【文献】
Liu Rui R.A. et al.,Design for maintenance accessibility using BIM tools,Facilities,Emerald Group Publishing Limited,2014年,Vol.32, No.3/4,pp.153-159
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記対応策が実行されるまで、前記統合モデリング手段により作成された前記統合BIMモデルの保存を拒否する統合モデル保存制御手段をさらに備える、請求項1に記載のBIMシステム。
制御部と記憶部とを少なくとも備えたサーバ装置および端末装置が通信可能に接続されたBIMシステムであって、前記端末装置の前記記憶部は、建築物のBIMモデルを記憶するBIMモデル記憶手段を備え、前記サーバ装置の前記記憶部は、前記BIMモデルに組込可能な昇降機のBIMパーツを作成するためのパーツ情報を記憶するパーツ情報記憶手段と、前記BIMパーツの前記BIMモデルへの組込態様を示す設計条件と、当該設計条件に応じて作成される、前記BIMパーツが組み込まれた状態の前記BIMモデルである統合BIMモデルに対応した昇降機組込建築物が施工された場合に発生し得る保守作業上のトラブルおよび当該トラブルに対する1以上の対応策を示すトラブル情報と、を対応付けて記憶するトラブル情報記憶手段と、を備え、前記サーバ装置の前記制御部は、前記端末装置から送信される作成条件に対応する前記BIMパーツを、前記パーツ情報記憶手段に記憶された前記パーツ情報を用いて作成する昇降機モデリング手段と、前記昇降機モデリング手段により作成された前記BIMパーツを前記端末装置に送信するパーツ送信手段と、を備え、前記端末装置の前記制御部は、前記パーツ送信手段により送信された前記BIMパーツが、前記BIMモデル記憶手段に記憶された前記BIMモデルに組み込まれた状態の前記統合BIMモデルを作成する統合モデリング手段と、前記統合モデリング手段により作成された前記統合BIMモデルの、前記設計条件を含む特徴を示すモデル情報を前記サーバ装置に送信するモデル情報送信手段と、を備え、前記サーバ装置の前記制御部は、前記モデル情報送信手段により前記モデル情報が送信された場合に、当該モデル情報に基づいて、前記統合モデリング手段により作成された前記統合BIMモデルにおける前記設計条件に対応した前記トラブル情報を前記トラブル情報記憶手段から抽出するトラブル情報抽出手段を備え、前記端末装置は、表示部をさらに備え、前記端末装置の前記制御部は、前記トラブル情報抽出手段により抽出された前記トラブル情報を、前記トラブルと、前記1以上の対応策の一覧と、を対応づけた状態で前記表示部に表示するトラブル情報表示手段をさらに備え、前記トラブル情報表示手段は、前記1以上の対応策の一覧のうち、前記統合BIMモデルの、前記設計条件を含む特徴に最も適応した対応策を強調表示する、BIMシステム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態によるBIMシステムおよび方法を図面に基づいて説明する。
【0009】
BIMによる設計方法では、各業者にて建物全体のデータである建築物の3次元モデル(すなわち、建築物のBIMモデル)を共有することができる。このため、各業者は、共通のデータ上でそれらの関連性および整合性を確認することができる。以下では、このBIMを使用した昇降機客先提案システムについて説明する。
【0010】
以下、実施形態の構成および処理について、第1実施形態(機能分散型のBIMシステム)、第2実施形態(サーバ主導の機能分散型のBIMシステム)、第3実施形態(スタンドアロン型のBIM装置)の順に、詳細に説明する。なお、以下では、原則として、単に「パーツ」と称する場合は建築物を構成する現実の構成部品を指し、「BIMパーツ」と称する場合はパーツに対応するBIMの仮想的な構成部品を指すものとする。しかしながら、説明の便宜上、「パーツ」が「BIMパーツ」を指す場合や、「BIMパーツ」が「パーツ」を指す場合もあるものとする。
【0011】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態によるBIMシステムの構成を示した例示ブロック図である。なお、第1実施形態において実現される各機能モジュールは、以下で例示するような構成に限られず、同様の効果や機能を奏し得る範囲において、任意の単位で、論理的または物理的に分散・統合して構成することができる。また、第1実施形態において実現される各機能モジュールは、ソフトウェアとハードウェアとの協働により実現されてもよいし、ハードウェアのみによって実現されてもよい。
【0012】
図1に示すように、第1実施形態によるBIMシステムは、昇降機の3次元モデル(すなわち、昇降機のBIMパーツ)などの情報を提供可能なサーバ装置200と、単数または複数のBIMアプリケーションなどが搭載された端末装置100と、を備える。
【0013】
サーバ装置200は、制御部202と、記憶部206と、を少なくとも備える。また、端末装置100は、出力部(表示部114および音声出力部116)と、入力部118と、制御部102と、記憶部106と、を少なくとも備える。
【0014】
まず、サーバ装置200の構成についてより具体的に説明する。
【0015】
