ディスプレイを見る者が知覚する垂直方向を称する。
【0120】
VBE(垂直方向ビーム拡張器)は、基板61A、61Bによって挟まれたSBG60を含む。画像生成器からの画像光が、基板が形成する導波路内の、204で示されるTIR(内部全反射)を受ける。VBEは、損失が多い設計である。換言すれば、グレーティングの回折効率は、画像生成器に最も近い端部で低く、かつ、最も遠い末端で最高となる。一つの効果は、VBEが、204A、204Bのような光を結合器5に向けてその全長沿いに結合させ、デジレンズ導波路の高さにマッチさせるべく垂直方向ビーム拡張(Y方向の)を与えることにある。画像光は、グレーティング結合器31AによってVBE内に結合される。差し込み
図62を参照すると、ホログラフィック対物レンズ31及びホログラフィック対物レンズ32がさらに存在する。双方とも光導波路デバイス33に光接続される。マイクロディスプレイ207からの画像光が、ホログラフィック対物レンズを介して光バイド(bide)に入るとTIR経路208に従い、最後に光導波路から出て、ホログラフィック対物レンズ32によって出力光203としてVBE内に向けられる。一実施例において、光導波路33は、各端が傾斜した表面を含む。差し込み
図63は、レーザモジュール及びマイクロディスプレイの構成を示す。マイクロディスプレイ37の照明が、ダイオードレーザ34、導波路及びSBGビームスプリッタを使用して行われる。SBGビームスプリッタは、導波路を形成する透明基板35A、35B間に挟まれた薄層36として形成される。傾斜SBGグレーティングが、薄層35Aのマイクロディスプレイと重なる部分に記録される。レーザモジュールからのコリメートされたP偏光210が、結合器36を介して導波路内に入る。結合器はプリズムである。いくつかの実施例において、結合器はグレーティングデバイスである。結合された光は、TIR経路211に従ってSBGビームスプリッタに至る。ここで、SBGの特性に応じてP偏光がマイクロディスプレイに向かって回折される。光が反射されてS偏光となり、実質的な損失又は逸脱なしにSBGビームスプリッタを通り抜けてコリメート画像光207として導波路から出現する。
【0121】
光学設計の当業者に明らかなことだが、ここに記載の原理によるIINを与えるには、多くの代替的な光学設計及びコンポーネントを使用することができる。
【0122】
例えば、反射型マイクロディスプレイは透過型デバイスに交換することができる。代替的に、放射ディスプレイも使用できる。これも明らかなことだが、所定のアプリケーションにおいて画像アスペクト比及び照度均一性を制御するべく、アナモルフィックレンズ及び光シェーピング拡散要素のようなコンポーネントを使用することができる。装置はさらにスペックル除去器を含む。IINは、回折光デバイスを含むか又は回折光デバイスである。IINによって行われるプロセスは、前から存在する技術において使用されるように、いくつかの屈折レンズ、偏光ビームスプリッタキューブ、及び様々なコンポーネントを整合させかつ組み付けるための精密なハウジングを使用する。ピース部品が高価なだけでなく、手作業も過度となる。加えて、組付体全体について、耐久性を高めることが困難であり、結局重くかつかさばることとなる。小型化されたコンポーネントは、サイズ及び重量を低減することができるが、コンポーネントコスト及び組み付け時間を激しく増加させる。
【0123】
なおも明らかなことであるが、IINの説明は、単なる一つのモノクロマイクロディスプレイについて言及してきた。カラーディスプレイにおいて、IIN光学コンポーネントは各色に対して複製される必要がある。当該光学設計は基板導波路光学機器及び回折光学要素を使用するので、一実施例における赤、緑及び青チャネルの組み合わせは、極めてコンパクトなフォームファクタ内で遂行することができる。当該フォームファクタは、マイクロディスプレイ及びレーザモジュールのサイズ並びに全体的なシステム設計要件によってのみ制限される。
【0124】
デジレンズにおけるSBG要素のインターレースは、多くの異なる方法で行うことができる。例えば、
図1の実施例におけるインターレースされたグレーティングは、ベネシャンブラインドの態様に構成することができる(本発明者による仮特許出願第61/627,202号明細書に開示されている)。しかしながら、かかる幾何形状と関連づけられるMTF(変調伝達関数)は、交互配置の周期的性質に起因する空間周波数において複数のノッチを有する。一実施例において、複数グレーティングの複合テッセレーションを導入すると、この欠陥を修正することができる。ここでの少なくともいくつかの実施例における「テッセレーション」は、重畳なしかつギャップなしの幾何形状繰り返しを使用した2次元表面パターンを作るプロセスとして画定される。しかしながら、テッセレーションパターンは、
図4〜7に例示されるタイプの菱形形状テッセレーションパターンに限られないことに留意すべきである。わかることだが、正方形、矩形、三角形に基づく複数パターンを使用することができる。図面では規則的なパターンが示唆されているが、所定の場合においては、ランダムに分布したパターンを有することが有利である。一実施例では、所与のパターンにおいて異なるサイズ及び幾何形状の要素を使用することもできる。多くの可能なスキームが存在する。要素は、垂直方向又は水平方向に偏向したアスペクト比を有する。一実施例において、広い水平方向アスペクト比が良好な水平方向解像度をもたらす。以下に示されるように、1.38mm×0.8mmの菱形が許容可能な解像度を与える。水平方向解像度が垂直方向よりも良好となることに利益があるとは期待されないので、菱形よりもむしろ(側面を向いた)1mm正方形の方がまさに適度かもしれない。単なる例示を目的として、説明は、菱形形状又は正方形形状要素に基づくテッセレーション化タイル張りについて言及する。テッセレーション化パターンの一実施例においては、以下に述べるように、電極アドレス指定回路を許容する小さなギャップが存在する。SBG要素パターンの例を
図8〜10に例示する。
図8Aは、多重の垂直及び水平方向寸法を有する矩形形状304A〜304Fを含むタイル張りパターン304を示す。
図8Bは、要素305A〜305Jを含むペンローズタイル張りとして知られるタイル張りパターン305を示す。
図8Cは、要素306A〜306Cを含む正六角形に基づくタイル張りパターン306を示す。
図8Dは、要素307A〜306Dを含む正方形に基づくタイル張りパターン306を示す。
図9Aは、要素308A〜308Dを含む菱形に基づくタイル張りパターン308を示す。
図9Bは、要素309A〜309Dを含む二等辺三角形に基づくタイル張りパターン309を示す。
図10Aは、要素310A〜310Cを含む水平方向に細長い六角形に基づくタイル張りパターン310を示す。
図10Bは、要素311A〜311Dを含む水平方向に偏向したアスペクト比を有する矩形に基づくタイル張りパターン311を示す。
図10Cは、矩形の水平方向に細長い菱形要素312A〜312Dに基づくタイル張りパターン312を示す。
【0125】
一実施例において、SBGアレイを製造するのに使用される技術は、50ミクロン(500dpi)もの小ささの特徴を規則的に生成するので、上述の態様での特徴をインターレースすることは問題とならない。一つの重要な条件は、同じ処方のグレーティング間の距離を、明るい条件(明るい日光での3mmを仮定)のもとでの眼の瞳のサイズと比較して小さくしなければならないことである。一実施例において、この条件が満たされる場合、帯状のむらは観測されない。重要なことは、眼がアイボックス内を動き回る一実施例において、眼の瞳を超えて動く帯域から失われた光が、瞳の中へ動くもう一つの帯域から得られた光によってオフセットされることにある。この効果から予想される光度変動は、導波路にわたる照明が均一であると仮定すれば、近似的に平均輝度レベルの±1%である。帯状のむらの概念は、SBG要素が複数のコラムを含む実施例において最も容易に理解することができる。しかしながら、基本原理は、ここに記載されるいずれの実施例とともに使用されるいずれのタイプのパターンにも当てはまる。
【0126】
いくつかの実施例において、画像光は、デジレンズの一端にのみ入る。デジレンズの各導波路は一般に、2つのSBG層を含む。図面及び明細書を考慮すれば明らかなことだが、かかる実施例において層は、一方が逆の同じ処方のSBGアレイを含む。画像送り込みノードは、2つの対称的部分に構成され、対向経路にある別個の画像光を2つのホログラフィック層に与える。かかる実施例は、コンポーネントの重複を必要とするので、実装が高価になる可能性が高い。
【0127】
いくつかの実施例において、各デジレンズ二重層導波路は厚さ2.8mmである。SBG層は理論上、低屈折率の基板又は空気ギャップによって分離される。TIRビームを必要とする多くの実際的なアプリケーションにおける一実施例では、幾何形状は空気界面なしにサポートすることができない。ホログラムの厚さも誇張されていることにも留意する。一実施例において、グレーティングは、厚さ100〜200ミクロンの基板によって挟まれて厚さ3ミクロンである。基板の対向面に適用される透明電極の厚さは、ナノメートルで測定される。
【0128】
図11は、一実施例における、2つの層20、21を含むデジレンズ導波路の概略的断面図である。層20は、透明基板20A、透明パターン電極層20B、20Fのような要素を包含するSBGアレイ20C、透明電極層20D及び第2の基板20Eを含む。層21は、透明基板21A、透明パターン電極層21B、21Fのような要素を包含するSBGアレイ21C、透明電極層21D及び第2の基板21Eを含む。一実施例において、基板20E及び21Aは組み合わされて単数層となる。
【0129】
図12A〜12Dは、1〜4で標識されたタイプのSBG要素を包含する領域内のテッセレーションパターンの複数の例を示す。眼の瞳311が重ねられている。
図13〜14は、ディスプレイ射出瞳の一つの眼の瞳位置において
図13に示されるように構成された一つの特定SBG要素タイプに対するMTFデータを示す。SBG要素は、313A〜313Iによって標識される。
図14はMTF曲線を示す。この実施例では、上の曲線314Aが回折制限MTFであり、下の曲線が、収差を許容する推定SBGアレイMTFである。菱形形状は、一辺=0.8mmの三角形に基づくので長さ=1.38mmとなる。このアーキテクチャは、2つの層(1つの二重層)モノクロ設計、又はR、G、Bカラー設計の単数カラー層に適用可能である。3つの積層二重層は、複合的な性能を与える。射出瞳311は、この実施例において直径3mmである。
【0130】
図13〜14に対応するデジレンズアーキテクチャは、2つのモノクロSBG層上に12のSGB要素をタイル張りする。
