(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6239055
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】シート材束の包装容器
(51)【国際特許分類】
B65D 5/66 20060101AFI20171120BHJP
B65D 5/50 20060101ALI20171120BHJP
B65D 5/54 20060101ALI20171120BHJP
B65D 5/52 20060101ALI20171120BHJP
B65D 5/43 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
B65D5/66 311H
B65D5/50 B
B65D5/54 311A
B65D5/52 L
B65D5/43
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-135796(P2016-135796)
(22)【出願日】2016年7月8日
【審査請求日】2016年8月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】507180939
【氏名又は名称】フモト・トレーディング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095289
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 弘
(72)【発明者】
【氏名】山本 涼平
(72)【発明者】
【氏名】山本 直行
【審査官】
田口 傑
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−291980(JP,A)
【文献】
実開昭58−024717(JP,U)
【文献】
実開昭52−084438(JP,U)
【文献】
特開2016−037301(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0007131(US,A1)
【文献】
実開昭59−000722(JP,U)
【文献】
特開2005−088899(JP,A)
【文献】
特許第5271384(JP,B2)
【文献】
実開昭52−084439(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/00−5/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材の形状に沿った形状を有し、包装する際にシート材束が載せられる矩形の底板部と、
該底板部の一対の長辺に折り目を介して各々接続される長辺側板部と、
前記底板部の一対の短辺に折り目を介して各々接続される短辺側板部と、
前記各長辺側板部の先端側に折り目を介して各々接続され、互いに先端部を重なり合わせることで包装状態となる一対の天板構成部と、
前記各短辺側板部の先端側に、折り目を介して基端が各々接続された一対の挿入端部と、
一対の天板構成部を重なり合った状態に接続して不可逆的に固定する接続固定部と、
前記長辺側板部又は前記短辺側板部のいずれかに形成され、収容されているシート材束を視認するための視認窓と、
前記挿入端部の先端辺と基端部折り目との間に設けられた折返し線と、
前記折返し線の先端側に形成され該折返し線で折り返される折返し部とを有し、
前記折返し部が、前記折返し線で内側に折り返された場合には、包装状態において折返し部の先端がシート材の表面に当接され、
前記折返し部が、前記折返し線で外側に折り返された場合には、包装状態において前記挿入端部の先端がシート材の表面に押し付けられることを特徴とする包装容器。
【請求項2】
前記接続固定部は、
一方の天板構成部の先端に突出形成され、両端が鉤状に形成された挿入係止部と、
他方の天板構成部において、前記挿入係止部に対向する位置に形成された係止穴部とを有し、
前記挿入係止部の幅は、前記係止穴部の幅より若干大きいことを特徴とする請求項1に記載の包装容器。
【請求項3】
前記挿入端部の長さは、各側板部の高さの2.5倍以上の長さである請求項1又は2に記載の包装容器。
【請求項4】
包装状態で先端部が重ねられる一対の天板構成部の内、内側に位置する天板構成部は、包装状態で前記折返し線に対向する位置に挿通部を有し、
包装状態において、前記折返し部は前記挿通部に挿通し、前記折返し線で折り返される請求項1〜3のいずれか1に記載の包装容器。
【請求項5】
