特許第6239010号(P6239010)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6239010曲面の輪郭にアセンブリシステムを一致させる方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6239010
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】曲面の輪郭にアセンブリシステムを一致させる方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B23Q 9/00 20060101AFI20171120BHJP
   B64F 5/10 20170101ALI20171120BHJP
   B23B 45/14 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   B23Q9/00 B
   B64F5/10
   B23B45/14
【請求項の数】13
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2015-559244(P2015-559244)
(86)(22)【出願日】2014年1月24日
(65)【公表番号】特表2016-515947(P2016-515947A)
(43)【公表日】2016年6月2日
(86)【国際出願番号】US2014012874
(87)【国際公開番号】WO2014130203
(87)【国際公開日】20140828
【審査請求日】2016年7月20日
(31)【優先権主張番号】13/775,870
(32)【優先日】2013年2月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100161274
【弁理士】
【氏名又は名称】土居 史明
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(72)【発明者】
【氏名】ガンボア、ジェームス ディー.
【審査官】 村上 哲
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04527783(US,A)
【文献】 特開2003−039297(JP,A)
【文献】 米国特許第07048618(US,B1)
【文献】 特表2010−516486(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/012034(WO,A2)
【文献】 特開2001−328052(JP,A)
【文献】 米国特許第1707207(US,A)
【文献】 特表2006−502867(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 9/00
B23B 45/14
B64F 5/10
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
輪郭面に対し、処理システム(202)と関連して用いる装置(200)であって、
第1部分及び第2部分を有する長状可撓性コンポーネント(272)と、
第1位置と第2位置との間を移動可能であり、第1部分及び第2部分を有する可動コンポーネント(250)と、
第1部分及び第2部分を有する第1ブラケット(256)であって、前記第1ブラケットの前記第2部分は、前記第1ブラケット(256)の前記第1部分から離間しており、前記可動コンポーネント(250)の前記第1部分は、前記第1ブラケット(256)の前記第1部分に接続しており、前記長状可撓性コンポーネント(272)の前記第1部分は、前記第1ブラケット(256)の前記第2部分に略固定接続され、前記第1ブラケット(256)と共に移動可能であり且つ当該第1ブラケットに対して撓み変形可能である、第1ブラケットと、
第1部分及び第2部分を有する第2ブラケット(258)であって、前記第2ブラケットの前記第2部分は、前記第2ブラケット(258)の前記第1部分から離間しており、前記可動コンポーネント(250)の前記第2部分は、前記第2ブラケット(258)の前記第1部分に接続しており、前記長状可撓性コンポーネント(272)の前記第2部分は、前記第2ブラケット(258)の前記第2部分に略固定接続され、前記第2ブラケット(258)と共に移動可能であり且つ当該第2ブラケットに対して撓み変形可能であり、前記可動コンポーネント(250)が前記第1位置と前記第2位置との間を移動する際、前記可動コンポーネント(250)は、前記第1ブラケット(256)と前記第2ブラケット(258)との間の相対運動を誘引するように構成されており、前記長状可撓性コンポーネント(272)は、前記第1ブラケット(256)と前記第2ブラケット(258)との間の相対運動が行われると、撓んで曲線を描くように構成されている、第2ブラケットと、
前記第1位置と前記第2位置との間で前記可動コンポーネント(250)を選択的に動かすアクチュエータ(260、262c)を更に含み、
前記可動コンポーネント(250)の前記第1部分及び前記第2部分の両方に螺合接続されたターンバックル(260、262c)を更に含み、前記ターンバックル(260、262c)は、その選択的な回転の際に、前記可動コンポーネント(250)の前記第1部分及び前記可動コンポーネント(250)の前記第2部分を、同時に、前記ターンバックル(260、262c)に対して、外側に動かすか、或は、前記ターンバックル(260、262c)に対して内側に動かすように構成されており、前記可動コンポーネント(250)の前記第1部分及び前記第2部分は略剛性であり、
前記ターンバックル(260、262c)に駆動可能に接続され、前記ターンバックル(260、262c)を選択的に回転させるモーターを更に含む、装置。
【請求項2】
前記可動コンポーネント(250)が前記第1位置と前記第2位置との間を移動する際、前記第1ブラケット(256)の前記第1部分及び前記第2ブラケット(258)の前記第1部分は互いに遠ざかり、前記第1ブラケット(256)の前記第2部分及び前記第2ブラケット(258)の前記第2部分は互いに近づくように、前記可動コンポーネント(250)、前記第1ブラケット(256)、前記第2ブラケット(258)、及び前記長状可撓性コンポーネント(272)が構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記可動コンポーネント(250)が前記第1位置と前記第2位置との間を移動する際、前記第1ブラケット(256)の前記第1部分及び前記第2ブラケット(258)の前記第1部分は互いに近づき、前記第1ブラケット(256)の前記第2部分及び前記第2ブラケット(258)の前記第2部分は互いに遠ざかるように、前記可動コンポーネント(250)、前記第1ブラケット(256)、前記第2ブラケット(258)、及び前記長状可撓性コンポーネント(272)が構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記可動コンポーネント(250)の前記第1部分は、略剛性であり、
前記可動コンポーネント(250)の前記第2部分は、略剛性であり、
前記可動コンポーネント(250)の前記第1部分及び前記第2部分の両方に螺合接続されたターンバックル(260、262c)を更に含み、前記ターンバックル(260、262c)は、その選択的な回転の際に、前記可動コンポーネント(250)の前記第1部分及び前記可動コンポーネント(250)の前記第2部分を、同時に、前記ターンバックル(260、262c)に対して、外側に動かすか、或は、前記ターンバックル(260、262c)に対して内側に動かすように構成されている、請求項1〜3の何れかに記
載の装置。
【請求項5】
前記可動コンポーネント(250)の前記第1部分及び前記可動コンポーネント(250)の前記第2部分に駆動可能に接続され、前記可動コンポーネント(250)の前記第1部分及び前記可動コンポーネント(250)の前記第2部分を互いに近づけるか、或は、互いから遠ざけるように選択的に動かすように構成されているモーターを更に含む、請求項1〜の何れかに記載の装置。
【請求項6】
前記可動コンポーネント(250)の前記第1部分に駆動可能に接続された第1モーターと、
前記可動コンポーネント(250)の前記第2部分に駆動可能に接続された第2モーターとを更に含み、
前記第1モーター及び前記第2モーターは、前記可動コンポーネント(250)の前記第1部分及び前記可動コンポーネント(250)の前記第2部分を互いに近づけるか、或は、互いから遠ざけるように選択的に動かすように構成されている、請求項1〜の何れかに記載の装置。
【請求項7】
前記可動コンポーネント(250)の前記第1部分は、前記第1ブラケット(256)の前記第1部分を前記第2ブラケット(258)の前記第1部分に近づけるか、或は、遠ざけるように選択的に動かすために接続されているロッドを有する第1流体作動式ピストンシリンダー装置(302)を含み、
前記可動コンポーネント(250)の前記第2部分は、前記第2ブラケット(258)の前記第1部分を前記第1ブラケット(256)の前記第1部分に近づけるか、或は、遠ざけるように選択的に動かすために接続されているロッドを有する第2流体作動式ピストンシリンダー装置(304)を含む、請求項1〜の何れかに記載の装置。
【請求項8】
輪郭面に対し、処理システム(202)と関連して用いる装置(200)であって、
第1部分及び第2部分を有する長状可撓性コンポーネント(272)と、
第1位置と第2位置との間を移動可能であり、第1部分及び第2部分を有する可動コンポーネント(250)と、
第1部分及び第2部分を有する第1ブラケット(256)であって、前記第1ブラケットの前記第2部分は、前記第1ブラケット(256)の前記第1部分から離間しており、前記可動コンポーネント(250)の前記第1部分は、前記第1ブラケット(256)の前記第1部分に接続しており、前記長状可撓性コンポーネント(272)の前記第1部分は、前記第1ブラケット(256)の前記第2部分に略固定接続され、前記第1ブラケット(256)と共に移動可能であり且つ当該第1ブラケットに対して撓み変形可能である、第1ブラケットと、