図18を参照すると、
図13に例示される第1の層は、水平方向(下側)のタイルすべてL1〜4及び水平方向(中央)のタイル(MID,1)、(MID,2)をタイル張りする。第2の層は、水平方向(中央)のタイル(MID,3)、(MID,4)及び水平方向(上側)のタイルすべてU1〜4をタイル張りする。
【0131】
図15は、水平方向に偏向されたアスペクト比の矩形SBGを使用したタイル張りの一例を示す。タイル張りパターン315は、番号315A〜315Eによっても標識される要素タイプ1〜5を含む。
【0132】
図16は、一実施例において、デジレンズがどのようにして射出瞳内にFOVをタイル張りするのかを、モノクロ画像を形成する3つの連続ステージで例示する。各原色の画像の書き込みは同様のプロセスに従う。
図16A〜16Cは、標識315A〜315Cによっても示される3つのタイプのSBG1〜3がアクティブにされるところを示す。いずれの場合も、眼の瞳311及び射出瞳316が重ねられている。矩形319によって示されるFOV空間における対応FOVタイル319A〜319Cが、
図16D〜16Fに示される。切り換えプロセスの理解を簡単にするべく、わずかな数のSBG要素のみが例示される。なお、所与のタイプのSBG要素すべてが、ビームとグレーティングとの「損失が多い」結合に起因して、同時に光の結合をすべて解除することができる。換言すれば、個々の要素の回折効率が、導波路ビームから得られる光から一の割合の光を抽出するべく変調される。一実施例において、導波路ビームが相互作用する第1の要素が最も貧弱な結合効率を有する一方、ビーム経路の他の末端にある要素は最も強力な結合効率を有する。
【0133】
所与タイプのSBGからの光によって充填される瞳面積はおおよそ固定されている。眼が左から右へ動くと、光が、最も左にあるSBG要素から失われる一方、右側のエッジにおいて得られる。この効果から生じる光度変動は、全要素にわたる照明が均一であると仮定すれば、近似的に2%(平均輝度レベルの±1%)である。
【0134】
いくつかの実施例において、SBG要素の周期性は、要素アパチャによる回折又は均質干渉効果に起因する好ましくないアーチファクトをもたらしかねない。後者の可能性は低いと考えられる。平面導波路構造内を伝播する光は、平面導波路構造が本来備える不均等な光経路長ゆえに、次のアパチャからの光と必ずしも同相になるとは限らないからである。したがって、各周期的なアパチャを出た光は、(レーザのコヒーレンス長が平面導波路構造に対して合理的に長いとしても)SBG要素すべてにわたって考慮された場合、インコヒーレントに結合すると期待される。好ましくないアーチファクトがSBG要素から生じる事象において、提案されるストラテジーの周期性は、当該要素をランダムに配列することを伴う。
【0135】
デジレンズのアパチャ全体にわたる複数箇所が、25mmのアイレリーフゆえに漸次的に異なる態様で、角度情報を10mmアイボックスに与える。ディスプレイの左に向かう箇所は、FOVの右からの角度コンテンツを与えず、逆もまた同様である。光学効率を最大にするべく、一実施例におけるデジレンズは、処方されたアイレリーフにおいて所望のアイボックスを充填する充填率に最適化される。
図10A〜10Dは、一実施例においてアイボックスに寄与するSBGアパチャの部分を示す。
【0136】
デジレンズの表面全体にわたる位置すべてが、アイボックスにおける瞳充填率に寄与するわけではない。25mm(アイレリーフ)において10mmの瞳を充填するには、光取り出しSBGの最小サイズは、ちょうど幅30mm未満である。しかしながら、デジレンズの中心における極めて小さな領域のみが、すべての角度、例えば−15°±5°、−5°±5°、+5°±5°及び+15°±5°におけるコンテンツを与える。これらの角度帯域は、(上側(+10°)、中央(+0°)及び下側(−10°)の視野角それぞれに対して見出される)光取り出しSBGコラム1、2、3及び4に対応する。
【0137】
図17は、
図18の垂直方向3つ×水平方向4つのFOVタイル張りパターンに対するSBGタイルタイプの分布を示す。この場合の図面に示されるように、12のSBG処方すべてがFOVの中心に必要とされる一方、必要とされる数は、FOVの水平方向限界においてちょうど一つとなる。
【0138】
図18は、52°×30°FOVにタイル張りするべく(各SBG処方が13°×10°を与えるものと仮定)使用される例示的なFOVタイルパターンを示す。SBG処方の合計12の異なるタイプは、垂直方向タイル張りに対して「UP」、「MIDDLE」及び「DOWN」要素を並びに垂直方向タイル張りSBGタイル(1〜4で標識)のそれぞれに対して4つの水平方向タイル張り処方を含むように与えられる必要がある。各タイプのSBGは、一を超えるSBG要素によって表される。したがって、[UP,1]においてFOVタイルを見るには、この実施例では各コラムグループ「UP」の各要素「1」を連続的にアクティブにする必要がある。
【0139】
図19〜23は、
図17〜18において画定された各タイル張り領域に対応するSBGパターンを例示する。いずれの場合においても、オンSBGタイプに対する単数の層パターン及び2つの重畳パターンが例示される。この実施例においては、正方形要素が仮定されている。
図19は、領域1及び7(3タイルタイプ)に対応するパターンを示す。2つの層が326、327によって示される。各層は、タイプ1要素326A、327A及び(他のタイプの要素が占有するための)空間326B、327Bを含む。この場合、一つの層がアパチャ充填率33%を達成し、かつ、一つの二重層がアパチャ充填率66%を達成する。
図20は、領域2及び6(6タイルタイプ)に対応するパターンを示す。2つの層が328、329によって示される。各層は、タイプ1要素328A、329A及び空間328B、329Bを含む。この場合、一つの層がアパチャ充填率16.7%を達成し、一つの二重層がアパチャ充填率33%を達成する。
図21は、領域3及び5(9タイルタイプ)に対応するパターンを示す。2つの層が330、331によって示される。各層は、タイプ1要素330A、331A及び空間330B、331Bを含む。この場合、一つの層がアパチャ充填率11.1%を達成し、一つの二重層がアパチャ充填率22.2%を達成する。最後に、
図22は、領域4(12タイルタイプ)に対応するパターンを示す。2つの層は332、333によって示され、各層は、タイプ1要素332A、333A及び空間332B、333Bを含む。この場合、一つの層がアパチャ充填率8.33%を達成し、一つの二重層がアパチャ充填率16.7%を達成する。
【0140】
得られた複合パターン340が
図23に示される。3層導波路341における単数SBGタイプのカバー率の一例が
図24に示される。
【0141】
図25〜26は、一実施例における2層導波路の各層に対するSBGパターンを示す。
【0142】
人間の視力限界の典型的な推定値は、約1arc分/ライン対=60cyc/度であり、これは一般的に許容される性能限界であって3.4cyc/mrと同等である。これは、眼の瞳が直径3mmに収縮される輝度条件下での標準視力によって達成することができる。眼は、制限を受けた光受容体である。中心窩における錐体空間は、60cyc/度と同等の2.5μmもの小ささであり得る。大きな瞳アパチャでは、眼の性能は当該眼の収差によって著しく劣化する。約3mmでは、眼の性能は回折限界に近くなる。f/5.6の眼(f=17mmである3mmの瞳)に対する532nmでの回折限界カットオフは、網膜限界よりも著しく高い約320lp/mであることに留意する。したがって眼は、この実施例において、密度制限を受けた光受容体である。これを考慮すると、眼の瞳、又は眼の瞳を制限するディスプレイが0.75mm(1.4cyc/mrのカットオフと同等)よりも大きい場合、網膜におけるぼやけスポットサイズには影響がない。これによって、ディスプレイに対する最小アパチャ要件が確立される。4H×3Vタイルを有する12μmピッチのLCoSマイクロディスプレイは、各タイルが640H×480Vピクセルを有するが、52度H×30度Vを超える2560H×1440Vピクセルをもたらすことができる。マイクロディスプレイから網膜へのディスプレイ投影拡大倍率は、近似的に2倍となる。したがって、眼におけるマイクロディスプレイピクセルの角度サイズは、網膜での表示ナイキスト周波数が83cyc/mm(1.4cyc/mr)であれば、6.0μmとなる。画像シャープネスは、1/2ナイキスト限界(すなわち、網膜での画質を示す以下のプロットにおいて約40cyc/mm)においてコントラストが最大となる場合のシャープさと評価できる。
【0143】
カラー導波路SBG層の周期的構造が回折グレーティングとして作用する懸念について取り組みがなされている。高次回折、導波路内のゼロ次ビーム、及びSBG要素のアパチャのような、カラー導波路内の潜在的な回折アーチファクト源の多くは最小とされ(又は除去さえされ)、精密に調べるとSBGは体積ブラッググレーティングであり、及び、一実施例においては、焼けた(blazed)又は薄いグレーティングについて見られるように高次はサポートされない。高次の不在がゴースト画像を最小にする(又は除去さえする)。一実施例において、導波路光内では、(損失が多い導波路で)導波され続ける光は、タイルの出力アパチャを「見る」ことがない。したがって、導波路を通るビーム内の回折次数の増加は生じない。異なるSBG要素アパチャからの光出力は同相ではない(恐らくは固有の場合を別にして)。光経路は、視野角の関数として変化する。したがって、アパチャからの出力が位相はずれとなること及びそれゆえインコヒーレント結合となることを期待するのが合理的である。したがって、回折アーチファクトは予想されない。
【0144】
周期的構造についての初期の懸念は、50μmのコラム幅に基づくものであった。新たなSBG特徴のサイズは今や、800μm〜1380μmの範囲である。グレーティング方程式から予測される回折角は著しく小さい。例えば、入力角52°の50μmの特徴に対し、回折角は1度(74ピクセルと同等)となる。入力角52°の1000μmの特徴に対し、回折角は0.05°(3.7ピクセル)まで低減する。この実施例において極めて最悪のケースでは、回折ゴーストが、例えば、暗い背景に対して極めて明るい対象という条件下で現れる場合、ニア対物レンズフレアのように現れ、オリジナル画像から十分に分離した二重画像としては現れない。
【0145】
