特許第6239012号(P6239012)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6239012容器の蓋向けの、殺菌物質を用いた処理装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6239012
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】容器の蓋向けの、殺菌物質を用いた処理装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 55/04 20060101AFI20171120BHJP
   B65B 55/10 20060101ALI20171120BHJP
   A61L 2/18 20060101ALI20171120BHJP
   A61L 2/20 20060101ALI20171120BHJP
   A61L 101/22 20060101ALN20171120BHJP
【FI】
   B65B55/04 V
   B65B55/10 A
   B65B55/04 M
   A61L2/18 102
   A61L2/20 106
   A61L101:22
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-562429(P2015-562429)
(86)(22)【出願日】2014年1月30日
(65)【公表番号】特表2016-515981(P2016-515981A)
(43)【公表日】2016年6月2日
(86)【国際出願番号】IB2014058675
(87)【国際公開番号】WO2014140949
(87)【国際公開日】20140918
【審査請求日】2016年5月19日
(31)【優先権主張番号】PR2013A000017
(32)【優先日】2013年3月11日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】515221749
【氏名又は名称】ゲア プロコマック エセ.ピ.ア.
【氏名又は名称原語表記】GEA PROCOMAC S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100181021
【弁理士】
【氏名又は名称】西尾 剛輝
(72)【発明者】
【氏名】パオロ アベッリ
(72)【発明者】
【氏名】ファビオ カレガリ
【審査官】 宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0157552(US,A1)
【文献】 特開2010−100295(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/031436(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 55/04
B65B 55/10
A61L 2/18
A61L 2/20
A61L 101/22
B67B 1/03
B67B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の蓋(2、22)向けの、殺菌物質を用いた処理装置(1)であって、
回転ユニット(6)と、
重力によって同じ数だけ列(8)内に配置された前記蓋(2、22)を収容可能な複数の縦レール(7a、7b)であって、前記レール(7a、7b)は互いに略平行であり、前記回転ユニット(6)の周方向拡張部をたどるよう前記回転ユニット(6)に接続され、前記レール(7a、7b)は、第一蓋フォーマット(2)を収容する第一の種類(7a)と第二蓋フォーマット(22)を収容する第二の種類(7b)との少なくとも二種類であるレールと、
前記殺菌物質の分配手段(16)と、
を備え、
前記第一の種類の各レール(7a)は、前記回転ユニット(6)の周方向拡張部に沿って、前記第二の種類のレール(7b)と交互に配置される、処理装置。
【請求項2】
前記第一の種類のレール(7a)は、第一のタイプのキャップ(2)を収容するよう構成される、請求項1に記載の処理装置(1)。
【請求項3】
前記第二の種類のレール(7b)は、前記第一のタイプのキャップよりも大きな高さを有する第二のタイプのキャップ(22)を収容するよう構成される、請求項1または請求項2に記載の処理装置(1)。
【請求項4】
内部の清浄度が制御された環境(10)を画成及び隔離可能な保護筐体(9)を更に備える、請求項1から3のいずれか1つに記載の処理装置(1)。
【請求項5】
