【実施例】
【0037】
実施例1:N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウムの合成
29.6gの1−アダマンタンアミン(Sigma−Aldrich)及び64gの炭酸カリウム(Sigma−Aldrich)を320mlのクロロフォルムと一緒に混合した。この時点で、反応物を氷浴中で撹拌しながら75gのヨウ化メチルを滴下して加えた。撹拌しながら、室温で5日間反応を維持する。混合物をろ過し、そしてジエチルエーテルで洗浄し、そして結果として得られた固形物をクロロフォルムでさらに抽出した。最終的な生成物は、ヨウ化N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウムである。このヨウ化物塩を、イオン交換樹脂を用いてアニオン交換してその水酸化物を得る。
【0038】
実施例2:OH媒体中での“Cu−SSZ13−1”の直接合成
159mgの硫酸銅(II)(98重量%、Alfa)の20重量%水溶液を、36mgのテトラエチレンペンタミン(TEPA、99重量%、Aldrich)と一緒に混合し、そして、撹拌下に2時間維持した。その後、1041mgの水酸化N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウム(TMaDA、16重量%)の水溶液、及び95mgの水酸化ナトリウムの水溶液(20重量%)を加え、そして、撹拌しながら15分間維持した。その後、21mgの水酸化アルミニウム(66重量%、Sigma−Aldrich)及び607mgのコロイダルシリカ(Ludox AS40、40重量%、Aldrich)を、この合成混合物に導入し、所望のゲル濃度になるまで溶媒の蒸発に必要な時間撹拌しながら維持した。最終的なゲル組成は、SiO
2:0.033 Al
2O
3:0.049 Cu(TEPA)
2+:0.19 TMaDA:0.12 NaOH:18.3 H
2Oであった。
【0039】
そのゲルを、Teflonライナーを具えたオートクレーブ中に移し、そして静的条件下で14日間150℃の温度に加熱した。熱水による結晶化後の試料をろ過し、そして十分な蒸留水で洗浄し、そして100℃で最終的に乾燥させた。
【0040】
粉末X線回折(PXRD)により固形物を特徴付け、SSZ−13物質の特徴的なPXRDパターンが得られた(
図1中のCu−SSZ13−1を参照)。得られた固形物の化学分析は、Si/Al比及びCu/(Si+Al)比がそれぞれ13.9及び0.03であることを示している。興味深いことに、Cu−錯体分子は、製造されたSSZ−13結晶内で依然として無傷のままであり(
図2中のCu−SSZ13−1を参照)、SEM画像は、平均結晶寸法が4〜7μmであることを明らかにしている(
図3中のCu−SSZ13−1を参照)。
【0041】
結晶化工程の間に微孔質物質の内部を妨げる有機部分を除去するために、Cuを含有するSSZ−13を空気中で550℃でか焼した。
【0042】
実施例3:OH媒体中における“Cu−SSZ13−2”の直接合成
325mgの硫酸銅(II)(98重量%、Alfa)の20重量%水溶液を、74mgのテトラエチレンペンタミン(TEPA、99重量%、Aldrich)と一緒に混合し、そして、撹拌しながら2時間維持した。その後、535mgの水酸化N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウム水溶液(TMaDA、16重量%)、及び161mgの水酸化ナトリウム水溶液(20重量%)を加え、撹拌しながら15分間維持した。その後、21mgの水酸化アルミニウム(66重量%、Sigma−Aldrich)及び614mgのコロイダルシリカ(Ludox AS40、40重量%、Aldrich)を、その合成混合物に導入し、そして所望のゲル濃度になるまで溶媒の蒸発に必要な時間撹拌しながら維持した。最終的なゲル組成は、SiO
2:0.033 Al
2O
3:0.10 Cu(TEPA)
2+:0.10 TMaDA:0.20 NaOH:19.1 H
2Oであった。
【0043】
そのゲルを、Teflonライナーを具えたオートクレーブ中に移し、そして静的条件下で14日間150℃の温度に加熱した。熱水による結晶化後の試料をろ過し、そして十分な蒸留水で洗浄し、そして100℃で最終的に乾燥させた。
