特許第6239061号(P6239061)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6239061原稿搬送装置、制御方法及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6239061
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】原稿搬送装置、制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B65H 3/06 20060101AFI20171120BHJP
   B65H 3/52 20060101ALI20171120BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   B65H3/06 350A
   B65H3/52 330B
   H04N1/00 108L
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-150319(P2016-150319)
(22)【出願日】2016年7月29日
【審査請求日】2016年8月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼藤 悠貴
【審査官】 西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−157866(JP,A)
【文献】 特開平06−078099(JP,A)
【文献】 特開2000−339510(JP,A)
【文献】 特開2010−126288(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00− 3/68
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿台と、
前記原稿台に載置された複数の原稿の先端が突き当てられる突当て部と、
前記原稿台に載置された複数の原稿の内の最も下側に載置された原稿を搬送させるピックローラと、
前記ピックローラと対向する位置に設けられ、前記原稿台に載置された原稿を上側から押圧する押圧部と、
原稿を分離して搬送する給紙ローラと、
原稿搬送方向において前記突当て部と前記給紙ローラの間に設けられ、搬送される原稿を検出する第1検出部と、
前記第1検出部が原稿を検出するまで、前記押圧部に前記原稿台に載置された原稿を押圧させ且つ前記ピックローラを第1の速度で回転させ、前記第1検出部が原稿を検出すると、前記押圧部による原稿を押圧させる力を低減させ且つ前記ピックローラを前記第1の速度より遅い第2の速度で回転させ、且つ、前記給紙ローラを前記ピックローラと同じ速度で原稿を搬送できる速度で回転させる制御部と、
を有することを特徴とする原稿搬送装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1検出部が原稿を検出した後に原稿を検出しなくなった場合、再度、前記押圧部に前記原稿台に載置された原稿を押圧させ且つ前記ピックローラを前記第1の速度で回転させる、請求項1に記載の原稿搬送装置。
【請求項3】
原稿搬送方向において前記給紙ローラの下流側に設けられ、搬送される原稿を検出する第2検出部と、
前記第1検出部が原稿を検出してから前記第2検出部が原稿を検出するまでの時間に基づいて、原稿のジャムが発生したか否かを判定するジャム判定部と、をさらに有する、請求項1または2に記載の原稿搬送装置。
【請求項4】
前記ピックローラを回転させていない状態で前記第1検出部が原稿を検出している場合、原稿の再載置を促すメッセージを通知する通知部をさらに有する、請求項1〜3の何れか一項に記載の原稿搬送装置。
【請求項5】
原稿台と、前記原稿台に載置された複数の原稿の先端が突き当てられる突当て部と、前記原稿台に載置された複数の原稿の内の最も下側に載置された原稿を搬送させるピックローラと、前記ピックローラと対向する位置に設けられ、前記原稿台に載置された原稿を上側から押圧する押圧部と、原稿を分離して搬送する給紙ローラと、を有する原稿搬送装置の制御プログラムであって、
原稿搬送方向において前記突き当て部と前記給紙ローラの間に設けられ、搬送される原稿を検出する第1検出部が原稿を検出するまで、前記押圧部に前記原稿台に載置された原稿を押圧させ且つ前記ピックローラを第1の速度で回転させ、
前記第1検出部が原稿を検出すると、前記押圧部による原稿を押圧させる力を低減させ且つ前記ピックローラを前記第1の速度より遅い第2の速度で回転させ、且つ、前記給紙ローラを前記ピックローラと同じ速度で原稿を搬送できる速度で回転させる
ことを含むことを特徴とする制御方法。
【請求項6】
原稿台と、前記原稿台に載置された複数の原稿の先端が突き当てられる突当て部と、前記原稿台に載置された複数の原稿の内の最も下側に載置された原稿を搬送させるピックローラと、前記ピックローラと対向する位置に設けられ、前記原稿台に載置された原稿を上側から押圧する押圧部と、原稿を分離して搬送する給紙ローラと、を有する原稿搬送装置の制御プログラムであって、
原稿搬送方向において前記突き当て部と前記給紙ローラの間に設けられ、搬送される原稿を検出する第1検出部が原稿を検出するまで、前記押圧部に前記原稿台に載置された原稿を押圧させ且つ前記ピックローラを第1の速度で回転させ、
前記第1検出部が原稿を検出すると、前記押圧部による原稿を押圧させる力を低減させ且つ前記ピックローラを前記第1の速度より遅い第2の速度で回転させ、且つ、前記給紙ローラを前記ピックローラと同じ速度で原稿を搬送できる速度で回転させる
