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特許6238992ダウンコンバージョン装置とその実行方法及び受信機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6238992
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】ダウンコンバージョン装置とその実行方法及び受信機
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/16 20060101AFI20171120BHJP
【FI】
   H04B1/16 Z
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-535965(P2015-535965)
(86)(22)【出願日】2013年9月9日
(65)【公表番号】特表2015-534791(P2015-534791A)
(43)【公表日】2015年12月3日
(86)【国際出願番号】CN2013083154
(87)【国際公開番号】WO2014056379
(87)【国際公開日】20140417
【審査請求日】2015年4月15日
(31)【優先権主張番号】201210381339.1
(32)【優先日】2012年10月10日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511207729
【氏名又は名称】ゼットティーイー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ドゥアン, ヤジャン
(72)【発明者】
【氏名】リ, シャンリン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, グォジュン
【審査官】 大野 友輝
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2002/056489(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0022211(US,A1)
【文献】 特開2003−018038(JP,A)
【文献】 米国特許第05722061(US,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01691489(EP,A1)
【文献】 米国特許第06625433(US,B1)
【文献】 特開2003−046403(JP,A)
【文献】 特表2007−521762(JP,A)
【文献】 特開平11−103325(JP,A)
【文献】 特開2005−167417(JP,A)
【文献】 特表2002−523960(JP,A)
【文献】 特開2007−110696(JP,A)
【文献】 特開平10−022859(JP,A)
【文献】 特開平05−347522(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多重モードシステムにおいて受信機アンテナにより受信された第1の無線周波数信号に対してダウンコンバージョンを行うダウンコンバージョン装置であって、
前記第1の無線周波数信号のパワーにより制御信号を出力するように配置される制御モジュールと、
前記制御信号により、前記第1の無線周波数信号に対してゲイン増幅またはパワー減衰を行って、第2の無線周波数信号を得るように配置されるゲイン処理モジュールと、
前記第2の無線周波数信号を中間周波数にダウンコンバージョンして、中間周波数信号を出力するように配置されるダウンコンバージョンモジュールと、
を含むことを特徴とするダウンコンバージョン装置。
【請求項2】
前記ダウンコンバージョン装置は、更に、前記第2の無線周波数信号に対してフィルタリングするように配置されるミラーイメージ周波数改善モジュールを含み、
前記ダウンコンバージョンモジュールは、前記ミラーイメージ周波数改善モジュールにより出力される信号を中間周波数にダウンコンバージョンして、中間周波数信号を出力するように更に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載のダウンコンバージョン装置。
【請求項3】
