(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
用語アルキルおよびアルコキシなどの派生用語は、本明細書において使用する場合、直鎖または分岐鎖の基を指す。典型的なアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、1−メチル−エチル、ブチル、1,1−ジメチルエチルおよび1−メチルプロピルである。メチルおよびエチルが、好ましいことが多い。
【0023】
特に具体的に限定しない限り、用語「ハロゲン」および「ハロ」などの派生用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を指す。
【0024】
1〜4つの置換基(ハロゲン、C
1〜C
4アルキル、C
1〜C
4ハロアルキル、C
1〜C
4アルコキシまたはC
1〜C
4ハロアルコキシから独立して選択される)により置換されているフェニル基は、任意の配向であってもよいが、4−置換フェニル、2,4−二置換フェニル、2,3,4−三置換フェニル、2,4,5−三置換フェニル、および2,3,4,6−四置換フェニル異性体が好ましい。
【0025】
アルキル4−アミノ−5−フルオロ−3−クロロ−6−(置換)ピコリネートが、トリフルオロ酢酸、p−メトキシアニリン、プロピオル酸C
1〜C
4アルキルおよび置換メチレンアミンから、一連のステップにより調製される。
【0027】
最初のステップでは、トリアリールホスフィンおよびトリアルキルアミン塩基の存在下、トリフルオロ酢酸をp−メトキシアニリンおよび四塩化炭素と反応させると、2,2,2−トリフルオロ−N−(4−メトキシフェニル)アセトイミドイルクロリドが生成する。トリフルオロ酢酸の各当量に対し、1当量のp−メトキシアニリンが必要であるが、過剰量のアニリン、通常、10〜20%の過剰量を使用するのが好都合であることが多い。類似の過剰量のトリアルキルアミン塩基も好ましい。かなり大過剰量のトリアリールホスフィン(通常2〜4倍の過剰量の範囲)を使用するのが好都合であることが多い。四塩化炭素は、反応剤として働くが、最初の反応にとっての溶媒として使用するのも好都合である。反応は発熱であり、外部冷却、ならびに四塩化炭素中のトリフルオロ酢酸、トリアルキルアミンおよびトリアリールホスフィンの混合物へのp−メトキシアニリンの四塩化炭素溶液の添加を制御することにより、発熱を制御するのが都合がよい。初期の発熱がおさまった後、この反応混合物を一般に、変換が完了するまで加熱還流する。
【0028】
典型的な反応では、四塩化炭素中、約3当量のトリフェニルホスフィンおよびトリフルオロ酢酸の混合物を氷浴中、約0℃まで冷却し、20%過剰量のトリエチルアミンを加える。冷却を継続しながら、四塩化炭素中、約20%過剰量のp−メトキシアニリンをゆっくり加える。添加終了後、この混合物を約70℃で数時間加熱する。冷却後、反応混合物をヘキサンにより抽出し、溶媒を蒸発させると、粗製2,2,2−トリフルオロ−N−(4−メトキシフェニル)アセトイミドイルクロリドが得られる。
【0029】
第二のステップでは、極性非プロトン性溶媒中、ヨウ化銅(I)、アルカリ金属ヨウ化物およびアルカリ金属リン酸塩の存在下、2,2,2−トリフルオロ−N−(4−メトキシフェニル)アセトイミドイルクロリドをプロピオル酸C
1〜C
4アルキルとカップリングさせると、C
1〜C
4アルキル5,5,5−トリフルオロ−4−((4−メトキシフェニル)イミノ)ペンタ−2−イノエートが生成する。塩化アセトイミドイルの各当量に対し、1当量のプロピオル酸C
1〜C
4アルキルが必要であるが、過剰量のプロピオル酸、通常、10〜20%の過剰量を使用するのが好都合なことが多い。同様に、10〜20モル%過剰量のアルカリ金属ヨウ化物およびアルカリ金属リン酸塩が一般に好ましい。反応は、ヨウ化銅(I)に触媒的であるが、通常、約0.1〜約0.3当量が使用される。このカップリング反応は、極性非プロトン性溶媒中、約40℃〜約100℃の温度で行われる。好ましい極性非プロトン性溶媒には、テトラヒドロフランのようなエーテル、酢酸エチルのようなエステル、アセトニトリルのようなニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN−メチルピロリジノンのようなアミド、ジメチルスルホキシドのようなスルホキシドが含まれる。無水溶媒が好ましく、無水アセトニトリルがとりわけ好ましい。
【0030】
