特許第6239101号(P6239101)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6239101防曇性を有する可撓性バイザーおよび防曇コーティング組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6239101
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】防曇性を有する可撓性バイザーおよび防曇コーティング組成物
(51)【国際特許分類】
   C09D 175/04 20060101AFI20171120BHJP
   C09D 5/00 20060101ALI20171120BHJP
   C09K 3/18 20060101ALI20171120BHJP
   B32B 7/02 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   C09D175/04
   C09D5/00 Z
   C09K3/18
   B32B7/02 103
【請求項の数】15
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2016-519725(P2016-519725)
(86)(22)【出願日】2014年6月25日
(65)【公表番号】特表2016-526582(P2016-526582A)
(43)【公表日】2016年9月5日
(86)【国際出願番号】US2014044024
(87)【国際公開番号】WO2014210111
(87)【国際公開日】20141231
【審査請求日】2015年12月10日
(31)【優先権主張番号】61/839,299
(32)【優先日】2013年6月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500149223
【氏名又は名称】サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100188857
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 智文
(72)【発明者】
【氏名】デバシス・マジュンダ
(72)【発明者】
【氏名】ライアン・シー・ハースシェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ピー・ルッソ
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド・ティー・バス
【審査官】 青鹿 喜芳
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−523981(JP,A)
【文献】 特表2000−511950(JP,A)
【文献】 特表2012−528718(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/019175(WO,A1)
【文献】 特開2006−131901(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 1/00−201/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着性ポリマーと、硬質ポリマーと、親水性ポリマーとを含む防曇コーティング組成物であって、接着性ポリマー、硬質ポリマー、および親水性ポリマーが異なるものであり、
接着性ポリマー、硬質ポリマー、及び親水性ポリマーが、ポリウレタン骨格を有するポリマーであり、
硬質ポリマーが、ASTM D3363に従って測定されるとき、少なくともHの鉛筆硬度を有するポリマーを含み
接着性ポリマーが、防曇コーティング組成物の合計乾燥重量を基準にして約10重量%を超える量で存在する、防曇コーティング組成物。
【請求項2】
接着性ポリマーが、約45℃未満のTgを有するポリマーを含み;親水性ポリマーが、骨格および骨格に共有結合している親水性セグメントを有するポリマーを含む、請求項に記載の防曇コーティング組成物。
【請求項3】
親水性ポリマーが、ポリウレタン骨格に共有結合している親水性セグメントを含み、親水性セグメントが、アルキレンオキシド、ラクトン、またはラクタムを含む、請求項に記載の防曇コーティング組成物。
【請求項4】
a.親水性ポリマーが、コーティング組成物の合計乾燥重量を基準にして約25重量%〜約80重量%の範囲内の量で存在し;
b.硬質ポリマーが、コーティング組成物の合計乾燥重量を基準にして約10重量%〜約60重量%の範囲内の量で存在し;
c.接着性ポリマーが、コーティング組成物の合計乾燥重量を基準にして約10重量%〜約60重量%の範囲内の量で存在する、請求項に記載の防曇コーティング組成物。
【請求項5】
硬質ポリマーが、ASTM D412に従って測定されるとき、少なくとも3000psiの100%モジュラスを有する、請求項1に記載の防曇コーティング組成物。
【請求項6】
硬質ポリマーが、ASTM D3363に従って測定されるとき、少なくとも約2Hの鉛筆硬度を有する、請求項1に記載の防曇コーティング組成物。
【請求項7】
接着性ポリマーが、脂肪族の非イオン性ポリウレタンを含む、請求項に記載の防曇コーティング組成物。
【請求項8】
ーティング組成物が架橋剤をさらに含む、請求項に記載の防曇コーティング組成物。
【請求項9】
a)基板層と;
b)防曇層とを含み、防曇層が、基板層上に配置され、少なくとも50%のVLTを有し、請求項1から8のいずれか1項に記載の防曇コーティング組成物を含む、透明コンポジット。
【請求項10】
透明コンポジットが:
a.第1接着剤層と;
b.第1透明層と;
c.第2接着剤層と;
d.第2透明層と;
を含む、請求項に記載の透明コンポジット。
【請求項11】
透明コンポジットが、個人保護装置の形態である、請求項に記載の透明コンポジット。
【請求項12】
1透明層と基板層との間の剥離強度が、ASTM D1876に従って測定されるとき、少なくとも約2ポンド/リニアインチ(PLI)である、請求項10に記載の透明コンポジット。
【請求項13】
防曇層は、該層を自身の上に折り畳み、該層を離し、該層が自身に付着するかを観察することによって判断されるとき、非粘着性である、請求項に記載の透明コンポジット。
【請求項14】
曇層が、防曇層の合計重量を基準にして約3重量%〜約40重量%の範囲で防曇層に存在するコロイダルシリカを含むブロッキング防止剤を含む、請求項に記載の透明コンポジット。
【請求項15】
防曇層が、防曇層の合計重量を基準にして約0.01重量%〜約10重量%の範囲の量で防曇層に存在するフッ素化アニオン性界面活性剤を含むブロッキング防止剤を含む、請求項9に記載の透明コンポジット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、防曇性を有するバイザーおよび防曇コーティング組成物に関し、より詳細には、防曇性を有するバイザー、および異なるポリマーの組み合わせを用いた防曇コーティング組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
防曇組成物および防曇組成物を含有するバイザーが当該分野において知られている。例えば、親水性を有するポリウレタンコーティング組成物が、防曇効果を付与するのに用いられてきた。しかし、親水性ポリウレタンは、多くの場合、軟質かつ粘着性であり、防曇コーティング層が種々の表面に不必要に付着することとなる。かかる粘着性は、可撓性コンポジットバイザーのコーティング、アセンブリまたは実用の際に、コーティングされた層を基板から剥離させる可能性がある。また、単に親水性ポリウレタンを用いる欠点のみを改善しようと試みるときには、透明度、曇り度、硬度、耐擦傷性などの特性が常套的に悪影響を受ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、優れた透明度を有しながらも剥離せず良好な硬度を有する、防曇性を示す新規のバイザーコンポジットが依然として必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
実施形態が例によって示されているが、添付の図に限定されない。
図1図1は、本開示の一実施形態によるコンポジットバイザーの断面図を含む。
図2図2は、本開示の別の実施形態によるコンポジットバイザーの断面図を含む。
【0005】
当業者は、図における要素が簡素化および明瞭化のために示されていること、ならびに必ずしもスケール通りに描かれていないことを認識する。例えば、図における要素のいくつかの寸法は、本発明の実施形態の理解の改善を助けるために、他の要素と比較して誇張されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書に開示されている教示の理解を補助するために、以下の説明を図と組み合わせて提供する。以下の議論は、当該教示の具体的な実施および実施形態に焦点を当てている。この焦点は、当該教示の説明を補助するために付与されており、当該教示の範囲または適用可能性に対する限定として解釈されてはならない。しかし、本願に開示されている教示に基づいて他の実施形態が用いられてよい。
【0007】
用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、またはこれらの任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーすることが意図される。例えば、特徴の列挙を含む方法、物品または装置は、必ずしもこれらの特徴のみに限定されないが、明確には列挙されていない、またはかかる方法、物品もしくは装置に固有の他の特徴を含んでいてよい。さらに、反対であることが別途明確に記述されていない限り、「または」は、包括的な「または」を称し、排他的な「または」を称するのではない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つによって満足される:Aが真(または存在する)かつBが偽(または存在しない)、Aが偽(または存在しない)かつBが真(または存在する)、ならびにAおよびBの両方が真(または存在する)。
【0008】
また、「1つの(a)」または「1つの(an)」の使用は、本明細書に記載の要素および構成成分を記載するのに使用される。これは、単に、便宜上、および本発明の範囲の一般的な意味を付与するためになされるものである。この記載は、別のことが意味されていることが明らかでない限り、1つ、少なくとも1つ、または複数形も含めるとしての単数形もしくはその逆も含むと読み取られるべきである。例えば、本明細書において単一の項目が記載されているとき、単一の項目の代わりに1を超える項目が用いられてよい。同様に、本明細書において1を超える項目が記載されているとき、1を超える項目の代わりに単一の項目が用いられてよい。