サーバ装置200は、端末装置100から送信される作成条件に対応する建築物のBIMモデルに組込可能な昇降機のBIMパーツを、記憶部206に記憶されたパーツ情報を用いて作成する機能を有する。また、サーバ装置200は、作成されたBIMパーツを端末装置100へ送信するなどといった機能を有する。
【0016】
サーバ装置200は、通信制御インターフェース部204を介してネットワーク300に接続されており、端末装置100は、通信制御インターフェース部104を介してネットワーク300に接続されている。これにより、サーバ装置200と端末装置100とは、ネットワーク300経由で相互に通信を行うことが可能に構成されている。なお、ここで行われる通信は、有線または無線による遠隔通信などを含む。
【0017】
サーバ装置200の制御部202は、各種の演算処理などを実行する制御手段である。また、サーバ装置200の通信制御インターフェース部204は、通信回線や電話回線などに接続されるアンテナやルータなどの通信装置(図示せず)に接続可能なインターフェースであり、サーバ装置200とネットワーク300との間で実行される通信の制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部204は、ネットワーク300に接続された装置(
図1の例では、端末装置100)とデータ通信を行う機能を有する。
【0018】
また、サーバ装置200の記憶部206は、HDD(Hard Disk Drive)などの固定ディスク装置またはSSD(Solid State Drive)などのストレージ手段であり、データベースやテーブルなどの各種情報(
図1の例では、パーツ情報データベース206aおよびトラブル情報データベース206b)を格納する。
【0019】
パーツ情報データベース206aは、建築物のBIMモデルに組込可能な昇降機のBIMパーツを作成するためのパーツ情報を記憶するパーツ情報記憶手段である。なお、ここで言及する昇降機は、エレベータおよび乗客コンベアを含む概念であり、乗客コンベアは、エスカレータおよび動く歩道を含む。また、ここで言及するパーツ情報は、利用者が建築物のBIMモデルに組み込む昇降機のBIMパーツを設計する上で必要となるあらゆる情報を含む。パーツ情報としては、たとえば、用途、定員、積載量、動作速度、色、機種などといった昇降機の仕様や、昇降機を建築物に設置する際に必要とされるスペース、寸法、各種付属設備、各種配線配管に関する情報が挙げられる。さらに、パーツ情報としては、たとえば、昇降機を構成する必要部材の部材強度、価格、寸法、質量、色、素材、材料、固有振動数といった情報の他、納期、在庫状況、据付時間、仕上げ材、耐用年数、メーカ情報、品番型番などが挙げられるが、これら以外の情報も、パーツ情報に含まれ得る。
【0020】
より具体的に、第1実施形態によるパーツ情報は、たとえば、端末装置100の制御部102によりBIMパーツをBIMモデルに組み込む際に参照されるBIMパーツのサイズ情報を含む。ここで、BIMパーツのサイズ情報は、BIMパーツを構成する各ユニット、構成部品のサイズ情報も含む。BIMパーツを構成する各ユニットとしては、たとえば、昇降機がエレベータである場合には、昇降路、乗りかご、カウンタウェイト、メインロープ、巻上機、ガイドレール、乗り場ホール関連品、機械室、制御盤、電源設備、各種配線配管などが挙げられる。また、BIMパーツを構成する各ユニットとしては、たとえば、昇降機がエスカレータである場合には、トラス、踏段、踏段チェーン、移動手摺、乗降板、欄干、駆動装置、機械室、制御盤、電源設備、各種配線配管などが挙げられる。また、パーツ情報は、たとえば、端末装置100の制御部102によりBIMパーツが変更される際に用いられる設定パラメータを含む。ここで、設定パラメータは、BIMパーツを構成する各ユニットのサイズ、色、材質や、上記の各種配線配管などを規定するパラメータを含む。また、パーツ情報は、予め利用者により指定された点検対象物であることを示す情報も含む。なお、BIMパーツは、典型的なBIMモデルと同様に、このBIMパーツ自体に対象の昇降機に関連するパーツ情報などの属性情報を含んでいる。
【0021】
なお、サーバ装置200の記憶部206には、上記のパーツ情報データベース206aの他にも、トラブル情報データベース206bが記憶されているが、このトラブル情報データベース206bについては、後で詳細に説明するため、ここでは説明を省略する。
【0022】
次に、サーバ装置200の制御部202についてより具体的に説明する。
【0023】
サーバ装置200の制御部202は、OS(Operating System)などの制御プログラムや、各種の処理手順などを規定したプログラム、所要データを格納するための内部メモリなどを有する。そして、制御部202は、これらのプログラムなどを用いて、各種の演算処理などを実行する。
【0024】
ここで、第1実施形態によるサーバ装置200の制御部202は、機能モジュールとして、作成条件受信部202aと、昇降機モデリング部202bと、情報送信部202cと、モデル情報受信部202dと、トラブル情報抽出部202eと、を備える。なお、モデル情報受信部202dおよびトラブル情報抽出部202eについては、後で詳細に説明するため、ここでは、作成条件受信部202a、昇降機モデリング部202b、および情報送信部202cについてのみ説明する。
【0025】
