(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
式(I)の化合物は、様々な幾何異性体または光学異性体または互変異性体の形で存在してもよい。本発明は、あらゆる割合における全てのこのような異性体および互変異性体ならびにそれらの混合物ならびに重水素化合物などの同位体を包含する。本発明は、本発明の化合物の塩およびN−オキシドも包含する。
【0015】
好ましい置換基の定義が後述され、元の定義との組合せを含め、任意の組合せで組み合わされ得る。
【0016】
−B
1−B
2−B
3−が、好ましくは、−C=N−O−である。
【0017】
A
1およびA
2が、好ましくは、C−Hである。
【0018】
好ましくは、X
1が、3,5−ジクロロフェニル−、3−クロロ−4−フルオロフェニル−、3−フルオロ−4−クロロフェニル−、3,4−ジクロロフェニル−、3−クロロ−4−ブロモフェニル−、3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル−、3,4,5−トリクロロフェニル−、3,4,5−トリフルオロフェニル−、3−クロロ−5−ブロモフェニル−、3−クロロ−5−フルオロフェニル−、3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル−、3,4−ジクロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル−、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル−、4−クロロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル−、3−(トリフルオロメチル)フェニル−、より好ましくは、3−クロロ−5−ブロモフェニル−、3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル−、3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル−、3,4,5−トリクロロフェニル−、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル−、3−(トリフルオロメチル)フェニル−、3,5−ジクロロ−4−ブロモフェニル−、3−ブロモ−5−(トリフルオロメチル)フェニル−、3,5−ジブロモフェニル−、または3,4−ジクロロフェニル−、さらにより好ましくは、3,5−ジクロロ−フェニル、3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル−、3,4,5−トリクロロフェニル−、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルであり、最も好ましくは、R
4が、3,5−ジクロロ−フェニルである。
【0019】
R
1が、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、トリフルオロエチル、ジフルオロエチルである。エチルおよびトリフルオロエチルが特に好ましい。
【0020】
R
2が、好ましくは、トリフルオロメチルである。
【0021】
好ましくは、各R
3が、独立して、塩素またはフッ素、最も好ましくは、塩素である。
【0022】
R
4が、好ましくは、クロロまたはメチル、最も好ましくは、メチルである。
【0025】
化合物の1つの群において、−B
1−B
2−B
3−が−C=N−O−である。
【0026】
化合物の1つの群において、−B
1−B
2−B
3−が−C=N−CH
2−である。
【0027】
化合物の1つの群において、−B
1−B
2−B
3−が−C=CH
2−O−である。
【0028】
化合物の1つの群において、−B
1−B
2−B
3−が−N−CH
2−CH
2−である。
【0029】
一実施形態において、A
1およびA
2がC−Hであり;R
2がトリフルオロメチルであり、R
5が水素である。
【0030】
一実施形態において、A
1およびA
2がC−Hであり、R
2がトリフルオロメチルであり、R
5が水素であり、Lが直接結合である。
【0031】
一実施形態において、−B
1−B
2−B
3−が−C=N−O−であり、A
1およびA
2がC−Hであり、R
2がトリフルオロメチルであり、R
5が水素であり、Lが直接結合である。
【0032】
一実施形態において、−B
1−B
2−B
3−が−C=N−O−であり、A
1およびA
2がC−Hであり、R
2がトリフルオロメチルであり、R
4が、ハロゲンまたはメチルであり、R
5が水素であり、Lが直接結合である。
【0033】
好ましい実施形態において、−B
1−B
2−B
3−が−C=N−O−であり、A
1およびA
2がC−Hであり、R
2がトリフルオロメチルであり、R
3が、クロロまたはフルオロであり、R
4が、ハロゲンまたはメチルであり、R
5が水素であり、Lが直接結合である。
【0034】
非常に好ましい実施形態において、−B
1−B
2−B
3−が−C=N−O−であり、A
1およびA
2がC−Hであり、R
2がトリフルオロメチルであり、R
3が、クロロまたはフルオロであり、R
4が、ハロゲンまたはメチルであり、R
5が水素であり、Lが直接結合であり、本方法は、有用な植物、好ましくは稲の作物においてウンカ、好ましくはトビイロウンカ(トビイロウンカ(Nilaparvata lugens))またはメイガ(特にツドガ属(Chilo sp))の発生を防除および/または防止する方法であり、非常に好ましくは、本方法は、有用な植物、好ましくは稲の作物においてウンカ、好ましくはトビイロウンカ(トビイロウンカ(Nilaparvata lugens))の発生を防除および/または防止する方法である。
【0035】
一実施形態において、A
1およびA
2がC−Hであり、R
2がトリフルオロメチルであり、R
4がメチルであり、R
5が水素であり、各R
3が塩素であり、pが2である。
【0036】
一実施形態において、R
1が、C
1〜C
4アルキル、例えば、メチル、エチルまたはプロピル、例えば、メチルまたはエチル、例えば、エチルである。
【0037】
一実施形態において、X
1が、基Xa
【化3】
である。
【0038】
一実施形態において、R
1が、C
1〜C
8アルキル、例えば、メチル、エチルまたはプロピル、例えば、メチルまたはエチル、例えば、エチルであり、X
1が、基Xaである。
【0039】
一実施形態において、R
1がメチルである。
【0040】
一実施形態において、R
1がエチルである。
【0041】
一実施形態において、R
1が2,2,2−トリフルオロエチルである。
【0042】
一実施形態において、R
1が2,2−ジフルオロエチルである。
【0043】
一実施形態において、X
1が3,5−ジクロロフェニルである。
【0044】
一実施形態において、X
1が3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニルである。
【0045】
一実施形態において、X
1が3,4,5−トリクロロフェニルである。
【0046】
一実施形態において、R
1がメチルであり、X
1が3,5−ジクロロフェニルである。
【0047】
一実施形態において、R
1がメチルであり、X
1が3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニルである。
【0048】
一実施形態において、R
1がメチルであり、X
1が3,4,5−トリクロロフェニルである。
【0049】
一実施形態において、R
1がエチルであり、X
1が3,5−ジクロロフェニルである。
【0050】
一実施形態において、R
1がエチルであり、X
1が3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニルである。
【0051】
一実施形態において、R
1がエチルであり、X
1が3,4,5−トリクロロフェニルである。
【0052】
一実施形態において、R
1が2,2,2−トリフルオロエチルであり、X
1が3,5−ジクロロフェニルである。
【0053】
一実施形態において、R
1が2,2,2−トリフルオロエチルであり、X
1が3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニルである。
【0054】
一実施形態において、R
1が2,2,2−トリフルオロエチルであり、X
1が3,4,5−トリクロロフェニルである。
【0055】
一実施形態において、R
1が2,2−ジフルオロエチルであり、X
1が3,5−ジクロロフェニルである。
【0056】
一実施形態において、R
1が2,2−ジフルオロエチルであり、X
1が3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニルである。
【0057】
一実施形態において、R
1が2,2−ジフルオロエチルであり、X
1が3,4,5−トリクロロフェニルである。
【0058】
本発明の全ての実施形態において、本方法は、好ましくは、有用な植物、好ましくは稲の作物においてウンカ、好ましくはトビイロウンカ(トビイロウンカ(Nilaparvata lugens))またはメイガ(特にツドガ属(Chilo sp))の発生を防除および/または防止する方法である。有用な植物、好ましくは稲の作物においてウンカ、好ましくはトビイロウンカ(トビイロウンカ(Nilaparvata lugens))の発生を防除および/または防止する方法が最も好ましい。
【0059】
式Iの化合物は、式I
*の化合物または式I
**の化合物として存在し得る。
【化4】
式I
**の化合物は、式I
*の化合物より生物学的に活性である。式Iの化合物は、任意の比率、例えば1:99〜99:1、例えば10:1〜1:10のモル比、例えば実質的に50:50のモル比における化合物I
*およびI
**の混合物であり得る。好ましくは、式Iの化合物は、式I
**およびI
*の化合物のラセミ混合物であり、または式I
**の化合物がエナンチオマー的に濃縮されている。例えば、式Iの化合物がが、式I
**のエナンチオマー的に濃縮された混合物である場合、両方のエナンチオマーの総量と比較した化合物I
**のモル比は、例えば50%超、例えば少なくとも55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、または少なくとも99%である。一実施形態において、式Iの化合物は、実質的に純粋な形態の式I
**の化合物であり、例えば、それは、実質的に、別のエナンチオマーの非存在下で提供される。
【0060】
式Iの化合物はまた、式I’の化合物または式I”の化合物として存在し得る。
【化5】
【0061】
式I”の化合物は、多くの場合、式I’の化合物より生物学的に活性である。式Iの化合物は、任意の比率、例えば1:99〜99:1、例えば10:1〜1:10のモル比、例えば実質的に50:50のモル比における化合物I’およびI”の混合物であり得る。好ましくは、式Iの化合物は、式I”およびI’の化合物のラセミ混合物であり、または式I”の化合物がエナンチオマー的に濃縮されている。例えば、式Iの化合物が、式I”のエナンチオマー的に濃縮された混合物である場合、両方のエナンチオマーの総量と比較した化合物I”のモル比は、例えば50%超、例えば少なくとも55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、または少なくとも99%である。好ましい実施形態において、式Iの化合物は、実質的に純粋な形態の式I”の化合物であり、例えば、それは、実質的に、別のエナンチオマーの非存在下で提供される。
【0062】
上記の立体中心により、4つの立体異性体が得られる。
【化6】
【0063】
一実施形態において、式Iの化合物は、化合物I−i、I−ii、I−iiiおよびI−ivを含む混合物であり、この混合物は、式I−ivの化合物が濃縮されており、例えば、4つの異性体の総量と比較した化合物I−ivのモル比は、例えば25%超、例えば少なくとも30、35、40、50 55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、または少なくとも99%である。
【0064】