【0009】
別途定義されていない限り、本明細書において用いられている全ての技術および科学用語は、本発明が属する分野において通常の知識を有する者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。材料、方法および例は、単なる例示であり、限定的であることは意図されていない。具体的な材料および処理作業に関する多くの詳細は、本明細書に記載されていない程度で、常套的なものであり、透明な防曇コンポジット分野内の教科書および他の情報源において見出され得る。
【0010】
以下の開示は、防曇組成物および防曇組成物を有するコンポジットを記載するものであり、防曇組成物は、防曇、機械的強度、接着性、および透明度を含めた特性の相乗的改善をもたらすことを本発明者らが驚くべきことに発見した、少なくとも3種の異なるポリマーの新規の組み合わせを含んでいる。コンポジットは、バイザー、窓などを含めた用途に特に有用であり得る。かかる概念は、本発明の範囲を説明するが限定しない以下に記載の実施形態を考慮してより良好に理解される。
【0011】
本開示の一実施形態は、図1に示すように、基板層20および防曇層50を含むコンポジット10を対象とする。防曇層50は、基板層20に直接隣接して設けられていてよい。他の実施形態において、より詳細に以下に議論されているように、コンポジットは、基板層20と防曇層50との間に追加の介在層、ならびに基板層20および防曇層50の上または下にさらなる層を含有することができる。一般に、防曇層50は、コンポジットの外層であり、環境に暴露される。ある特定の実施形態において、防曇層は、人間の使用者に面するように適合されるようにコンポジット中に設けられる。例えば、コンポジットの一形態は、より詳細に以下に議論されているように、バイザー構造物であり、防曇層は、使用者に面するように適合されるようにコンポジットの層状中に設けられていてよい。
【0012】
追加の層を有するコンポジットの1つの特定例を図2に示す。コンポジット100は、基板層200;第1接着剤層210;第1透明層220;第2接着剤層230;第2透明層240;および防曇層250を含有することができる。上記の層は、それぞれ、図2示す配置において互いに直接接触することができる。さらに、他の実施形態において、さらなる層が、図2に示す層間に設けられていてよい。上記で議論されているように、常套的には、バイザー構造物に関連する防曇層は、使用のときには使用者に面するように適合され得る。このように、特定の実施形態において、防曇層250は、第2透明層240に直接隣接して接触することができる。本開示の他の特定の実施形態は、防曇コーティング組成物を対象とする。かかる防曇コーティング組成物は、接着性ポリマー、硬質ポリマー、および親水性ポリマーを含むポリマーの架橋性網目構造を含有することができ、接着性ポリマー、硬質ポリマー、および親水性ポリマーは異なるものである。
【0013】
コンポジットのある特定の層および防曇層の構成要素の例および特性をここで記載する。防曇コーティング層のいずれの記載も防曇コーティング組成物に適用されることを理解されたい。
【0014】
基板層は、例えば、透明プラスチック、ガラス、金属またはセラミックを含めた多くの種々の材料であってよい。好ましい実施形態において、基板は可撓性である。例えば、可撓性基板は、破断することなく繰り返し屈曲または湾曲され得る基板である。ある特定の実施形態において、基板は、可撓性プラスチック材料、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエステルアイオノマー、アモルファスポリエステル、例えばアモルファスグリコール変性PET(PETG)を含めたポリエステル、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリスルホン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテルエステル、ポリエーテルアミド、硝酸セルロース、酢酸セルロース、例えば三酢酸セルロース(TAC)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリスチレン、ポリオレフィンアイオノマーを含めたポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリチオウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリ(メチル(x−メタクリレート)、脂肪族もしくは環状ポリオレフィン、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリ(エーテルエーテルケトン)(PEEK)、ポリ(エーテルケトン)(PEK)、ならびにポリ(メチルメタクリレート)および種々のアクリレート/メタクリレートコポリマー(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、種々のフルオロポリマー、種々のシリコーン系ポリマー、ポリマーフォーム、ミクロボイド化ポリマーおよびミクロポーラス材料を含めたボイド化ポリマー、繊維、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。特定の実施形態において、ポリオレフィンとして、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、および配向ポリプロピレン(OPP)を含めたポリプロピレンを挙げることができる。環状ポリオレフィンとして、ポリ(ビス(シクロペンタジエン))を挙げることができる。例として、Japan Synthetic Rubber Co., Tokyo, Japan製Artong;Zeon Chemicals L.P., Tokyo Japan製Zeanor T;およびCelanese A.G., Kronberg Germany製Topas.RTMが挙げられる。Artongは、ポリマーのフィルムであるポリ(ビス(シクロペンタジエン))縮合物である。
【0015】
さらなる特定の実施形態において、ポリエステルとして、芳香族、脂環式、および脂肪族ジオールと脂肪族、芳香族および脂環式ジカルボン酸との縮合から誘導されるものを挙げることができ、ポリエステルは、脂環式、脂肪族または芳香族ポリエステルであってよい。特定の脂環式、脂肪族および芳香族ポリエステルの例として、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(シクロヘキシレンジメチレン)、テレフタレート)ポリ(エチレンドデケート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリ(エチレン(2,7−ナフタレート))、ポリ(メタフェニレンイソフタレート)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(エチレンスクシネート)、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(エチレンセバケート)、ポリ(デカメチレンアゼレート)、ポリ(エチレンセバケート)、ポリ(デカメチレンアジペート)、ポリ(デカメチレンセバケート)、ポリ(ジメチルプロピオラクトン)、ポリ(パラ−ヒドロキシベンゾエート)(Ekonol)、ポリ(エチレンオキシベンゾエート)(A−tell)、ポリ(エチレンイソフタレート)、ポリ(テトラメチレンテレフタレート、ポリ(ヘキサメチレンテレフタレート)、ポリ(デカメチレンテレフタレート)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)(トランス)、ポリ(エチレン1,5−ナフタレート)、ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、(Kodel)(シス)、およびポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(Kodel)(トランス)が挙げられる。特定の実施形態において、ポリエステル化合物は、ジオールと芳香族ジカルボン酸との縮合から調製されるポリエステル化合物であってよい。例示的なかかる芳香族カルボン酸は、テレフタル酸、イソフタル酸およびα−フタル酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホン−ジカルボン酸、1,1,3−トリメチル−5−カルボキシ−3−(p−カルボキシフェニル)−イダン、ジフェニルエーテル4,4’−ジカルボン酸、ビス−p(カルボキシ−フェニル)メタンなどである。さらにより特定的な実施形態において、上記芳香族ジカルボン酸として、ベンゼン環ベースのもの(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸)を挙げることができる。これらの酸前駆体の中でも、テレフタル酸は、特定の酸前駆体である。
【0016】
フルオロポリマーとして、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、フッ素化エチレン−プロピレン(FEP)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびフッ化ビニリデンのコポリマー(THV)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)およびフッ化ビニリデン(VDFまたはVF2)のコポリマー、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ化ビニリデン(VDF)およびヘキサフルオロプロピレン(HFP)のターポリマー、ならびに、特殊物質を含有するペルフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)、ポリエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリエチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリ(エチレンテトラフルオロエチレン)フルオロポリマー(PETFE)、ならびにこれらの組み合わせを挙げることができる。フルオロポリマーは、特に、任意の層、特に防曇層が剥離の危険性無く接着するのが非常に困難な基板である。本明細書に記載のコンポジットのある特定の実施形態の1つの特定の利点は、フルオロポリマー層の優れた接着性または結合性である。この特徴は、剥離しない能力の観点でも説明される。