少なくとも一方の天板構成部において、前記接続固定部を囲む線上に所定の間隔で配置された複数の切込みからなる封止解除部を有する請求項1〜4のいずれか1に記載の包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シート材束の包装容器に係り、詳しくは札束のような紙材等の束を包装し、封止構造を有する包装容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、所定枚数(例えば、100枚)重ねられた紙幣の束を管理する場合、封止帯が束に巻き付けられている。現金を100枚単位で扱く場合には、封止された状態を解くことはない。帯による封止は、封止されている100枚の中から1枚〜数枚抜き取ることも可能であり、封が付いている束がず100枚であることを保証するものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3093907号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既述のような抜き取りを防止するには、札束の封止帯に代わって、札束の周囲を包んで包装してしまう専用の包装箱を用いるのが好ましいが、従来提案されていない。陳列用包装箱などでは、特許文献1に記載されているように、札束ではく、はがきサイズの包装箱が存在するが、札束の大きさに合わせて構成された包装容器はなかった。また、封止帯で札を束ねた場合、札の抜き取りを防止するためには、封止帯によって札束を強く締め付けて止める必要があるが、この場合には、帯で締め付けられた札が傷むといった問題もあった。
【0005】
この発明は、札束等のシート状のもの重ねた状態で包装する包装容器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)シート材の形状に沿った形状を有し、包装する際にシート材束が載せられる矩形の底板部と、
該底板部の一対の長辺に折り目を介して各々接続される長辺側板部と、
前記底板部の一対の短辺に折り目を介して各々接続される短辺側板部と、
前記各長辺側板部の先端側に折り目を介して各々接続され、互いに先端部を重なり合わせることで包装状態となる一対の天板構成部と、
前記各短辺側板部の先端側に、折り目を介して基端が各々接続された一対の挿入端部と、
一対の天板構成部を重なり合った状態に接続して不可逆的に固定する接続固定部と、
前記長辺側板部又は前記短辺側板部のいずれかに形成され、収容されているシート材束を視認するための視認窓と、
前記挿入端部の先端辺と基端部折り目との間に設けられた折返し線と、
前記折返し線の先端側に形成され該折返し線で折り返される折返し部とを有し、
前記折返し部が、前記折返し線で内側に折り返された場合には、包装状態において折返し部の先端がシート材の表面に当接され、
前記折返し部が、前記折返し線で外側に折り返された場合には、包装状態において前記挿入端部の先端がシート材の表面に押し付けられることを特徴とする包装容器。
【0007】
(2)前記接続固定部は、
一方の天板構成部の先端に突出形成され、両端が鉤状に形成された挿入係止部と、
他方の天板構成部において、前記挿入係止部に対向する位置に形成された係止穴部とを有し、
前記挿入係止部の幅は、前記係止穴部の幅より若干大きいことを特徴とする上記(1)に記載
の包装容器。
【0009】
(3)
前記挿入端部の長さは、各側板部の高さの2.5倍以上の長さである上記(1)又は(2)に記載の包装容器。
【0011】
(4)包装状態で先端部が重ねられる一対の天板構成部の内、内側に位置する天板構成部は、包装状態で前記折返し線に対向する位置に挿通部を有し、
包装状態において、前記折返し部は前記挿通部に挿通し、前記折返し線で折り返される上記(1)
〜(3)のいずれか1に記載の包装容器。
【0012】
(5)少なくとも一方の天板構成部において、前記
接続固定部を囲む線上に所定の間隔で配置された複数の切込みからなる封止解除部を有する上記(1)
〜(4)のいずれか1に記載の包装容器。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の本発明によれば、底板部と、一対の長辺側板部と、一対の短辺側板部と、一対の天板構成部とによって、内側にシート材束を収容する箱が形成される。そして、一対の天板構成部を固定部によって重なり合わせて不可逆的に固定することで、内部に収容されているシート材束を確実に封止することができる。シート材束は本発明の包装容器によって、外周面がすべて覆われているので、シート材束から一部を抜き取ることもできず、本発明の包装容器による包装を解くには、包装箱の一部を破損させなければならないので、包装容器に損傷がなければ、収容されているシート束が、包装前の枚数と同じであることを示すこととなる。