典型的な反応では、無水アセトニトリル中、2,2,2−トリフルオロ−N−(4−メトキシフェニル)アセトイミドイルクロリドおよびわずかに過剰量のプロピオル酸メチルを、約0.3当量のヨウ化銅(I)およびわずかに過剰量のリン酸カリウムおよびヨウ化カリウムと混合する。この混合物を、窒素雰囲気下、反応が完了するまで、約60℃に加熱する。冷却後、この混合物に、ハロゲン化炭化水素のような抽出溶媒を水と一緒に加える。有機層を回収し、ブラインにより洗浄して乾燥する。溶媒を蒸発させると、粗製メチル5,5,5−トリフルオロ−4−((4−メトキシフェニル)イミノ)ペンタ−2−イノエートが得られる。
【0031】
環化反応では、極性非プロトン性溶媒中、無機アルカリ金属塩基の存在下、5,5,5−トリフルオロ−4−((4−メトキシフェニル)イミノ)ペンタ−2−イノエートを、アルキル、シクロプロピル、アルケニルまたは(置換)フェニル基により置換されているメチレンアミンと反応させると、アルキル4−(4−メトキシフェニルアミノ)−5−フルオロ−6−(置換)ピコリネートが生成する。5,5,5−トリフルオロ−4−((4−メトキシフェニル)イミノ)ペンタ−2−イノエートの各当量に対し、1当量の置換メチレンアミンが必要であるが、過剰量のメチレンアミン、通常2〜4倍の過剰量を使用するのが好都合なことが多い。適切な無機アルカリ金属塩基には、水酸化物、炭酸およびリン酸のリチウム、ナトリウム、カリウムおよびセシウム塩が含まれる。炭酸セシウムが特に好ましい。一般に、2〜4倍過剰量の無機アルカリ金属塩基を使用するのが好都合である。好ましい極性非プロトン性溶媒には、テトラヒドロフランのようなエーテル、酢酸エチルのようなエステル、アセトニトリルのようなニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN−メチルピロリジノンのようなアミド、ジメチルスルホキシドのようなスルホキシドが含まれる。無水溶媒が好ましく、無水テトラヒドロフランおよびジメチルスルホキシドがとりわけ好ましい。この反応は、通常、およそ周囲温度から約100℃の温度で行われる。
【0032】
典型的な反応では、無水テトラヒドロフラン中で、メチル5,5,5−トリフルオロ−4−((4−メトキシフェニル)イミノ)ペンタ−2−イノエートを、約2.5〜3倍過剰量の4−クロロベンジルアミンおよび約2.5〜3倍過剰量の炭酸セシウムと混合する。この混合物を、反応が完了するまで、約80℃に加熱する。冷却後、この混合物に、ハロゲン化炭化水素のような抽出溶媒を水と一緒に加える。有機層を回収し、ブラインにより洗浄して乾燥する。溶媒を蒸発させると、粗製メチル4−(4−メトキシフェニルアミノ)−5−フルオロ−6−(4−クロロフェニル)ピコリネートが得られる。
【0033】
最後のステップには、塩素化と、4−メトキシフェニル置換基の脱離によるアミノ基の脱保護の両方が含まれる。極性溶媒中、無機酸の存在下、およそ周囲温度から約100℃の温度で、アルキル4−(4−メトキシフェニルアミノ)−5−フルオロ−6−(置換)ピコリネートを、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオンと反応させると、アルキル4−アミノ−5−フルオロ−3−クロロ−6−(置換)ピコリネートが生成する。各当量のアルキル4−(4−メトキシフェニルアミノ)−5−フルオロ−6−(4−クロロフェニル)ピコリネートに対し、1当量の1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオンが必要であるが、過剰量の1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン、通常2〜4倍の過剰量を使用するのが好都合なことが多い。適切な無機酸には、硫酸およびリン酸が含まれ、硫酸が好ましい。無機酸は、水溶液として通常使用される。およそ1当量の無機酸が必要であるが、10〜30%過剰量が好ましい。脱保護/加水分解は、水を含むアセトニトリルなどの極性溶媒の混合物中で行うのが好都合である。
【0034】
塩素化/脱保護反応が、無機酸の非存在下で行われる場合、ピリジン環の3位が塩素化されていないアルキル4−((4−オキソシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イリデン)アミノ)−5−フルオロ−6−(置換)−ピコリネート(式G)が得られる。
【0035】
【化15】
続いて、アルキル4−((4−オキソシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イリデン)アミノ)−5−フルオロ−6−(置換)ピコリネートは、無機酸と反応させてアミノ基を脱保護してアルキル4−アミノ−5−フルオロ−6−(置換)ピコリネート(式H)を生成することができる。
【0037】