別の実施形態において、式Iの化合物は、化合物I−i、I−ii、I−iiiおよびI−ivを含む混合物であり、式I−ivの化合物のモル量は、式I−iの化合物のモル量、化合物I−iiのモル量、および式I−iiiの化合物のモル量を超え、言い換えると、式I−ivの化合物は、混合物中で最も多い異性体である。例えば、式I−ivの化合物のモル量は、式I−ivおよびI−iの化合物の合計量、式I−ivおよびI−iiの化合物の合計量、および式I−ivおよびI−iiiの化合物の合計量より少なくとも1、2、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、56、70、75、80、85、90、あるいは少なくとも95%多い。
【0065】
B
1−B
2−B
3が、C=N−Oとして上に示されているが、B
1−B
2−B
3が、−C=N−CH
2−、−C=CH
2−O−および−N−CH
2−CH
2−である場合の立体異性体について同じことが当てはまる。
【0066】
一実施形態において、式I−ivの化合物は、最も多い異性体であり、R
1が、C
1〜C
4アルキル、例えば、メチル、エチルまたはプロピル、例えば、メチルまたはエチル、例えば、エチルである。
【0067】
一実施形態において、式I−ivの化合物は、最も多い異性体であり、R
1が、C
1〜C
4アルキル、例えば、メチル、エチルまたはプロピル、例えば、メチルまたはエチル、例えば、エチルであり、X
1が、基Xaである。
【0068】
一実施形態において、式I−ivの化合物は、最も多い異性体であり、R
1がメチルである。
【0069】
一実施形態において、式I−ivの化合物は、最も多い異性体であり、R
1がエチルである。
【0070】
一実施形態において、式I−ivの化合物は、最も多い異性体であり、R
1が2,2,2−トリフルオロエチルである。
【0071】
一実施形態において、式I−ivの化合物は、最も多い異性体であり、R
1が2,2−ジフルオロエチルである。
【0072】
式Iの好ましい化合物が、以下の表に示される。
【0073】
表A:式(I−a)の化合物
【化7】
表Aは、式(I−a)の78種の化合物および混合物を示し、式中、R
1が、以下の表Xに列挙される値を有する。記号
*および
**は、キラル中心の位置を示す。
【0074】
表B:式(I−b)の化合物
【化8】
表Bは、式(I−b)の78種の化合物および混合物を示し、式中、R
1が、以下の表Xに列挙される値を有する。記号
*および
**は、キラル中心の位置を示す。
【0075】
表C:式(I−c)の化合物
【化9】
表Cは、式(I−c)の78種の化合物および混合物を示し、式中、R
1が、以下の表Xに列挙される値を有する。記号
*および
**は、キラル中心の位置を示す。
【0076】
表D:式(I−d)の化合物
【化10】
表Dは、式(I−d)の78種の化合物および混合物を示し、式中、R
1が、以下の表Xに列挙される値を有する。記号
*および
**は、キラル中心の位置を示す。
【0077】
表E:式(I−e)の化合物
【化11】
表Eは、式(I−e)の78種の化合物および混合物を示し、式中、R
1が、以下の表Xに列挙される値を有する。記号
*および
**は、キラル中心の位置を示す。
【0078】
表F:式(I−f)の化合物
【化12】
表Fは、式(I−f)の78種の化合物および混合物を示し、式中、R
1が、以下の表Xに列挙される値を有する。記号
*および
**は、キラル中心の位置を示す。
【0079】
表Xは、XがAである場合、表Aを表し、XがBである場合、表Bを表し、XがCである場合、表Cを表し、XがDである場合、表Dを表し、XがEがある場合、表Eを表し、XがFである場合、表Fを表す。
【0083】
本発明の化合物は、スキーム1〜3に示されるように、様々な方法によって作製され得る。
【0084】
スキーム1
【化13】
1)式の化合物は、式(II)(式中、Rが、OH、C
1〜C
6アルコキシまたはCl、FまたはBrである)の化合物を、スキーム1に示される式(III)のアミンと反応させることによって調製することができる。RがOHである場合、このような反応は、通常、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(「DCC」)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ−プロピル)カルボジイミド塩酸塩(「EDC」)またはビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスホン酸クロリド(「BOP−Cl」)などのカップリング試薬の存在下で、塩基の存在下で、および場合により、ヒドロキシベンゾトリアゾール(「HOBT」)などの求核触媒の存在下で行われる。RがClである場合、このような反応は、通常、塩基の存在下で、および場合により、求核触媒の存在下で行われる。あるいは、有機溶媒、好ましくは酢酸エチル、および水性溶媒、好ましくは炭酸水素ナトリウムの溶液を含む二相系中で反応を行うことが可能である。RがC
1〜C
6アルコキシである場合、エステルおよびアミンを熱処理において一緒に加熱することによって、エステルを直接アミドに変換することができることがある。好適な塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−ピリジン(「DMAP」)またはジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基)が挙げられる。好ましい溶媒は、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、酢酸エチルおよびトルエンである。反応は、0℃〜100℃、好ましくは15℃〜30℃の温度、特に、周囲温度で行われる。式(III)のアミンは、文献において公知であり、または当業者に公知の方法を用いて調製することができる。
【0085】
2)式(II)(式中、Rが、Cl、FまたはBrである)の酸ハロゲン化物は、例えば国際公開第2009/080250号パンフレットに記載されるように、標準条件下で、式(II)(式中、RがOHである)のカルボン酸から作製され得る。
【0086】
3)式(II)(式中、RがOHである)のカルボン酸は、例えば国際公開第2009/080250号パンフレットに記載されるように、式(II)(式中、RがC
1〜C
6アルコキシである)のエステルから形成され得る。
【0087】
4)式(I)の化合物は、水、N,N−ジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフランなどの溶媒中、場合により、トリフェニルホスフィンなどのリガンド、および炭酸ナトリウム、ピリジン、トリエチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−ピリジン(「DMAP」)またはジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基)などの塩基の存在下で、酢酸パラジウム(II)またはビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリドなどの触媒の存在下で、式(IV)(式中、X
Bが、脱離基、例えば、ブロモなどのハロゲンである)の化合物を、一酸化炭素および式(III)のアミンと反応させることによって調製され得る。反応は、50℃〜200℃、好ましくは、100℃〜150℃の温度で行われる。反応は、50〜200バール、好ましくは、100〜150バールの圧力で行われる。
【0088】
5)式(IV)(式中、X
Bが、脱離基、例えば、ブロモなどのハロゲンである)の化合物は、例えば国際公開第2009/080250号パンフレットに記載されるように、様々な方法によって作製され得る。
【0089】
スキーム2
【化14】
6)あるいは、式(I)の化合物は、国際公開第09/080250号パンフレットに記載される方法と同様の方法にしたがって、スキーム2に示される式(V)(式中、X
Bが、脱離基、例えば、ブロモなどのハロゲンであり、またはX
Bが、シアノ、ホルミルまたはアセチルである)の中間体から、様々な方法によって調製され得る。式(V)の中間体は、例えば、同じ参照文献に記載されているように、式(VI)の中間体から調製され得る。
【0090】
スキーム3
【化15】
7)あるいは、式(I)の化合物は、国際公開第2009/080250号パンフレットに記載される方法と同様の方法にしたがって、スキーム3に示される式(VII)
【化16】
(式中、X
Cが、X
C−1またはX
C−2である)の中間体から、様々な方法によって調製され得る。
【0091】
8)式(VII)(式中、X
Cが、X
Cが、X
C−1またはX
C−2である)の化合物は、国際公開第2009/080250号パンフレットに記載される方法と同様の方法を用いて、式(VII)(式中、X
Cが、CH
2−ハロゲンである)の化合物から式(Va)の化合物から調製され得る。
【0092】
9)式(VII)(式中、X
Cが、ブロモまたはクロロなどのCH
2−ハロゲンである)の化合物は、0℃〜50℃、好ましくは、周囲温度から40℃の温度で、酢酸などの溶媒中で、式(Va)のメチルケトンを、臭素または塩素などのハロゲン化剤と反応させることによって調製され得る。
【0093】
式Iの化合物の調製のための他の方法が、参照により本明細書に援用されるPCT/EP2010/068605号明細書に記載されている。
【0094】
一実施形態において、本発明は、稲の有害生物に対して使用するための表A〜Fから選択される化合物を提供する。
【0095】
一実施形態において、本発明は、特に稲においてメイガに対して使用するための表A〜Fから選択される化合物を提供する。
【0096】
メイガの例としては、ツドガ属(Chilo sp)、ニカメイガ(Chilo suppressalis)、チロ・ポリクリスス(Chilo polychrysus)、チロ・アウリキリウス(Chilo auricilius)、スシルポファガ属(Scirpophaga spp.)、スシルポファガ・インセルツラス(Scirpophaga incertulas)、スシルポファガ・インノタタ(Scirpophaga innotata)、スシルポファガ・ニベラ(Scirpophaga nivella)、セサミア属(Sesamia sp)、イネヨトウ(Sesamia inferens)が挙げられる。
【0097】
一実施形態において、本発明は、特に稲においてハマキムシに対して使用するための表A〜Fから選択される化合物を提供する。
【0098】
ハマキムシの例としては、クナファロクロシス属(Cnaphalocrocis spp.)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、マラスミア属(Marasmia spp.)、マラスミア・パトナリス(Marasmia patnalis)、マラスミア・エキシグア(Marasmia exigua)が挙げられる。
【0099】
一実施形態において、本発明は、特に稲においてウンカに対して使用するための表A〜Fから選択される化合物を提供する。
【0100】
ウンカの例としては、ネホテティクス属(Nephotettix spp.)、タイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)、クロスジツマグロヨコバイ(Nephotettix nigropictus)、マラヤツマグロヨコバイ(Nephotettix malayanus)、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)が挙げられる。
【0101】
一実施形態において、本発明は、特に稲においてタマバエに対して使用するための表A〜Fから選択される化合物を提供する。
【0102】
タマバエの例としては、オルセオリア属(Orseolia sp)、イネノシントメタマバエ(Orseolia oryzae)が挙げられる。
【0103】
一実施形態において、本発明は、特に稲においてイネクキミギワバエに対して使用するための表A〜Fから選択される化合物を提供する。
【0104】
イネクキミギワバエの例としては、ヒドレリア属(Hydrellia sp)、トウヨウイネクキミギワバエ(Hydrellia philippina)が挙げられる。
【0105】
一実施形態において、本発明は、特に稲において斑点米カメムシに対して使用するための表A〜Fから選択される化合物を提供する。
【0106】
