(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6239063
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】動力電池のヘッドカバー及びその動力電池
(51)【国際特許分類】
H01M 2/34 20060101AFI20171120BHJP
H01M 2/04 20060101ALI20171120BHJP
H01M 2/30 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
H01M2/34 A
H01M2/04 A
H01M2/30 D
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-154031(P2016-154031)
(22)【出願日】2016年8月4日
【審査請求日】2016年8月4日
(31)【優先権主張番号】201610399621.0
(32)【優先日】2016年6月7日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李全坤
(72)【発明者】
【氏名】朱凌波
(72)【発明者】
【氏名】郭剣
(72)【発明者】
【氏名】▲ダン▼平華
(72)【発明者】
【氏名】王鵬
【審査官】
正 知晃
(56)【参考文献】
【文献】
特許第5415413(JP,B2)
【文献】
中国実用新案第203631651(CN,U)
【文献】
中国実用新案第204946952(CN,U)
【文献】
特開2014−086177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/20 − 2/34
H01M 2/04
Japio−GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力電池のヘッドカバーであって、
ヘッドカバーシート、第1の電極ユニット及び第2の電極ユニットを備え、
前記ヘッドカバーシートに逆転シート接続孔、及び一体成形された第1の接続部が設置され、
前記第1の電極ユニットは逆転シート、導電シート及び絶縁部材を備え、前記絶縁部材に第2の接続部及び導電シート接続部が設置され、
前記逆転シートは前記逆転シート接続孔を密封し、前記導電シートは前記逆転シートの下方に設置され、前記逆転シートに電気的に接続され、
前記第1の接続部は前記ヘッドカバーシートの下面から突出し、前記絶縁部材は、前記第1の接続部と前記第2の接続部とのフィッティングにより、前記ヘッドカバーシートの下方に固定され、
前記導電シートは前記導電シート接続部によって前記ヘッドカバーシートに絶縁固定されることを特徴とする動力電池のヘッドカバー。
【請求項2】
前記第2の接続部は貫通孔であり、前記第1の接続部は前記貫通孔の下方から前記貫通孔を係止することを特徴とする請求項1に記載の動力電池のヘッドカバー。
【請求項3】
前記第2の接続部は上方が小さく下方が大きい階段孔であることを特徴とする請求項2に記載の動力電池のヘッドカバー。
【請求項4】
前記第1の接続部はリベットであり、前記リベットは前記貫通孔を通して前記貫通孔にカシメ固定されることを特徴とする請求項3に記載の動力電池のヘッドカバー。
【請求項5】
前記第1の接続部における前記ヘッドカバーシートから離れる一端部に係止ブロックが設置され、前記係止ブロックは前記第2の接続部に係着固定されることを特徴とする請求項1に記載の動力電池のヘッドカバー。
【請求項6】
前記第2の接続部は係着凹台であり、前記係着凹台は前記絶縁部材の縁部に設置されることを特徴とする請求項5に記載の動力電池のヘッドカバー。
【請求項7】
前記第2の接続部は係止溝であることを特徴とする請求項5に記載の動力電池のヘッドカバー。
【請求項8】
前記第2の接続部は上下方向に絶縁部材を貫通する孔であり、前記孔はその長さの方向に垂直な断面において、その下部の寸法が上部の寸法よりも大きいことを特徴とする請求項7に記載の動力電池のヘッドカバー。
【請求項9】
前記導電シート接続部は係止溝であり、前記導電シートの縁部は前記係止溝内に係止されることを特徴とする請求項1に記載の動力電池のヘッドカバー。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の動力電池のヘッドカバーを備えることを特徴とする動力電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリチウムイオン電池の生産技術分野に関し、特に動力電池のヘッドカバー及びその動力電池に関する。
【背景技術】
【0002】
EVハードケーシング電池については、過充電の問題を解決するために、本分野で一般的に用いられている方法は、セルが機能をなくす前に電池の主回路を切断し、電池に対して継続的に充電することを防止することにより、電池の安全を確保するものである。
