特許第6239078号(P6239078)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6239078
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】半導体記憶装置および読出し方法
(51)【国際特許分類】
   G11C 16/26 20060101AFI20171120BHJP
   G11C 7/10 20060101ALI20171120BHJP
   G11C 8/02 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   G11C16/26 140
   G11C7/10 154
   G11C7/10 455
   G11C8/02
【請求項の数】14
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-216054(P2016-216054)
(22)【出願日】2016年11月4日
【審査請求日】2016年11月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】511062254
【氏名又は名称】ウィンボンド エレクトロニクス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 英充
【審査官】 後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−078301(JP,A)
【文献】 特開2001−184874(JP,A)
【文献】 特開2001−167593(JP,A)
【文献】 特開平08−221320(JP,A)
【文献】 特開昭63−007595(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 16/26
G11C 7/10
G11C 8/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリセルアレイと、
メモリセルアレイの行を選択する行選択手段と、
前記行選択手段により選択されたデータを保持する保持手段と、
カラムアドレスに基づき前記保持手段に保持されたデータの中からnビットのデータを選択する選択手段と、
前記選択手段に接続されるnビットのデータバスとを有し、
前記選択手段はさらに、カラムアドレスに基づきn/2ビットの偶数アドレスのデータを前記データバスの下位に接続し、かつn/2ビットの奇数アドレスのデータを前記データバスの上位に接続し、
前記選択手段はさらに、開始アドレスが奇数アドレスの場合には、奇数アドレスのデータと当該奇数アドレスの次の偶数アドレスのデータとを選択する、半導体記憶装置。
【請求項2】
半導体記憶装置はさらに、偶数アドレスのデータと奇数アドレスのデータを交互に出力可能な出力手段を含む、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記出力手段は、クロック信号に同期して偶数アドレスのデータおよび奇数アドレスのデータを外部端子からシリアル出力する、請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記選択手段は、カラムアドレスから生成される行選択信号と、カラムアドレスから生成される列選択信号とを含み、n/2ビットの偶数アドレスのデータおよびn/2ビットの奇数アドレスのデータは、前記行選択信号と前記列選択信号とに基づき前記データバスの下位および上位に接続される、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記選択手段は、偶数の列選択信号に対応する第1の行選択信号と、奇数の列選択信号に対応する第2の行選択信号とを含み、列選択信号の桁上げに応答して第1の行選択信号または第2の行選択信号により行を選択する、請求項4に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記保持手段は、メモリセルアレイの選択ページから読み出されたデータ、またはメモリセルアレイの選択ページにプログラムすべきデータを保持するページバッファである、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記データバスのビット幅は、前記ページバッファが保持するビット数よりも少なく、データの入出力を行う外部端子の数は、前記データバスのビット幅よりも少ない、請求項6に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
半導体記憶装置は、NAND型のフラッシュメモリである、請求項1ないし7いずれか1つに記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
メモリセルアレイと、
メモリセルアレイの行を選択する行選択手段と、
前記行選択手段により選択されたデータを保持する保持手段と、
カラムアドレスに基づき前記保持手段に保持されたデータの中からnビットのデータを選択する選択手段と、
前記選択手段に接続されるnビットのデータバスとを有し、
前記選択手段はさらに、カラムアドレスに基づきk個のデータを前記データバスに接続し、
