【実施例】
【0156】
(本発明の化合物の合成製造)
(実施例1.化合物の合成)
(1.1. 経路1)
(1.1.1. 5-ブロモ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イルアミン(中間体3)の合成)
【化5】
(1.1.1.1. 1-(6-ブロモ-ピリジン-2-イル)-3-カルボエトキシ-チオウレア(2))
5℃に冷却した2-アミノ-6-ブロモピリジン(1)(253.8g、1.467mol)のDCM(2.5L)溶液に、エトキシカルボニルイソチオシアネート(173.0mL、1.467mol)を15分かけて滴加した。次いで、該反応混合物を放置して室温(20℃)まで温め、16時間撹拌した。真空中で蒸発させると固体を与え、それを濾過により回収し、ガソリン(petrol)(3×600mL)で完全に洗浄し、風乾すると(2)を与えた。該チオウレアを、精製せずに次の工程でそのまま使用した。
【0157】
【化6】
【0158】
(1.1.1.2. 5-ブロモ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イルアミン(3))
ヒドロキシルアミン塩酸塩(101.8g、1.465mol)のEtOH/MeOH(1:1、900mL)中の懸濁液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(145.3mL、0.879mol)を加え、該混合物を室温(20℃)で1時間撹拌した。次いで、1-(6-ブロモ-ピリジン-2-イル)-3-カルボエトキシ-チオウレア(2)(89.0g、0.293mol)を加え、該混合物をゆっくりと還流まで加熱した(注記:発生するH
2Sをクエンチするためにブリーチスクラバーが必要であった)。還流状態で3時間後、該混合物を放冷し、濾過して、沈殿した固体を回収した。濾液を真空中で蒸発させ、H
2O(250mL)を加えて、濾過して、さらなる生成物を回収した。合わせた固体を、連続的に、H
2O(250mL)、EtOH/MeOH(1:1、250mL)、及びEt
2O(250mL)で洗浄し、次いで真空中で乾燥させると、トリアゾロピリジン誘導体(3)を固体として与えた。該化合物を精製せずに次の工程でそのまま使用した。
【0159】
【化7】
【0160】
(1.1.2. 4-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-ベンジル]-チオモルホリン-1,1-ジオキシド(中間体4)の合成)
【化8】
2-(4-ブロモメチル-フェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン(1当量)及びDIPEA(2当量)をN
2下でDCM/MeOH(5:1 v:v)に溶解させ、チオモルホリン1,1-ジオキシド(2当量)を少しずつ加えた。生じた溶液を室温で16時間撹拌した。この時間の後で、反応は完了した。溶媒を蒸発させた。該化合物をEtOAc及び水で抽出し、ブラインで洗浄し、無水MgSO
4で乾燥させた。有機層を濾過し、蒸発させた。最終化合物をさらに精製せず単離した。
【0161】
(1.1.3. 5-[4-(1,1-ジオキソチオモルホリン-4-イルメチル)-フェニル]-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イルアミン(式I)の合成)
【化9】
4-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-ベンジル]-チオモルホリン-1,1-ジオキシド(1.1当量)を、5-ブロモ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イルアミン(4:1)の溶液に加えた。K
2CO
3(2当量)及びPdCl
2dppf(0.03当量)を該溶液に加えた。次いで、生じた混合物を90℃の油浴中で16時間N
2下で加熱した。水を加え、該溶液を酢酸エチルで抽出した。有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、真空中で蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィーによる精製の後で、最終化合物が得られた。
【0162】
【化10】
【0163】
m/z 358.2 (M+H
+, 100%)。
【0164】
(1.2. 経路2)
(1.2.1. シクロプロパンカルボン酸{5-[4-(1,1-ジオキソ-チオモルホリン-4-イルメチル)-フェニル]-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル}-アミド(式II))
式IIによる化合物は、WO2010/149769に記載された手順により合成できる。
【0165】
(1.2.2. 5-[4-(1,1-ジオキソチオモルホリン-4-イルメチル)-フェニル]-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イルアミン(式I)の合成)
式Iによる化合物は、式IIによる化合物の加水分解によっても製造できる:
【化11】
【0166】
塩化水素酸30%水溶液(12.06kg; 3.9 相対体積)を、式IIによる化合物(3.45kg; 1.0当量)の脱塩水(10.0kg; 3.0 相対体積)中のスラリーに加えた。その後、ラインリンス(line rinse)を脱塩水(3.4kg; 1.0 相対体積)で実施した。該反応混合物を、14.5時間80±5℃に加熱した。反応完了後(転化≧99%)、該反応混合物を20±5℃に冷却した。該反応混合物を脱塩水(6.8kg; 2.0 相対体積)で希釈し、水酸化ナトリウム33%水溶液(9.52kg; 3.7相対体積)を、反応器内容物の温度が35℃未満のままであるような速度で添加した。10以上のpHを得るために、追加量の水酸化ナトリウム33%水溶液(2.55kg; 1.0 相対体積)が必要であった。生成物を濾過により除き、脱塩水(1.5 相対体積)で2回洗浄し、真空下で1時間乾燥させると、式Iによる粗製化合物が生じた。
【0167】
式Iによる粗製化合物(5.70kg)を、脱塩水(23.0kg; 8.5 相対体積)中に再スラリー化した。塩化水素酸30%水溶液(1.65kg; 0.7 相対体積)及び脱塩水(4.3kg; 1.6 相対体積)を加え、該反応混合物を20±5℃で45分間撹拌した。式Iによる化合物が完全に溶解しなかったので、反応混合物を45±5℃で1時間撹拌した。該反応混合物を濾過し、残渣を脱塩水(2.0kg 0.75 相対体積)で洗浄した。水酸化ナトリウム33%水溶液(1.12kg; 0.6相対体積)を濾液に加えた。10以上のpHを得るために、追加量の水酸化ナトリウム33%水溶液(1.01kg)が必要であった。生じた反応混合物を20±5℃で約3時間撹拌した。生成物を濾過により除き、脱塩水(4.1kg; 1.5 相対体積)で2回、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE;3.0kg; 1.5 相対体積)で2回洗浄し、真空下で15.5時間フィルター上で乾燥させた。生成物を、40±5℃の真空オーブン中で202時間さらに乾燥させると、式Iによる所望の化合物を与えた。
【0168】
(生物学的実施例)
(実施例2:インビトロアッセイ)
(2.1 JAK1阻害アッセイ)
(2.1.1 JAK1アッセイポリGT基質)
組換えヒトJAK1触媒ドメイン(アミノ酸866-1154;カタログ番号PV4774)をInvitrogen社から購入した。ポリプロピレン製96ウェルプレート(Greiner社製、V字底)において、25ngのJAK1を6.25μgのポリGT基質(Sigma社製、カタログ番号P0275)とともに、被験化合物又はビヒクル(DMSO、最終濃度1%)を含有する5μLとともに、又はなしで、総量25μLのキナーゼ反応緩衝液(15mMのHepes pH7.5、0.01%のTween20、10mMのMgCl
2、2μMの非放射性ATP、0.25μCiの
33P-γ-ATP(Perkin Elmer社製、カタログ番号NEG602K001MC)最終濃度)中でインキュベートした。30℃で75分後、25μL/ウェルの150mMリン酸を添加して反応を停止させた。該終結したキナーゼ反応物の全てを、セルハーベスター(Perkin Elmer社製)を使用して、予洗い(75mMのリン酸)した96ウェルフィルタープレート(Perkin Elmer社製、カタログ番号6005177)に移した。プレートを1ウェルあたり300μLの75mMリン酸溶液で6回洗浄し、該プレートの底を密閉した。40μL/ウェルのMicroscint-20を添加し、該プレートの上部を密閉し、Topcount(Perkin Elmer社製)を使用して読み取りを行った。キナーゼ活性は、ビヒクルの存在下で得られたカウント毎分(cpm)から、陽性対照阻害剤(10μMのスタウロスポリン)の存在下で得られたcpmを引くことによって算出した。この活性を阻害する被験化合物の能力は、以下のように決定した。
【0169】
阻害率=((被験化合物が存在する試料について測定されたcpm−陽性対照阻害剤を有する試料について測定されたcpm)/(ビヒクルの存在下で測定されたcpm−陽性対照阻害剤を有する試料について測定されたcpm))×100である。
【0170】
JAK1アッセイにおける用量−反応効果の試験、及び化合物についてのIC
50の算出を可能にする、化合物についての用量希釈系列を調製した。化合物を20μMの濃度で試験し、続いて、1/3の段階希釈で、1%DMSOの最終濃度で8点(20μM-6.67μM-2.22μM-740nM-247nM-82nM-27nM-9nM)で試験した。化合物の効力が大きい場合、より希釈したものを調製した、及び/又は最大濃度をより低下させる(例えば、5μM、1μM)。
【0171】
JAK1に対する式Iによる化合物の活性を上述のアッセイにより決定し、460.1、586、494.3、758.2、及び432.7 nM (平均546.26 nM)のIC
50値を得た。
【0172】
(2.1.2 JAK1 Ulight-JAK1ペプチドアッセイ)
組換えヒトJAK1(触媒ドメイン、アミノ酸866-1154;カタログ番号PV4774)をInvitrogen社から購入した。白色384 Optiプレート(Perkin Elmer社製、カタログ番号6007290)において、1ngのJAK1を20nMのUlight-JAK1(tyr1023)ペプチド(Perkin Elmer社製、カタログ番号TRF0121)とともに、被験物質又はビヒクル(DMSO、最終濃度1%)を含む4μLとともに、又はなしで、総体積20μLのキナーゼ反応緩衝液(15mM MOPS pH6.8、0.01% Brij-35、5mM MgCl
2、2mM DTT、7μM ATP)中でインキュベートした。室温で60分後、20μL/ウェルの検出混合物(1×検出緩衝液(Perkin Elmer社製、カタログ番号CR97-100C)、0.5nMユウロピウム-抗-ホスホチロシン(PT66)(Perkin Elmer社製、カタログ番号AD0068)、10mM EDTA)を加えて、反応を停止させた。読み取りは、320nmで励起させてEnvisionを使用し、615nmで発光を測定して実施した(Perkin Elmer社)。キナーゼ活性は、ビヒクル存在下で得られた相対蛍光単位(RFU)から陽性対照阻害剤(10μMスタウロスポリン)の存在下で得られたRFUを引くことにより計算した。被験化合物がこの活性を阻害する能力を下記のとおり決定した:
【0173】
阻害率=((被験化合物が存在する試料で測定されたRFU-陽性対照阻害剤を含む試料で測定されたRFU)/(ビヒクルの存在下で測定されたRFU-陽性対照阻害剤を含む試料で測定されたRFU))×100である。