【0017】
ある特定の実施形態において、ポリ塩化ビニル材料は、任意の好適な技術、例えば懸濁重合、乳化重合またはバルク重合によって、モノマーである塩化ビニルの重合から誘導され得る。ポリ塩化ビニル材料として、塩素分が増加した塩素化ポリ塩化ビニルを挙げることができる。ポリ塩化ビニル材料は、所望の物理的および化学的特性ならびに加工容易性のために、付加物、例えば熱安定剤、UV安定剤、潤滑剤、可塑剤、加工助剤、衝撃改質剤、熱調整剤、充填剤、難燃剤、殺生物剤、発泡剤および煙抑制剤、ならびに場合により顔料を含んでいてよい。
【0018】
非常に特定的な実施形態において、基板材料として、ポリ塩化ビニル;ポリエステル、例えばPET、PEN、PETG、ポリエステルアイオノマー;ポリカーボネート;フルオロポリマー、例えばETFE、PFA、FEP、PVDF、THVおよびPVF;ポリオレフィン、例えばPEおよびPP;ポリウレタン;酢酸セルロース;ならびにガラスを挙げることができる。
【0019】
ある特定の実施形態において、可撓性プラスチック基板は、用いられるとき、硬質コーティングによって補強され得る。典型的には、硬質コーティングはアクリルコーティングである。かかる硬質コーティングは、1〜15ミクロン、例えば2〜4ミクロンの厚さを典型的には有し、熱的にまたは紫外線放射によってのいずれかで開始される、適切な重合性材料のフリーラジカル重合によって付与され得る。基板に応じて、種々の硬質コーティングが用いられてよい。基板がポリエステルまたはArtonであるとき、特に有用な硬質コーティングは、「Lintec」として公知のコーティングである。「Lintec」は、UV硬化したポリエステルアクリレートおよびコロイダルシリカを含有する。Artonに堆積されるとき、水素を除く、35原子%のC、45原子%のO、および20原子%のSiの表面組成を有する。別の特に有用な硬質コーティングは、Tekra Corporation, New Berlin, Wisによって商標「Terrapin」で販売されているアクリルコーティングである。
【0020】
図2を再び参照すると、ある特定の実施形態は、コンポジットに、基板層以外の追加のポリマー層を含むことができる。かかる実施形態において、コンポジットは、例えばかかるポリマー層のいずれかの間に接着剤層を含有することができる。
【0021】
ある特定の実施形態において、接着剤層は、水溶性ポリマー、親水性コロイドまたは水不溶性ポリマー、ラテックスまたは分散物のうちの1つ以上を含むことができる。特定の実施形態において、接着剤層は、エチレン性不飽和モノマー、例えばスチレン、スチレン誘導体、アクリル酸もしくはメタクリル酸およびこれらの誘導体、オレフィン、(メタ)アクリロニトリル、イタコン酸およびその誘導体、マレイン酸およびその誘導体、ハロゲン化ビニル、酢酸ビニル、ハロゲン化ビニリデン、エポキシ、ウレタン、イミン、ポリエステル、フルオロポリマー、またはこれらの組み合わせから調製されたポリマーまたはインターポリマーを含有することができる。
【0022】
特に好適なフルオロポリマーとして、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、フッ素化エチレン−プロピレン(FEP)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびフッ化ビニリデンのコポリマー(THV)、ポリエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリエチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ならびにこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0023】
特定の実施形態において、接着剤層は、例えば、ポリウレタンおよびポリエステルなどの縮合ポリマーの水性分散物から調製され得る。
【0024】
接着剤層の構成要素をガラス転移温度の観点で説明することも有用である。特定の実施形態において、接着剤層は、60℃以下、20℃以下、10℃以下、および0℃以下さえものガラス転移温度(T)を有するポリマーを含むことができる。これらのガラス転移温度により、積層の際に接着剤層の十分な流れが確保される。
【0025】
接着剤層を説明するための別の方法は、剥離強度試験による接着効果の定量化によるものである。剥離強度は、ASTM D1876に従って測定され得る。ある特定の実施形態において、第1接着剤層、第2接着剤層、またはこれらの組み合わせは、隣接するシート間で少なくとも約2ポンド/リニアインチ(PLI)、少なくとも約3PLI、少なくとも約4PLI、または少なくとも約5PLIさえもの剥離強度を有することができる。特に、隣接するシートは、本明細書に記載のもの、例えば基板層、第1透明層、第2透明層、またはこれらの組み合わせであり得る。
【0026】
接着剤層は、少なくとも0.1μm、少なくとも0.5μm、または少なくとも1μmさえもの厚さを有することができる。接着剤層は、100μm以下、50μm以下、10μm以下、または8μm以下さえもの厚さを有することができる。さらに、接着剤層は、上記最大および最小値のいずれかの範囲、例えば約0.1μm〜約100μm、約0.5μm〜約50μm、または約1μm〜約10μmさえもの厚さを有することができる。
【0027】
上記で議論されているように、コンポジットは、基板層以外の追加の層、例えば第1透明層および第2透明層を含有することができる。第1透明層および/または第2透明層は、基板層に関して記載されているものを含めた多数の種々の材料であってよい。ある特定の実施形態において、第1透明層および第2透明層は、同じ材料を含有していてよい。他の実施形態において、第1透明層および第2透明層は、異なっていてよい。特定の実施形態において、第1および/または第2透明層は、ポリマーを含有していてよい。しかし、第1および/または第2透明層は、任意の理由で、ガラス、セラミック、金属または任意の他の好適な材料を含んでいてよいことを理解されたい。例えば、第1および第2透明層は、基板層に関して上記されている材料のいずれかであってよい。
【0028】
第1透明層および/または第2透明層は、例えば、透明プラスチック、例えば、基板層として本明細書に上記されているものを含んでいてよい。特定の実施形態において、第1透明層および/または第2透明層は、上記の本明細書における基板層に関して記載されているものと同じである。第1透明層および/または第2透明層のための最も好ましい材料として、ポリ塩化ビニル;ポリエステル、例えばPET、PEN、PETG、ポリエステルアイオノマー;ポリカーボネート;フルオロポリマー、例えばETFE、PFA、FEP、THV;ポリオレフィン、例えばPEおよびPP;酢酸セルロース;ならびにガラスが挙げられる。
【0029】
基板層および/または第1透明層および/または第2透明層は、例えば、押出、共押出、成形、ブロー成形、配向、積層、鋳造、カレンダリング、コーティング、熱成形などの当該分野において公知の任意の手段によって製造されてよい。好ましい実施形態において、基板層および/または第1透明層および/または第2透明層は、自立型シートを含有していてよい。
【0030】
基板層および/または第1透明層および/または第2透明層は、任意の添加剤、例えば電荷制御剤、導電性粒子またはポリマー、架橋剤または硬化剤、可溶性および/または固体粒子染料、防曇剤、無機または有機充填剤、分散剤、潤滑剤、可塑剤、抗酸化剤、ボイド化剤、着色剤または色調剤、粗化剤、スリップ剤、UV吸収剤、屈折率整合材、離型剤、難燃剤、ならびに当該分野において周知のその他のものを含んでいてよい。
【0031】
特定の実施形態において、基板層および/または第1透明層および/または第2透明層、ならびに特にフルオロポリマー層は、コーティング性および/または接着性を改善するための任意数のプライマーを有していてよくまたは表面処理されていてよい。かかるプライマーは、アクリル、ポリウレタン、ポリエステル、ハロゲン化ビニリデン、ポリオレフィン、エポキシ、シランなどを含むことができる。表面処理として、火炎、プラズマおよびコロナ放電処理、紫外線放射処理、オゾン処理、電子線処理、化学的処理などを挙げることができる。
【0032】
フルオロポリマー表面に好ましい特に有用な表面処理はC−処理であり、これは、溶媒ガス、例えばアセトンの存在下でコロナ処理によって表面を変性させる方法を称する。理論によって限定されないが、当該方法は、変性フルオロポリマーおよび非フルオロポリマー界面(または第2変性フルオロポリマー)間の強い層間接着性を付与することが見出されている。C−処理は、米国特許第6,726,979号およびその中の参照文献に記載されており、その教示は、全ての目的で全体が本明細書に組み込まれる。
【0033】
防曇層は、1種以上のポリマーを含有していてよい。ある特定の実施形態において、防曇層は、少なくとも2種の異なるポリマー、少なくとも3種の異なるポリマー、または少なくとも4種の異なるポリマーさえも含有していてよい。好ましい実施形態において、防曇層は、これら異なるポリマーの架橋網目構造を含有する。
【0034】
ある特定の材料特性の観点で防曇層内のポリマーを説明することが有益である。特定の実施形態において、防曇層は、ポリマーがそれぞれ異なっている、親水性ポリマー、接着性ポリマー、および硬質ポリマーを含有していてよい。
【0035】
防曇層の親水性ポリマーとして、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリエステル、ポリウレタン、酢酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースもしくはゼラチンまたはこれらのブレンドもしくはコポリマーを挙げることができる。親水性ポリマーは、骨格および当該骨格に共有結合した親水性セグメントを有するポリマーであってよい。
【0036】
親水性セグメントとして、アルキレンオキシド、ラクトン、ラクタム、シラン、アクリルアミド、アルコール、ゼラチン、またはこれらの組み合わせを挙げることができる。特定の実施形態において、親水性セグメントとして、アルキレンオキシド、ラクトン、ラクタム、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0037】
親水性セグメントは、少なくとも約100、少なくとも約500、または少なくとも約1000さえもの分子量を有することができる。さらに、親水性セグメントは、約100000以下、約50000以下、または約10000以下さえもの分子量を有することができる。また、親水性セグメントは、上記最大および最小値のいずれかの範囲、例えば、約100〜約100000、約500〜約50000、または約1000〜約10000さえもの分子量を有することができる。
