(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6238973
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】地盤移動に耐えられるモジュール式基礎
(51)【国際特許分類】
E02D 27/01 20060101AFI20171120BHJP
【FI】
E02D27/01 101Z
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-515978(P2015-515978)
(86)(22)【出願日】2012年6月5日
(65)【公表番号】特表2015-518931(P2015-518931A)
(43)【公表日】2015年7月6日
(86)【国際出願番号】NZ2012000082
(87)【国際公開番号】WO2013184005
(87)【国際公開日】20131212
【審査請求日】2015年6月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】514309424
【氏名又は名称】ブレー,チャールズ,コールダー
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】ブレー,チャールズ,コールダー
【審査官】
亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−336195(JP,A)
【文献】
特開2010−203224(JP,A)
【文献】
特開平08−013611(JP,A)
【文献】
特開2010−266147(JP,A)
【文献】
実開昭60−043890(JP,U)
【文献】
特開2011−117230(JP,A)
【文献】
特開平07−189238(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0098678(US,A1)
【文献】
特開平04−034123(JP,A)
【文献】
特表2012−503563(JP,A)
【文献】
特表2009−533238(JP,A)
【文献】
特表2012−507647(JP,A)
【文献】
特開平10−280431(JP,A)
【文献】
特表2012−508024(JP,A)
【文献】
特表2007−505794(JP,A)
【文献】
実開昭64−047832(JP,U)
【文献】
米国特許第5281055(US,A)
【文献】
米国特許第7216603(US,B2)
【文献】
米国特許第8011159(US,B1)
【文献】
米国特許第6219981(US,B1)
【文献】
米国特許第7793466(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 27/00、27/01、
E02D 27/34、27/38
E04B 1/343、5/32
E04H 9/00−9/16
E04G 21/14−21/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレハブ・モジュール式建築物のための2つ以上のモジュールから成る基礎であって、該2つ以上のモジュールは、広くて剛性の、強化された下部表面板を含み、該下部表面板は、接置状態で下地上に置かれる最下部露出面および内部面を有するものであり、その板の所定の位置に外周梁、内部垂直突部および横断肋材を含む群から選択される少なくとも1つの剛性離隔手段が同時に成形または鋳造され、すべてが共通の高さを共有することで、基礎の内部の少なくとも1つの包囲空間の高さを規定するものであり、広くて剛性の強化上部表面板が該剛性離隔手段上に成形または鋳造され、この強化上部表面板は内部面および最上部露出面を有し、少なくとも1つのモジュールの側面からは、基礎およびそれらの上に取付けられるプレハブ・モジュール式建築物を持ち上げるのに使用可能な外部連結器が突出し、該外部連結器は、前記少なくとも1つのモジュールを水平に貫通し、各端部において継手を有することを特徴とする、前記基礎。
【請求項2】
基礎が、2つ以上のモジュールから成り、より大きな総表面領域を形成するために、露出した側面に沿って留め具手段で互いに固定されることを特徴とする、請求項1に記載の基礎のためのモジュール。
【請求項3】
少なくとも1つのモジュールが、プレハブ式建築物を取付けるための留め具を有することを特徴とする、請求項1に記載の基礎のためのモジュール。