斑点米カメムシの例としては、レプトコリサ属(Leptocorisa sp)、タイワンクモヘリカメムシ(Leptocorisa oratorius)、クモヘリカメムシ(Leptocorisa chinensis)、ホソクモヘリカメムシ(Leptocorisa acuta)が挙げられる。
【0107】
一実施形態において、本発明は、特に稲においてイネクロカメムシに対して使用するための表A〜Fから選択される化合物を提供する。
【0108】
イネクロカメムシの例としては、スコティノファラ属(Scotinophara sp)、マラヤイネクロカメムシ(Scotinophara coarctata)、イネクロカメムシ(Scotinophara lurida)、スコティノファラ・ラティウスクラ(Scotinophara latiuscula)が挙げられる。
【0109】
トビイロウンカ(トビイロウンカ(Nilaparvata lugens))および/またはメイガ(特にツドガ属(Chilo sp))に対する本発明の化合物の使用が特に好ましい。トビイロウンカ(トビイロウンカ(Nilaparvata lugens))に対する本発明の化合物の使用が最も好ましい。
【0110】
本明細書において使用される有用な植物の「場所」という用語は、有用な植物が生育している場所、有用な植物の植物繁殖材料が播種される場所または有用な植物の植物繁殖材料が土壌に植えられる予定である場所を包含することが意図される。このような場所の例は、作物が生育する圃場である。
【0111】
「植物繁殖材料」という用語は、植物の繁殖に使用され得る、種子などの植物の生殖性部分、ならびに挿し木または塊茎(例えば、ジャガイモなど)などの栄養成長材料を表すものと理解される。例えば、(厳密な意味での)種子、根、果実、塊茎、鱗茎、根茎および植物の部位が挙げられる。発芽後または土壌からの出芽後に植え替えられる、発芽植物および幼植物も挙げられる。これらの幼植物は、浸漬による全体的または部分的処理によって、植え替えの前に保護され得る。好ましくは、「植物繁殖材料」は、種子を表すものと理解される。
【0112】
施用は、発生前または有害生物が存在しているときに行われ得る。本発明の化合物の施用は、例えば、葉面、潅注、土壌、畝間(in furrow)施用などの通常の施用形態のいずれかにしたがって行われ得る。しかしながら、メキシコワタミゾウムシ(Anthonomus grandis)の防除は、通常、本発明に係る好ましい施用形態である葉面施用によって行われる。
【0113】
本発明の化合物の施用は、好ましくは、ワタ植物の作物、それらの場所またはそれらの繁殖材料に行われる。
【0114】
本発明の化合物は、植物部位に施用され得る。植物部位は、シュート、葉、花および根などの、地上および地下の植物の全ての部位および器官を意味することが理解されるべきであり、挙げられる例は、葉、針状葉、柄、茎、花、子実体、果実、種子、根、塊茎および根茎である。植物部位には、収穫物、ならびに栄養成長および生殖繁殖材料、例えば挿し木、塊茎、根茎、分枝および種子も含まれる。活性化合物による、植物および植物部位の、本発明に係る処置は、慣例的な処置方法、例えば、浸漬、噴霧、蒸発、霧化(fogging)、散布、塗布(painting on)、注入(injecting)によって、また、繁殖材料の場合、特に、種子の場合、1回以上のコートを適用することによって、直接、あるいは植物の周囲環境、生息環境または収納場所に対して化合物を作用させることによって行われ得る。
【0115】
本発明の化合物は、除草剤などの活性成分に耐性であるように、または植物の有害生物による発生を防除する生物学的に活性な化合物を生成するように遺伝子組み換えされたものを含む任意の植物(好ましくは、ワタ植物)に使用するのに好適である。
【0116】
本明細書において使用される「植物」という用語は、苗、低木および高木を含む。作物は、従来の品種改良方法または遺伝子組み換えによって除草剤または除草剤の種類(例えばALS−、GS−、EPSPS−、PPO−およびHPPD阻害剤)に対する耐性を与えられた作物も含むことが理解されるべきである。従来の品種改良方法によってイミダゾリノン、例えばイマザモックス(imazamox)に対する耐性を与えられた作物の一例は、Clearfield(登録商標)夏ナタネ(キャノーラ)である。遺伝子組み換え方法によって除草剤に対する耐性を与えられた作物の例としては、例えば、RoundupReady(登録商標)およびLibertyLink(登録商標)の商標名で市販されているグリホサート耐性およびグルホシネート耐性トウモロコシ種が挙げられる。
【0117】
式Iの化合物は、遺伝子組み換え方法によっておよび/または従来の方法によって得られるトランスジェニック植物(栽培品種を含む)において使用され得る。これらは、従来の育種、突然変異または組み換えDNA技術によって得られた新規な特性(「形質」)を有する植物を意味することが理解される。植物種または植物栽培品種、それらの場所および成長条件(土壌、気候、生育期間、栄養(diet))に応じて、本発明に係る処置は、超相加的な(superadditive)「相乗」)効果ももたらし得る。
【0118】
このため、例えば、減少した施用量および/または活性スペクトルの拡大および/または本発明にしたがって使用され得る物質および組成物の活性の増加、より良好な植物成長、高温または低温に対する向上した耐性、乾燥または含水量もしくは土壌塩含量に対する向上した耐性、向上した開花性能(flowering performance)、より容易な収穫、加速した成熟、より高い収穫高、収穫産物のより高い品質および/またはより高い栄養価、収穫産物のより良好な貯蔵安定性および/または加工性が可能であり、これは、実際に予測された効果を上回る。
【0119】
本発明にしたがって処置される好ましいトランスジェニック植物または植物栽培品種は、遺伝子組み換えによって、これらの植物に特に有利で有用な形質を与える遺伝物質を与えられた全ての植物を含む。このような形質の例は、より良好な植物成長、高温または低温に対する向上した耐性、乾燥または含水量もしくは土壌塩含量に対する向上した耐性、向上した開花性能、より容易な収穫、加速した成熟、より高い収穫高、収穫産物のより高い品質および/またはより高い栄養価、収穫産物のより良好な貯蔵安定性および/または加工性である。
【0120】
このような形質のさらなる特に強調される例は、昆虫、ダニ、植物病害真菌の菌・カビ、細菌および/またはウイルスなど、動物および微生物有害生物に対する植物のより良好な防護、また、特定の除草活性化合物に対する植物の向上した耐性である。
【0121】
挙げられるトランスジェニック植物の例は、穀物(コムギ、コメ)、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、サトウダイコン、トマト、エンドウマメおよび他の野菜類、ワタ、タバコ、ナタネ、さらにまた果物植物(リンゴ、西洋ナシ、柑橘類およびブドウの果物を含む)などの重要な作物である。トランスジェニックワタは特に興味深いものである。
【0122】
式Iの化合物は、トランスジェニック植物に、有害生物、例えば昆虫有害生物、線虫有害生物などに対する耐性または抵抗性を与える1つ以上の殺虫性タンパク質を産生することが可能なトランスジェニック植物において使用され得る。このような殺虫性タンパク質としては、限定はされないが、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1F、Cry2Ab、Cry2Ae、Cry3A、Cry3Bb、またはCry9Cに由来するCryタンパク質;改変されたCry3A(米国特許第7,030,295号明細書)またはCry1A.105などの遺伝子組み換えタンパク質;またはVip1、Vip2またはVip3などの植物性殺虫性タンパク質が挙げられる。本発明に有用なBt Cryタンパク質およびVIPの詳細な一覧は、インターネット上で、サセックス大学(University of Sussex)によって管理されているBacillus thuringiensis Toxin Nomenclature Databaseにおいて見ることができる(Crickmore et al.(1998)Microbiol.Mol.Biol.Rev.62:807−813も参照のこと)。本発明に有用な他の殺虫性タンパク質としては、線虫、例えばフォトラブダス属の亜種(Photorhabdus spp.)またはゼノラブダス属の亜種(Xenorhabdus spp.)のコロニーを作る細菌のタンパク質;サソリ毒、クモ毒、ハチ毒、または他の昆虫特有の神経毒などの、動物によって生成される毒;放線菌(Streptomycete)毒などの菌・カビによって生成される毒、エンドウレクチンまたはオオムギレクチンなどの植物レクチン;凝集素;トリプシン阻害剤、セリンプロテアーゼ阻害剤、パタチン(patatin)、シスタチンまたはパパイン阻害剤などのプロティナーゼ阻害剤;リシン、トウモロコシ−RIP、アブリン、ルフィン(luffin)、サポリンまたはブリオジン(bryodin)などのリボソーム不活性化タンパク質(RIP);3−ヒドロキシステロイドオキシダーゼ、エクジステロイド−IDP−グリコシル−トランスフェラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、エクジソン阻害剤またはHMG−CoA−レダクターゼなどのステロイド代謝酵素;ナトリウムまたはカルシウムチャネルの遮断薬などのイオンチャネル遮断薬;幼若ホルモンエステラーゼ;利尿ホルモン受容体(ヘリコキニン(helicokinin)受容体);スチルベンシンターゼ、ビベンジルシンターゼ、キチナーゼまたはグルカナーゼが挙げられる。このような殺虫性タンパク質またはこのようなタンパク質を合成することが可能なトランスジェニック植物のさらなる例が、例えば、欧州特許出願公開第374753号明細書、国際公開第93/007278号パンフレット、国際公開第95/34656号パンフレット、欧州特許出願公開第427529号明細書、欧州特許出願公開第451878号明細書、国際公開第03/18810号パンフレットおよび国際公開第03/52073号パンフレットに開示されている。このようなトランスジェニック植物を生産するための方法は、当業者に公知であり、Agrisure(登録商標)CB(P1)(Cry1Abを生成するトウモロコシ)、Agrisure(登録商標)RW(P2)(mCry3Aを生成するトウモロコシ)、Agrisure(登録商標)Viptera(P3)(Vip3Aaを生成するトウモロコシ雑種);Agrisure300GT(P4)(Cry1AbおよびmCry3Aを生成するトウモロコシ雑種);YieldGard(登録商標)(P5)(Cry1Abタンパク質を生成するトウモロコシ雑種)、YieldGard(登録商標)Plus(P6)(Cry1AbおよびCry3Bb1を生成するトウモロコシ雑種)、Genuity(登録商標)SmartStax(登録商標)(P7)(Cry1A.105、Cry2Ab2、Cry1F、Cry34/35、Cry3Bbを含むトウモロコシ雑種);Herculex(登録商標)I(P8)(Cry1Faを生成するトウモロコシ雑種)およびHerculex(登録商標)RW(P9)(Cry34Ab1、Cry35Ab1および酵素ホスフィノトリシン−N−アセチルトランスフェラーゼ[PAT]を生成するトウモロコシ雑種);NuCOTN(登録商標)33B(P10)(Cry1Acを生成するワタ栽培品種)、Bollgard(登録商標)I(P11)(Cry1Acを生成するワタ栽培品種)、Bollgard(登録商標)II(P12)(Cry1AcおよびCry2Ab2を生成するワタ栽培品種)およびVIPCOT(登録商標)(P13)(Vip3Aaを生成するワタ栽培品種)など、そのうちのいくつかが市販されている。ダイズシストセンチュウ耐性ダイズ(SCN(登録商標)−Syngenta(P14))およびアブラムシ耐性形質を有するダイズ(AMT(登録商標)(P15))も興味深い。
【0123】
このようなトランスジェニック作物のさらなる例は、以下のとおりである:
【0124】
1.Syngenta Seeds SAS(Chemin de l’Hobit 27,F−31 790 St.Sauveur,France)製のBt11トウモロコシ、登録番号C/FR/96/05/10(P16)。切断型CryIA(b)毒素の遺伝子導入による発現によってアワノメイガ(ヨーロッパアワノメイガ(Ostrinia nubilalis)およびセサミア・ノナグリオイデス(Sesamia nonagrioides))による攻撃に対して耐性にされた遺伝子組み換えトウモロコシ。Bt11トウモロコシはまた、除草剤グルホシネートアンモニウムに対する耐性を得るために、酵素PATを遺伝子導入により発現させる。