ことを前記原稿搬送装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿搬送装置に関し、特に、原稿を分離して搬送する原稿搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スキャナ等の原稿搬送装置は、家庭、オフィス等、様々な場所で様々な用途に用いられており、用途に応じて様々なタイプの原稿搬送装置が提供されている。例えばオフィス等では、より多くの原稿をまとめて搬送できるように、原稿を載置する原稿台の原稿積載角度が水平に近く且つ原稿台に設けられたピックローラが下側に載置された原稿から順に搬送する、いわゆる下取り出し方式の原稿搬送装置が用いられている。
【0003】
下取り出し方式の原稿搬送装置では、原稿台に載置された原稿をピックローラが良好に搬送できるように、原稿台に載置された原稿を上側から押さえるピックアームが設けられている。しかしながら、ピックアームにより原稿を押圧する押圧力が小さすぎると、ピックローラが原稿を搬送できず、逆に押圧力が大きすぎると、載置された原稿間の摩擦力が大きくなり、原稿の重送が発生する可能性がある。
【0004】
セパレートローラと、セパレートローラに対向して配される分離パッドと、分離パッドを押圧するリテーナスプリングと、リテーナスプリングの押圧力を更に増加させる押圧力付与手段から構成されるシート状体搬送装置が開示されている(特許文献1を参照)。このシート状体搬送装置では、載置台上に載置されたシート状体がセパレートローラの上流側近傍位置に設けられたセンサの位置を通過したことが検出されると同時に、押圧力付与手段がリテーナスプリングを押圧する。また、シート状体の先端が読取光学系の上流側近傍位置に設けられたセンサの位置を通過したことが検出されると同時に、押圧力付与手段の押圧動作が解除される。これにより、シート状体搬送装置において、シート状体を分離する動作が行われる間のみ押圧力付与手段が作動し、分離パッドをセパレートローラに強く押圧する。
【0005】
また、付圧を調整可能なピックコロを設けた第1ピックローラを備える下取り出し型の給紙装置が開示されている(特許文献2を参照)。このピックコロには、デフォルトの付圧値が設定され、ピックコロは、用紙給紙開始時にはデフォルトの付圧値により用紙を第1ピックローラに押し当てる。この給紙装置は、用紙搬送路上に設けた用紙搬送センサにより、用紙が搬送されてきたかどうかを検知し、第1ピックローラによる用紙のピックが失敗した場合、ピックコロによる付圧を所定量だけ大きくするように制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平4−266340号公報
【特許文献2】特開2005−170651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
下取り出し方式の原稿搬送装置では、原稿の重送の発生を抑制しつつ、原稿の搬送処理をより高速に実行することが望まれている。
【0008】
本発明の目的は、下取り出し方式の原稿搬送装置において、原稿の重送の発生を抑制しつつ、原稿の搬送処理をより高速に実行することが可能な原稿搬送装置、制御方法及び制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面に係る原稿搬送装置は、原稿台と、原稿台に載置された複数の原稿の先端が突き当てられる突当て部と、原稿台に載置された複数の原稿の内の最も下側に載置された原稿を搬送させるローラと、ローラと対向する位置に設けられ、原稿台に載置された原稿を上側から押圧する押圧部と、原稿を分離して搬送する分離部と、原稿搬送方向において突当て部と分離部の間に設けられ、搬送される原稿を検出する第1検出部と、第1検出部が原稿を検出するまで、押圧部に原稿台に載置された原稿を押圧させ且つローラを第1の速度で回転させ、第1検出部が原稿を検出すると、押圧部による原稿を押圧させる力を低減させ且つローラを第1の速度より遅い第2の速度で回転させる制御部とを有する。
【0010】
また、本発明の一側面に係る制御方法は、原稿台と、原稿台に載置された複数の原稿の先端が突き当てられる突当て部と、原稿台に載置された複数の原稿の内の最も下側に載置された原稿を搬送させるローラと、ローラと対向する位置に設けられ、原稿台に載置された原稿を上側から押圧する押圧部と、原稿を分離して搬送する分離部と、を有する原稿搬送装置の制御プログラムであって、原稿搬送方向において突当て部と分離部の間に設けられ、搬送される原稿を検出する第1検出部が原稿を検出するまで、押圧部に原稿台に載置された原稿を押圧させ且つローラを第1の速度で回転させ、第1検出部が原稿を検出すると、押圧部による原稿を押圧させる力を低減させ且つローラを第1の速度より遅い第2の速度で回転させることを含む。
【0011】
また、本発明の一側面に係る制御プログラムは、原稿台と、原稿台に載置された複数の原稿の先端が突き当てられる突当て部と、原稿台に載置された複数の原稿の内の最も下側に載置された原稿を搬送させるローラと、ローラと対向する位置に設けられ、原稿台に載置された原稿を上側から押圧する押圧部と、原稿を分離して搬送する分離部と、を有する原稿搬送装置の制御プログラムであって、原稿搬送方向において突当て部と分離部の間に設けられ、搬送される原稿を検出する第1検出部が原稿を検出するまで、押圧部に原稿台に載置された原稿を押圧させ且つローラを第1の速度で回転させ、第1検出部が原稿を検出すると、押圧部による原稿を押圧させる力を低減させ且つローラを第1の速度より遅い第2の速度で回転させることを原稿搬送装置に実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、下取り出し方式の原稿搬送装置において、原稿の重送の発生を抑制しつつ、原稿の搬送処理をより高速に実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】原稿搬送装置100を示す斜視図である。