作成条件受信部202aは、端末装置100から送信される作成条件を受信する作成条件受信手段である。ここで、作成条件は、利用者が所望する昇降機の仕様を示す条件である。つまり、作成条件は、建築物のBIMモデルに組込可能な昇降機のBIMパーツを作成するための条件を指定する。作成条件としては、たとえば、機種、色、素材、希望の価格、納期、利用者の嗜好性などが挙げられる。
【0026】
また、昇降機モデリング部202bは、作成条件受信部202aにより受信された作成条件に対応する昇降機のBIMパーツを、パーツ情報データベース206aに記憶されたパーツ情報を用いて作成する昇降機モデリング手段である。昇降機モデリング部202bは、たとえば、エレベータに関する次のような3次元のBIMパーツを作成する。
【0027】
図2は、第1実施形態によるBIMパーツの具体例を示した例示図である。
図2の左側の図は、昇降路、乗りかご、ガイドレールなどのユニットから構成されるBIMパーツを示し、
図2の右側の図は、乗り場ホーム関連品の一例としての乗降口のドアユニットなどから構成されるBIMパーツを示している。
【0028】
昇降機モデリング部202bは、たとえば、作成条件受信部202aにより受信される作成条件としてのBIMモデルの構造情報などに基づいて、建築物の概要、規模、設置位置、電源設備容量などから当該建築物に設置可能な昇降機のBIMパーツを単数あるいは複数作成する。ここで、昇降機モデリング部202bは、作成条件が納期、価格、または嗜好性に関する情報を含む場合、当該情報に応じてBIMパーツを最適化して作成するようにしてもよい。たとえば、昇降機モデリング部202bは、利用者によって昇降機の設置に際し納期優先の選択がなされている場合には、設置可能な昇降機のBIMパーツのうち納期が早いものから順に自動で複数作成するようにしてもよい。同様に、昇降機モデリング部202bは、利用者によって価格優先の選択がなされている場合には、設置可能な複数の昇降機のBIMパーツのうち価格が安いものから順に自動で複数作成するようにしてもよい。昇降機モデリング部202bは、利用者によって利用者の嗜好性が設定されている場合には、設置可能な複数の昇降機のBIMパーツのうち嗜好性にあったものから順に自動で複数作成するようにしてもよい。なお、昇降機モデリング部202bは、作成した昇降機のBIMパーツを記憶部206に格納し、BIMパーツデータベース(図示せず)を構築してもよい。
【0029】
図1に戻り、情報送信部202cは、昇降機モデリング部202bにより作成された昇降機のBIMパーツを端末装置100へ送信する情報送信手段である。ここで、情報送信部202cは、複数のBIMパーツを含む計算結果を端末装置100へ送信してもよい。
【0030】
次に、端末装置100の構成についてより具体的に説明する。
【0031】
端末装置100は、サーバ装置200から受信された昇降機のBIMパーツを、端末装置100の記憶部106に記憶された建築物のBIMモデルに組み込んだ状態の昇降機組込建築物に対応する統合BIMモデルを作成する機能を有する。また、端末装置100は、統合BIMモデルを作成した場合、当該統合BIMモデルの特徴(BIMパーツのBIMモデルへの組込態様を示す設計条件を含む)を示すモデル情報をサーバ装置200に送信する機能を有する。そして、端末装置100は、サーバ装置200から受信されるトラブル情報を利用者に通知するためのトラブル情報表示画面を生成し、生成したトラブル情報表示画面を表示部114に表示する機能を有する。
【0032】
端末装置100は、たとえば、パーソナルコンピュータなどの一般的な情報処理装置や、スマートフォンなどの携帯端末装置などである。なお、端末装置100は、表示部114と音声出力部116とを少なくとも含む出力部を備えていてもよいし、利用者の操作入力などを受け付ける入力部118を備えていてもよい。
【0033】
表示部114は、アプリケーションなどにより生成される表示画面を表示する表示手段(たとえば、液晶または有機ELなどから構成されるディスプレイ、モニタ、および、タッチパネルなど)である。また、音声出力部116は、音声を出力する音声出力手段(たとえば、スピーカなど)である。また、入力部118は、たとえば、キー入力部、タッチパネル、コントロールパッド(たとえば、タッチパッド、および、ゲームパッドなど)、マウス、キーボード、および、マイクなどである。これら表示部114、音声出力部116、および入力部118に対する入出力は、端末装置100の入出力制御インターフェース部108によって制御される。
【0034】
端末装置100の通信制御インターフェース部104は、通信回線や電話回線などに接続されるアンテナやルータなどの通信装置(図示せず)に接続可能なインターフェースであり、端末装置100とネットワーク300との間で実行される通信の制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部104は、ネットワーク300に接続された装置(
図1の例では、サーバ装置200)とデータ通信を行う機能を有する。
【0035】
また、端末装置100の記憶部106は、HDDやSSDなどの大容量のストレージ手段、および/または、SRAM(Static Random Access Memory)などを用いて構成される小容量高速メモリ(たとえば、キャッシュメモリ)などのストレージ手段である。記憶部106は、データベースやファイルやテーブルなどの各種情報(