前記ゲイン処理モジュールは、
前記制御信号により、前記第1の無線周波数信号に対してゲイン増幅を行いまたは前記第1の無線周波数信号を直接に出力するように配置されるゲイン増幅モジュールと、
前記制御信号により、前記ゲイン増幅モジュールにより出力される信号に対してパワー減衰を行うように配置されるゲイン減衰モジュールと
を含むことを請求項1または2に記載のダウンコンバージョン装置。
【請求項4】
前記制御モジュールは、前記第1の無線周波数信号のパワーがプリセットされた閾値より大きい場合、第1の制御信号を前記ゲイン処理モジュールに出力するように配置され、
前記ゲイン増幅モジュールは、前記第1の制御信号により、前記第1の無線周波数信号を前記ゲイン減衰モジュールに直接に出力するように配置され、
前記ゲイン減衰モジュールは、プリセットされた減衰量により、前記第1の無線周波数信号に対してパワー減衰を行うように配置される
ことを特徴とする請求項3に記載のダウンコンバージョン装置。
【請求項5】
前記制御モジュールは、前記第1の無線周波数信号のパワーがプリセットされた閾値より以下である場合、第2の制御信号を前記ゲイン処理モジュールに出力するように配置され、
前記ゲイン増幅モジュールは、前記第2の制御信号により、前記第1の無線周波数信号に対してプリセットされた倍数のゲイン増幅を行うように配置され、
前記ゲイン減衰モジュールは、前記ゲイン増幅モジュールにより出力される信号に対して0dBのパワー減衰を行うように配置される
ことを特徴とする請求項3に記載のダウンコンバージョン装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の、多重モードシステムにおいて受信機アンテナにより受信された無線周波数信号に対して、ダウンコンバージョンを行うダウンコンバージョン装置を含むことを特徴とする受信機。
【請求項7】
多重モードシステムにおいて受信機アンテナにより受信された第1の無線周波数信号に対してダウンコンバージョンを行うダウンコンバージョンの実行方法であって、
ダウンコンバージョン装置は、受信機アンテナにより受信された第1の無線周波数信号のパワーを検出することと、
前記ダウンコンバージョン装置は、前記第1の無線周波数信号のパワーにより、前記第1の無線周波数信号に対してゲイン増幅またはパワー減衰を行って、第2の無線周波数信号を得ることと、
前記ダウンコンバージョン装置は、前記第2の無線周波数信号を中間周波数にダウンコンバージョンして、中間周波数信号を出力することと、
を含むことを特徴とするダウンコンバージョンの実行方法。
【請求項8】
前記ダウンコンバージョン装置が前記第2の無線周波数信号を中間周波数にダウンコンバージョンする前に、前記方法は更に、
前記ダウンコンバージョン装置は、第2の無線周波数信号に対してフィルタリングすることを含む
ことを特徴とする請求項7に記載のダウンコンバージョンの実行方法。
【請求項9】
前記ダウンコンバージョン装置は、前記第1の無線周波数信号のパワーにより、前記第1の無線周波数信号に対してゲイン増幅またはパワー減衰を行って、第2の無線周波数信号を得ることは、
前記ダウンコンバージョン装置が前記第1の無線周波数信号のパワーがプリセットされた閾値より大きい場合、プリセットされた減衰量により、前記第1の無線周波数信号に対してパワー減衰を行って、第2の無線周波数信号を得ることを含む
ことを特徴とする請求項7または8に記載のダウンコンバージョンの実行方法。
【請求項10】
前記ダウンコンバージョン装置は、前記第1の無線周波数信号のパワーにより、前記第1の無線周波数信号に対してゲイン増幅またはパワー減衰を行って、第2の無線周波数信号を得ることは、
前記ダウンコンバージョン装置が前記第1の無線周波数信号のパワーがプリセットされた閾値より以下である場合、前記第1の無線周波数信号に対してプリセットされた倍数のゲイン増幅を行って、第2の無線周波数信号を得ることを含む
ことを特徴とする請求項7または8に記載のダウンコンバージョンの実行方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信分野に関し、受信機に応用されるダウンコンバージョン装置とその実行方法及び受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