【0174】
JAK1アッセイにおける用量反応効果の試験及び化合物のIC
50の計算を可能にする、化合物についての用量希釈系列を調製した。化合物を通常20μMの濃度で試験し、続いて、1/5の段階希釈で、1%DMSOの最終濃度で10点で試験した。化合物の効力が大きい場合、より希釈したものを調製した、及び/又は最大濃度をより低下させる(例えば、5μM、1μM)。データは、アッセイで得た平均IC
50±平均の標準誤差として表した。
【0175】
JAK1に対する式Iによる化合物の活性を上述のアッセイにより決定し、346.8、714.3、166.6、103.3、187.2、582.3、295.3、241.7、159.2、355.3、及び221.6 nM (平均=307nM)のIC
50値を得た。
【0176】
(2.1.3. JAK1 Ki決定アッセイ)
Kiの決定のため、異なる量の化合物を酵素と混合し、酵素反応をATP濃度の関数として追跡する。Km対化合物濃度の二重逆数プロット(ラインウィーバー・バークプロット)により、Kiを決定する。1ngのJAK1(Invitrogen社製、PV4774)をアッセイに使用する。基質は、20nM Ulight-JAK-1(Tyr1023)Peptide(Perkin Elmer社製、TRF0121)である。反応は、15mM MOPS pH 6.8、0.01%、Brij-35、2mM DTT、5mM MgCl
2中で、ATP及び化合物の濃度を変えながら実施する。リン酸化された基質を、1.1.2で記載されたユウロピウム標識抗ホスホチロシン抗体PT66(Perkin Elmer社製、AD0068)を使用して測定する。読み取りは、envision(Perkin Elmer社製)で、320nmでの励起並びにそれに次ぐ615nm及び665nmでの発光で実施する。
【0177】
(2.2. JAK2阻害アッセイ)
(2.2.1. JAK2アッセイポリGT基質)
組換えヒトJAK2触媒ドメイン(アミノ酸808-1132;カタログ番号PV4210)をInvitrogen社から購入した。ポリプロピレン製96ウェルプレート(Greiner社製、V字底)において、0.05mUのJAK2を2.5μgのポリGT基質(Sigma社製、カタログ番号P0275)とともに、被験化合物又はビヒクル(DMSO、最終濃度1%)を含有する5μLとともに、又はなしで、総量25μLのキナーゼ反応緩衝液(10mMのMOPS pH7.5、0.5mMのEDTA、0.01%のBrij-35、及び1mMのDTT、15mMのMgAc、1μMの非放射性ATP、0.25μCiの
33P-γ-ATP(Perkin Elmer社製、カタログ番号NEG602K001MC)最終濃度)中でインキュベートした。30℃で90分後、25μL/ウェルの150mMリン酸を添加して反応を停止させた。該終結したキナーゼ反応物の全てを、セルハーベスター(Perkin Elmer社製)を使用して、予洗い(75mMのリン酸)した96ウェルフィルタープレート(Perkin Elmer社製、カタログ番号6005177)に移した。プレートを1ウェルあたり300μLの75mMリン酸溶液で6回洗浄し、該プレートの底を密閉した。40μL/ウェルのMicroscint-20を添加し、該プレートの上部を密閉し、Topcount(Perkin Elmer社製)を使用して読み取りを行った。キナーゼ活性は、ビヒクルの存在下で得られたカウント毎分(cpm)から、陽性対照阻害剤(10μMのスタウロスポリン)の存在下で得られたcpmを引くことによって算出した。この活性を阻害する被験化合物の能力は、以下のように決定した。
【0178】
阻害率=((被験化合物が存在する試料について測定されたcpm−陽性対照阻害剤を有する試料について測定されたcpm)/(ビヒクルの存在下で測定されたcpm−陽性対照阻害剤を有する試料について測定されたcpm))×100である。
【0179】
JAK2アッセイにおける用量−反応効果の試験、及び各化合物についてのIC
50の算出を可能にする、化合物についての用量希釈系列を調製した。化合物を20μMの濃度で試験し、続いて、1/3の段階希釈で、1%DMSOの最終濃度で8点(20μM-6.67μM-2.22μM-740nM-247nM-82nM-27nM-9nM)で試験した。化合物系列の効力が大きい場合、より希釈したものを調製した、及び/又は最大濃度をより低下させる(例えば、5μM、1μM)。
【0180】
JAK1に対する式Iによる化合物の活性を上述のアッセイにより決定し、566.9、365.5、256.4、915.1、及び1017 nM(平均=624 nM)のIC
50値を得た。
【0181】
(2.2.2. JAK2 Ulight-JAK1 ペプチドアッセイ)
組換えヒトJAK2 (触媒ドメイン、アミノ酸 866-1154;カタログ番号PV4210)をInvitrogen社から購入した。白色384 Optiプレート(Perkin Elmer社製、カタログ番号6007290)において、0.0125mUのJAK2を25 nMのUlight-JAK1(tyr1023)ペプチド(Perkin Elmer社製、カタログ番号TRF0121)とともに、被験物質又はビヒクル(DMSO、最終濃度1%)を含む4μLとともに、又はなしで、総体積20μLのキナーゼ反応緩衝液(25mM HEPES pH7.0、0.01% Triton X-100、7.5mM MgCl
2、2mM DTT、7.5μM ATP)中でインキュベートした。室温で60分後、20 μL/ウェルの検出混合物(1×検出緩衝液(Perkin Elmer社製、カタログ番号CR97-100C)、0.5nM ユウロピウム-抗-ホスホチロシン(PT66) (Perkin Elmer社製、カタログ番号AD0068)、10 mM EDTA)を加えて、反応を停止させた。読み取りは、320nmでの励起によりEnvisionを使用し、615nmで発光を測定して実施した(Perkin Elmer社)。キナーゼ活性は、ビヒクル存在下で得られた相対蛍光単位(RFU)から陽性対照阻害剤(10μMスタウロスポリン)の存在下で得られたRFUを引くことにより計算した。被験化合物がこの活性を阻害する能力を下記のとおり決定した:
【0182】
阻害率=((被験化合物が存在する試料で測定されたRFU-陽性対照阻害剤を含む試料で測定された RFU)/(ビヒクルの存在下で測定されたRFU-陽性対照阻害剤を含む試料で測定された RFU))×100である。
【0183】
JAK2アッセイにおける用量反応効果の試験及び化合物のIC
50の計算を可能にする、化合物についての用量希釈系列を調製した。化合物を20μMの濃度で試験し、続いて、1/5の段階希釈で、1%DMSOの最終濃度で10点で試験した。化合物の効力が大きい場合、より希釈したものを調製した、及び/又は最大濃度をより低下させた(例えば、5μM、1μM)。データは、アッセイで得た平均IC
50±平均の標準誤差として表した。
【0184】
JAK2に対する式Iによる化合物の活性を上述のアッセイにより決定し、1031、351.2、137.5、367.2、310.2、729.2、151.7、203.0、168.0、及び517.0(平均=397 nM)のIC
50値を得た。
【0185】
(2.2.3. JAK2 Kd/Ki決定アッセイ)
(2.2.3.1. JAK2 Ki決定アッセイ)
Kiの決定のために、様々な量の化合物を酵素と混合し、酵素反応を、ATP濃度の関数として追跡する。Kiを、Km対化合物濃度の二重逆数プロット(ラインウィーバー・バークプロット)により決定する。0.0125mUのJAK1 (Invitrogen社製、PV4210)をアッセイに使用する。基質は、25nM Ulight-JAK-1 (Tyr1023)Peptide (Perkin Elmer社製、TRF0121)である。ATP及び化合物の濃度を変えながら、25mM HEPES pH7.0、0.01% Triton X-100、7.5mM MgCl
2、2mM DTT中で反応を実施する。リン酸化された基質を、1.2.2に記載されたユウロピウム-標識抗-ホスホチロシン抗体PT66 (Perkin Elmer社製、AD0068)を使用して測定する。読み取りは、320nmでの励起並びにそれに続く615nm及び665nmでの発光によりenvision (Perkin Elmer社製)で実施する。
【0186】
(2.2.3.2. JAK2 Kd決定アッセイ)
JAK2(Invitrogen社製、PV4210)を、最終濃度2.5 nMで使用する。結合実験を、50mM Hepes pH 7.5、0.01% Brij-35、10mM MgCl
2、1mM EGTA中で、25nMキナーゼトレーサー236(Invitrogen社製、PV5592)及び2 nM ユウロピウム-抗-GST(Invitrogen社製、PV5594)を使用し、化合物の濃度を変えながら実施する。製造元の手順に従ってトレーサーの検出を実施する。
【0187】
(2.2.4. JAK3阻害アッセイ)
組換えヒトJAK3触媒ドメイン(アミノ酸795-1124;カタログ番号08-046)をCarna Biosciences社から購入した。ポリプロピレン製96ウェルプレート(Greiner社製、V字底)において、0.5ngのJAK3タンパク質を2.5μgのポリGT基質(Sigma社製、カタログ番号P0275)とともに、被験化合物又はビヒクル(DMSO、最終濃度1%)を含有する5μLとともに、又はなしで、総量25μLのキナーゼ反応緩衝液(25mMのTris pH7.5、0.5mMのEGTA、10mMのMgCl
2、2.5mMのDTT、0.5mMのNa
3VO
4、5mMのb-グリセロールホスフェート、0.01%のTriton X-100、1μMの非放射性ATP、0.25μCiの
33P-γ-ATP(Perkin Elmer社製、カタログ番号NEG602K001MC)最終濃度)中でインキュベートした。30℃で45分後、25μL/ウェルの150mMリン酸を添加して反応を停止させた。該終結したキナーゼ反応物の全てを、セルハーベスター(Perkin Elmer社製)を使用して、予洗い(75mMのリン酸)した96ウェルフィルタープレート(Perkin Elmer社製、カタログ番号6005177)に移した。プレートを1ウェルあたり300μLの75mMリン酸溶液で6回洗浄し、該プレートの底を密閉した。40μL/ウェルのMicroscint-20を添加し、該プレートの上部を密閉し、Topcount(Perkin Elmer社製)を使用して読み取りを行った。キナーゼ活性は、ビヒクルの存在下で得られたカウント毎分(cpm)から、陽性対照阻害剤(10μMのスタウロスポリン)の存在下で得られたcpmを引くことによって算出した。この活性を阻害する被験化合物の能力は、以下のように決定した。
【0188】
阻害率=((被験化合物が存在する試料について測定されたcpm−陽性対照阻害剤を有する試料について測定されたcpm)/(ビヒクルの存在下で測定されたcpm−陽性対照阻害剤を有する試料について測定されたcpm))×100である。
【0189】
JAK3アッセイにおける用量−反応効果の試験、及び化合物についてのIC
50の算出を可能にする、化合物についての用量希釈系列を調製した。化合物を20μMの濃度で試験し、続いて、1/5の段階希釈で、1%DMSOの最終濃度で10点で試験した。化合物が大きい場合、より希釈したものを調製した、及び/又は最大濃度をより低下させた(例えば、5μM、1μM)。
【0190】
JAK3に対する式Iによる化合物の活性を上述のアッセイにより決定し、2497、>4000、>4000、>3333、>3333、3939、>4000、>4000、>4000、3201、及び3368(平均>3606 nM)のIC
50値を得た。
【0191】
