(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の概要
本開示は、第1のp型金属酸化物半導体トランジスタと第1の回路とを含む装置を提供する。第1のp型金属酸化物半導体トランジスタのソースは、装置の入力端子に接続されている。第1の回路は、イネーブル信号が無効化されたときに、装置の入力端子上の信号を第1のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに伝送し、イネーブル信号が有効化されたときに、接地電圧を第1のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに供給するように構成されている。
【0005】
さまざまな例において、第1のp型金属酸化膜半導体トランジスタのソースは、第1のp型金属酸化物半導体トランジスタのバルク端子に短絡される。第1の回路は、第2のp型金属酸化物半導体トランジスタを含み、第2のp型金属酸化膜半導体トランジスタのソースは、装置の入力端子に接続され、第2のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートは、イネーブル信号に接続され、第1のn型金属酸化物半導体トランジスタを含み、第1のn型金属酸化物半導体トランジスタのソースは、アースに接続され、第1のn型金属酸化物半導体トランジスタのドレインは、第2のp型金属酸化物半導体トランジスタのドレインに接続され、第1のn型金属酸化膜半導体トランジスタのゲートは、イネーブル信号に接続され、第2のn型金属酸化膜半導体トランジスタを含み、第2のn型金属酸化膜半導体トランジスタのゲートは、イネーブル信号の反転信号に接続され、第2のn型金属酸化物半導体トランジスタのソースは、装置の入力端子に接続され、第2のp型金属酸化物半導体トランジスタのドレインと、第1のn型金属酸化物半導体トランジスタのドレインと、第2のn型金属酸化物半導体トランジスタのドレインとは、第1のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに接続されている。イネーブル信号の反転信号およびアースは、同一の電圧を有する。装置はさらに、第3のp型金属酸化物半導体トランジスタを備え、第3のp型金属酸化膜半導体トランジスタのソースは、装置の出力端子に接続され、第3のp型金属酸化物半導体トランジスタのドレインは、第1のp型金属酸化物半導体トランジスタのドレインに接続され、イネーブル信号が無効化されたときに、装置の出力端子上の信号を第3のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに伝送し、イネーブル信号が有効化されたときに、接地電圧を第3のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに供給するための第2の回路を備える。第2の回路は、第4のp型金属酸化物半導体トランジスタを含み、第4のp型金属酸化膜半導体トランジスタのソースは、装置の出力端子に接続され、第4のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートは、イネーブル信号に接続され、第3のn型金属酸化物半導体トランジスタを含み、第3のn型金属酸化膜半導体トランジスタのソースは、アースに接続され、第3のn型金属酸化物半導体トランジスタのゲートは、イネーブル信号に接続され、第4のn型金属酸化物半導体トランジスタを含み、第4のn型金属酸化物半導体トランジスタのゲートは、イネーブル信号の反転信号に接続され、第4のn型金属酸化膜半導体トランジスタのソースは、装置の出力端子に接続され、第4のp型金属酸化物半導体トランジスタのドレインと、第3のn型金属酸化物半導体トランジスタのドレインと、第4のn型金属酸化物半導体トランジスタのドレインとは、第3のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに接続されている。装置はさらに、第5のn型金属酸化物半導体トランジスタを含み、第5のn型金属酸化膜半導体トランジスタのソースは、装置の入力端子に接続され、イネーブル信号が無効化されたときに、装置の入力端子上の信号を第5のn型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに伝送し、イネーブル信号が有効化されたときに、電源電圧を第5のn型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに供給するための第3の回路を含む。イネーブル信号は、電源電圧と同一の電圧を有する。装置の入力端子は、接地電圧の電圧レベルと電源電圧の電圧レベルとの間の電圧を有するアナログ信号を含む。第3の回路は、第6のn型金属酸化物半導体トランジスタを含み、第6のn型金属酸化膜半導体トランジスタのソースは、装置の入力端子に接続され、第6のn型金属酸化物半導体トランジスタのゲートは、イネーブル信号の反転信号に接続され、第5のp型金属酸化物半導体トランジスタを含み、第5のp型金属酸化膜半導体トランジスタのソースは、電源電圧に接続され、第5のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートは、イネーブル信号の反転信号に接続され、第6のp型金属酸化膜半導体トランジスタを含み、第6のp型金属酸化膜半導体トランジスタのソースは、入力信号に接続され、第6のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートは、イネーブル信号に接続され、第6のn型金属酸化物半導体トランジスタのドレインと、第5のp型金属酸化物のドレインと、第6のp型金属酸化物半導体トランジスタのドレインとは、第5のn型金属酸化物のゲートに接続されている。