【0044】
粉末X線回折(PXRD)により固形物を特徴付け、SSZ−13物質の特徴的なPXRDパターンが得られた(
図1中のCu−SSZ13−2を参照)。得られた固形物の化学分析は、Si/Al比及びCu/(Si+Al)比がそれぞれ14.2及び0.06であることを示している。興味深いことに、Cu−錯体分子は、製造されたSSZ−23結晶内で依然として無傷のままであり(
図2中のCu−SSZ13−1を参照)、SEM画像は、平均結晶寸法が4〜7μmであることを明らかにしている(
図3中のCu−SSZ13−2を参照)。
【0045】
結晶化工程の間に微孔質物質の内部を妨げる有機部分を除去するために、Cuを含有するSSZ−13を空気中で550℃でか焼した。
【0046】
実施例4:OH媒体中における“Cu−SSZ13−3”の直接合成
143mgの硫酸銅(II)(98重量%、Alfa)の20重量%水溶液を、33mgのテトラエチレンペンタミン(TEPA、99重量%、Aldrich)と一緒に混合し、そして、撹拌下に2時間維持した。その後、951mgの水酸化N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウムの水溶液(TMaDA、16重量%)及び143mgの水酸化ナトリウムの水溶液(20重量%)を加え、そして、撹拌しながら15分間維持した。その後、18mgの水酸化アルミニウム(66重量%、Sigma−Aldrich)及び511mgのコロイダルシリカ(Ludox AS40、40重量%、Aldrich)をこの合成混合物に導入し、所望のゲル濃度になるまで溶媒の蒸発に必要な時間撹拌しながら維持した。最終的なゲル組成は、SiO
2:0.034 Al
2O
3:0.051 Cu(TEPA)
2+:0.22 TMaDA:0.21 NaOH:20.7 H
2Oであった。
【0047】
そのゲルを、Teflonライナーを具えたオートクレーブ中に移し、そして静的条件下で14日間150℃の温度に加熱した。熱水による結晶化後の試料をろ過し、そして十分な蒸留水で洗浄し、そして100℃で最終的に乾燥させた。
【0048】
粉末X線回折(PXRD)により固形物を特徴付け、SSZ−13物質の特徴的なPXRDパターンが得られた(
図1中のCu−SSZ13−3を参照)。得られた固形物の化学分析は、Si/Al比及びCu/(Si+Al)比がそれぞれ10.6及び0.06であることを示している。
【0049】
結晶化工程の間に微孔質物質の内部を妨げる有機部分を除去するために、Cuを含有するSSZ−13を空気中で550℃でか焼した。
【0050】
実施例5:OH媒体中における“Cu−SSZ13−4”の直接合成
278mgの硫酸銅(II)(98重量%、Alfa)の20重量%水溶液を、64mgのテトラエチレンペンタミン(TEPA、99重量%、Aldrich)と一緒に混合し、そして、撹拌下に2時間維持した。その後、941mgの水酸化N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウム(TMaDA、16重量%)の水溶液、及び141mgの水酸化ナトリウムの水溶液(20重量%)を加え、そして、撹拌しながら15分間維持した。その後、17mgの水酸化アルミニウム(66重量%、Sigma−Aldrich)及び531mgのコロイダルシリカ(Ludox AS40、40重量%、Aldrich)を、この合成混合物に導入し、所望のゲル濃度になるまで溶媒の蒸発に必要な時間撹拌しながら維持した。最終的なゲル組成は、SiO
2:0.032 Al
2O
3:0.095 Cu(TEPA)
2+:0.21 TMaDA:0.20 NaOH:21.7 H
2Oであった。
【0051】
そのゲルを、Teflonライナーを具えたオートクレーブ中に移し、そして静的条件下で14日間150℃の温度に加熱した。熱水による結晶化後の試料をろ過し、そして十分な蒸留水で洗浄し、そして100℃で最終的に乾燥させた。
【0052】
粉末X線回折(PXRD)により固形物を特徴付け、SSZ−13物質の特徴的なPXRDパターンが得られた(
図1中のCu−SSZ13−4を参照)。得られた固形物の化学分析は、Si/Al比及びCu/(Si+Al)比がそれぞれ11.2及び0.08であることを示している。興味深いことに、Cu−錯体分子は、製造されたSSZ−13結晶内で依然として無傷のままであり(