(2.2.5. JAK3 Ki決定アッセイ)
Kiの決定のため、様々な量の化合物を酵素と混合し、酵素反応をATP濃度の関数として追跡する。Km対化合物濃度の二重逆数プロット(ラインウィーバー・バークプロット)により、Kiを決定する。JAK3(Carna Biosciences社製、08-046)を最終濃度20 ng/mlで使用する。基質は、ポリ(Glu,Tyr)ナトリウム塩(4:1)、MW 20000〜50000(Sigma社製、P0275)である。反応は、25mM Tris pH 7.5、0.01% Triton X-100、0.5mM EGTA、2.5mM DTT、0.5mM Na
3VO
4、5mM b-グリセロールホスフェート、10mM MgCl
2中で、ATP及び化合物の濃度を変えながら実施し、150 mMのリン酸の添加により停止させる。基質ポリGTに取り込まれたリン酸の測定は、試料をフィルタープレートに載せ(Perkin Elmer社製ハーべスター使用)、その後洗浄して実施する。ポリGT中に取り込まれた
33Pは、フィルタープレート(Perkin Elmer社製)へのシンチレーション液体の添加後にTopcountシンチレーションカウンターで測定する。
【0192】
(2.3. TYK2阻害アッセイ)
組換えヒトTYK2触媒ドメイン(アミノ酸871-1187;カタログ番号08-147)をCarna biosciences社から購入した。ポリプロピレン製96ウェルプレート(Greiner社製、V字底)において、4ngのTYK2を12.5μgのポリGT基質(Sigma社製、カタログ番号P0275)とともに、被験化合物又はビヒクル(DMSO、最終濃度1%)を含有する5μLとともに、又はなしで、総量25μLのキナーゼ反応緩衝液(25mMのHepes pH7.2、50mMのNaCl、0.5mMのEDTA、1mMのDTT、5mMのMnCl
2、10mMのMgCl
2、0.1%のBrij-35、0.1μMの非放射性ATP、0.125μCiの
33P-γ-ATP (Perkin Elmer社製、カタログ番号NEG602K001MC)最終濃度)中でインキュベートした。30℃で90分後、25μL/ウェルの150mMリン酸を添加して反応を停止させた。該終結したキナーゼ反応物の全てを、セルハーベスター(Perkin Elmer社製)を使用して、予洗い(75mMのリン酸)した96ウェルフィルタープレート(Perkin Elmer社製、カタログ番号6005177)に移した。プレートを1ウェルあたり300μLの75mMリン酸溶液で6回洗浄し、該プレートの底を密閉した。40μL/ウェルのMicroscint-20を添加し、該プレートの上部を密閉し、Topcount(Perkin Elmer社製)を使用して読み取りを行った。キナーゼ活性は、ビヒクルの存在下で得られたカウント毎分(cpm)から、陽性対照阻害剤(10μMのスタウロスポリン)の存在下で得られたcpmを引くことによって算出した。この活性を阻害する被験化合物の能力は以下のように決定した。
【0193】
阻害率=((被験化合物が存在する試料について測定されたcpm−陽性対照阻害剤を有する試料について測定されたcpm)/(ビヒクルの存在下で測定されたcpm−陽性対照阻害剤を有する試料について測定されたcpm))×100である。
【0194】
TYK2アッセイにおける用量−反応効果の試験、及び各化合物についてのIC
50の算出を可能にする、化合物についての用量希釈系列を調製した。各化合物を通常20μMの濃度で試験し、続いて、1/3の段階希釈で、1%DMSOの最終濃度で8点(20μM-6.67μM-2.22μM-740nM-247nM-82nM-27nM-9nM)で試験した。化合物系列の効力が大きい場合、より希釈したものを調製した、及び/又は最大濃度をより低下させた(例えば、5μM、1μM)。
【0195】
TYK2に対する式Iによる化合物の活性を上述のアッセイにより決定し、>3333、>3333、>3333、1973、2121、3852、3819、及び2207(平均>2996 nM)のIC
50値を得た。
【0196】
(2.3.1. TYK2 Kd/Ki決定アッセイ)
(2.3.1.1. TYK2 Ki決定アッセイ)
Kiの決定のために、様々な量の化合物を酵素と混合し、酵素反応をATP濃度の関数として追跡する。Kiは、Km対化合物濃度の二重逆数プロット(ラインウィーバー・バークプロット)により決定する。TYK2 (Carna Biosciences社製、08-147)を最終濃度160 ng/mlで使用する。基質はポリ(Glu,Tyr)ナトリウム塩(4:1) 、MW 20000〜50000(Sigma社製、P0275)である。反応を、25 mMのHepes pH 7.2、50 mMのNaCl、0.5mMのEDTA、1mMのDTT、5mMのMnCl
2、10mMのMgCl
2、0.1% Brij-35中で、ATP及び化合物の濃度を変えながら実施し、150mMのリン酸を加えて停止させる。基質ポリGTに取り込まれたホスフェートの測定は、試料をフィルタープレート(Perkin Elmer社製ハーベスター使用)に載せ、次いで洗浄して実施する。フィルタープレート(Perkin Elmer社製)にシンチレーション液体を加えた後で、ポリGT中の取り込まれた
33Pを、Topcount シンチレーションカウンターで測定する。
【0197】
(2.3.1.2. TYK2 Kd決定アッセイ)
TYK2(Carna Biosciences社製、08-147)を最終濃度50nMで使用する。結合実験を、50mM Hepes pH 7.5、0.01% Brij-35、10mM MgCl
2、1mM EGTA中で、15nMのキナーゼトレーサー236(Invitrogen社製、PV5592)及び10nMのユウロピウム-抗-GST(Invitrogen社製、PV5594)を使用して、化合物の濃度を変えながら実施する。トレーサーの検出は、製造元の手順に従って実施する。
【0198】
(実施例3. 細胞アッセイ)
(3.1. JAK-STATシグナル伝達アッセイ)
HeLa細胞を、10%の熱失活したウシ胎児血清、100U/mLのペニシリン、及び100μg/mLのストレプトマイシンを含有するダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)中に維持した。トランスフェクションのために70%コンフルエンスでHeLa細胞を使用した。87μLの細胞培地中20,000個の細胞を、96ウェルプレートフォーマットにおいて、1ウェルあたり0.32μLのJet-PEI(Polyplus社製)をトランスフェクション試薬として使用して、40ngのpSTAT1(2)-ルシフェラーゼレポーター(Panomics社製)、内部標準レポーターとして8ngのLacZレポーター、及び52ngのpBSKで一過性にトランスフェクトした。37℃、5%CO
2で一晩インキュベートした後、トランスフェクション培地を除去した。81μLのDMEM+1.5%の熱失活したウシ胎児血清を添加した。10倍濃縮した9μLの化合物を60分間添加し、次いで、最終濃度33ng/mLの10μLのヒトOSM(Peprotech社製)を添加した。
【0199】
化合物を20μMから開始して、1/3段階希釈し、0.2%DMSOの最終濃度で全8用量(20μM-6.6μM-2.2μM-740nM-250nM-82nM-27nM-9nM)で二連で試験した。
【0200】
37℃、5%CO
2で一晩インキュベートした後、100μLの溶解緩衝液/ウェル(PBS、0.9mMのCaCl
2、0.5mMのMgCl
2、10%のトレハロース、0.05%のTergitol NP9、0.3%のBSA)を加えて細胞を溶解した。
【0201】
40μLの細胞溶解物を使用して、180μLのβ-Gal溶液(30μlのONPG 4mg/mL+150μLのβ-ガラクトシダーゼ緩衝液(0.06MのNa
2HPO
4、0.04MのNaH
2PO
4、1mMのMgCl
2))を20分間添加することによりβ-ガラクトシダーゼ活性を読み取った。50μLのNa
2CO
3 1Mの添加によって該反応を停止させた。405nmで吸光度を読み取った。
【0202】
ルシフェラーゼ活性を、製造元(Perkin Elmer社)による説明どおりに、40μLの細胞溶解物+40μlのSteadylite(登録商標)を使用してEnvision(Perkin Elmer社製)で測定した。
【0203】
OSM省略を陽性対照(100%阻害)として使用した。陰性対照として、0.5%のDMSO(0%阻害)を使用した。陽性及び陰性対照を使用して、z'及び「阻害率」(PIN)値を算出した。
【0204】
阻害率=((ビヒクル存在下で測定された蛍光−被験化合物が存在する試料について測定された蛍光)/(ビヒクルの存在下で測定された蛍光−トリガーなしの試料について測定された蛍光))×100である。
【0205】
用量−反応において、試験した化合物についてPIN値をプロットし、EC
50値を算出した。
【0206】
JAK-STATに対する式Iによる化合物の活性を上述のアッセイにより決定し、不活性、>6670、>6670、8943(平均>7427 nM)のIC
50値を得た。
【0207】
(3.2. OSM/IL-1βシグナル伝達アッセイ)
OSM及びIL-1βは、ヒト軟骨肉腫株化細胞系SW1353において、MMP13レベル値を相乗的に上方制御することが示される。該細胞を96ウェルプレートにおいて、37℃、5%CO
2でインキュベートした10%(v/v)のFBS及び1%のペニシリン/ストレプトマイシン(InVitrogen社製)を含有する容量120μLのDMEM(Invitrogen社製)中に、15,000細胞/ウェルで播種する。細胞を、15μLのOSM及びIL-1βでトリガーする1時間前に2%のDMSOを有するM199培地中で15μLの化合物とともにプレインキュベートし、25ng/mLのOSM及び1ng/mLのIL-1βにして、トリガーした48時間後に条件培地でMMP13レベルを測定する。抗体捕獲活性アッセイを利用してMMP13活性を測定する。この目的のために、384ウェルプレート(NUNC社製、460518、MaxiSorb black)を35μLの1.5μg/mL抗ヒトMMP13抗体(R&D Systems社製、MAB511)溶液で24時間4℃で被覆する。該ウェルをPBS+0.05%Tweenで2回洗浄した後、残りの結合部位を100μLのPBS中5%の脱脂粉乳(Santa Cruz社製、sc-2325、Blotto)で24時間4℃でブロックする。次に、該ウェルをPBS+0.05%Tweenで2回洗浄し、100倍希釈したブロッキング緩衝液中の、MMP13を含む培養上清の1/10希釈液を35μL添加し、室温で4時間インキュベートする。次に、該ウェルをPBS+0.05% Tweenで2回洗浄し、続いて、35μLの1.5mM 4-アミノフェニル水銀アセタート(APMA)(Sigma社製、A9563)溶液を添加し、37℃で1時間インキュベートすることによってMMP13を活性化した。該ウェルをPBS+0.05%Tweenで再度洗浄し、35μLのMMP13基質(Biomol社製、P-126、OmniMMP蛍光発生基質)を添加する。37℃で24時間のインキュベーションの後、転化した基質の蛍光をPerkin Elmer社製Wallac EnVision2102マルチラベルリーダー(励起波長:320nm、発光波長:405nm)で測定する。
【0208】
阻害率=((ビヒクル存在下で測定された蛍光−被験化合物が存在する試料について測定された蛍光)/(ビヒクルの存在下で測定された蛍光−トリガーなしの試料について測定された蛍光))×100である。
【0209】
(3.3 PBL増殖アッセイ)