前記選択手段はさらに、開始アドレスがnビットのデータバスの先頭アドレス以外である場合には、前記先頭アドレス以外の1つまたは複数個のデータと桁上げされたアドレスのデータとを選択する、半導体記憶装置。
【請求項10】
メモリセルアレイと、メモリセルアレイの行を選択する行選択手段と、前記行選択手段により選択されたデータを保持する保持手段と、カラムアドレスに基づき前記保持手段に保持されたデータの中からnビットのデータを選択する選択手段と、前記選択手段に接続されるnビットのデータバスとを有する半導体記憶装置の読出し方法であって、
開始アドレスが奇数アドレスの場合には、カラムアドレスに基づき前記選択手段により奇数アドレスのデータと当該奇数アドレスの次の偶数アドレスのデータとを前記データバスに接続し、
前記データバスに接続された奇数アドレスのデータを出力した後に、偶数アドレスのデータを出力する、読出し方法。
【請求項11】
開始アドレスが偶数アドレスの場合には、前記選択手段により偶数アドレスのデータと当該偶数アドレスの次の奇数アドレスのデータとを前記データバスに接続し、
前記データバスに接続された偶数アドレスのデータを出力した後に、奇数アドレスのデータを出力する、請求項10に記載の読出し方法。
【請求項12】
奇数アドレスおよび偶数アドレスのデータは、シリアルクロック信号に同期して外部端子からシリアル出力される、請求項10または11に記載の読出し方法。
【請求項13】
n/2ビットの偶数アドレスのデータが前記データバスの下位に接続し、n/2ビットの奇数アドレスのデータを前記データバスの上位に接続する、請求項10ないし12いずれか1つに記載の読出し方法。
【請求項14】
メモリセルアレイと、メモリセルアレイの行を選択する行選択手段と、前記行選択手段により選択されたデータを保持する保持手段と、カラムアドレスに基づき前記保持手段に保持されたデータの中からnビットのデータを選択する選択手段と、前記選択手段に接続されるnビットのデータバスとを有する半導体記憶装置の読出し方法であって、
開始アドレスがnビットのデータバスの先頭アドレス以外である場合には、前記先頭アドレス以外の1つまたは複数個のデータと桁上げされたアドレスのデータとを選択する、読出し方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体記憶装置、特にNAND型フラッシュメモリの読出し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
NAND型のフラッシュメモリでは、ページ単位でデータの読出し、プログラムを行っており、これらのページデータは、ページバッファに格納される。特許文献1に開示されるフラッシュメモリは、ページバッファに格納されたデータを第1のビット幅で転送する第1のモードと第2のビット幅で転送する第2のモードとを備え、複数の動作モードに対応している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−253591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
NAND型フラッシュメモリには、少ない端子数でデータをシリアル入出力するシリアルインターフェースを搭載するものがある。シリアルインターフェースには、例えば、8ビットの命令コードおよび24ビットのアドレスを標準とするシリアルペリフェラルインターフェース(SPI)がある。
【0005】
図1は、シリアルインターフェース機能を搭載したNAND型フラッシュメモリの要部の構成を示す図である。ページバッファ10は、メモリセルアレイから読み出されたページデータまたはメモリセルアレイにプログラムすべきページデータ(例えば、2Kバイト)を保持する。デコード/選択回路20は、カラムアドレスCAをデコードし、デコード結果に基づきページバッファ10の中からnビット(n列)を選択し、選択されたnビットのデータをデータバス30に接続する。デコード/選択回路20が選択するnビットは、データバス30のビット幅に等しく、データバス30が16ビット幅であれば、デコード/選択回路20は、1回の選択で16ビットのデータを選択する。読出し動作時には、ページバッファ10から選択されたデータがデータバス30を介して入出力回路40に転送され、プログラム動作時には、入出力回路40に保持されたデータがデータバス30を介してページバッファ10の選択された列に転送される。
【0006】
入出力回路40は、例えば、図に示すように、×4の外部端子50を含み、シリアルクロック信号CLKに同期してデータの入出力を制御する。例えば、8ビットのデータをシリアル出力するには場合、1つのクロックで4ビットが出力され、合計で2つのクロックCLKが必要となる。
【0007】
データバス30が16ビット幅であるとき、デコード/選択回路20は、1回の読出し動作につき、16ビットのデータを選択するとともに、16ビットのデータをデータバス30に接続するための選択も行う。すなわち、デコード/選択回路20は、カラムアドレスの下位2ビットを用いて、16ビットのデータを、データバス30の上位8ビット[15:8]と、下位8ビット[7:0]に接続する。この場合、図1(B)に示すように、データバス30の上位8ビット[15:8]には、奇数カラムアドレス[2n+1]のデータが接続され、下位8ビット[7:0]には、偶数カラムアドレス[2n]のデータが接続される。
【0008】