図2】原稿搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
図3】原稿搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
図4】記憶装置150及びCPU160の概略構成を示す図である。
図5】原稿読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
図6A】原稿搬送開始前の原稿搬送装置100を示す図である。
図6B】ピックアーム112が原稿を押圧している状態を示す図である。
図7A】原稿台103に載置された複数の原稿を示す図である。
図7B】原稿台103に載置された複数の原稿を示す図である。
図8A】原稿台103に載置された複数の原稿を示す図である。
図8B】原稿台103に載置された複数の原稿を示す図である。
図9】他の原稿搬送装置200の概略構成を示すブロック図である。
図10】処理回路300の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一側面に係る原稿搬送装置について図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0015】
図1は、実施形態に係る、イメージスキャナとして構成された原稿搬送装置100を示す斜視図である。
【0016】
原稿搬送装置100は、上側筐体101、下側筐体102、原稿台103、排出台105、複数の操作ボタン106及び表示装置107等を備える。
【0017】
上側筐体101は、原稿搬送装置100の上面を覆う位置に配置され、原稿つまり時、原稿搬送装置100内部の清掃時等に開閉可能なようにヒンジにより下側筐体102に係合している。
【0018】
原稿台103は、原稿を載置可能に下側筐体102に係合している。原稿台103には、原稿の搬送方向と直行する方向に移動可能なサイドガイド104a及び104bが設けられている。以下では、サイドガイド104a及び104bを総じてサイドガイド104と称する場合がある。
【0019】
排出台105は、排出された原稿を保持できるように下側筐体102に係合している。
【0020】
操作ボタン106は、下側筐体102の側部に配置され、押下されると各ボタンに応じた操作検出信号を生成して出力する。
【0021】
表示装置107は、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)等から構成されるディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。
【0022】
図2は、原稿搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【0023】
原稿搬送装置100内部の搬送経路は、シュートローラ110、ピックローラ111a、b、ピックアーム112、接触センサ113、給紙ローラ114a、b、リタードローラ115a、b、第1発光器116a、第1受光器116b、超音波送信器117a、超音波受信器117b、第1搬送ローラ118a、b、第1従動ローラ119a、b、第2発光器120a、第2受光器120b、第1撮像装置121a、第2撮像装置121b、第1照明装置122a、第2照明装置122b、第2搬送ローラ123a、b及び第2従動ローラ124a、b等を有している。
【0024】
以下では、ピックローラ111a及び111bを総じてピックローラ111と称する場合がある。また、給紙ローラ114a及び114bを総じて給紙ローラ114と称する場合がある。また、リタードローラ115a及び115bを総じてリタードローラ115と称する場合がある。また、第1搬送ローラ118a及び118bを総じて第1搬送ローラ118と称する場合がある。また、第1従動ローラ119a及び119bを総じて第1従動ローラ119と称する場合がある。また、第2搬送ローラ123a及び123bを総じて第2搬送ローラ123と称する場合がある。また、第2従動ローラ124a及び124bを総じて第2従動ローラ124と称する場合がある。
【0025】
上側筐体101の下面は原稿の搬送路の上側ガイド101aを形成し、下側筐体102の上面は原稿の搬送路の下側ガイド102aを形成する。また、上側筐体101の原稿台103側の側面は、原稿台103に載置された複数の原稿の先端が突き当てられる突当て部101bを形成する。図2において矢印A1は原稿の搬送方向を示す。以下では、上流とは原稿の搬送方向A1の上流のことをいい、下流とは原稿の搬送方向A1の下流のことをいう。
【0026】
シュートローラ110は、原稿台103に設けられ、原稿台103に載置された原稿の内、最も下側に位置する原稿と接触して、その原稿を原稿搬送方向A1に向けて送り出す。
【0027】
ピックローラ111は、ローラの一例であり、下側筐体102に設けられ、原稿台103に載置され且つ先端が突当て部101bに突き当てられた複数の原稿の内、最も下側に位置する原稿と接触して、その原稿を原稿搬送方向A1に向けて送り出す。シュートローラ110及びピックローラ111の働きにより、原稿搬送装置100は、いわゆる下取り出し方式で原稿を搬送させる。
【0028】
ピックアーム112は、押圧部の一例であり、上側筐体101に、ピックローラ111と対向する位置に設けられる。ピックアーム112は、ピックローラ111と原稿台103に載置された原稿との間に適度な摩擦力を発生させて、ピックローラ111が原稿を良好に搬送できるように、原稿台103に載置された原稿を上側から押圧する。
【0029】