【0038】
親水性セグメントは、親水性ポリマーの重量の少なくとも約1重量%、少なくとも約10重量%、または少なくとも約25重量%でさえあることができる。さらに、親水性セグメントは、約95重量%以下、約75重量%以下、または約50重量%以下でさえあることができる。また、親水性セグメントは、上記最大および最小値のいずれかの範囲、例えば、約1重量%〜約95重量%、約10重量%〜約75重量%、または約25重量%〜約50重量%さえもの重量百分率の親水性ポリマーを含有することができる。
【0039】
親水性ポリマーは、防曇層の合計乾燥重量を基準にして約99.9重量%以下、約90重量%以下、約80重量%以下、または約70重量%以下さえもの量で防曇層に存在することができる。さらなる実施形態において、親水性ポリマーは、防曇層の合計乾燥重量を基準にして少なくとも約0.01重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%、または少なくとも約25重量%さえもの量で防曇層に存在することができる。また、親水性ポリマーは、防曇層の合計乾燥重量を基準にして、上記最大および最小値のいずれかの範囲、例えば約0.01重量%〜約99.9重量%、約10重量%〜約90重量%、約20重量%〜約80重量%、または約25重量%〜約75重量%さえもの量で防曇層に存在することができる。
【0040】
さらに、ある特定の実施形態において、親水性ポリマーは、防曇層において第1のポリマーであってよい。例えば、親水性ポリマーは、接着性ポリマー、硬質ポリマー、またはこれらの組み合わせよりも多くの量で防曇層に存在することができる。
【0041】
接着性ポリマーは、水溶性ポリマー、親水性コロイドまたは水不溶性ポリマー、ラテックスまたは分散物のうちの1つ以上を含んでいてよい。特定の実施形態において、接着性ポリマーは、エチレン性不飽和モノマー、例えばスチレン、スチレン誘導体、アクリル酸もしくはメタクリル酸およびこれらの誘導体、オレフィン、(メタ)アクリロニトリル、イタコン酸およびその誘導体、マレイン酸およびその誘導体、ハロゲン化ビニル、酢酸ビニル、ハロゲン化ビニリデン、エポキシ、ウレタン、イミン、ポリエステル、フルオロポリマー、またはこれらの組み合わせから調製されたポリマーまたはインターポリマーであってよい。
【0042】
特に好適なフルオロポリマーとして、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、フッ素化エチレン−プロピレン(FEP)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびフッ化ビニリデンのコポリマー(THV)、ポリエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリエチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ならびにこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0043】
特定の実施形態において、接着性ポリマーは、縮合ポリマー、例えば、ポリウレタンおよびポリエステルなどの縮合ポリマーの水性分散物から調製され得る。
【0044】
接着性ポリマーをガラス転移温度の観点で説明することも有用である。特定の実施形態において、接着性ポリマーは、60℃以下、20℃以下、10℃以下、および0℃以下さえものガラス転移温度(T)を有することができる。これらのガラス転移温度により、積層の際に当該ポリマーの十分な流れが確保される。
【0045】
接着性ポリマーを説明するための別の方法は、剥離強度試験による接着効果の定量化によるものである。剥離強度は、ASTM D1876に従って測定され得る。ある特定の実施形態において、接着性ポリマーは、隣接するシート間で少なくとも約2ポンド/リニアインチ(PLI)、少なくとも約3PLI、少なくとも約4PLI、または少なくとも約5PLIさえもの剥離強度を有することができる。
【0046】
ある特定の実施形態において、接着性ポリマーは、防曇層の合計乾燥重量を基準にして約90重量%以下、約80重量%以下、約70重量%以下、または約60重量%以下さえもの量で防曇層に存在することができる。さらなる実施形態において、接着性ポリマーは、防曇層の合計乾燥重量を基準にして少なくとも約0.1重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%、または少なくとも約25重量%さえもの量で存在することができる。また、接着性ポリマーは、防曇層の合計乾燥重量を基準にして、上記最大および最小値のいずれかの範囲、例えば約0.1重量%〜約90重量%、約10重量%〜約80重量%、約20重量%〜約70重量%、または約25重量%〜約60重量%さえもの量で防曇層に存在することができる。
【0047】
さらなる実施形態において、防曇層は、硬質ポリマーをさらに含むことができる。硬質ポリマーは、防曇層に機械的強度を付与することができ、また、防曇層の耐擦傷性の改善を補助することもできる。
【0048】
ある特定の実施形態において、硬質ポリマーは、水溶性ポリマー、親水性コロイドまたは水不溶性ポリマー、ラテックスまたは分散物を含むことができる。特定の実施形態において、硬質ポリマーは、エチレン性不飽和モノマー、例えばスチレン、スチレン誘導体、アクリル酸もしくはメタクリル酸およびこれらの誘導体、オレフィン、(メタ)アクリロニトリル、イタコン酸およびその誘導体、マレイン酸およびその誘導体、ハロゲン化ビニル、酢酸ビニル、ハロゲン化ビニリデン、エポキシ、ウレタン、イミン、ポリエステル、フルオロポリマー、またはこれらの組み合わせから調製されたポリマーまたはインターポリマーを含有することができる。特に好適なフルオロポリマーとして、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)、フッ素化エチレン−プロピレン(FEP)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびフッ化ビニリデンのコポリマー(THV)、ポリエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリエチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ならびにこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0049】
ある特定のさらなる実施形態において、硬質ポリマーは、縮合ポリマー、例えば、ポリウレタンおよびポリエステルなどの縮合ポリマーの水性分散物を含むことができる。
【0050】
硬質ポリマーを硬度の観点で説明することも有用である。硬度は、ASTM D3363に従って測定される、鉛筆硬度試験を用いて定量化されてよい。本明細書に記載の実施形態において、硬質ポリマーは、ASTM D3363に従って測定されるとき、少なくとも約H、少なくとも約2H、少なくとも約3Hの鉛筆硬度を有することができる。さらに、硬質ポリマーは、ASTM D3363に従って測定されるとき、約9H以下、約8H以下、約7H以下、約6H以下、または約5H以下さえもの鉛筆硬度を有することができる。また、硬質ポリマーは、ASTM D3363に従って測定されるとき、上記最大および最小値のいずれかの範囲、例えば、約H〜約9H、約2H〜約8H、または約3H〜約7Hさえもの鉛筆硬度を有することができる。
【0051】
硬質ポリマーを説明するための別の有用な特性は100%モジュラスである。特定の実施形態において、硬質ポリマーは、ASTM D412に従って測定されるとき、少なくとも約2000psi、少なくとも約3000psi、または少なくとも約3500psiさえもの100%モジュラスを有することができる。さらなる実施形態において、硬質ポリマーは、ASTM D412に従って測定されるとき、約15000psi以下、約10000psi以下、または約7500psi以下さえもの100%モジュラスを有することができる。また、硬質ポリマーは、ASTM D412に従って測定されるとき、上記最大および最小値のいずれかの範囲、例えば、約2000psi〜約15000psi、約3000psi〜約10000psi、または約3500psi〜約7500psiさえもの100%モジュラスを有することができる。
【0052】
硬質ポリマーを説明するためのなおさらに別の有用な特性は、引張強度である。特定の実施形態において、硬質ポリマーは、ASTM D412に従って測定されるとき、少なくとも約3000psi、少なくとも約4000psi、または少なくとも約5000psiさえもの引張強度を有することができる。さらなる実施形態において、硬質ポリマーは、ASTM D412に従って測定されるとき、約15000psi以下、約1000psi以下、または約7500psi以下さえもの引張強度を有することができる。また、硬質ポリマーは、ASTM D412に従って測定されるとき、上記最大および最小値のいずれかの範囲、例えば、約3000psi〜約15000psi、約4000psi〜約10000psi、または約5000psi〜約7500psiさえもの引張強度を有することができる。
【0053】
硬質ポリマーを説明するためのなおさらに別の有用な特性は、破断伸び%である。特定の実施形態において、硬質ポリマーは、ASTM D412に従って測定されるとき、少なくとも100%(破断時)、少なくとも約200%(破断時)、または少なくとも約300%(破断時)さえもの破断伸び%を有することができる。さらなる実施形態において、硬質ポリマーは、ASTM D412に従って測定されるとき、1000%以下の破断伸び、70%0以下の破断伸び、または500%以下の破断伸びさえもの破断伸び%を有することができる。また、硬質ポリマーは、ASTM D412に従って測定されるとき、上記最大および最小値のいずれかの範囲、例えば約100%〜約1000%、約200%〜約700%、または約300%〜約500%の破断伸びさえもの破断伸び%を有することができる。
【0054】