通信産業の発展に伴い、製品の多重モード応用と製品がサポートしているキャリア周波数の数の増加は、すでに現在の通信技術の主なデザインターゲットになっている。マルチ通信規格を融合的に使用することに対して、無線周波数関連のハードウェアの回路設計において、装置は最も厳しい性能指標に満たさなければならない。
【0003】
多重モードシステムにおいて、異なる規格によって受信機に対して異なるリニアリティ要求があり、多重モードの需要を満たすために、従来の受信機は最も厳しい要求に従って設計される必要がある。従来の受信機は主にゲイン減衰ユニット、ゲイン増幅ユニット及び周波数変換ゲインがあるダウンコンバージョンモジュールから構成される。多重モードシステムが、長期発展型(LTE:Long Term Evolution)とモバイル通信用グローバルシステム(GSM:Global System of Mobile communication)(GSMは、ジーエスエム ムー アソシエイシヨンの登録商標)など規格を同時に含む場合、GSM規格は受信機のゲイン動的な範囲とリニアリティ指標について他の規格より高いため、それによって、受信機はGSM規格の要求に応じてデザインされる必要があり、ゲイン減衰ユニットの無線周波数信号に対する減衰がより大きい。受信機は、例えばLTEなどリニアリティに対する要求が低い規格に用いられる場合、ゲイン減衰ユニットは、入力される無線周波数信号に対してゲイン減衰を行った後、またゲイン増幅ユニットを利用して減衰された無線周波数信号に対してゲイン増幅を行う必要がある。このような、先に減衰して次に増幅することはゲインの浪費を引き起こすだけでなく、受信機の消費電力も増加させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、受信機の消費電力を低減することができるダウンコンバージョン装置及びその実行方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明は下記のような技術的解決策を提供する。
本発明で提供される、受信機アンテナにより受信された第1の無線周波数信号に対してダウンコンバージョンを行うダウンコンバージョン装置は、前記第1の無線周波数信号のパワーにより制御信号を出力するように配置される制御モジュールと、前記制御信号により、前記第1の無線周波数信号に対してゲイン増幅またはパワー減衰を行って、第2の無線周波数信号を得るように配置されるゲイン処理モジュールと、前記第2の無線周波数信号を中間周波数にダウンコンバージョンして、中間周波数信号を出力するように配置されるダウンコンバージョンモジュールとを含む。
【0006】
好ましくは、前記ダウンコンバージョン装置は更に、前記第2の無線周波数信号に対してフィルタリングするように配置されるミラーイメージ周波数改善モジュールを含み、前記ダウンコンバージョンモジュールは、前記ミラーイメージ周波数改善モジュールにより出力される信号を中間周波数にダウンコンバージョンして、中間周波数信号を出力するように更に配置される。
【0007】
好ましくは、前記ゲイン処理モジュールは、前記制御信号により、前記第1の無線周波数信号に対してゲイン増幅を行いまたは前記第1の無線周波数信号を直接に出力するように配置されるゲイン増幅モジュールと、前記制御信号により、前記ゲイン増幅モジュールにより出力される信号に対してパワー減衰を行うように配置されるゲイン減衰モジュールとを含む。
【0008】
好ましくは、前記制御モジュールは、前記第1の無線周波数信号のパワーがプリセットされた閾値より大きい場合、第1の制御信号を前記ゲイン処理モジュールに出力するように配置され、前記ゲイン増幅モジュールは、前記第1の制御信号により、前記第1の無線周波数信号を前記ゲイン減衰モジュールに直接に出力するように配置され、前記ゲイン減衰モジュールは、プリセットされた減衰量により、前記第1の無線周波数信号に対してパワー減衰を行うように配置される。
【0009】
好ましくは、前記制御モジュールは、前記第1の無線周波数信号のパワーがプリセットされた閾値より以下である場合、第2の制御信号を前記ゲイン処理モジュールに出力するように配置され、前記ゲイン増幅モジュールは、前記第2の制御信号により、前記第1の無線周波数信号に対してプリセットされた倍数のゲイン増幅を行うするように配置され、前記ゲイン減衰モジュールは、前記ゲイン増幅モジュールにより出力される信号に対して0dBのパワー減衰を行うように配置される。