ヒト末梢血リンパ球(PBL)をIL-2で刺激し、BrdU取り込みアッセイを使用して増殖を測定する。まず、PHAを用いてPBLを72時間刺激してIL-2受容体を誘発し、24時間絶食させて細胞増殖を停止させ、続いて、さらに72時間(24時間のBrdU標識化を含む)IL-2刺激を行う。細胞を被験化合物とともにIL-2添加の1時間前にプレインキュベートする。10%(v/v)FBSを含有するRPMI1640で細胞を培養する。
【0210】
(3.4. ヒト全血アッセイ(hWBA))
(3.4.1. プロトコル1)
(3.4.1.1. IL-6刺激プロトコル)
フローサイトメトリー分析を実施して、ヒトの全血を使用してエクスビボでのJAK2に優るJAK1の化合物選択性を確立した。したがって、血液を、インフォームドコンセントを与えたヒトの志願者から採取する。次いで、血液を、穏やかに揺らしながら30分間37℃で平衡化させ、エッペンドルフチューブに小分けにする。化合物を異なる濃度で加え、穏やかに揺らしながら37℃で30分間インキュベートし、その後、JAK1依存性経路刺激にはインターロイキン6(IL-6)により、JAK2依存性経路刺激にはGM-CSFにより、穏やかに揺らしながら20分間37℃で刺激する。次いで、FACS分析を利用してホスホ-STAT1及びホスホ-STAT5を評価する。
【0211】
(3.4.1.1.1. ホスホ-STAT1アッセイ)
(3.4.1.1.1.1. 試薬の調製)
5×Lyse/Fix緩衝液(BD PhosFlow、カタログ番号558049)を蒸留水で5倍に希釈し、37℃に予熱した。残りの希釈したLyse/Fix緩衝液を廃棄した。
【0212】
10μgのrhIL-6(R&D Systems社製、カタログ番号206-IL)を、1mlのPBS 0.1% BSAに溶かし、10μg/mlのストック溶液を得た。ストック溶液を小分けし、-80℃で保存した。
【0213】
化合物の3倍の希釈系列をDMSO中に調製した(10 mMストック溶液)。対照処理試料には化合物の代わりにDMSOを与えた。試料は全て1%の最終DMSO濃度でインキュベートした。
【0214】
(3.4.1.1.1.2. 血液の化合物とのインキュベーション及びIL-6による刺激)
ヒトの血液をヘパリン処理したチューブに集める。血液を148.5μLのアリコートに分ける。その後、1.5μLの被験化合物希釈液を各血液アリコートに加え、血液試料を穏やかに揺らしながら37℃で30分間インキュベートする。1.5マイクロリットルの10倍希釈されたIL-6ストック溶液を血液試料に加え(最終濃度10ng/ml)、該試料を穏やかに揺らしながら37℃で20分間インキュベートする。
【0215】
(3.4.1.1.1.3. 白血球調製)
赤血球を溶解させ、白血球を固定するために、刺激期間の最後に、3mLの1×予熱したLyse/Fix緩衝液を直ちに血液試料に加え、手短にボルテックスにかけ、水浴中で15分間37℃でインキュベートした。
【0216】
チューブを、400xgで4℃で5分間遠心分離する。細胞ペレットを3mLの冷1×PBSで洗浄し、遠心分離後に細胞ペレットを100μLの氷冷1×PBSに再懸濁させ、900μLの氷冷100%メタノールを加える。次いで、細胞を4℃で30分間、易透化のためにインキュベートする。
【0217】
次いで、易透化された細胞を、3%BSAを含む1×PBSで洗浄し、最後に3%BSAを含む80μLの1×PBXに再懸濁させる。
【0218】
(3.4.1.1.1.4. ホスホ-STAT1及び抗-CD4抗体による細胞標識化)
20μLのPEマウス抗-STAT1(pY701)又はPEマウスIgG2aκアイソタイプコントロール抗体(BD Biosciences社製、それぞれカタログ番号612564及び559319)と、FITC-結合抗-CD4抗体又は対照FITC-結合アイソタイプ抗体を加えて混合し、暗所で4℃で30分間インキュベートした。
【0219】
次いで、細胞を1×PBSで1回洗浄し、FACSCanto IIフローサイトメーター(BD Biosciences社製)で分析した。
【0220】
(3.4.1.1.1.5. FACSCanto IIによる蛍光分析)
50,000の総事象を計数し、リンパ球ゲート中で、CD4+細胞のゲーティングの後ホスホ-STAT1陽性細胞を測定する。FACSDivaソフトウェアを利用してデータを分析し、IL-6刺激の阻害のパーセンテージを、CD4+細胞に対するホスホ-STAT1に対する陽性細胞のパーセンテージから計算する。
【0221】
(3.4.1.1.2. ホスホ-STAT5アッセイ)
(3.4.1.1.2.1. 試薬の調製)
5×Lyse/Fix緩衝液(BD PhosFlow、カタログ番号558049)を蒸留水で5倍に希釈し、37℃に予熱した。残りの希釈したLyse/Fix緩衝液は廃棄した。
【0222】
10μgのrhGM-CSF(AbCys S.A.社製、カタログ番号P300-03)を100μLのPBS 0.1% BSAに溶解させて、100μg/mLのストック溶液を得た。該ストック溶液を小分けにして-80℃で保存した。
【0223】
化合物の3倍希釈系列をDMSO中で調製した(10mMストック溶液)。対照処理試料には、被験化合物無しでDMSOを与えた。全試料を1%最終DMSO濃度でインキュベートした。
【0224】
(3.4.1.1.2.2. 血液の化合物とのインキュベーション及びGM-CSFによる刺激)
ヒトの血液をヘパリン処理したチューブに集めた。血液を148.5μLのアリコートに分けた。その後、1.5μLの化合物希釈液を各アリコートに加え、血液試料を、穏やかに揺らしながら37℃で30分間インキュベートした。GM-CSFストック溶液の5,000倍希釈液(1.5μL)を血液試料に加え(最終濃度20pg/mL)、穏やかに揺らしながら試料を37℃で20分間インキュベートした。
【0225】
(3.4.1.1.2.3. 白血球調製)
赤血球を溶解させ、白血球を固定するために、刺激期間の最後で、3mLの1×予熱されたLyse/Fix緩衝液を血液試料に直ちに加え、手短にボルテックスにかけ、水浴中で15分間37℃でインキュベートした。
【0226】
チューブを、400xgで4℃で5分間遠心分離した。細胞ペレットを3mLの冷1×PBSで洗浄し、遠心分離後に細胞ペレットを100μLの氷冷1×PBSに再懸濁させ、900μLの氷冷100%メタノールを加えた。次いで、細胞を4℃で30分間、易透化のためにインキュベートした。
【0227】
(3.4.1.1.2.4. 抗ホスホ-STAT5及び抗-CD33抗体による細胞標識化)
20μLのPEマウス抗-STAT5(pY694)又はPEマウスIgG1κアイソタイプコントロール抗体(BD Biosciences社製、それぞれカタログ番号612567及び554680)と、APCマウス抗CD33抗体(BD Biosciences社製345800番)又は対照APCマウスIgG1アイソタイプ抗体(BD Biosciences社製345818番)を加え、混合し、次いで暗所で、30分間4℃でインキュベートした。
【0228】
次いで、細胞を1×PBSで1回洗浄し、FACSCanto IIフローサイトメーター(BD Biosciences社製)で分析した。
【0229】
(3.4.1.1.2.5. FACSCanto IIでの蛍光分析)
50,000の総事象を計数し、CD33
+細胞のゲーティングの後ホスホ-STAT5陽性細胞を測定した。FACSDivaソフトウェアを利用してデータを分析したが、CD33
+細胞に対するホスホ-STAT5に対する陽性細胞のパーセンテージから計算したGM-CSF刺激の阻害のパーセンテージに相当する。
【0230】
(3.4.2. プロトコル2)
(3.4.2.1. 刺激プロトコル)
フローサイトメトリー分析を実施して、ヒトの全血を利用するエクスビボでのJAK2に優るJAK1の化合物選択性を確立した。したがって、血液を、インフォームドコンセントを与えたヒトの志願者から採取する。次いで、血液を、穏やかに揺らしながら30分間37℃で平衡化させ、エッペンドルフチューブに小分けにする。化合物を異なる濃度で加え、穏やかに揺らしながら37℃で30分間インキュベートし、その後、JAK1-依存性経路刺激にはインターロイキン6(IL-6)、JAK1/TYK2経路刺激にはインターフェロンアルファ(IFNα)、JAK1/JAK3経路刺激にはインターロイキン2(IL-2)、又はJAK2-依存性経路刺激にはGM-CSFにより、穏やかに揺らしながら20分間37℃で刺激する。次いで、ホスホ-STAT1(IL-6-及びIFNα-刺激細胞の場合)及びホスホ-STAT5(IL-2-及びGM-CSF-刺激細胞の場合)レベルを、FACS分析を利用して評価する。
【0231】
(3.4.2.2. ホスホ-STATアッセイ)
(3.4.2.2.1. 試薬の調製)
5×Lyse/Fix緩衝液(BD PhosFlow、カタログ番号558049)を蒸留水で5倍に希釈し、37℃に予熱した。残りの希釈したLyse/Fix緩衝液を廃棄した。
【0232】
10μgのrhIL-6(R&D Systems社製、カタログ番号206-IL)を1 mLのPBS+0.1% BSAに溶解させて、10μg/mLストック溶液を得た。該ストック溶液を小分けにして、-80℃で保存した。
【0233】
10μgのrhIL-2(R&D Systems社製、カタログ番号202-IL)を1mLのPBS+0.1%BSAに溶解させて、10μg/mLストック溶液を得た。該ストック溶液を小分けにして、-80℃で保存した。
【0234】
5μgのrhGM-CSF(AbCys S.A.社製、カタログ番号P300-03)を12.5mLのPBS+0.1%BSAに溶解させて、400ng/mLストック溶液を得た。該ストック溶液を小分けにして-80℃で保存した。
【0235】
化合物の3倍希釈系列をDMSOで調製した(10mMストック溶液)。対照処理試料には化合物のかわりにDMSOを与えた。全試料を1%最終DMSO濃度でインキュベートした。
【0236】
(3.4.2.2.2. 化合物との血液のインキュベーション及びトリガーによる刺激)
ヒトの血液をヘパリン処理したチューブに集めた。血液を148.5μLのアリコートに分けた。その後、1.5μLの被験化合物希釈液を各血液アリコートに加え、血液試料を、穏やかに揺らしながら37℃で30分間インキュベートした。1.5マイクロリットルの10倍希釈されたIL-6ストック溶液、1.5μLのuIFNα(PBL Biomedical社製、カタログ番号11200-1)ストック溶液、1.5μLの25倍希釈されたIL-2ストック溶液、又は1.5μLの200倍希釈されたGM-CSFストック溶液を血液試料に加え、試料を、穏やかに揺らしながら37℃で20分間インキュベートした。
【0237】
(3.4.2.2.3. 白血球調製)
赤血球を溶解させ、白血球を固定するために、刺激期間の最後に、3mLの1×予熱したLyse/Fix緩衝液を直ちに血液試料に加え、手短にボルテックスにかけ、水浴中で15分間37℃でインキュベートした。
【0238】
チューブを、400xgで4℃で5分間遠心分離した。細胞ペレットを3mLの冷1×PBSで洗浄し、遠心分離後に細胞ペレットを100μLの氷冷1×PBSに再懸濁させ、900μLの氷冷100%メタノールを加えた。次いで、細胞を4℃で30分間、易透化のためにインキュベートした。
【0239】
次いで、易透化された細胞を、3%BSAを含む1×PBSで洗浄し、最後に3%BSAを含む80μLの1×PBXに再懸濁させた。
【0240】
(3.4.2.2.4. 細胞標識)
20μLのPEマウス抗-STAT1(pY701)又はPEマウスIgG2aκアイソタイプコントロール抗体(BD Biosciences社製、それぞれカタログ番号612564及び559319)と、APC-結合抗-CD4抗体又は対照APC-結合アイソタイプ抗体(BD Biosciences社製、それぞれカタログ番号555349及び555751)を、IL-6-及びIFNα-刺激チューブに加え、混合し、ついで、暗所で、20分間4℃でインキュベートした。