レーザスペックルを克服するべくスペックル除去器をIINに組み入れることもできるが、当該設計がスペックル除去性を本来備えていることが期待できる合理性が高い。出力SBGアパチャ全体にわたって位相の多様性が存在するはずである。偏光の多様性がさらにスペックル除去を補助し、それゆえ当該構造からの任意の回折アーチファクトに係る効果を最小にする。さらなる安全措置は、SBGアパチャに直線的なエッジを有することが必須ではないことに留意すれば、当該エッジが、任意のアーチファクトをランダムに配置するようなパターンとなる点にある。
【0146】
いくつかのファクタが設計レイアウトに影響を与える。瞳充填率を最大にするべく、テッセレーション限界を考慮に入れる必要がある。重要なことは、2層の単数二重層上の各パターンにつき3、6、9及び12タイルを有することで、直径3mmの投影された眼の瞳に対するディスプレイ射出瞳内のいずれの位置にも最大の瞳充填率条件を作る必要がある点である。2層のSBGパターン間のオフセットが、x又はyにおけるテッセレーションパターン設計に対して非整数オフセットを有する必要はない。一実施例において、xオフセットが実際には一領域の一側又はもう一つの側に1/2ピクセルをもたらし、その後当該エリア単独の1/2ピクセルに対するITOアドレス指定を必要とする。一実施例において、均一なアドレス指定ピッチを維持するにはこれを回避する方がよい。一実施例において、当該パターンのyオフセットも同様に、1/2ピクセルの垂直方向アドレス指定を必要とする。同様に、これも回避することが望ましい。カバー率を最大にするべくyに1/2ピクセルオフセットを有することは許容可能であるが、この場合、すべてのパターンが同じ方向に1/2ピクセルオフセットを有する必要がある。一実施例では、12タイルタイプすべてが各二重層において使用される。しかしながら、最大タイルタイプ充填率は、2層上の9タイルタイプに対して得られる。例えば2層上に、6タイルタイプ及び3タイルタイプを構成する必要がある場合もある。例えば、一実施例において、3つの水平方向タイルタイプが単数の垂直方向タイル帯域に対して眼の瞳を充填する一領域を考えてみる。なお、複数の二重層の他の複数の層が他の2つの垂直方向タイル帯域をアドレス指定する。層1及び2は双方とも、同じタイルを包含するが、オフセット配列において所望の瞳充填率を達成する。単数のタイルが寸法(H,V)=(0.8*sqrt(3),0.8)=(1.386,0.8)を有する。1タイルタイプの単数の層上のオフセットは、(dx,dy)=(0,3V)によって与えられる。層2に対する層1のオフセットは、(dx,dy)=(0.5H,1.5V)=(0.693,0.4)によって与えられる。以下の分析では、光学的モデル化を簡単にするべく1mm×1mm正方形が使用されている。しかしながら、形状にかかわらず原理は同じである。しかしながら、所定の形状が優先的に充填されることにも留意すべきである。
【0147】
図27〜29は、入力画像生成器を含むIINのいくつかの実施例を例示する。入力画像生成器は、ダイオードレーザモジュール34、結合プリズム34A、基板35A、35B間に挟まれたSBGビームスプリッタ層35、マイクロディスプレイモジュール38、表面42A、42Bを含む光導波路41、入力結合部、ホログラフィック対物レンズ、スペーサ半波長板、ホログラフィック対物レンズを含む。
【0148】
有利には、一実施例において、IINは、テレセントリックな(わずかに投影された)瞳を与える。これによって、良好なコマ制御と、瞳による垂直方向ビーム拡張器の良好な充填とが可能となる。
【0149】
図28Aは、一実施例における、入力画像ノードからデジレンズへのVBEを介した結合を例示する断面図である。
図28Bは、
図28Aの実施例の詳細な光線トレースを示す。VBEは、デジレンズの高さに対応する距離にわたって、ビームからの損失が多いグレーティング抽出光を含み得るか又は実際に含む。対物レンズ入力において、光は秩序立てられ、瞳全体にわたる光が、緊密な視野角バンドル内に配列される。VBEの遠位端では、異なる視野角を有する光バンドルの異なる数により、当該バンドルがさらに分散される。対物レンズ端では、最高導波路角を有するピンク光線が、VBE導波路の残りから最も遠くに存在する。導波路内の最も急勾配の光線(黄)が左端から開始する。これは、受動入力結合器(及びVBE厚さ)を下側(down)に維持するのに役立つ。遠位端(十分に左)では、VBEから導波路への結合が、入力に見出される次数の損失によって阻害される。導波路の厚さが二倍になることを回避するべく、一実施例では、VBEのデジレンズとの結合ステージにおいて50/50能動結合器が使用される。
【0150】
図29は、デジレンズ及びVBEの平面図である。これは、VBEがどのようにして2つの切り換え可能要素に分離されるのかを示す。これによって導波路厚さが低減される。各デジレンズ二重層導波路は、厚さ2.8mmである。切り換え部がなければ、厚さは二倍となって総導波路厚さが約10mmから約18mmに増加する。
図10は、VBEからデジレンズまでトレースされた光線を示す。
【0151】
ここに与えられるいくつかの実施例は、基板導波路光学機器に十分適合させる必要がある。第1に、コンポーネントコストが低減される。様々なホログラフィック光学要素には、光学的複雑性が包含される。一セットのマスタを作ることに関連づけられる非反復エンジニアリング(NRE)がひとたび完了すれば、別個の屈折型コンポーネントに関連づけられる反復材料コストと比べ、複製コストが相対的に微々たるものとなる。第2に、組み付け時間が低減される。部品点数が低減されるだけでなく、組み付けプロセスもかなり高速になる。複数の平面構造は、整合基準を使用することによって、極めて高い光学的精密性でコスト効率良く一緒に積層することができる。厳格な基準に合わせてピース部品組付体を作る作業と比べ、手作業も大幅に低減される。第3に、光学的精密性が高くなる。新たな光学設計を設計する上での最大の課題の一つは、ピース部品、機械的ハウジング及び組み付け手順に関する公差の増大を制御することである。ホログラフィック光学要素(HOE)に関しては、NREフェーズ中にHOEマスタに獲得される年長のエンジニア及びこのレベルの品質によって「黄金基準」を組み付けることができる。HOEの光学的整合が高い精密性によって遂行されるという事実に加え、個々のHOEは整合上、ばらつきについて公差を有する。したがって、高品質デバイスの全体的な歩留まりはかなり高い。最後に、サイズ及び重量が、サブシステム全体の耐久性が存在するこのモノリシック設計によって大幅に低減される。
【0152】
一つの重要な性能パラメータは、ディスプレイのシースルー透過性である。透過性に影響を与える可変因子は、ITOコーティング(0.995)、ARコーティング(0.99)並びに基板及びホログラフィック層の吸収である。導波路と低屈折率接着層との界面におけるフレネル損失も存在する。一実施例において、90%超過の対物レンズを有するカラーディスプレイに対する所望の透過率は70%超過である。ディスプレイごとに3つの導波路及び導波路ごとに2つの基板を仮定すると、計算される透過率は93%であり、規定の対物レンズに適合する。一実施例において、ここに記載される設計は、100ミクロンのガラス基板を使用する。3つの導波路及び導波路ごとに3つの基板(2つのホログラフィック層が3つの基板を必要とする点に留意)により、カラーディスプレイの全ディスプレイ厚さは、なおも1mm未満である。ホログラフィック層(コーティングも含む)の厚さは無視できる。それぞれは、全厚さに対して4〜5ミクロンの寄与に過ぎないからである。重量は常に問題となるので、これも、ここに記載される実施例の重要な特徴となる。基板がプラスチックを含む一実施例では、重量がさらに低減される。
【0153】
一実施例において、SBGは、電圧が適用された場合に回折を行い、かつ、他の場合すべてで光学的受動のままとなる逆モードで動作する。SBGは、示されるように薄い基板層(100ミクロンもの薄さ)によって分離された連続SBG薄層として実装される。究極的には、設計目標は、透過型導電コーティング(ITOの置換として)を有するプラスチック基板を使用することにある。本願に適したプラスチックSBG技術は、並列SBIR(Small Business Innovation Research(中小企業技術革新研究))プロジェクトにおいて開発されている。この実施例において、これは、モノリシックホログラフィック光学機器による狭帯域レーザ照明の資産を十分に利用する平面モノリシック設計である。
【0154】
SBGをモノクロ層として構成することにより、ホログラフィック光学機器及びSBGビームスプリッタ技術を使用してフラット、ソリッドステートかつ精密整合のディスプレイを与えることができる。これにより、かさばる屈折型光学機器の必要性が最小限となる。ディスプレイの解像度はLCoSパネルのそれによってのみ制限される。
【0155】
本設計は、各層に多くのタイルをインターレースすること及び/又は新たな層を追加することによって大きなFOVに対してスケール拡張可能である。同様に、瞳、アイレリーフ及びFOVアスペクト比も、当該アプリケーションに適するように合わせることができる。本設計は、小さなFOVに対してスケールダウンすることもできる。
【0156】
図30A〜30Bは、ここに記載される少なくともいくつかの実施例とともに使用される偏光リサイクルのためのスキームを例示する。これは、SBG材料(現行の又は将来開発されるもの)の特性に基づき又は偏光回転コンポーネントが意図的に導波路に導入される場合に、SBG光取り出し導波路により偏光が維持されない事象において意義がある。詳しくは、直線偏光がデジレンズ導波路内に入力される(すなわち光がVBEから導波路内に結合される)場合及び光がS偏光とP偏光の混合に変換される場合、薄いデジレンズ導波路を使用することができる。これにより、導波路を1/2の薄さまで低減することができる。
図30Aは、結合グレーティング353によって入力光線354A、354Bが、355A、355Bにより標識されるTIR経路内に向けられる導波路252を示す。光は任意の偏光にある。しかしながら、一実施例におけるSBG入力グレーティングに対しては、P偏光が望ましい。結合グレーティングアパチャはAである。例示目的のみとして、TIR角は45°となるように選択されている。その結果、第1のTIR跳ね返り後に、制限入力光線が結合グレーティングのエッジを縁取るのに必要な導波路の厚さはA/2となる。
【0157】
図30Bを参照すると、導波路356は、互いに隣接して配置された第1及び第2のグレーティング357A、357Bと、当該導波路と第1のグレーティングとにより挟まれた半波長フィルム357Cと、当該導波路と第2のグレーティングとにより挟まれた偏光ビームスプリッタ(PBS)フィルム357Dとを含む入力結合光学機器を有する。PBSは、P偏光を透過しかつS偏光を反射するべく設計される。再びであるが、TIR角は、例示目的のみとして45°に選択される。入力P偏光コリメート光358A、358Bが、S偏光359Aを与えるべく第1のグレーティング及び半波長フィルム(HWF)を介して、かつ、P偏光359C、359Dを与えるべく第2のグレーティング及びPBSを介して導波路内に結合される。