前記保護筐体(9)は、筐体(9)の壁を加熱する手段を備え、前記壁は前記清浄度が制御された内部環境(10)に接している、請求項4に記載の処理装置(1)。
【請求項6】
前記清浄度が制御された内部環境(10)に向かって前記蓋(2、22)を搬送する搬送手段(13)を更に備える、請求項4又は5に記載の処理装置(1)。
【請求項7】
前記搬送手段(13)は、重力によって前記第一フォーマットの前記蓋(2)が前進する第一流路(13a)と、重力によって前記第二フォーマット(22)の前記蓋が前進する第二流路(13b)とを少なくとも備え、前記保護筐体(9)は、前記第一流路(13a)及び前記第二流路(13b)とが内部に通じる、アクセス開口(14)を有する、請求項6に記載の処理装置(1)。
【請求項8】
前記第一流路(13a)への前記第一のタイプのキャップ(2)の供給又は前記第二流路(13b)への前記第二のタイプのキャップ(22)の供給を選択するように構成されたタイプ選択手段を更に備える、請求項7に記載の処理装置(1)。
【請求項9】
前記レール(7a、7b)の下方に位置し、蓋(2、22)の列(8)を支持するような周方向拡張部を更に有する支持異形材(15)を更に備える、請求項1から8のいずれか1つに記載の処理装置(1)。
【請求項10】
前記支持異形材(15)の高さが変化しているために、前記回転ユニット(6)が回転すると、前記蓋(2、22)の列(8)がレベル差を有する外周経路をたどり、蓋(2、22)の間の相対的な変位の決定が可能である、請求項9に記載の処理装置(1)。
【請求項11】
前記レール(7a、7b)は、前記回転ユニット(6)の回転軸(A)に平行である、請求項1から10のいずれか1つに記載の処理装置(1)。
【請求項12】
前記回転ユニット(6)の回転軸(A)は、前記処理装置(1)の支持平面に垂直又は傾斜している、請求項11に記載の処理装置(1)。
【請求項13】
前記レール(7a、7b)は、前記回転ユニット(6)の回転軸(A)に対して所定の角度だけ傾斜する、請求項1から10に記載の処理装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺菌物質を用いた容器の蓋向けの処理装置に関する。特に、本発明の装置は、無菌技術を用いた瓶詰めの分野に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
周知のように、無菌技術を用いた瓶詰めラインにおいて、(成形、充填、蓋締め等の)各種作業場での清浄度管理が最も重要である。このために、管理された環境内部へと配置する流体を適切に濾過し、各種領域の圧力を適正に管理して望ましくない粒子の経路を管理し、環境を正しく監視し、定置洗浄(CIP(Cleaning In Place))及び定置滅菌(S.I.P(Sterilization In Place))のサイクルを適正に管理し、適度な品質とすることを確実に行うことが必要である。
【0003】
本出願人は近年、予成形品の殺菌、容器の成形、成形された容器の充填、及び充填した容器の閉鎖等の瓶詰めラインの各種作業場を収容する、清浄度管理された環境を画成可能な隔離装置を開発した。これらの装置及び方法の詳細については、本出願人の名義での欧州特許EP2246176及び欧州特許出願EP2279850に記載されている。
【0004】
無菌瓶詰めラインにおいて、成形した容器の充填及びその蓋締めの前に、容器の蓋(キャップ又はカプセル)そのものを、例えば化学薬品を用いるか、エネルギー源を用いて殺菌することも必要である。本明細書で開示する発明は、化学薬品を用いた殺菌に関する。これに関して、以下のような様々な方法が周知である。例えば、
− WO201003146文献に記載の、回転する搬送システムの内部でキャップを殺菌する装置、
− EP2039439文献に記載の、螺旋状経路に沿ったカプセルの浸漬殺菌システム、
− US7360345文献に記載の、カプセルを支持する複数の回転するディスクを収納する殺菌ドラム、
− WO2012000573文献に記載の、三つの工程(予備加熱、殺菌物質の投与並びに活性化)で処理を行うための二つの重ね合わせた回転体によって形成されたシステム、がある。
【0005】
これらの従来技術の方法によれば、所定のフォーマットを有する蓋の処理が可能であり、装置/システムが異なるフォーマットのキャップやカプセルを処理する必要がある場合には、複雑なフォーマット変更作業を用いる。このようなフォーマット変更作業では、(例えば、ディスク、キャップを支持するための容器、シュート等の)様々な部品の交換が必要となることが多く、かなり長い時間装置を停止する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