第1部分及び第2部分を有する第2ブラケット(258)であって、前記第2ブラケットの前記第2部分は、前記第2ブラケット(258)の前記第1部分から離間しており、前記可動コンポーネント(250)の前記第2部分は、前記第2ブラケット(258)の前記第1部分に接続しており、前記長状可撓性コンポーネント(272)の前記第2部分は、前記第2ブラケット(258)の前記第2部分に略固定接続され、前記第2ブラケット(258)と共に移動可能であり且つ当該第2ブラケットに対して撓み変形可能であり、前記可動コンポーネント(250)が前記第1位置と前記第2位置との間を移動する際、前記可動コンポーネント(250)は、前記第1ブラケット(256)と前記第2ブラケット(258)との間の相対運動を誘引するように構成されており、前記長状可撓性コンポーネント(272)は、前記第1ブラケット(256)と前記第2ブラケット(258)との間の相対運動が行われると、撓んで曲線を描くように構成されている、第2ブラケットと、
前記第1位置と前記第2位置との間で前記可動コンポーネント(250)を選択的に動かすアクチュエータ(260、262c)を更に含み、
前記可動コンポーネント(250)の前記第1部分は、前記第1ブラケット(256)の前記第1部分を前記第2ブラケット(258)の前記第1部分に近づけるか、或は、遠ざけるように選択的に動かすために接続されている第1ケーブルを含み、
前記可動コンポーネント(250)の前記第2部分は、前記第2ブラケット(258)の前記第1部分を前記第1ブラケット(256)の前記第1部分に近づけるか、或は、遠ざけるように選択的に動かすために接続されている第2ケーブルを含む、置。
【請求項9】
前記長状可撓性コンポーネント(272)に接続されており、前記長状可撓性コンポーネント(272)を、前記輪郭面に選択的に取り付ける少なくとも1つの吸着カップ(230)を更に含む、請求項1〜の何れかに記載の装置。
【請求項10】
輪郭面に対し、処理システム(202)と関連して用いる装置(200)であって、
第1部分及び第2部分を有する長状可撓性コンポーネント(272)と、
第1位置と第2位置との間を移動可能であり、第1部分及び第2部分を有する可動コンポーネント(250)と、
第1部分及び第2部分を有する第1ブラケット(256)であって、前記第1ブラケットの前記第2部分は、前記第1ブラケット(256)の前記第1部分から離間しており、前記可動コンポーネント(250)の前記第1部分は、前記第1ブラケット(256)の前記第1部分に接続しており、前記長状可撓性コンポーネント(272)の前記第1部分は、前記第1ブラケット(256)の前記第2部分に略固定接続され、前記第1ブラケット(256)と共に移動可能であり且つ当該第1ブラケットに対して撓み変形可能である、第1ブラケットと、
第1部分及び第2部分を有する第2ブラケット(258)であって、前記第2ブラケットの前記第2部分は、前記第2ブラケット(258)の前記第1部分から離間しており、前記可動コンポーネント(250)の前記第2部分は、前記第2ブラケット(258)の前記第1部分に接続しており、前記長状可撓性コンポーネント(272)の前記第2部分は、前記第2ブラケット(258)の前記第2部分に略固定接続され、前記第2ブラケット(258)と共に移動可能であり且つ当該第2ブラケットに対して撓み変形可能であり、前記可動コンポーネント(250)が前記第1位置と前記第2位置との間を移動する際、前記可動コンポーネント(250)は、前記第1ブラケット(256)と前記第2ブラケット(258)との間の相対運動を誘引するように構成されており、前記長状可撓性コンポーネント(272)は、前記第1ブラケット(256)と前記第2ブラケット(258)との間の相対運動が行われると、撓んで曲線を描くように構成されている、第2ブラケットと、
前記第1位置と前記第2位置との間で前記可動コンポーネント(250)を選択的に動かすアクチュエータ(260、262c)を更に含み、
前記長状可撓性コンポーネント(272)に接続されており、前記輪郭面に対する前記長状可撓性コンポーネント(272)の動きを容易にする少なくとも1つの加圧空気ベアリング(230)を更に含む、置。
【請求項11】
輪郭面に対し、処理システム(202)と関連して用いる装置(200)であって、
第1部分及び第2部分を有する長状可撓性コンポーネント(272)と、
第1位置と第2位置との間を移動可能であり、第1部分及び第2部分を有する可動コンポーネント(250)と、
第1部分及び第2部分を有する第1ブラケット(256)であって、前記第1ブラケットの前記第2部分は、前記第1ブラケット(256)の前記第1部分から離間しており、前記可動コンポーネント(250)の前記第1部分は、前記第1ブラケット(256)の前記第1部分に接続しており、前記長状可撓性コンポーネント(272)の前記第1部分は、前記第1ブラケット(256)の前記第2部分に略固定接続され、前記第1ブラケット(256)と共に移動可能であり且つ当該第1ブラケットに対して撓み変形可能である、第1ブラケットと、
第1部分及び第2部分を有する第2ブラケット(258)であって、前記第2ブラケットの前記第2部分は、前記第2ブラケット(258)の前記第1部分から離間しており、前記可動コンポーネント(250)の前記第2部分は、前記第2ブラケット(258)の前記第1部分に接続しており、前記長状可撓性コンポーネント(272)の前記第2部分は、前記第2ブラケット(258)の前記第2部分に略固定接続され、前記第2ブラケット(258)と共に移動可能であり且つ当該第2ブラケットに対して撓み変形可能であり、前記可動コンポーネント(250)が前記第1位置と前記第2位置との間を移動する際、前記可動コンポーネント(250)は、前記第1ブラケット(256)と前記第2ブラケット(258)との間の相対運動を誘引するように構成されており、前記長状可撓性コンポーネント(272)は、前記第1ブラケット(256)と前記第2ブラケット(258)との間の相対運動が行われると、撓んで曲線を描くように構成されている、第2ブラケットと、
前記第1位置と前記第2位置との間で前記可動コンポーネント(250)を選択的に動かすアクチュエータ(260、262c)を更に含み、
前記長状可撓性コンポーネント(272)に接続されており、前記長状可撓性コンポーネント(272)を、前記輪郭面に選択的に取り付ける少なくとも1つの吸着カップ(230)と、
前記長状可撓性コンポーネント(272)に接続されており、前記輪郭面に対する前記長状可撓性コンポーネント(272)の動きを容易にする少なくとも1つの加圧空気ベアリング(230)とを更に含む、置。
【請求項12】
輪郭面に対し、処理システム(202)と関連して用いる装置(200)であって、
第1部分及び第2部分を有する長状可撓性コンポーネント(272)と、
第1位置と第2位置との間を移動可能であり、第1部分及び第2部分を有する可動コンポーネント(250)と、
第1部分及び第2部分を有する第1ブラケット(256)であって、前記第1ブラケットの前記第2部分は、前記第1ブラケット(256)の前記第1部分から離間しており、前記可動コンポーネント(250)の前記第1部分は、前記第1ブラケット(256)の前記第1部分に接続しており、前記長状可撓性コンポーネント(272)の前記第1部分は、前記第1ブラケット(256)の前記第2部分に略固定接続され、前記第1ブラケット(256)と共に移動可能であり且つ当該第1ブラケットに対して撓み変形可能である、第1ブラケットと、
第1部分及び第2部分を有する第2ブラケット(258)であって、前記第2ブラケットの前記第2部分は、前記第2ブラケット(258)の前記第1部分から離間しており、前記可動コンポーネント(250)の前記第2部分は、前記第2ブラケット(258)の前記第1部分に接続しており、前記長状可撓性コンポーネント(272)の前記第2部分は、前記第2ブラケット(258)の前記第2部分に略固定接続され、前記第2ブラケット(258)と共に移動可能であり且つ当該第2ブラケットに対して撓み変形可能であり、前記可動コンポーネント(250)が前記第1位置と前記第2位置との間を移動する際、前記可動コンポーネント(250)は、前記第1ブラケット(256)と前記第2ブラケット(258)との間の相対運動を誘引するように構成されており、前記長状可撓性コンポーネント(272)は、前記第1ブラケット(256)と前記第2ブラケット(258)との間の相対運動が行われると、撓んで曲線を描くように構成されている、第2ブラケットと、
前記第1位置と前記第2位置との間で前記可動コンポーネント(250)を選択的に動かすアクチュエータ(260、262c)を更に含み、
前記長状可撓性コンポーネント(272)に接続された少なくとも1つの支持装置を更に含み、前記少なくとも1つの支持装置は、前記長状可撓性コンポーネント(272)を、前記輪郭面に選択的に取り付ける吸着カップ(230)と、前記輪郭面に対する前記長状可撓性コンポーネント(272)の動きを容易にする加圧空気ベアリング(230)との何れか一方として選択的に動作するように構成されている、置。
【請求項13】
輪郭面を含む構造体を処理するために、請求項1〜12の何れかに記載の装置を含む自動システムを用いる方法であって、
非直線形状に前記長状可撓性コンポーネント(272)を変形して前記輪郭面の形状に一致させることと、
前記非直線形状に変形した前記長状可撓性コンポーネント(272)を、第1位置において着脱自在に前記輪郭面に接続することと、
前記構造体に第1処理動作を行うことと、
前記非直線形状に変形した前記長状可撓性コンポーネント(272)を、前記輪郭面から分離することと、
前記自動システムを前記第1位置から前記輪郭面上の他の位置まで移動する際に、前記長状可撓性コンポーネント(272)の前記非直線形状を自動的に維持することと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、処理システムを表面の輪郭に一致させる方法及び装置に関する。より具体的には、本開示の特定の態様は、航空機の製造中に用いられる自動処理システムを、湾曲した作業面の輪郭に一致させる方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