【0241】
20μLのPEマウス抗-STAT5(pY694)又はPEマウスIgG1κアイソタイプコントロール抗体(BD Biosciences社製、それぞれカタログ番号612567及び554680)と、APC-結合抗-CD4抗体又は対照APC-結合アイソタイプ抗体(BD Biosciences社製、それぞれカタログ番号555349及び555751)をIL-2-刺激チューブに加え、混合し、次いで、暗所で20分間4℃でインキュベートした。
【0242】
20μLのPEマウス抗-STAT5(pY694)、又はPEマウスIgG1κアイソタイプコントロール抗体(BD Biosciences社製、それぞれカタログ番号612567及び554680)と、APCマウス抗CD33抗体(BD Biosciences社製、345800)又はコントロールAPCマウスIgG1アイソタイプ抗体(BD Biosciences社製、カタログ番号345818)を、GM-CSF-刺激チューブに加え、混合し、次いで、暗所で、20分間4℃でインキュベートした。
【0243】
次いで、細胞を、1×PBSで1回洗浄し、FACSCanto II フローサイトメーター(BD Biosciences社製)で分析した。
【0244】
(3.4.2.2.5. FACSCanto IIでの蛍光分析)
50,000の総事象を計数し、ホスホ-STAT1陽性細胞を、IL-6-及びIFNα-刺激細胞のためのリンパ球ゲートにおいて、CD4+細胞のゲーティングの後で測定した。ホスホ-STAT5陽性細胞を、IL-2-刺激細胞のためのリンパ球ゲートにおいて、CD4+細胞のゲーティングの後で測定した。ホスホ-STAT5陽性細胞を、CD33+細胞のゲーティングの後で測定した。FACSDivaソフトウェアを利用してデータを分析し、IL-6又はIFNα刺激の阻害のパーセンテージを、CD4+細胞に対するホスホ-STAT1に対する陽性細胞のパーセンテージから計算する。IL-2刺激細胞では、FACSDivaソフトウェアを利用してデータを分析し、IL-2刺激の阻害のパーセンテージを、CD4+細胞に対するホスホ-STAT1に対する陽性細胞のパーセンテージから計算した。GM-CSF刺激細胞では、GM-CSF刺激の阻害のパーセンテージを、CD33+細胞に対するホスホ-STAT5に対する陽性細胞のパーセンテージから計算した。
【0245】
(3.4.3. 結果)
これらのプロトコルに従うと、式Iによる化合物は、6つの異なるドナーでIL-6-誘起STAT1リン酸化に関して11.9μMの平均IC
50を与えた。IFNα-誘起STAT1リン酸化では、6つの異なるドナーで、平均IC
50が15.4μMであると評価した。IL-2-誘起STAT5リン酸化では、5つの異なるドナーで、平均IC
50が19.6μMであると評価した。GM-CSF-誘起STAT5リン酸化では、7つの異なるドナーで、平均IC
50が100μMを超えると評価した。
【0246】
(実施例4. インビボモデル)
(4.1. CIAモデル1)
(4.1.1. 材料)
完全フロイントアジュバント(CFA)及び不完全フロイントアジュバント(IFA)をDifco社から購入した。ウシII型コラーゲン(CII)、リポ多糖(LPS)及びエンブレル(登録商標)をそれぞれ、Chondrex社(Isle d'Abeau、フランス)、Sigma社(P4252、L'Isle d'Abeau、フランス)、Whyett(25mg注射可能シリンジ、フランス)、Whyett(25mg注射可能シリンジ、フランス)、Acros Organics社(カリフォルニア州パロアルト)から入手した。使用した他の全ての試薬は試薬等級のものであり、全ての溶媒は分析用等級であった。
【0247】
(4.1.2 動物)
Dark Agoutiラット(雄、7〜8週齢)をHarlan Laboratories社(Melderslo、オランダ)から入手した。ラットを12時間の明暗サイクル(0700-1900)に保った。温度を22℃に維持し、餌及び水を適宜与えた。
【0248】
(4.1.3 コラーゲン誘発関節炎(CIA))
実験の前日に、CII溶液(2mg/mL)を0.05Mの酢酸を用いて調製し、4℃で保管した。免疫化の直前に、等量のアジュバント(IFA)及びCIIを氷水浴において、予冷却したガラス瓶中でホモジナイザーにより混合した。乳濁液が形成されなかった場合は、さらなるアジュバント及びホモジナイズの延長が必要となる場合がある。1日目に0.2mLの乳濁液を各ラットの尾の根元に皮内注射し、9日目に第2の追加免疫の皮内注射(CFA0.1mLの生理食塩水中2mg/mLのCII溶液)を行った。この免疫化法は既報の方法(Simsらの文献、(2004);Jouらの文献(2005))を変更したものであった。
【0249】
(4.1.4 研究設計)
化合物の治療効果をラットCIAモデルで試験した。ラットを無作為に、均等な群に分け、各群は10匹のラットを含んでいた。全てのラットを1日目に免疫化し、9日目に追加免疫した。治療量を16日目〜30日目まで与え続ける。陰性対照群をビヒクル(MC 0.5%)で処置し、陽性対照群をエンブレル(登録商標)(10mg/kg、3×週、皮下注射)で処置した。対象とする化合物を、典型的には、3用量、例えば、6、10、60mg/kg、1日1回経口で試験した。
【0250】
(4.1.5 関節炎の臨床評価)
関節炎を、Khachigianの文献2006、Linらの文献2007、及びNishidaらの文献2004の方法に従い得点付けした。4足それぞれの腫脹を以下のように関節炎スコアによってランク付けした:0−症状なし;1−軽度だが、足首又は手首などの1種の関節の明確な紅化及び腫脹、又は罹患した指の数にかかわらず個々の指に限られた明らかな紅化及び腫脹;2−2種以上の関節の中等度の紅化及び腫脹;3−指を含む足全体の重度の紅化及び腫脹;4−多数の関節が関与する極度に炎症を起こした肢(動物あたりの最大の累積臨床関節炎スコアは16)(Nishidaらの文献2004)。
【0251】
複数の研究のメタ分析を可能にするため、臨床スコア値を以下のとおり規格化した。
【0252】
臨床スコアのAUC(AUCスコア):個々のラットに対して、1日から14日の曲線下面積(AUC)を計算した。各動物のAUCを、その動物のデータが得られた研究におけるビヒクルに対して得られた平均AUCで割り、100をかけた(すなわち、AUCを、研究あたりの平均ビヒクルAUCのパーセンテージとして表した)。
【0253】
1日から14日までの臨床スコアの増加(エンドポイントスコア):各動物の臨床スコアの差を、その動物のデータが得られた研究におけるビヒクルに対して得られた平均臨床スコアの差で割り、100をかけた(すなわち、差を、研究あたりビヒクルの平均臨床スコアの差のパーセンテージとして表した)。
【0254】
(4.1.6 関節炎発症後の体重の変化(%))
臨床的に、体重減少は関節炎と関連した(Sheltonらの文献、2005;Argilesらの文献、1998;Rallの文献、2004;Walsmithらの文献、2004)。したがって、関節炎発症後の体重の変化は、ラットモデルにおける治療術の効果を評価する非特異的なエンドポイントとして利用できる。関節炎発症後の体重の変化(%)を以下のように計算した。
【数1】
【0255】
(4.1.7 放射線学)
個々の動物の後足のX線写真を撮影した。無作為のブラインド・アイデンティティ番号を、写真のそれぞれに割り当て、以下の放射線学的ラーセンのスコアシステムを用いて2人の独立したスコアラーにより骨びらんの重症度をランク付けした:0−無傷の骨の外郭及び正常な関節腔を有する正常状態;1−1又は2の外側中足骨に軽微な骨びらんが見られる軽度の異常;2−3から5の外側中足骨に骨びらんがみられる明確な初期の異常;3−全ての外側中足骨並びに1又は2の内側中足骨に明らかな骨びらんが見られる中等度破壊性異常;4−全ての中足骨に明らかな骨びらんが見られ、かつ少なくとも1の内側中足骨関節が完全に侵食され、骨の関節外郭のいくらかが部分的に残されている重度破壊性異常;5−骨の外郭を有さないムチランス型異常。このスコア付けシステムは、Salveminiらの文献、2001;Bushらの文献、2002;Simsらの文献、2004;Jouらの文献、2005の変形であった。
【0256】
(4.1.8 組織学)
放射線学的分析の後、マウスの後足を10%リン酸-緩衝ホルマリン(pH7.4)に固定し、微細組織診のための急速骨脱灰剤(Laboratories Eurobio社製)によって脱灰しパラフィンに包埋した。関節炎の関節の詳細な評価を確実に行うために、少なくとも4つの連続切片(5μm厚)を切り出し、各系列の切片の間を100μmとした。該切片をヘマトキシリン及びエオシン(H&E)で染色した。滑膜の炎症、並びに骨及び軟骨損傷の組織学的実験を、二重盲検プロトコルを利用して行った。各足において、4点スケールを用いて4つのパラメーターを評価した。該パラメーターは、細胞浸潤、パンヌス重症度、軟骨侵食、及び骨びらんであった。以下のようにスコア付けを行った:1−正常、2−軽度、3−中等度、4−顕著。4つのスコアを総合し、さらなるスコア、つまり「RA総計スコア」として表した。
【0257】
(4.1.9 踵骨(踵の骨)のマイクロ-コンピュータ断層撮影法(μCT)分析)
RAに見られる骨破壊は特に皮質骨で生じ、μCT分析により明らかとなり得る(Sims NAらの文献(Arthritis Rheum. 50 (2004) 2338-2346:「ゾレドロン酸による破骨細胞の標的化はコラーゲン誘導性関節炎における骨破壊を予防する(Targeting osteoclasts with zoledronic acid prevents bone destruction in collagen-induced arthritis)」);Oste Lらの文献(ECTC Montreal 2007「マイクロCT形態計測によりマウスのCIAモデルにおける骨の構築の乱れを測定するハイスループット法(A high throughput method of measuring bone architectural disturbance in a murine CIA model by micro-CT morphometry)」)。踵骨の走査及び3Dボリューム再構築後に、骨破壊を、インシリコで骨の縦軸に対して垂直に単離されたスライドあたりに存在する分離した対象の数として測定した。骨がより破壊されているほど、より多くの分離対象が測定された。踵骨に沿って均一に分布した1000の切片(約10.8μmの間隔)を分析した。
【0258】
(4.1.10 定常状態PK)
7日又は11日に、抗凝血剤としてのヘパリンリチウムとともに血液試料を後方眼窩洞(retro-orbital sinus)で下記の時点で採取した:投与前、1、3、及び6時間。全血試料を遠心分離し、生じた血漿試料を分析未決のまま-20℃で保存した。各被験化合物の血漿濃度を、質量分光法がポジティブエレクトロスプレーモードで運転されるLC-MS/MS法により測定した。Winnonlin(登録商標)(Pharsight(登録商標)、アメリカ合衆国)を使用して薬物動態学的パラメーターを計算し、投与前の血漿レベルが24時間血漿レベルと等しいと仮定した。
【0259】
(4.1.11 結果)
式Iによる化合物は、
図1及び表1に示される通り、60mg/kgの投与量で、規格化された臨床スコア値(AUCとして又は1日から14日への差として計算)に統計的に有意な向上を示した。
【0260】
表I:本明細書に開示される化合物による処置後のラットCIA臨床スコア
【表2】
【0261】
(4.2. CIAモデル2)
(4.2.1. 動物)