図2(A)は、カラムアドレスCA[0]、CA[1]の2ビットを用いて、1回の読出し動作で1つのアドレスを選択するデコード回路の一例とその真理値表を示している。ここでのアドレスとは、データバス30の上位8ビット、または下位8ビットを選択するためのアドレスである。例えば、カラムアドレスCA[1]、[0]がともに「0」であれば、アドレス(ADDEN)0が選択され、ともに「1」であれば、アドレス(ADDEN)3が選択される。アドレス(ADDEN)0、1、2、3は、図2(B)に示すデータバス30の下位8ビット、上位8ビットに対応する。
【0009】
図2(C)は、カラムアドレスCA[0]、CA[1]の2ビットにより、1回の読出し動作で2つのアドレスを選択するデコード回路の一例とその真理値表を示している。このデコード回路は、カラムアドレスCA[0]を無視することで(図では、CA[0]がVddの「1」に固定)、カラムアドレスCA[1]のレベルに応じた2つのアドレスを同時に選択する。例えば、カラムアドレスCA[1]が「0」のとき、デコードされたアドレスは、「0」と「1」であり、図2(B)に示すデータバス30の下位8ビットと上位8ビットが選択され、そこに偶数アドレスのデータと奇数アドレスのデータとが接続される。次に、カラムアドレスCA[1]が「1」となったとき、デコードされたアドレスが「2」と「3」であり、データバス30の下位8ビットと上位8ビットに偶数アドレスのデータと奇数アドレスのデータとが接続される。
【0010】
シーケンシャル読出しを行う製品では、アドレスカウンタ等により開始アドレスが自動的にインクリメントされ、開始アドレスから読み出されたデータが入出力回路40に順次ロードされ、外部端子50から出力される。入出力回路40は、開始アドレスが偶数アドレスのとき、偶数アドレスの下位8ビットデータを出力し、次に、奇数アドレスの上位8ビットのデータを出力し、以後、偶数アドレスのデータと奇数アドレスのデータを交互に出力する。図3(A)は、開始アドレスが偶数アドレスのときのデータバスからのデータの読出し順序を示している。
【0011】
一方、開始アドレスが奇数アドレスのとき、入出力回路40は、奇数アドレスの上位8ビットデータを出力し、次に偶数アドレスの下位8ビットデータを出力する。図3(B)は、開始アドレスが奇数アドレスのときのデータバスからのデータの読出し順序を示している。同図に示すように、開始アドレスが奇数アドレスの場合には、下位8ビットには、開始アドレス−1の偶数アドレスのデータが読み出されており、すなわち、開始アドレスの次の偶数アドレスのデータは、次の読出し動作により得られる。このデコード/選択回路20は、奇数アドレスのデータを出力するや否や、ページバッファ10から次の16ビットデータを選択し、データバス20を更新しなければならない。
【0012】
図4は、開始アドレスが奇数アドレスであるときのシーケンシャル読出しのタイミングチャートである。デコード/選択回路20は、カラム選択信号CSL_ENのパルスP1に応答してページバッファ10から16ビットのデータDATA1を選択し、データDATA1がデータバス30に接続される。入出力回路40は、時刻t1からデータ出力を開始し、データDATA1の上位8ビット[15:8]のデータをクロックCLK1、CLK2に同期して出力する。
【0013】
次に、デコード/選択回路20は、DATA1の出力中に、カラム選択信号CSL_ENのパルスP2に応答して、ページバッファ10から次の16ビットのデータDATA2を選択し、DATA2をデータバス30に接続する。そして、入出力回路40は、データDATA2の下位8ビット[7:0]のデータをCLK3、CLK4に同期して出力する。次に、DATA2の上位8ビットデータがCLK5、CLK6に同期して出力された後、デコード/選択回路20は、カラム選択信号CSL_ENのパルスP3に応答して、ページバッファ10から16ビットのデータDATA3を選択し、DATA3をデータバス30に接続する。
【0014】
このように、開始アドレスが偶数アドレスの場合、データバス30の更新を一定とすることができるが、奇数アドレスの場合図4(B)に示す通り、DATA1の偶数アドレスデータを破棄し、直後にDATA2の偶数アドレスデータを読み出す必要があるため、カラム選択信号CSL_ENのパルスP1とP2の期間が短くなり、内部のタイミングマージンを減少させ、クロック周波数の高い動作に限界を生じさせてしまう。
【0015】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、開始アドレスが奇数か偶数かにかかわらず高速読出しを可能にする半導体記憶装置および読出し方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る半導体記憶装置は、メモリセルアレイと、メモリセルアレイの行を選択する行選択手段と、前記行選択手段により選択されたデータを保持する保持手段と、カラムアドレスに基づき前記保持手段に保持されたデータの中からnビットのデータを選択する選択手段と、前記選択手段に接続されるnビットのデータバスとを有し、前記選択手段はさらに、カラムアドレスに基づきn/2ビットの偶数アドレスのデータを前記データバスの下位に接続し、かつn/2ビットの奇数アドレスのデータを前記データバスの上位に接続し、前記選択手段はさらに、開始アドレスが奇数アドレスの場合には、奇数アドレスのデータと当該奇数アドレスの次の偶数アドレスのデータとを選択する。