【請求項4】
前記少なくとも1つの包囲空間が密閉されることで、槽を形成し、槽には槽を液体で満たしたり空にしたりするためのシール可能な開口部が提供されることを特徴とした、請求項1に記載の基礎のためのモジュール。
【請求項5】
事前に製造された槽が包囲空間の中で密閉されることを特徴とする、請求項4に記載の基礎のためのモジュール。
【請求項6】
前記少なくとも1つの各包囲空間が、不活性の発泡材料で満たされていることを特徴とする、請求項1に記載の基礎のためのモジュール。
【請求項7】
各モジュールが、引張強度を提供するための内部の長尺金属ロッドによって強化される、注入されたコンクリート、下部表面板、上部表面板、および剛性離隔手段で作られることを特徴とする、請求項1に記載の基礎のためのモジュール。
【請求項8】
第1および第2表面板および前記剛性離隔手段は、回転成形プラスチック材料から成り、第1および第2表面板および剛性離隔手段は、単一のユニットとして成形されることを特徴とする、請求項1に記載の基礎のためのモジュール。
【請求項9】
前記少なくとも1つの空間は高さを有し、使用時に上部表面板から下部表面板へ荷重を伝達することが可能な、少なくとも1つの内部剛性部材で仕切られることを特徴とする、請求項8に記載の基礎のためのモジュール。
【請求項10】
基礎が、1つまたは2つ以上の端子部位を有し、これに飲料水、下水、雨水、電気、ケーブル、電話およびガスを含む群から選択される外部サービスを可逆的に接続することが可能であることを特徴とする、請求項7または8に記載の基礎のためのモジュール。
【請求項11】
プレハブ・モジュール式建築物が、プラスチック住宅であることを特徴とする、請求項1に記載の基礎のためのモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物、好ましくは、しかしこれに限定されるものではないが、プレハブ・モジュール式建築物のための土台構造物に関し、土台構造物または基礎パッドは、土壌または他の基盤層上の建築物(単数)または建築物(複数)を効果的に支持し、地震活動または凍結に起因するような土壌移動に対して比較的耐えることができる。
【背景技術】
【0002】
本発明者は既に、可溶性のプラスチック材料を回転オーブンにおいて単一の成形工程で回転成形することで作られる、直径5メートルオーダーの円形平面図住宅のための多数の発明を公開した。本発明者のPCT/NZ2008/000096は、それらの装置および工程について記載している。後の開発には、より大きな包囲空間を生み出すための真っ直ぐおよび湾曲したパネルのアセンブリを含む。
【0003】
すべての種類の住宅は、強固な基礎を常に必要とする。より正確な用語は脱水または圧密であるが、一般的には液状化と呼ばれる下地不良に関する数多くの報告が存在し、懸濁した沈泥が土壌表面上へ上昇し、2010〜2011年の地震被害で、ニュージーランド、クライストチャーチの一部の住宅に流れ込むという結果を招いた。多くの住宅の基礎が修復不可能なまでに倒壊した。これらの構造は、ねじれ力および単一方向の力を含む加えられた力に耐えられるほど十分な強度ではなかった。2010年、ハイチ、ポルトープランスにおいて、震災被害は町を荒廃させた。
【0004】
従来技術は、強化コンクリートを使用して作られた1個の肋材ラフト(rib raft)を含み、これはスチール構造物が下地に置かれてコンクリート保持手段によって囲まれる一方で、下地に向けて下方に伸びる内部補強肋材は、段ボール箱または発泡スチロールのブロックなどのコンクリート排除手段によって囲まれている。そして、強化材を含む大量の生コンクリートが、スチールおよび上部表面板の上に注入され、平らにされ、固定および硬化を可能にする。ここでは、連続的な下部表面板は存在しない。
【0005】
(a)これら繰り返された地震活動の発生の以前には許容可能だと考えられていた強度よりも十分に強度があり、(b)回転成形住宅またはその一部の形に構成された、強固な基礎を考案および提供する必要がある。
さらに、相性の良い材料、すなわち可溶性の住宅自体の構造のために使用されたプラスチック材料と相溶性のプラスチック材料、で作られた、回転成形住宅のための、強固な基礎を提供する必要がある。強固な基礎が輸送可能に作られる場合は、住宅を難民などのための一時的な居住施設として使用することができる。
【0006】
目的