ある特定の実施形態において、硬質ポリマーは、防曇層の合計乾燥重量を基準にして約90重量%以下、約80重量%以下、約70重量%以下、または約60重量%以下さえもの量で防曇層に存在することができる。さらなる実施形態において、硬質ポリマーは、防曇層の合計乾燥重量を基準にして少なくとも約0.1重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%、または少なくとも約25重量%さえもの量で存在することができる。また、硬質ポリマーは、防曇層の合計乾燥重量を基準にして、上記最大および最小値のいずれかの範囲、例えば約0.1重量%〜約90重量%、約10重量%〜約80重量%、約20重量%〜約70重量%、または約25重量%〜約60重量%さえもの量で防曇層に存在することができる。
【0055】
非常に特定的な実施形態において、防曇コーティング組成物および防曇層は、もう1つのブロッキング防止剤をさらに含んでいてよい。特定の実施形態において、ブロッキング防止剤は、コロイド状無機粒子、例えばコロイダルシリカおよび/または界面活性剤を含んでいてよい。
【0056】
ある特定の実施形態において、コロイダルシリカ化合物は、ナノ粒子を含有していてよい。さらに、ある特定の実施形態において、コロイダルシリカ化合物は、概して透明であってよい。好適なコロイダルシリカの特定の例として、WR Grace Coから市販されているLudox AMを挙げることができる。
【0057】
コロイダルシリカは、用いられるとき、防曇コーティング組成物または防曇層の合計重量を基準にして少なくとも約1重量%、少なくとも約3重量%、または少なくとも約7重量%さえもの量で防曇コーティング組成物または防曇層に存在することができる。さらなる実施形態において、コロイダルシリカは、約50重量%以下、約40重量%以下、約30重量%以下、または約20重量%以下さえもの量で防曇コーティング組成物または防曇層に存在することができる。なおさらなる実施形態において、コロイダルシリカは、上記で付与された最小および最大値のいずれかの範囲、例えば、約1重量%〜約50重量%、約3重量%〜約40重量%、または約7重量%〜約30重量%さえもの量で防曇コーティング組成物または防曇層に存在することができる。
【0058】
界面活性剤に関して、特定の実施形態において、界面活性剤として、フッ素化界面活性剤を挙げることができる。さらに、ある特定の実施形態において、界面活性剤として、アニオン性界面活性剤を挙げることができる。非常に特定的な実施形態において、界面活性剤として、フッ素化アニオン性界面活性剤を挙げることができる。フッ素化アニオン性界面活性剤の好適な例として、DuPont(商標)から入手可能なCapstone FS−61を挙げることができる。
【0059】
ある特定の実施形態において、界面活性剤は、防曇コーティング組成物または防曇層の合計重量を基準にして少なくとも約0.005重量%、少なくとも約0.01重量%、または少なくとも約0.03重量%さえもの量で防曇コーティング組成物または防曇層に存在することができる。さらなる実施形態において、界面活性剤は、約15重量%以下、約10重量%以下、約8重量%以下、または約2重量%以下さえもの量で防曇コーティング組成物または防曇層に存在することができる。なおさらなる実施形態において、界面活性剤は、上記で付与された最小および最大値のいずれかの範囲、例えば約0.005重量%〜約15重量%、約0.01重量%〜約10重量%、または約0.03重量%〜約8重量%さえもの量で防曇コーティング組成物または防曇層に存在することができる。
【0060】
本開示のある特定の実施形態の特定の利点は、上記のブロッキング防止剤が防曇コーティング層のブロッキング(付着性または粘着性とも一般に称される)を有意に低減させることができたという予想外の発見である。かかるブロッキング防止効果は、防曇層を含有するコンポジット構造が、防曇層を含有する2つの表面が例えばパッケージングされた個人保護装置において接触するように折り畳まれているときに特に望ましい。上記のブロッキング防止剤の非存在下では、かかる状況によって、2つの表面が一緒に付着することとなり得、分離されるとき、また、特に、コンポジット構造が室温を超えた高温で保存されるとき、防曇層を損傷することとなり得る。より詳細に以下の例に示されているように、上記のブロッキング防止剤がブロッキングを有意に低減させる役割をしたということが予想外にも発見された。しがたって、本開示のある特定の実施形態において、防曇層および/または防曇コーティング組成物は、親水性ポリマーと、コロイダルシリカおよび/またはアニオン性フッ素化界面活性剤を含むブロッキング防止剤とを含有していてよい。このように、ある特定の実施形態においては、硬質ポリマーおよび/または接着性ポリマーが任意選択的であり得ることを理解されたい。
【0061】
防曇層または第1および第2接着剤層を形成するとき、組成物は溶媒系であっても水系であってもよい。環境的理由で、水系組成物が好ましい。水系とは、コーティング媒体が少なくとも50重量%の水を含むことを意味する。
【0062】
コーティング組成物またはコーティングされた層は、種々の異なる理由で任意の数の添加剤を含むことができる。これらの添加剤として、界面活性剤、消泡剤またはコーティング助剤、電荷制御剤、導電性粒子またはポリマー、増粘剤または粘度調整剤、合一助剤、架橋剤または硬化剤、可溶性および/または固体粒子染料、防曇剤、無機または有機充填剤、艶消しビーズ、無機またはポリマー粒子、接着促進剤、バイト溶剤または化学エッチング液、潤滑剤、可塑剤、抗酸化剤、ボイド化剤、着色剤または色調剤、粗化剤、スリップ剤、UV吸収剤、屈折率整合材、難燃剤ならびに当該分野において周知の他のものを挙げることができる。
【0063】
特定の実施形態において、コーティングされた層は、好適な架橋剤、例えばメラミン樹脂、グリコールウリルホルムアルデヒド樹脂、ポリカルボン酸および無水物、ポリアミン、ポリイミン、エピハロヒドリン、エポキシド、ジエポキシド、ジアルデヒド、ジオール、ハロゲン化カルボン酸、ケテン、ポリアジリジン、イソシアネート、カルボジイミド、金属炭酸塩ならびにこれらの組み合わせの使用によって架橋されてよい。代替的には、コーティングされた層は、放射線、例えばUVまたは可視光、電子線、プラズマまたはコロナの好適な使用によって架橋されてよい。
【0064】
防曇層または第1および第2接着剤層は、当該分野において公知の任意の方法によって形成され得る。特定の方法として、任意の周知のコーティング法、例えばロッドコーティング、ナイフコーティング、エアナイフコーティング、グラビアコーティング、浸漬コーティング、スロットダイコーティング、ローラーコーティング、ナイフオーバーローラーコーティング、スプレーコーティングなどによる、好適なコーティング組成物からのコーティングが挙げられる。他の技術として、インクジェット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、カレンダリング、積層、ホットメルト押出などを挙げることができる。代替的には、層は、熱および/または圧力の適用によってドナー部材からレシーバ部材に移されてよい。
【0065】
バイザーにおける望ましい適用のための本発明の防曇層の重要な特性は、高い可視光透過率(%)(%VLT)によって示される、可視光に対する高い透明度である。%VLTは、層を通過する入射光に対する透過光の強度比であり、米国特許第7,410,825号に記載されているデンシトメータ(例えばX−rite densitometer)を用いて層の光学密度を測定することによってまたはBYK Gardner Haze−Gard Plusなどの機器によって直接決定されてよい。本発明の防曇層は、デンシトメータまたはBYK Gardner Haze−Gard Plusのいずれかによって測定されるとき、少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、最も好ましくは少なくとも70%または少なくとも90%さえもの%VLTを有する。
【0066】
また、透明コンポジットは、コンポジットに必須の全ての層を含む全体として、高い%VLTを有することができる。特定の実施形態において、透明コンポジットは、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%または少なくとも80%さえもの%VLTを有することができる。
【0067】
さらに、防曇層は、スコッチテープ試験に従って測定されるとき、隣接する層に良好な接着性を有することができる。スコッチテープ試験は、実施例セクションにおいて、より詳細に記載されている。本開示の特定の利点は、本明細書に記載の実施形態によるコンポジットが下層に対して良好な接着性を有することである。常套的な防曇層は、特に、防曇層の透明度または防曇効果のいずれにも負の影響を与えることなく、下層の基板に接着する能力に悩まされる。
【0068】
さらには、防曇層は、該層を自身の上に折り畳み、該層を離し、該層が自身に付着するかを観察することによって判断されるとき、非粘着性であり得る。この粘着性の特徴は、以下により詳細に記載されている。本開示の特定の利点は、本明細書に記載の実施形態によるコンポジットが、環境に暴露される層において粘着性であることなく、下層に対して良好な接着性を有することができるということである。常套的な防曇層は、対向する表面には非粘着性でありながらも下層の基板に接着する能力に悩まされる。
【0069】
また、防曇層は、水蒸気浴試験に合格することができる。水蒸気浴試験は、防曇層が、防曇効果を低下させることなく、繰り返される湿潤環境に耐える能力を測定する。本開示の特定の利点は、本明細書に記載の実施形態によるコンポジットが、特に水系防曇コーティング組成物において、防曇効果を低下させることなく、繰り返される洗浄および繰り返される湿潤環境への暴露に耐えることができるということである。
【0070】
さらには、本開示の特定の利点は、本明細書に記載のコンポジットが、湾曲の際に剥離しないということである。この特質は、ゲルボ試験器における2000サイクルにわたる湾曲操作によって定量化され得る。本明細書に記載の実施形態において、コンポジットは、ゲルボ試験器において2000サイクル後に剥離し得ない。常套的なコンポジットは、コンポジットが所望の防曇効果、透明度、粘着性、ならびにこれらの組み合わせを有するように調整するときに剥離に悩まされる。
【0071】
本明細書における上記の本発明の透明コンポジットは、任意の目的で任意数の追加の機能層を含んでいてよい。これらの機能層として、帯電防止層、プライマー、接着促進層、難燃剤層、バリア層、通気層、伝達層、シール可能層、耐摩耗または擦傷層、ハードコート、離型層、スリップ層、反射防止層、屈折率整合層、UV保護層、色調層、毒物混入防止層などを挙げることができる。
【実施例】
【0072】
本開示の実施形態を、例示的であって本開示の範囲を限定するものではない以下の実施例に示す。これらの実施例において用いられるポリマー基板または層として、(1)ポリ塩化ビニル(PVC)シートおよび(2)C−処理されたフッ素化エチレンプロピレン(FEP)コポリマーシートが挙げられる。