【0017】
好ましくは半導体記憶装置はさらに、偶数アドレスのデータと奇数アドレスのデータを交互に出力可能な出力手段を含む。好ましくは前記出力手段は、クロック信号に同期して偶数アドレスのデータおよび奇数アドレスのデータを外部端子からシリアル出力する。好ましくは前記選択手段は、カラムアドレスから生成される行選択信号と、カラムアドレスから生成される列選択信号とを含み、n/2ビットの偶数アドレスのデータおよびn/2ビットの奇数アドレスのデータは、前記行選択信号と前記列選択信号とに基づき前記データバスの下位および上位に接続される。好ましくは前記選択手段は、偶数の列選択信号に対応する第1の行選択信号と、奇数の列選択信号に対応する第2の行選択信号とを含み、列選択信号の桁上げに応答して第1の行選択信号または第2の行選択信号により行を選択する。好ましくは前記保持手段は、メモリセルアレイの選択ページから読み出されたデータ、またはメモリセルアレイの選択ページにプログラムすべきデータを保持するページバッファである。好ましくは前記データバスのビット幅は、前記ページバッファが保持するビット数よりも少なく、前記外部端子の数は、前記データバスのビット幅よりも少ない。
さらに本発明の半導体記憶装置は、メモリセルアレイと、メモリセルアレイの行を選択する行選択手段と、前記行選択手段により選択されたデータを保持する保持手段と、カラムアドレスに基づき前記保持手段に保持されたデータの中からnビットのデータを選択する選択手段と、前記選択手段に接続されるnビットのデータバスとを有し、前記選択手段はさらに、カラムアドレスに基づきk個のデータを前記データバスに接続し、前記選択手段はさらに、開始アドレスがnビットのデータバスの先頭アドレス以外である場合には、前記先頭アドレス以外の1つまたは複数個のデータと桁上げされたアドレスのデータとを選択する。
【0018】
本発明に係る半導体装置の読出し方法は、メモリセルアレイと、メモリセルアレイの行を選択する行選択手段と、前記行選択手段により選択されたデータを保持する保持手段と、カラムアドレスに基づき前記保持手段に保持されたデータの中からnビットのデータを選択する選択手段と、前記選択手段に接続されるnビットのデータバスとを有するもの読出し方法であって、開始アドレスが奇数アドレスの場合には、カラムアドレスに基づき前記選択手段により奇数アドレスのデータと当該奇数アドレスの次の偶数アドレスのデータとを前記データバスに接続し、前記データバスに接続された奇数アドレスのデータを出力した後に、偶数アドレスのデータを出力する。
【0019】
好ましくは開始アドレスが偶数アドレスの場合には、前記選択手段により偶数アドレスのデータと当該偶数アドレスの次の奇数アドレスのデータとを前記データバスに接続し、
前記データバスに接続された偶数アドレスのデータを出力した後に、奇数アドレスのデータを出力する。
【0020】
さらに本発明の半導体記憶装置の読出し方法は、メモリセルアレイと、メモリセルアレイの行を選択する行選択手段と、前記行選択手段により選択されたデータを保持する保持手段と、カラムアドレスに基づき前記保持手段に保持されたデータの中からnビットのデータを選択する選択手段と、前記選択手段に接続されるnビットのデータバスとを有するものの読出し方法であって、開始アドレスがnビットのデータバスの先頭アドレス以外である場合には、前記先頭アドレス以外の1つまたは複数個のデータと桁上げされたアドレスのデータとを選択する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、開始アドレスが奇数アドレスの場合には、奇数アドレスのデータと当該奇数アドレスの次の偶数アドレスのデータを前記保持手段から選択し、選択したデータをデータバスに接続するようにしたので、開始アドレスが奇数アドレスの場合であっても、偶数アドレスのデータを破棄せず無駄のない読出しが可能になる。さらに、開始アドレスが奇数アドレスの場合のデータバスの更新時間を開始アドレスが偶数アドレスの場合のデータバスの更新時間に一致させ、読出しタイミングのマージンを同じにすることができる。さらに本発明によれば、保持手段に保持されたデータからnビットのデータを選択する場合に、開始アドレスがnビットのデータバスの先頭アドレス以外である場合には、先頭アドレス以外の1つまたは複数個のデータと桁上げされたアドレスのデータとを選択するようにしたので、開始アドレスにかかわらずデータバスの更新時間を一致させ、読出しタイミングのマージンを同じにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】従来のフラッシュメモリの要部の構成を示すブロック図である。
図2図1に示すデコード/選択回路のデコード例を示す図であり、図2(A)は、2つのカラムアドレスによりデータバスの1つのアドレスを選択する例、図2(C)は、2つのカラムアドレスによりデータバスの2つのアドレスを選択する例である。
図3図3(A)は、開始アドレスが偶数アドレスのときのデータバスの読出し順序を示し、図3(B)は、開始アドレスが奇数アドレスのときのデータバスの読出し順序を示す。
図4】従来のフラッシュメモリにおいて、開始アドレスが奇数アドレスのときのシーケンシャル読出しのタイミングチャートである。