【0125】
2.Syngenta Seeds SAS(Chemin de l’Hobit 27,F−31 790 St.Sauveur,France)製のBt176トウモロコシ、登録番号C/FR/96/05/10(P17)。CryIA(b)毒素の遺伝子導入による発現によってアワノメイガ(ヨーロッパアワノメイガ(Ostrinia nubilalis)およびセサミア・ノナグリオイデス(Sesamia nonagrioides))による攻撃に対して耐性にされた遺伝子組み換えトウモロコシ。Bt176トウモロコシはまた、除草剤グルホシネートアンモニウムに対する耐性を得るために、酵素PATを遺伝子導入により発現させる。
【0126】
3.Syngenta Seeds SAS(Chemin de l’Hobit 27,F−31 790 St.Sauveur,France)製のMIR604トウモロコシ、登録番号C/FR/96/05/10(P18)。改変されたCryIIIA毒素の遺伝子導入による発現によって耐虫性を与えられたトウモロコシ。この毒素は、カテプシン−D−プロテアーゼ認識配列の挿入によって改変されたCry3A055である。このようなトランスジェニックトウモロコシ植物の作製が、国際公開第03/018810号パンフレットに記載されている。
【0127】
4.Monsanto Europe S.A.(270−272 Avenue de Tervuren,B−1150 Brussels,Belgium)製のMON 863トウモロコシ、登録番号C/DE/02/9(P19)。MON 863は、CryIIIB(b1)毒素を発現し、特定の鞘翅目(Coleoptera)昆虫に対する耐性を有する。
【0128】
5.Monsanto Europe S.A.(270−272 Avenue de Tervuren,B−1150 Brussels,Belgium)製のIPC 531ワタ、登録番号C/ES/96/02(P20)。
【0129】
6.Pioneer Overseas Corporation(Avenue Tedesco,7 B−1160 Brussels,Belgium)製の1507トウモロコシ、登録番号 C/NL/00/10(P21)。特定の鱗翅目(Lepidoptera)昆虫に対する耐性を得るためのタンパク質Cry1Fの発現および除草剤グルホシネートアンモニウムに対する耐性を得るためのPATタンパク質の発現のための遺伝子組み換えトウモロコシ。
【0130】
7.Monsanto Europe S.A.(270−272 Avenue de Tervuren,B−1150 Brussels,Belgium)製のNK603×MON 810トウモロコシ、登録番号C/GB/02/M3/03。遺伝子組み換え種NK603およびMON 810を交配することによる従来法で育種された雑種トウモロコシ種からなる。NK603×MON 810トウモロコシは、除草剤Roundup(登録商標)(グリホサートを含有する)に対する耐性を与える、アグロバクテリウム属(Agrobacterium sp.)株CP4から得られるタンパク質CP4 EPSPS、およびアワノメイガを含む特定の鱗翅目(Lepidoptera)に対する耐性をもたらす、バチルス・チューリンゲンシス亜種クルスターキ(Bacillus thuringiensis subsp.kurstaki)から得られるCryIA(b)毒素も遺伝子導入により発現させる。
【0131】
非常に興味深いトランスジェニック植物のさらなる例は、2.4D(例えばEnlist(登録商標))(例えば国際公開第2011066384号パンフレット)、グリホサート(例えばRoundup Ready(登録商標)(P24)、Roundup Ready 2 Yield(登録商標)(P25))、スルホニル尿素(例えばSTS(登録商標))(P26)、グルホシネート(例えばLiberty Link(登録商標)(P27)、Ignite(登録商標)(P28))、ジカンバ(P29)(Monsanto)、HPPD耐性(P30)(例えばイソキサフルトール除草剤)(Bayer CropScience、Syngenta)に対する抵抗性を与える形質を有するものである。グリホサートおよびスルホニル−尿素耐性((例えばOptimum GAT(登録商標))(P31)、STS(登録商標)およびRoundup Ready(登録商標)(P32)がスタックされた(stacked)植物またはSTS(登録商標)およびRoundup Ready 2 Yield(登録商標)(P33)がスタックされた植物)、ジカンバおよびグリホサート耐性(P34)(Monsanto)を含め、本明細書に記載される形質のいずれかの二重または三重スタックも興味深い。特に興味深いのは、2.4D(例えばEnlist(登録商標))、グリホサート(例えばRoundup Ready(登録商標)、Roundup Ready 2 Yield(登録商標))、スルホニル尿素(例えばSTS(登録商標))、グルホシネート(例えばLiberty Link(登録商標)、Ignite(登録商標))、ジカンバ(Monsanto)、HPPD耐性(例えばイソキサフルトール除草剤)(Bayer CropScience、Syngenta)に対する抵抗性を与える形質を有するダイズ植物である。
【0132】
耐虫性植物のトランスジェニック作物も、BATS(Zentrum fuer Biosicherheit und Nachhaltigkeit,Zentrum BATS,Clarastrasse 13,4058 Basel,Switzerland)Report 2003,(http://bats.ch)に記載されている。
【0133】
非常に興味深いトランスジェニック植物のさらなる例は、2.4D(例えばEnlist(登録商標))(例えば国際公開第2011066384号パンフレット)(、グリホサート(例えばRoundup Ready(登録商標)(P24)、Roundup Ready 2 Yield(登録商標)(P25))、スルホニル尿素(例えばSTS(登録商標))(P26)、グルホシネート(例えばLiberty Link(登録商標)(P27)、Ignite(登録商標)(P28))、ジカンバ(P29)(Monsanto)、HPPD耐性(P30)(例えばイソキサフルトール除草剤)(Bayer CropScience,Syngenta)に対する抵抗性を与える形質を有するものである。グリホサートおよびスルホニル−尿素耐性((例えばOptimum GAT(登録商標))(P31)、STS(登録商標)およびRoundup Ready(登録商標)(P32)がスタックされた(stacked)植物またはSTS(登録商標)およびRoundup Ready 2 Yield(登録商標)(P33)がスタックされた植物)、ジカンバおよびグリホサート耐性(P34)(Monsanto)を含め、本明細書に記載される形質のいずれかの二重または三重スタックも興味深い。特に興味深いのは、2.4D(例えばEnlist(登録商標))、グリホサート(例えばRoundup Ready(登録商標)、Roundup Ready 2 Yield(登録商標))、スルホニル尿素(例えばSTS(登録商標))、グルホシネート(例えばLiberty Link(登録商標)、Ignite(登録商標))、ジカンバ(Monsanto)HPPD耐性(例えばイソキサフルトール除草剤)(Bayer CropScience,Syngenta)に対する抵抗性を与える形質を有するダイズ植物である。
【0134】
ワタのトランスジェニックイベントの例としては、MON 531/757/1076(Bollgard I(登録商標)−Monsanto)、MON1445(Roundup ready cotton(登録商標)−Monsanto)、MON531 x MON1445(Bollgard I+RR(登録商標)−Monsanto)、MON15985(Genuity Bollgard II cotton(登録商標)−Monsanto)、MON88913(Genuity RR FLEX cotton(登録商標)−Monsanto)、MON15985 x MON1445(Genuity Bollgard II+RR FELX cotton(登録商標)−Monsanto)、MON15983 x MON88913(Genuity Bollgard II+RR FLEX cotton(登録商標)−Monsanto)、MON15985(FibreMax Bollgard II Cotton(登録商標)−Monsanto)、LL25(FibreMax LL cotton(登録商標)−BCS Stoneville)、GHB614(FibreMax GlyTol cotton(登録商標)−BCS Stoneville)、LL25 x MON15985(FibreMax LL Bollgard II cotton(登録商標)−BCS Stoneville/Monsanto)、GHB614 x LL25(FibreMax LL GlyTol cotton(登録商標)−BCS Stoneville)、GHB614 x LL25 x MON15985(FibreMax RR GlyTol Bollgard II cotton(登録商標)−BCS Stoneville)、MON88913 x MON15985(FibreMax LL GlyTol Bollgard II cotton(登録商標)−Monsanto)、MON88913(FibreMax RR Flex cotton(登録商標)−Monsanto)、GHB119+T304−40(Twinlink(登録商標)−BCS Stoneville)、GHB119+T304−40 x LL25 x GHB614(Twinlink LL GT(登録商標)−BCS Stoneville)、3006−210−23 x 281−24−236(PhytoGen Widestrike Insect Protection(登録商標)−Dow)、3006−210−23 x 281−24−236 x MON88913(PhytoGen Widestrike Insect Protection+RR FLEX−(登録商標)Dow/Monsanto)、3006−210−23 x 281−24−236 x MON1445((PhytoGen Widestrike Insect Protection+RR(登録商標)−Dow/Monsanto)、MON1445(PhytoGen Roundup Ready(登録商標)−Monsanto)、MON88913(PhytoGen Roundup Ready FLEX(登録商標)−Monsanto)、COT102 x COT67B(Vipcot(登録商標)−Syngenta)、COT102 x COT67B x MON88913(Vipcot RR FLEX(登録商標)−Syngenta/Monsanto)、281−24−236(Dow)、3006−210−23(Dow)、COT102(Syngenta)、COT67B(Syngenta)、T304−40(BCS Stoneville)が挙げられる。
【0135】
ダイズのトランスジェニックイベントの例としては、MON87701 x MON89788(Genuity Roundup ready 2 Yield soybean(登録商標)−Monsanto)、MON89788(Roundup Ready2Yield(登録商標)、RR2Y(登録商標)−Monsanto)、MON87708(Monsanto)、40−3−2(Roundup Ready(登録商標)、RR1(登録商標)−Monsanto)、MON87701(Monsanto)、DAS−68416(Enlist Weed Control System(登録商標)−Dow)、DP356043(Optimum GAT(登録商標)−Pioneer)、A5547−127(LibertyLink soybean(登録商標)−Bayercropscience)、A2704−12(Bayercropscience)、GU262(Bayercropscience)、W62 W98(Bayercropscience)、CRV127(Cultivance(登録商標)−BASF/EMBRAPA)SYHT0H2(国際公開第2012/082548号パンフレット)が挙げられる。