図30A及び
図30Bの実施例を比較すると、第2の実施例において、入力結合アパチャは、HWF及びPBSによる偏光回復に起因して2つのTIR跳ね返り長さと等しくなり得ることが明らかである。
図30Aの実施例では、入力対は、一つのTIR跳ね返りよりも長くなり得ない。これは、グレーティング相互依存によって光が導波路から出て下方に向かうように回折されるからである。
図30Bの実施例の一つの利点は、導波路厚さが50%だけ低減され得ることにある。すなわち、Aに等しい結合器長さに対し、(45°TIRに対する)導波路厚さはA/4となる。このとき、いくつかの実施例において、導波路内のS光及びP光は分離されない。典型的に、入力光は発散性なので、S及びP光は急速に空間的に混合される。しかしながら、多くのP光取り出しを理由に導波路が偏光を回転させる場合、SからPへの変換がPからSへの変換よりも多く存在する。すなわち、正味の利得がもたらされる。偏光回転は、導波路壁の反射特性から及びSBGが使用されるホログラフィック材料の複屈折から生じる。一実施例において、偏光回転は、導波路の下面に1/4波長フィルム(QWF)を適用することによって与えられる。HWF及びQWFは、厚さ約0.125mmである。典型的な接着層は約75ミクロンである。したがって、いくつかの実施例において、偏光制御フィルムの導波路厚さ全体に対する寄与は著しいものではない。所定の場合には、当該フィルムは、ラミネーション目的で使用される接着層に浸漬することができる。
【0158】
図31は、いくつかの実施例において使用される対向伝播導波路を例示する。導波路は、基板52A、52Bによって挟まれた、同一であるが対向する処方の隣接するグレーティング薄層51A、51Bを含む。左から右へ伝播する導波路光362が、連続的に抽出される光360A〜360Cを与えるべくグレーティング51Aと相互作用し、拡張された出力ビーム360が得られる。右から左へ伝播する導波路光368が、連続的に抽出される光361A〜361Cを与えるべくグレーティング51Bと相互作用し、拡張された出力ビーム361が得られる。なお、左/右伝播方向から抽出されない少量の光は対向グレーティングと相互作用し、光線363〜366によって示されるように、拡張されたビーム360、361に対向する方向に回折されてグレーティングから取り出される。
【0159】
図32は、一実施例の導波路における均一性を達成する目的でのビームスプリッタの使用を例示する。この原理は、双方の拡張軸において適用される。さらなる改善として、ビームスプリッタオフセットが導波路に使用される(すなわち、多重跳ね返り相互作用後の均一性を最大にするべく、導波路表面同士の中間ではなく導波路の中間点からオフセットされる)。なおもさらなる改善は、ビーム混合を最適化及び調整するべく、ビームスプリッタにおいて異なる反射率を使用することにある。特定の理論に拘束されるものではないが、ビームスプリッタの反射率%を50/50以外のものに変更することにより、又は、B/S長さに沿った透過/反射スプリットを変更することにより、瞳充填率を均質化かつ最適化することができる。例えば、
図32において、導波路353はビームスプリッタ層352を包含する。いくつかの実施例において、ビームスプリッタは、薄いフィルムコーティングを使用して設けることができる。370のようなTIR光線はその後、ビームスプリットを受ける。その結果、光線371〜373に示されるように、導波路の上壁と下壁との間、導波路の上壁とビームスプリッタとの間、及びビームスプリッタと導波路の下壁との間において導波が生じる。
【0160】
入力照明のプロファイルを制御することによってIINストッパが形成される。少なくともいくつかの実施例において、投影光学機器に硬い物理的ストッパは存在しない。投影されるストッパの利点は、導波路厚さの低減を含む。ストッパは、VBE内のアパチャ直径を最小にするべくVBE上方の途中に投影される。これにより、デジレンズ導波路結合器に対するVBEのアパチャ幅が最小となる(例えば、第1軸拡張器の幅を低減することにより第2軸拡張光学機器の厚さが制限される)。
【0161】
図33〜36は、いくつかの実施例において、デジレンズ内で使用されるITOのアドレス指定アーキテクチャの詳細を示す。
【0162】
図33は、所与のITO層においてトラック数を低減する方法を示す。この方法は、トラック数を近似的に1/3だけ低減するべくITOの両面アドレス指定及びスーパーピクセルアドレス指定を使用する。第1グループ350に与えられるピクセルは、350A、350Bによって標識されるもののような3単位×1単位次元要素と、350C〜350Hによって標識されるもののような1単位×1単位次元要素とを含み、第2の重畳反転グループ351は、351A〜351Gによって示されるような同一ピクセル幾何形状を含む。
【0163】
図34〜36は、電極配線トラックの交互配置がどのようにして、2D電極構造に多重の異なるテッセレーションタイプをアドレス指定すること(切り換えること)を許容するべく使用されるのかを示す。
図34は、401のような電極要素がトラック402〜404によって接続される実施例において使用される配線スキームを示す。
図35は、示される電極407〜409及びトラック部分410、411を有するもう一つの実施例における配線スキームを示す。
図36は、
図33の実施例の電極及びトラックを詳細に示す。要素及びトラックは番号421〜434によって示される。
【0164】
電極アーキテクチャは、同一パターン技術を使用することによる部品複雑性の低減、及び十分なアドレス指定ネットワークをもたらすフリップ対称性が利点である。これは、設計作業では必要とされないが、設計及び取り扱いを必要とする部品の数を制限する。
【0165】
一実施例において、SBG層の下にある漸増反射プロファイルを使用して、長さに沿ったグレーティングDE(回折効率)変動を制御(又は補助)する(通常は屈折率変調を使用してSBGグレーティングにおいて達成される)。これは、第1の跳ね返りで低いパーセンテージの光が取り出されるが高いパーセンテージは拡張器の他端で取り出される場合に有用である。
【0166】
一実施例において、入力パワーを倍増させ及び/又は1Dアパチャ幅を最小とするべく1D拡張エンジンが使用される。
【0167】
一実施例において、ディスプレイは「バイザー」として構成される。カラー導波路は、少なくとも一つの平面において曲線を描く。一般に、かかる実施例は、大きな(30mm)アイレリーフ及び大きな射出瞳を有する。大きな射出瞳は、IPD調整の必要性を低減する(又は除去もする)。
図37A〜37Bは、両側にデジレンズ71及び光電子工学モジュール70A、70Bを含む湾曲バイザーの概略的な平面図及び側面図である。一つのモジュールがIINを含む。第2のモジュールが補助的な光学機器及び電子機器を包含する。
【0168】
図38は、一実施例における湾曲バイザーのデジレンズを詳細に示す。デジレンズは、それぞれがSBGアレイ73A〜73Cを包含する複数の積層導波路を含む。この場合、3つのSBG層が、クラッド層72A〜72Dによって互いに隔離される。光線経路が381A〜381Cによって示される。
図39の実施例において、SBG層は、クラッド層なしで積層されて単数導波路構造を形成する。光線経路は382A〜382Cによって示される。
【0169】
図40に示される一実施例において、バイザーデジレンズが、切り子平面要素76A、76Bの形状をとる。これによって導波路が平面となり得る。差し込みB及びCに示されるように、当該切り子間の光界面77にグレーティング77A、77Bが設けられる。その結果、ビーム角が制御されて導波路画像光とSBGアレイ要素との効率的な結合が確保される。グレーティング77A、77Bはブラッググレーティングである。
図41に示される一実施例において、76A、76Bのような平面切り子を含む切り子デジレンズが、湾曲光導波路79に埋め込まれる。
【0170】
当該複数の実施例はモノクロ導波路に依存する。しかしながら、本明細書を考慮すれば明らかなことであるが、複数の代替実施例においては導波路は一を超える色彩で動作し得る。かかる実施例は、複雑なIIN設計を伴う。
【0171】
少なくともいくつかの実施例において、ここに記載される多層アーキテクチャは、従来型ホログラムとともに使用することができない。互いに干渉し合うからである。したがって、この課題を克服するには、視野角の時間領域積分を可能とするべく透明に切り換えられ得るSBGを使用することができる。
【0172】
ここに記載される一実施例は、以下の仕様を有するもののようなHMDに関する。
a)180°シースルー視認性、
b)フルカラー、
c)視野角52°×30°、
d)アイボックス30mm×30mm、
e)解像度2560×1440、
f)スネレン視力標準、
g)アイレリーフ30mm、
h)ユニバーサルIPD、
i)双眼、及び
j)ポリカーボネート光学機器である。
【0173】
ここに記載される少なくともいくつかの実施例の一つの重要な特徴は、シースルーの利益を与えることにある。これは、自動車、航空機及び他の輸送アプリケーション、警備にかかわるアプリケーション用のようなプライベートシースルーディスプレイ、建築内装の看板並びに他の多くのアプリケーションのためのヘッドアップディスプレイにおいて非常に重要である。ディスプレイ照明波長光のみを反射させることを目的としてディスプレイの一側に付着されるホログラフィック輝度向上フィルム又は他の狭帯域反射器に加え、シースルーディスプレイは、対向方向視野において不可視に(したがって安全に)することもできる。反射されたディスプレイ照明は、効率的に鏡反射され、それゆえに一方向においてブロックされる。これは、銀行又は資産サービスの設定では通常の、顧客又は個人面接設定における透明デスクトップディスプレイアプリケーションにとって望ましい。
【0174】