住宅、特にプレハブ・モジュール式の住宅用の、液体収容手段を含むための厚さおよび能力を有する、頑丈な基礎を提供すること、または、少なくとも公衆に便利な選択を提供すること。その代りとして、持ち上げ可能で、土壌移動の後に再び水平を出すことが可能で、事象の際の構造的ダメージを受けることが比較的に起こらない、建築物のための基礎を提供すること。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】PCT/NZ2008/000096
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
第1の広義の態様において、本発明は、建築物のための1つまたは2つ以上のモジュールから成る基礎を提供し、該または各モジュールは、広くて剛性の、強化された下部表面板を含み、該下部表面板は、接置状態で最下部露出面および内部面とを有するものであり、その板の所定の位置に外周梁(peripheral beams)、内部垂直突部(internal vertical protrusions)および横断肋材(transverse ribs)を含む群から選択される少なくとも1つの剛性離隔手段(separating means)が同時に成形または鋳造され、すべてが共通の高さを共有することで、基礎の内部の少なくとも1つの空間の高さを規定するものであり、広くて剛性の強化上部表面板が該離隔手段上に成形または鋳造され、この強化上部表面板は内部面および最上部露出面を有し、前記または各モジュールは、取付け手段を有するものである。
【0009】
好ましくは、下部表面板、離隔手段および上部表面板は、すべての部分が結合した塊を形成するように、十分に同時に成形または鋳造される。
関連した態様において、基礎は1つ以上のモジュールから成り、すべてのモジュールは、より大きな総表面積を形成するために、露出側面に沿って取付け手段によって共に固定される。
【0010】
好ましくは、少なくともいくつかのモジュールには、基礎および基礎に取付けられた建築物を持ち上げるために使用可能な、持ち上げアタッチメントが提供されている。
任意選択的に、前記または各包囲空間は密閉され、それによって槽を形成し、槽には槽を液体で満たしたり空にしたりするためのシール可能な開口部が提供される。
1つの代替手段においては、事前に製造された槽が包囲空間の中で密閉される。
もう1つの代替手段において、前記または各包囲空間は、不活性の発泡材料で満たされる。
さらなる代替手段において、槽のために使用される空間に発泡材料土台を含むため、槽の内容物は、氷結する傾向が少ない。
【0011】
第1の態様において、各モジュールは、注入されたコンクリート、下部表面板、上部表面板、および、引張強度を提供するための内部の長尺金属ロッドによって強化される剛性離隔手段から成る。
第2の態様において、第1および第2表面板および剛性離隔手段は、回転成形プラスチック材料から成り、任意に適切な箇所を厚くすることによって強化され、第1および第2表面板および剛性離隔手段は、単一のユニットとして成形される。
【0012】
関連する態様において、高さを有する前記または各空間は、回転成形プラスチック材料で、少なくとも部分的に、作られた、使用時に上部表面板から下部表面板へ荷重を伝達することが出来る内部剛性部材で仕切られる。
任意に、基礎のためのモジュールは、1つまたは2つ以上の端子部位を有し、これには、飲料水、下水、雨水、電気、ケーブル、電話およびガスを含む群から選択される外部サービスが可逆的に接続され得る。
【0013】
第2の広義の態様において、本発明は、回転成形方法を提供し、その方法によって、回転成形基礎モジュール内に前記した少なくとも1つの内部剛性
部材が設けられるものであるが、この方法は以下のステップを含むものであり、そのステップは、上部および下部シェルを有するモールドを提供すること、各シェルには複数の対応した開口が、内部
剛性部材が設けられる位置に開けられており、最終的な内部空間の高さより大きな長さを有する複数の熱伝導性金属ロッドを提供すること、および複数の、内部空間の高さと同じ長さを有し、モールド内の各導電性金属ロッドに被せて接置される、選択された熱可塑性の粉末と接着するような選択された軟化温度を有する熱可塑性プラスチック材料のパイプを提供すること、というステップおよび、
【0014】
a)モールドの1つのシェルの各開口部に、1つの導電性金属ロッドを設置するステップ、
b)モールドの内側の各導電性金属ロッドにプラスチックパイプを通して被せるステップ、