【0136】
トウモロコシのトランスジェニックイベントの例としては、T25(LibertyLink(登録商標)、LL(登録商標)−Bayerscropscience)、DHT−1(Dow)、TC1507(Herculex I(登録商標)−Dow)、DAS59122−7(Herculex RW(登録商標)−Dow)、TC1507+DAS59122−7−Herculex Xtra(登録商標)−Dow)、TC1507 x DAS−59122−7 x NK603(Herculex Xtra+RR(登録商標)−Dow)、TC1507 x DAS−59122−x MON88017 x MON89034(Genuity Smartstax corn(登録商標)、Genuity Smartstax RIB complete(登録商標)−Monsanto/Dow)、MON89034 x NK603(Genuity VT double PRO(登録商標)−Monsanto)、MON89034+MON88017(Genuity VT Triple PRO(登録商標)−Monsanto)、NK603(Roundup Ready 2(登録商標)、RR2(登録商標)−Monsanto)、MON810(YieldGard BT(登録商標)、Yieldgard cornborer(登録商標)−Monsanto)、MON810 x NK603(YieldGard cornborer RR Corn 2(登録商標)−Monasnto)、MON810 x MON863(YieldGard Plus(登録商標)−Monsanto)、MON863 x MON810 x NK603(YieldGard Plus+RR Corn2(登録商標)/YieldGard RR Maize(登録商標)−Monsanto)、MON863 x NK603(YieldGard Rotworm+RR Corn 2(登録商標)−Monsanto)、MON863(YieldBard RW(登録商標)−Monsanto)、MON89034(YieldGard RW(登録商標)−Monsanto)、MON88017(YieldGard VT RW(登録商標)−Monsanto)、MON810+MON88017(YieldGard VT Triple(登録商標)−Monsanto)、MON88017+MON89034(YieldGard VT Triple Pro(登録商標)−Monsanto)、Bt11+MIR604+GA21(Agrisure 3000(登録商標)−Syngenta)、Bt11+TC1507+MIR604+5307+GA21(Syngenta)、Bt11+TC1507+MIR604+DAS59122+GA21(Agrisure 3122(登録商標)−Syngenta)、BT11(Agrisure CB(登録商標)−Syngenta)、GA21−(Agrisure GT(登録商標)−Syngenta)、MIR604(Agrisure RW(登録商標)−Syngenta)、Bt11+MIR162(Agrisure TL VIP(登録商標)−Syngenta)、BT11+MIR162+GA21(Agrisure Viptra 3110(登録商標)−Syngenta)、BT11+MIR162+MIR604(Agrisure TM 3100(登録商標)−Syngenta)、Event3272+BT11+MIR604+GA21(Syngenta)、BT11+MIR1692+MIR604+GA21(Agrisure Viptera 3111(登録商標)−Syngenta)、BT11+MIR 162+TC1507+GA21(Agrisure Viptera 3220(登録商標)−Syngenta)、BT11+MIR162+TC1507+MIR604+5307+GA21(Agrisure Viptera 3222(登録商標)−Syngenta)、MIR162(Syngenta)、BT11+GA21+MIR162+MIR604+5307(Syngenta)、5307(Syngenta)が挙げられる。
【0137】
挙げられる除草剤耐性植物(除草剤耐性のために従来の方法で品種改良された植物)には、Clearfield((登録商標))の名称で販売されている品種(例えばトウモロコシ)が含まれる。
【0138】
これらの記載は、これらの遺伝形質またはまだ開発されるべき遺伝形質を有する植物栽培品種にも当てはまり、これらの植物栽培品種は、将来、開発および/または販売されることになる。
【0139】
本発明の化合物は、除草剤などの活性成分に耐性であるように、または植物の有害生物による発生を防除する生物学的に活性な化合物を生成するように遺伝子組み換えされたワタ植物(例えばBTワタ)を含む任意のワタ植物に使用するのに好適である。
【0140】
本発明の化合物は、肥料(例えば窒素−、カリウム−またはリン含有肥料)との混合物中で使用され得る。好適な剤型としては、肥料の顆粒が挙げられる。混合物は、好ましくは最大で25重量%の本発明の化合物を含有する。
【0141】
したがって、本発明は、肥料と本発明の化合物とを含む肥料組成物も提供する。
【0142】
本発明の組成物は、生物学的活性を有する他の化合物、例えば微量栄養素あるいは殺菌・殺カビ活性を有する化合物または植物成長の調節、除草、殺虫、殺線虫または殺ダニの活性を有する化合物を含有してもよい。
【0143】
本発明の組成物は、生物学的活性を有する他の化合物、例えば微量栄養素あるいは殺菌・殺カビ活性を有する化合物または植物成長の調節、除草、殺虫、殺線虫または殺ダニの活性を有する化合物を含有してもよい。
【0144】
式(I)の化合物は、組成物の単独の活性成分であってもよく、または必要に応じて有害生物防除剤、例えば、殺虫剤、殺菌・殺カビ剤もしくは除草剤、または共力剤もしくは植物成長調節剤などの1種以上の追加の活性成分と混合されてもよい。追加の活性成分は、より広い活性スペクトルまたは施用場所における増大された残留性を有する組成物を提供し;式(I)の化合物の活性を相乗し、または活性を補完し(例えば作用の速度を速め、または撥性(repellency)を克服することによって);あるいは個々の成分に対する耐性の発生を克服または防止するのを補助し得る。特定の追加の活性成分は、組成物の意図される用途に応じて決まる。好適な有害生物防除剤の例としては、以下のものが挙げられる:
a)ペルメトリン、シペルメトリン、フェンバレレート、エスフェンバレレート、デルタメトリン、シハロトリン(特にλ−シハロトリンおよびγ−シハロトリン)、ビフェントリン、フェンプロパトリン、シフルトリン、テフルトリン、魚に安全なピレスロイド(例えばエトフェンプロクス)、天然ピレトリン、テトラメトリン、S−ビオアレトリン、フェンフルトリン、プラレトリン、アクリナトリン、エトフェンプロックスまたは5−ベンジル−3−フリルメチル−(E)−(1R,3S)−2,2−ジメチル−3−(2−オキソチオラン−3−イリデンメチル)シクロプロパンカルボキシレートなどのピレスロイド;
b)プロフェノホス、スルプロオス、アセフェート、メチルパラチオン、アジンホス−メチル、デメトン−s−メチル、ヘプテノホス、チオメトン、フェナミホス、モノクロトホス、プロフェノホス、トリアゾホス、メタミドホス、ジメトエート、ホスファミドン、マラチオン、クロルピリホス、ホサロン、テルブホス、フェンスルホチオン、ホノホス、ホレート、ホキシム、ピリミホス−メチル、ピリミホス−エチル、フェニトロチオン、ホスチアゼートまたはジアジノンなどの有機ホスフェート;
c)ピリミカルブ、トリアザメート、クロエトカルブ、カルボフラン、フラチオカルブ、エチオフェンカルブ、アルジカルブ、チオフロックス、カルボスルファン、ベンジオカルブ、フェノブカルブ、プロポクサー、メトミルまたはオキサミルなどのカルバメート(アリールカルバメートを含む);
d)ジフルベンズロン、トリフルムロン、ヘキサフルムロン、フルフェノクスロン、ジアフェンチウロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロンまたはクロルフルアズロンなどのベンゾイル尿素;
e)シヘキサチン、酸化フェンブタスズまたはアゾシクロチンなどの有機スズ化合物;
f)テブフェンピラド、トルフェンピラド、エチプロール、ピリプロール、フィプロニル、およびフェンピロキシメートなどのピラゾール;
g)アベルメクチンまたはミルベマイシン、例えばアバメクチン、エマメクチンベンゾエート、イベルメクチン、ミルベマイシン、スピノサド、アザジラクチン、ミルベメクチン、レピメクチンまたはスピネトラムなどのマクロライド;
h)ホルモンまたはフェロモン;
i)エンドスルファン(特にα−エンドスルファン)、ベンゼンヘキサクロリド、DDT、クロルダンまたはジエルドリンなどの有機塩素化合物;
j)クロルジメホルムまたはアミトラズなどのアミジン;
k)クロロピクリン、ジクロロプロパン、臭化メチルまたはメタムなどの燻蒸剤;
l)イミダクロプリド、チアクロプリド、アセタミプリド、ニテンピラム、ジノテフラン、チアメトキサム、クロチアニジン、またはニチアジンなどのネオニコチノイド化合物;
m)テブフェノジド、クロマフェノジドまたはメトキシフェノジドなどのジアシルヒドラジン;
n)ジオフェノランまたはピリプロキシフェンなどのジフェニルエーテル;
o)インドキサカルブまたはメタフルミゾンなどの尿素;
p)スピロテトラマト、スピロジクロフェンまたはスピロメシフェンなどのケトエノール;
q)フルベンジアミド、クロラントラニリプロール(Rynaxypyr(登録商標))またはシアントラニリプロールなどのジアミド;
r)Bugoil(登録商標)−(PlantImpact)などの精油;または
s)ブプロフェジン、フロニカミド、アセキノシル、ビフェナゼート、シエノピラフェン、シフルメトフェン、エトキサゾール、フロメトキン、フルアクリピリム、フルエンスルホン、フルフェネリム、フルピラジフロン、ハーピン、ヨードメタン、ドデカジエノール、ピリダベン、ピリダリル、ピリミジフェン、フルピラジフロン、4−[(6−クロロ−ピリジン−3−イルメチル)−(2,2−ジフルオロ−エチル)−アミノ]−5H−フラン−2−オン(DE102006015467号明細書)、CAS:915972−17−7(国際公開第2006129714号パンフレット;国際公開第2011/147953号パンフレット;国際公開第2011/147952号パンフレット)、CAS:26914−55−8(国際公開第2007020986号パンフレット)、クロルフェナピル、ピメトロジン、スルホキサフロールおよびピリフルキナゾンから選択される化合物。
【0145】
組成物の意図される用途に適している場合、上に列挙した有害生物防除剤の主な化学薬品の種類に加えて、特定の標的を有する他の有害生物防除剤が、組成物に用いられてもよい。例えば、特定の作物に対する選択的殺虫剤、例えば、稲に使用するためのメイガ特異的殺虫剤(カルタップなど)またはウンカ特異的殺虫剤(ブプロフェジンなど)が用いられてもよい。あるいは、特定の昆虫の種/段階に特異的な殺虫剤または殺ダニ剤(例えば、クロフェンテジン、フルベンジミン、ヘキシチアゾクスまたはテトラジホンなどの殺ダニ性卵−幼虫駆除剤;ジコホルまたはプロパルギットなどの殺ダニ性運動阻害剤(acaricidal motilicide);ブロモプロピレートまたはクロロベンジレートなどの殺ダニ剤;あるいはヒドラメチルノン、シロマジン、メトプレン、クロルフルアズロンまたはジフルベンズロンなどの成長調節剤)も組成物に含まれてもよい。
【0146】