上述の実施例のいくつかは装着可能ディスプレイを説明するが、上述の実施例のいずれにおいても、接眼レンズ及び網膜を、任意のタイプの結像レンズ及びスクリーンに置換してよいことは明らかである。上述の実施例のいずれも、直接視認又はバーチャル画像のいずれかのディスプレイにおいて使用することができる。可能なアプリケーションは、ビューファインダに使用されるもののような小型ディスプレイから、広い面積の公衆情報ディスプレイにまで及ぶ。上述の実施例は、透明ディスプレイが望まれるアプリケーションにも使用される。例えば、いくつかの実施例は、ヘッドアップディスプレイ及びテレプロンプター(登録商標)のような表示画像が背景にスーパーインポーズされるアプリケーションにおいて使用される。いくつかの実施例は、光学システムの内部画像平面に又はこれの近くに配置されるディスプレイデバイスを与えるべく使用される。例えば、上述の実施例のいずれも、カメラのビューファインダのための記号データディスプレイを与えるべく使用される。記号データが中間画像平面に投影された後ビューファインダ接眼部により拡大される。一実施例は、双眼又は単眼ディスプレイに適用される。もう一つの実施例も、立体映像装着可能ディスプレイに使用される。いくつかの実施例は、リアプロジェクションテレビに使用される。一実施例は、航空、産業及び医療ディスプレイに適用される。エンターテインメント、シミュレーション、バーチャルリアリティ、トレーニングシステム及びスポーツにも複数のアプリケーションが存在する。
【0175】
レーザ照明を使用する上述の実施例のいずれも、レーザ経路から接眼鏡への照明経路にある任意点に位置するレーザスペックルを除去するスペックル除去器デバイスを組み入れることができる。有利には、スペックル除去器は電子光学デバイスである。望ましくはスペックル除去器はHPDLCデバイスに基づく。
【0177】
以下の特許出願の全体がここに参照として組み入れられる。
本発明者による出願日2011年10月7日、名称「WIDE ANGLE COLOR HEAD MOUNTED DISPLAY」の、本出願人の包袋番号SBG106によっても参照される米国仮特許出願第61/627,202号、
国際出願日2008年7月22日、名称「LASER ILLUMINATION DEVICE」の国際出願第US2008/001909号、
名称「METHOD AND APPARATUS FOR PROVIDING A TRANSPARENT DISPLAY」の国際出願第US2006/043938号、
名称「COMPACT EDGE ILLUMINATED EYEGLASS DISPLAY」の国際出願第GB2010/001982号、
国際出願日2010年4月26日、名称「Compact holographic edge illuminated eyeglass display」の国際出願第GB2010/000835号、
出願日2010年11月2日、名称「APPARATUS FOR REDUCING LASER SPECKLE」の国際出願第GB2010/002023号、
出願日2005年11月4日、名称「SWITCHABLE VIEWFINDER DISPLAY」の米国特許出願第10/555,661号、
出願日2010年9月28日、名称「Eye Tracked Holographic Edge Illuminated Eyeglass Display」の米国仮特許出願第61/344,748号、
本発明者による名称「IMPROVEMENTS TO HOLOGRAPHIC POLYMER DISPERSED LIQUID CRYSTAL MATERIALS AND DEVICES」の、現時点で出願番号は入手不可能だが本出願人の包袋番号SBG104により参照される米国仮特許出願、
出願日2011年6月16日、名称「HOLOGRAPHIC BEAM STEERING DEVICE FOR AUTOSTEREOSCOPIC DISPLAYS」の米国仮特許出願第61/457,835号、
国際出願日2008年6月22日、名称「LASER ILLUMINATION DEVICE」の国際出願第US2008/001909号、
本出願人による出願日2010年11月2日、名称「APPARATUS FOR REDUCING LASER SPECKLE」の国際出願第GB2010/002023号、
本発明者による出願日2011年9月7日、名称「METHOD AND APPARATUS FOR SWITCHING HPDLC ARRAY DEVICES」の、本出願人の包袋番号SBG105Bによっても参照される米国仮特許出願第61/573,121号、
国際出願日2010年4月26日、名称「COMPACT HOLOGRAPHIC EDGE ILLUMINATED EYEGLASS DISPLAY」の(及び本出願人の包袋番号SBG073PCTによっても参照される)国際出願第GB2010/000835号、及び
本発明者による名称「IMPROVEMENTS TO CONTACT IMAGE SENSORS」の、現時点で出願番号は入手不可能だが本出願人の包袋番号SBG100により参照される米国仮特許出願である。
【0179】
一セットの実施例はマイクロテッセレーションを使用する。切り換え可能ブラッググレーティングデジレンズ(DigiLens(登録商標))の導波路デバイスを背景とするマイクロテッセレーショングレーティングの性能を以下で探査する。テッセレーションは、ギャップなしで一緒に嵌まり合う繰り返し形状の一パターンである。用語「テッセレーション」の使用は、テッセレーションパターンの単数要素について言及する。デジレンズ(DigiLens(登録商標))デバイスに関連するテッセレーションの実際的なアプリケーションにおいて、テッセレーションとは、テッセレーション要素間に実質的なギャップなしで複数のパターンを作ることも意味する。すなわち、ここでは、全体的なアパチャ充填率係数が高い。
【0180】
テッセレーション要素は、切り換え可能回折グレーティング(SBG)となる一つ又は複数の回折グレーティングの一領域(アパチャ)である。テッセレーションは、当該テッセレーションの複数領域すべてにわたり同時に光を回折する。回折グレーティングは、切り換え可能又は切り換え不能である。
【0181】
マイクロテッセレーション:これは、一の大きな主テッセレーション要素内に存在する一の小さなテッセレーションである。一の主テッセレーション内の複数のマイクロテッセレーションは、異なるグレーティング処方を有する。一の主テッセレーション要素内に存在する複数のマイクロテッセレーション要素はすべてが同時に光を回折する。テッセレーションの性能及びそのMTFへの影響が、初期の文献に記載されている。そこでは、単数のグレーティングがテッセレーションに書き込まれる。
【0182】
主テッセレーション構造内のマイクロテッセレーション
【0183】
興味ある性能の考慮は、MTF(解像度)及び視野角均一性である。
【0184】
タイル張りされた基板導波路(SGO)では、当該導波路に単数の視野角が存在する。任意の所与の時間的瞬間において、これは、全体的視野角の一部に対する視野角情報を有する。眼のディスプレイの場合、これは、SGOから取り出された投影視野の一部である。光取り出しグレーティングは、この視野角内容を、眼がこの視野角情報をアイボックスにわたって見ることができるように取り出す必要がある。好ましくは、アイボックス内のいずれの位置にある眼の瞳でも各視野角に対し及びすべての視野角に対し同じ放射束で取り出される。初期の研究で認識されているのは、大きなテッセレーションが優れたMTF(解像度)性能をもたらすこと、及びテッセレーションが小さくなればなるほど、眼の瞳での視野角放射照度が均一になることである。光取り出しグレーティング角度帯域は、視野角とともに出力光の減少を引き起こす。十分な解像度をもたらす最小テッセレーションサイズは、求められるシステム解像度に依存する。しかしながら、幅(又は直径)0.5mmから1mmという最小テッセレーションのアパチャサイズは、一実施例において大きなアパチャが好ましい場合、近似的に解像度0.7から1.4lp/mrをサポートする必要がある。これは特に、高い空間周波数性能に影響を与える。
【0185】
テッセレーションは、回折状態にある場合に、当該テッセレーションアパチャ領域にあるすべての箇所で同時に光を回折的に取り出す光取り出しグレーティングの一領域である。テッセレーション内の領域は、一つのグレーティング処方又は複数のグレーティング処方を包含する。この複数グレーティング処方は、グレーティングを多重化する(複数のグレーティング処方がテッセレーションの同じエリアを共有する)か又は当該テッセレーションの、単数のグレーティングのみが書き込まれる空間的に別個の領域を有することによって達成される。マイクロテッセレーションは、他の小さなテッセレーションエリアと同時に切り換えられる小さなテッセレーションである。空間的に別個のマイクロテッセレーション(μT)は以下のように精査される。
【0186】
μTグレーティングは、近隣のμT(視野角において)と重なる角度帯域を有するように設計される。一実施例における所与の視野角に対してマイクロテッセレーションをモデル化することを以下に説明する。考慮すべき一つのケースは、異なる視野角が異なる箇所で出力されるようにするマイクロテッセレーションのFoV重畳である。考慮すべきもう一つのケースは、多重マイクロテッセレーションからの所与の視野角に対する眼の瞳の均等放射照度である。多重マイクロテッセレーションから均等に光を出力する視野角も存在するので、眼の瞳の同じ放射照度が得られる。仮定されるのは、このとき、眼の瞳の放射照度が少ないか又はこれを有しないマイクロテッセレーションが存在することである。トップハットモデルが、このケースをモデル化するのに適切である。
【0187】
多重マイクロテッセレーションからの所与の視野角に対する眼の瞳の不均等な放射照度が調査される。このケースをモデル化するべく、不均等アパチャ重みづけをモデル化することが必要となる。任意の所与の単数視野角に対しては、マイクロテッセレーションからマイクロテッセレーションへの出力は滑らかな関数とはならず、むしろステップ状関数となる。これは、以下の空間分布プロットに示される。
【実施例】
【0188】
以下のモデル化は、アパチャ充填率25%、50%及び75%に対する均等放射照度のケースをまず評価した。視野角のケースのほとんどはトップハットではないので、異なるマイクロテッセレーションに対する代表的な視野角重みづけ関数によって評価する必要がある。
【0189】
典型的な角度分布が
図42Aに示される。対応する空間分布が
図42Bに示される。ケースAにおいて、この視野角に対するトップハット関数はアパチャ充填率50%を与える。ケースBにおいて、複数のタイルは異なる重みづけを有する。したがって、アパチャはトップハット関数とはならない。なお、マイクロテッセレーションは、示される正方形又は順序である必要はなく、かつ、2D分布のような任意の形状又は順序を有し得る。
【0190】
構造化されかつランダムな配列が調査された。以下の図は、非ランダムの規則的繰り返しマイクロテッセレーションパターンを示す。
【0191】
図43は、MTF曲線(
図43A)及び3Dレイアウト図を例示する。
図43Bは、アパチャ充填率50%の効果を示す。ピッチ100μmのアパチャ50μm、眼の瞳3mmである。ピッチ40μmのアパチャ10μm(充填率係数25%)及び緑色光(532nm)のみが仮定された。得られた周波数空間における高変調に留意する。