手動及び/又は自動処理システムは、様々なコンポーネント、組立品、及び/又は、小組立品を製造するために、航空宇宙産業や他の製造部門で用いられる。これらの製造システム又は装置は、製造されるコンポーネントの表面に対して移動するように構成することができる。例えば、航空機の製造においては、手動及び/又は自動処理システムは、フラットな作業面及び湾曲した作業面に対して移動可能であり、機械加工などの処理が行われる領域に正確に位置決め可能に構成することができる。同様に、処理システムは、ある領域、例えば、ドリル、リーマー、及び/又は、タップを用いて穴をあけた後(drilling, reaming, and/or tapping a hole)、当該穴に留め具を取り付けるための領域に位置決めすることができる。
【0003】
上述したように、このような処理システムは、例えば、航空機の胴体、翼、又は、他の非平面部分などの曲面を有するコンポーネントを製造するために用いることができる。従って、いくつかの処理システムを支持するためには、例えば、可撓性の構造体又は軌道(tracks)を用いる。
【0004】
自動処理システムは、1つ又は複数の可撓性軌道(flexible track)に沿って、処理対象のコンポーネントの表面に対して移動するように構成可能ではあるが、これらの軌道の長さには限りがあるため、当該システムの有効動作範囲が制限される。従って、特定の作業領域での処理が完了した後に他の位置において追加の処理を行う必要がある場合には、自動処理システム及びその可撓性軌道を現在の位置から取り外して、その追加処理を行う位置に再配置しなければならない。再配置の作業には多大な時間と労力のかかる手動の再配置及び設置のための操作を必要とする場合があるが、これは、作業面が湾曲している場合には、自動処理システムの再配置の際に当該作業面の輪郭に適合させることが必要及び/又は望ましいためである。より具体的には、作業面に処理システムを再配置及び設定する場合に、可撓性軌道の端部に手動で力を加えることにより、作業面と、構造体を当該作業面に付着させるための(真空カップなどの)結合装置とを接触させる必要性が生じることがある。このように、作業面に沿った様々な位置において、処理システムの手動設置ステップを繰り返し実行すると、時間、労力、及び/又はコストがかかったり、他の問題が生じたりする可能性がある。
【0005】
これに加えて、処理システムに対して、当該処理システムを作業面から離すための位置決めシステムが設けてある場合、可撓性軌道又は他の支持構造体は、剛性不足により、当該処理システムの移動中に問題を起こす場合がある。
【0006】
従来手法の更なる制限及び不利点は、従来のシステムと本開示で説明する内容及び例とを比較すれば、当業者には明らかであろう。
【発明の概要】
【0007】
上述した課題の少なくともいくつかと他の潜在的な課題を解決するシステム、装置、及び方法を提供することが望ましい。更に、湾曲した作業面の輪郭に対して自動で処理システムを一致させることにより、必要な設置時間及び労力を低減する方法及び装置を提供することが効果的である。
【0008】
従って、図面の少なくとも1つに関連して実質的に図解及び/又は説明され、より完全には請求項に記載されるように、湾曲した作業面の輪郭に対して自動で処理システムを一致させるシステム、装置、及び/又は方法が開示される。
【0009】
本開示の例は、概して、製造過程において、湾曲した作業面の輪郭に自動処理システムを一致させるためのシステム、装置、及び方法に関する。
【0010】
1つの例示的な実施形態では、輪郭面に対し、処理システムと関連して用いられ、第1部分及び第2部分を有する長状可撓性コンポーネントを含む装置が開示される。可動コンポーネントは、第1位置と第2位置との間を移動可能であり、第1部分及び第2部分を有する。第1ブラケットは、第1部分と、当該第1部分から離間した第2部分とを有し、前記可動コンポーネントの前記第1部分は、前記第1ブラケットの前記第1部分に接続しており、前記長状可撓性コンポーネントの前記第1部分は、前記第1ブラケットの前記第2部分に略固定接続され、前記第1ブラケットと共に移動可能であり且つ前記第1ブラケットに対して撓み変形可能である。第2ブラケットは、第1部分と、前記第2ブラケットの前記第1部分から離間した第2部分とを有しており、前記可動コンポーネントの前記第2部分は、前記第2ブラケットの前記第1部分に接続しており、前記長状可撓性コンポーネントの前記第2部分は、前記第2ブラケットの前記第2部分に略固定接続され、前記第2ブラケットと共に移動可能であり且つ前記第2ブラケットに対して撓み変形可能であり、前記可動コンポーネントが前記第1位置と前記第2位置との間を移動する際、前記可動コンポーネントは、前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとの間の相対運動を誘引するように構成されており、前記長状可撓性コンポーネントは、前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとの間の相対運動が行われると、撓んで曲線を描くように構成されている。また、前記第1位置と前記第2位置との間で前記可動コンポーネントを選択的に動かすアクチュエータが設けられる。
【0011】
他の例では、前記可動コンポーネントが前記第1位置と前記第2位置との間を移動する際、前記第1ブラケットの前記第1部分及び前記第2ブラケットの前記第1部分は互いに遠ざかり、前記第1ブラケットの前記第2部分及び前記第2ブラケットの前記第2部分は互いに近づくように、前記可動コンポーネント、前記第1ブラケット、前記第2ブラケット、及び前記長状可撓性コンポーネントが構成されている。代替的には、前記第1ブラケットの前記第1部分及び前記第2ブラケットの前記第1部分は互いに近づき、前記第1ブラケットの前記第2部分及び前記第2ブラケットの前記第2部分は互いに遠ざかる。
【0012】
他の例では、前記可動コンポーネントの前記1部分及び前記第2部分は、概して剛性であり、ターンバックルは、前記可動コンポーネントの前記第1部分及び前記第2部分の両方に螺入接続されており、前記ターンバックルは、その選択的な回転の際に、前記第1部分及び前記第2部分を、同時に、前記ターンバックルに対して、外側に動かすか、或は、前記ターンバックルに対して内側に動かすように構成されており、前記可動コンポーネントの前記第1部分及び前記第2部分は概して剛性である。モーターは、前記ターンバックルに駆動可能に接続され、前記ターンバックルを選択的に回転させる。
【0013】
更なる実施形態においては、前記可動コンポーネントの前記第1部分は、前記第1ブラケットの前記第1部分を前記第2ブラケットの前記第1部分に近づけるか、或は、遠ざけるように選択的に動かすために接続されているロッドを有する第1流体作動式ピストンシリンダー装置を含む。また、前記可動コンポーネントの前記第2部分は、前記第2ブラケットの前記第1部分を前記第1ブラケットの前記第1部分に近づけるか、或は、遠ざけるように選択的に動かすために接続されているロッドを有する第2流体作動式ピストンシリンダー装置を含む。
【0014】
更に別の実施形態においては、前記可動コンポーネントの前記第1部分は、前記第1ブラケットの前記第1部分を前記第2ブラケットの前記第1部分に近づけるか、或は遠ざけるように選択的に動かすために接続されている第1ケーブルを含み、前記可動コンポーネントの前記第2部分は、前記第2ブラケットの前記第1部分を前記第1ブラケットの前記第1部分に近づけるか、或は遠ざけるように選択的に動かすために接続されている第2ケーブルを含む。
【0015】
更なる例は、前記長状可撓性コンポーネントに接続されており、前記長状可撓性コンポーネントを、前記輪郭面に選択的に取り付ける少なくとも1つの吸着カップを含むか、前記長状可撓性コンポーネントに接続されており、前記輪郭面に対する前記長状可撓性コンポーネントの動きを容易にする少なくとも1つの加圧空気ベアリングを含むか、或は、少なくとも1つの支持装置が前記長状可撓性コンポーネントに接続されており、前記少なくとも1つの支持装置は、前記長状可撓性コンポーネントを、前記輪郭面に選択的に取り付ける吸着カップ、及び、前記輪郭面に対する前記長状可撓性コンポーネントの動きを容易にする加圧空気ベアリングとして選択的に動作するように構成されている。
【0016】
本開示の更に別の実施形態においては、輪郭面に対して用いられ、第1部分及び第2部分を有する長状可撓性コンポーネントを含む自動処理システムが提供される。可動コンポーネントは、第1位置と第2位置との間を移動可能であり、第1部分及び第2部分を有する。第1ブラケットは、第1部分と、前記第1部分から離間する第2部分とを有し、前記可動コンポーネントの前記第1部分は、前記第1ブラケットの前記第1部分に接続しており、前記長状可撓性コンポーネントの前記第1部分は、前記第1ブラケットの前記第2部分に略固定接続され、前記第1ブラケットと共に移動可能であり且つ前記第1ブラケットに対して撓み変形可能である。第2ブラケットは、第1部分と、前記第2ブラケットの前記第1部分から離間した第2部分とを有しており、前記可動コンポーネントの前記第2部分は、前記第2ブラケットの前記第1部分に接続しており、前記長状可撓性コンポーネントの前記第2部分は、前記第2ブラケットの前記第2部分に略固定接続され、前記第2ブラケットと共に移動可能であり且つ前記第2ブラケットに対して撓み変形可能であり、前記可動コンポーネントが前記第1位置と前記第2位置との間を移動する際、前記可動コンポーネントは、前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとの間の相対運動を誘引するように構成されており、前記長状可撓性コンポーネントは、前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとの間の相対運動が行われると、撓んで曲線を描くように構成されている。前記第1位置と前記第2位置との間で前記可動コンポーネントを選択的に動かすアクチュエータが設けられており、少なくとも1つのエンドエフェクタは、前記長状可撓性コンポーネントに動作可能に接続されている。