【0010】
また、本発明は、上述したような受信機アンテナにより受信された無線周波数信号に対してダウンコンバージョンするダウンコンバージョン装置を含む受信機を提供する。
【0011】
更に、本発明は、受信機アンテナにより受信された第1の無線周波数信号に対してダウンコンバージョンを行うダウンコンバージョンの実行方法を提供する。その方法は、ダウンコンバージョン装置は、受信機アンテナにより受信された第1の無線周波数信号のパワーを検出することと、前記ダウンコンバージョン装置は、前記第1の無線周波数信号のパワーにより、前記第1の無線周波数信号に対してゲイン増幅またはパワー減衰を行って、第2の無線周波数信号を得ることと、前記ダウンコンバージョン装置は、前記第2の無線周波数信号を中間周波数にダウンコンバージョンして、中間周波数信号を出力することとを含む。
【0012】
好ましくは、前記ダウンコンバージョン装置が前記第2の無線周波数信号を中間周波数にダウンコンバージョンする前に、前記方法は更に、前記ダウンコンバージョン装置が、第2の無線周波数信号に対してフィルタリングすることを含む。
【0013】
好ましくは、前記ダウンコンバージョン装置は、前記第1の無線周波数信号のパワーにより、前記第1の無線周波数信号に対してゲイン増幅またはパワー減衰を行って、第2の無線周波数信号を得ることは、前記ダウンコンバージョン装置が前記第1の無線周波数信号のパワーがプリセットされた閾値より大きい場合、プリセットされた減衰量により、前記第1の無線周波数信号に対してパワー減衰を行って、第2の無線周波数信号を得ることを含む。
【0014】
好ましくは、前記ダウンコンバージョン装置は、前記第1の無線周波数信号のパワーにより、前記第1の無線周波数信号に対してゲイン増幅またはパワー減衰を行って、第2の無線周波数信号を得ることは、前記ダウンコンバージョン装置が前記第1の無線周波数信号のパワーがプリセットされた閾値より以下である場合、前記第1の無線周波数信号に対してプリセットされた倍数のゲイン増幅を行って、第2の無線周波数信号を得ることを含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、マルチ規格システム指標を満たす場合、受信された異なる無線周波数信号のパワーにより、動的に無線周波数信号に対するゲイン増幅またはゲイン減衰を決定することができ、無線周波数信号を先に減衰して次に増幅することを回避し、受信機全体の消費電力を低減することができるという有益な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るダウンコンバージョン装置の構造を示す図である。
図2図2は、本発明の実施形態1に係るダウンコンバージョンの実行方法のフローチャートである。
図3図3は、本発明の実施形態2に係るダウンコンバージョンの実行方法のフローチャートである。
図4図4は、本発明の一実施形態に係るダウンコンバージョン装置を周波数分割二重システムと時分割二重システムに応用されることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明が解決しようとする課題、技術的解決策及び利点をもっと明瞭にするために、以下、図面を参照しながら具体的な一実施形態を詳しく説明する。
本発明は、従来技術の多重モードシステムにおいて、先に減衰して次に増幅することはゲインの浪費を引き起こすだけでなく受信機の消費電力を増加させるという問題に対して、受信機の消費電力を低減することができるダウンコンバージョン装置、その実行方法及び受信機を提供するものである。
【0018】
図1は本発明の一実施形態に係るダウンコンバージョン装置の構造を示す図であり、図1に示すように、前記ダウンコンバージョン装置は、第1の無線周波数信号のパワーにより、制御信号を出力するように配置される制御モジュール10と、制御信号により、第1の無線周波数信号に対してゲイン増幅またはパワー減衰を行って、第2の無線周波数信号を得るように配置されるゲイン処理モジュール12と、第2の無線周波数信号を中間周波数にダウンコンバージョンして、中間周波数信号を出力するように配置されるダウンコンバージョンモジュール14とを含む。
【0019】