【0003】
現在、角形状のハードケーシングの電池において、CID(電流切断構造)が用いられることがある。即ち、正極の主回路に一つの気圧逆転シート及びCIDを集積して一体化する導電シートが設けられる。導電シートの周囲はベアセルの電極ラグと溶接により接続され、導電シートのCID部分は逆転シートと溶接により一体に接続され、逆転シートはヘッドカバーシートと溶接により接続されることにより、電流を正極端子へ伝導する。
【0004】
電池が過充電され内部気圧が上昇すると、逆転シートが逆転することによりCIDを分断し、逆転シートを導電シートと分離させる。
【0005】
理論上、導電シートと逆転シート或いは逆転シートに接続された正電極ポールとの間に一定の隙間があれば、CIDが分断された後、主回路を切断することができる。しかしながら、上述の導電シートがCIDと一体化され、そして、溶接により逆転シートと固定され、導電シートの底部の周囲にさらにベアセルの電極ラグを溶接しなければならない。
【0006】
公知されているように、一定の気圧で逆転シートを動作させ、CIDを分断させるために、逆転シート及びCIDを相対的に弱くにして、非常に頑丈にしてはならない。CIDを集積して一体化する導電シートは、上側に逆転シートが接続され、下側にベアセルの電極ラグが接続され、他の部材による補強固定がなければ、正常な組立て及び使用中に、断裂しやすく、機能が発揮できなくなり、又は変形後、導電シートが逆転シート又はヘッドカバーシートと導通してしまう。
【0007】
上述した課題を鑑みて、CIDを集積して一体化する導電シートの固定構造を設計する要求があり、これにより、固定作用及絶縁作用を発揮することができるとともに、電池内部の利用空間を最大限に増大させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、大量の動力電池の内部空間を占めずに導電シートを強固に固定することができる動力電池のヘッドカバー及びその動力電池を提供している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様では、動力電池のヘッドカバーを提供している。当該動力電池のヘッドカバーは、ヘッドカバーシート、第1の電極ユニット及び第2の電極ユニットを備え、
前記ヘッドカバーシートに逆転シート接続孔、及び一体成形された第1の接続部が設置され、
前記第1の電極ユニットは逆転シート、導電シート及び絶縁部材を備え、前記絶縁部材に第2の接続部及び導電シート接続部が設置され、
前記逆転シートは前記逆転シート接続孔を密封し、前記導電シートは前記逆転シートの下方に設置され、前記逆転シートに電気的に接続され、
前記第1の接続部は前記ヘッドカバーシートの下面から突出し、前記絶縁部材は、前記第1の接続部と前記第2の接続部とのフィッティングにより、前記ヘッドカバーシートの下方に固定され、
前記導電シートは前記導電シート接続部によって前記ヘッドカバーシートに絶縁固定される。
【0010】
好ましくは、前記第2の接続部は貫通孔であり、前記第1の接続部は前記貫通孔の下方から前記貫通孔を係止する。
【0011】
好ましくは、前記第2の接続部は、上方が小さく下方が大きい階段孔である。
【0012】
好ましくは、前記第1の接続部はリベットであり、前記リベットは前記貫通孔を通して前記貫通孔にカシメ固定される。
【0013】
好ましくは、前記第1の接続部における前記ヘッドカバーシートから離れる一端部に係止ブロックが設置され、前記係止ブロックは前記第2の接続部に係着固定される。
【0014】
好ましくは、前記第2の接続部は係着凹台であり、前記係着凹台は前記絶縁部材の縁部に設置される。
【0015】
好ましくは、前記第2の接続部は係止溝である。
【0016】
好ましくは、前記第2の接続部はストリップ状孔であり、前記ストリップ状孔はその長さの方向に垂直な断面において、その下部の寸法が上部の寸法よりも大きい。
【0017】
好ましくは、前記導電シート接続部は係止溝であり、前記導電シートの縁部は前記係止溝内に係止される。
【0018】
本発明の第2の態様では、上記の動力電池のヘッドカバーを備える動力電池を提供している。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る技術案は、以下の有益な効果を達成することができる。
本発明に係る動力電池は、ヘッドカバーシート及び絶縁部材に対する構造改良により、ヘッドカバーシートと絶縁部材とを強固に接続するとともに、導電シートと絶縁部材とも強固に接続することができる。これにより、導電シートが正常な組立て及び使用中に自身の変位により断裂して機能をなくす問題を防止する上、このような接続構造の占める動力電池の内部空間も少ない。