図44は、アパチャ充填率25%の効果を示す。ピッチ40μmのアパチャ10μm、眼の瞳3mmである。MTF及び3Dレイアウトのプロットが与えられる。ピッチ40μmのアパチャ10μm(充填率係数25%)である。緑(532nm)が仮定される。
図45は、アパチャ充填率50%の効果を示す。ピッチ250μmのアパチャ125μm、眼の瞳3mmであり、MTFプロット(
図45A)及びフットプリント図(
図45B)を使用する。ピッチ250μmのストライプアパチャ125μm(充填率係数50%)及び緑(532nm)が仮定される。非ランダムの規則的周期構造が、角度周波数の興味範囲全体にわたって、MTFの瞬間的降下を示す。典型的には1.4cyc/mrである。
【0192】
次に、ランダムなマイクロテッセレーションパターンが考慮された。周期的アパチャ関数からの結果はMTFの「孔」を示す。以下において、マイクロテッセレーションを使用しての眼の瞳充填のランダム化を調査する。充填率25%、50%及び75%のテッセレーション%が考慮される。この初期分析のために、テッセレーションが眼の瞳の100%となるように考慮された。後のケースでは、眼の瞳3mmとともにマイクロテッセレーションを包含する1mm正方形のテッセレーションが考慮される。
【0193】
以下の例示は、50ミクロンのマイクロテッセレーションの特性を示す。
図46Aは、眼の瞳3mmにある50μmのマイクロテッセレーションのアパチャ充填率75%の効果を示すフットプリント図である。
図46Bは、眼の瞳3mmにある50μmのマイクロテッセレーションのアパチャ充填率75%の効果を示すMTFプロットである。
図47Aは、眼の瞳3mmにある50μmのマイクロテッセレーションのアパチャ充填率50%の効果を示すフットプリント図である。
図47Bは、眼の瞳3mmにある50μmのマイクロテッセレーションのアパチャ充填率50%の効果を示すMTFプロットである。
図48Aは、眼の瞳3mmにある50μmのマイクロテッセレーションのアパチャ充填率25%の効果を示すフットプリント図である。
図48Bは、眼の瞳3mmにある50μmのマイクロテッセレーションのアパチャ充填率25%の効果を示すMTFプロットである。
【0194】
次に、125ミクロンのマイクロテッセレーションが調査された。
図49Aは、125μmのマイクロテッセレーション、眼の瞳3mmのアパチャ充填率75%の効果を示すフットプリント図である。
図49Bは、125μmのマイクロテッセレーション、眼の瞳3mmのアパチャ充填率75%の効果を示すフットプリント図である。
図50Aは、125μmのマイクロテッセレーション、眼の瞳3mmのアパチャ充填率50%の効果を示すフットプリント図である。
図50Bは、125μmのマイクロテッセレーション、眼の瞳3mmのアパチャ充填率50%の効果を示すMTFプロットである。
図51Aは、125μmのマイクロテッセレーション、眼の瞳3mmのアパチャ充填率25%の効果を示すフットプリント図である。
図51Bは、125μmのマイクロテッセレーション、眼の瞳3mmのアパチャ充填率25%の効果を示すMTFプロットである。
【0195】
次に、マイクロテッセレーション250ミクロンが調査された。
図52Aは、250μmのマイクロテッセレーション、眼の瞳3mmのアパチャ充填率75%の効果を示すフットプリント図である。
図52Bは、250μmのマイクロテッセレーション、眼の瞳3mmのアパチャ充填率75%の効果を示すフットプリント図である。
図53Aは、250μmのマイクロテッセレーション、眼の瞳3mmのアパチャ充填率50%の効果を示すフットプリント図である。
図53Bは、250μmのマイクロテッセレーション、眼の瞳3mmのアパチャ充填率50%の効果を示すMTFプロットである。
図54Aは、250μmのマイクロテッセレーション、眼の瞳3mmのアパチャ充填率25%の効果を示すフットプリント図である。
図54Bは、250μmのマイクロテッセレーション、眼の瞳3mmのアパチャ充填率25%の効果を示すMTFプロットである。
【0196】
眼の瞳の直径よりも小さなテッセレーション及びマイクロテッセレーションも調査された。
図55Aは、眼の瞳の直径3mmを使用した、125μmのマイクロテッセレーションの充填率50%となる1mmのテッセレーションの効果を示すフットプリント図である。
図55Bは、眼の瞳の直径3mmを使用した、マイクロテッセレーション125μの充填率50%となる1mmのテッセレーションの効果を示すMTFプロットである。
図56Aは、眼の瞳の直径3mmを使用した、125μmのマイクロテッセレーションの充填率50%となる1.5mmのテッセレーションの効果を示すフットプリント図である。
図56Bは、眼の瞳の直径3mmを使用した、125μmのマイクロテッセレーションの充填率50%となる1mmのテッセレーションの効果を示すフットプリント図である。
図57Aは、眼の瞳の直径3mmを使用した、125μmのマイクロテッセレーションの充填率50%となる1mmのテッセレーションの効果を示すフットプリント図である。
図57Bは、眼の瞳の直径3mmを使用した、125μmのマイクロテッセレーションの充填率50%となる1mmのテッセレーションの効果を示すMTFプロットである。
【0197】
空間的にランダムな可変透過率アパチャが調査された。第1ステップは、モデルの妥当性、すなわちUDA(ユーザ定義アパチャ)からビットマップグレースケール透過アパチャへの変化をチェックすることである。直径3mmの眼の瞳において、水平方向ストライプは、アパチャ1.5mm(125μmのμT)にわたる。
【0198】
以下において、モデル化技術が比較される。UDA(ユーザ定義アパチャ)としての実装モデル、透過アパチャとしてビットマップモデルを使用した実装モデルである。ここで、ビットマップレベルはバイナリである。予測されるMTF結果は同じであるから、モデル化ツールも同等である。
図58Aは、UDAのMTFプロットを示す。
図58Bは、ビットマップアパチャ関数を示す。
【0199】
図59は、可変透過率及び眼の瞳3mmによってランダムに位置決めされた125μmのマイクロテッセレーションを使用した1.0mmのテッセレーションを示す。可変アパチャ透過率の使用により、(テッセレーションの大部分である)非トップハットモデルのケースを良好に表すようにモデルを改善することができる。DE値0%、50%及び100%は、
図59Aに示される視野角のケースと同等である。
【0200】
これが、3つの重畳グレーティングの空間的に可能な限り最も広いケースを表すことに留意する。すなわち、視野角が、主テッセレーションエリアの75%によって出力される(2つのマイクロテッセレーションからの寄与が50%存在するにもかかわらず)。4タイルタイプがここに表される。透過率の値は、50%、100%、50%、0%であった。マイクロテッセレーションのアパチャは125μm正方形である。グリッドは8×8ピクセルであった。よって、テッセレーションのアパチャは1mm×1mm正方形である。
【0201】
図60は、可変透過率及び眼の瞳3mmでランダムに位置決めされた125μmのμTを使用した1.0mmのテッセレーションの効果を示すMTFプロットである。なお、上の囲み領域内の空間周波数が、アパチャ充填率50%と75%とのピクセル125μmに対するトップハット予測に関連する図に示される予測の間となる。下の囲み領域内に示される高い空間周波数が、主テッセレーション形状の影響を最も受ける。読み手は、アパチャ充填率50%に対して示される図を参照する。アパチャ充填率75%に対してMTFの改善が存在することにも留意すべきである。
【0202】
次に
図61を参照すると、可変透過率及び眼の瞳3mmでランダムに位置決めされた125μmのマイクロテッセレーションを使用した1.5mmのテッセレーションが考慮された。4つの異なるタイルタイプが
図61に表される。透過率の値は、50%、100%、50%、0%であった。マイクロテッセレーションのアパチャは125μm正方形であった。グリッドは12×12ピクセルである。よって、テッセレーションのアパチャは1.5mm×1.5mm正方形である。
【0203】
図62は、可変透過率及び眼の瞳3mmでランダムに位置決めされた125μmのマイクロテッセレーションを使用した1.5mmのテッセレーションの効果を示すMTFである。高い空間周波数が、主テッセレーション形状による影響を最も受けることに留意すべきである。よって、基本となるテッセレーションを1.0mmから1.5mmに増加させることによって、高周波数応答が改善された。
【0204】
まとめ:
a)マイクロテッセレーションの回折効果を考慮する必要がある。
b)マイクロテッセレーションの回折効果は、基本となる主テッセレーションパターンの回折効果とは別個である。
c)μTの使用は、マイクロテッセレーションを包含しない単数テッセレーションの使用と比較してMTFを劣化させる。しかしながら、マイクロテッセレーションにより、テッセレーションは大きな角度帯域を有することができる。これによって、所望のテッセレーション数が全体的に低減される。そして、これにより大きなテッセレーションが許容される。
d)μTの規則的パターンが、MTF周波数応答の許容不可能な瞬間的降下を引き起こすMTF変調を引き起こす。
e)MTFの瞬間的降下は、マイクロテッセレーションを空間的にランダムに配列することによって平均してならすことができる。なお、合理的なランダム配列を許容できる程度にμTを十分小さくする必要がある。μT幅に対する比が約8:1のテッセレーションが十分なようであるが、これは十分に探査されてきたわけではない。
f)μTの実装を成功させるには、テッセレーション間の視野角重畳量が極めて重要である。モデル化されたケースにおいて、マイクロテッセレーションのABW(角度帯域)は、テッセレーションABW全体の少なくとも1/2である。重畳が大きいほど、これが所与の視野角に対する利用可能アパチャを効率的に増加させるので、MTF性能の改善がもたらされる。
g)異なるグレーティング構成に対するトレードオフのケースをモデル化するツールがここに確立される。
【0205】