好ましくは、図1に示すように、ダウンコンバージョン装置は更に、ゲイン処理モジュール12により出力された第2の無線周波数信号に対してフィルタリングするように配置されるミラーイメージ周波数改善モジュール16を含み、ダウンコンバージョンモジュール14は、ミラーイメージ周波数改善モジュール16により出力された信号を中間周波数にダウンコンバージョンして、中間周波数信号を出力するように更に配置される。
【0020】
図1に示すように、ゲイン処理モジュール12は、制御信号により、第1の無線周波数信号に対してゲイン増幅を行いまたは第1の無線周波数信号を直接に出力するように配置されるゲイン増幅モジュール11と、制御信号により、ゲイン増幅モジュール11により出力される信号に対してパワー減衰を行うように配置されるゲイン減衰モジュール13とを含む。
【0021】
ここで、制御モジュール10は、第1の無線周波数信号のパワーがプリセットされた閾値より大きい場合、第1の制御信号をゲイン処理モジュール12に出力するように配置され、ゲイン増幅モジュール11は、第1の制御信号により、第1の無線周波数信号をゲイン減衰モジュール13に直接に出力するように配置され、ゲイン減衰モジュール13は、プリセットされた減衰量により、第1の無線周波数信号に対してパワー減衰を行うように配置される。
【0022】
制御モジュール10は、第1の無線周波数信号のパワーがプリセットされた閾値以下である場合、第2の制御信号をゲイン処理モジュール12に出力するように配置され、 ゲイン増幅モジュール11は、第2の制御信号により、第1の無線周波数信号に対してプリセットされた倍数のゲイン増幅を行うように配置され、ゲイン減衰モジュール13は、ゲイン増幅モジュール11により出力される信号に対して0dBのパワー減衰を行うように配置される。
【0023】
前記ダウンコンバージョン装置における制御モジュール10は、実際の応用において、装置における中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)またはデジタルシグナルプロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)またはプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field−Programmable Gate Array)により実現されることができる。前記装置におけるダウンコンバージョンモジュール14は、実際の応用において、装置におけるダウンコンバータまたはダウンコンバージョン回路により実現されることができる。前記装置におけるゲイン処理モジュール12のサブモジュールであるゲイン増幅モジュール11は、実際の応用において、装置におけるゲイン増幅器またはゲイン増幅回路により実現されることができる。前記装置におけるゲイン処理モジュール12のサブモジュールであるゲイン減衰モジュール13は、実際の応用において、装置におけるゲイン減衰器またはゲイン減衰回路により実現されることができる。前記装置におけるミラーイメージ周波数改善モジュール16は、実際の応用において、装置におけるフィルターまたはフィルタリング回路により実現されることができる。
【0024】
本発明は、実施形態1として、ダウンコンバージョンの実行方法、即ち、受信機アンテナにより受信された第1の無線周波数信号に対してダウンコンバージョンを行う上記のダウンコンバージョン装置の作動方法を提供する。図2に示すように、前記方法は下記のステップを含む。
【0025】
ステップ201:ダウンコンバージョン装置は、受信機アンテナにより受信された第1の無線周波数信号のパワーを検出する。
ステップ202:ダウンコンバージョン装置は、第1の無線周波数信号のパワーにより、第1の無線周波数信号に対してゲイン増幅またはパワー減衰を行って、第2の無線周波数信号を得る。
ステップ203:ダウンコンバージョン装置は、第2の無線周波数信号を中間周波数にダウンコンバージョンして、中間周波数信号を出力する。
【0026】
好ましくは、ステップ203の前に更にダウンコンバージョン装置が第2の無線周波数信号に対してフィルタリングすることを含む。
【0027】
以下、図3を参照しながら、本発明の実施形態2に係るダウンコンバージョン装置を、GSM規格のダウンコンバージョンに応用した実行方法を説明する。その方法は、具体的には以下のステップを含む。