接触センサ113は、給紙ローラ114及びリタードローラ115の上流側に配置され、原稿台103に原稿が載置されているか否かを検出する。接触センサ113は、原稿台103に原稿が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する第1原稿検出信号を生成して出力する。
【0030】
接触センサ113は、第1検出部の一例であり、突当て部101bと給紙ローラ114及びリタードローラ115(分離部)との間に設けられ、搬送される原稿を検出する。接触センサ113は、突当て部101bと分離部の間に原稿が存在する状態と存在しない状態とで信号値が変化する第1原稿検出信号を生成して出力する。
【0031】
給紙ローラ114は、下側筐体102に設けられ、原稿台103に載置された原稿を原稿搬送方向A1に向けて送り出す。リタードローラ115は、上側筐体101に、給紙ローラ114と対向する位置に設けられ、原稿の分離動作を行う。給紙ローラ114及びリタードローラ115は、分離部の一例であり、原稿を分離して搬送する。
【0032】
第1発光器116a及び第1受光器116bは、第2検出部の一例であり、給紙ローラ114及びリタードローラ115の下流側、かつ第1搬送ローラ118及び第1従動ローラ119の上流側に、原稿の搬送路を挟んで対向するように設けられる。第1発光器116aは、第1受光器116bに向けて光を放射する。第1受光器116bは、第1発光器116aから放射された光を検出し、検出した光に応じた電気信号である第2原稿検出信号を生成して出力する。即ち、第2原稿検出信号は、第1発光器116aと第1受光器116bの間に原稿が存在する状態と存在しない状態とで信号値が変化する信号である。以下では、第1発光器116a及び第1受光器116bを総じて第1光センサ116と称する場合がある。
【0033】
超音波送信器117a及び超音波受信器117bは、原稿の搬送路の近傍に、搬送路を挟んで対向するように配置される。超音波送信器117aは超音波を送信する。一方、超音波受信器117bは、超音波送信器117aにより送信され、原稿を通過した超音波を検出し、検出した超音波に応じた電気信号である超音波信号を生成して出力する。以下では、超音波送信器117a及び超音波受信器117bを総じて超音波センサ117と称する場合がある。
【0034】
第2発光器120a及び第2受光器120bは、第1搬送ローラ118及び第1従動ローラ119の下流側、かつ第1照明装置122a及び第2照明装置122b(即ち第1撮像装置121a及び第2撮像装置121bの撮像位置)の上流側に、原稿の搬送路を挟んで対向するように設けられる。第2発光器120aは、第2受光器120bに向けて光を放射する。第2受光器120bは、第2発光器120aから放射された光を検出し、検出した光に応じた電気信号である第3原稿検出信号を生成して出力する。即ち、第3原稿検出信号は、第2発光器120aと第2受光器120bの間に原稿が存在する状態と存在しない状態とで信号値が変化する信号である。以下では、第2発光器120a及び第2受光器120bを総じて第2光センサ120と称する場合がある。
【0035】
第1撮像装置121aは、主走査方向に直線状に配列されたCCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える縮小光学系タイプの撮像センサを有する。この撮像センサは、原稿の裏面を撮像してアナログの画像信号を生成して出力する。同様に、第2撮像装置121bは、主走査方向に直線状に配列されたCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプの撮像センサを有する。この撮像センサは、原稿の表面を撮像してアナログの画像信号を生成して出力する。なお、第1撮像装置121a及び第2撮像装置121bを一方だけ配置し、原稿の片面だけを読み取るようにしてもよい。また、CCDの代わりにCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)を利用することもできる。以下では、第1撮像装置121a及び第2撮像装置121bを総じて撮像装置121と称する場合がある。
【0036】
第1照明装置122aは、原稿の裏面を照らす光源と、原稿の表面に対して用いられる裏当てとを有し、第1撮像装置121aと原稿搬送路の間であり且つ第2撮像装置121bと対向する位置に設けられる。同様に、第2照明装置122bは、原稿の表面を照らす光源と、原稿の裏面に対して用いられる裏当てとを有し、第2撮像装置121bと原稿搬送路の間であり且つ第1撮像装置121aと対向する位置に設けられる。以下では、第1照明装置122a及び第2照明装置122bを総じて照明装置122と称する場合がある。
【0037】
原稿台103に載置された原稿は、シュートローラ110、ピックローラ111、給紙ローラ114がそれぞれ図2の矢印A2、A3、A4の方向に回転することによって、上側ガイド101aと下側ガイド102aの間を原稿搬送方向A1に向かって搬送される。一方、リタードローラ115が矢印A5の方向に回転することによって、原稿台103に複数の原稿が載置されている場合、原稿台103に載置されている原稿のうち給紙ローラ114と接触している原稿のみが分離される。
【0038】
原稿は、上側ガイド101aと下側ガイド102aによりガイドされながら、第1搬送ローラ118と第1従動ローラ119の間に送り込まれる。原稿は、第1搬送ローラ118が矢印A6の方向に回転することによって第1照明装置122a及び第2照明装置122bの間(即ち第1撮像装置121a及び第2撮像装置121bの間)に送り込まれる。撮像装置121により読み取られた原稿は、第2搬送ローラ123が矢印A7の方向に回転することによって排出台105上に排出される。