一のテッセレーションにわたる空間的ランダム配列によるマイクロテッセレーション構造の実装が、追加的な設計柔軟性を与える。実際、MTFを犠牲にしてテッセレーション角度帯域(ABW)が向上する。結論が示すのは、マイクロテッセレーション特徴のランダム配列により、非ランダムのパターンに見出されるMTF振動の均質化(おおよその平均化)が許容されるということである。さらに、興味の少ない空間周波数のMTFを、改善されたテッセレーションABWに対して犠牲とすることができる。関連する重畳グレーティングについて異なるケースも考慮される。マイクロテッセレーションによりサポートされるMTFは、マイクロテッセレーションのサイズ及び重畳%に依存する。重畳テッセレーションの代表的なケースのABWを、所望のアーキテクチャをサポートすることが望まれる折り畳みグレーティングとの関連で詳細に考慮する必要がある。特徴サイズ50μm、125μm及び250μmを有するマイクロテッセレーションが、眼の瞳が3mm及び0.5mm、1.0mm並びに3mm未満のサイズの主テッセレーション要素を背景として考慮されている。これらは、ニアアイディスプレイを背景として動作させるには実用的な数である。しかしながら、テッセレーションは任意のサイズ又は形状であり、マイクロテッセレーションは当該主テッセレーションよりも小さい任意のサイズ又は形状である。
【0206】
次に、テッセレーションパターンの照度均一性分析が行われた。
図63を参照すると、1mmのテッセレーションを含むケース1が考慮された。重畳ごとに充填される基準設計が図に示される。
図63は、6層、12タイル、モノクロ基準設計を表す。アパチャ充填率50%の単数タイルが仮定された。さらに仮定されたのは、アイレリーフ17mm、眼の瞳3mm、6層のモノクロ基準設計、1mmのテッセレーション、及びオフセット基準設計である。単位セルは2×3である。重畳は
図63に示されるように、タイル張りされた重畳パターンを生成する。1mmのテッセレーションでは、最小から最大までの最高の均一性は、アパチャ充填率50%で±12%、すなわち均一性変動±12%=24%p−pである。
【0207】
図64は、アイレリーフ30mmの眼の瞳3mmに対して軸上で繰り返されるケース1bを示す。アイレリーフは、変動に係る空間周波数に影響を与える。アイレリーフが大きいほど、空間周波数のリップルが高くなる。均一性の大きさは影響を受けない。最大のリップルは瞳充填率56.6%である。最小のリップルは瞳充填率43.4%である。均一性は、±13.2%、ピークツーピークで26.4%である。
【0208】
図65は、1mmのテッセレーション、最適化充填率のケース2を示す。図は、グレーティング位置が再び最適化された6層、12タイルのモノクロ基準設計を表す。単数タイルがアパチャ充填率50%を有する。3mmの眼の瞳及び1mmのテッセレーションが仮定された。テッセレーションは空間的に均一である。
【0209】
図66は、最大及び最小の状況を考慮するケース2を例示する。最小45.1%及び最大54.9%に対応するフットプリント図が示される。1mmのテッセレーションでは、最小から最大までの最高の均一性は、アパチャ充填率50%で±5%、すなわち均一性変動±10%(20%p−p)である。
【0210】
図67は、アパチャ充填率50%、軸外での0.5mmのテッセレーションのケース3を例示する。
図67は、6層、12タイル、モノクロ基準設計を表すが、テッセレーションは0.5mmである。単数タイル、アパチャ充填率50%及び眼の瞳3mmが仮定される。この計算は、0.5mm幅テッセレーションでのアパチャ充填率50%を模擬する。リップルは、最大=50.4、最小=49.6として計算される。リップルの大きさは約±0.8%(1.6%P−P)である。測定された視野角範囲は、約11度から24度であった。リップル周波数は、1.25度に対して約1サイクルである。
【0211】
図68は、アパチャ充填率50%、軸上での0.5mmのテッセレーションのケース3bを例示する。
図68は、6層、12タイル、モノクロ基準設計を表すが、テッセレーションは0.5mmである。単数タイル、アパチャ充填率50%及び眼の瞳3mmが仮定された。これは、0.5mm幅テッセレーションでのアパチャ充填率50%を模擬する。リップルは、最大=50.9、最小=49.6として計算された。リップルの大きさは約±1.5%(3%P−P)である。測定された視野角範囲は、約±6.5度であった。軸外では、テッセレーションが短縮されるので、均一性が改善される。リップル周波数は1.25度に対し約1サイクルである。
【0212】
図69は、眼の瞳4mm、テッセレーション0.5mm、アパチャ充填率50%を例示する。図面に示されるように、特性は最大51.97%、最小48.03%及びリップル±2%(=4%p−p)である。
【0213】
図70は、眼の瞳3mm、アパチャ充填率33%(3層、9タイルタイプ)を例示する。
図70は、3層、9タイル、モノクロ基準設計を表すが、テッセレーションは0.5mmである。アパチャ充填率33%及び眼の瞳3mmの単数タイルが仮定された。リップルは、最大値=36.9、最小値=30.4で計算された。リップルの大きさは約6.5%/33%=±9.75%(=19.5%P−P)である。リップル周波数は、5度に対し約1サイクルである。
【0214】
図71は、眼の瞳4mm、アパチャ充填率33%(3層、9タイルタイプ)を例示する。単数タイル、アパチャ充填率33%及び眼の瞳4mmが仮定された。リップルは、最大=35、最小=30.8として計算された。リップルの大きさは約4.2%/33%=±6.3%=12.6%P−Pである。リップル周波数は、5度に対し約1サイクルである。
【0215】
図72は、眼の瞳3mm、アパチャ充填率33%(3層、9タイルタイプ)を例示する。単数タイル、アパチャ充填率33%及び眼の瞳3mmが仮定された。計算された特性は、リップル最大値35.2%、リップル最小値29.7%、均一性5.5%/33.3%=±8.25%=16.5%である。
【0216】
図73は、単位セルがどのようにして均一分布パターンを形成するのかを例示する。
【0217】
図74は、眼の瞳4mm、アパチャ充填率33%(3層、9タイルタイプ)を使用する実施例の再計算である。このためには、パターンは、均一コラムオフセットが0.5ピクセルとなる1×3単位セルを有する必要がある。
【0218】
均一コラム1/2ピクセルオフセットを使用するグリッド分布は、さらに均一な分布を与える。計算された特性は、リップル最大値35.0%、リップル最小値31.0%、均一性4.0%/33.3%=±6%=12%である。
【0219】
図75は、眼の瞳4mm、アパチャ充填率33%(3層、9タイルタイプ)を例示する。この実施例のためには、パターンは、均一コラムオフセットが0.5ピクセルとなる1×3単位セルを有する必要がある。
【0220】
均一コラム1/2ピクセルオフセットを使用するグリッド分布は、さらに均一な分布を与える。計算された特性は、リップル最大値34.6%、リップル最小値32.7%、均一性1.9%/33.3%=±2.85%=5.7%である。
【0221】
マイクロテッセレーション原理に基づく一連の基準設計が開発され、以下にまとめられる。
1.基準設計
・モノクロ、6層、12タイル(アパチャ充填率50%)、1mmのテッセレーション
・眼の瞳3mm、均一性24%
2.再最適化グレーティング位置を異なる層に有する基準設計
・モノクロ、6層、12タイル(アパチャ充填率50%)、1mmのテッセレーション
・眼の瞳3mm、均一性20%
3.0.5mmのテッセレーションを使用する基準設計
・モノクロ、6層、12タイル(アパチャ充填率50%)、0.5mmのテッセレーション
・眼の瞳3mm、視野角にわたる約3%から2%の均一性
4.眼の瞳3mm(標的:C 屋外AR)
・3層、9タイル(アパチャ充填率33%)、0.5mmのテッセレーション
・16.5%までの均一性
5.眼の瞳4mm(標的:C 屋内映画)
・3層、9タイル(アパチャ充填率33%)、0.5mmのテッセレーション
・12%までの均一性
【0222】
単数タイルのアパチャ充填率50%を達成することにより、均一アパチャ充填率33%よりも著しく改善された均一性が得られる(眼の瞳3mm上で約5倍の均一性改善である)。アパチャ充填率50%に対しては、0.5mmのテッセレーションが、1mmのテッセレーションよりも著しく良好な性能、すなわち眼の瞳3mmに対して3%対20%であった。9タイルに対するアパチャ充填率50%は、「4.5」(すなわち5層)を必要とする。
【0223】
視野角に関する眼の瞳の放射照度均一性が、主テッセレーション要素のサイズが減少し、かつ、主テッセレーション要素アパチャ充填率が増加することで改善される。所与の層のタイルタイプ密度が減少すると、視野角に関する放射照度均一性が改善されることに留意する。タイルタイプが少なくなればなるほど、任意の単数の主テッセレーション要素タイプアパチャ充填率が増加するからである。主テッセレーション要素のサイズが減少するとMTF(解像度)が劣化する。主テッセレーション要素のサイズが減少し、かつ、主テッセレーション要素タイプの密度が増加すると、不規則パターンが生じることに留意する。そして、これにより、主テッセレーションのMTF均質化、及び放射照度角度均一性視野角リップル周波数を変化させる機会が許容される。主テッセレーションのアパチャ内での小さな(マイクロテッセレーション)の使用により、主テッセレーション要素の全体的な角度帯域が改善され、それゆえ、所望の主テッセレーション要素タイプの数を低減する機会が与えられる。
【0224】
参考文献
【0225】
以下の特許出願の全体がここに参照として組み入れられる。
本発明者による出願日2011年10月7日、名称「WIDE ANGLE COLOR HEAD MOUNTED DISPLAY」の、本出願人の包袋番号SBG106によっても参照される米国仮特許出願第61/627,202号、
出願日2008年7月22日、名称「LASER ILLUMINATION DEVICE」の国際出願第US2008/001909号、
名称「METHOD AND APPARATUS FOR PROVIDING A TRANSPARENT DISPLAY」の国際出願第US2006/043938号、
名称「COMPACT EDGE ILLUMINATED EYEGLASS DISPLAY」の国際出願第GB2010/001982号、
国際出願日2010年4月26日、名称「Compact holographic edge illuminated eyeglass display」の国際出願第GB2010/000835号、
出願日2010年11月2日、名称「APPARATUS FOR REDUCING LASER SPECKLE」の国際出願第GB2010/002023号、
出願日2005年11月4日、名称「SWITCHABLE VIEWFINDER DISPLAY」の米国特許出願第10/555,661号、
出願日2010年9月28日、名称「Eye Tracked Holographic Edge Illuminated Eyeglass Display」の米国仮特許出願第61/344,748号、