【0073】
本発明の実施例ならびに比較例の種々の層に用いる構成要素を、以下の市販の材料から構成した:
a)DSM Neoresinsによって供給される水系脂肪族ポリウレタン分散物Neorez R 9621;
b)DSM Neoresinsによって供給される水系脂肪族ポリウレタン分散物Neorez R 9330;
c)DSM Neoresinsによって供給される水系脂肪族ポリウレタン分散物Neorez R 9679;
d)DSM Neoresinsによって供給される水系脂肪族ポリウレタン分散物Neorez R600;
e)BPIによって供給される水系脂肪族ポリウレタン分散物Bondthane UD−410;
f)Cytech Industiresによって供給されるヘキサメトキシメチルメラミン化合物Cymel 303LF;および
g)Dupontによって供給されるエトキシ化非イオン性フルオロ界面活性剤Zonyl FSO。
h)WR Graceによって供給されるコロイダルシリカ分散物Ludox AM
i)Dupontによって供給されるフッ素化アニオン性界面活性剤Capstone FS−61
【0074】
接着剤層
実施例1−2層コンポジット
表1Aに記載の接着剤層のためのコーティング組成物を、C−処理されたFEP基板上に種々の厚さでコーティングし、93℃で10分間乾燥した。続いて、接着剤がコーティングされたFEPシートを、それぞれ、接着剤層がFEPおよびPVCシート間にあるようにPVCシートに積層した。積層は、40psiのフットプレスにおいて121℃でまたはハンドローラーによって室温(RT)でのいずれかで行った。こうして作製されたコンポジットのいくつかを、種々の期間にわたって107℃でさらに硬化した。FEPシートとPVCシートとの間の剥離強度を、ASTM D1876に従ったInstronにおいてポンド/リニアインチ(PLI)として求めた。種々のコンポジット構造、加工の詳細および対応する剥離強度値を表1Bに列挙する。
【0075】
【表1A】
【0076】
【表1B】
【0077】
上記に示すように、接着剤の組み合わせ:接着剤1〜接着剤6は、少なくとも2PLIの剥離強度値を生じた。
【0078】
さらに、接着剤1〜接着剤6を利用した各コンポジットは、屈曲され、折り畳まれ、湾曲されて、剥離しなかった。一方で、接着剤7〜接着剤8によって製造したコンポジットは、ほとんどまたは全く接着性を付与しなかった。実際、剥離することなく屈曲、折り畳み、または湾曲が可能である一体のコンポジットは、接着剤7〜接着剤8を用いて作り出すことができなかった。
実施例2−接着剤4をベースとした3層コンポジット
【0079】
両側にC−処理した2つのFEPシートのそれぞれを、表A1に概説する接着剤4で両側にコーティングし、93℃で10分間乾燥した。接着剤でコーティングしたFEPシートを、それぞれ、ハンドローラーによって室温(RT)で2つのPVCシート間に積層し、続いて107℃で5分間硬化させて、以下の表2に概説する以下のコンポジットを作り出した。さらに、コンポジットをそれぞれゲルボ装置において2000サイクルにわたる湾曲に供し、剥離についてチェックした。
【0080】
【表2】
【0081】
実施例3−防曇層
以下の表3に記載の防曇コーティング組成物を、PVC層の1つの表面上のコンポジットB1およびB2にコーティングした。さらに、防曇コーティング組成物を、独立型のC−処理されたFEPシートに直接適用した。
【0082】
【表3】
【0083】
性能試験
透明度−コーティングされた防曇層を有する上記サンプルを%VLTについて評価した。少なくとも50%の%VLTを有するサンプルを「高」とし、他を「低」とした。
【0084】
接着性−防曇層を有するサンプルを、直上の層に対する防曇層の接着性についてスコッチテープによって評価した。材料のいずれの除去も「不良」と判断した一方で、除去されないものは「良」と判断した。
【0085】
粘着性−防曇層を有するサンプルを、該層を自身の上に折り畳み、それを離すことによって粘着性について評価した。該層が自身に付着したとき、これを「粘着性」であるとした。他の場合を「非粘着性」とした。
【0086】
防曇能−防曇層のサンプルを水による水蒸気浴に80℃の温度で15秒間暴露し、防曇特性について評価した。その後、水蒸気にあてたサンプルを、石鹸中きれいな古布によって、および温水によって洗浄し、乾燥した。乾燥後、サンプルを上記と同様にして再び水蒸気にあてた。水蒸気への暴露、続いての洗浄によるサイクルを15分間継続し、サンプルを材料のあらゆる除去または防曇特性の損失についてチェックした。本発明の防曇層は、サイクルの途中または終わりに材料のいずれの除去または防曇特性の損失も示すことなく該試験に「合格」した。
【0087】
剥離−防曇コーティングしたコンポジットをゲルボ試験器において2000サイクルにわたる湾曲に供し、剥離について評価した。サンプルは、いずれの層も剥離が検出されなかったときに、試験に「合格」したとみなす。
【0088】
試験結果を以下表2Bにまとめる。
【0089】
【表2B】
【0090】
上記に示すように、サンプル1〜3および7は、高い透明度、良好な接着性、非粘着性表面、良好な可撓性、良好な洗浄性を示すコンポジットバイザーを生じ、良好な防曇性能を維持した。一方で、サンプル4〜6は、不良な接着性または粘着性表面を与え、バイザー用途に望ましくないと判断した。
【0091】
多くの異なる態様および実施形態が可能である。これらの態様および実施形態のいくつかを以下に記載する。本明細書を読んだ後、当業者は、これらの態様および実施形態が単に説明目的であり、本発明の範囲を限定しないことを認識する。実施形態は、以下に列挙する項のいずれか1つ以上によることができる。
【0092】
項1.基板層と;防曇層とを含む透明コンポジットであって、防曇層が、接着性ポリマー、硬質ポリマー、および親水性ポリマーを含み、接着性ポリマー、硬質ポリマー、および親水性ポリマーが異なるものである、上記透明コンポジット。
【0093】
項2.基板層と;第1接着剤層と;第1透明層と;第2接着剤層と;第2透明層と;接着性ポリマー、硬質ポリマー、および親水性ポリマーを含む防曇層とを含む透明コンポジットであって、接着性ポリマー、硬質ポリマー、および親水性ポリマーが異なるものである、上記透明コンポジット。
【0094】
項3.接着性ポリマーと、硬質ポリマーと、親水性ポリマーとを含む防曇コーティング組成物であって、接着性ポリマー、硬質ポリマー、および親水性ポリマーが異なるものである、上記防曇コーティング組成物。
【0095】
項4.接着性ポリマーが、約45℃未満のTを有するポリマーを含み;硬質ポリマーが、ASTM D3363に従って測定されるとき、少なくともHの鉛筆硬度を有するポリマーを含み;親水性ポリマーが、骨格および骨格に共有結合している親水性セグメントを有するポリマーを含む、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジット。
【0096】
項5.防曇層または防曇コーティング組成物が親水性ポリマーを含む、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0097】
項6.親水性ポリマーが親水性ポリウレタンを含む、項4に記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0098】
項7.親水性ポリマーが、ポリウレタン骨格およびポリウレタン骨格に共有結合している親水性セグメントを有するポリマーを含む、項5〜6のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0099】
項8.親水性セグメントが、アルキレンオキシド、ラクトン、ラクタム、シラン、アクリルアミド、アルコール、ゼラチン、またはこれらの組み合わせを含む、項7に記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0100】
項9.親水性セグメントが、アルキレンオキシド、ラクトン、ラクタム、またはこれらの組み合わせを含む、項7〜8のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0101】
項10.親水性セグメントが、少なくとも約100、少なくとも約500、または少なくとも約1000さえもの分子量を有する、項7〜9のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0102】
項11.親水性セグメントが、少なくとも約1重量%、少なくとも約10重量%、または少なくとも約25重量%さえもの親水性ポリマーを含む、項7〜10のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0103】
項12.親水性ポリマーが、防曇層またはコーティング組成物の合計乾燥重量を基準にして約99.9重量%以下、約90重量%以下、約80重量%以下、または約70重量%以下さえもの量で防曇層に存在する、項5〜11のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0104】
項13.親水性ポリマーが、防曇層またはコーティング組成物の合計乾燥重量を基準にして少なくとも約0.01重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%、または少なくとも約25重量%さえもの量で防曇層に存在する、項5〜12のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0105】
項14.親水性ポリマーが、防曇層またはコーティング組成物の合計乾燥重量を基準にして約0.01重量%〜約99.9重量%、約10重量%〜約90重量%、約20重量%〜約80重量%、または約25重量%〜約75重量%さえもの範囲の量で防曇層に存在する、項5〜13のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0106】
項15.防曇層または防曇コーティング組成物が硬質ポリマーを含む、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジット。
【0107】
項16.硬質ポリマーが、スチレン、スチレン誘導体、アクリル酸またはその誘導体、メタクリル酸またはその誘導体、オレフィン、(メタ)アクリロニトリル、イタコン酸およびその誘導体、マレイン酸およびその誘導体、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、フルオロポリマー、またはこれらの組み合わせを含むエチレン性不飽和モノマーから調製されたポリマーまたはインターポリマーを含む、項15に記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0108】