【0020】
理解すべきなのは、上述の一般的な説明及び後述の詳細な説明は例示的なものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施例に係る動力電池のヘッドカバーの全体の側部断面図である。
【
図2】本実施例に係る動力電池のヘッドカバーの第1種の具体的な構造の、
図1におけるA部分に対応する部分拡大構造を示す模式図である。
【
図3】本実施例に係る動力電池のヘッドカバーの第2種の具体的な構造の、
図1におけるA部分に対応する部分拡大構造を示す模式図である。
【
図4】本実施例に係る動力電池のヘッドカバーの第3種の具体的な構造の、
図1におけるA部分に対応する部分拡大構造を示す模式図である。
【
図5】本実施例に係る動力電池のヘッドカバーの第4種の具体的な構造の、
図1におけるA部分に対応する部分拡大構造を示す模式図である。 ここでの図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、本発明に合致する実施例を示しており、明細書と共に本発明の原理を解釈するために用いられる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、具体的な実施例により、図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。ここで記載されている「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は、何れも図面における動力電池のヘッドカバー及びその動力電池の配置状態を基準として定義されている。
【0023】
図1に示すように、本発明の実施例では、動力電池のヘッドカバーを提供している。当該動力電池のヘッドカバーは、ヘッドカバーシート10、第1の電極ユニット20及び第2の電極ユニット30を備える。ヘッドカバーシート10はヘッドカバーの主体構造であり、アルミニウムシートなどの導電性材料で製造する必要がある。ヘッドカバーシート10に第1の接続部100及び逆転シート接続孔101が設置されている。第1の電極ユニット20及び第2の電極ユニット30はそれぞれ動力電池の二つの出力電極であり、それぞれの出力電極はそれぞれベアセルの一つの電極の電極ラグに電気的に接続されている。本実施例において、第1の電極ユニット20は一般的に動力電池の正極とすることができ、第2の電極ユニット30は動力電池の負極とする。
【0024】
図2〜5に示すように、本実施例における第2の電極ユニット30はヘッドカバーシートに絶縁接続される。第1の電極ユニット20は逆転シート200、導電シート201及び絶縁部材202を備える。ここで、逆転シート200は逆転シート接続孔101を密封しており、導電シート201は逆転シート200の下方に設置されるとともに、逆転シート200に電気的に接続されており、その電気的な接続形態は、逆転シート204の中央部が溶接又は他の手段によって導電シート201におけるCIDに固定接続されるものである。
【0025】
動力電池の内部圧力が基準圧力を超えた場合、逆転シート200は逆転して導電シート201との電気的な接続状態から離脱することができる。
【0026】
逆転シート200は逆転シート接続孔101を密封しており、密封形態としては、逆転シート200の縁部が逆転シート接続孔101の上部又は下部に溶接されてもよく(
図1に示すように)、当該逆転シート接続孔101を密封することができればよい。当然ながら、逆転シートはヘッドカバーシートと一体成形されてもよく、即ち、ヘッドカバーシートは、逆転シート接続孔にて逆転シートがプレス成形されており、逆転シートは逆転シート接続孔101の上部又は下部に設置可能である。
【0027】
本実施例において、絶縁部材202がヘッドカバーシート10及び導電シート201との接続は非常に重要であり、これは導電シート201の安定性に重要な作用を果たす。具体的には、絶縁部材202に第2の接続部202a及び導電シート接続部202bが設置されており、第1の接続部100とヘッドカバーシート10とはプレス加工やダイカストなどの加工方式により一体成形され、絶縁部材202は、第1の接続部100と第2の接続部202aとのフィッティングによりヘッドカバーシート10の下方に固定され、導電シート201は導電シート接続部202bに固定接続される。
【0028】
このような構造により、ヘッドカバーシート10及び絶縁部材202が強固に接続されることができるとともに、導電シート201と絶縁部材202とが強固に接続されることもできるため、正常な組立て及び使用中に導電シート201が自身の変位によって断裂して機能を失う問題を防止することができるとともに、このような接続構造の占める動力電池の内部空間も少ない。
【0029】
本実施例において、