【0028】
ステップ301:ダウンコンバージョン装置は、受信機により受信された第1の無線周波数信号のパワーの大きさを検出する。
【0029】
ステップ302:ダウンコンバージョン装置は、第1の無線周波数信号のパワーがプリセットされた閾値より大きいであるかどうかを判断し、はいの場合、ステップ303に進み、いいえの場合、ステップ306に進む。ダウンコンバージョン装置が、第1の無線周波数信号のパワーがプリセットされた閾値より大きい、すなわち、受信機により受信された干渉信号がより大きく、システムに対するリニアリティ要求がより高いと判断した場合、ステップ303が実行される。ダウンコンバージョン装置が、第1の無線周波数信号のパワーがプリセットされた閾値以下である、すなわち、受信機に対するリニアリティ要求がより低いと判断した場合、ステップ306が実行される。
【0030】
ステップ303:制御モジュールは、ダウンコンバージョン装置の作動モードが高リニアリティ作動モードであることを確定し、大きな干渉信号に対する受信機の耐性能力を向上させる。
【0031】
ここで、制御モジュールは、具体的には、例えば、シリアルペリフェラルインタフェース(SPI:Serial Peripheral Interface)制御モジュールであってよい。制御モジュールは、SPIを介してゲイン減衰モジュールとゲイン増幅モジュールと接続し、SPIを介してスイッチを制御してゲイン増幅モジュールとゲイン減衰モジュールのバイアス回路を切替えてゲイン減衰モジュールとゲイン増幅モジュールの作動状態を制御する。
【0032】
ステップ304:制御モジュールは、ゲイン増幅モジュールがバイパス状態にあり、受信された第1の無線周波数信号に対して直接通過処理を行うとともに、ゲイン増幅モジュールの電源がオフになるように制御する。
【0033】
ステップ305:適当な減衰量を設定し、第1の無線周波数信号に対してパワー減衰を行う。
受信機アンテナにより受信された第1の無線周波数信号のパワーの大きさにより適当な減衰量を設定し、受信機アナログデジタル変換モジュールの不飽和を保証し、第1の無線周波数信号に対して適当にパワー減衰を行い、第1の無線周波数信号に対してパワー減衰を行って第2の無線周波数信号を得た後、第2の無線周波数信号に対してダウンコンバージョンして中間周波数信号を得る。
【0034】
ステップ306:制御モジュールは、ダウンコンバージョン装置の作動モードが低消費電力作動モードであることを確定し、受信機の消費電力を節約する。
ここで、制御モジュールは、具体的には、例えば、SPI制御モジュールであってよく、SPI制御モジュールを介してゲイン減衰モジュールとゲイン増幅モジュールに接続され、SPI制御モジュールを介してスイッチを制御してゲイン増幅モジュールとゲイン減衰モジュールのバイアス回路を切替えてゲイン減衰モジュールとゲイン増幅モジュールの作動状態を制御する。
【0035】
ステップ307:制御モジュールは、ゲイン増幅モジュールが第1の無線周波数信号に対して増幅するように制御する。
【0036】
ステップ308:制御モジュールは、ゲイン減衰モジュールの減衰量を0dBに設定し、ゲイン増幅を行った第1の無線周波数信号に対して0dB減衰を行って第2の無線周波数信号を得た後、第2の無線周波数信号に対してダウンコンバージョンを行って中間周波数信号を得る。
【0037】
好ましくは、上記のステップ304と307の後、またミラーイメージ周波数改善モジュールを用いて、ゲイン増幅を行った無線周波数信号に対してフィルタリング処理し、その後、ステップ305と308を実行する。
【0038】
本発明の実施形態に係るダウンコンバージョン装置は、ゲイン増幅モジュールをゲイン減衰モジュールの前に置いて、図1に示すように、小さいゲインが必要な場合に、先にゲイン増幅モジュールを直接にバイパスして、次に適当にゲイン減衰モジュールを調整する。これによって、ゲインの浪費を引き起こすことなくミキサーのリニアリティ圧力を減らし、かつ、より最適な雑音係数を得て感度指数を向上することができる。
【0039】