図1の例では、BIMモデルデータベース106aおよび保守情報データベース106b)を格納する。
【0036】
BIMモデルデータベース106aは、建築物のBIMモデルを記憶するBIMモデル記憶手段である。第1実施形態によるBIMモデルデータベース106aには、予め設計者により設計された建築物のBIMモデルが格納されている。BIMモデルは、たとえば、建物形状、空間関係、地理情報、建物部材の数量や特性、部材強度、固有振動数、耐用年数、各種付属設備、各種配線配管などの構造情報を含む。構造情報は、建物用途、建物規模、階床数、階床名、階高、各階の使用用途、フロア人員、占有面積などから算出可能な昇降機の利用人数などの情報を含んでいてもよいし、対象の建築物を構成する各構造ユニットに関する寸法、位置などを示す情報を含んでいてもよい。ここで、BIMモデルを構成する各構造ユニットとしては、たとえば、建築物に配置される部屋、壁、通路、非常階段、避難経路、ガス管、水道管、火災報知機、スプリンクラー、梁、安全対策品などが挙げられる。
【0037】
なお、端末装置100の記憶部106には、上記のBIMモデルデータベース106aの他にも、保守情報データベース106bが記憶されているが、この保守情報データベース106bについては、後で詳細に説明するため、ここでは説明を省略する。
【0038】
次に、端末装置100の制御部102についてより具体的に説明する。
【0039】
端末装置100の制御部102は、OSなどの制御プログラムや、各種の処理手順などを規定したプログラム、所要データを格納するための内部メモリなどを有する。そして、制御部102は、これらのプログラムなどを用いて、各種の演算処理などを実行する。
【0040】
ここで、第1実施形態による端末装置100の制御部102は、機能モジュールとして、作成条件送信部102aと、統合モデリング部102bと、モデル情報送信部102cと、トラブル情報表示部102dと、統合モデル保存制御部102eと、保守情報出力部102fと、を備える。
【0041】
作成条件送信部102aは、利用者により入力される作成条件をサーバ装置200へ送信する作成条件送信手段である。前述したように、作成条件は、利用者が所望する昇降機の仕様を示す条件などである。つまり、利用者は、入力部118などを用いて作成条件を入力することで、建築物のBIMモデルに組込可能な昇降機のBIMパーツを作成するための条件を指定する。なお、作成条件は、予め作成条件が記憶された外部記憶装置(図示せず)から読み込まれたものであってもよい。
【0042】
また、統合モデリング部102bは、サーバ装置200から受信した昇降機のBIMパーツを、BIMモデルデータベース106aに記憶された建築物のBIMモデルに組み込んだ状態の統合BIMモデルを作成する統合モデリング手段である。統合モデリング部102bは、たとえば、次のような統合BIMモデルを作成する。
【0043】
図3は、第1実施形態による統合BIMモデルの具体例を示した例示図である。
図3に示した統合BIMモデルは、
図2に例示したようなBIMパーツに対応するエレベータが設置された昇降機組込建築物の完成像(3次元像)を示している。
【0044】
ところで、上記のような統合BIMモデルに基づいて実際の昇降機組込建築物を施工する場合、設計条件(BIMパーツのBIMモデルへの組込態様)によっては、施工後の保守作業時に、たとえば次のようなトラブルが発生することがある。
【0045】
図4は、第1実施形態における設計条件とトラブルとの関連性を説明するための例示図である。
図4には、建物内の最上階と建物の屋上階との間を昇降するための垂直タラップ1と、建物内に設けられる、エレベータの昇降路2と、が例示されている。また、
図4には、建物の屋上階に設けられる、エレベータの出入口3aと、建物内の最上階に設けられる、エレベータの出入口3bと、が例示されている。また、
図4には、エレベータの巻上機4と、エレベータの制御盤5と、エレベータのかご6と、が例示されている。さらに、
図4には、救出ウェイト7と、カウンタウェイト8と、が例示されている。
【0046】
図4に例示した建物は、建物の屋上階に行く手段がエレベータ以外では垂直タラップ1のみであるという条件と、巻上機4が昇降路2内に設けられているという条件と、制御盤5が昇降路2内において屋上階に対応する位置に設けられているという条件と、の3つの設計条件のもとで設計・施工されている。このため、
図4に例示した建物では、かご6が屋上階に位置している時には、救出ウェイト7によってかご6を建物内の最上階まで下降させなければ、制御盤5の保守点検を行うことができない。さらに、
図4に例示した建物では、救出ウェイト7を屋上階に保管することができないため、制御盤5の保守点検の度に、垂直タラップ1経由で救出ウェイト7を屋上階まで運ぶ必要があり、不便である。
【0047】
このように、建築物の施工後に発生する保守作業上のトラブルと、当該建築物の設計条件とは、互いに関連している。従来では、このようなトラブルを建築物の施工前の設計段階で回避できるか否かは、設計者の知識・経験に依存していた。しかしながら、設計条件と、トラブルと、当該トラブルの対応策と、の関連性を情報として蓄積しておけば、蓄積した情報を利用することで、どのような設計者でも、施工後のトラブルを設計段階で回避し、保守作業性の高い建築物を設計することが可能となる。
【0048】
そこで、第1実施形態では、以下のような構成により、上記のトラブル回避を実現している。