視認窓を設けることによって、被包装物を外側から視覚により、確認することができる。挿入端部に折返し部を設けることで、枚数が少量であるシート材束を収容した際、折返し部によってシート材束が押さえつけられ、包装容器内でシート材束を固定することができる。
【0014】
請求項2に記載の本発明によれば、
接続固定部を挿入係止部と、係止穴部とによって構成することによって、粘着剤等のように不可逆的に固定するための別の要素を付加することなく、包装容器を構成する材料の形状のみで、封止構造を構成することができる。イニシャルコストの低減を図ることができる。
【0015】
請求項
3に記載の本発明によれば、挿入端部の長さを側板部の高さの2.5倍以上の長さとするとによって、挿入端部を引き出すことが困難となり、短辺側板部を開放して包装を解除することを抑制できる
。
【0016】
請求項
4に記載の本発明によれば、折返し部を挿通部に挿通して折り返すことによって、挿入端部の引き出しを確実に防止することができる。
請求項
5に記載の本発明によれば、封止解除部を設けることで、封止解除を容易に実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】本発明の包装容器を各折り目で折り曲げた状態を示す全体斜視図である。
【
図4】本発明の包装容器の部分拡大断面側面図である。
【
図7】本発明の包装容器の封止状態を示す全体斜視図である。
【
図8】封止解除部の構成を示す、本発明の包装容器の部分展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る包装容器について、添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示されているように、本発明の包装容器1は、所望の剛性を有するシート材を所定の展開図形に切り出し、その切り出したものを所定の折り目で折り曲げて箱状に組み上げて構成されている。本発明の包装容器では、ボール紙を切り出したものを組み立てて構成されている。ボール紙の他、プラスチックなどの樹脂製の薄板や、薄い金属板を用いてもよい。
図1の展開図は、包装容器1の外側を表す図である。
図2は、後述する各折り目で折り曲げられた状態(開放状態)を示す包装容器1の全体斜視図である。包装容器1は、容器の底部となる矩形の底板部2と、底板部2の対向する長辺に、折り目21d、21cを介して各々接続された長辺側板部3d、3cと、底板部2の対向する短辺に、折り目21a、21bを介して各々接続された短辺側板部3a、3bと、長辺側板部3d、3cに折り目31d、31cを介して各々接続された天板構成部5d、5cと、短辺側板部3a、3bに折り目31a、31bを介して接続された挿入端部であるフラップ4a、4bとを有している。
【0019】
底板部2の外側面には、文字情報や図形情報等の視覚情報を書き込むための情報担持領域22が設けられている。底板部2の形状は、内側に収容される被収容物としての、シート材束の形状に合わせた長方形に構成されている。収容されるシート材束を構成するシート材とは、例えば、お札、商品券等の財産的価値を有する券、その他、これに限らず、個人的に価値を有するもの(例えば、思い出の品や、写真等)であってもよい。
【0020】
底板部2を矩形に囲む端辺部には、長辺部分に折り目21d、21cが、短辺部分に折り目21a、21bがそれぞれ設けられている。折り目21dを介して長辺側板部3dが接続されており、この長辺側板部3dも矩形に構成され、その幅Tは、シート材束の厚さに対応した長さとなっている。同様に、折り目21cを介して長辺側板部3cが底板部2に接続されている。長辺側板部3cと長辺側板部3dは、同形状に構成されている。
【0021】
折り目21aを介して短辺側板部3aが接続されており、この短辺側板部3aも矩形に構成されている。同様に、折り目21bを介して短辺側板部3bが底板部2に接続されている。短辺側板部3aと短辺側板部3bは、同形状に構成されており、短辺側板部3bには、孔が形成されており、この孔によって視認窓44が構成される。視認窓44は、包装容器1に格納されたシート材の種類や量を、外側から視覚で確認するためにもちられる。側板部3a、3b、3c、3dの高Tさは、包装容器1に収容されるシート材束の量に応じて決められ、この実施形態では、100枚束ねた場合の厚さに対応している。
【0022】