【0017】
輪郭を有する構造体を処理するための自動処理システムは、第1端及び第2端を有する少なくとも1つの可撓性レールと、前記可撓性レールに接続された少なくとも1つの吸着カップ/加圧空気組合せ装置とを含む。多機能エンドエフェクタは、前記可撓性レールに関連付けられ、当該可撓性レールに対して相対的に動くことが可能である。前記可撓性レールを、前記構造体の前記輪郭に一致するように変形する手段が設けられる。
【0018】
更に、例示的な実施形態においては、少なくとも1つの長状可撓性レールを含み、輪郭面を有する構造体を処理する自動システムを用いる方法が提供され、当該方法は、非直線形状に前記長状可撓性レールを変形して前記輪郭面の形状に一致させることと、前記非直線形状に変形した前記長状可撓性レールを、第1位置において着脱自在に前記構造体の前記輪郭面に接続することとを含む。前記自動処理システムを用いて、前記構造体に第1処理動作が行われ、前記非直線形状に変形した前記長状可撓性レールが、前記輪郭面から分離される。更に、前記方法は、前記自動システムを前記第1位置から他の位置まで移動する際に、前記長状可撓性レールの前記非直線形状を自動的に維持することを含む。
【0019】
前記開示の他の態様において、処理システムを曲面の輪郭に自動で一致させる方法、システム、及び/又は装置が提供される。
【0020】
本明細書で説明する特徴、機能及び利点は、様々な例示的な実施形態において個々に実現可能であり、また、他の例示的な実施形態との組み合わせも可能である。詳細については、以下の説明と図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
一般的な文言を用いて本開示の例示的な態様を説明してきたが、以下では添付の図面について記載する。これらの図面は、必ずしも縮尺にしたがっていない。
【0022】
図1】航空機製造および保守方法を示すフロー図である。
図2】航空機を示すブロック図である。
図3】処理システムを作業面の輪郭に一致させる例示的なシステムを含む処理システムを示す図である。
図4】処理システムを作業面の輪郭に一致させる例示的なシステムを含む処理システムを示す図である。
図5】処理システムを作業面の輪郭に一致させる例示的なシステムを示す図である。
図6A】作業面の比較的フラットな輪郭に関連して用いられる、処理システムを作業面の輪郭に一致させる例示的なシステムを模式的に示す図である。
図6B】作業面の比較的僅かに湾曲した輪郭に関連して用いられる、図6Aに示す処理システムを一致させる例示的なシステムを模式的に示す図である。
図6C】作業面の比較的緩やかに湾曲した輪郭に関連して用いられる、図6Aに示す処理システムを一致させる例示的なシステムを模式的に示す図である。
図7A】作業面の比較的フラットな輪郭に関連して用いられる、処理システムを作業面の輪郭に一致させる他の例示的なシステムを模式的に示す図である。
図7B】作業面の比較的僅かに湾曲した輪郭に関連して用いられる、図7Aに示す処理システムを一致させる例示的なシステムを模式的に示す図である。
図7C】作業面の比較的緩やかに湾曲した輪郭に関連して用いられる、図7Aに示す処理システムを一致させる例示的なシステムを模式的に示す図である。
図8A】作業面の比較的フラットな輪郭に関連して用いられる、処理システムを作業面の輪郭に一致させる更に他の例示的なシステムを模式的に示す図である。
図8B】作業面の比較的緩やかに湾曲した輪郭に関連して用いられる、図8Aに示す処理システム一致させる例示的なシステムを模式的に示す図である。
図9A】作業面の比較的フラットな輪郭に関連して用いられる、処理システムを作業面の輪郭に一致させる更に他の例示的なシステムを模式的に示す図である。
図9B】作業面の比較的僅かに湾曲した輪郭に関連して用いられる、図9Aに示す処理システムを一致させる例示的なシステムを模式的に示す図である。
図9C】作業面の比較的緩やかに湾曲した輪郭に関連して用いられる、図9Aに示す処理システムを一致させる例示的なシステムを模式的に示す図である。
図10A】作業面の比較的フラットな輪郭に関連して用いられる、処理システムを作業面の輪郭に一致させる更に例示的なシステムを模式的に示す図である。
図10B】作業面の比較的僅かに湾曲した輪郭に関連して用いられる、図10Aに示す処理システムを一致させる例示的なシステムを模式的に示す図である。
図10C】作業面の比較的緩やかに湾曲した輪郭に関連して用いられる、図10Aに示す処理システムを一致させる例示的なシステムを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本開示のいくつかの例について添付の図面を参照しながら詳細な説明を行う。これらの図面には、本開示の全ての例ではなく、そのうちのいくつかの例が示されている。実際には、本開示の様々な態様は、多くの異なる形態で実施可能であり、本明細書に記載されている例に限定して解釈されるべきでない。むしろ、これらの例は、本開示を詳細且つ完全に説明するとともに、本開示範囲を当業者に十分に伝えるために提供されているものである。本明細書全体に亘って、同様の参照符号は、同様の要素を示している。
【0024】
本明細書で用いられる「回路("circuits" and "circuitry")」とは、物理的な電子部品(すなわち、ハードウェア)、及び、ハードウェアを構成したり、ハードウェアにより実行されたり、その他の態様にてハードウェアに関連付けられたりする任意のソフトウェア及び/又はファームウェア(コード)をいう。また、本明細書で用いられる「及び/又は」とは、「及び/又は」で接続される、リスト中の任意の1つ又は複数のアイテムをいう。一例として、「x及び/又はy」とは、3つの要素集合{(x),(y),(x,y)}のうちの任意の要素を意味する。他の例として、「x、y、及び/又は、z」とは、7つの要素集合{(x),(y),(z),(x,y),(x,z),(y,z),(x,y,z)}のうちの任意の要素を意味する。更に、本明細書で用いられる「ブロック」及び「モジュール」とは、1つ又はそれ以上の回路により実行可能な機能体をいう。これに加えて、本明細書では、「例示的な」とは、それが非限定的な例、具体例、又は説明であることを意味する。更に、本明細書では、「例えば("for example" or "e.g.,")」とは、1つ又は複数の非限定的な例、具体例、又は説明を挙げるために用いる。
【0025】
以下に説明するように、本開示の例は、構造体の輪郭面(contoured surface)に形状が一致するように処理システムを構成する方法及び装置を含む。一例としては、他の作業領域へ移動する必要が生じた場合に、容易に再配置可能な自動処理システムがある。少なくとも1つの長状可撓性レールは、例えば、自動処理システムに接続され、ターンバックル及び/又は他のアクチュエータを含む様々な構造体を含んでおり、これらの構造体は、自動処理システムによる処理中に、長状可撓性レールを変形して、その形状を輪郭面(平面又は曲面)に一致させることができる。いくつかの例では、1つ又は複数の長状可撓性レールと、当該長状可撓性レールに接続可能な吸着カップ/加圧空気組合せ装置とが含まれる。吸着カップ/加圧空気組合せ装置は、長状可撓性レールを輪郭面に選択的に取り付けるとともに、このような輪郭面の上方及び周囲での長状可撓性レールの解放、及び/又は、押し上げ・移動を選択的に容易化する。多機能エンドエフェクタは、長状可撓性レールに関連付けられ、当該レールに対して相対的に動くことができる。
【0026】
より具体的に図面を参照すると、本開示の例には、処理システムを、構造上の輪郭に一致させるように構成するための方法及びシステムが含まれる。これについては、図1に示す航空機の製造及び保守方法100、及び、図2に示す航空機102に関連させて説明することができる。生産開始前の工程として、例示的な方法100は、航空機102の仕様及び設計104と、材料調達106とを含みうる。生産中の工程として、部品及び小組立品の製造108、並びに、航空機102のシステムインテグレーション110が行われる。その後、航空機102は、認可及び納品112の工程を経て、就航114に入る。顧客による使用中は、航空機102は、定例の整備及び保守116のスケジュールに組み込まれる(これは、改良、再構成、改修なども含む場合がある)。
【0027】
方法100の各処理は、システムインテグレーター、第三者、及び/又はオペレータ(例えば顧客)によって実行又は実施することができる。説明のために言及すると、システムインテグレーターは、航空機メーカー及び主要システム下請業者をいくつ含んでいてもよいが、これに限定されない。第三者は、売主、下請業者、供給業者をいくつ含んでいてもよいが、これに限定されない。オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス組織等であってもよい。
【0028】
図2に示すように、例示的方法100によって製造される航空機102は、複数のシステム120及び内装122を具備した機体118を含んでもよい。高水準システム120の例として、推進系124、電気系126、油圧系126、及び環境系130のうちの1つ又は複数が挙げられる。また、その他のシステムをいくつ含んでいてもよい。航空宇宙産業に用いた場合を例として示しているが、本発明の原理を、例えば自動車産業等の他の産業に適用してもよい。
【0029】
本明細書で具現化される装置及び方法は、航空機の製造及び保守方法100のうちの1つ又は複数のどの段階においても用いることができる。例えば、製造工程108に対応する部品又は小組立品は、航空機102が運航中に製造される部品又は小部品と同様に組み立て又は製造することができる。また、例えば、実質的に、航空機102の組み立て速度を速めたりコストを削減したりすることによって、1つ又は複数の装置例、1つ又は複数の方法例、又はそれらの組み合わせを、製造工程108及び110において用いてもよい。同様に、1つ又は複数の装置例、方法例、又はそれらの組み合わせを、航空機102の運航中に、例えば、限定するものではないが、整備及び保守116に用いてもよい。
【0030】