図5】本発明の実施例に係るNAND型フラッシュメモリの全体の概略構成を示す図である。
図6】本発明の実施例に係るメモリセルアレイのNANDストリングの構成を示す回路図である。
図7】本発明の実施例に係るフラッシュメモリの動作時に各部に印加される電圧の一例を示す図である。
図8】本発明の実施例に係るデコード/選択回路のデコード方法を説明する図である。
図9】行選択信号と列選択信号を用いて構成されたデコード回路を示す図である。
図10】本発明の実施例に係るデコード/選択回路を示す図であり、図10(A)はコード回路の構成を示し、図10(B)は、配線レイアウトを示し、図10(C)は、列選択信号YBと偶数列選択信号YB_e/奇数列選択信号TB_oとの関係を示す真理値表、図10(D)は、デコード回路の真理値表である。
図11】本発明の実施例に係るフラッシュメモリにおいて、開始アドレスが奇数アドレスであるときのシリアル読出し動作のタイミングチャートである。
図12】従来のフラッシュメモリにおいて、開始アドレスが奇数アドレスであるときのパラレル読出し動作のタイミングチャートである。
図13】本発明の実施例に係るフラッシュメモリにおいて、開始アドレスが奇数アドレスであるときのパラレル読出しのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明の半導体記憶装置は、NAND型のフラッシュメモリ、またはそのようなフラッシュメモリを埋め込んだ半導体記憶装置であることができる。好ましい態様では、NAND型のフラッシュメモリは、シリアルインターフェースを備える。但し、NAND型フラッシュメモリは、シリアルインターフェースとパラレルインターフェースの双方を備えるものであってもよい。シリアルインターフェースは、例えば、シリアルクロックSCKを入力するための端子、データを入力または出力するための端子、コマンドやアドレス等の入出力を可能にするチップセレクトを行う端子等を含む。また、本発明の半導体記憶装置では、外部端子数は任意でありその数に制限はない。
【実施例】
【0024】
図5に、本発明の実施例に係るNAND型フラッシュメモリ100の構成を示す。フラッシュメモリ100は、行列状に配列された複数のメモリセルが形成されたメモリセルアレイ110と、外部端子に接続された入出力回路120と、入出力回路120からのアドレスデータを受け取るアドレスレジスタ130と、入出力回路120からの命令(コマンド)や外部制御信号(チップセレクト信号CS、ライトプロテクト信号WPなど)に基づき読出し、プログラム、消去等を制御する制御部150と、アドレスレジスタ130からの行アドレス情報Axをデコードしデコード結果に基づきメモリアレイ110のブロックやページの選択等を行うワード線選択回路150と、メモリセルアレイ110から読み出されたデータを保持したり、メモリセルアレイ110にプログラムすべきデータを保持するページバッファ/センス回路160と、アドレスレジスタ130からの列アドレス情報Ayをデコードし当該デコード結果に基づきビット線の選択等を行うデコード/選択回路170と、データの読出し、プログラムおよび消去等のために必要な電圧(プログラム電圧Vpgm、パス電圧Vpass、読出し電圧Vread、消去電圧Versを生成する内部電圧発生回路180とを含むことができる。また、ここには図示しないがフラッシュメモリ100は、クロックを発生するクロック発生回路を含むことができる。
【0025】
メモリアレイ110は、複数のブロックを含み(例えば、ブロック0〜ブロック1023)、1つのブロックには、図6に示すように、複数のメモリセルを直列に接続したNANDストリングNUが行方向にn+1個(例えば、2KB)配列されている。1つのNANDストリングNUは、直列に接続された複数のメモリセルMCi(i=1、2、3・・・、64)と、一方の端部であるメモリセルMC64のドレイン側に接続されたビット線側選択トランジスタTDと、メモリセルMC0のソース側に接続されたソース線側選択トランジスタTSとを含む。ビット線側選択トランジスタTDのドレインは、対応する1つのビット線GBLに接続され、ソース線側選択トランジスタTSのソースは、共通のソース線SLに接続される。
【0026】
図7は、フラッシュメモリの各動作時に印加されるバイアス電圧の一例を示したテーブルである。読出し動作では、ビット線に或る正の電圧を印加し、選択されたワード線に或る電圧(例えば0V)を印加し、非選択ワード線にパス電圧Vpass(例えば4.5V)を印加し、選択ゲート線SGD、SGSに正の電圧(例えば4.5V)を印加し、ビット線側選択トランジスタTD、ソース線側選択トランジスタTSをオンし、共通ソース線SLを0Vにする。プログラム動作では、選択されたワード線に高電圧のプログラム電圧Vprog(15〜20V)を印加し、非選択のワード線に中間電位(例えば10V)を印加し、ビット線側選択トランジスタTDをオンさせ、ソース線側選択トランジスタTSをオフさせ、データ「0」または「1」に応じた電位をビット線GBLに供給する。消去動作では、ブロック内の選択されたワード線に0Vを印加し、Pウエルに高電圧(例えば20V)を印加し、フローティングゲートの電子を基板に引き抜くことで、ブロック単位でデータを消去する。
【0027】