項17.硬質ポリマーが、縮合ポリマーの水性分散物から調製されたポリマーを含む、項15〜16のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0109】
項18.硬質ポリマーが、ポリウレタン、ポリエステル、またはこれらの組み合わせを含む、項15〜17のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0110】
項19.硬質ポリマーが、ポリウレタン分散物、ポリエステル分散物、またはこれらの組み合わせから調製されたポリマーを含む、項15〜18のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0111】
項20.硬質ポリマーが、ASTM D3363に従って測定されるとき、少なくとも約H、少なくとも約2H、少なくとも約3Hの鉛筆硬度を有する、項15〜19のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0112】
項21.硬質ポリマーが、ASTM D412に従って測定されるとき、少なくとも約2000psi、少なくとも約3000psi、または少なくとも約3500psiさえもの100%モジュラスを有する、項15〜20のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0113】
項22.硬質ポリマーが、ASTM D412に従って測定されるとき、約15000psi以下、約10000psi以下、または約7500psi以下さえもの100%モジュラスを有する、項15〜21のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0114】
項23.硬質ポリマーが、ASTM D412に従って測定されるとき、少なくとも約3000psi、少なくとも約4000psi、または少なくとも約5000psiさえもの引張強度を有する、項15〜22のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0115】
項24.硬質ポリマーが、ASTM D412に従って測定されるとき、約15000psi以下の引張強度を有する、項15〜23のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0116】
項25.硬質ポリマーが、防曇層またはコーティング組成物の合計乾燥重量を基準にして約90重量%以下、約80重量%以下、約70重量%以下、または約60重量%以下さえもの量で防曇層に存在する、項15〜24のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0117】
項26.硬質ポリマーが、防曇層またはコーティング組成物の合計乾燥重量を基準にして少なくとも約0.1重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%、または少なくとも約25重量%さえもの量で存在する、項15〜25のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0118】
項27.硬質ポリマーが、防曇層またはコーティング組成物の合計乾燥重量を基準にして約0.1重量%〜約90重量%、約10重量%〜約80重量%、約20重量%〜約70重量%、または約25重量%〜約60重量%さえもの範囲内の量で存在する、項15〜26のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0119】
項28.防曇層またはコーティング組成物が接着性ポリマーを含む、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0120】
項29.接着性ポリマーがポリエステルまたはポリウレタンを含む、項28に記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0121】
項30.接着性ポリマーが、脂肪族の非イオン性ポリウレタンを含む、項28〜29のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0122】
項31.接着性ポリマーが、防曇層またはコーティング組成物の合計乾燥重量を基準にして約90重量%以下、約80重量%以下、約70重量%以下、または約60重量%以下さえもの量で存在する、項28〜30のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0123】
項32.接着性ポリマーが、防曇層またはコーティング組成物の合計乾燥重量を基準にして少なくとも約0.1重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%、またはさえもの少なくとも約25重量%さえもの量で存在する、項28〜31のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0124】
項33.接着性ポリマーが、防曇層またはコーティング組成物の合計乾燥重量を基準にして約0.1重量%〜約90重量%、約10重量%〜約80重量%、約20重量%〜約70重量%、または約25重量%〜約60重量%さえもの範囲内の量で存在する、項28〜32のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0125】
項34.接着性ポリマーが、スチレン、スチレン誘導体、アクリル酸またはその誘導体、メタクリル酸またはその誘導体、オレフィン、(メタ)アクリロニトリル、イタコン酸およびその誘導体、マレイン酸およびその誘導体、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、フルオロポリマー、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択されるエチレン性不飽和モノマーから調製されたポリマーまたはインターポリマーを含む、項28〜33のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0126】
項35.接着性ポリマーが、フルオロポリマーから調製されたポリマーまたはインターポリマーを含み、フルオロポリマーが、PTFE、FPA、FEP、THV、ETFE、PVDF、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される、項28〜34のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0127】
項36.接着性ポリマーが、縮合ポリマーの水性分散物から調製されたポリマーを含む、項28〜35のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0128】
項37.接着性ポリマーが、ポリウレタンまたはポリエステル分散物から調製されたポリマーを含む、項28〜36のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0129】
項38.防曇層またはコーティング組成物が架橋剤をさらに含む、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0130】
項39.防曇層またはコーティング組成物が、硬質ポリマー、親水性ポリマー、および接着性ポリマーを含むポリマーの架橋網目構造をさらに含む、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0131】
項40.防曇層またはコーティング組成物が、界面活性剤、消泡剤、コーティング助剤、電荷制御剤、導電性粒子、導電性ポリマー、増粘剤、粘度調整剤、合一助剤、可溶性および/または固体粒子染料、防曇剤、無機または有機充填剤、艶消しビーズ、無機またはポリマー粒子、接着促進剤、バイト溶剤、化学エッチング液、潤滑剤、可塑剤、抗酸化剤、ボイド化剤、着色剤、色調剤、粗化剤、スリップ剤、UV吸収剤、屈折率整合材、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される添加剤をさらに含む、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0132】
項41.基板層に隣接して設けられた第1透明層をさらに含む、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジット。
【0133】
項42.第1透明層がフルオロポリマーを含む、項41に記載の透明コンポジット。
【0134】
項43.第1透明層が、C−処理されたフルオロポリマーを含む、項41〜42のいずれか1つに記載の透明コンポジット。
【0135】
項44.第1透明層に隣接して設けられた第2透明層をさらに含む、項41〜43のいずれか1つに記載の透明コンポジット。
【0136】
項45.第2透明層が、フルオロポリマーまたはポリ塩化ビニル、またはポリエステル、またはポリカーボネート、または酢酸セルロース、またはポリオレフィンを含む、項44に記載の透明コンポジット。
【0137】
項46.第2透明層が、C−処理されたフルオロポリマーを含む、項44〜45のいずれか1つに記載の透明コンポジット。
【0138】
項47.第1透明層および第2透明層が同じポリマー材料を含む、項41〜46のいずれか1つに記載の透明コンポジット。
【0139】
項48.透明コンポジットが、第1透明層と基板層との間に設けられた第1接着剤層と;第2透明層と第1透明層との間に設けられた第2接着剤層とを含む、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジット。
【0140】
項49.第1接着剤層、または第2接着剤層が、ポリウレタンポリマーを含む、項48に記載の透明コンポジット。
【0141】
項50.第1接着剤層、または第2接着剤層が、硬化した架橋水系脂肪族ポリウレタン分散物を含む、項48〜49のいずれか1つに記載の透明コンポジット。
【0142】
項51.第1接着剤層、または第2接着剤層が、防曇層において同じ接着性ポリマーを含む、項48〜50のいずれか1つに記載の透明コンポジット。
【0143】
項52.第1接着剤層、または第2接着剤層が、水溶性ポリマー、親水性コロイドまたは水不溶性ポリマーをラテックスまたは分散物の形態で含む、項48〜51のいずれか1つに記載の透明コンポジット。