本開示は、航空機の製造及び保守方法100、又は、例えば、自動車部門、重工業部門、並びに、水上艦及び潜水艦海事部門などの他の製造環境に関連して適用できる。
【0031】
本開示の1つの例示的な実施形態を参照すると、図3及び4は、例えば、航空機の製造中、保全業務や保守中などの(複数の)コンポーネントの組み立て中に用いることができる例示的な処理システムを示す。一例において、包括的に202で示される自動処理システムは、包括的に200で示される装置を備える。当該装置は、長状可撓性コンポーネントを含んでおり、当該長状可撓性コンポーネントは、処理システム202を他の作業領域に移動させる必要が生じた場合に容易に再配置可能な、包括的に272で示される、少なくとも1つの可撓性レールを含む。また、包括的に250で示される様々な可動コンポーネントを設けることも可能であり、これらは、包括的に262、262c(図9A〜9C)で示されるターンバックル及び/又は他のアクチュエータなどの構成を含む。これらの構成により、処理システム202の処理中に、構造体の輪郭面(平面又は曲面であってよい)と一致させるように可撓性レール272が変形及び保持される。複数の例において、装置200は、1つ又は複数の可撓性レールと、当該可撓性レールに接続可能であり包括的に230で示される吸着カップ/加圧空気組合せ装置とを含みうる。吸着カップ/加圧空気組合せ装置は、可撓性レールを輪郭面に選択的に取り付けるとともに、このような輪郭面の上方及び周囲での可撓性レールの解放、及び/又は、押し上げ及び移動を選択的に容易化する。処理システム202は、包括的に206又は206'(図3及び4)で示される1つ又は複数の多機能エンドエフェクタを含みうる。これらのエンドエフェクタは、可撓性レール272に関連付けられており、当該レールに対して相対的に動くことができる。
【0032】
処理システム202は、例えば、特定の動作(例えば、穿孔、ボルト締め、及び/又は、締結)に用いられるアセンブリ又はコンポーネントなどの物理的対象物を制御された態様で動かすことができる可搬型自動電動装置である。例えば、処理システム202は、航空機又はそのコンポーネント(例えば、胴体又は翼)の製造及び/又は組み立て中に用いることができる。この点で、処理システム202は、例えば、航空機の翼204(又は、航空機における他の表面又は構造体)などの、構造体の扁平又は湾曲した作業面Sに関連付けられていることが望ましく、構造体204において製造作業(例えば、穴の形成)を行う際に、当該構造体に沿った様々な位置に移動することができる。
【0033】
処理システム202は、当該処理システム202の意図された機能を補助する様々な動作を行う複数のコンポーネントを含みうる。例えば、処理システム202は、図3及び4にそれぞれ示す多機能エンドエフェクタ206又は206'と、枢動アセンブリ208と、第1移動アセンブリ210と、第2移動アセンブリ212と、クランプ部214とを含みうる。多機能エンドエフェクタ206は、1つ又は複数の製造関連の動作又は機能を実行するように構成することができ、航空機又はそのコンポーネントなどのアセンブリの製造に用いることができる。例えば、多機能エンドエフェクタ206は、ボルト穴の形成、及び/又は、締結ボルトの取り付けなどの動作を実行するように構成することができる。これら及びその他の動作は、例えば、胴体、翼、エーロフォイルの表面(airfoil surface)などの、航空機の組立品及び小組立品の製造の過程で実行することができる。例えば、多機能エンドエフェクタ206により翼204上で実行される動作により、ウィングボックス(wing box)222に対して翼桁220をボルト締めすることができる。
【0034】
第1移動アセンブリ210及び第2移動アセンブリ212は、個々に、及び/又は、その組み合わせにより、多機能エンドエフェクタ206の作業対象である構造体(例えば、翼204、又は、より具体的にはウィングボックス222)に沿って処理システム202を動かすことができる。この点で、第1移動アセンブリ210及び第2移動アセンブリ212は、個々の、及び/又は、組み合わせの動作中に、例えば、構造体204に対する処理システム202の保持(又は固定)を弱めることなく(又は、向上させつつ)処理システム202の移動速度を上げることにより、処理システム202の動作(及び/又は、当該システムにより実行される動作、例えば、組み立てに関する動作)の最適化が可能な制御された態様で、処理システム202の自律移動を実現するように構成することができる。これは、例えば、第1移動アセンブリ210及び第2移動アセンブリ212の各々に、複数の二重機能移動部230を組み込むことにより実現できる。この点で、各二重機能移動部230は、処理システム202の支持及び移動に関する複数の機能を果たすように構成することができる。二重機能移動部230は、例えば、付着又は保持機能(例えば、処理対象の構造体を処理システム202に固定する動作に関する機能)と、滑動又はホバリング機能(例えば、横断対象の構造体上でクローラ(crawling)を移動させる動作に関する機能)とを有するように構成することができる。例えば、二重機能移動部230は、固定機能、すなわち、吸着カップにより形成される真空を用いて、対応する移動アセンブリ(第1又は第2)の「保持」を実現する機能と、「滑動」又は「ホバリング」機能、すなわち、構造体上の空気ベアリング(例えば、ホバリング)を用いて、対応する移動アセンブリ(第1又は第2)の移動又は滑動を容易にする機能とを果たすように構成可能な吸着カップ/空気ベアリングアセンブリを含みうる。
【0035】
いくつかの例では、処理システム202の移動コンポーネント(例えば、第1移動アセンブリ210及び第2移動アセンブリ212)の用途を広げるために、処理システム202は、好適には、制御された態様で、及び/又は、処理システム202の他のコンポーネントとは無関係に、処理システム202の特定のコンポーネントを(必要に応じて)回転させるために用いられる枢動構造体又は枢動手段(例えば、枢動アセンブリ208)を含みうる。例えば、枢動アセンブリ208は、多機能エンドエフェクタ206、第1移動アセンブリ210、及び/又は、第2移動アセンブリ212などの、処理システム202の特定のコンポーネントを回転又は枢動させる1つ又は複数の枢動部を含むことにより、これらのコンポーネントのうち1つ又は複数を回転させる一方で、その他の(複数の)コンポーネント又は処理システム202を構造体に固定することができる。上述した構成により、例えば、処理システム202を用いて意図した機能を果たす(例えば、多機能エンドエフェクタ206を用いて組み立て関連の機能を果たす)一方で、必要な動き調整のうち少なくとも一部を行うことにより、処理システム202の動きを向上させることができる。処理システム202の動作を更に向上させるために、回転アクチュエータ232を枢動アセンブリ208に組み込むことにより、第1移動アセンブリ210及び第2移動アセンブリ212の一方又は両方が回転又は枢動している場合でも、多機能エンドエフェクタ206を(例えば、当該エンドエフェクタが組み立て関連の機能を果たすために用いられている間)静止した状態に保つことができる。
【0036】
一実施形態では、処理システム202は、多機能エンドエフェクタ206により処理動作が行われている間、多機能エンドエフェクタ206を構造体204に確実に固定するためのクランプ又は固定を行う構成又は手段(例えば、クランプ部214)を含みうる。例えば、クランプ部214は、非永久磁石を含むことができ、当該磁石は、多機能エンドエフェクタ206を構造体に固定する必要がある場合(例えば、ウィングボックス222において、締結ボルトを取り付ける必要がある位置に多機能エンドエフェクタ206を設ける場合など)に(例えば、電流により)作動し、処理システム202(又は、その一部、例えば、多機能エンドエフェクタ206)が動いている場合には、作動しない。
【0037】
一実施形態では、処理システム202は、処理システム202の自動電動動作を実行及び/又は補助するための1つ又は複数のモーター(不図示)を更に含むことができる。この自動電動動作の実行及び/補助は、例えば、処理システム202の移動及び/又は使用に関連して、処理システム202のコンポーネントの少なくとも一部の機能を駆動及び/又は使用(例えば、多機能エンドエフェクタ206、第1移動アセンブリ210、及び/又は、第2移動アセンブリのコンポーネントを回転/固定)するために利用される。
【0038】
例示的な実施形態において、処理システム202は、処理システム202の様々な動作及び/又はコンポーネントを制御するための制御部(不図示)を含みうる。この点において、制御部は、処理システム202のコンポーネントのうち少なくともいくつかに対して制御信号を供給する、プログラム可能な回路を含むことができ、これにより、処理システム202の機能を補助する様々な動作を、これらのコンポーネントに実行させることができる。例えば、制御部は、処理システム202の移動部の動作を制御することができる。
【0039】
処理システム202は、例えば、当該処理システム202との通信を実行及び/又は処理するための通信部を組み込むことにより、情報を受信及び/又は送信するように構成することができる。この点で、処理システム202は、例えば、当該処理システム202の様々な動作又は機能を制御及び/又は調整するために使用可能なユーザー入力を受け取ることができる。ユーザー入力は、例えば、「開始」、「停止」、及び/又は、他の類似した命令などの、動き関連の命令を含むことができる。通信部は、更に、処理システム202の様々なコンポーネント又は機能に関連する情報などの、状況情報を送信するように構成することができる。状況情報は、ユーザが使用可能な他の装置(例えば、コンピュータ)に送信することができる。受信及び/又は送信は、1つ又は複数の適切な技術を用いて、無線で行うことができる。例えば、通信は、赤外線(IR)信号、近距離無線通信(NFC)信号、ブルートゥース(ブルートゥースは登録商標である)信号、及び/又は、Wi−Fi信号を用いて行うことができる。しかしながら、本開示は、特定の通信技術に限定されない。
【0040】