c)モールドの2つのシェルを閉じ、両方のシェルにおける対応する開口部を介して導電性金属ロッドが露出することを確実にするステップ、
d)注入された熱可塑性粉末の塊が、モールド内部の上で共に融合し、熱可塑性パイプと融合し、モールドの内側に包囲空間を形成し、閉じられた複数のプラスチックパイプによって架橋されるように、熱せられたオーブン内でモールドを回転させるステップ、および、
e)冷却が為された後にモールドを分離し、再利用のために金属ロッドを取り外し、モールドからモジュールを取り外すというステップとを含む。
【0015】
好ましい実施態様
ここで説明および図示される例は、例として与えられるものであるが、本発明の範囲または精神を限定するものではない。特に、用語“上部”および“下部”は、通常の方向性を示す。本明細書を通して、本文で強制されない限り、単語“含む”(comprise)およびその変化である“含んでいる”(comprising)または“含む”(comprises)は、規定された整数またはステップ(単数)または整数の群またはステップ(複数)を包含することを意味し、任意の他の整数またはステップ(単数)または整数の群またはステップ(複数)を除外するものではない。本文で引用された各文書、引例、特許出願または特許文献は、言及することで、それらのすべてをここに明示的に組み込む。本文中で引用された材料または引用された情報への言及は、権利として解釈されるべきではなく、共通の一般知識またはニュージーランドまたは他の国で知られている材料または情報の一部である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、円形住宅のための例1(コンクリート)タイプの基礎の平面図である。
【
図1a】
図1aは、矩形住宅のための例1(コンクリート)タイプの基礎の平面図である。
【
図2】
図2は、例1の基礎を貫く垂直断面図である。
【
図3】
図3は、例1の基礎の垂直断面の一部範囲内に在るスチール強化部材の詳細を示す図である。
【
図4】
図4は、1つまたは2つ以上のビルト−イン槽を含む、回転成形住宅の下の例2(プラスチック)基礎の垂直断面図である。
【
図5】
図5は、いくつかの部分に成形された例2タイプの基礎の平面図である。
【
図6】
図6は、例2に係る補強された槽および基礎の斜視図である。
【
図7】
図7は、モールド後の補強部材の詳細を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
例1
本発明の目的は、既存のスラブ、ラフトまたは杭打ち基礎よりも大幅に優れた強度を有する基礎100を提供することにある。本発明によれば、軽量であるが頑丈な土台は、事後的に形成された空間(倒壊または横方向拡散で生じ得る)を大幅な変形なしで架橋することが可能な剛性土台を提供することで、それ自体およびその上の建築物の両方を保護することを意図する。土壌の膨れは、永久凍土層において共通の現象であり、土壌の膨れに乗ることが可能な構造的欠陥のない硬い基礎が要求される。建築物およびその基礎のすべての塊または重さが大き過ぎないが、基礎が十分な容積を有する場合、浮力効果は、液状化の際に建築物が土壌に沈み込むことを防止するであろう。本発明者の目的は、土壌移動事象の後に、持ち上げて再び水平を出すことが可能で、事象の際に構造的ダメージを受けることが比較的起こらない、建築物または少なくとも建築物のための基礎を提供することにある。
【0018】
図1、1a、2および3を参照。剛性があり、および包囲または充填、軽量コンクリートを充填してもよいが、された基礎構成の使用、および、その上の建築物における軽量建築物材料の使用は、液状化の場合に地盤に対して浮揚性の構造を提供しやすい。この基礎に付随する建築物として意図された回転成形住宅は、他の建造方法の物より本質的に軽い。本発明は、強化コンクリートで作られた端部梁または肋材によって、完全強化上部平坦表面板から離された、完全強化下部平坦表面板を具備する基礎を提供する。頑丈な基礎は、不安定になり得る下地の上に静止する。
【0019】
1つの形式は、1または2以上のプラスチック材料で回転モールド工程によって建造された住宅に適応している。成形された天井を加えた円形の壁および床の外形は、半分にカットされ、構造を延長するための平らな区域によって離される。これは