図2中のCu−SSZ13−4を参照)、SEM画像は、平均結晶寸法が4〜7μmであることを明らかにしている(
図3中のCu−SSZ13−4を参照)。
【0053】
結晶化工程の間に微孔質物質の内部を妨げる有機部分を除去するために、Cuを含有するSSZ−13を空気中で550℃でか焼した。
【0054】
実施例6:OH媒体中における“Cu−SSZ13−5”の直接合成
60mgの、硫酸銅(II)(98重量%、Alfa)の20重量%水溶液を、76mgの1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(cyclam、99重量%、Aldrich)と一緒に混合し、そして、撹拌下に2時間維持した。その後、442mgの水酸化N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウム(TMaDA、14.4重量%)の水溶液、及び58mgの水酸化ナトリウムの水溶液(20重量%)を加え、そして、撹拌しながら15分間維持した。その後、8.2mgの水酸化アルミニウム(66重量%、Sigma−Aldrich)及び226mgのコロイダルシリカ(Ludox AS40、40重量%、Aldrich)を、この合成混合物に導入し、所望のゲル濃度になるまで溶媒の蒸発に必要な時間撹拌しながら維持した。最終的なゲル組成は、SiO
2:0.035 Al
2O
3:0.05 Cu(cyclam)
2+:0.20 TMaDA:0.20 NaOH:20.4 H
2Oであった。
【0055】
そのゲルを、Teflonライナーを具えたオートクレーブ中に移し、そして静的条件下で12日間150℃の温度に加熱した。熱水による結晶化後の試料をろ過し、そして十分な蒸留水で洗浄し、そして100℃で最終的に乾燥させた。
【0056】
粉末X線回折(PXRD)により固形物を特徴付け、SSZ−13物質の特徴的なPXRDパターンが得られた(
図4中のCu−SSZ13−5を参照)。
【0057】
結晶化工程の間に微孔質物質の内部を妨げる有機部分を除去するために、Cuを含有するSSZ−13を空気中で550℃でか焼した。
【0058】
実施例7:OH媒体中における“Cu−SSZ13−6”の直接合成
60mgの硫酸銅(II)(98重量%、Alfa)の20重量%水溶液を、11mgのトリエチレンテトラミン(TETA、99重量%、Aldrich)と一緒に混合し、そして、撹拌下に2時間維持した。その後、246mgの水酸化N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウム(TMaDA、14.4重量%)の水溶液、及び60.8mgの水酸化ナトリウムの水溶液(20重量%)を加え、そして、撹拌しながら15分間維持した。その後、8.6mgの水酸化アルミニウム(66重量%、Sigma−Aldrich)及び285.2mgのコロイダルシリカ(Ludox AS40、40重量%、Aldrich)を、この合成混合物に導入し、所望のゲル濃度になるまで溶媒の蒸発に必要な時間撹拌しながら維持した。最終的なゲル組成は、SiO
2:0.03 Al
2O
3:0.04 Cu(TEPA)
2+:0.1 TMaDA:0.2 NaOH:15 H
2Oであった。
【0059】
そのゲルを、Teflonライナーを具えたオートクレーブ中に移し、そして静的条件下で12日間150℃の温度に加熱した。熱水による結晶化後の試料をろ過し、そして十分な蒸留水で洗浄し、そして100℃で最終的に乾燥させた。
【0060】
粉末X線回折(PXRD)により固形物を特徴付け、SSZ−13物質の特徴的なPXRDパターンが得られた(
図1中のCu−SSZ13−6を参照)。
【0061】
結晶化工程の間に微孔質物質の内部を妨げる有機部分を除去するために、Cuを含有するSSZ−13を空気中で550℃でか焼した。
【0062】
実施例8:F媒体中における“Cu−SSZ13−7”の直接合成