短辺側板部3a、3bの先端側端部には、折り目31a、31bを介してフラップ4a、4bが接続されている。フラップ4a、4bは、包装容器1の組み立て状態では、天板構成部5c、5dの内側に位置し、シート材束Mと、天板構成部5c、5dとの間に位置する。包装状態において、フラップ4a、4bが外際に引き出されて、短辺側板部3a、3bが開放されないように、フラップ4a、4bの長さW3は、十分な長さが必要であり、少なくとも短辺側板部3a、3bの高さTの2.5倍以上長さを有していることが好ましい。フラップ4a、4bの先端には、略中央部分に2つの切込み41a、41a、41b、41bがそれぞれ平行に形成されており、切込み41a、41a間には、折返し部42aが、切込み41b、41bの間には、折返し部42bがそれぞれ形成されている。各折返し部42a、42bは、基端部の
折返し線である折り目43a、43bで折り返される構成となっている。
【0023】
短辺側板部3aの両端部には、折り目311a、312aを介して、内フラップ32a、32aが設けられ、短辺側板部3bの両端部には、折り目311b、312bを介して、内フラップ32b、32bが設けられている。これらの内フラップ32a、32a、32b、32bは、包装状態において、長辺側板部3c、3dの内側に位置する。包装状態において、短辺側板部3a、3bを外側に引き出す操作をすると、内フラップ32a、32a、32b、32bが天板構成部5c、5dの端部に当接し、短辺側板部3a、3bが開放されることを抑制する。
【0024】
長辺側板部3dの先端部には折り目31dを介して天板構成部5dが接続され、長辺側板部3cの先端部には折り目31cを介して天板構成部5cが接続されている。天板構成部5d、5cは、各折り目31d、31cにて内側に折り込まれることによって、先端部分が重なり、包装容器1の天板部分を構成する。
【0025】
天板構成部5dは、包装状態では、内側に、天板構成部5cは外側に位置する。天板構成部5dは、先端部の中央部分に、切込みが形成され、該切込みによって係止穴部52が設けられている。係止穴部52は、天板構成部5dの幅方向に延設され、中央部が天板構成部5dの先端方向に突出するように湾曲した形状であって、更に中央部には、先端側に湾曲して突出する形状の孔53が形成されている。さらに、天板構成部5dにおいて、係止穴部52の両側に切込みが形成され、該切込みによって挿通部56a、56bが設けられている。該挿通部56a、56bは、基端から先端方向に向けて相互に平行に形成されており、挿通部56a、56bの形成位置は、包装状態において、フラップ4a、4bに形成された折り目43a、43bの位置に対向する位置となっている。また、挿通部56a、56bの長さは、フラップ4a、4bの折返し部42a、42bの幅と同一又は少し長く形成されている。
【0026】
天板構成部5cは、先端辺中央部分に、挿入係止部54が突出形成されている。この挿入係止部54は、天板構成部5cの幅方向における中心線を中心として線対称形状であって、中心の先端部542から両端へ向けて基端方向へ傾斜する傾斜部541、541と、傾斜部541、541両端から中心へ向けて切り込まれた切込み部543、543とを備え、全体として左右対称の鉤状に形成されている。なお、傾斜部541、541の端部接線に対して、切込み部543、543の成す角は、鋭角となるように構成されている。
【0027】
挿入係止部54の幅W2は、係止穴部52の幅W1よりも若干大きく構成されており、挿入係止部54が係止穴部52に挿入されて、挿入係止部54の全体が係止穴部52を通過してしまうと、逆方向には抜けない構成となっている。つまり、挿入係止部54と係止穴部52とによって構成される接続固定部は、係止穴部52に挿入係止部54の全体を挿入させることで、不可逆的に封止固定される構造となっている。
【0028】
以上のような構成において、
図1に示されている展開図の折り目のすべてが、山側となるように折り込むと、
図2に示されているように、箱を開いた状態となる。この状態で、底板部2の内側面上にシート材束である札束Mを載せる。枚数は100枚とする。包装する枚数が100枚に満たない場合には、
図3に示されているように、折り目43a、43bで折返し部42a、42bを折り返す。折り返し方向は、内側でも外側でもよい。
【0029】
例えば、
図3に示されているように、内側に折り返した場合には、
図4(A)に示されているように、包装状態において、折返し部42bの先端が札束Mの表面に当接し、札束Mを底板部2へ押し付けることとなり、札束Mを包装容器1内で固定することができる。また、折返し部42bを外側に折り返した場合には、
図4(B)に示されているように、包装状態において、折返し部42bの先端は天板構成部5dの内側面に当接することで、フラップ4bの先端を札束Mの表面に押し付けることとなり、札束Mを包装容器1内で固定することができる。このように、折返し部42a、42bを内側に折り返した場合には、被包装物である札束Mの端部を押さえ、外側に折り返した場合には、札束Mの中心付近を押さえる構成となる。