図1に示され、基礎構造100の略円形の端部または外壁または端部梁101および102は、任意に矩形部103によって分けられる。中間内部壁105、105aおよび106は、基礎構造を横断する。これらは、端部壁101、102、101aの空間内(203)での保持を補助することによって、構造の強度に部分的に寄与する。含まれる鋼棒材は、
図1および1aにおいては点線で、
図3においては301で示される。
図1は、
図3で104および104aとして詳細に示される、スチールメッシュ104の規模も示している。
【0020】
図2および3に示されるように、基礎は、広い剛性の下部表面板202および下部表面板の上に位置する広い剛性の上部表面板201を含む。これら表面板は、空隙または空間203a、203b、203cで離隔され、空隙または空間は、剛性肋材105、106および端部梁101および102で囲まれる。空隙または空間の高さの限定されない1つの例は、220mmである。平面
図1aに示されるもう1つの選択肢100aにおいて、矩形端部梁101a、102aが、従来の建築物のために提供される。変形例の多角形状として、円形の外形の各端部を、8角形を半分にした2つの形状などで置き換えてもよい。これらは、木製の箱状の物および強化金属を曲げるための現場設備で建造するよりも簡単である。
【0021】
以下の詳細な説明は、現場建造を前提としたものだが、工場でのプレハブも同様に採用しても良い選択肢である。例えば、直径5.3mmのロッドが中心距離150mmで溶接される“標準タイプ665”の正方形パターンのメッシュシートが、剛性下部表面板の全領域に含まれ、該当規則に従って好ましくは100mmの厚さの深さで注入される。必要に応じて、バースツール(bar stool)303または同様の物が、スチールメッシュを下地上の少なくとも最小距離に持ち上げて、コンクリートの中で保持するために使用される。規格では一般的に直径15mmの強化スチールロッドが、外壁内および空間離隔手段として働く内部肋材内に置かれる。注入工程はすべての土台を含むため、注入以前および注入後しばらくの間、水平バー(horizontal bars)を、従来知られている下地から立ち上がる支持手段で支持する必要がある。サービスのためのダクトおよびパイプを含んでも良い。
【0022】
多数のつなぎ材302が、スチールメッシュを介してねじ止めされ、貫通の目的のために上向きに開口端で残され、注入された下部表面板の上面の上で、例えば、断熱特性を有する“ジオテック(geotech)”等級の発泡スチロール203aなどの発泡ブロックを縛り付ける。ブロック(または後述の槽)は、それが固定されてしまう前には生コンクリート内で浮く傾向にあるので定位置に保持しておかねばならない。下部表面板が注入され、加工およびかき混ぜられ、完全性がチェックされるまでは、ブロックを定位置に置いて良いとは考えられない。ブロックおよび肋材の好ましい高さは、最適化計算または地方条例によって決まるが、完成した基礎が420〜500mmの全高を有するように、220mmであってもよい。
【0023】
外部(周囲)壁および内部壁が発泡ブロックの周りに注入された後、スチールメッシュ104aの上表面層が発泡ブロックの上に置かれ、ブロックの上でさらなる“バースツール”または同様の支持体で支持される。そして、強化コンクリートの広い剛性の上部表面板201が注入され、許容可能な完成度まで、かき混ぜおよび加工される。基礎全体がひと塊のコンクリートとして融合するように、すべてのコンクリートが十分に同時に注入されることが望ましい。
【0024】
設計および手順は、硬化プロセスによる収縮が、例えば、異なる層の間の接合部分に相当する層に沿ってコンクリートを分離させ、脆弱性をもたらしたり、さびを生じさせる水の侵入のための経路を提供したりすることがないようにしなければならない。収縮は避けられないこと、およびクラック形成の可能性があるため、1回で注入される部分は、大きすぎてはならない。肋材、端部梁、下部表面板および上部表面板は、通常のコンクリートまたは軽量コンクリートで作られ、持ち前の圧縮強度を有しており、また、含まれる引張部材(スチール肋材301、メッシュ104)を含むことで引張強度を有する。
【0025】
水または他の液体(後述するように)などを保持するための内部槽を作成するために、“ジオテック”発泡をコンクリートが硬化した後に溶媒で溶出することが可能で、より好ましくは、金属またはプラスチックの槽が、注入時に基礎構造内に埋め込まれる。
【0026】