これに関連して、本発明の基礎となる技術目標は、上述の従来技術の欠点を解決する、容器の蓋向けの、殺菌物質を用いた処理装置を提供することである。
【0007】
特に、本発明の目的は、異なるフォーマットの蓋に関して動作可能であり、複雑なフォーマット変更作業を避け、フォーマット変更に必要な時間を削減及び/又は不要とするような、殺菌物質を用いた容器の蓋向けの処理装置を開示することである。
【0008】
本発明の更なる目的は、殺菌物質を用いた容器の蓋向けの処理装置であって、小型で、構造的に簡単であると同時に、周知の方法と比べてより効率的な装置を利用可能とすることである。
【0009】
このような技術目標及び具体的な目的は、一つ以上の添付の請求項に記載した技術的特徴を備えた、殺菌物質を用いた容器の蓋向けの処理装置によって実質的に達成される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の更なる特徴と利点とは、添付の図面に示すような、殺菌物質による容器の蓋向けの処理装置の、好ましいがこれに限定するものではなく排他的ではない実施例を用いた記載によってより明らかになる。
図1】殺菌物質による容器の蓋向けの処理装置を示す、上部からの斜視図である。
図2図1の処理装置(保護筐体は部分的に削除されている)を示す、正面斜視図である。
図3図1の処理装置の一部(回転ユニット、レール、分配手段)を示す斜視図である。
図4図4a、4bは、図1の処理装置の一部(レール、支持異形材)を示す図であり、それぞれ斜視図、平面図である。
図5図5a、5bは、回転ユニットの回転の二つの異なる瞬間において支持異形材に対して蓋の列の相対位置を示す概略図である。
図6図6a、6b、6cは、図1の処理装置の支持異形材の三つの実施形態を示す斜視図である。
図7図7a、7bは、二つの異なる蓋である、平坦キャップ、スポーツキャップをそれぞれ示す斜視図である。
図8図1の処理装置を備える、瓶詰めラインの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照すると、参照符号1は、殺菌物質を用いた、容器の蓋2、22用の処理装置を示す。例えば、殺菌物質は、過酸化水素である。特に、この殺菌物質はガス状である。或いは、殺菌物質は液体である。
【0012】
これに関連して、蓋2、22という用語は、キャップやカプセル等の凹形の蓋に関連する。蓋2、22は、高分子材料からなることが好ましい。
【0013】
図7aは、第一の蓋2のフォーマットを示す図であり、この蓋は平坦キャップとして知られている。
【0014】
図7bは、第二の蓋のフォーマット22を示す図であり、この蓋はスポーツキャップとして知られている。
【0015】
これら両方について、蓋2、22は、ベース3と、ベース3から延びて空洞5を形成する側壁4とを有する。空洞5は開口しており、実際には、ベース3の反対側において、蓋2、22は、容器の口を収納可能な開口を有し、側壁4が容器と係合してベース3によって容器を閉鎖可能である。
【0016】
これに関連して、蓋2、22の「内表面」という用語は、側壁4の内表面とベース3の内表面とを特定する。蓋2、22の「外表面」という用語は、側壁4の外表面とベース3の外表面とを指す。
【0017】
図7aにおいて、平坦キャップ2によってその範囲を画成される空洞5は、略筒形状を呈しており、側壁4は筒状部の側壁に略対応し、ベース3は、円形のディスクである。或いは、蓋2によってその範囲を画成される空洞5は、若干円錐状を有する。
【0018】
図7bのスポーツキャップ22はより複雑な形状を呈するが、この場合もベース3、側壁4及び空洞5を特定可能である。
【0019】
処理装置1は、回転ユニット6と、重力によって同じ数だけ列8内に配置された蓋2、22を収容可能な複数の縦レール7a、7bとを備える。レール7a、7bは、互いに略平行であり、回転ユニットの周方向拡張部をたどるよう回転ユニット6にしっかりと接続される。
【0020】
独創的に(originally)、レール7a、7bは、少なくとも二つの種類からなる。第一の種類のレール7aは、第一フォーマットの蓋2を収容するよう構成される。第二の種類のレール7bは、第二フォーマットの蓋22を収容するよう構成される。ここで記載及び例示する形態において、第一の種類の各レール7aは、回転ユニット6の周方向拡張部に沿って第二の種類のレール7bと交互に配置される。
【0021】
(図示しない)別の実施形態では、第一の種類のレール7aのグループと第二の種類のレール7bのグループとが、回転ユニット6の周方向拡張部に沿って交互に配置される。