本装置は、低消費電力と高リニアリティとの2つの作動モードがあり、SPIを介して異なる作動モードでの切り替えを制御でき、これにより受信機の消費電力を低下させた。また、従来の受信機のゲイン動的範囲は、受信機内に使用されるパワー減衰モジュールの減衰範囲のみに限定されるが、本発明の実施形態に係るダウンコンバージョン装置を採用すれば、受信機のゲイン動的範囲は、ゲイン減衰モジュールとバイパス付けのゲイン増幅モジュールにより範囲を含むため、より大きいゲイン動的範囲を受信機に提供することができる。かつ、本発明のダウンコンバージョン装置は、複数の規格に適応かのうであり、装置の集積度を向上させ、PCB原価と装置原価を低減させ、受信機の原価を低減させることができる。
【0040】
本発明の一実施形態は、更に、受信機アンテナにより受信された無線周波数信号に対してダウンコンバージョンを行う上述したダウンコンバージョン装置を含む受信機を提供している。
【0041】
図4は、本発明のダウンコンバージョン装置を、周波数分割二重(FDD:Frequency Division Duplexing)システムと時分割二重(TDD:Time Division Duplexing)システムに応用した場合を示す図である。図4に示すように、前記ダウンコンバージョン装置22は、低雑音増幅モジュール21と中間周波数アンチエイリアス抑制モジュール23に接続され、前記中間周波数アンチエイリアス抑制モジュール23は、中間周波数ゲインモジュール24に接続され、前記中間周波数ゲインモジュール24は、アナログデジタル変換モジュール25に接続される。
【0042】
ここで、FDDシステムは、受信機感度での雑音係数指標に対する要求がより高いので、前記ダウンコンバージョン装置22の前に1つの大きいゲイン低雑音増幅モジュール21を置く必要があり、全体の雑音係数が他の要因によって変化しないように保証される。小さいパワーの無線周波数信号が入力される場合、本発明の実施形態に係るダウンコンバージョン装置22は、最大ゲイン状態と低消費電力作動モードで作動する。大きいパワー干渉信号が入力される場合、本発明の実施形態に係るダウンコンバージョン装置22におけるゲイン増幅モジュールはバイパスされて、信号の減衰と周波数変換のみを行う。GSM規格において、小さい信号が入力される場合に当該ダウンコンバージョン装置は低消費電力モードにあり、大きな相互変調信号が入力される場合に当該ダウンコンバージョン装置は高リニアリティ作動モードにある。LTEとUMTS規格において、前記ダウンコンバージョン装置は低消費電力作動モードで作動し、これにより、システム指標要求を満たし、リニアリティと消費電力を節約することができる。
【0043】
ダウンコンバージョン装置22が異なるシステムに応用される場合、ミラーイメージ周波数抑制モジュールを柔軟に使用してリンクデザインを行って要求を満たすことができる。ミラーイメージ周波数抑制モジュールは図1の位置に置いても良く、前記ダウンコンバージョン装置の前に置いても良い。無線周波数信号がダウンコンバージョン装置に入る前に、無線周波数信号をフィルタリングする。
【0044】
TDDシステムにおいて前記ダウンコンバージョン装置は2つの応用方式がある。第1種:TDDシステムは、ゲインと雑音係数指標に対する要求がより低いので、前記ダウンコンバージョン装置22の前に1つのシングルステージ15dBであるゲインの低雑音増幅器(LNA:Low Noise Amplifier)を置くことができる。小さいパワー無線周波数信号が入力される場合、前記ダウンコンバージョン装置22は最大ゲイン状態で作動し、かつ前記ダウンコンバージョン装置22のダウンコンバージョンモジュールは低消費電力モードで作動し、システム要求を満たすことができる。大きいパワー無線周波数信号が入力される場合、TDDがシステムのリニアリティ指標に対して要求も高くなく、前記ダウンコンバージョン装置のゲイン増幅モジュールはバイパスされ、かつ前記ダウンコンバージョン装置はずっと低消費電力モードで作動し、これにより要求を満たすことができる。
【0045】
第2種:前記ダウンコンバージョン装置22の前に依然に1つの30dBゲインのLNAを置いたが、前記ダウンコンバージョン装置22におけるゲイン増幅モジュールはずっとバイパスされる。小さいパワー無線周波数信号が入力される場合、前記ダウンコンバージョン装置22のゲイン増幅モジュールはバイパスされ、ダウンコンバージョンモジュールは低消費電力モードで作動する。大きいパワー無線周波数信号が入力される場合、前記ダウンコンバージョン装置のゲイン増幅モジュールはバイパスされ、ダウンコンバージョンモジュールは低消費電力モードにで作動し、ゲイン減衰モジュールのみによりゲインを調整することができる。