【0144】
項53.第1接着剤層、または第2接着剤層が、エチレン性不飽和モノマー、例えばスチレン、スチレン誘導体、アクリル酸またはその誘導体、メタクリル酸またはその誘導体、オレフィン、(メタ)アクリロニトリル、イタコン酸およびその誘導体、マレイン酸およびその誘導体、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、またはフルオロポリマーから調製されたポリマーおよびインターポリマーを含む、項48〜52のいずれか1つに記載の透明コンポジット。
【0145】
項54.第1接着剤層、または第2接着剤層が、縮合ポリマーの水性分散物から調製されたポリマーを含む、項48〜53のいずれか1つに記載の透明コンポジット。
【0146】
項55.第1接着剤層、または第2接着剤層が、ポリウレタンまたはポリエステル分散物から調製されたポリマーを含む、項48〜54のいずれか1つに記載の透明コンポジット。
【0147】
項56.第1接着剤層、または第2接着剤層が、45℃以下、20℃以下、10℃以下、または0℃以下さえものガラス転移温度(T)を有するポリマー含む、項48〜55のいずれか1つに記載の透明コンポジット。
【0148】
項57.コンポジットが基板層を含む、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジット。
【0149】
項58.コンポジットが自立型透明基板層を含む、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジット。
【0150】
項59.コンポジットが、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、フルオロポリマー、ポリカーボネート、またはポリオレフィンを含む基板層を含む、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジット。
【0151】
項60.第1透明層と基板層との間の剥離強度が、ASTM D1876に従って測定されるとき、少なくとも約2ポンド/リニアインチ(PLI)、少なくとも約3PLI、少なくとも約4PLI、または少なくとも約5PLIでさえある、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジット。
【0152】
項61.第2透明層と第1透明層との間の剥離強度が、ASTM D1876に従って測定されるとき、少なくとも約2ポンド/リニアインチ(PLI)、少なくとも約3PLI、少なくとも約4PLI、または少なくとも約5PLIでさえある、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジット。
【0153】
項62.外層とフルオロポリマーを含む層との間の結合が、ASTM D1876に従って測定されるとき、少なくとも約2ポンド/リニアインチ(PLI)、少なくとも約3PLI、少なくとも約4PLI、または少なくとも約5PLIさえもの結合強度を有し;フルオロポリマーを含む層とポリマーを含む層との間の結合が、ASTM D1876に従って測定されるとき、少なくとも約2ポンド/リニアインチ(PLI)、少なくとも約3PLI、少なくとも約4PLI、または少なくとも約5PLIさえもの結合強度を有する、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジット。
【0154】
項63.防曇層が、スコッチテープ試験に従って測定されるとき、隣接層に対して良好な接着性を有する、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジット。
【0155】
項64.防曇層は、該層を自身の上に折り畳み、該層を離し、該層が自身に付着するかを観察することによって判断されるとき、非粘着性である、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジット。
【0156】
項65.防曇層が、水蒸気浴試験に合格する、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジット。
【0157】
項66.コンポジットが、ゲルボ試験器における2000サイクルにわたる湾曲によって判断されるとき、剥離しない、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジット。
【0158】
項67.防曇層が、少なくとも50%、少なくとも70%、または少なくとも90%さえもの%VLTを有する、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジット。
【0159】
項68.防曇層を含む透明コンポジットであって、防曇層が、親水性ポリマーと、コロイダルシリカおよび/またはアニオン性フッ素化界面活性剤を含むブロッキング防止剤とを含む、透明コンポジット。
【0160】
項69.親水性ポリマーと、コロイダルシリカおよび/またはアニオン性フッ素化界面活性剤を含むブロッキング防止剤とを含む防曇コーティング組成物。
【0161】
項70.防曇コーティング組成物および/または層が、ブロッキング防止剤を含む、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0162】
項71.防曇コーティング組成物および/または層が、コロイド状無機粒子を含むブロッキング防止剤を含む、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0163】
項72.防曇コーティング組成物および/または層が、コロイダルシリカを含むブロッキング防止剤を含む、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0164】
項73.防曇コーティング組成物および/または層が、フッ素化界面活性剤を含むブロッキング防止剤を含む、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0165】
項74.防曇コーティング組成物および/または層が、アニオン性フッ素化界面活性剤を含むブロッキング防止剤を含む、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0166】
項75.防曇コーティング組成物および/または層が、防曇コーティング組成物または防曇層の合計重量を基準にして少なくとも約1重量%、少なくとも約3重量%、または少なくとも約7重量%さえもの量で防曇コーティング組成物または防曇層に存在するコロイダルシリカを含むブロッキング防止剤を含む、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0167】
項76.防曇コーティング組成物および/または層が、約50重量%以下、約40重量%以下、約30重量%以下、または約20重量%以下さえもの量で防曇コーティング組成物または防曇層に存在するコロイダルシリカを含むブロッキング防止剤を含む、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0168】
項77.防曇コーティング組成物および/または層が、約1重量%〜約50重量%、約3重量%〜約40重量%、または約7重量%〜約30重量%さえもの範囲の量で防曇コーティング組成物または防曇層に存在するコロイダルシリカを含むブロッキング防止剤を含む、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0169】
項78.防曇コーティング組成物および/または層が、防曇コーティング組成物または防曇層の合計重量を基準にして少なくとも約0.005重量%、少なくとも約0.01重量%、または少なくとも約0.03重量%さえもの量で防曇コーティング組成物または防曇層に存在するフッ素化アニオン性界面活性剤を含むブロッキング防止剤を含む、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0170】
項79.防曇コーティング組成物および/または層が、約15重量%以下、約10重量%以下、約8重量%以下、または約2重量%以下さえもの量で防曇コーティング組成物または防曇層に存在するフッ素化アニオン性界面活性剤を含むブロッキング防止剤を含む、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0171】
項80.防曇コーティング組成物および/または層が、約0.005重量%〜約15重量%、約0.01重量%〜約10重量%、または約0.03重量%〜約8重量%さえもの範囲の量で防曇コーティング組成物または防曇層に存在するフッ素化アニオン性界面活性剤を含むブロッキング防止剤を含む、上記項のいずれか1つに記載の透明コンポジットまたはコーティング組成物。
【0172】
記載全体または実施例において上記したアクティビティの全てが必要とされるわけではないこと、特定のアクティビティの一部は必要とされない場合があること、および1つ以上のさらなるアクティビティが上記のものに加えて実施されてよいことが理解されよう。さらにまた、アクティビティが列挙されている順序は、必ずしも、それらが実施される順序ではない。
【0173】
利益、他の利点、および課題に対する解決策を具体的な実施形態に関して上記に記載した。しかし、かかる利益、他の利点、および課題に対する解決策、ならびに任意の利益、利点、または解決策が生じ得るようにまたはより顕著になるようにすることができる任意の特徴は、特許請求の範囲のいずれかまたは全ての厳密な、必要とされる、または必須の特徴であると解釈されてはならない。
【0174】
本明細書に記載の実施形態の詳述および例示は、種々の実施形態の構造の全体的な理解を付与することが意図される。該詳述および例示は、本明細書に記載の構造または方法を用いる装置およびシステムの全ての要素および特徴の包括的かつ総合的な記載として機能することを意図していない。個々の実施形態が単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよく、反対に、簡潔のために単一の実施形態の文脈で記載されている種々の特徴が、個々にまたは任意のサブ組み合わせで提供されてもよい。さらに、範囲で記した値への言及は、該範囲内のありとあらゆる値を含む。本明細書を読んだ後、多くの他の実施形態が当業者に明らかになり得る。他の実施形態が用いられて本開示から誘導されてよく、その結果、構造的置換、論理的置換または別の変更が本開示の範囲から逸脱することなくなされ得ることとなる。したがって、本開示は、制限的であるよりもむしろ例示的であると見なされるべきである。
図1
図2