塩素化と脱保護の両方を行う典型的な反応では、メチル4−(4−メトキシフェニルアミノ)−5−フルオロ−6−(4−クロロフェニル)ピコリネートを、アセトニトリル/水の混合物中、1M(モル濃度)硫酸溶液の存在下で、約2当量の1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオンと反応させる。この混合物を、反応が完了するまで、加熱して還流する。この混合物を塩化メチレンに加え、有機層を分離してブラインにより洗浄し、乾燥する。溶媒を蒸発させると、粗製メチル4−アミノ−5−フルオロ−3−クロロ−6−(4−クロロフェニル)ピコリネートが得られる。
【0038】
これらの方法のいずれかにより得られる生成物は、蒸発または抽出などの従来手段によって回収することができ、蒸留、結晶化またはクロマトグラフィーによるものなどの標準的手順によって精製することができる。
【0039】
記載されている実施形態および以下の実施例は、例示を目的とするものであり、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書に記載されている組成に関する他の修正、使用または組合せは、特許請求されている主題の主旨および範囲から逸脱することなく、当業者に明らかになろう。
[実施例]
【実施例1】
【0040】
2,2,2−トリフルオロ−N−(4−メトキシフェニル)アセトイミドイルクロリド
【化17】
【0041】
トリフェニルホスフィン(34.6グラム(g)、132.0ミリモル(mmol))、2,2,2−トリフルオロ酢酸(3.37ミリリットル(mL)、44mmol)、トリエチルアミン(7.38mL、53.0mmol)および四塩化炭素(21.3mL、220.0mmol)の混合物を、氷浴により冷却しながら、磁気撹拌した。10分間(min)後、p−メトキシアニリン(6.53g、53.0mmol)を四塩化炭素(21mL、220.0mmol)に溶解して、ゆっくりと加えた(発熱)。氷浴を取り除き、この反応混合物を4時間(h)還流して撹拌した。室温まで冷却し、この反応混合物をヘキサン(3x100mL)により洗浄した。回転式蒸発器を用いて溶媒を除去すると、9.8gのオレンジ色油状物が得られた。蒸留により、2,2,2−トリフルオロ−N−(4−メトキシフェニル)アセトイミドイルクロリド(9.31g、39.2mmol、89%収率)が淡黄色液体として得られた。bp75〜77℃/0.3mmHg;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.31 (m, 2H), 6.96 (m, 2H), 3.84 (s, 3H);
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 159.56 (s), 135.45 (s), 127.98 (q), 124.35 (s), 117.05 (q), 114.25 (s), 55.50 (s)。
【実施例2】
【0042】
メチル5,5,5−トリフルオロ−4−((4−メトキシフェニル)イミノ)ペンタ−2−イノエート
【0043】
【化18】
【0044】
2,2,2−トリフルオロ−N−(4−メトキシフェニル)−アセトイミドイルクロリド(2.376g、10.00mmol)およびプロピオル酸メチル(1.009g、12.00mmol)の磁気撹拌した無水アセトニトリル(CH
3CN;20mL)溶液に、ヨウ化銅(I)(0.571g、3.00mmol)、リン酸カリウム(2.55g、12.0mmol)およびヨウ化カリウム(1.660g、10.00mmol)のすりつぶした混合物を加えた。窒素下、60℃で4時間加熱後、この反応混合物をジクロロメタン(CH
2Cl
2;100mL)および水(H
2O;50mL)に加えた。有機層を飽和塩化ナトリウム(NaCl)溶液により洗浄して乾燥(硫酸マグネシウム(MgSO
4))し、溶媒を除去すると3.4gの焦茶色油状物が残留した。この物質を5%酢酸エチル(EtOAc)/ヘキサンにより溶出したシリカゲルのプラグに通すと、メチル5,5,5−トリフルオロ−4−((4−メトキシフェニル)イミノ)ペンタ−2−イノエート(2.11g、7.40mmol、74.0%収率)がオレンジ色油状物として得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.54 (m, 2H), 6.97 (m, 2H), 3.86 (s, 3H), 3.85 (s, 3H);
13C NMR (101 MHz, CDCl
3) δ 161.11 (s), 152.43 (s), 138.87 (s), 131.88 (q), 125.46 (s), 118.70 (q), 114.33 (s), 86.82 (s), 73.95 (s), 55.59 (s), 53.50 (s);HRMS−ESI(m/z)[M+H]