【0049】
より具体的に、まず、第1実施形態では、サーバ装置200の記憶部206に、上述した関連性を蓄積するトラブル情報データベース206bが記憶されている。トラブル情報データベース206bは、BIMパーツのBIMモデルへの組込態様を示す設計条件と、当該設計条件に応じて作成される、BIMパーツが組み込まれた状態のBIMモデルである統合BIMモデルに対応した昇降機組込建築物が施工された場合に発生し得るトラブルおよび当該トラブルに対する1以上の対応策を示すトラブル情報を記憶するトラブル情報記憶手段である。
【0050】
図5は、第1実施形態によるトラブル情報データベース206bのデータ構造を示した例示図である。
図5に示すように、トラブル情報データベース206bには、設計条件と、想定されるトラブルと、当該トラブルに対する対応策と、その他の関連情報と、が記憶される。なお、関連情報は、たとえば、対応策が複数存在する場合における対応策の優先度(有効性)に関する情報などである。
【0051】
図1に戻り、第1実施形態による端末装置100のモデル情報送信部102cは、統合モデリング部102bにより統合BIMモデルが作成された場合に、当該統合BIMモデルの特徴を示すモデル情報を、ネットワーク300を介してサーバ装置200に送信するモデル情報送信手段である。モデル情報は、統合モデリング部102bにより作成された統合BIMモデルの設計条件の他、当該統合BIMモデルに他のBIMパーツを組み込む余裕の有無など、統合BIMモデルの特徴に関する様々な情報を含む。
【0052】
サーバ装置200のモデル情報受信部202dは、上記のモデル情報を端末装置100から受信するモデル情報受信手段である。また、サーバ装置200のトラブル情報抽出部202eは、モデル情報受信部202dによりモデル情報が受信された場合に、当該モデル情報に含まれる設計条件に対応したトラブル情報をトラブル情報データベース206bから抽出するトラブル情報抽出手段である。トラブル情報抽出部202eにより抽出されたトラブル情報は、情報送信部202cなどにより、端末装置100に送信される。
【0053】
端末装置100のトラブル情報表示部102dは、サーバ装置200から受信されたトラブル情報に基づいて、トラブルと、当該トラブルに対する1以上の対応策の一覧と、を対応づけた状態で表示部114に表示するトラブル情報表示手段である。たとえば、トラブル情報表示部102dは、次のようなトラブル情報表示画面を表示部114に表示する。
【0054】
図6は、第1実施形態によるトラブル情報表示画面の一例を示した例示図である。
図6の例では、1つの画面IM1内に、トラブル(問題点)を表示する領域Xと、当該トラブルに対する3つの対応策(対応方法)の一覧を表示する領域Yと、が設けられている。ここで、
図6の例では、領域Yに、3つの対応策にそれぞれ対応するように設けられた3つのチェックボタンZが表示されている。利用者は、この画面IM1の領域Yに表示された対応策を採用して設計変更を行った後、当該対応策に対応するチェックボタンZを押下する操作などを行うことで、当該対応策を領域Yから消去することができる。つまり、チェックボタンZは、トラブルを回避することができたか否かを確認するためのボタンである。
【0055】
なお、第1実施形態では、対応策の一覧のうち、統合BIMモデルの特徴に最も適応した対応策が強調表示されたトラブル情報表示画面が表示されてもよい。つまり、第1実施形態によるトラブル情報表示部102dは、
図6に例示したトラブル情報表示画面ではなく、次のようなトラブル情報表示画面を表示してもよい。
【0056】
図7は、第1実施形態によるトラブル情報表示画面の
図6とは異なる一例を示した例示図である。
図7の例においても、
図6の例と同様に、1つの画面IM1a内に、トラブル(問題点)を表示する領域Xと、当該トラブルに対する3つの対応策(対応方法)の一覧を表示する領域Yと、チェックボタンZと、が設けられている。ここで、
図7の例では、2つの対応策(「提案1」および「提案3」)が強調表示されている。「提案2」は、「建物内最上階から屋上階を結ぶ階段」を新たに設置するという提案であり、この提案は、統合BIMモデルに新たなBIMパーツを組み込む余裕がなければ実現できない。このため、
図7の例では、大きな設計変更の必要がない「提案1」および「提案3」が、「提案2」よりも優先度(有効性)が高いものとして強調表示されている。
【0057】
また、第1実施形態では、トラブルが発生する可能性を孕んだ統合BIMモデルが保存されるのを回避する仕組みが設けられている。すなわち、
図1に戻り、第1実施形態による端末装置100には、トラブル情報表示画面に表示された対応策が実行されるまで、統合モデリング部102bにより作成された統合BIMモデルの保存を拒否する統合モデル保存制御手段として機能する統合モデル保存制御部102eが設けられている。
【0058】
さらに、第1実施形態では、トラブルが回避された統合BIMモデルに対応する昇降機組込建築物の施工後の保守手順の作業者への通知を容易にする仕組みが設けられている。すなわち、第1実施形態による端末装置100の記憶部106には、統合モデリング部102bにより作成される統合BIMモデルの特徴に応じた昇降機組込建築物の保守手順を記憶する保守手順記憶手段としての保守情報データベース106bが記憶されている。
【0059】