本発明の組成物に含まれ得る殺菌・殺カビ化合物の例は、(E)−N−メチル−2−[2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル]−2−メトキシ−イミノアセトアミド(SSF−129)、4−ブロモ−2−シアノ−N,N−ジメチル−6−トリフルオロメチルベンズイミダゾール−1−スルホンアミド、α−[N−(3−クロロ−2,6−キシリル)−2−メトキシアセトアミド]−γ−ブチロラクトン、4−クロロ−2−シアノ−N,N−ジメチル−5−p−トリルイミダゾール−1−スルホンアミド(IKF−916、シアミダゾスルファミド)、3−5−ジクロロ−N−(3−クロロ−1−エチル−1−メチル−2−オキソプロピル)−4−メチルベンズアミド(RH−7281、ゾキサミド)、N−アリル−4,5,−ジメチル−2−トリメチルシリルチオフェン−3−カルボキサミド(MON65500)、N−(1−シアノ−1,2−ジメチルプロピル)−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)プロピオンアミド(AC382042)、N−(2−メトキシ−5−ピリジル)−シクロプロパンカルボキサミド、アシベンゾラル(CGA245704)(例えばアシベンゾラル−S−メチル)、アラニカルブ、アルジモルフ、アニラジン、アザコナゾール、アゾキシストロビン、ベナラキシル、ベノミル、ベンチアバリカルブ、ビロキサゾール、ビテルタノール、ビキサフェン、ブラストサイジンS、ボスカリド、ブロムコナゾール、ブピリメート、カプタホール、カプタン、カルベンダジム、カルベンダジム塩酸塩、カルボキシン、カルプロパミド、カルボン、CGA41396、CGA41397、キノメチオネート、クロロタロニル、クロロゾリネート、クロジラコン、オキシ塩化銅、オキシキノール酸銅(copper oxyquinolate)、硫酸銅、トール油酸銅(copper tallate)およびボルドー液などの銅含有化合物、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、デバカルブ、ジ−2−ピリジルジスルフィド1,1’−ジオキシド、ジクロフルアニド、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフェンゾコート、ジフルメトリム、O,O−ジ−イソ−プロピル−S−ベンジルチオホスフェート、ジメフルアゾール、ジメトコナゾール、ジメトモルフ、ジメチリモール、ジニコナゾール、ジノカップ、ジチアノン、ドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ドデモルフ、ドジン、ドグアジン、エディフェンホス、エポキシコナゾール、エチリモル、エチル−(Z)−N−ベンジル−N−([メチル(メチル−チオエチリデンアミノオキシカルボニル)アミノ]チオ)−β−アラニネート、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナミドン(RPA407213)、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド(KBR2738)、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、酢酸トリフェニルスズ、水酸化トリフェニルスズ、フェルバム、フェリムゾン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルメトバー、フルオピラム、フルオキサストロビン、フルオロイミド、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトラニル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、ホルペット、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、グアザチン、ヘキサコナゾール、ヒドロキシイソオキサゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、イミノクタジン三酢酸塩、イプコナゾール、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ(SZX0722)、イソプロパニルブチルカルバメート、イソプロチオラン、イソピラザム、カスガマイシン、クレソキシム−メチル、LY186054、LY211795、LY248908、マンコゼブ、マンジプロパミド、マネブ、メフェノキサム、メタラキシル、メパニピリム、メプロニル、メタラキシル、メトコナゾール、メチラム、メチラム−亜鉛、メトミノストロビン、ミクロブタニル、ネオアソジン、ニッケルジメチルジチオカルバメート、ニトロタール−イソプロピル、ヌアリモル、オフレース、有機水銀化合物、オキサジキシル、オキサスルフロン、オキソリン酸、オキシポコナゾール、オキシカルボキシン、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンフルフェン、ペンチオピラド、フェナジンオキシド、ホセチル−Al、リン酸、フタリド、ピコキシストロビン(ZA1963)、ポリオキシンD、ポリラム、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロピコナゾール、プロピネブ、プロピオン酸、プロチオコナゾール、ピラゾホス、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピラクロストロビン、ピロキロン、ピロキシフル、ピロールニトリン、第四級アンモニウム化合物、キノメチオネート、キノキシフェン、キントゼン、セダキサン、シプコナゾール(F−155)、五塩化石炭酸ナトリウム、スピロキサミン、ストレプトマイシン、硫黄、テブコナゾール、テクロフタラム、テクナゼン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、チオファネート−メチル、チラム、チミベンコナゾール、トルクロホス−メチル、トリルフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアズブチル、トリアゾキシド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフロキシストロビン(CGA279202)、トリホリン、トリフルミゾール、トリチコナゾール、バリダマイシンA、バパム、ビンクロゾリン、ジネブおよびジラム、N−[9−(ジクロロメチレン)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノナフタレン−5−イル]−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド[1072957−71−1]、1−メチル−3−ジフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(2−ジクロロメチレン−3−エチル−1−メチル−インダン−4−イル)−アミド、および1−メチル−3−ジフルオロメチル−4H−ピラゾール−4−カルボン酸[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−メトキシ−1−メチル−エチル]−アミドである。
【0147】
さらに、例えば、バチルス・フィルムス(Bacillus firmus)、セレウス菌(Bacillus cereus)、枯草菌(Bacillus subtilis)などのバチルス属(Baciullus)種、およびパスツーリア・ペネトランス(Pasteuria penetrans)およびパスツーリア・ニシザワエ(Pasteuria nishizawae)などのパスツーリア属(Pasteuria)種などの生物剤が、本発明の組成物に含まれてもよい。好適なバチルス・フィルムス(Bacillus firmus)株は、BioNem(商標)から市販されているCNCM I−1582株である。好適なセレウス菌(Bacillus cereus)株は、CNCM I−1562株である。両方のバチルス属(Bacillus)株のさらなる詳細が、米国特許第6,406,690号明細書に見られる。本発明の組成物に含まれ得る他の生物有機体は、S.アベルミティリス(S.avermitilis)などのストレプトマイセス属(Streptomyces spp.)などの細菌、およびP.クラミドスポリア(P.chlamydosporia)などのポコニア属(Pochonia spp.)などの菌・カビである。M.アニソプリアエ(M.anisopliae)などのメタリジウム属(Metarhizium spp.);P.クラミドスポリア(P.chlamydosporia)などのポコニア属(Pochonia spp.)も対象となる。
【0148】
本発明の化合物は、種子伝染病、土壌伝染病または葉の真菌疾患から植物を保護するために土壌、泥炭または他の発根媒体と混合されてもよい。
【0149】
この組成物に使用するのに適した共力剤の例としては、ピペロニルブトキシド、セサメックス、サフロキサンおよびドデシルイミダゾールが挙げられる。
【0150】
この組成物に含めるのに適した除草剤および植物成長調節剤は、意図される標的および必要な作用に応じて決まる。
【0151】
含まれ得る稲選択的除草剤の一例は、プロパニルである。ワタに使用するための植物成長調節剤の一例はPIX(商標)である。
【0152】
混合物によっては、著しく異なる物理的、化学的または生物学的特性を有する活性成分を含み得るため、従来の同じ剤型に容易に加えられないものもある。こうした場合、他の剤型を調製してもよい。例えば、1種の活性成分が水不溶性固体であり、他の活性成分が水不溶性液体である場合でも、固体活性成分を(SCの調製と同様の調製を用いて)懸濁液として分散させる一方、液体活性成分を(EWの調製と同様の調製を用いて)乳剤として分散させることによって、各活性成分を同じ連続水相中に分散させることが可能であり得る。得られる組成物は、サスポエマルション(SE)製剤である。
【0153】
特に記載しない限り、追加の活性成分とのIの化合物の重量比は、一般に、1000:1〜1:1000であり得る。他の実施形態において、追加の活性成分に対する式Iの化合物のその重量比は、500:1〜1:500、例えば100:1〜1:100、例えば1:50〜50:1、例えば1:20〜20:1、例えば1:10〜10:1、例えば1:5〜5:1、例えば1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、2:1、3:1、4:1、または5:1であり得る。
【0154】
ピレスロイド、特にピメトロジンとの混合物が、特に、本発明の対象である。
【0155】
本発明の組成物は、例えばレディミックス(readymix)またはタンクミックス(tankmix)として、施用前に予め混合することによって、または植物への同時施用もしくは連続施用によって調製されるものを含む。
【0156】
殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤または殺軟体動物剤としての本発明の化合物を、有害生物、有害生物の場所、または有害生物による攻撃を受けやすい植物に施用するために、本発明の化合物は、通常、本発明の化合物に加えて、好適な不活性希釈剤または担体および、場合により、表面活性剤(SFA)を含む組成物へと製剤化される。SFAは、界面張力を低下させ、それによって他の特性(例えば分散、乳化および湿潤)を変化させることによって、界面(例えば、液/固、液/気または液/液界面)の特性を変更することができる化学薬品である。全ての組成物(固体製剤および液体製剤の両方)が、本発明の化合物の0.0001〜95重量%、より好ましくは1〜85重量%、例えば5〜60重量%を占めることが好ましい。この組成物は、一般に、本発明の化合物が0.1g〜10kg/ヘクタール、好ましくは1g〜6kg/ヘクタール、より好ましくは1g〜1kg/ヘクタールの割合で施用されるように、有害生物の防除に使用される。
【0157】
一実施形態において、本発明の化合物は、1:500g/ヘクタール、例えば10〜70g/ヘクタールで、ワタにおいて有害生物防除に使用される。しかしながら、(量的および質的に収穫量に及ぼす)メキシコワタミゾウムシ(Anthonomus grandis)の非常に有害な影響のため、スプレーは、非常に強力でかつ非常に低い閾値であることが多く、ほぼゼロの許容量(tolerance)になり得ることに留意されたい。
【0158】
種子粉衣に使用される場合、本発明の化合物は、種子1キログラム当たり0.0001g〜10g(例えば0.001gまたは0.05g)、好ましくは、0.005g〜10g、より好ましくは、0.005g〜4gの割合で使用される。
【0159】
本発明の化合物を含む組成物は、粉剤(DP)、水溶剤(SP)、水溶顆粒(SG)、水和性顆粒(WG)、水和剤(WP)、粒剤(GR)(徐放性又は即放性)、可溶濃縮剤(SL)、油混和性液剤(OL)、超低量液剤(UL)、乳化性濃縮物(EC)、分散性濃縮物(DC)、乳剤(水中油(EW)および油中水(EO)の両方)、マイクロエマルション(ME)、懸濁濃縮物(SC)、エアゾール、薫蒸/燻煙剤(fogging/smoke formulation)、カプセル懸濁剤(CS)および種子処理製剤を含む多くの剤型から選択することができる。いずれの場合も、選択される剤型は、想定される具体的な目的ならびに本発明の化合物の物理的、化学的及び生物学的特性に応じて決まるであろう。