【0039】
図3は、原稿搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0040】
原稿搬送装置100は、前述した構成に加えて、第1A/D変換器140a、第2A/D変換器140b、第1駆動装置141a、第2駆動装置141b、第3駆動装置141c、インタフェース装置142、記憶装置150及びCPU(Central Processing Unit)160等をさらに有する。
【0041】
第1A/D変換器140aは、第1撮像装置121aから出力されたアナログの画像信号をアナログデジタル変換してデジタルの画像データを生成し、CPU160に出力する。同様に、第2A/D変換器140bは、第2撮像装置121bから出力されたアナログの画像信号をアナログデジタル変換してデジタルの画像データを生成し、CPU160に出力する。これらのデジタルの画像データが読取画像として用いられる。以下では、第1A/D変換器140a及び第2A/D変換器140bを総じてA/D変換器140と称する場合がある。
【0042】
第1駆動装置141aは、1つ又は複数のモータを含み、CPU160からの制御信号によって、シュートローラ110、ピックローラ111及び給紙ローラ114を回転させて原稿の搬送動作を行う。第1駆動装置141aは、CPU160からの制御信号によって、各ローラの回転速度を変更することができる。第2駆動装置141bは、1つ又は複数のモータを含み、CPU160からの制御信号によって、リタードローラ115、第1搬送ローラ118及び第2搬送ローラ123を回転させて原稿の搬送動作を行う。第3駆動装置141cは、CPU160からの制御信号によって、ピックアーム112をピックローラ111と対向する対向位置と、対向位置から上側に離れた非対向位置との間で移動させる。以下では、第1駆動装置141a、第2駆動装置141b及び第3駆動装置141cを総じて駆動装置141と称する場合がある。
【0043】
インタフェース装置142は、例えばUSB等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、不図示の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等)と電気的に接続して読取画像及び各種の情報を送受信する。また、インタフェース装置142の代わりに、無線信号を送受信するアンテナと、所定の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有する通信部が用いられてもよい。所定の通信プロトコルは、例えば無線LAN(Local Area Network)である。
【0044】
記憶装置150は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶装置150には、原稿搬送装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶装置150にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD−ROM(compact disk read only memory)、DVD−ROM(digital versatile disk read only memory)等である。さらに、記憶装置150には、読取画像が格納される。
【0045】
CPU160は、予め記憶装置150に記憶されているプログラムに基づいて動作する。なお、CPU160に代えて、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)等が用いられてよい。また、CPU160に代えて、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programming Gate Array)等が用いられてもよい。
【0046】
CPU160は、操作ボタン106、接触センサ113、第1光センサ116、超音波センサ117、第2光センサ120、撮像装置121、A/D変換器140、駆動装置141、インタフェース装置142及び記憶装置150等と接続され、これらの各部を制御する。CPU160は、撮像装置121の原稿読取制御等を行い、読取画像を取得する。
【0047】
図4は、記憶装置150及びCPU160の概略構成を示す図である。
【0048】
図4に示すように、記憶装置150には、制御プログラム151、通知プログラム152、ジャム判定プログラム153及び画像生成プログラム154等の各プログラムが記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。CPU160は、記憶装置150に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作することにより、制御部161、通知部162、ジャム判定部163及び画像生成部164として機能する。
【0049】
図5は、原稿読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0050】
以下、図5に示したフローチャートを参照しつつ、原稿搬送装置100の原稿読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置150に記憶されているプログラムに基づき主にCPU160により原稿搬送装置100の各要素と協働して実行される。
【0051】
最初に、制御部161は、利用者により、原稿の読み取りを指示するための操作ボタン106が押下されて、原稿の読み取りを指示する操作検出信号を操作ボタン106から受信するまで待機する(ステップS101)。
【0052】
図6Aは、原稿搬送開始前の原稿搬送装置100を示す図である。