図8は、第1実施形態による保守情報データベース106bのデータ構造を示した例示図である。
図8に示すように、保守情報データベース106bは、統合BIMモデルの特徴を示すモデル情報(設計条件など)と、当該特徴を有した統合BIMモデルに対応する昇降機組込建築物が実際に施工された場合の保守手順と、を対応付けて記憶する。
【0060】
図1に戻り、端末装置100の保守情報出力部102fは、保守作業者からの要求などに応じて、上述のような対応策が実行された統合BIMモデルのモデル情報に対応した保守手順を保守情報データベース106bから読み出し、読み出した保守手順を、保守作業者の携帯端末などに出力する。
【0061】
次に、第1実施形態によるBIMシステムの動作について説明する。
【0062】
図9は、第1実施形態によるBIMシステムにおいて実行される処理を示した例示シーケンス図である。
【0063】
図9に示すように、第1実施形態では、まず、S11において、端末装置100は、BIMパーツの作成条件をサーバ装置200に送信する。そして、S21において、サーバ装置200は、S11で端末装置100により送信された作成条件を受信する。
【0064】
S22において、サーバ装置200は、パーツ情報データベース206aに記憶されたパーツ情報を用いて、S21で受信された作成条件に対応するBIMパーツを作成する。そして、S23において、サーバ装置200は、S22で作成したBIMパーツを端末装置100に送信する。
【0065】
S12において、端末装置100は、S22でサーバ装置200により送信されたBIMパーツを受信する。そして、S13において、端末装置100は、S12で受信されたBIMパーツを、BIMモデルデータベース106aに記憶された建築物のBIMモデルに組み込み、統合BIMモデルを作成する。そして、S14において、端末装置100は、S13で作成された統合BIMモデルの特徴を示すモデル情報(BIMパーツのBIMモデルへの組込態様を示す設計条件を含む)をサーバ装置200に送信する。
【0066】
S24において、サーバ装置200は、S14で端末装置100により送信されたモデル情報を受信する。そして、S25において、サーバ装置200は、トラブル情報データベース206bを参照し、モデル情報のうちの設計条件に対応したトラブルや当該トラブルに対する対応策などといったトラブル情報を抽出する。
【0067】
S26において、サーバ装置200は、S25で抽出されたトラブル情報を端末装置100に送信する。そして、S15において、端末装置100は、S26でサーバ装置200により送信されたトラブル情報を受信する。
【0068】
S16において、端末装置100は、S15で受信されたトラブル情報に基づき、トラブルと、当該トラブルに対する対応策の一覧と、を対応付けた状態で表示するトラブル情報表示画面を表示部114に表示する。そして、S17において、端末装置100は、S16で表示されたトラブル情報表示画面内の対応策が実行されるまで、S13で作成された統合BIMモデルを保存不可の状態に設定する。
【0069】
以上説明したように、第1実施形態によるBIMシステムは、トラブル情報データベース206bと、トラブル情報抽出部202eと、を備える。ここで、トラブル情報データベース206bは、BIMパーツの組込態様を示す設計条件と、当該設計条件に応じて作成される統合BIMモデルに対応した昇降機組込建築物が施工された場合に発生し得るトラブルおよび当該トラブルに対する1以上の対応策を示すトラブル情報を記憶する。また、トラブル情報抽出部202eは、統合BIMモデルが作成された場合に、当該統合BIMモデルの設計条件に対応したトラブル情報をトラブル情報データベース206bから抽出する。これらの構成により、第1実施形態では、設計者の経験・知識に頼らずとも、施工後に発生することが想定されるトラブルを設計段階で回避し、保守作業性の高い建築物を設計することができる。
【0070】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態(サーバ主導の機能分散型のBIMシステム)について説明する。この第2実施形態では、第1実施形態と異なり、統合BIMモデルの作成や、トラブル情報の出力などが、サーバ装置1200側で行われる。以下では、第1実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略する。
【0071】
図10は、第2実施形態によるBIMシステムの構成を示した例示ブロック図である。
図10に示すように、第2実施形態によるBIMシステムは、端末装置1100と、サーバ装置1200と、を備える。端末装置1100とサーバ装置1200とは、ネットワーク300を介して通信可能に接続されている。
【0072】
端末装置1100は、制御部1102と、記憶部1106と、を少なくとも備える。また、サーバ装置1200は、制御部1202と、記憶部1206と、を少なくとも備える。
【0073】
第2実施形態では、第1実施形態と異なり、統合BIMモデルを作成する統合モデリング部1202cが、サーバ装置1200に設けられている。なお、統合BIMモデルの作成に必要なBIMモデルは、端末装置1100の記憶部1106のBIMモデルデータベース106aから予めサーバ装置1200に転送され、サーバ装置1200の記憶部1206に、BIMモデルファイル1206cとして予め一時的に記憶されているものとする。