本発明者による名称「IMPROVEMENTS TO HOLOGRAPHIC POLYMER DISPERSED LIQUID CRYSTAL MATERIALS AND DEVICES」の、現時点で出願番号は入手不可能だが本出願人の包袋番号SBG104により参照される米国仮特許出願、
出願日2011年6月16日、名称「HOLOGRAPHIC BEAM STEERING DEVICE FOR AUTOSTEREOSCOPIC DISPLAYS」の米国仮特許出願第61/457,835号、
国際出願日2008年7月22日、名称「LASER ILLUMINATION DEVICE」の国際出願第US2008/001909号、
本発明者による出願日2010年11月2日、名称「APPARATUS FOR REDUCING LASER SPECKLE」の国際出願第GB2010/002023号、
本発明者による出願日2011年9月7日、名称「METHOD AND APPARATUS FOR SWITCHING HPDLC ARRAY DEVICES」の、本出願人の包袋番号SBG105Bによっても参照される米国仮特許出願第61/573,121号、
国際出願日2010年4月26日、名称「COMPACT HOLOGRAPHIC EDGE ILLUMINATED EYEGLASS DISPLAY」(及び本出願人の包袋番号SBG073PCTによっても参照される)国際出願第GB2010/000835号、
本発明者による名称「IMPROVEMENTS TO CONTACT IMAGE SENSORS」の、現時点で出願番号は入手不可能だが本出願人の包袋番号SBG100により参照される米国仮特許出願、
出願日2011年9月16日、名称「Holographic wide angle near eye display」(SBGラボ参照番号SBG106A)の米国仮特許出願第61/573,156号、
出願日2011年9月19日、名称「Holographic wide angle near eye display」(SBGラボ参照番号SBG106B)の米国仮特許出願第61/573,175号、
出願日2011年9月19日、名称「Holographic wide angle near eye display」(SBGラボ参照番号SBG106C)の米国仮特許出願第61/573,176号、
出願日2011年9月25日、名称「Further improvements to holographic wide angle near eye display」 (SBGラボ参照番号SBG106D)の米国仮特許出願第61/573,196号、
出願日2011年10月7日、名称「Wide angle color head mounted display」(SBGラボ参照番号SBG106)の米国仮特許出願第61/627,202号、
出願日2012年4月25日、名称「Improvements to holographic wide angle head mounted display」 (SBGラボ参照番号SBG109)の米国仮特許出願第61/687,436号
【0226】
結論特許、特許出願、記事、書籍、学術論文及びウェブページを含むがこれらに限られない本願で引用された文献等のマテリアルはすべて、かかる文献等のマテリアルのフォーマットにかかわらず、その全体が明示的に参照として組み入れられる。組み入れられた文献等のマテリアルの一以上が、定義された用語、用語の用法、記載の技術等を含むがこれらに限られない本願と異なり又は矛盾する場合、本願が優先される。
【0227】
本教示が様々な実施例とともに記載されてきたが、本教示がかかる実施例に限定されることを意図しない。それどころか、本教示は、当業者が理解する様々な代替例、修正例及び均等例を包含する。
【0228】
本発明の様々な実施例がここに記載されかつ例示されてきたが、当業者は、ここに記載された機能を果たすこと並びに/又は結果及び/若しくは一以上の利点を得るべく様々な他の手段及び/又は構造を容易に予見し、かかる変形例及び/又は修正例はそれぞれが、ここに記載された本発明の実施例の範囲内にあるものとみなされる。さらに一般には、当業者が容易に理解するように、ここに記載されたパラメータ、寸法、材料及び構成すべてが例示を意図したものであり、かつ、実際のパラメータ、寸法、材料及び/又は構成が、本発明の教示が使用される特定の単数又は複数のアプリケーションに依存する。当業者は、ここに記載された本発明の特定実施例に対する多くの均等例を理解する。したがって、理解すべきなのは、上述の実施例が例示のみにより提示されていること、並びに、添付の請求項及びその均等物の範囲内において、具体的に記載されかつ請求されているものとは異なる態様で本発明の実施例を実施できるということである。本開示の本発明の実施例は、ここに記載された各個別の特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法に関する。加えて、かかる特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法の2以上の任意の組み合わせは、かかる特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法が互いに矛盾しない場合には、本開示の本発明の範囲内に含まれる。
【0229】
また、ここに記載された技術は、少なくとも一つの例が与えられる方法として具体化することができる。本方法の一部として行われる動作は任意の適切な態様で順序づけられる。したがって、例示されたものとは異なる順序で動作が行われる複数の実施例を構築することができる。これらは、例示の実施例では逐次的な動作として示されているとしても、いくつかの動作を同時に行うことも含む。
【0230】
ここに定義され及び使用される定義すべては、辞書の定義、参照として組み入れられる書類での定義及び/又は定義された用語の通常の意味に対して支配的であると理解すべきである。
【0231】
本明細書において及び本請求項において使用される「一」及び「一の」との不定冠詞は、そうではないと明示されない限り、「少なくとも一つ」を意味するものと理解すべきである。ここに引用されるいずれの範囲も包括される。
【0232】
本明細書を通じて使用される用語「実質的に」及び「約」は、小さな変動を記載及び説明するべく使用される。例えば、これらは、±5%以下を言及し得る。例えば、±2%以下、±1%以下、±0.5%以下、±0.2%以下、±0.1%以下、±0.05%以下である。
【0233】
本明細書において及び本請求項において使用されるフレーズ「及び/又は」は、連接する要素、すなわち、いくつかの場合において結合して存在し及び他の場合において分離して存在する要素の「一方又は双方」を意味するものと理解すべきである。「及び/又は」によって列挙される多重要素は、同じ態様に、すなわち、連接する要素の「一以上」として解釈すべきである。「及び/又は」節によって具体的に特定された要素以外の他の要素も、その具体的に特定された要素と関連するか否かにかかわらず、オプションとして提示され得る。したがって、非制限的な例として、「A及び/又はB」との言及は、「含む」のようなオープンエンド語とともに使用される場合、一実施例においてAのみ(オプションとしてB以外の要素も含む)、もう一つの実施例においてBのみ(オプションとしてA以外の要素も含む)、さらにもう一つの実施例においてAとB双方(オプションとして他の要素も含む)等を言及することができる。
【0234】
本明細書において及び本請求項において使用されているように、「又は」は、上述の「及び/又は」と同じ意味を有するものと理解すべきである。例えば、列挙にある項目を分離する場合の「又は」又は「及び/又は」は、包括的なもの、すなわち、所定の数又は列挙の要素及びオプションとして列挙されていない追加項目の少なくとも一つも含み、一超過もまた含むものとして解釈すべきである。「一つのみの」若しくは「正確に一つの」のように又は請求項において「からなる」として使用される場合に、そうではないと明示されている用語のみが、所定の数又は列挙の要素の正確に一つの要素を含むことを言及する。一般に、ここに使用される用語「又は」は、「いずれか」、「一つの」、「一つのみの」又は「正確に一つの」のような排他的な用語が先行する場合、排他的な代替例(すなわち「一方又は他方だが双方ではない」)を示すものとしてのみ解釈すべきである。請求項において使用される場合の「本質的に〜からなる」は、特許法の分野で使用される通常の意味を有する。
【0235】
本明細書において及び本請求項において使用されるように、一以上の要素の列挙に関連するフレーズ「少なくとも一つ」は、当該要素の列挙にある要素の任意の一以上から選択される少なくとも一つの要素を意味するが、当該要素の列挙内に具体的に列挙される各要素の少なくとも一つを必ずしも含むわけではなく、かつ、当該要素の列挙にある要素の任意の組み合わせを除外するわけではないものと理解すべきである。この定義はまた、フレーズ「少なくとも一つ」が言及する当該要素の列挙内で具体的に特定される要素以外の複数の要素が、具体的に特定される要素に関連するか否かにかかわらず、オプションとして存在し得ることも許容する。したがって、非制限的な例として、「A及びBの少なくとも一つ」(又は等価的に「A又はBの少なくとも一つ」若しくは等価的に「A及び/又はBの少なくとも一つ」)は、一実施例において、Bが存在しないままの(及びオプションとしてB以外の要素も含む)少なくとも一つの、オプションとして一超過を含むA、もう一つの実施例において、Aが存在しないままの(及びオプションとしてA以外の要素も含む)少なくとも一つの、オプションとして一超過を含むB、さらにもう一つの実施例において、少なくとも一つの、オプションとして一超過を含むA、かつ、少なくとも一つの、オプションとして一超過を含むB(及びオプションとして他の要素も含む)等を言及することができる。
【0236】
本請求項においては、上述の本明細書におけるのと同様、「含む」、「有する」、「包含する」、「伴う」、「保持する」、「からなる」等のような伝統的なフレーズはすべて、オープンエンドとして、すなわち含むが限られるものではないことを意味するものと理解するべきである。伝統的なフレーズ「からなる」及び「本質的に〜からなる」のみがそれぞれ、米国特許庁特許審査基準セクション2111.03に規定されるクローズ又はセミクローズの伝統的なフレーズとなる。
【0237】
本請求項は、その旨の記載がない限り、記載された順序又は要素に限られるものとして読んではならない。添付の本請求項の要旨及び範囲から逸脱することなく、当業者の一により形態及び詳細の様々な変更がなされ得ることを理解するべきである。以下の請求項の要旨及び範囲内にあるすべての実施例並びにその均等物が請求される。