【0160】
粉剤(DP)は、本発明の化合物を、1種以上の固体希釈剤(例えば天然粘土、カオリン、葉ろう石、ベントナイト、アルミナ、モンモリロナイト、キーゼルグール、チョーク、珪藻土、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムおよび炭酸マグネシウム、硫黄、石灰、小麦粉、タルクならびに他の有機および無機固体担体)と混合し、この混合物を微粉末へと機械的に粉砕することによって調製され得る。
【0161】
水溶剤(SP)は、水への分散性/溶解性を改善するために、本発明の化合物を、1種以上の水溶性無機塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムまたは硫酸マグネシウムなど)または1種以上の水溶性有機固体(多糖など)および、場合により、1種以上の湿潤剤、1種以上の分散剤または前記物質の混合物と混合することによって調製され得る。次に、この混合物は、微粉末に粉砕される。また、同様の組成物を造粒して、水溶顆粒(SG)を形成してもよい。
【0162】
水和剤(WP)は、本発明の化合物を、1種以上の固体希釈剤または担体、1種以上の湿潤剤ならびに、好ましくは、1種以上の分散剤および、場合により、1種以上の懸濁化剤と混合して、液体中の分散を促進することによって調製され得る。次に、この混合物は、微粉末に粉砕される。また、同様の組成物を造粒して、水和性顆粒(WG)を形成してもよい。
【0163】
粒剤(GR)は、本発明の化合物と1種以上の粉末化された固体希釈剤または担体との混合物を造粒することによるか、あるいは本発明の化合物(または好適な物質中のその溶液)を、多孔質の顆粒物質(軽石、アタパルジャイト粘土、フラー土、キーゼルグール、珪藻土または粉砕されたトウモロコシの穂軸など)中に吸収することによるか、または本発明の化合物(または好適な物質中のその溶液)を、硬質のコア材(砂、ケイ酸塩、無機の炭酸塩、硫酸塩またはリン酸塩など)上に吸着し、必要に応じて乾燥させることによって、予め形成されたブランク顆粒(blank granule)から造粒することによるかのいずれかによって形成され得る。吸収または吸着を補助するのに一般的に使用される物質としては、溶媒(例えば脂肪族および芳香族石油系溶媒、アルコール、エーテル、ケトンおよびエステルなど)および固着剤(ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、デキストリン、糖類および植物油など)が挙げられる。また、1種以上の他の添加剤が、粒剤に含まれてもよい(例えば乳化剤、湿潤剤または分散剤)。
【0164】
分散性濃縮物(DC)は、本発明の化合物を、水あるいはケトン、アルコールまたはグリコールエーテルなどの有機溶媒に溶解させることによって調製され得る。これらの溶液は、(例えば水希釈性を改善し、または噴霧タンク中の結晶化を防止するために)表面活性剤を含有してもよい。
【0165】
乳化性濃縮物(EC)または水中油乳剤(EW)は、本発明の化合物を、有機溶媒(場合により、1種以上の湿潤剤、1種以上の乳化剤または前記物質の混合物を含有する)に溶解させることによって調製され得る。ECに使用するのに適した有機溶媒としては、芳香族炭化水素(SOLVESSO 100、SOLVESSO 150およびSOLVESSO 200によって例示されるアルキルベンゼンまたはアルキルナフタレンなど;SOLVESSOは登録商標である)、ケトン(シクロヘキサノンまたはメチルシクロヘキサノンなど)およびアルコール(ベンジルアルコール、フルフリルアルコールまたはブタノールなど)、N−アルキルピロリドン(N−メチルピロリドンまたはN−オクチルピロリドンなど)、脂肪酸のジメチルアミド(C
8〜C
10脂肪酸のジメチルアミドなど)および塩素化炭化水素が挙げられる。EC製品は、水に加えると自然に乳化して、適切な装置によって噴霧施用可能なほど十分な安定性を有する乳剤を生成し得る。EWの調製は、本発明の化合物を液体として(それが室温で液体でない場合、適当な温度、典型的に70℃未満で溶融させてもよい)または溶液中で(それを適切な溶媒に溶解させることによって)得る工程と、次に、得られた液体または溶液を高せん断下で、1種以上のSFAを含有する水へ乳化して、乳剤を生成する工程とを含む。EWに使用するのに適した溶媒としては、植物油、塩素化炭化水素(クロロベンゼンなど)、芳香族溶媒(アルキルベンゼンまたはアルキルナフタレンなど)および水溶性の低い他の適切な有機溶媒が挙げられる。
【0166】
マイクロエマルション(ME)は、水を、1種以上のSFAと1種以上の溶媒とのブレンドと混合して、熱力学的に安定した等方性(isotropic)液体製剤を自然に生じさせることによって調製され得る。本発明の化合物は、最初、水または溶媒/SFAブレンドのいずれかの中に存在する。MEに使用するのに適した溶媒としては、ECまたはEWへの使用に関して上述したものが挙げられる。MEは、水中油または油中水系のいずれかであり得(どちらの系が存在するかは、伝導度測定によって決定され得る)、水溶性および油溶性有害生物防除剤を同じ製剤中で混合することに適し得る。MEは、水へ希釈するのに適しており、マイクロエマルションのまま残るかまたは従来の水中油乳剤を形成する。
【0167】
懸濁濃縮物(SC)は、本発明の化合物の微粉化された不溶性固体粒子の水性または非水性懸濁液を含み得る。SCは、好適な媒体中で、本発明の固体化合物を、場合により1種以上の分散剤とともにボールミル粉砕またはビーズミル粉砕して、この化合物の微粒子懸濁液を生成することによって調製され得る。1種以上の湿潤剤が、組成物に含まれてもよく、懸濁化剤が、粒子の沈降速度を低下させるために含まれてもよい。あるいは、本発明の化合物は、乾式ミル粉砕され、上述した物質を含有する水に加えられて、所望の最終生成物を生成してもよい。
【0168】
エアゾール製剤は、本発明の化合物および好適な噴射剤(例えばn−ブタン)を含む。本発明の化合物はまた、好適な媒体(例えば水またはn−プロパノールなどの水混和性液体)に溶解または分散されて、非加圧式の、手動噴霧ポンプにおいて使用するための組成物が得られる。
【0169】
本発明の化合物は、閉鎖された空間において、この化合物を含有する煙を生成するのに適した組成物を形成するために、火工品(pyrotechnic)混合物と乾燥状態で混合されてもよい。
【0170】
カプセル懸濁剤(CS)は、各油滴がポリマーシェルによって封入され、かつ本発明の化合物および、場合により、そのための担体または希釈剤を含有する油滴の水性分散液が得られる追加の重合段階を伴う以外は、EW製剤の調製と同様の方法で調製され得る。ポリマーシェルは、界面重縮合反応またはコアセルベーション手順のいずれかによって生成され得る。この組成物は、本発明の化合物の制御放出を提供し、種子処理に使用されてもよい。本発明の化合物はまた、生分解性ポリマーマトリックス中で製剤化されて、この化合物の遅延制御放出を提供することができる。
【0171】
組成物は、組成物の生物学的性能を改善するために(例えば表面上の湿潤、保持または分散;処理された表面における耐雨性;あるいは本発明の化合物の取り込みまたは移動性を改善することによる)、1種以上の添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、表面活性剤、油系噴霧添加剤、例えば特定の鉱油または天然植物油(ダイズ油およびナタネ油など)、およびこれらと、他の生物学的強化(bio−enhancing)助剤(本発明の化合物の作用を補助し、または調整し得る成分)とのブレンドが挙げられる。
【0172】
本発明の化合物はまた、種子処理、例えば乾燥種子処理用の粉剤(DS)、水溶性粉剤(SS)またはスラリー処理用の水和性粉剤(WS)を含む粉末組成物として、あるいはフロアブル剤(FS)、液剤(LS)またはカプセル懸濁剤(CS)を含む液体組成物として使用するために製剤化され得る。DS、SS、WS、FSおよびLS組成物の調製は、それぞれ、上述したDP、SP、WP、SCおよびDC組成物の調製と非常に類似している。種子を処理するための組成物は、組成物の種子への付着を補助する物質(例えば鉱油または塗膜形成バリア)を含んでいてもよい。
【0173】
湿潤剤、分散剤および乳化剤は、カチオン型、アニオン型、両性イオン型または非イオン型の表面SFAであってもよい。
【0174】
好適なカチオン型のSFAとしては、第四級アンモニウム化合物(例えば臭化セチルトリメチルアンモニウム)、イミダゾリンおよびアミン塩が挙げられる。
【0175】
好適なアニオン型SFAとしては、脂肪酸のアルカリ金属塩、硫酸の脂肪族モノエステルの塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム)、スルホン化された芳香族化合物の塩(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、スルホン酸ブチルナフタレンならびにジ−イソプロピル−およびトリ−イソプロピル−ナフタレンスルホン酸ナトリウムの混合物)、硫酸エーテル、硫酸アルコールエーテル(例えばラウレス−3−硫酸ナトリウム)、カルボン酸エーテル(例えばラウレス−3−カルボン酸ナトリウム)、リン酸エステル(1種以上の脂肪族アルコールとリン酸との反応からの生成物(主にモノ−エステル)または五酸化リン(主に、ジ−エステル)、例えばラウリルアルコールとテトラリン酸との反応物;さらにこれらの生成物は、エトキシ化されていてもよい)、スルホスクシナメート(sulfosuccinamate)、パラフィンまたはオレフィンスルホネート、タウレートおよびリグノスルホネートが挙げられる。
【0176】
好適な両性型のSFAとしては、ベタイン、プロピオネートおよびグリシネートが挙げられる。
【0177】
好適な非イオン型のSFAとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどのアルキレンオキシドまたはそれらの混合物の、脂肪族アルコール(オレイルアルコールまたはセチルアルコールなど)またはアルキルフェノール(オクチルフェノール、ノニルフェノールまたはオクチルクレゾールなど)との縮合生成物;長鎖脂肪酸または無水ヘキシトールから誘導される部分エステル;前記部分エステルのエチレンオキシドとの縮合生成物;ブロックポリマー(エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドを含む);アルカノールアミド;単純なエステル(例えば脂肪酸ポリエチレングリコールエステル);アミンオキシド(例えばラウリルジメチルアミンオキシド);およびレシチンが挙げられる。
【0178】
好適な懸濁化剤としては、親水コロイド(多糖類、ポリビニルピロリドンまたはナトリウムカルボキシメチルセルロースなど)および膨潤粘土(ベントナイトまたはアタパルジャイトなど)が挙げられる。
【0179】
本発明の化合物は、殺虫化合物の公知の施用手段のいずれかによって施用され得る。例えば、本発明の化合物は、製剤化された状態または製剤化されていない状態で、有害生物または有害生物の場所(有害生物の生息場所、または有害生物が蔓延しやすい栽培植物など)または葉、茎、枝または根を含む植物のいずれかの部分に、植えられる前の種子にまたは植物が生育し、または植えられる他の媒体(根の周囲の土壌、土壌一般、水田の水または水耕栽培系など)に、直接施用されてもよく、あるいは噴霧、粉衣、浸漬による施用、クリームまたはペースト製剤としての施用、蒸気としての施用あるいは土壌または水性環境への組成物(顆粒組成物または水溶性バッグに充填された組成物など)の散布または導入による施用を行ってもよい。
【0180】
本発明の化合物はまた、動電型の噴霧技術または他の低容量の方法を用いて、植物に注入されるかまたは植生に噴霧されてもよく、あるいは地上または空中灌漑システム(land or aerial irrigation system)によって施用されてもよい。
【0181】