次に図5を参照すると、同図は、処理システム202と分離した状態の装置200の一実施形態を示している。装置200は、例えば、処理対象の構造体の輪郭に一致するように可撓性レール272を変形するための手段を含む。この手段は、例えば、略剛性の長状可動コンポーネントであり、包括的に250で示される。一例として、この手段は、プッシュロッド(pushrods)、ロッド、又は、シャフト252、254などの第1及び第2の細長く、全体として剛性を有する部材を含む。各ロッド252、254の第1端又は近位端は、それぞれ、ブラケットなどの直立コンポーネントに枢動可能に取り付けられている。本明細書における「ブラケット」とは、様々な形状及び構成を含みうる構造体に言及しており、図示した構造体に限定されない。
【0041】
より具体的には、ロッド252の第1端は、ブラケット256に枢動可能に取り付けられており、ロッド254の第1端は、ブラケット258に枢動可能に取り付けられている。ブラケット256、258は、その構造が、概して剛性を有しており、必要に応じて、添付の図面に示す以外の様々な構成、形状、及び、外郭を採用することができる。各ロッド252、254の第2端又は遠位端は、包括的に260で示されるアクチュエータに螺合接続されている。当該アクチュエータは、図5、6A、6B、6C、9A、9B、及び9Cの図示例では、ターンバックル装置である。ロッド252の第2端は一方向に螺入され、ロッド254の第2端はその反対方向に螺入されることにより、ターンバックル262の各端部における対応ねじ部と連携している。具体的には、第1方向へターンバックル262を回転させると、ロッドが、ターンバックル262の外側へ押し出され、この結果、各ブラケット256、258の第1端又は上端が互いに離れるように動かされる。反対方向へターンバックル262を回転させると、ターンバックル262がロッド252、254の第2端と螺合してアクチュエータ262の内部に引き込まれるため、ロッド252、254の第2端が互いに引き寄せられ、これに応じて、ブラケット256、258の上端が互いに引き寄せられる。各ロッド252、254の第1端は、ブラケット256、258それぞれに対する回転を抑制されている。このため、ターンバックル262が回転すると、ロッド252、254は、ターンバックル262の回転方向に応じてターンバックル262の長手方向内側又は外側に動く。
【0042】
なお、ブラケット256、258が、(ターンバックル262の回転により)ロッド252、254によって押し離されるか、或は、(同じく、ターンバックル262の回転により)互いに引き寄せられる際、各ロッド252、254の第1端は、ブラケット256、258のそれぞれの上端に対して枢動することができる。これは、各ロッド256、258の上端に設けられた各ピボット264、266を軸として、各ロッド252、254の第1端が枢動可能に接続していることによる。ピボット264、266は、必要に応じて、ピン、スリーブ、スイベルなどであってもよい。
【0043】
包括的に270で示される長状可撓性部分は、可撓性シート、レール、バー、ロッド、及び/又は、これらのうちの1つ又は複数の形態で設けることができる。本明細書における「レール」とは、これらの各々と、図に例示されない他の形状、輪郭、又は構成の長状コンポーネントとをいう。一実施形態では、可撓性部分270は、可撓性レール272の形態で図示される。可撓性レール272は、概して相互に反対側に存在する第1端部274と第2端部276とを含んでおり、各端部274、276は、概して、ブラケット256、258それぞれの第2部分、すなわち下部に取り付けられている。端部274、276のブラケット256、258に対する接続は、上述したターンバックル262の回転により、ブラケット256、258が互いに離れるか、或は近づくと、屈曲又は曲げ力が、可撓性レール272の長さに沿って生じるように行われる。一実施形態においては、ばね鋼、繊維ガラスなどである可撓性レールは、柔軟な性質を有しているため、その長さに沿って略均一に曲がる。このような屈曲又は曲げを、図6Aないし6Cに模式的に示す。同図に示すように、ターンバックル262は、第1方向に回転されると、ロッド252、254を互いに外側に押し出すことにより、ブラケット256、258の各々の上端を互いに外側に押し出す。
【0044】
図6Bに示すように、上記動作により、可撓性レール272に若干の湾曲又は撓みが生じるとともに、可撓性レール272の中心部分が、矢印280の方向に上向きに動く。これにより、可撓性レール272が、構造体の表面Sに近似及び略一致する輪郭に曲がる。図6Cに示すように、ターンバックル262を同じ方向に更に回転させると、ロッド252、254は、矢印282、284の方向に沿って更に外側に押し出され、これにより、可撓性レール272の中心部分が、更に上向きに動き、可撓性レール272が、その長さに沿って更に湾曲する。可撓性レール272の長さに沿って湾曲する上記機能により、ターンバックル262の回転方向及び度合いに応じて、可撓性レール272が湾曲するのにつれて、概して留め具288により可撓性レール272に固定されている二重機能の吸着カップ又は真空カップ/空気ベアリング部230は、可撓性レール272と共に動くことができる。つまり、ターンバックル262の回転を制御することにより、飛行機の翼、エーロフォイル、胴体などの表面、又は、他の機具や構造体の表面である表面Sの曲がりに一致するように、二重機能移動部230を調整することができる。
【0045】
ターンバックル262は、手動で回転可能であるが、モーター(例えば、サーボモーター)と、ターンバックル262の周縁に沿って設けられたギア歯290と噛み合うギア機構(不図示)とを用いて自動で回転させることが好ましい。反対方向にターンバックル262を回転させると、可撓性レール272の撓みが低減し、真っ直ぐになっていく。この方向へターンバックル262を回転させ続けると、可撓性レール272はやがてフラットになって実質的に曲率を有さなくなり、この方向へターンバックル262を更に回し続けると、可撓性レール272は、逆方向の外側に曲がっていく。
【0046】
なお、長状アクチュエータ部250により付与される剛性により、可撓性レール272が表面の形状に一致すると、全体として剛体が形成され、ポート294を介して二重機能部230の真空カップ部分に真空が印加され、これによって、可撓性レール272の長さに沿って下方向への力が略均一に作用する。従って、表面の形状に一致した装置200と自動化処理システム202との接続により、装置200は、所定位置で確実に保持され、エンドエフェクタ206(図3)及び/又はエンドエフェクタ206'(図4)などのエンドエフェクタは、1つ又は複数の組み立て機能を実行することができる。処理システム202を移動させる必要がある場合、コンポーネント230の真空カップ部分が解放され、ポート296を介して加圧空気が供給されることによりコンポーネント230の加圧空気ベアリング部分が作動する。概して強固な支柱であるロッド252、254及びターンバックル262を介してブラケット256、258の上部分が拘束されることにより、装置200は略剛体を形成するため、コンポーネント230の空気ベアリング部分が、装置200及び処理システム202を略均一に持ち上げるため、可撓性レール272は、装置200の選択的移動のために、装置200の重量を剛に支えることができる。
【0047】
図示の自動処理システム202は、1つの装置200のみを含んでいるが、必要に応じて、システム202は、互いに異なる構成及び姿勢で配向された複数の装置200を含んでもよい。
【0048】
上述したように、レール272を表面の曲がりに一致させる装置200の機能を自動化してもよく、その動作の制御は、処理システム202に関連して用いられる制御部(不図示)が行ってもよい。装置200を自動で表面の形状に一致させることにより、多大な労力を要する可能性のある、支持レールを手作業で形成する工程の必要性を完全に排除することができる。
【0049】
図7Aから7Cは、本開示の実施形態である、包括的に200aで示される、他の例示的なシステムを概略的に示しており、当該システムには、調整器262aが設けられている。調整器262aは、例えば、ラック・アンド・ピニオン式(rack and pinion type)の装置を含み、各ロッド252a、254aの第2端は、略フラットな歯車ラック部(不図示)を備え、1つ又は複数のピニオン(不図示)が、アジャスター262aの上部及び/又は内部に設けられている。このようなピニオンは、一実施形態では、サーボモーター(不図示)などのモーターにより作動することができる。このモーターは、可逆的であってもよく、一方向へのピニオンの回転により、ロッド252a、254aの第2端の両方が互いに引き寄せられ、この結果、ブラケット256、258の上端が互いに引き寄せられる。同様に、ピニオンは、反対方向へも回転可能であり、この回転によって、各ロッド252a、254aの第2端のラック部分をアジャスター262aに対して外側に動かして、ブラケット256、258の上端が互いに離れるようにすることもできる。これに代えて、1つ又は複数のピニオンをロッド252a、254aの各々の端部に設けることにより、これらのピニオンを制御してロッド252a、254aを個々に独立して駆動してもよい。上述した説明を考慮すると、アジャスター262aを用いてブラケット256、258の上端を相互に近づけたり遠ざけたりすると、それに応じて可撓性レール272の曲がりが形成又は低減(又は完全に排除)される。従って、装置200aは、上述した装置200と同様の動作を行うことにより、自動処理システム202を接続しようとする表面に対してレール272の曲がりを一致させることができる。
【0050】