体重が165〜194グラムである(平均およそ178g)雌のルイスラット(n=76)を、関節炎第0日に、Charles River Laboratories社、Wilmington, MA(整理番号393739)から得た。動物は、群及び動物番号を表す尾の根本の個別番号により特定した。
【0262】
到着すると、靴箱型のポリカーボネートケージに、4匹/ケージで動物を収容し、II型コラーゲンにより免疫させる前に8日間順化させた。同時に与える薬物は全くなかった。
【0263】
順化及び試験期間の間、温度が19〜25°F(-7.2〜-3.9℃)及び相対湿度30%〜70%の実験室環境に動物を収容した。自動タイマーにより、12時間の光及び12時間の暗がりを与えた。動物には、餌及び水を適宜与えた。
【0264】
(4.2.2. コラーゲン誘発関節炎(CIA))
(4.2.2.1. 準備)
第-9日及び第-3日に、順化させた雌のルイスラットにイソフルランで麻酔をかけ、2mg/mLウシII型コラーゲン(Elastin Products社製、オーエンズビル、ミズーリ州)を含む300μLのフロイント不完全アジュバント(Difco社製、デトロイト、ミシガン州)による皮下/皮内(SC/ID)注射を、尾の根本及び背の2部位に与えた。
【0265】
0.01N酢酸中に4mg/mL溶液を作ることにより、コラーゲンを調製した。同体積のコラーゲンとフロイント不完全アジュバントを、この材料を水に入れたときその滴がその形を保つようになるまで、手作業の混合により乳化させた。各動物には、背中の3つの皮下部位に分けて、各場合に300μLの混合物を与えた。
【0266】
(4.2.2.2. 試験)
試験の第1日に、関節炎の発症が起こり、動物を無作為に処置群に分けた。無作為化の後、全てのケージに、プロトコル番号、群番号、及び動物番号の標識を付けた。各群への無作為化は、足首の関節の腫脹が明らかに確立され、両側性疾患の充分なエビデンスが出てから行った。
【0267】
確立されたII型コラーゲン関節炎を有する動物を、ビヒクル(メチルセルロース0.5%(w/v))、又はメチルセルロース中に調製された活性化合物(複数可)0.5%(w/v)により、毎日(QD)経口(PO)経路により13日間処置した。経口投薬は、関節炎第1日に開始し、第13日まで毎日(24時間間隔でQD)継続した。関節炎第14日に動物を屠殺した。
【0268】
(4.2.2.3. 関節炎の臨床評価)
動物の両足首の直径を測定することにより、関節炎の重症度を評価した。足首のキャリパー測定を、Digitrix IIマイクロメーター(Fowler&NSK社製)により第0日から毎日実施した。ベースライン測定は、1つの足首を利用して、値を千分の一インチまで丸めて行った。ある範囲の体重に基づくラットの歴史的な(historical)値と比べて、測定値を臨床的に正常であると確認した(0.260〜0.264インチ)。次いで、ベースライン測定を両足首に適用したが、これらの値は、足首が、全距骨の輪郭が良好に明確で炎症の証拠が全くなく臨床的に正常である限り動物と共にあった。動物を第14日に屠殺した。
【0269】
(4.2.2.4. 化合物、用量、及び結果)
化合物を、様々な投与量で、個別及び組み合わせて試験したが、それを以下の表IIに列記する。
【0270】
表II:CIA第2モデルにおいて試験した化合物及び投与量
【表3】
(*=ビヒクル対照に対してp≦0.05分散分析)
【0271】
(4.2.2.5. 結論)
図2及び以下の表IIIに示されている通り、足首直径測定は、式Iによる化合物(25mg/kg)と式IIによる化合物(3mg/kg)の組み合わせの投与が、式Iによる化合物(25mg/kg)単独又は式IIによる化合物(3mg/kg)単独で得られる効果よりも強い効果を与えることを示す。
【0272】
表III:本明細書に開示される化合物による処置後のラットCIAモデルにおける足首直径(インチ)の変化
【表4】
【0273】
(実施例5. 薬物動態学的試験)
(5.1. インビトロ代謝試験)
マウス、ラット、イヌ、及びヒトの肝細胞中の式IIによる[
14C]-化合物の代謝を比較する試験は、式IIによる化合物が全ての種において安定であることを明らかに示し、代謝の程度が全ての種において低く、
図3に示される通り式IIによる化合物の少なくとも80%が24時間後にあることを確認する。
【0274】
表IVは、ヒト及び動物種の肝細胞における、式IIによる化合物の放射分析による代謝プロファイルを示すが、それは、1つの主な代謝物(式Iによる化合物、11%)及び2種の微量な代謝物(特性化せず、<1.0%、クロマトグラム上に認識できる)を示した。
【0275】
表IV:式IIによる化合物のインビトロ代謝プロファイル
【表5】
【0276】
(5.2. インビボ試験)
(5.2.1. 動物における単回投与薬物動態)
式IIによる化合物を投薬した種々の動物種で薬物動態試験を実施し、式Iによる化合物への曝露並びにその見かけの最終半減期を(T
1/2)、可能な場合決定した。
【0277】
(5.2.1.1. プロトコル)
(5.2.1.1.1. 動物)
Sprague-Dawleyラット(雄、200〜250g)、CD1マウス(雄、25〜30g)、ビーグル犬(雄、9〜10kg)、ゲッチンゲンミニブタ(雄、10〜15kg)、及びニュージーランドホワイトウサギ(雄、3〜5kg)を、処置の前に少なくとも7日間順化させ、12時間明暗サイクル(07時00〜19時00)に保った。
【0278】
温度をおよそ22℃に保ち、餌及び水を適宜与えた。
【0279】
(5.2.1.1.2. 薬物動態試験)
式Iによる化合物を0.5%メチルセルロース中に製剤し、投薬体積5又は10mL/kgで、15〜180mg/kgの投与量で、1回の強制食道投薬として、3又は6匹の動物に経口投薬した。
【0280】
式IIによる化合物を0.5%メチルセルロース中に製剤し、投薬体積5又は10mL/kgで、15〜45mg/kgの投与量で、1回の強制食道投薬として、3匹の動物に(又は3匹のマウス/時点)経口投薬した。
【0281】
頸動脈(イヌ、ミニブタ)、耳の血管(ウサギ)、心臓穿刺(マウス)、又は後眼窩洞(ラット)により、ヘパリンリチウムを抗凝固剤として、24時間の期間にわたり血液試料を集めた。全血試料を遠心分離し、得られた血漿試料を分析未決のまま-20℃で保存した。
【0282】
(5.2.1.1.3. 血漿中の化合物レベルの定量化)
式Iによる化合物及び式IIによる化合物の血漿濃度を、全種に関して式Iと式IIの両方で定量限界≦10.0ng/mLで、LC-MS/MS法により測定した。
【0283】
(5.2.1.1.4. 薬物動態パラメーターの決定)
薬物動態パラメーターを、統計分析パッケージ(WinNonLin(Pharsight社製、サニーベール、カリフォルニア州:CA 94086、USA)を利用して計算した。
【0284】
(5.2.1.2. 結果)
(5.2.1.2.1. 式Iによる化合物の単独投与時の結果)
上述のプロトコルを利用して、AUC及び見かけの最終半減期を、以下に表Vに示す通り決定した。
【0285】
表V:式Iによる本発明の化合物の投与時の様々な種における曝露及び見かけの最終半減期
【表6】
【0286】
表Vに示される結果は、式Iによる化合物が、それだけで投薬された場合、容易に吸収され、したがってインビボで曝露されることを示す。
【0287】
(5.2.1.2.2. 式IIによる化合物の単独投与時の結果)
式IIによる化合物の投与時に、式Iによる化合物の見かけの最終排泄半減期を、マウス(2.1時間)及びウサギ(4.6時間)で決定した。
【0288】
(5.2.2. ヒトにおける単回投与薬物動態)
(5.2.2.1. プロトコル)
対象に、単一用量(10、25、50、100、又は200mg)の式IIによる化合物をカプセルとして、高脂肪高カロリー朝食(FDA勧告:高脂肪(食事の全カロリー含量のおよそ50パーセント)、及び高カロリー(およそ800〜1000カロリー)の後で与えた。例の試験用食事は、バターで揚げた卵2つ、ベーコン2切れ、バターを塗ったトースト2枚、4オンス(113.4g)のハッシュブラウンポテト、及び8オンス(226.8g)の全乳を含むだろう。この試験用食事における置き換えは、食事が、タンパク質、炭水化物、及び脂肪から類似の量のカロリーを提供し、同等な食事の体積及び粘度を有する限り行うことができる。
【0289】
連続的な血液試料を72時間にわたり集め、実証された液体クロマトグラフィー質量分析法/質量分析法(LC-MS/MS)法を利用して定量限界1.00ng/mLで、式II及び式Iによる化合物の血漿濃度を決定した。PKパラメーターを統計分析パッケージ(WinNonLin(Pharsight社製、サニーベール、カリフォルニア州:CA 94086、USA)を利用して評価した。
【0290】
(5.2.2.2. 血漿消失結果)
式IIによる化合物及び式Iによる化合物の平均血漿濃度-時間プロファイルを測定した。
【0291】
式IIによる化合物の経時的な消失は二相のプロファイルを示し、平均の見かけの最終消失半減期は約5〜8時間であった。
【0292】
対照的に、式Iによる化合物の血漿消失は単相のプロファイルを示し、平均の見かけの最終消失半減期は21〜27時間であった。
【0293】
(5.2.2.3. 式II及び式Iによる化合物への曝露)
2種の化合物の相対的な曝露を示すために、式Iによる化合物及び式IIによる化合物のAUCを計算した。AUC値は、投薬後の、種における化合物の全曝露を表す。次いで、これらの値を、
図4において、式Iによる化合物のAUC:式IIによる化合物のAUCの比として表した。この比から、ヒトにおける式IIによる化合物投与の後の式Iの化合物への曝露において、治療上等価な投与量での動物に見られる曝露に比較して著しい差があったことが明らかにわかる。理論に拘束されることは望まないが、この差が、異なる種における見かけの最終半減期の差に関連すると考えられた。
【0294】
表VI:式IIによる化合物の投与時に測定した[式I]:[式II]の曝露の比(AUCとして表す)
【表7】
【0295】
(5.2.3. ヒトにおける反復投与薬物動態)
(5.2.3.1. プロトコル)
対象には、10日間、標準的な朝食の後に、カプセルとして、反復投与量の(25、50、及び100mg BID又は200、300、及び450mg QD)式IIによる化合物を与えた。
【0296】
連続的な血液試料を、12時間(BID療法)又は24時間(QD療法)にわたり、第1日及び第10日に集め、実証された液体クロマトグラフィー質量分析法/質量分析法(LC-MS/MS)法を利用して両式にとって定量限界1.00ng/mLで、式II及び式Iによる化合物の血漿濃度を決定した。PKパラメーターを統計分析パッケージ(WinNonLin(Pharsight社製、サニーベール、カリフォルニア州:CA 94086、USA)を利用して評価した。
【0297】
(5.2.3.2. 血漿消失結果)
式IIによる化合物及び式Iによる化合物の平均血漿濃度-時間プロファイルを測定した。
【0298】
式IIによる化合物の経時的な消失は二相のプロファイルを示し、平均の見かけの最終消失半減期は約4〜11時間であった。
【0299】
対照的に、式Iによる化合物の血漿消失は単相のプロファイルを示し、平均の見かけの最終消失半減期は22〜27時間であった。
(5.2.3.3. 式II及び式Iによる化合物への曝露)
2種の化合物の相対的な曝露を示すために、式Iの化合物及び式IIによる化合物のAUCを計算した。AUC値は、反復投薬後の化合物の定常状態の曝露を表す。式Iによる化合物のAUC:式IIによる化合物のAUCの比を表VIIに表す。
【0300】
表VII:式IIによる化合物の反復投与時に測定した式II及び式Iの曝露(AUCとしてμg.h/mLで表す)
【表8】
【0301】
(5.2.4. 結論)