【0074】
サーバ装置1200のトラブル情報抽出部1202dは、統合モデリング部1202cにより作成された統合BIMモデルの特徴(モデル情報)に基づき、当該統合BIMモデルの設計条件に対応したトラブル情報を、記憶部1206のトラブル情報データベース206bから抽出する。そして、サーバ装置1200のトラブル情報表示部1202eは、トラブル情報抽出部1202dにより抽出されたトラブル情報を表示するトラブル情報表示画面のデータを生成し、当該データを端末装置1100に転送することで、トラブル情報表示画面を表示部114に表示させる制御を端末装置1100の制御部1102に実行させる。
【0075】
また、サーバ装置1200の統合モデル保存制御部1202fは、トラブル情報表示画面が表示部114に表示された場合、当該トラブル情報表示画面に表示された対応策が利用者により実行されるまで、統合モデリング部1202cにより作成された統合BIMモデルの保存を拒否する。
【0076】
さらに、サーバ装置1200の保守情報出力部1202gは、保守作業者からの要求などに応じて、上記の対応策が実行された統合BIMモデルの特徴に対応した保守手順を保守情報データベース1206dから読み出し、読み出した保守手順を、保守作業者の携帯端末などに出力する。なお、第2実施形態では、第1実施形態と異なり、保守情報データベース1206dが、サーバ装置1200の記憶部1206に記憶されている。
【0077】
なお、第2実施形態のその他の構成、および動作は、第1実施形態と実質的に同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0078】
以上説明したように、第2実施形態によるBIMシステムにおいても、第1実施形態によるBIMシステムと同様に、トラブル情報を記憶するトラブル情報データベース206bと、統合BIMモデルの設計条件に応じて適切なトラブル情報を抽出するトラブル情報抽出部1202dと、が設けられている。これにより、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、設計者の経験・知識に頼らずとも、施工後に発生することが想定されるトラブルを設計段階で回避し、保守作業性の高い建築物を設計することができる。
【0079】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態(スタンドアロン型のBIM装置)について説明する。この第3実施形態では、BIMなどに関する種々の機能がネットワーク300を介して接続された2つの装置に分散して設けられた第1実施形態および第2実施形態と異なり、BIMなどに関する種々の機能が単一の装置に設けられる。以下では、第1実施形態および第2実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略する。
【0080】
図11は、第3実施形態によるBIM装置400の構成を示した例示ブロック図である。
図11に示すように、第3実施形態によるBIM装置400は、制御部402と、記憶部406と、を少なくとも備える。制御部402は、入出力制御インターフェース部408を介して、表示部414および音声出力部416を備えた出力部と、入力部418と、に接続されている。
【0081】
第3実施形態によるBIM装置400は、第1実施形態および第2実施形態と同等の機能を、単独で実現する。つまり、第3実施形態によるBIM装置400の記憶部406は、第1実施形態および第2実施形態と同等の4種類のデータベース(パーツ情報データベース406a、BIMモデルデータベース406b、トラブル情報データベース406c、保守情報データベース406d)を備える。また、第3実施形態によるBIM装置400の制御部402は、第1実施形態および第2実施形態と同等の機能モジュール(作成条件設定部402a、昇降機モデリング部402b、統合モデリング部402c、トラブル情報抽出部402d、トラブル情報表示部402e、統合モデル保存制御部402f、保守情報出力部402g)を備える。
【0082】
より具体的に、作成条件設定部402aは、利用者による入力などに応じて、BIMパーツの作成条件を設定する。そして、昇降機モデリング部402bは、パーツ情報データベース406aに記憶されたパーツ情報を用いて、作成条件設定部402aにより設定された作成条件に応じたBIMパーツを作成する。そして、統合モデリング部402cは、昇降機モデリング部402bにより作成されたBIMパーツを、BIMモデルデータベース406bに記憶されたBIMモデルに組み込み、統合BIMモデルを作成する。
【0083】
トラブル情報抽出部402dは、統合モデリング部402cにより作成された統合BIMモデルの特徴(モデル情報)に基づき、当該統合BIMモデルの設計条件に対応したトラブル情報を、トラブル情報データベース406cから抽出する。そして、トラブル情報表示部402eは、トラブル情報抽出部402dにより抽出されたトラブル情報を、トラブルと、当該トラブルに対する対応策の一覧と、が対応付けられたトラブル情報表示画面として、表示部114に表示する。
【0084】
また、統合モデル保存制御部402fは、トラブル情報表示画面が表示部114に表示された場合、当該トラブル情報表示画面に表示された対応策が利用者により実行されるまで、統合モデリング部402cにより作成された統合BIMモデルの保存を拒否する。