198mgの硫酸銅(II)(98重量%、Alfa)の20重量%水溶液を、47mgのテトラエチレンペンタミン(TEPA、99重量%、Aldrich)と一緒に混合し、そして、撹拌下に2時間維持した。その後、1335mgの水酸化N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウム(TMaDA、16重量%)の水溶液を加え、そして、撹拌しながら15分間維持した。その後、16mgの水酸化アルミニウム(66重量%、Sigma−Aldrich)及び740mgのコロイダルシリカ(Ludox AS40、40重量%、Aldrich)をこの合成混合物に導入して撹拌下で維持した。次いで、377mgのフッ化アンモニウムの水溶液(10重量%、Aldrich)をそのゲルに導入し、所望のゲル濃度になるまで溶媒の蒸発に必要な時間撹拌しながら維持した。最終的なゲル組成は、SiO
2:0.02 Al
2O
3:0.05 Cu(TEPA)
2+:0.20 TMaDA:0.20 F:3.0 H
2Oであった。
【0063】
そのゲルを、Teflonライナーを具えたオートクレーブ中に移し、そして静的条件下で14日間150℃の温度に加熱した。熱水による結晶化後の試料をろ過し、そして十分な蒸留水で洗浄し、そして100℃で最終的に乾燥させた。
【0064】
粉末X線回折(PXRD)により固形物を特徴付け、SSZ−13物質の特徴的なPXRDパターンが得られた(
図4中のCu−SSZ13−7を参照)。得られた固形物の化学分析は、Si/Al比及びCu/(Si+Al)比がそれぞれ23.7及び0.01であることを示している(
図1を参照)。
【0065】
結晶化工程の間に微孔質物質の内部を妨げる有機部分を除去するために、Cuを含有するSSZ−13を空気中で550℃でか焼した。
【0066】
実施例9:F媒体中における“Cu−SSZ13−8”の直接合成
128mgの硫酸銅(II)(98重量%、Alfa)の20重量%水溶液を、30mgのテトラエチレンペンタミン(TEPA、99重量%、Aldrich)と一緒に混合し、そして、撹拌下に2時間維持した。その後、1682mgの水酸化N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウム(TMaDA、16重量%)の水溶液を加え、そして、撹拌しながら15分間維持した。その後、17mgの水酸化アルミニウム(66重量%、Sigma−Aldrich)及び476mgのコロイダルシリカ(Ludox AS40、40重量%、Aldrich)をこの合成混合物に導入して撹拌下で維持した。次いで、473mgのフッ化アンモニウムの水溶液(10重量%、Aldrich)をそのゲルに導入し、所望のゲル濃度になるまで溶媒の蒸発に必要な時間撹拌しながら維持した。最終的なゲル組成は、SiO
2:0.034 Al
2O
3:0.05 Cu(TEPA)
2+:0.40 TMaDA:0.40 F:3.7 H
2Oであった。
【0067】
そのゲルを、Teflonライナーを具えたオートクレーブ中に移し、そして静的条件下で14日間150℃の温度に加熱した。熱水による結晶化後の試料をろ過し、そして十分な蒸留水で洗浄し、そして100℃で最終的に乾燥させた。
【0068】
粉末X線回折(PXRD)により固形物を特徴付け、SSZ−13物質の特徴的なPXRDパターンが得られた(
図1中のCu−SSZ13−8を参照)。得られた固形物の化学分析は、Si/Al比及びCu/(Si+Al)比がそれぞれ13.1及び0.02であることを示している(
図1を参照)。
【0069】
結晶化工程の間に微孔質物質の内部を妨げる有機部分を除去するために、Cuを含有するSSZ−13を空気中で550℃でか焼した。
【0070】
実施例10:本発明によって合成された様々なCu−SSZ13によるNOxのSCRに対する触媒に関する試験
固定床、2.2cmの直径及び53cmの長さの石英管型反応装置における試料のNOxの触媒的還元に関する活性を調査した。典型的な実験において、触媒は、0.25〜0.42mmの粒度で製造した。それを反応装置に導入し、550℃に加熱し(表2中の反応条件を参照)、そして、窒素を流しながら1時間それらの温度で維持した。その後、所望の反応温度を設定し、そして反応供給物を収容した。還元剤としてNH
3を用いてNOxのSCRを調査した。化学発光法検出器(Thermo 62C)を用いて、反応装置から排出されるガス中に存在するNOxを連続的に分析した。触媒の結果を表3に示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】