【0022】
第一の種類のレール7aは、平坦キャップ2を収容するような構成されることが好ましい。第二の種類のレール7bは、スポーツキャップ22を収容するよう構成されることが好ましい。
【0023】
ここで記載及び例示する形態において、レール7a、7bは二種類であるが、三種類以上のレールも可能であり、回転ユニット6の周方向拡張部に沿って各レールが交互に又はグループで配置される。
【0024】
ここで記載及び例示する形態において、レール7a、7bは、回転ユニット6の回転軸Aに平行である。
【0025】
添付した全ての図面において、処理装置1は、回転ユニット6の回転軸Aが支持平面に垂直となるように支持平面(地面又は床)上に配置される。従って、レール7a、7bもまた、(回転軸Aに平行なので)支持平面に垂直である。
【0026】
支持平面に対して傾斜した回転軸Aを有する処理装置1を配置する可能性(図示せず)もある。この場合には、レール7a、7bもまた、(回転軸Aに平行なので)支持平面に対して傾斜する。
【0027】
(図示しない)別の形態において、レール7a、7bは、回転ユニット6の回転軸Aに対して所定の角度だけ傾斜する。
【0028】
処理装置1は、清浄度が制御された内部環境10を画成及びその環境を隔離可能な保護筐体9を備える。例えば、保護筐体9は、略八角柱形状又は円筒形状の内部環境10を画成する。
【0029】
特に、保護筐体9は、清浄度が制御された内部環境10と接する、筐体9自身の壁に対する加熱手段を備える。加熱手段は、結露(condensation)を防ぐために壁の温度を制御する手段を備える。加熱手段は、周知の方法で作成される。
【0030】
保護筐体9は、清浄度が制御された内部環境10の調整及び/又は保守作業のための介入を可能とする、少なくとも一つのアクセス窓11を備える。ここに記載及び例示した形態では、三つのアクセス窓11があり、対応する気密のハッチドア12によって閉鎖可能である。
【0031】
レール7a、7b内に収容された各蓋2、22は、空洞5(従って開口)を外側に向けて(例えば図4参照)いる。言い換えれば、空洞5(従って開口)は、保護筐体9の方に向いている。
【0032】
処理装置1は、汚染が管理された内部環境10に向かって蓋2、22を搬送する搬送手段13を備えることが好ましい。搬送手段13は、重力によって蓋2が前進する流路13aと、重力によって蓋22が前進する流路13bとを少なくとも備える。第一流路13aと第二流路13bは、略鉛直であることが好ましい。或いは、第一流路13aと第二流路13bは傾斜している。
【0033】
保護筐体9には、アクセスのための開口14が設けられた上部ベース9aがあり、その開口の内部に第一搬送流路13a及び第二搬送流路13bが通じている。
【0034】
処理装置1は更に、第一流路13a又は第二流路13bへの供給を可能とするよう搬送手段13上で動作可能な、フォーマットの選択手段(図示せず)を備える。
【0035】
処理装置1は、レール7a、7bの下に位置し、蓋2、22の列8を支持する周方向拡張部を更に有する、支持異形材15を備える。
【0036】
ここに記載及び例示した形態において、支持異形材15は、回転ユニット6に固定される。(図示しない)別の形態において、支持異形材15は、回転ユニット6に対して移動可能である。
【0037】
支持異形材15の高さが変化しているために、回転ユニット6が回転すると、蓋2、22の列8がレベル差を有する外周経路をたどり、蓋2、22の間の相対的な変位が決まる。
【0038】
レベル差のある外周経路は、少なくとも一つの上昇部分18と少なくとも一つの下降部分19とを備える。ここに記載及び例示した形態において、レベル差を有する外周経路は、複数の上昇部分18と複数の下降部分19とを備える。例えば、上昇部分18と下降部分19とは、所定の傾斜を有する傾斜路状(ramps)、又は階段状(steps)である。
【0039】
処理装置1は、殺菌物質の分配手段16を備える。ここに記載及び例示した形態において、分配手段16は、回転ユニット6に固定される。或いは、分配手段16は、移動可能である。
【0040】
特に、分配手段16は、蓋2、22の空洞5に向かって殺菌物質を供給するように配置された複数のノズルを備える。特に、これらのノズルは、レール7a、7bと保護筐体9との間に位置し、よってノズルもまた周方向拡張部をたどる。言い換えれば、分配手段16は、蓋2、22のレール7a、7bを収容する周方向拡張部より大きい径を有する同心円状の周方向拡張部を形成する(図3参照)。ここに記載及び例示した形態において、分配手段16は、略垂直に配置された、即ちレール7a、7bに平行な筒状体17からなる。これら筒状体17はそれぞれ、複数のノズルを備える。