工場での組み立てのために、強化鋼材の切断、曲げおよび結束、発泡パッドの保持およびコンクリートの注入などの工程は、治具および好適な機械および組み立てラインの手法を使用することによって、大幅に速く単純にすることができる。これは、現場に持ち込まれる標準の建築物モジュールまたは少なくとも小範囲のモジュールを採用することで促進される。基礎パッドは工場管理下に置かれ、コンクリートが少なくとも1カ月または2カ月の硬化を通して外される間は湿った状態で保たれるため、これらの強度は保証され、現場での作業は硬化によって延期されることはない。
【0027】
該当する建築物に関する規則は遵守されなければならず、標準の規則が必要であるが、上に載せられる軽量建築物を予定したものがない場合には、規則を外挿して使用してもよい。通常の肋材ラフト構造のように、軽量トラックが硬化された基礎の上の充填された空間上に乗り上げた場合に、少なくとも車輪の床荷重に耐える十分な強度を提供することが有益である。
【0028】
本発明は、好適な持ち上げ機械によって意図的に基礎を持ち上げおよび移送することを見込んでおり、そのために、好適な外部連結器がスチール108のように任意に組み込まれる。好ましい外部連結器は、例えば、2本のステンレススチールまたはスチールワイヤロープまたは亜鉛めっきされたストリップスチールを含み、1つは各内部分割壁に沿って水平に通過し、各々が各端部において継手を有する。例えば、難民などの一時的な居住者に提供された場合に、基礎(および、その上のプラスチック住宅)を完全に取り除くために、クレーンによって、4つの継手で基礎を持ち上げてもよい。
【0029】
もう1つの理由は、下地がさらに沈下した場合にさらに高い等級の金属材を追加し、基礎およびその上の建築物を戻してその位置と等しくする場合など、下の下地を一時的に再び押し固めるために、基礎を持ち上げることである。何らかの原因による予測される局所的な土壌移動を考慮に入れて、当業者に知られているような好適な種類および量の材料および現場での準備が必要である。例えば下地は、領域に渡る重い等級の金属の床を含み、500mmの深さで築かれて圧縮される。
【0030】
床部分は、
図2において204で示されている。この厚さは土壌強度の壊滅的損失を切り抜け、必要に応じて基礎を再び押し固めるための土台を提供する。この下地は、好ましくは防湿層としてのポリエチレンシートで覆われる。従来の肋材リブラフトの肋材は、下地の中へ沈み込むが、この基礎の平らな土台は沈み込まない。強い水平の地震動にさらされた場合、この基礎は下地表面の上でスライドし、掘り返すことはない。
【0031】
居住施設が、1つ以上の回転成形建築物を含む場合、オプションとして、各ユニット建築物を別々の剛性基礎上に置き、連絡通路の一部として、建築物の間で柔軟な防水カップリングを使用する。そして、各基礎は自然に落ち着き、一定の量の材料で、単独の大きな基礎よりも優れた強度を示す。2つの基礎の間の差異が大きくなった場合、各基礎は、最小の障害で再び別々に押し固めることができる。
【0032】
不可的に起こる土壌移動が予想される場合、基礎の範囲内に埋められたすべてのパイプおよびケーブルは、住宅壁上の端子部位に運ばれ、好ましくは柔軟な連結器で外部サービスへ接続されるため、破断およびそれに続く漏れは起こらず、全体的な構造を他の現場に移送して外部サービスに接続することが可能である。このようなサービスとしては、飲料水、下水、雨水、電気、ケーブル、電話およびガスが含まれる。下水道は、汲み上げられるかまたは離れ家が使用される。任意に、端子部位は、水および電気メーターなどの測定手段を含む。いくつかのケースでは、建築物内のすべてのサービスは、基礎の上または脇に導入されるケーブルまたはパイプ内に運ばれる。
【0033】
広い剛性の下部表面板および広い剛性の上部表面板は、剛性の空間離隔手段によって境界された空隙または空間で間隙を介し、すべての組立体の強度は、それが梁または桁であるかのように計算される。これらの計算では、下地に接触する第2表面を追加することで、標準の肋材ラフト構造が変更されることが想定され、上部平坦シートまたは表面の真下に、通常の引張強化材料、すなわち665メッシュの1つのシートを含む、厚さ100mmのコンクリートを含み、上部メッシュに隣接する各肋材に沿ったHD12ロッドおよび下部665メッシュに隣接する1つのロッドで、高さ220mm幅100mmの垂直なコンクリート肋材に分けられ、下部シートの範囲内に含まれるか、または、表面板202もまた、厚さ100mmのコンクリートを含む。肋材は、1100mmの間隔が介される。