ページバッファ/センス回路160は、メモリセルアレイ110の選択ページから読み出されたデータを保持したり、メモリセルアレイ110の選択ページにプログラムするデータを保持する。ページバッファ/センス回路160は、1ページ分のデータ(例えば、2KB)を保持することが可能であるが、読出しやプログラムを高速に行うため、データの入出力をパイプライン処理するように構成されてもよい。例えば、外部端子から読出しデータのシリアル出力を行うとき、入出力回路120が読出しデータをシリアル出力している間に、次の読出しデータがページバッファ160から入出力回路120にプリフェッチされるようにしてもよい。
【0028】
デコード/選択回路170は、データバス190を介して入出力回路120に接続される。本例では、データバス190が16ビット幅を有するものとする。デコード/選択回路170は、アドレスレジスタ130からのカラムアドレスAyをデコードし、ページバッファ/センス回路160の16ビットの列を選択する。読出し動作時であれば、デコード/選択回路170は、ページバッファ/センス回路160に保持されたページデータの中から16ビットのデータを選択し、選択したデータをデータバス190に接続する。プログラム動作時であれば、データバス190の16ビットのデータをデコード/選択回路170により選択されたページバッファ/センス回路160の16ビットの列に接続する。
【0029】
デコード/選択回路170はさらに、カラムアドレスの最下位2ビットを用いて、偶数アドレスのデータをデータバス190の下位8ビットに接続し、奇数アドレスのデータをデータバス190の上位8ビットに接続する。従来のデコード/選択回路は、図4(B)に示したように、開始アドレスが奇数アドレスであるとき、データバスの下位8ビットに開始アドレス−1の偶数アドレスのデータが接続されるため、開始アドレス−1の偶数アドレスのデータを破棄しなければならないという無駄が生じ、かつ、データバスの更新時間を短くしなければならないという問題が生じたが、本実施例のデコード/選択回路170は、開始アドレスが奇数アドレスであっても、読み出された偶数アドレスのデータを破棄することなく、しかも開始アドレスが偶数アドレスのときと同じデータバスの更新時間を可能にする。
【0030】
本実施例では、デコード/選択回路170は、開始アドレスが奇数アドレス[2n+1]のとき、開始アドレス+1、つまり奇数アドレスの次の偶数アドレス[2n+2]のデータを同時にページバッファ/センス回路160から読み出す。このようなデコード回路は、例えば図8(A)に示すように、カラムアドレスCA[0]、CA[1]に必要な論理回路200を付加することで、偶数アドレス[2n+2]のデータを同時に読み出すことができる。そして、入出力回路120は、図8(B)に示すように、ページバッファ/センス回路160から読み出したデータDATA1の奇数アドレス[2n+1]のデータを出力した後に、偶数アドレス[2n+2]のデータを出力する。但し、このデコード方法は、カラムアドレスから行選択信号と列選択信号とを生成し、行選択信号と列選択信号の交点のアドレスを選択するデコード回路において多重選択の問題を生じ得る。
【0031】
行選択信号と列選択信号を用いたマトリックス状のデコード回路は、デコード回路の占有面積を削減する上で有望である。図9に、行選択信号と列選択信号とを用いたデコード回路を示す。デコード回路の電気的な構成を図9(A)に示す。このデコード回路は、カラム選択信号CSL_ENとアドレスイネーブル信号ADDEN[n]がアサートされたとき、行選択信号YA[n]により奇数アドレスのデータと偶数アドレスのデータをデータバスの上位8ビットおよび下位8ビットに接続する。
【0032】
例えば、ページバッファ160が1Kバイトのデータを保持するとき、カラムアドレスの下位3ビットCAをデコードすることで8ビットの行選択信号YAが生成される。また、上位のカラムアドレスCAをデコードすることで列線選択信号YBが生成される。図9(B)は、デコード回路の配線レイアウトであり、ここには、2つの行選択信号YA[n]、[n+1]と、3つの列選択信号YB[m]、[m+1]、[m+2]とが例示されている。行選択信号YAと列選択信号YBの交点Cが、選択されるデータバスの上位8ビットと下位8ビットを示している。図9(C)は、カラムアドレスの下位3ビットの真理値表であり、図9(D)は、デコード回路の真理値表である。図9(E)は、開始アドレスに応じてデコード回路により選択されるアドレスであり、左半分が最初に選択される下位8ビットのアドレス、右半分が2回目に選択される上位8ビットのアドレスである。
【0033】
デコード回路は、行選択信号YA[n]により2つの行YA[n]、[n+1]を選択し、1つの列選択信号YBにより1つの列YB[m]を選択する。例えば、開始アドレスが偶数アドレス「0h」であるとき、YA[0]、YB[0]のアドレスと、YA[1]、YB[0]のアドレスとが選択され、開始アドレスが奇数アドレス「1h」であるときも同様に、YA[0]、YB[0]のアドレスと、YA[1]、YB[0]のアドレスとが選択される。開始アドレスが奇数アドレスの場合、図9(E)の破線で示すように、下位8ビットの偶数アドレスのデータが利用されないことになる。これは、図2(C)に示すデコード回路と等価である。
【0034】