【0053】
図6Aに示すように、利用者は原稿搬送開始前に原稿台103に原稿Dを載置し、操作ボタン106を押下して原稿の読み取りを指示する。このとき、利用者が原稿台103に原稿Dを適切に載置できるように、ピックアーム112は、非対向位置に配置され、原稿Dに接していない。この状態では、ピックローラ111と原稿Dの間の摩擦力は小さく、ピックローラ111が回転しても原稿Dは良好に搬送されない。
【0054】
次に、制御部161は、接触センサ113から受信する第1原稿検出信号に基づいて接触センサ113の位置、即ち突当て部101bと分離部(給紙ローラ114及びリタードローラ115)の間に原稿が存在するか否かを判定する(ステップS102)。
【0055】
突当て部101bと分離部の間に原稿が存在する場合、通知部162は、原稿の再載置を促すメッセージを通知し(ステップS103)、一連のステップを終了する。通知部162は、原稿の再載置を促すメッセージを表示装置107に表示して利用者に通知する。または、通知部162は、原稿の再載置を促すメッセージをインタフェース装置142を介して不図示の情報処理装置に送信してもよい。このように、通知部162は、ピックローラ111を回転させていない状態で接触センサ113が原稿を検出している場合、原稿の再載置を促すメッセージを通知する。
【0056】
図7A図7B図8A図8Bは、原稿台103に載置された複数の原稿を示す図である。
【0057】
原稿台103に複数の原稿が載置される場合、各原稿は利用者によって様々な状態に載置される可能性がある。図7Aは、原稿の先端が突当て部101bに突き当てられて揃えられており、突当て部101bより下流側には原稿が配置されていない状態を示す。この状態からピックローラ111を矢印A3の方向に回転させて原稿を搬送させると、最も下側に載置された原稿D1とピックローラ111の摩擦力により、最も下側の原稿D1のみが下流に向かって搬送される。一方、最も下側の原稿D1の上側に載置された各原稿D2〜D4には、各原稿の重さによる原稿間の摩擦力の影響により下側の原稿ほど強い力が加えられる。
【0058】
これにより、図7Bに示すように、各原稿D1〜D4は、下側に載置された原稿ほど、先端が下流側に進んだ状態(いわゆるテーパー状態)となる。このようにテーパー状態となった各原稿に対して、リタードローラが矢印A5の方向に回転することにより、給紙ローラ114と接触している原稿D1以外の原稿が上流側に押し戻されて、重送の発生が防止される。
【0059】
一方、図8A及び図8Bは、利用者によって一部の原稿の先端が突当て部101bより下流側に載置された状態を示す。このような場合、突当て部101bより下流側に配置された各原稿D1〜D4の先端は、揃っていない可能性が高い。図8Aは、上側に載置された原稿ほど、先端が下流側に位置する状態(いわゆる逆テーパー状態)を示し、図8Bは、各原稿の先端が不規則に並んでいる状態(いわゆる先端不揃い状態)を示す。
【0060】
複数の原稿が逆テーパー状態又は先端不揃い状態に載置されて搬送される場合、原稿D1の上側に載置された原稿D2〜D4が原稿D1より先に給紙ローラ114の位置に到達し、給紙ローラ114と接触する可能性がある。その場合、給紙ローラ114と接触した原稿とその原稿の下側に載置された原稿とが同時に給紙ローラ114及びリタードローラ115の間を通過し、重送が発生してしまう可能性がある。したがって、突当て部101bより下流側に原稿が配置されている場合、原稿の再載置を促すメッセージを通知することにより、重送の発生を未然に防ぐことが可能となる。
【0061】
一方、接触センサ113の位置に原稿が存在しない場合、制御部161は、第1駆動装置141aを駆動してシュートローラ110、ピックローラ111及び給紙ローラ114を回転させる。なお、制御部161は、ピックローラ111を第1の速度で回転させ、シュートローラ110及び給紙ローラ114を、ピックローラ111と同じ速度で原稿を搬送できる速度で回転させる。また、制御部161は、第2駆動装置141bを駆動して、リタードローラ115、第1搬送ローラ118及び第2搬送ローラ123を回転させる。さらに、制御部161は、第3駆動装置141cを駆動して、ピックアーム112を対向位置に向かって移動させ、ピックアーム112に原稿台103に載置された原稿を第1の押圧力で押圧させる(ステップS104)。
【0062】
第1の速度及び第1の押圧力は、事前の実験により定められ、ピックローラ111が原稿を分離部(給紙ローラ114及びリタードローラ115)まで確実に搬送させることができる速度及び力に設定される。特に、第1の速度は、原稿の搬送処理をより高速に実行できるように、原稿を分離部まで確実に搬送させることができる速度の内、可能な限り速い(高い)速度に設定される。
【0063】
図6Bは、ピックアーム112が原稿台103に載置された原稿を押圧している状態を示す図である。
【0064】
図6Bに示すように、ピックアーム112は、図6Aに示す非対向位置から対向位置に向かって移動し、原稿台103に載置された原稿Dに接して原稿Dを押圧する。これにより、ピックローラ111と原稿Dの間の摩擦力は大きくなり、ピックローラ111が回転することにより原稿Dが良好に搬送される。
【0065】
次に、制御部161は、接触センサ113から受信する第1原稿検出信号に基づいて接触センサ113の位置、即ち突当て部101bと分離部の間に原稿が搬送されたか否かを判定する(ステップS105)。
【0066】
突当て部101bと分離部の間に原稿が搬送されていない場合、制御部161は、ピックローラ111の回転を開始してから第1所定時間(例えば1秒)が経過したか否かを判定する(ステップS106)。
【0067】