+、C
17H
11ClF
3NO、計算値285.0613;測定値285.0611。
【実施例3】
【0045】
メチル6−(4−クロロフェニル)−5−フルオロ−4−((4−メトキシフェニル)アミノ)ピコリネート
【0046】
【化19】
【0047】
メチル5,5,5−トリフルオロ−4−(4−メトキシフェニル−イミノ)ペンタ−2−イノエート(0.570g、2.0mmol)、p−クロロベンジルアミン(0.850g、6.00mmol)および炭酸セシウム(1.629g、5.00mmol)の磁気撹拌した無水テトラヒドロフラン(terahydrofuran)(THF;10mL)溶液を、Discover CEMマイクロ波中、4時間、80℃に加熱した。反応混合物を室温まで冷却すると、CH
2Cl
2(50mL)およびH
2O(50mL)に加えた。有機層を飽和NaCl溶液により洗浄して、乾燥(MgSO
4)し、溶媒を除去すると、1.3gの暗オレンジ色/茶色油状物が残留した。20%EtOAc/ヘキサンにより溶出したシリカ上の分取薄層クロマトグラフィー(TLC)によって、メチル6−(4−クロロフェニル)−5−フルオロ−4−((4−メトキシフェニル)アミノ)ピコリネート(0.31g、0.801mmol、40.1%収率)がオレンジ色/黄色固体として得られた。エーテルにより粉末化すると、白色固体(0.145g)が得られた。mp162〜164℃;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.91 (dd, J = 8.5, 1.5 Hz, 2H), 7.61 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 7.52 - 7.39 (m, 2H), 7.25 - 7.13 (m, 2H), 7.07 - 6.91 (m, 2H), 6.30 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.85 (s, 3H);
19F NMR (376 MHz, CDCl
3) δ -133.26;HRMS−ESI(m/z)[M+H]
+、C
20H
16ClFN
2O
3、計算値386.0833;測定値386.0834。
【実施例4】
【0048】
メチル4−アミノ−3−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−5−フルオロピコリネート
【0049】
【化20】
【0050】
1:1 CH
3CN/H
2O(5mL)中のメチル6−(4−クロロフェニル)−5−フルオロ−4−((4−メトキシフェニル)アミノ)−ピコリネート(0.146g、0.377mmol)と1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン(0.149g、0.755mmol)との混合物に、1M硫酸(H
2SO
4、0.4mL)を加えた。1時間加熱して還流した後、液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)により分析すると、反応が完了していることが示された。この反応混合物をCH
2Cl
2(20mL)に加えた。有機層を飽和NaCl溶液により洗浄して乾燥(MgSO
4)し、溶媒を除去すると0.242gのオレンジ色油状物が残留した。20%EtOAc/ヘキサンにより溶出したシリカゲル上の分取TLCによって、メチル4−アミノ−3−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−5−フルオロピコリネート(47mg、0.142mmol、38%収率)が黄色油状物として得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.87 (m, 2H), 7.43 (m, 2H), 4.94 (br s, 2H), 3.99 (s, 3H);
19F NMR (376 MHz, CDCl
3) δ -140.86;ESIMS m/z315.607([M])。
【実施例5】
【0051】
メチル6−(4−クロロフェニル)−5−フルオロ−4−((4−オキソシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イリデン)アミノ)−ピコリネート
【0052】
【化21】
【0053】
1:1 CH
3CN/H