式Iによる化合物は、インビトロで全ての種において非常に類似したプロファイルを示す。しかし、意外なことに、インビボでは、このプロファイルはヒトと他の動物種の間で非常に異なり、見かけの最終半減期がヒトでは少なくとも3倍高かった。このより長い見かけの最終半減期により、ヒトにおいて式Iによる化合物の蓄積が起こり、広範囲の投与計画頻度の可能性、特に低頻度の投与計画の可能性、より特に1日1回から2週ごとに1回、最も特に1日1回から週に1回の可能性を与える。
【0302】
(5.3. 標的阻害)
式IIによる化合物を、健康な志願者に、200mg QD及び100mg BIDで毎日投薬した。
【0303】
次いで、得られた式II及び式Iのレベルを測定し、実施例3.4で上述した全血アッセイにより決定されたそれぞれのIC
50の倍数としてプロットした(
図5)。
【0304】
式IIと式IはどちらもCIAラットモデルにおいて単独で活性であった。驚くべきことに、
図4に示される通り、式IIの化合物の投与は2つの活性種、式I及び式IIに関連している。理論に限定されることは望まないが、式IIが標的の迅速な阻害を与え、次いで、式Iによる化合物が着実に形成され、蓄積され、そのため、
図6においてIC
50の累積倍数(cumulative fold)において示されている通り、ほとんど24時間にわたるIC
50レベルを超える薬物レベルをもたらすと考えられる。そのような蓄積が起こらないラット、マウス、及びウサギのモデルからそのようなプロファイルは予測され得なかったため、これは特に意外であった。
【0305】
表VIII:[ng/mLとして表された化合物の血液循環投与量]/[IC
50量での同じ化合物の循環投与量]として計算された比
【表9】
【0306】
(全般的な結論)
本出願に与えられたデータは、式Iによる化合物が生化学アッセイにおいてJAK1とJAK2に類似のインビトロ効力を示すものの、生理的条件により近い(Saharinenらの文献(2000 Mol. Cell. Biol., 20(10), 3387))インビトロ全血選択性アッセイが、式Iによる本発明の化合物がJAK2よりJAK1に対して10倍を超える選択性を示すことを示す。さらに、式Iによる本発明の化合物は、インビトロデータ又は他の種におけるインビボデータから予測し得るものに比べて、ヒトにおいて意外なインビボプロファイルを示す。とりわけ、式Iによる化合物は、ヒトにおいて、当業者が予測し得ない21〜27時間にわたる著しく長い見かけの最終半減期を示し、それは、低頻度の投与計画から患者のコンプライアンス増大にわたる利点をもたらし得る。とりわけ、患者が服用し忘れた場合のノンアドヒランスの影響は低減され得る。
【0307】
(実施例6. 追加のプロトコル)
(6.1. 熱力学的溶解性)
1mg/mLの被験化合物の溶液を、ガラス小瓶において室温で、0.2Mのリン酸緩衝液pH7.4又は0.1Mのクエン酸緩衝液pH3.0に調製する。
【0308】
該試料をローテータードライブSTR4(Stuart Scientific社製、Bibby社製)において、速度3.0、室温で24時間回転させる。
【0309】
24時間後、800μLの試料をエッペンドルフチューブに移し、14000rpmで5分間遠心分離する。次いで、200μLの試料の上清をMultiscreen(登録商標)溶解度用プレート(Millipore社製、MSSLBPC50)に移し、該上清を真空マニホールドを用いて、清潔なGreiner社製ポリプロピレンV字底96ウェルプレート(カタログ番号651201)に濾過する(10-12”(25.4-30.5cm)Hg)。5μLの濾液を、検量線を有するプレート(Greiner社製、カタログ番号651201)で、インキュベートに使用するのと同じ緩衝液95μL(20倍)に希釈する。
【0310】
該化合物の検量線をDMSO中で新たに作成する。10mMのDMSOストック溶液から開始して、DMSOに2倍に希釈し(5000μM)、次いで、19.5μMまでDMSOでさらに希釈する。次いで、5000μMからの希釈系列3μlを、97μlのアセトニトリル-緩衝液混合物(50/50)に移す。最終濃度の範囲は2.5〜150μMである。
【0311】
該プレートをシーリングマット(MA96RD-04S、Kinesis, Cambs, PE19, 8YX, UK)で密閉し、分子の適切な質量を決定するためにQuanoptimizeを使用して最適条件下で、室温でLCMS(Waters社製、ZQ1525)にて試料を測定する。
【0312】
該試料を、LCMSにおいて1ml/分の流量で分析する。溶媒Aは15mMのアンモニアであり、溶媒Bはアセトニトリルである。該試料を、Waters社製のXBridge C
18 3.5μM(2.1×30mm)カラムを用いてポジティブイオンスプレー下で操作する。溶媒勾配は、総実行時間2分であり、5%B〜95%Bの範囲である。
【0313】
ピーク面積を、Masslynxソフトウェアパッケージを用いて分析し、試料のピーク面積を検量線に対してプロットして、該化合物の溶解度を得る。
【0314】
溶解度値をμM又はμg/mLで報告する。
【0315】
(実施例6.2 水溶性)
(6.2.1 水溶性2%DMSO手順)
10mMのDMSO中のストック溶液から開始して、化合物の段階希釈をDMSOで調製する。該希釈系列を、96NUNC Maxisorbプレート平底(カタログ番号442404)に移し、室温の0.2Mのリン酸緩衝液pH7.4又は0.1Mのクエン酸緩衝液pH3.0を添加する。
【0316】
最終濃度は、5回の同じ希釈工程で、200μM〜2.5μMの範囲にある。最終DMSO濃度は2%を超えない。200μMのピレンを各96ウェルプレートの角点に添加し、顕微鏡のZ軸の補正のための参照点とする。
【0317】
該アッセイプレートを密閉し、230rpmで振盪しながら37℃で1時間インキュベートする。次いで、該プレートを白色光顕微鏡下で走査し、濃度あたりの沈殿の個々の写真を得る。該沈殿を分析し、数値に変換して、これをグラフ上にプロットする。該化合物が完全に溶解したように見える最初の濃度は下記に報告する濃度であるが、しかし、本当の濃度は、この濃度と1つ上の希釈段階との間のどこかにあるだろう。
【0318】
この手順により測定した溶解度値をμg/mLで報告する。
【0319】
(6.2.2 水溶性3%DMSO手順)
10mMのDMSO中のストック溶液から開始して、化合物の段階希釈をDMSOで調製する。該希釈系列を、96NUNC Maxisorbプレート平底(カタログ番号442404)に移し、室温の0.1Mのリン酸緩衝液pH7.4又は0.1Mのクエン酸緩衝液pH3.0を添加する。
【0320】
最終濃度は、5回の同じ希釈工程で、300μM〜18.75μMの範囲にあるだろう。最終DMSO濃度は3%を超えない。200μMのピレンを各96ウェルプレートの角点に添加し、顕微鏡のZ軸の補正のための参照点とする。
【0321】
該アッセイプレートを密閉し、230rpmで振盪しながら37℃で1時間インキュベートする。次いで、該プレートを白色光顕微鏡下で走査し、濃度あたりの沈殿の個々の写真を得る。該沈殿を分析し、ソフトウェアツールにより数値に変換して、これをグラフ上にプロットできる。該化合物が完全に溶解したように見える最初の濃度は報告した濃度であるが、しかし、本当の濃度は、この濃度と1つ上の希釈段階との間のどこかにある。
【0322】
この手順により測定した溶解度値をμg/mLで報告する。
【0323】
(実施例6.3 血漿タンパク質結合(平衡透析))
DMSO中の化合物の10mMストック溶液を、DMSOで5倍に希釈する。この溶液を、新たに解凍したヒト、ラット、マウス又はイヌの血漿(BioReclamation社製)で、最終濃度10μM及びDMSO最終濃度0.5%にさらに希釈する(PP-Masterblock 96ウェル(Greiner社製、カタログ番号780285)において1094.5μLの血漿中5.5μL)。
【0324】
インサート(ThermoScientific社製、カタログ番号89809)を有するPierce Red Deviceプレートを準備し、緩衝液チャンバーを750μLのPBSで満たし、かつ血漿チャンバーを500μLの添加血漿(spiked plasma)で満たす。該プレートを230rpmで振盪しながら、37℃で4時間インキュベートする。インキュベーション後、両チャンバーの120μLを、96ウェル丸底、PPディープウェルプレート(Nunc社製、カタログ番号278743)中の360μLのアセトニトリルに移し、アルミ箔の蓋で密閉する。該試料を混合し、30分間氷上に置く。次いで、このプレートを1200rcf、4℃で30分遠心分離し、該上澄みをLCMSでの分析用に96V字底PPプレート(Greiner社製、651201)に移す。
【0325】
該プレートを、Kinesis, Cambs, PE19 8YX, UKのシーリングマット(MA96RD-04S)で密閉し、分子の適切な質量を決定するためにQuanoptimizeを使用して最適条件下で、室温でLCMS(Waters社製、ZQ1525)にて試料を測定する。
【0326】
該試料を、LCMSで1ml/分の流量で分析する。溶媒Aは15mMのアンモニアであり、溶媒Bはアセトニトリルである。該試料を、Waters社製のXBridge C
18 3.5μM(2.1×30mm)カラムを用いてポジティブイオンスプレー下で操作する。溶媒勾配は、総実行時間2分であり、5% B〜95% Bの範囲である。
【0327】
緩衝液チャンバー及び血漿チャンバー中の化合物のピーク面積は、100%の化合物であると考えられる。血漿への結合率を、これらの結果から導き、血漿への結合率として報告する。
【0328】
PBS中の最終試験濃度の化合物の溶解度を顕微鏡で調査して、沈殿が見られるか否かを示す。
【0329】
(実施例6.4 ミクロソーム安定性)
(6.4.1 ミクロソーム安定性1時間インキュベーション手順)
DMSO中の化合物の10mMストック溶液を、96ディープウェルプレート(Greiner社製、カタログ番号780285)において182mMのリン酸緩衝液pH7.4で1000倍に希釈し、37℃でプレインキュベートする。
【0330】
40μLの脱イオン水をポリプロピレン製マトリックス2Dバーコード標識化した保存チューブ(Thermo Scientific社製)のウェルに添加し、37℃でプレインキュベートする。
【0331】
グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PDH)作業溶液を182mMのリン酸緩衝液pH7.4で調製し、使用前に氷上に置く。MgCl
2、グルコース-6-リン酸及びNADP+を含む補因子を脱イオン水で調製し、使用前に氷上に置く。
【0332】
対象とする種(ヒト、マウス、ラット、イヌ)の肝ミクロソーム(Xenotech社)、前述のG6PDH、及び補因子を含む最終作業溶液を調製し、この混合物を室温で20分以内でインキュベートする。
【0333】
30μLの予熱した化合物希釈液を、マトリックスチューブ中の予熱した水40μLに添加し、30μLのミクロソーム混合物を添加する。最終反応濃度は、化合物3μM、ミクロソーム1mg、GDPDH 0.4U/mL、MgCl
2 3.3mM、グルコース-6-リン酸3.3mM及びNADP+ 1.3mMである。
【0334】
ゼロ時間での化合物の残存率を測定するために、ミクロソーム混合物の添加前に、MeOH又はMeCNを該ウェルに添加する(1:1)。該プレートをMatrix Sepra seals(Matrix社、カタログ番号4464)で密閉し、数秒間振盪して、確実に全ての成分の混合が行われるようにする。
【0335】
停止させない試料を、37℃、300rpmでインキュベートし、1時間のインキュベート後、該反応をMeOH又はMeCNで停止する(1:1)。
【0336】