【0034】
計算によって、以下が示される。
1.正強度が11.96kNmで、負強度が4.10kNmである標準の肋材ラフト基礎に対して、本基礎は、正の曲げモーメントにおいて、23.3kNmで1.95倍頑丈であり、負の曲げモーメント(土壌隆起が起こった場合)において5.7倍頑丈であった。
2.標準の肋材ラフト構造の端部梁に対して、本端部梁(構造の外周縁)は、正の曲げモーメントにおいて、2.9倍頑丈で、負の曲げモーメント(土壌隆起)において、2.55倍頑丈であった。
3.肋材区域は、従来の肋材基礎より5.05倍固かった。したがって、観察された偏差は、従来の肋材ラフト構造で見られるそれの20%だけである。
4.端部梁は、従来の肋材ラフト基礎のそれより3.1倍固かった。偏差は、従来の肋材ラフトで経験されているものの32%以下であった。
【0035】
例2
この例は、例1に類似したデザインを有する成形プラスチック基礎を示し、既存の基礎のそれよりも非常に優れた強度を提供するための、広い上部表面板、広い下部表面板、2つの離隔する外壁および内部肋材を有する。いくつかの過去の回転モールド住宅では、床構造が提供されていなかった。この例では、基礎は、外側から熱せられる回転モールドにおいて熱可塑性材料を使用した回転モールディングと類似した工程によって、好ましくは1またはいくつかの部分で作られる。プラスチック材料は、固有の引張強度を有するため、組み込みの引張強化は、通常要求されない。
【0036】
図4には、以前の特許文献に記載されている回転成形住宅400の断面図が示され、住宅は本発明に係る基礎401に留め具410によって固定され、1つまたは2つ以上のビルトイン空間を含み、槽402、403、404としての役目を果たす。槽は、水(404において)などの槽壁に適合する任意の液体の収容のために使用される。一例として栓404aが含まれている。汲み上げのためのポンプが必要であろう。いくつかの態様においては、昼夜の差を減らすために、水は熱収容媒体としてなにもされずに残置される。凍結防止を追加することは有益である。
【0037】
この例で示されている空間403は、もう1つの選択肢では、例えば、比較的高密度のポリスチレン発泡材料などの固いが軽い材料で充填される。コンクリートにとってはこの融点は問題にならないが、発泡材料の軟化点または融点は、好ましくは回転モールディング中に到達するどのような温度よりも高い。この断面図において、要素407は、空間402を介して住宅400の床および隣接する下地に適用される圧力を伝える役目を果たす、複数のロッドまたはパイプまたは他の非圧縮性部材280の1つである。
【0038】
図5は、円形平面図を有する回転成形住宅と互換性のある形状をすべて共有する、3つの槽402、403、404を含む、例2タイプの基礎の平面図である。寒い地域での使用のために、床下槽には発泡材料土台を含ませて、槽285の内容物が凍結する傾向が少ないようにしてもよい。このような変形は、モールドまたは鋳造が始まる前に、プレハブ槽の底面上に発泡材料土台を一時的に保持することによって作られる。
【0039】
基礎は、1つ以上の分かれた基礎モジュール(ここで404として示されるような)として建造されてもよい。任意の1つのモジュールを、架設の際に好適な留め具手段405で好ましくは垂直表面に沿って他のモジュールに取付けてもよい。代替として、基礎全体を1つの工程で成形してもよい。任意に、基礎の1部分だけに、アクセス可能な槽(例えば、栓4040aを具備する404)が提供されてもよい。モジュールは、拡張された回転成形建造物の外形に適合するように、半球型(2つの端部)および矩形(1つまたは2つ以上の中央区域)であってもよい。モジュールは、円形の部分区域として成形されてもよく、6または8の区域をまとめて完全な円形を形成してもよい。
【0040】
1つ以上の横垂直バリア295が、モールドの範囲内に含まれてもよい。この例において、空隙または空間は、剛性表面板離隔手段によって外側が囲まれ、外周壁406は下部表面板から隔てられた上部表面板を保持する役目を果たす。内部壁406aおよび内部スペーサー407(ロッドまたはパイプ)、408(波形の金属)または409(曲げられた金属)は、下向きの力を伝えるスペーサーの例である。
図6は、各槽の内部底面から内部上面に到達する垂直負荷軸受構造として使用される一連の短いロッドまたはパイプ407などの突起を含む、例2の補強された平らな槽402の断面斜視図である。