第1所定時間が経過していない場合、制御部161は、ステップS105へ処理を戻し、再度、接触センサ113から受信する第1原稿検出信号に基づいて接触センサ113の位置に原稿が搬送されたか否かを判定する。
【0068】
一方、第1所定時間が経過した場合、制御部161は、原稿台103に原稿が載置されていない(又は残っていない)と判定し、一連のステップを終了する。
【0069】
ステップS105において、突当て部101bと分離部の間に原稿が搬送された場合、制御部161は、第1駆動装置141aを制御して、ピックローラ111を第1の速度より遅い(低い)第2の速度で回転させる。また、制御部161は、シュートローラ110及び給紙ローラ114がピックローラ111と同速度で原稿を搬送できるように、シュートローラ110及び給紙ローラ114の回転速度も低減させる。さらに、制御部161は、第3駆動装置141cを駆動して、ピックアーム112による原稿を押圧させる力を低減させる(ステップS107)。
【0070】
例えば、制御部161は、ピックアーム112を原稿に接する位置から移動させずに、ピックアーム112に、原稿台103に載置された原稿を第1の押圧力より低い第2の押圧力で押圧させる。なお、制御部161は、図6Aに示すように、再度、ピックアーム112を非対向位置に移動させることにより、ピックアーム112を原稿から離間させて、ピックアーム112による原稿の押圧力を0になるように低減させてもよい。
【0071】
第2の速度及び第2の押圧力は、事前の実験により定められ、複数の原稿が搬送される場合に重送が発生しにくい速度及び力に設定される。
【0072】
このように、制御部161は、接触センサ113が原稿を検出するまで、ピックアーム112に原稿台103に載置された原稿を押圧させ、且つ、ピックローラ111を第1の速度で回転させる。これにより、制御部161は、原稿が分離部に到達するまでは、ピックローラ111と原稿の間の摩擦力を増大させてピックローラ111による原稿の搬送力を保持しつつ、原稿を高速に搬送させることができる。
【0073】
一方、制御部161は、接触センサ113が原稿を検出すると、ピックアーム112による原稿を押圧させる力を低減させ、且つ、ピックローラ111を第1の速度より遅い第2の速度で回転させる。これにより、制御部161は、原稿が分離部の手前に達してからは、原稿間の摩擦力を低減させるとともに、原稿の搬送速度を低減させる。したがって、制御部161は、最も下側に載置された原稿に付き従って、上側に載置された原稿が分離部を通過してしまい、重送が発生することを抑制することができる。
【0074】
次に、制御部161は、第1光センサ116から受信する第2原稿検出信号に基づいて第1光センサ116の位置、即ち分離部の下流側に原稿が搬送されたか否かを判定する(ステップS108)。
【0075】
分離部の下流側に原稿が搬送されていない場合、制御部161は、接触センサ113が原稿を検出してから第2所定時間(例えば1秒)が経過したか否かを判定する(ステップS109)。
【0076】
第2所定時間が経過していない場合、制御部161は、ステップS108へ処理を戻し、再度、第1光センサ116から受信する第2原稿検出信号に基づいて第1光センサ116の位置に原稿が搬送されたか否かを判定する。
【0077】
一方、第2所定時間が経過した場合、ジャム判定部163は、原稿のジャムが発生したと判定する(ステップS110)。
【0078】
原稿のジャムが発生したと判定した場合、ジャム判定部163は、原稿の搬送を停止し、原稿のジャムが発生したことを示すメッセージを通知し(ステップS111)、一連のステップを終了する。ジャム判定部163は、原稿のジャムが発生したことを示すメッセージを表示装置107に表示して利用者に通知する。または、ジャム判定部163は、原稿のジャムが発生したことを示すメッセージをインタフェース装置142を介して不図示の情報処理装置に送信してもよい。
【0079】
このように、ジャム判定部163は、接触センサ113が原稿を検出してから第1光センサ116が原稿を検出するまでの時間に基づいて、原稿のジャムが発生したか否かを判定する。接触センサ113は突当て部101bより下流側に配置されるため、接触センサ113から第1光センサ116までの距離は、突当て部101bから第1光センサ116までの距離より短い。そのため、原稿が正しく搬送された場合に、接触センサ113が原稿を検出してから第1光センサ116が原稿を検出するまでの時間は、ピックローラ111の回転を開始してから第1光センサ116が原稿を検出するまでの時間より短くなる。したがって、原稿搬送装置100は、ジャム判定の開始時刻を接触センサ113による原稿検出時にすることによって、ジャム判定の開始時刻をピックローラ111の回転開始時にする場合より、ジャム判定時間(第2所定時間)を短く設定できる。これにより、ジャム判定部163は、原稿のジャムが発生した場合に、より早く原稿の搬送を停止でき、原稿の損傷の発生を低減することができる。
【0080】
一方、ステップS108において、分離部の下流側に原稿が搬送された場合、画像生成部164は、搬送された原稿を撮像装置121に読み取らせ、A/D変換器140を介して読取画像を取得する(ステップS112)。なお、画像生成部164は、第2光センサ120から受信する第3原稿検出信号に基づいて、照明装置122の手前(即ち撮像装置121の撮像位置の手前)まで原稿が搬送されたタイミングを検出し、検出したタイミングに従って、原稿を撮像装置121に読み取らせる。
【0081】
次に、画像生成部164は、読取画像をインタフェース装置142を介して不図示の情報処理装置へ送信する(ステップS113)。なお、情報処理装置と接続されていない場合、画像生成部164は、読取画像を記憶装置150に記憶しておく。
【0082】