図8Aから8Bは、本開示に係る、包括的に200bで示される、他の例示的なシステムを概略的に示す。この、本開示に係る例示的な実施形態において、包括的に206''で示されるエンドエフェクタは、長状コンポーネント302、304に当接するように設けることができる。長状コンポーネント302、304は、例えば、空圧及び/又は油圧シリンダーの形態の流体作動式ピストン‐シリンダー装置であり、各々がシリンダー部分306、308を有する。ピストンロッド310は、シリンダー306から外側へ延伸し、同様に、ピストンロッド312は、シリンダー308から外側へ延伸している。長状コンポーネント302、304を作動させると、ピストンロッド310、312は、それぞれ当接コンポーネント316、318に当接して、図8Bに示すように、効率的に、ブラケット256、258の上部を相互に遠ざかるように動かすことにより、可撓性レール272を湾曲させる。当接コンポーネント316、318は、図8Bに示すように、長状部分302、304から直線的に加えられる力に応答して、エンドエフェクタ206''に対して枢動するように構成することができる。この場合も、装置200及び200aと同様に、可撓性レール272に生じた撓み又は湾曲を調整して、輪郭面の形状に一致させることにより、処理システムを確実に表面に取り付けてエンドエフェクタ206''を最終的に作動させることができる。なお、長状部分302、304の構成を空圧及び/又は油圧シリンダーとする代わりに、これらの部分は、電動装置を含んでもよく、1つ又は複数のコンポーネント316、318は、それぞれ、ギア(不図示)と共に、サーボモーターなどの第1及び第2のモーターを含み、当該ギアは、それぞれ、各ロッド310、312の第2端におけるラック部分(不図示)と係合することにより、ロッド310、312を、それぞれのコンポーネントから外側へ選択的に駆動させたり(この結果、図8A及び8Bに示すように、ブラケット256、258が互いから遠ざかることにより、可撓性レール272を湾曲させ)、当該ロッドを互いに内側に引き寄せたりする(この結果、ブラケット256、258の上端が互いに引き寄せられることにより、可撓性レール272に誘因された湾曲が解除される)。
【0051】
図9Aから9Cは、本開示に係る、更に他の例示的な実施形態である装置200cを概略的に示す。装置200cは、本実施形態において、長状作動部が二重機能移動部230と可撓性レール272との間に設けられていることを除いては、装置200と同様である。この例では、ターンバックル262cが設けられており、図9Bに示すように、ターンバックル262cを第1方向に回転させると、ブラケット256c及び258cの上端が共に引っ張られることにより、可撓性レール272が、矢印80cの方向に、外側に湾曲する。ターンバックル262を更に同じ方向に回し続けると、図9Cに示すように、可撓性レール272が更に湾曲する。二重機能移動部230は、この実施形態では、シャフト320を介して、可撓性レール272から下方向に延びており、可撓性レール272の曲がりに応答して、コンポーネント230が曲面に一致するように動くことにより、自動処理システム202を当該曲面に取り付けることができる。
【0052】
図10Aから10Cは、本開示の更なる態様、すなわち、装置200dを概略的に示す。この実施形態において、二重機能移動部230は、ロッド320dに取り付けられており、当該ロッドは、可撓性レール272に固定されている。可撓性レール272は、その各端部において、ブラケット256d、258dにそれぞれ接続されている。各ブラケット256d、258dの他端には、ケーブル、ロープ、コード、ラインなどの、包括的に322、324で示される長状可撓性部材が接続されている。ケーブル322、324は、それぞれ、包括的に326、328で示される、ガイド、綱車、プーリー等に係合しており、ケーブルのそれぞれの端部330、332が矢印334の方向に引っ張られると、(各ケーブル322、324がそれぞれ接続されている)ブラケット256d、258dの端部が互いに内側に引き寄せられる。これにより、図10Bに示すように、可撓性レール272が外側に湾曲し、同時に、二重機能移動部230が、概して凹型である表面(不図示)の形状に一致する態様に構成される。図10Cに示すように、ケーブル322、324の端部330、332をそれぞれ引っ張り続けると、可撓性レール272が更に湾曲し、二重移動部230の配向が、凹みが大きい表面に一致及び係合する。ケーブル322、324の引張りは、ウインチや同様の装置、流体作動式ピストン‐シリンダー装置などの1つ又は複数の装置(不図示)により達成することができる。
【0053】
本開示に係る発明の要部の例示的且つ非排他的な例は、以下の付記A1〜F20に記載されている。
【0054】
A1.輪郭面に対し、処理システム202と関連して用いる装置200であって、
第1部分及び第2部分を有する長状可撓性コンポーネント272と、
第1位置と第2位置との間を移動可能であり、第1部分及び第2部分を有する可動コンポーネント250と、
第1部分及び第2部分を有する第1ブラケット256であって、前記第1ブラケットの前記第2部分は、前記第1ブラケット256の前記第1部分から離間しており、前記可動コンポーネント250の前記第1部分は、前記第1ブラケット256の前記第1部分に接続しており、前記長状可撓性コンポーネント272の前記第1部分は、前記第1ブラケット256の前記第2部分に略固定接続され、前記第1ブラケット256と共に移動可能であり且つ当該第1ブラケットに対して撓み変形可能である、第1ブラケットと、
第1部分及び第2部分を有する第2ブラケット258であって、前記第2ブラケットの第2部分は、前記第2ブラケット258の前記第1部分から離間しており、前記可動コンポーネント250の前記第2部分は、前記第2ブラケット258の前記第1部分に接続しており、前記長状可撓性コンポーネント272の前記第2部分は、前記第2ブラケット258の前記第2部分に略固定接続され、前記第2ブラケット258と共に移動可能であり且つ当該第2ブラケットに対して撓み変形可能であり、前記可動コンポーネント250が前記第1位置と前記第2位置との間を移動する際、前記可動コンポーネント250は、前記第1ブラケット256と前記第2ブラケット258との間の相対運動を誘引するように構成されており、前記長状可撓性コンポーネント272は、前記第1ブラケット256と前記第2ブラケット258との間の相対運動が行われると、撓んで曲線を描くように構成されている、第2ブラケットと、
前記第1位置と前記第2位置との間で前記可動コンポーネント250を選択的に動かすアクチュエータ260、262cと、を含む、装置。
【0055】
A2.前記可動コンポーネント250が前記第1位置と前記第2位置との間を移動する際、前記第1ブラケット256の前記第1部分及び前記第2ブラケット258の前記第1部分は互いに遠ざかり、前記第1ブラケット256の前記第2部分及び前記第2ブラケット258の前記第2部分は互いに近づくように、前記可動コンポーネント250、前記第1ブラケット256、前記第2ブラケット258、及び前記長状可撓性コンポーネント272が構成されている、付記A1に記載の装置。
【0056】
A3.前記可動コンポーネント250が前記第1位置と前記第2位置との間を移動する際、前記第1ブラケット256の前記第1部分及び前記第2ブラケット258の前記第1部分は互いに近づき、前記第1ブラケット256の前記第2部分及び前記第2ブラケット258の前記第2部分は互いに遠ざかるように、前記可動コンポーネント250、前記第1ブラケット256、前記第2ブラケット258、及び前記長状可撓性コンポーネント272が構成されている、付記A1に記載の装置。
【0057】
A4.前記可動コンポーネント250の前記第1部分は、略剛性であり、
前記可動コンポーネント250の前記第2部分は、略剛性であり、
前記可動コンポーネント250の前記第1部分及び前記第2部分の両方に螺合接続されたターンバックル260、262cを更に含み、前記ターンバックル260、262cは、その選択的な回転の際に、前記可動コンポーネント250の前記第1部分及び前記可動コンポーネント250の前記第2部分を、同時に、前記ターンバックル260、262cに対して、外側に動かすか、或は、前記ターンバックル260、262cに対して内側に動かすように構成されている、付記A1〜A3の何れかに記載の装置。
【0058】
A5.前記可動コンポーネント250の前記第1部分及び前記第2部分の両方に螺合接続されたターンバックル260、262cを更に含み、前記ターンバックル260、262cは、その選択的な回転の際に、前記可動コンポーネント250の前記第1部分及び前記可動コンポーネント250の前記第2部分を、同時に、前記ターンバックル260、262cに対して、外側に動かすか、或は、前記ターンバックル260、262cに対して内側に動かすように構成されており、前記可動コンポーネント250の前記第1部分及び前記第2部分は略剛性であり、
前記ターンバックル260、262cに駆動可能に接続され、前記ターンバックル260、262cを選択的に回転させるモーターを更に含む、付記A1〜A4の何れかに記載の装置。
【0059】
A6.前記可動コンポーネント250の前記第1部分及び前記可動コンポーネント250の前記第2部分に駆動可能に接続され、前記可動コンポーネント250の前記第1部分及び前記可動コンポーネント250の前記第2部分を互いに近づけるか、或は、互いから遠ざけるように選択的に動かすように構成されているモーターを更に含む、付記A1〜A5の何れかに記載の装置。
【0060】
A7.前記可動コンポーネント250の前記第1部分に駆動可能に接続された第1モーターと、
前記可動コンポーネント250の前記第2部分に駆動可能に接続された第2モーターとを更に含み、
前記第1モーター及び前記第2モーターは、前記可動コンポーネント250の前記第1部分及び前記可動コンポーネント250の前記第2部分を互いに近づけるか、或は、互いから遠ざけるように選択的に動かすように構成されている、付記A1〜A5の何れかに記載の装置。
【0061】
A8.前記可動コンポーネント250の前記第1部分は、前記第1ブラケット256の前記第1部分を前記第2ブラケット258の前記第1部分に近づけるか、或は、遠ざけるように選択的に動かすために接続されているロッドを有する第1流体作動式ピストンシリンダー装置302を含み、
前記可動コンポーネント250の前記第2部分は、前記第2ブラケット258の前記第1部分を前記第1ブラケット256の前記第1部分に近づけるか、或は、遠ざけるように選択的に動かすために接続されているロッドを有する第2流体作動式ピストンシリンダー装置304を含む、付記A1〜A7の何れかに記載の装置。
【0062】