【0085】
さらに、保守情報出力部402gは、保守作業者からの要求などに応じて、上記の対応策が実行された統合BIMモデルの特徴に対応した保守手順を保守情報データベース406dから読み出し、読み出した保守手順を、保守作業者の携帯端末などに出力する。
【0086】
以上説明したように、第3実施形態によるBIM装置400も、第1実施形態および第2実施形態によるBIMシステムと同様に、トラブル情報を記憶するトラブル情報データベース406cと、統合BIMモデルの設計条件に応じて適切なトラブル情報を抽出するトラブル情報抽出部402dと、が設けられている。これにより、第3実施形態においても、第1実施形態および第2実施形態と同様に、設計者の経験・知識に頼らずとも、施工後に発生することが想定されるトラブルを設計段階で回避し、保守作業性の高い建築物を設計することができる。
【0087】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、上述した実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上述した実施形態は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上述した実施形態およびその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0088】
たとえば、上述した実施形態は、昇降機としてエレベータの例について説明したが、エスカレータ、動く歩道などの乗客コンベアについても同様に適用できる。
【0089】
また、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0090】
このほか、上述の説明で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件などのパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0091】
また、上述した実施形態の各装置に関して、図に例示した各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0092】
たとえば、実施形態の各装置が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、後述するような記録媒体に記録されており、必要に応じてCPUにより機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDDなどの記憶部には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0093】
上記のコンピュータプログラムは、端末装置、サーバ装置、およびBIM装置に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0094】
また、上記のコンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されてもよく、また、コンピュータプログラムプロダクトとして構成することもできる。ここで、記録媒体とは、メモリーカード、USBメモリ、SDカード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD、および、Blu−ray Disc(登録商標)などといった、任意の可搬用の物理媒体を含むものとする。
【0095】
ここで、コンピュータプログラムとは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコードなどの形式を問わない。ここでいうコンピュータプログラムは、必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態の各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順などについては、周知の構成や手順を用いることができる。
【0096】
上述した実施形態の記憶部に格納される各種のデータベースは、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイルなどを格納可能な、RAM、ROMなどのメモリ装置、ハードディスクなどの固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスクなどのストレージ手段であってもよい。
【0097】
また、実施形態の各装置は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーションなどの情報処理装置として構成してもよく、また、当該情報処理装置に任意の周辺装置を接続して構成してもよい。また、実施形態の各装置は、上記の情報処理装置に、対応する実施形態の方法を実現させるソフトウェア(コンピュータプログラムやデータなどを含む)を実装することにより実現してもよい。
【0098】
さらに、実施形態の各機能の分散・統合の具体的形態は、図で例示したものに限られず、その全部または一部を、各種の付加などに応じて、または、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態は、任意に組み合わせて実施することも可能であるし、選択的に実施することも可能である。