【0041】
これらの構造は、上部表面板上にかけられた負荷を、槽を介して下部表面板、そして下地の上に伝える。支持体は、歩行者の足圧などの負荷を受けた場合に、上部表面板のたわみを減らす効果を有する。分割壁はまた、重量担持部材を含む。
図6はまた、コンクリート、突き固められた土、乾燥した泥、アスファルトまたは他の地方の設定可能な材料などの固い材料411の任意の取り囲みを含み、任意に引張り力を印加されたロープまたは湾曲したロッド412を含み、回転成形住宅の周縁の周りの境界としての役目を果たし、基礎および槽410の側壁を保持する。
【0042】
図7は、1つのそのような突起またはパイプの縦断面図である。ここで留意すべきは、熱可塑性モールド材料413は、パイプ407の全長に亘って被覆され、各端部の周りがより厚いように描かれていることである。回転モールド工程の間に顆粒が動くという理由で、中央における被覆は薄く、場合により不完全であり得る。
【0043】
革新的なモールド工程は、内部パイプを含む402のような槽を、1つの操作で成形することを提供する。モールドに先立って、熱伝導性金属ロッドまたはパイプ(図示せず)が、位置合わせされた開口のセットを含む2つのモールド(図示せず)の範囲内に保持される。ロッドまたはパイプは、熱可塑性モールド材料413がモールド内において各ロッドまたはパイプの露出した表面に張り付くことを確実にするのに十分な量の熱を運ぶ。ここで留意すべきは、熱可塑性モールド材料413は、パイプ407の全長に亘って被覆され、各端部の周りがより厚いように描かれていることである。中央における被覆は薄く、場合により不完全であり得る。
【0044】
選択された熱可塑性の粉末と接着するがモールド中につぶれないような選択された軟化温度を有する、犠牲的プラスチックパイプ414が、モールドを閉じる前に各導電性ロッドに被せて設置された場合、熱可塑性顆粒は、被覆が中央に薄いまたは不完全であったとしても、パイプの端部の周りを効果的にシールするということが見いだされた。プラスチックパイプ407のセットは力を伝える一方で、槽は各犠牲的パイプの少なくとも各端部に向けて起こる接着によって水密になる。製造工程の最後に、各熱伝導性金属ロッドまたはパイプは、金属とプラスチックとを分離した後に引き抜かれ、各パイプの上部端部は(プラグ415に注目の事)、表面板の露出面と同一平面になるように塞がれる。そして槽はチェックされる。代替的に、各パイプが、モールドの内側に導入される前に、成形熱可塑性材料の層で事前被覆されテストされる。
【0045】
任意選択的手法として、耐熱性、少なくとも回転モールド工程のために使用される成形温度での熱に耐える材料で作られた物理的な槽が、製造時に熱可塑性材料内に埋め込まれる。槽壁のオプションとして、熱硬化性プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PETまたはMylar(登録商標))などの高い軟化点を有する熱可塑性材料または金属槽を含む。各槽は、回転モールドで作ることができ、または、溶着シート材料で作ることができ、建造物全体の全直径(約5メートルまで)よりも、円形の扇形または接平面で作られでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の基礎は、軽いが頑丈なユニットであり、以前の基礎パッドよりも、大きな曲げおよびねじれ力に耐えることができる。
この基礎は、回転成形住宅との使用に最適化されるが、その原理はより広く応用してもよい。
本明細書に説明されたように作られた基礎および住宅は、工場で建造され、運搬前に硬化され、十分な寸法の下地が圧縮された現場にトラックで運ばれ、殆ど技術のない人に設置される。
基礎が工場で組み立てられる場合、同時に回転成形建造物をその上に取り付けることも可能であるため、残される現場作業はとても少ない。
【0047】
下地の沈降またはさらなる沈下が起こった場合に、この基礎は、クレーンまたは他の持ち上げ機械で持ち上げることができ、下層の下地をかさ上げすることができる。
本発明で作られた住宅は、緊急事態が終了した後に取り壊され、圧縮された形体で格納され、後の緊急事態に応じて再利用されることができる。
最後に、説明および図示された本発明の範囲は、説明された実施態様に限定されるものではない。当業者は、以下の特許請求の範囲に記載された発明の範囲および精神から逸脱することなく、様々な変更、追加、既知の等価および交換が可能である。