A9.前記可動コンポーネント250の前記第1部分は、前記第1ブラケット256の前記第1部分を前記第2ブラケット258の前記第1部分に近づけるか、或は、遠ざけるように選択的に動かすために接続されている第1ケーブルを含み、
前記可動コンポーネント250の前記第2部分は、前記第2ブラケット258の前記第1部分を前記第1ブラケット256の前記第1部分に近づけるか、或は、遠ざけるように選択的に動かすために接続されている第2ケーブルを含む、付記A1〜A3の何れかに記載の装置。
【0063】
A10.前記長状可撓性コンポーネント272に接続されており、前記長状可撓性コンポーネント272を、前記輪郭面に選択的に取り付ける少なくとも1つの吸着カップ230を更に含む、付記A1〜A9の何れかに記載の装置。
【0064】
A11.前記長状可撓性コンポーネント272に接続されており、前記輪郭面に対する前記長状可撓性コンポーネント272の動きを容易にする少なくとも1つの加圧空気ベアリング230を更に含む、付記A1〜A10の何れかに記載の装置。
【0065】
A12.前記長状可撓性コンポーネント272に接続されており、前記長状可撓性コンポーネント272を、前記輪郭面に選択的に取り付ける少なくとも1つの吸着カップ230と、
前記長状可撓性コンポーネント272に接続されており、前記輪郭面に対する前記長状可撓性コンポーネント272の動きを容易にする少なくとも1つの加圧空気ベアリング230とを更に含む、付記A1〜A9の何れかに記載の装置。
【0066】
A13.前記長状可撓性コンポーネント272に接続された少なくとも1つの支持装置を更に含み、前記少なくとも1つの支持装置は、前記長状可撓性コンポーネント272を、前記輪郭面に選択的に取り付ける吸着カップ230と、前記輪郭面に対する前記長状可撓性コンポーネント272の動きを容易にする加圧空気ベアリング230との何れか一方として選択的に動作するように構成されている、付記A1〜A9の何れかに記載の装置。
【0067】
B14.輪郭面に対して用いる自動処理システム202であって、
第1部分及び第2部分を有する長状可撓性コンポーネント272と、
第1位置と第2位置との間を移動可能であり、第1部分及び第2部分を有する可動コンポーネント250と、
第1部分及び第2部分を有する第1ブラケット256であって、前記第1ブラケットの前記第2部分は、前記第1ブラケット256の前記第1部分から離間しており、前記可動コンポーネント250の前記第1部分は、前記第1ブラケット256の前記第1部分に接続しており、前記長状可撓性コンポーネント272の前記第1部分は、前記第1ブラケット256の前記第2部分に略固定接続され、前記第1ブラケット256と共に移動可能であり且つ当該第1ブラケットに対して撓み変形可能である、第1ブラケットと、
第1部分及び第2部分を有する第2ブラケット258であって、前記第2ブラケット258の前記第2部分は、前記第2ブラケット258の前記第1部分から離間しており、前記可動コンポーネント250の前記第2部分は、前記第2ブラケット258の前記第1部分に接続しており、前記長状可撓性コンポーネント272の前記第2部分は、前記第2ブラケット258の前記第2部分に略固定接続され、前記第2ブラケット258と共に移動可能であり且つ当該第2ブラケットに対して撓変形可能であり、前記可動コンポーネント250が前記第1位置と前記第2位置との間を移動する際、前記可動コンポーネント250は、前記第1ブラケット256と前記第2ブラケット258との間の相対運動を誘引するように構成されており、前記長状可撓性コンポーネント272は、前記第1ブラケット256と前記第2ブラケット258との間の相対運動が行われると、撓んで曲線を描くように構成されている、第2ブラケットと、
前記第1位置と前記第2位置との間で前記可動コンポーネント250を選択的に動かすアクチュエータ260、262cと、
前記長状可撓性コンポーネント272に動作可能に接続された少なくとも1つのエンドエフェクタと、を含む、自動処理システム。
【0068】
B15.前記可動コンポーネント250が前記第1位置と前記第2位置との間を移動する際、前記第1ブラケット256の前記第1部分及び前記第2ブラケット258の前記第1部分は互いに遠ざかり、前記第1ブラケット256の前記第2部分及び前記第2ブラケット258の前記第2部分は互いに近づくように、前記可動コンポーネント250、前記第1ブラケット256、前記第2ブラケット258、及び前記長状可撓性コンポーネント272が構成されている、付記B14に記載の自動処理システム202。
【0069】
B16.前記可動コンポーネント250が前記第1位置と前記第2位置との間を移動する際、前記第1ブラケット256の前記第1部分及び前記第2ブラケット258の前記第1部分は互いに近づき、前記第1ブラケット256の前記第2部分及び前記第2ブラケット258の前記第2部分は互いに遠ざかるように、前記可動コンポーネント250、前記第1ブラケット256、前記第2ブラケット258、及び前記長状可撓性コンポーネント272が構成されている、付記B14に記載の自動処理システム202。
【0070】
C17.輪郭を有する構造体を処理するための自動処理システム202であって、
第1端及び第2端を有する少なくとも1つの可撓性レール272と、
前記可撓性レール272に接続された少なくとも1つの吸着カップ/加圧空気組合せ装置230と、
前記可撓性レール272に関連付けられ、当該可撓性レールに対して相対的に動くことが可能な多機能エンドエフェクタと、
前記可撓性レール272を、前記構造体の前記輪郭に一致するように変形する手段と、を含む、自動処理システム202。
【0071】
D18.輪郭を有する構造体を処理するための自動処理システムの可撓性レール272であって、
第1端及び第2端と、
前記可撓性レール272に接続された吸着カップ/加圧空気組合せ装置230と、
第1近位端及び第1遠位端を含む略剛性の第1ブラケット256と、
第2近位端及び第2遠位端を含む概して剛性の第2ブラケット258と、を含み、前記第1ブラケット256の前記第1近位端は、前記可撓性レール272の前記第1端に固定されており、前記第2ブラケット258の前記第2近位端は、前記可撓性レール272の前記第2端に固定されており、
前記剛性第1ブラケットの前記第1遠位端に枢動可能に接続された第1端、及び、螺刻端を有する略剛性の第1プッシュロッド252と、
前記剛性第2ブラケットの前記第2遠位端に枢動可能に接続された第2端、及び、螺刻端を有する略剛性の第2プッシュロッド254と、
前記第1プッシュロッド252の前記螺刻端、及び、前記第2プッシュロッド254の前記螺刻端に動作可能に接続されたターンバックル260、262cと、を更に含む、可撓性レール272。
【0072】
E19.輪郭面を含む構造体を処理するために、少なくとも1つの可撓性レール272を含む自動システムを用いる方法であって、
非直線形状に前記可撓性レール272を変形して前記輪郭面の形状に一致させることと、
前記非直線形状に変形した前記可撓性レール272を、第1位置において着脱自在に前記輪郭面に接続することと、
前記構造体に第1処理動作を行うことと、
前記非直線形状に変形した前記可撓性レール272を、前記輪郭面から分離することと、
前記自動システムを前記第1位置から前記輪郭面上の他の位置まで移動する際に、前記可撓性レール272の前記非直線形状を自動的に維持することと、を含む方法。
【0073】
F20.輪郭面に対し、処理システム202と関連して用いる装置200であって、
第1部分、及び、当該第1部分と略反対側の第2部分を有する長状可撓性コンポーネント272と、
ターンバックル260、262cと、
前記ターンバックル260、262cに接続された略剛性の第1コンポーネントと、
前記ターンバックル260、262cに接続された略剛性の第2コンポーネントと、
第1部分、及び、当該第1部分から離間した第2部分を有する第1ブラケット256と、を含み、
前記第1コンポーネントは、前記第1ブラケット256の前記第1部分に接続されており、
第1部分、及び、当該第1部分から離間した第2部分を有する第2ブラケット258を更に含み、
前記第2コンポーネントは、前記第2ブラケット258の前記第1部分に接続されており、
前記長状可撓性コンポーネント272の前記第1部分は、前記第1ブラケット256の前記第2部分に略固定接続され、前記第1ブラケット256と共に移動可能であり且つ当該第1ブラケットに対して撓み変形可能であり、
前記長状可撓性コンポーネント272の前記第2部分は、前記第2ブラケット258の前記第2部分に略固定接続され、前記第2ブラケット258と共に移動可能であり且つ当該第2ブラケットに対して撓みが可能であり、
前記ターンバックル260、262cは、前記第1コンポーネント及び前記第2コンポーネントの両方に螺合接続されており、前記ターンバックル260、262cは、その選択的な回転の際に、前記第1コンポーネント及び前記第2コンポーネントを同時に動かすことにより、前記第1ブラケット256と前記第2ブラケット258との間の相対運動を誘引させ、
前記長状可撓性コンポーネント272は、前記第1ブラケット256と前記第2ブラケット258との間の相対運動が行われると、撓んで、前記輪郭面に略一致する曲線を描くように構成されている、装置。
【0074】
本明細書に記載されている開示の多くの変形及び他の例は、先の説明及び関連する図面で教示される利点を有するものであり、それらの例は、本開示に関連する分野の当業者であれば想起できるであろう。したがって、本開示は、開示される特定の例に限定されるものではなく、添付の請求の範囲は、変形例及び他の実施態様も含むように意図されているものである。さらに、上述した説明および関連図面は、特定の要素及び/又は機能の例示的組み合わせを用いて本開示の態様を説明しているが、他の実施形態においては、添付の請求の範囲から逸脱することなく、異なる要素及び/又は機能の組み合わせを用いることが可能である。この点で、例えば、先に明記した以外の要素及び/又は機能の組み合わせも想定されており、そのいくつかは、添付の請求項に記載されている。本明細書において特定の用語を用いているが、これらの用語は、包括的且つ説明的な意味でのみ用いており、本開示を限定するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C