【0046】
本発明の実施形態に係るダウンコンバージョン装置はTDDとFDD規格に適用され、TDDとFDDプラットフォーム共用の需要を満たすことができる。本発明の実施形態に係るダウンコンバージョン装置はFDD規格において、ゲイン増幅モジュールのバイパス機能を増加し、受信機のより良いリニアリティ指標が必要な場合、ゲイン増幅モジュールをバイパスすることができ、ゲイン増幅器のリニアリティ指標を低減して消費電力を節約するとともに、多規格要求を満たした。本発明の実施形態は集積技術によって装置の集積度を向上させるとともに、PCB原価と装置原価を節約し、デザインの複雑度を減らし、ある程度で受送信機の原価利点を向上させて、製品の信頼度を向上させた。
【0047】
なお、この明細書に記載された様々な機能部品はすべてモジュールと称されて、その実行方式の独立性を特に強調する。
【0048】
本発明の実施形態として、各モジュールはソフトウェアにより実現されて各種のタイプのプロセッサにより容易に実行される。例えば、1つの識別子の実行可能なコードモジュールは、計算機命令の1つまたは複数の物理またはロジックブロックを含むことができ、例えば、それはオブジェクト(object)、プロセス(process)またはファンクション(function)として構築されてもよい。けれども、識別されたモジュールの実行可能なコードは、物理的に一体に形成される必要がなく、異なる物理に記憶される異なる命令を含むことができる。これらの命令はロジック的に組み合わせられ、モジュールを構成して、当該モジュールの所定の目的を実現する。
【0049】
実際に、実行可能なコードモジュールは単一の命令または様々な命令であってもよく、かつ、複数の異なるコードセクション、異なるプログラム及び複数のメモリデバイスを渡って配布されてもよい。同様に、操作データはモジュール内に識別されることができ、かつ、いかなる適当な形式に従って実現できかついかなる適当なタイプのデータ構造内に構成されることができる。前記操作データはシングルデータセットとして収集され、または異なる位置(異なる記憶設備も含まれてもよい)に配布されてもよく、かつ、少なくとも一部は電子信号のみとしてシステムまたはネットワークに存在することができる。
【0050】
モジュールはソフトウェアにより実現される場合、従来のハードウエア工程のレベルを鑑み、ソフトウェアにより実現されるモジュールを採用して、原価を考慮しない状況で、当業者は、対応するハードウエア回路を確立して対応する機能を実現でき、前記ハードウエア回路は通常の超大規模集積(VLSI)回路またはゲートアレイ及びロジックチップ、トランジスタなどの従来半導体または他の独立の素子であってもよい。モジュールはプログラマブルハードウェアデバイス、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック、プログラマブルロジックデバイスなどを採用して実現できる。
【0051】
本発明の各方法に係る実施形態において、前記各ステップの番号は各ステップの前後順序を制限することに使用できず、当業者にとって、進歩性に値する労働を要しない前提で、各ステップの前後変化も本発明の保護範囲内に属する。
【0052】
以上は、本発明の最適的な実施形態に過ぎなく、本分野の当業者にとって、本発明の原理から逸脱することのない前提で、若干の改修、潤色を行うことができ、これらの改修、潤色が、本発明の保護範囲以内に含まれるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の実施形態は、受信機アンテナにより受信された第1の無線周波数信号のパワーを検出することにより、前記第1の無線周波数信号のパワーに基づいて前記第1の無線周波数信号に対してゲイン増幅またはパワー減衰を行って、第2の無線周波数信号を得、前記第2の無線周波数信号を中間周波数にダウンコンバージョンして、中間周波数信号を出力する。それによって、マルチ規格システム指標の場合、受信された異なる無線周波数信号のパワーにより、動的に無線周波数信号に対するゲイン増幅またはゲイン減衰を決定し、無線周波数信号を先に減衰して次に増幅することを回避し、受信機全体の消費電力を低減することができる。
図1
図2
図3
図4