【0041】
本発明に記載の、殺菌物質を用いた容器の蓋向けの処理装置の機能について以下に説明する。
【0042】
回転ユニット6は、初期段階として静止状態にあると考える。フォーマットの選択手段により、例えば第一流路13aへの供給が可能となる。
【0043】
第一フォーマット(平坦キャップ)の蓋2は、重力により第一搬送流路13a内を前進し、アクセス開口14を通過すると、アクセス開口14の真下に位置する第一の種類のレール7a内に配置され、これによって第一の列8が形成される。上述したように、各蓋2は、空洞5が保護筐体9に向くように配置される。
【0044】
図5aに示すように、より低いレベルに位置する列8の蓋2a(分かり易くする為に先頭の蓋2と呼ぶことにする)は、支持異形材15上に載置される。
【0045】
回転ユニット6が回転している間、レール7a、7bは、回転ユニット6と共に回転し、第一搬送流路13aから到着した蓋2は、アクセス開口14の下に位置する第一の種類のレール7a内に順次搬出される。フォーマットの選択手段によって更に、第一フォーマットの蓋2が確実に第一の種類のレール7aのみに搬出されるようになっている。
【0046】
レール7a、7bが回転することにより、各列8の先頭の蓋2aは、上昇部分18と下降部分19とに沿ってレベル差を有する外周経路をたどることとなる。例えば、図5a及び5bは、先頭の蓋2aが支持異形材15の段差から下降する様子を示している。この段差によって、下降中に列8内の蓋2同士が分離され、蓋2同士の接触している領域がなくなる。更に、段差から下降する際に、先頭の蓋2aがそれ自身部分的に回転し、ひいてはすぐ上に位置する蓋2を回転させることとなる。
【0047】
回転中、分配手段16は、蓋2の空洞5に向けて殺菌物質を散布し、その結果蓋2の内表面が殺菌される。通常の動作では、全ての内部環境10が殺菌物質で飽和した状態となるので、その結果、蓋2の外表面が殺菌される。
【0048】
更に、段差からの下降及び蓋2自身の部分的な回転の間に蓋2の間で生まれる分離によって、蓋2同士の瞬時の接触帯が変化する。
【0049】
回転ユニット6が部分的又は完全に回転した後に、蓋2は、保護筐体9内に形成された排出開口20を介して外部に送られる。
【0050】
第二フォーマット(スポーツキャップ)の蓋22を処理する場合には、フォーマットの選択手段により、第二流路13bへの供給が可能となる。第二フォーマット(スポーツキャップ)の蓋22は、重力により第二搬送流路13b内を前進し、アクセス開口14を通過すると、アクセス開口14の真下に位置する第二の種類のレール7b内に配置され、これによって第一の列8が形成される。上述したように、各蓋22は、空洞5が保護筐体9に向くように配置される。これ以外については、平坦キャップについて記述したものと機能は同様であるが、但し、第一の種類のレール7aではなく第二の種類のレール7bに関連する。
【0051】
本発明に記載の、殺菌物質を用いた容器の蓋向けの処理装置の特徴は、以上の記載により明らかであり、結果的な利点を有する。
【0052】
特に、少なくとも二つの異なる種類のレールを予め配置したことにより、開示した処理装置は、少なくとも二つのフォーマット(例えば、ねじ式のキャップやスポーツキャップ)の蓋について動作が可能である。
【0053】
蓋のフォーマットの変更が必要な場合には、フォーマット選択手段によって上流での選択をするだけでよく、処理装置での選択が課されることとなり、即ち、第一フォーマットの蓋又は第二フォーマットの蓋の供給が可能となり、結果として、第一の種類のレール又は第二の種類のレールの係合が可能となる。
【0054】
周知の方法とは違って、かなり長い時間の装置の停止を伴う部品(例えば、ディスク、キャップの支持容器、シュート等の)の交換は必要ではなくなる。
【0055】
更に、ここに開示した処理装置は、二つの異なる種類のレールが同じ外周に沿って交互に配置されているために、構造的に簡単であり小型である。
【0056】
更に、高さが変化する支持異形材の存在により、回転ユニットの回転中、蓋が相対的に変位する。このような相対的変位によって確実に、略全ての領域が殺菌物質による処理に徐々に晒されることとなる。言い換えれば、殺菌物質が行き届かない「グレー領域」がなくなるため、従来技術の場合より、各蓋はより均一に殺菌される。
【0057】
よって、従来技術の方法と装置の寸法は同一であるが、殺菌の効果は増加する。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図6c
図7a
図7b
図8