図2に示すように、ヘッドカバーシート10と第1の接続部100とはプレス加工又は他の形態で一体成形される。このような形態は、加工プロセスが簡単で生産効率が高い。
【0030】
本実施例において、第1の接続部100の、ヘッドカバーシート10から離れる一端部に一つの係止ブロックが設置され、当該係止ブロックによって第2の接続部202aと係着固定されてもよい。具体的に、
図3に示すように、シート形状の第1の接続部100を用いて、第2の接続部202aを絶縁部材202の縁部位置に設置し、組立ての時、第1の接続部100を絶縁部材202の外周に設置して、その後、第1の接続部100を折り曲げることで、第1の接続部100を水平方向に延伸する係止ブロックに形成することができる。当該係止ブロックは第2の接続部202aの下方まで延伸しており、これにより、絶縁部材202を係止する。このとき、第2の接続部202aの形状は特に限定されなくて、第1の接続部100に係止されることができればよい。但し、好ましくは、第2の接続部202aを係着凹台に設計して、係着凹台の凹む深さ及び幅は係止ブロックの寸法にほぼ対応しており、これにより、係着凹台が係止ブロックを完全に収納できる。一方、もう一つの実施形態において、第2の接続部202aは係止溝であってもよい(
図4を参照)。
【0031】
なお、第2の接続部202aをストリップ状孔にしてもよく、係止ブロックがストリップ状孔を係止できるように、ストリップ状孔はその長さの方向に垂直な断面において、断面の下部の寸法が上部の寸法より大きくにしなければならない(
図5を参照)。
【0032】
図2に示すように、本実施例において、第2の接続部202aは貫通孔の形態を用いてもよく、第1の接続部100は第2の接続部202aを通した後、下方から当該貫通孔に係止され、絶縁部材202の移動の発生を防止することができる。動力電池の内部空間に対する占用を減少するために、第2の接続部202aは上方が小さく下方が大きい階段孔を用いてもよく、このように、第1の接続部100における第2の接続部202aを係止するための部分は絶縁部材202の内部に位置することができ、絶縁部材202から突出して動力電池の大量の空間を占めることがない。上述の場合、第1の接続部100は、リベットを用いることができ、リベットを第2の接続部202aに通した後、リベット圧着により、リベットのヘッド部を平面状にして、これにより、第2の接続部202aを係止する。
【0033】
本実施例において、導電シート201は導電シート接続部202bによってヘッドカバーシート10と絶縁固定される。接続の便利のために、導電シート接続部202bを係止溝にしてもよく、導電シート201の縁部を係止溝に係着させることができる。このように、導電シート201を絶縁部材によってヘッドカバーシート10に強固に固定することができ、これにより、正常な組立て及び使用中に導電シート201が自身の変位により断裂して機能をなくす問題を防止することができる。
【0034】
本実施例はさらに動力電池を提供している。本実施例に係る動力電池のヘッドカバーを採用すると、導電シートが使用中に断裂して機能をなくしたり、変形したりすることによる故障を効果的に防止することができるとともに、大きい内部空間を持たせることもできる。
【0035】
上述したのは本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者にとって、本発明に対して、様々な変更と変化を行ってもよい。本発明の精神と範囲において行った如何なる変更、等価置換、改良等は、何れも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0036】
10 ヘッドカバーシート
100 第1の接続部
101 逆転シート接続孔
20 第1の電極ユニット
200 逆転シート
201 導電シート
202 絶縁部材
202a 第2の接続部
202b 導電シート接続部
30 第2の電極ユニット
【要約】 (修正有)
【解決手段】リチウムイオン電池の生産技術分野に関し、動力電池のヘッドカバーはヘッドカバーシート10、第1の電極ユニット及び第2の電極ユニットを備え、ヘッドカバーシート10に逆転シート接続孔101、及び一体成形された第1の接続部100が設置され、第1の電極ユニットは逆転シート200、導電シート201及び絶縁部材202を備え、絶縁部材202に第2の接続部202a及び導電シート接続部202bが設置され、逆転シートは逆転シート接続孔を密封し、導電シートは逆転シートの下方に設置され、逆転シートに電気的に接続され、絶縁部材は、第1の接続部と第2の接続部とのフィッティングによりヘッドカバーシートの下方に固定され、導電シートは導電シート接続部によってヘッドカバーシートに絶縁固定される動力電池のヘットカバー。
【効果】動力電池は、使用中に導電シートが断裂して機能喪失や、変形を効果的に防止する。
【選択図】
図2