次に、制御部161は、接触センサ113から受信する第1原稿検出信号に基づいて接触センサ113の位置、即ち突当て部101bと分離部の間にまだ原稿が存在するか否かを判定する(ステップS114)。
【0083】
突当て部101bと分離部の間にまだ原稿が存在する場合、制御部161は、処理をステップS108に戻し、ステップS108〜S114の処理を繰り返す。即ち、制御部161は、接触センサ113が原稿を検出し続けている場合、ピックアーム112による原稿を押圧させる力を低減させ、且つ、ピックローラ111を第2の速度で回転させた状態で、次の原稿を搬送させる。これにより、制御部161は、最も下側に位置する原稿に付き従って、上側に位置する原稿が分離部を通過してしまい、原稿の重送が発生することを抑制することができる。
【0084】
一方、突当て部101bと分離部の間に原稿が存在しなくなった場合、制御部161は、処理をステップS104に戻し、ステップS104〜S114の処理を繰り返す。即ち、制御部161は、接触センサ113が原稿を検出した後に原稿を検出しなくなった場合、再度、ピックアーム112に原稿台103に載置された原稿を押圧させ、且つ、ピックローラ111を第1の速度で回転させて、次の原稿を搬送させる。
【0085】
これにより、制御部161は、ピックアーム112による押圧力を低減させたことによって次の原稿が分離部まで搬送されなかった場合でも、ピックローラ111と原稿の間の摩擦力を再度増大させて次の原稿を良好に搬送させることができる。また、このとき、ピックローラ111の回転速度を増大させることにより、次の原稿を分離部まで高速に搬送させることができる。
【0086】
その後、制御部161は、ステップS106において原稿台103に原稿が残っていないと判定するまで、各処理の実行を繰り返す。
【0087】
以上詳述したように、原稿搬送装置100は、原稿が分離部に到達するまでは、ピックローラ111と原稿の間の摩擦力を増大させて、ピックローラ111による原稿の搬送力を維持しつつ、原稿を高速に搬送させる。一方、原稿搬送装置100は、原稿が分離部の手前に達してからは、原稿間の摩擦力を低減させるとともに、原稿の搬送速度を低減させて、原稿の重送の発生を抑制する。したがって、下取り出し方式の原稿搬送装置100において、原稿の重送の発生を抑制しつつ、原稿の搬送処理をより高速に実行することが可能となった。
【0088】
図9は、他の実施形態に係る原稿搬送装置200の概略構成を示すブロック図である。
【0089】
原稿搬送装置200は、原稿搬送装置100が有する各部に加えて、処理回路300を有する。処理回路300は、DSP、LSI、ASIC又はFPGA等であり、CPU160の代わりに原稿読取処理を実行する。
【0090】
図10は、処理回路300の概略構成を示す図である。
【0091】
処理回路300は、制御回路171、通知回路172、ジャム判定回路173及び画像生成回路174等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
【0092】
制御回路171は、制御部の一例である。制御回路171は、接触センサ113から第1原稿検出信号を受信し、受信した第1原稿検出信号に応じて、ピックアーム112の移動及び各ローラの回転を制御するための駆動信号を駆動装置141に出力する。
【0093】
通知回路172は、通知部の一例である。通知回路172は、接触センサ113から第1原稿検出信号を受信し、受信した第1原稿検出信号に基づいて、原稿の再載置を促すメッセージを表示装置107又はインタフェース装置142に出力する。
【0094】
ジャム判定回路173は、ジャム判定部の一例である。ジャム判定回路173は、接触センサ113から第1原稿検出信号を受信し、第1光センサ116から第2原稿検出信号を受信する。ジャム判定回路173は、受信した第1原稿検出信号及び第2原稿検出信号に基づいて原稿のジャムが発生したか否かを判定し、ジャムが発生した場合、原稿のジャムが発生したことを示すメッセージを表示装置107又はインタフェース装置142に出力する。
【0095】
画像生成回路174は、画像生成部の一例である。画像生成回路174は、撮像装置121から読取画像を受信し、受信した読取画像をインタフェース装置142に出力する。
【0096】
以上詳述したように、原稿搬送装置200においても、原稿搬送装置100と同様に、原稿の重送の発生を抑制しつつ、原稿の搬送処理をより高速に実行することが可能となった。
【符号の説明】
【0097】
100 原稿搬送装置
101b 突当て部
103 原稿台
111 ピックローラ
112 ピックアーム
113 接触センサ
114 給紙ローラ
115 リタードローラ
116 第1光センサ
161 制御部
162 通知部
163 ジャム判定部
【要約】
【課題】原稿の重送の発生を抑制しつつ、原稿の搬送処理をより高速に実行することが可能な原稿搬送装置、制御方法及び制御プログラムを提供する。
【解決手段】原稿搬送装置100は、原稿台103に載置された複数の原稿の先端が突き当てられる突当て部101bと、原稿を搬送させるローラ111と、ローラと対向する位置に設けられ、原稿を上側から押圧する押圧部112と、原稿を分離して搬送する分離部114、115と、原稿搬送方向において突き当て部と分離部の間に設けられ、搬送される原稿を検出する第1検出部113と、第1検出部が原稿を検出するまで、押圧部に原稿台に載置された原稿を押圧させ且つローラを第1の速度で回転させ、第1検出部が原稿を検出すると、押圧部による原稿を押圧させる力を低減させ且つローラを第1の速度より遅い第2の速度で回転させる制御部161と、を有する。
【選択図】図6B
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10