図9に示すデコード回路において、開始アドレスが奇数アドレスである場合に、データバスの下位8ビットに開始アドレス+1の偶数アドレス[2n+2]のデータをロードさせようとすると、列選択信号YBの桁上げのときに多重選択の問題が生じる。例えば、開始アドレスが「7h」であるとき、下位8ビットには、開始アドレス+1の偶数アドレス「8h」のデータをロードすることになるが、「8h」は、次の8ビットの行選択信号により選択されるアドレスであり、つまり、桁上げされたYB[1]により選択されるアドレスである。従って、開始アドレスが「7h」であるとき、列選択信号YB[0]により上位8ビットのデータを選択し、列選択信号YB[1]により「8h」の下位8ビットのデータを選択しなければならなくなる。つまり、2つの列選択信号により2つのアドレスを選択しなければならない。
【0035】
本実施例は、このような多重選択を回避するために、図10に示すようなデコード回路を採用する。図10(B)に示すように、本実施例のデコード回路は、列選択信号YB[m]、[m+2]に対する行選択信号YAE[n]、[n+1]と、列選択信号YB[m+1]に対する行選択信号YAE[n]、[n+1]とにより、データバス190の上位8ビットと下位8ビットとを選択する。
【0036】
図10(A)は、デコード回路の電気的な構成である。本実施例のデコード回路は、カラム選択信号CSL_ENとアドレスイネーブル信号ADDEN[n]の出力ノードNに接続された2つのNAND_1、NAND_2と、それに接続された2つのインバータIN_1、IN_2とを有する。NAND_1の一方の入力には、ノードNが接続され、他方の入力には、列選択信号YB_Eが接続され、IN_1からは、行選択信号YAE[n]が出力される。NAND_2の一方の入力には、ノードNが接続され、他方の入力には、列選択信号YB_Oが接続され、IN_2からは、行選択信号YAO[n]が出力される。列選択信号YB_E、YB_Oは、カラムアドレスの上位アドレスを用いてデコードされたYB信号の偶数/奇数を表す信号であり、YB[0]の真理値表を図10(C)に示す。図10(D)は、本実施例のデコード回路の真理値表であり、図10(E)は、開始アドレスに応じて選択されるデータバスの上位、下位ビットを示している。
【0037】
例えば、開始アドレスが「0h」であるとき、行選択信号YAE[0]がイネーブルされ、行YAE[0]と列YB[0]の交点C、および行YAE[1]と列YB[0]の交点Cが同時に選択される。開始アドレスが奇数アドレス「1h」であるとき、行YAE[1]と列YB[0]の交点C、および行YAE[2]と列YB[0]の交点Cが同時に選択される。開始アドレスが奇数アドレス「7h」であるとき、行YAE[7]と列YB[0]の交点C、および桁上げにより列YBが奇数[1]になるので、行YAO[0]と列YB[1]の交点Cが同時に選択される。開始アドレスが奇数アドレス「15h」であるとき、列YBが奇数であるため、行YAO[7]と列YB[1]の交点C、および桁上げにより列YBが偶数[0]になるので、行YAE[0]と列YB[2]の交点Cが同時に選択される。
【0038】
図11は、本実施例に係るフラッシュメモリにおいて、開始アドレスが奇数アドレスであるときのシリアル読出し動作のタイミングチャートである。デコード/選択回路170は、カラム選択信号CSL_ENのパルスP1に応答して、ページバッファ160の2バイトの読出しデータDATA1を選択し、データバス190の8ビットの下位アドレスには、開始アドレス+1の偶数アドレスのデータがロードされ、8ビットの上位アドレスには、開始アドレスのデータがロードされる。入出力回路120は、読出しデータDATA1の奇数アドレスのデータをクロックCLK1、CLK2に同期してシリアル出力し、引き続き、偶数アドレスのデータをクロックCLK3、CLK4に同期してシリアル出力する。ページバッファ160と入出力回路120とがパイプライン構成であれば、奇数アドレスのデータ出力が終了すると、デコード/選択回路170は、次のパルスP2に応答して、ページバッファ160から次の読出しデータDATA2を選択し、選択されたDATA2がデータバス190を介して入出力回路120にロードされる。
【0039】
なお、開始アドレスが偶数アドレスである場合には、従来と同様に図3(B)に示す順序で偶数アドレスデータがデータバスから読み出され、入出力回路120は、偶数アドレスデータの出力後に、奇数アドレスデータを出力する。
【0040】
このように本実施例によれば、開始アドレスが奇数アドレスであっても、従来のようにページバッファから読出した偶数アドレスのデータを破棄することなく利用することができる。また、データバスの更新サイクル(パルスP1とP2の期間)を従来のように短くする必要がなくなり、内部タイミングのマージンを確保することができるため、より高速周波数での動作を行うことができる。さらに、行選択信号と列選択信号とを用いたデコード回路において、偶数の列選択信号と奇数の列選択信号にそれぞれ対応する2組の行選択信号を用意することで、列アドレスの桁上げの際の多重選択の問題を回避することができる。
【0041】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。上記実施例は、シリアルインターフェースを搭載したNAND型フラッシュメモリを例示したが、本発明は、必ずしもこれに限定されるものではなく、複数の外部端子からデータをパラレル入力またはパラレル出力するフラッシュメモリにも適用することができる。
【0042】