【0030】
さらに、折返し部42a、42bは、他の用途に使用できる。
図5に示されているように、折返し部42a、42b(
図5では、折返し部42bを示す。)を外側に折返し、外側から被せられる天板構成部5dの挿通部56bを、内側から外側へ挿通させて、折り目43bで折り返す。このように組み合わせることによって、折返し部42bが挿通部56bに引っ掛かっているため、封止された包装状態でフラップ4bを外方向に引き抜くことが防止され、封止が確実に担保される。
【0031】
以上のとおり、フラップ4a、4bを内側に折り込んで、札束Mの上に重ねたのち、天板構成部5dを内側に折り曲げて、フラップ4a、4bの上から重ね、更に、天板構成部5cを天板構成部5dに重ねる。
図6に示されているように、係止穴部52に挿入係止部54の先端部542を突き合わせる。孔53に先端部542を挿入し、係止穴部52の下側に先端部542を挿入する。さらに挿入係止部54を押し進めると、両側の傾斜部541、541が係止穴部52の切込み部分を割って進入し、最終的に挿入係止部54の最も幅が広い部分が、係止穴部52を通過する。この際、挿入係止部54の幅W2は、係止穴部52の幅W1よりも若干大きいので、挿入係止部54を少し撓ました状態として挿入を完了させる。
【0032】
一旦挿入が完了した挿入係止部54は、切込み部543、543で構成された鉤状部分の両先端が鋭角であることと、係止穴部52の下側に位置する挿入係止部54のみを撓ませることができないので、挿入係止部54を係止穴部52から引き出すことが不可能となる。このようにして、札束Mを収容した包装容器1は、不可逆的に封止される。この包装容器1による包装を解く場合には、包装容器1のいずれかの場所を破るなどして、破損させなければならない。つまり、包装容器1が破損されていなければ、収容されている札束Mは、包装直前の枚数であることが保証されていることとなる。
さらに、封止確実にするために、
図7に示されているように、挿入係止部54と係止穴部52とにまたがって、封止シール6をさらに、封止確実にするために、
図7に示されているように、挿入係止部54と係止穴部52とにまたがって、封止シール貼り付けてもよい。この場合の封止シールの粘着剤は、剥離剤によっても剥がれない性質のものであることが好ましい。
【0033】
図8に示されているように、封止解除部55を設けてもよい。封止解除部55は、接続固定部を構成する挿入係止部54を、包装容器1から切り離すことによって、封止を解除するものである。天板構成部5cの基端に位置する折り目31cには、挿入係止部54に対向する位置に、長辺側板部3c側に突出して形成された切込み552が設けられており、該切込み552から、挿入係止部54の両側へ向けて、間隔が漸増する方向に、切込み551が等間隔で配置されている。
【0034】
切込み551の配列は、天板構成部5cの先端辺に到達している。切込み552は、天板構成部5cを折り目31cで折り曲げることによって、外側に少し突出する構成となっており、開封の際には、摘まみやすい形状となっている。切込み552の部分を摘まみ上げて引き裂くことによって、切込み551の間が順に破れて、天板構成部5cの先端辺に到達し、最終的に挿入係止部54が天板構成部5cから切り離され、開封される。以上のように構成された封止解除部55は、天板構成部5dに設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 包装容器
2 底板部
21a〜21d 折り目
3a、3b 短辺側板部
3c、3d 長辺側板部
31a〜31d 折り目
32a、32b 内フラップ
4a、4b フラップ
41a、41b 切込み
42a、42b 折返し部
43a、43b 折り目
(折返し線)
44 視認窓
5c、5d 天板構成部
52 係止穴部
53 孔
54 挿入係止部
541 傾斜部
542 先端部
543 切込み部
55 封止解除部
551 切込み
552 切込み
56a、56b 挿通部
6 シール
M 札束(シート材束)
【要約】
【課題】札束等のシート状のもの重ねた状態で包装する包装容器を提供する。
【解決手段】お札の形状に沿った形を有する底板部2の端部に、一対の短辺側板部3a、3bと一対の長辺側板部3c、3dとをそれぞれ接続し、さらに短辺側板部3a、3bにはフラップ4a、4bを、長辺側板部3c、3dには天板構成部5c、5dをそれぞれ接続し、天板構成部5c、5dを重ねることで、内側に札束Mを収容する包装容器1を構成する。天板構成部5c、5dには、挿入係止部54と、係止穴部52を設けて、不可逆的に両者を接続する接続固定部を構成する。
【選択図】
図1