該反応の停止後、試料を混合し、氷上に30分間置いてタンパク質を沈殿させる。次いで、該プレートを1200rcf、4℃で30分間遠心分離し、LCMSでの分析用に上澄みを96V字底PPプレート(Greiner社、651201)に移す。
【0337】
これらのプレートを、Kinesis, Cambs, PE19 8YX, UKのシーリングマット(MA96RD-04S)で密閉し、親分子の適切な質量を決定するためにQuanoptimizeを使用して最適条件下で、室温でLCMS(Waters社製、ZQ1525)にて試料を測定する。
【0338】
該試料を、LCMSにおいて1ml/分の流量で分析する。溶媒Aは15mMのアンモニアであり、溶媒Bは、使用した停止溶液に応じてメタノール又はアセトニトリルである。該試料を、Waters社のXBridge C
18 3.5μM(2.1×30mm)カラムを用いてポジティブイオンスプレー下で操作する。溶媒勾配は、総実行時間2分であり、5% B〜95% Bの範囲である。
【0339】
ゼロ時間での親化合物のピーク面積を100%の残存とする。1時間のインキュベーション後の残存率をゼロ時間から算出し、残存率として算出する。緩衝液中の最終試験濃度の化合物の溶解度を顕微鏡で調査し、結果を報告する。
【0340】
ミクロソーム安定性のデータを、60分後に残存している化合物の総量の割合として表す。
【0341】
(6.4.2. ミクロソーム安定性30分インキュベーション手順)
DMSO中の化合物の10mMストック溶液を、96ディープウェルプレート(Greiner社製、カタログ番号780285)において105mMのリン酸緩衝液pH7.4で6μMに希釈し、37℃で予熱する。
【0342】
700U/mlのグルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PDH、Roche社製、10127671001)作業溶液を105mMのリン酸緩衝液pH7.4で1:700の比で希釈する。0.528MのMgCl
2.6H
2O(Sigma社製、M2670)、0.528Mのグルコース-6-リン酸(Sigma社製、G-7879)及び0.208MのNADP+(Sigma社製、N-0505)を含む補因子混合物を、105mMのリン酸緩衝液pH7.4で1:8の比で希釈する。
【0343】
対象とする種(ヒト、マウス、ラット、イヌなど)の1mg/ml肝ミクロソーム(供給業者Xenotech社)、0.8U/mlのG6PDH、及び補因子混合物(6.6mMのMgCl
2、6.6mMのグルコース-6-リン酸塩、2.6mMのNADP+)を含む作業溶液を調製する。この混合物を室温で15分、しかし決して20分を超えずにプレインキュベートする。
【0344】
プレインキュベーションの後に、化合物希釈液及びミクロソームを含む混合物を等量加え、300 rpmで30分間インキュベートする。0分の時点で、ミクロソーム混合物を加える前に、2体積のメタノールを化合物希釈液に加える。インキュベーションの間の最終濃度は以下のとおりである:3μMの被験化合物又は対照化合物、0.5 mg/mlのミクロソーム、0.4U/mlのG6PDH、3.3mMのMgCl
2、3.3mMのグルコース-6-リン酸塩、及び1.3mMのNaDP+。
【0345】
30分のインキュベーションの後、反応を2体積のメタノールで停止させる。
【0346】
両時点で、試料を混合し、遠心分離し、上清をLC-MS/MSでの分析用に採取する。残存化合物のパーセンテージを決定するために、装置の反応(すなわちピーク高さ)を、ゼロ時点試料(100%として)に参照する。標準化合物プロパノロール及びベラパミルをアッセイデザインに含める。
【0347】
ミクロソーム安定性のデータを、30分後に残存する化合物の総量に対するパーセンテージとして表す。
【0348】
肝細胞安定性(異なる種の肝細胞懸濁液中での100μMの式IIによる[
14C]-化合物の24時間のインキュベーション後の式IIによる化合物及びその主な代謝物の濃度(全放射能の%として))。
【0349】
(実施例6.5 Caco2透過性)
2方向Caco-2アッセイを下記のように行う。Caco-2細胞を欧州細胞カルチャーコレクション(ECACC、カタログ86010202)から入手し、24ウェルトランスウェルプレート(Fisher社、TKT-545-020B)での21日間の細胞培養後に使用する。
【0350】
DMEM+GlutaMAXI+1%のNEAA+10%のFBS(FetalClone II)+1%のPen/Strepからなる播種培地に2×10
5細胞/ウェルを播種する。培地は2〜3日毎に交換する。
【0351】
被験化合物及び参照化合物(プロプラノロール及びローダミン123又はビンブラスチン、全てSigma社から購入した)を、25mMのHEPES(pH7.4)を含有するハンクス平衡塩類溶液で調製し、0.25%の最終DMSO濃度を有する10μMの濃度で、トランスウェルプレートアセンブリの頂端側チャンバー(125μL)又は基底側チャンバー(600μL)のいずれかに加える。
【0352】
50μMのルシファーイエロー(Sigma社製)を全ウェルのドナー緩衝液に添加し、ルシファーイエローの透過を監視することによって細胞層の一体性を評価する。ルシファーイエロー(LY)は親油性バリアを自由に透過することができないので、LY輸送の程度が高いと該細胞層の一体性が乏しいことを示唆する。
【0353】
オービタルシェーカーで150rpmで振盪しながら37℃で1時間インキュベーションした後、頂端側(A)及び基底側(B)の両チャンバーから70μLのアリコートを取り出し、96ウェルプレートにて、分析用内部標準(0.5μMのカルバマゼピン)を含有する、100μLの50:50 アセトニトリル:水の溶液に添加する。
【0354】
基底側及び頂端側から得た液体150μLを含む新たな96ウェルプレートで、Spectramax Gemini XS(励起426nm及び発光538nm)を用いてルシファーイエローを測定する。
【0355】
試料中の化合物濃度を高速液体クロマトグラフィー/質量分析計(LC-MS/MS)により測定する。
【0356】
見掛けの透過度(P
app)の値を以下の関係から算出する:
【0357】
P
app=[化合物]
受容体最終×V
受容体/([化合物]
供与体初期×V
供与体)/T
inc×V
供与体/表面積×60×10
-6cm/秒
【0358】
V=チャンバー容積
【0359】
T
inc=インキュベーション時間
【0360】
表面積=0.33cm
2。
【0361】
P
app B>A/P
app A>Bの比を用いて、頂端細胞表面からの能動的な流出の指標としての流出率を算出する。
【0362】
下記のアッセイ許容基準を使用する:
【0363】
プロプラノロール:P
app(A>B)値≧20(×10
-6cm/秒)
【0364】
ローダミン123又はビンブラスチン:P
app(A>B)値<5(×10
-6cm/秒)流出率≧5を伴う
【0365】
ルシファーイエロー透過度:≦100nm/秒。
【0366】
(6.6. 敗血症ショックモデル)
リポ多糖(LPS)の注射は、可溶性腫瘍壊死因子(TNF-α)の末梢への急速な放出を誘導する。このモデルを使用して、インビボでのTNF放出の有望な遮断薬を分析する。
【0367】
1群あたり6匹の雌のBALB/cJマウス(20g)を、一度の意図された投与、経口投与で処置する。30分後、LPS(15μg/kg;大腸菌血清型0111:B4)を腹腔内に注射する。90分後、マウスを安楽死させ、血液を回収する。循環しているTNFαのレベルを、市販のELISAキットを使用して測定する。デキサメタゾン(5μg/kg)を参照抗炎症化合物として使用する。
【0368】
(6.7. MABモデル)
MABモデルは、治療法によるRA様炎症応答の調節の迅速な評価を可能にする(Khachigian LMの文献(Nature Protocols (2006) 2512-2516:「コラーゲン抗体誘発性関節炎(Collagen antibody-induced arthritis)」))。DBA/Jマウスに、II型コラーゲンに対するmAbカクテルを静脈内注射する。1日後、化合物処置を開始する(ビヒクル:10%(v/v)HPβCD)。3日後、マウスに腹腔内LPS注射(50μg/マウス)を施し、速やかな炎症の発症を起こさせる。該mAb注射の10日後まで、化合物処置を続ける。足の腫脹の測定及び各足の臨床スコアの記録によって、炎症を読み取る。四肢の累積的臨床関節炎スコアを提示して炎症の重症度を示す。4が最も重症の炎症である0〜4のスケールを使用して、スコア付けシステムを各肢に適用する。
0 症状なし
1 軽度だが、足首又は手首などの1種の関節の明確な紅化及び腫脹、又は罹患した指の数にかかわらず個々の指に限られた明らかな紅化及び腫脹
2 2種以上の関節の中等度の紅化及び腫脹
3 指を含む足全体の重度の紅化及び腫脹
4 多数の関節が関与する極度に炎症を起こした肢。
【0369】
(6.8. オンコロジーモデル)
JAK2誘導性の骨髄増殖性疾患に対する小分子の有効性を検証するためのインビボモデルは、Wernigらの文献(Cancer Cell 13, 311, 2008)及びGeronらの文献(Cancer Cell 13, 321, 2008)に記載されている。
【0370】
(6.9. マウスIBDモデル)
IBDに対する小分子の有効性を検証するためのインビトロ及びインビボのモデルは、Wirtzらの文献、2007に記載されている。
【0371】
(6.10. マウス喘息モデル)
喘息に対する小分子の有効性を検証するためのインビトロ及びインビボのモデルは、Nialsらの文献、2008;Ipらの文献、2006;Pernisらの文献、2002;Kudlaczらの文献、2008に記載されている。
【0372】
(最終的な見解)
上記記載が本質的に例示的で説明的であり、本発明及びその好ましい実施態様を説明するものであることを、当業者は理解するだろう。通常の実験により、当業者は、本発明の趣旨から逸脱せずに加え得る明らかな改良及び変形を認識するだろう。そのため、本発明は、上記の記載ではなく、以下の特許請求の範囲及びその等価物により定義されるものとする。
【0373】
本明細書に引用された、特許及び特許出願を含むがこれらに限定されない刊行物は全て、個々の刊行物が完全に記載されているかのように引用により本明細書に組み込まれるように具体的かつ個別的に示されているかのように、引用により本明細書に組み込まれる。
【0374】
上記記載から、本発明の組成物及び方法における様々な改良及び変更を当業者は思いつくだろう。添付の特許請求の範囲内にあるそのような改良は全て、本件出願に含まれるものとする。
【0375】
様々な化合物の示差的な細胞浸透能などの因子がインビトロ生化学アッセイにおける化合物活性と細胞アッセイにおける化合物活性との間の相違に寄与し得ることを理解されたい。
【0376】
本件出願に与えられ、かつ記載される本発明の化合物の化学名の少なくともいくつかは、市販の化学命名ソフトウェアプログラムを使用して自動的に生成された場合があり、独立に検証していない場合がある。この機能を実行する代表的なプログラムには、Open Eye Software社により販売されるLexichem命名ツール及びMDL社により販売されるAutonom Softwareツールがある。示された化学名と表された構造とが異なる場合、表された構造が基準となる。
【0377】
本明細書に示された化学構造は、ChemDraw(登録商標)又はISIS(登録商標)/DRAWのいずれかを使用して作成された。本明細書の構造における炭素、酸素又は窒素原子に現れている任意の開放原子価は、水素原子の存在を示す。構造中にキラル中心が存在するが、該キラル中心について具体的な立体化学が示されない場合、該キラル構造と関連する両方の鏡像異性体が該構造により包含される。
(参考文献)
【化12】