図12図13は、データの入出力をパラレルに行うフラッシュメモリの読出しタイミングチャートであり、図12は、開始アドレスが奇数アドレスのときに開始アドレス−1の偶数アドレスのデータをロードする従来例を示し、図13は、開始アドレスが奇数アドレスのときに開始アドレス+1の偶数アドレスのデータをロードする本実施例を示している。図12において、カラム選択信号CSL_ENのパルスP1に応答して、デコード/選択回路160は、カラムアドレスに従いページバッファ160から2バイトの読出しデータDATA1を選択し、選択されたデータDATA1がデータバス190を介して入出力回路120にロードされる。入出力回路120は、ライトイネーブル信号REBのパルスの立下りエッジに応答して、読出しデータDATA1の上位8ビットの奇数アドレスのデータを外部端子×8から出力する。次に、デコード/選択回路160は、パルスP2に応答して次の2バイトのデータDATA2を選択し、選択されたデータDATA2がデータバス190を介して入出力回路120にロードされる。入出力回路120は、ライトイネーブル信号REBの次のパルスの立下りエッジに応答して、データDATA2の下位8ビットの偶数アドレスのデータを出力し、次のパルスの立下りエッジに応答して、データDATA2の上位8ビットの奇数アドレスのデータを出力する。図12(B)に示すように、従来の読出し方法は、DATA1の偶数アドレスのデータを破棄するものであり、効率的な読出しではない。
【0043】
本実施例の読出しでは、先の実施例のときと同様に、開始アドレスが奇数アドレスの場合には、開始アドレスのデータと開始アドレスの次の偶数アドレスのデータとがデータバス190にロードされるため、偶数アドレスのデータを破棄することなく、無駄のない読出しを行うことができる。また、データバス190の更新サイクルも、1バイトのデータの読出し期間による制約を受けないため、内部タイミングのマージンを確保することができる。
【0044】
上記実施例では、データバス190が16ビット幅から構成される例を示したが、これは一例であり、これ以外にもデータバスのビット幅を拡張されてもよく、例えば、32ビット、64ビットなどであってもよい。データバスが32ビット幅であるとき、デコード/選択回路は、1回の読出し動作につき、ページバッファから32ビットのデータを選択するとともに、カラムアドレスCA[0]、CA[1]の2ビット「11」、「10」、「01」、「00」に応じて、8ビットのデータをデータバスの[31:24]、[23:16]、[15:8]、[7:0]に接続する。また、データバスが64ビット幅であるとき、デコード/選択回路は、1回の読出し動作につき、ページバッファから64ビットのデータを選択するとともに、カラムアドレスCA[0]、CA[1]、CA[2]の3ビット「111」、「110」、…、「001」、「000」に応じて、8ビットのデータをデータバスの[63:56]、[55:48]、…、[15:8]、[7:0]に接続する。このようなデータバスが32ビットまたは64ビットの場合にも、デコード/選択回路は、列選択信号の桁上げが生じる際に意図しない多重選択(例えば、16ビットであれば、2行×2列の選択信号、32ビットであれば、3行×2列)が生じるのを回避することができる。例えば、32ビットの場合、開始アドレスが[010]であるとき、開始アドレス[010]、「011」、桁上げされたアドレス[100]、[101]のデータが同時に読み出され、開始アドレスが[011]であるとき、開始アドレス[011]と、その桁上げされたアドレス[100]、[101]、[110]のデータが同時に読み出される。また、64ビットの場合、例えば、開始アドレスが[0111]であるとき、開始アドレス[0111]と、その桁上げされた[1000]以降のアドレスのデータが同時に読み出される。さらに上記実施例では、データバスを8ビット単位で選択したが、これは一例であり、16ビット単位または32ビット単位で選択するようにしてもよい。
【0045】
本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0046】
100:フラッシュメモリ 110:メモリアレイ
120:入出力回路 130:アドレスレジスタ
140:制御部 150:ワード線選択回路
160:ページバッファ/センス回路 170:デコード/選択回路
180:内部電圧発生正回路 190:データバス
【要約】
【課題】 開始アドレスが奇数か偶数かにかかわらず高速読出しを可能にする半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】 本発明のフラッシュメモリは、メモリセルアレイと、メモリセルアレイの選択ページのデータを保持するページバッファ/センス回路と、カラムアドレスに基づきページバッファに保持されたデータの中からnビットのデータを選択するデコード/選択回路と、デコード/選択回路に接続されるnビットのデータバスとを有する。デコード/選択回路はさらに、カラムアドレスに基づきn/2ビットの偶数アドレスのデータをデータバスの下位に接続し、かつn/2ビットの奇数アドレスのデータを前記データバスの上位に接続し、さらに開始アドレスが奇数アドレスの場合には、奇数アドレスのデータと当該奇数アドレスの次の偶数アドレスのデータとを選択する。
【選択図】 図10
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13