水性調製物(水溶液または分散液)として使用される組成物は、一般に高い割合の活性成分を含有する濃縮物の形態で供給され、この濃縮物は、使用前に水に加えられる。これらの濃縮物としては、DC、SC、EC、EW、ME、SG、SP、WP、WGおよびCSが挙げられ、これらは、多くの場合、長期間の貯蔵に耐え、このような貯蔵の後、水に加えると、従来の噴霧装置によって施用できるほど十分な時間にわたって均質なままである水性調製物を形成可能であることが必要である。このような水性調製物は、使用される目的に応じて様々な量の本発明の化合物(例えば0.0001〜10重量%)を含有してもよい。
【0182】
ここで、本発明は、以下の非限定的な実施例によって例示される。全ての引用は参照により援用される。
【実施例】
【0183】
生物学的実施例
表A
表Aは、式(Ia)(式中、X
1およびR
1が、以下に示される定義を有する)の化合物を提供する。
【0184】
【表4】
【0185】
【表5】
【0186】
表B
表Bは、式(Ib)(式中、X
1およびR
1が、以下に示される定義を有する)の化合物を提供する。
【0187】
【表6】
【0188】
表C
表Cは、式(Ic)(式中、X
1およびR
1が、以下に示される定義を有する)の化合物を提供する。
【0189】
【表7】
【0190】
タイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)(タイワンツマグロヨコバイ)
稲の苗を、噴霧チャンバ中で、希釈された試験溶液で処理する。乾燥させた後、植物に、10匹の5齢若虫を寄生させる(3回反復)。処理の5日後、試料を死亡率について調べる。
【0191】
【表8】
【0192】
トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)(トビイロウンカ)
稲の苗を、噴霧チャンバ中で、希釈された試験溶液で処理する。乾燥させた後、植物に、20匹の3齢若虫を寄生させる(2回反復)。処理の6〜12日後、試料を死亡率について調べる。
【0193】
【表9】
【0194】
【表10】
【0195】
【表11】
【0196】
ニカメイガ(Chilo suppressalis)(ニカメイガ)
稲の苗を処理し、乾燥させた後、葉を切断し、湿潤したろ紙で被覆されたペトリ皿へと移す。10匹の幼虫(L2)を加え、皿をフィルタ組織(filter tissue)およびプラスチックの蓋で覆う。処理の5日後、死亡率パーセントを評価する(濃度当たり3回反復)。
【0197】
【表12】
【0198】
比較例
化合物を上記の方法にしたがって試験する。結果は、本発明の化合物が、特に、低い施用量で、示される稲の有害生物に対して、構造的に類似した化合物より著しく活性であることを示す。
【0199】
【表13】
【0200】
【表14】
【0201】
本発明の化合物および対照の化合物はそれぞれ、国際公開第2011/067272号パンフレットの化合物B5およびB4である。
本発明の好ましい態様は、下記の通りである。
〔1〕稲の作物、それらの場所、またはそれらの繁殖材料に、式I
(式中、
−B1−B2−B3−が、−C=N−O−、−C=N−CH2−、−C=CH2−O−または−N−CH2−CH2−であり;
Lが、直接結合またはメチレンであり;
A1およびA2がC−Hであり、またはA1およびA2のうちの一方がC−Hであり、他方がNであり;
X1が、基X
であり、
R1が、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキルまたはC3〜C6シクロアルキルであり;
R2が、クロロジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルであり;
各R3が、独立して、ブロモ、クロロ、フルオロまたはトリフルオロメチルであり;
R4が、水素、ハロゲン、メチル、ハロメチルまたはシアノであり;
R5が水素であり;
またはR4およびR5が一緒に、架橋1,3−ブタジエン基を形成し;
pが、2または3である)の化合物を施用する工程を含む方法。
〔2〕稲の作物、それらの場所、またはそれらの繁殖材料に、前記〔1〕に記載の式Iの化合物を施用する工程を含む、稲においてメイガ(好ましくはツドガ属(Chilo sp.))の発生を防除および/または防止する方法である、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕有用な植物の作物、それらの場所、またはそれらの繁殖材料に、前記〔1〕に記載の式Iの化合物を施用する工程を含む、有用な植物の作物においてメイガ(好ましくはツドガ属(Chilo sp.))の発生を防除および/または防止する方法。
〔4〕稲の作物、それらの場所、またはそれらの繁殖材料に、前記〔1〕に記載の式Iの化合物を施用する工程を含む、稲においてハマキムシの発生を防除および/または防止する方法である、前記〔1〕に記載の方法。
〔5〕有用な植物の作物、それらの場所、またはそれらの繁殖材料に、前記〔1〕に記載の式Iの化合物を施用する工程を含む、有用な植物の作物においてハマキムシの発生を防除および/または防止する方法。
〔6〕稲の作物、それらの場所、またはそれらの繁殖材料に、前記〔1〕に記載の式Iの化合物を施用する工程を含む、稲においてウンカ(好ましくはトビイロウンカ(Nilaparvata lugens))の発生を防除および/または防止する方法である、前記〔1〕に記載の方法。
〔7〕有用な植物の作物、それらの場所、またはそれらの繁殖材料に、前記〔1〕に記載の式Iの化合物を施用する工程を含む、有用な植物の作物においてウンカ(好ましくはトビイロウンカ(Nilaparvata lugens))の発生を防除および/または防止する方法。
〔8〕稲の作物、それらの場所、またはそれらの繁殖材料に、前記〔1〕に記載の式Iの化合物を施用する工程を含む、稲においてタマバエの発生を防除および/または防止する方法である、前記〔1〕に記載の方法。
〔9〕有用な植物の作物、それらの場所、またはそれらの繁殖材料に、前記〔1〕に記載の式Iの化合物を施用する工程を含む、有用な植物の作物においてタマバエの発生を防除および/または防止する方法。
〔10〕稲の作物、それらの場所、またはそれらの繁殖材料に、前記〔1〕に記載の式Iの化合物を施用する工程を含む、稲においてイネクキミギワバエの発生を防除および/または防止する方法である、前記〔1〕に記載の方法。
〔11〕有用な植物の作物、それらの場所、またはそれらの繁殖材料に、前記〔1〕に記載の式Iの化合物を施用する工程を含む、有用な植物の作物においてイネクキミギワバエの発生を防除および/または防止する方法。
〔12〕稲の作物、それらの場所、またはそれらの繁殖材料に、前記〔1〕に記載の式Iの化合物を施用する工程を含む、稲において斑点米カメムシの発生を防除および/または防止する方法である、前記〔1〕に記載の方法。
〔13〕有用な植物の作物、それらの場所、またはそれらの繁殖材料に、前記〔1〕に記載の式Iの化合物を施用する工程を含む、有用な植物の作物において斑点米カメムシの発生を防除および/または防止する方法。
〔14〕稲の作物、それらの場所、またはそれらの繁殖材料に、前記〔1〕に記載の式Iの化合物を施用する工程を含む、稲においてイネクロカメムシの発生を防除および/または防止する方法である、前記〔1〕に記載の方法。
〔15〕有用な植物の作物、それらの場所、またはそれらの繁殖材料に、前記〔1〕に記載の式Iの化合物を施用する工程を含む、有用な植物の作物においてイネクロカメムシの発生を防除および/または防止する方法。
〔16〕A1およびA2がC−Hであり、R2がトリフルオロメチルであり、R5が水素であり、好ましくは、前記方法が、有用な植物、好ましくは稲の作物においてウンカ(好ましくはトビイロウンカ(Nilaparvata lugens))またはメイガ(好ましくはツドガ属(Chilo sp.))、最も好ましくはトビイロウンカ(Nilaparvata lugens)の発生を防除および/または防止する方法である、前記〔1〕〜〔15〕のいずれか一項に記載の方法または使用。
〔17〕A1およびA2がC−Hであり、R2がトリフルオロメチルであり、R4がメチルであり、R5が水素であり、各R3が塩素であり、pが2であり、好ましくは、前記方法が、有用な植物、好ましくは稲の作物においてウンカ(好ましくはトビイロウンカ(Nilaparvata lugens))またはメイガ(好ましくはツドガ属(Chilo sp.))、最も好ましくはトビイロウンカ(Nilaparvata lugens)の発生を防除および/または防止する方法である、前記〔1〕〜〔15〕のいずれか一項に記載の方法または使用。
〔18〕R1が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、トリフルオロエチル、ジフルオロエチルであり、好ましくは、前記方法が、有用な植物、好ましくは稲の作物においてウンカ(好ましくはトビイロウンカ(Nilaparvata lugens))またはメイガ(好ましくはツドガ属(Chilo sp.))、最も好ましくはトビイロウンカ(Nilaparvata lugens)の発生を防除および/または防止する方法である、前記〔1〕〜〔17〕のいずれか一項に記載の方法または使用。
〔19〕R1が、エチルまたはトリフルオロエチルであり、好ましくは、前記方法が、有用な植物、好ましくは稲の作物においてウンカ(好ましくはトビイロウンカ(Nilaparvata lugens))またはメイガ(好ましくはツドガ属(Chilo sp.))、最も好ましくはトビイロウンカ(Nilaparvata lugens)の発生を防除および/または防止する方法である、前記〔1〕〜〔17〕のいずれか一項に記載の方法または使用。
〔20〕X1が、3,5−ジクロロ−フェニル、3,5−ジクロロ−4−フルオロフェニル−、3,4,5−トリクロロフェニル−、または3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルであり、好ましくは、前記方法が、有用な植物、好ましくは稲の作物においてウンカ(好ましくはトビイロウンカ(Nilaparvata lugens))またはメイガ(好ましくはツドガ属(Chilo sp.))、最も好ましくはトビイロウンカ(Nilaparvata lugens)の発生を防除および/または防止する方法である、前記〔1〕〜〔19〕のいずれか一項に記載の方法または使用。
〔21〕−B1−B2−B3−が−C=N−O−であり、好ましくは、前記方法が、有用な植物、好ましくは稲の作物においてウンカ(好ましくはトビイロウンカ(Nilaparvata lugens))またはメイガ(好ましくはツドガ属(Chilo sp.))、最も好ましくはトビイロウンカ(Nilaparvata lugens)の発生を防除および/または防止する方法である、前記〔1〕〜〔20〕のいずれか一項に記載の方法または使用。
〔22〕式Iの前記化合物が、化合物I*およびI**
の混合物であり、ここで、両方のエナンチオマーの総量と比較した化合物I**のモル比が、50%超であり、好ましくは、前記方法が、有用な植物、好ましくは稲の作物においてウンカ(好ましくはトビイロウンカ(Nilaparvata lugens))またはメイガ(好ましくはツドガ属(Chilo sp.))、最も好ましくはトビイロウンカ(Nilaparvata lugens)の発生を防除および/または防止する方法である、前記〔1〕〜〔21〕のいずれか一項に記載の方法または使用。
〔23〕式Iの前記化合物が、化合物I’およびI”
の混合物であり、ここで、両方のエナンチオマーの総量と比較した化合物I”のモル比が、50%超であり、好ましくは、前記方法が、有用な植物、好ましくは稲の作物においてウンカ(好ましくはトビイロウンカ(Nilaparvata lugens))またはメイガ(好ましくはツドガ属(Chilo sp.))、最も好ましくはトビイロウンカ(Nilaparvata lugens)の発生を防除および/または防止する方法である、前記〔1〕〜〔21〕のいずれか一項に記載の方法または使用。
〔24〕メイガ、ハマキムシ、ウンカ、タマバエ、イネクキミギワバエ、斑点米カメムシ、およびイネクロカメムシからなる群から選択される昆虫を防除するための前記〔1〕〜〔23〕のいずれか一項に記載の式Iの化合物の1つ以上の使用のための規制機関の承認を得るための方法であって、前記活性成分が昆虫による圧力を軽減することを示す生物学的データを示し、それを提出し、またはそれに依拠する少なくとも1つの工程を含み、好ましくは、前記昆虫が、ウンカ(好ましくはトビイロウンカ(Nilaparvata lugens))またはメイガ(好ましくはツドガ属(Chilo sp.))、最も好ましくはトビイロウンカ(Nilaparvata lugens)である方法。