2O(5mL)中のメチル6−(4−クロロフェニル)−5−フルオロ−4−((4−メトキシフェニル)アミノ)−ピコリネート(0.155g、0.400mmol)と1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン(0.158g、0.800mmol)との混合物を室温で撹拌した。30分後、固体状のエステルの懸濁液が溶解して、黄色/オレンジ色溶液が得られ、次に、オレンジ色の固体が形成し始めた。室温で2時間撹拌した後、この反応溶液をデカンテーションし、オレンジ色固体を1:1 CH
3CN/H
2O(10mL)により洗浄した。この固体をCH
2Cl
2に溶解して乾燥(MgSO
4)し、溶媒を除去するとメチル6−(4−クロロフェニル)−5−フルオロ−4−((4−オキソシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イリデン)アミノ)ピコリネート(0.13g、0.316mmol、79%収率)がオレンジ色固体として得られた。mp154〜156℃;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.97 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.65 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.36 (dd, J = 10.1, 2.6 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 6.77 (dd, J = 10.1, 2.1 Hz, 1H), 6.61 (dd, J = 10.2, 2.1 Hz, 1H), 4.02 (s, 3H);
19F NMR (376 MHz, CDCl
3) δ -145.68。
【実施例6】
【0054】
メチル4−アミノ−6−(4−クロロフェニル)−5−フルオロピコリネート
【0055】
【化22】
【0056】
CH
3CN/H
2O(2mL)の1:1混合物中のメチル6−(4−クロロフェニル)−5−フルオロ−4−((4−オキソシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イリデン)アミノ)ピコリネート(0.074g、0.20mmol)と0.1M H
2SO
4(0.2mL)との混合物を1時間、80℃に加熱した。この反応混合物を室温で2時間撹拌した後、CH
2Cl
2(10mL)に加えた。有機層を飽和NaCl溶液により洗浄して乾燥(MgSO
4)し、溶媒を除去した。20%EtOAc/ヘキサンにより溶出したシリカゲル上の分取TLCによって、メチル4−アミノ−6−(4−クロロフェニル)−5−フルオロピコリネート(0.050g、0.169mmol、85%収率)が淡黄色固体として得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.83 (m, 2H), 7.45 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 7.37 (m, 2H), 4.40 (br s, 2H), 3.90 (s, 3H)。ESIMS m/z279.77([M−H]
−);
19F NMR (376 MHz, CDCl
3) δ -145.11。
【実施例7】
【0057】
メチル4−アミノ−3−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−5−フルオロピコリネート
【0058】
【化23】
【0059】
CH
3CN(5mL)中のメチル6−(4−クロロフェニル)−5−フルオロ−4−((4−メトキシフェニル)アミノ)−ピコリネート(112mg、0.4mmol)と1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン(47.3mg、0.240mmol)との磁気撹拌した混合物を、1時間加熱して還流した。反応混合物を室温まで冷却すると、EtOAc/H
2O(25mL)に加えた。有機層を飽和NaCl(25mL)溶液により洗浄して乾燥(MgSO
4)し、溶媒を除去すると0.21gの淡色油状物が得られた。40%EtOAc/ヘキサンにより溶出したシリカゲル上の分取TLCによって、メチル4−アミノ−3−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−5−フルオロピコリネート(94mg、0.292mmol、73.1%収率)がオフホワイトの固体として得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.88 (m, 2H), 7.44 (m, 2H), 4.92 (br s, 2H), 3.99 (s, 3H);
19F NMR (376 MHz, CDCl
3) δ -140.86;ESIMS m/z315([M+H]
+)。