装置はさらに、第7のn型金属酸化物半導体トランジスタを含み、第7のn型金属酸化膜半導体トランジスタのソースは、装置の出力端子に接続され、第7のn型金属酸化物半導体トランジスタのドレインは、第5のn型金属酸化物半導体トランジスタのドレインに接続され、イネーブル信号が無効化されたときに、装置の出力端子上の信号を第7のn型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに伝送し、イネーブル信号が有効化されたときに、電源電圧を第7のn型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに供給するための第4の回路を備える。第4の回路は、第7のp型金属酸化物半導体トランジスタを含み、第7のp型金属酸化膜半導体トランジスタのソースは、電源電圧に接続され、第7のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートは、イネーブル信号の反転信号に接続され、第8のn型金属酸化物半導体トランジスタを含み、第8のn型金属酸化膜半導体トランジスタのソースは、装置の出力端子に接続され、第8のn型金属酸化物半導体トランジスタのゲートは、イネーブル信号の反転信号に接続され、第8のp型金属酸化膜半導体トランジスタを含み、第8のp型金属酸化膜半導体トランジスタのソースは、装置の出力端子に接続され、第8のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートは、イネーブル信号に接続され、第7のp型金属酸化物半導体トランジスタのドレインと、第8のp型金属酸化物半導体トランジスタのドレインと、第8のn型金属酸化物半導体トランジスタのドレインとは、第7のn型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに接続されている。装置はさらに、第3のp型金属酸化物半導体トランジスタを含み、第3のp型金属酸化膜半導体トランジスタのソースは、装置の出力端子に接続され、第3のp型金属酸化物半導体トランジスタのドレインは、第1のp型金属酸化物半導体トランジスタのドレインに接続され、イネーブル信号が無効化されたときに、装置の出力端子上の信号を第3のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに伝送し、イネーブル信号が有効化されたときに、接地電圧を第3のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに供給するための第2の回路を備える。
【0006】
また、本開示は、第1のn型金属酸化物半導体トランジスタと第1の回路とを含む装置を提供する。第1のn型金属酸化物半導体トランジスタのソースは、装置の入力端子に接続されている。第1の回路は、イネーブル信号が無効化されたときに、装置の入力端子上の信号を第1のn型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに伝送し、イネーブル信号が有効化されたときに、電源電圧を第1のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに供給するように構成されている。
【0007】
さまざまな例において、第1の回路は、第2のn型金属酸化物半導体トランジスタを備え、第2のn型金属酸化物半導体トランジスタのソースは、装置の入力端子に接続され、第2のn型金属酸化物半導体トランジスタのゲートは、イネーブル信号の反転信号に接続され、第1のp型金属酸化物半導体トランジスタを備え、第1のp型金属酸化物半導体トランジスタのソースは、電源電圧に接続され、第1のp型金属酸化物半導体トランジスタのドレインは、第2のn型金属酸化物半導体トランジスタのドレインに接続され、第1のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートは、イネーブル信号の反転信号に接続され、第2のp型金属酸化物半導体トランジスタを備え、第2のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートは、イネーブル信号に接続され、第2のp型金属酸化物半導体トランジスタのソースは、装置の入力端子に接続され、第2のn型金属酸化物半導体トランジスタのドレインと、第1のp型金属酸化物半導体トランジスタのドレインと、第2のp型金属酸化物半導体トランジスタのドレインとは、第1のn型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに接続されている。装置は、第3のn型金属酸化物半導体トランジスタをさらに備え、第3のn型金属酸化物半導体トランジスタのソースは、装置の出力端子に接続され、第3のn型金属酸化物半導体トランジスタのドレインは、第1のn型金属酸化物半導体トランジスタのドレインに接続され、イネーブル信号が無効化されたときに、装置の出力端子上の信号を第3のn型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに伝送し、イネーブル信号が有効化されたときに、電源電圧を第3のn型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに供給するための第2の回路をさらに備える。
【0008】
本開示はさらに、第1のp型金属酸化物半導体トランジスタと第1の回路とを有する装置を提供する。第3のp型金属酸化物半導体トランジスタのソースは、装置の出力端子に接続されている。第1の回路は、イネーブル信号が無効化されたときに、装置の出力端子上の信号を第1のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに伝送し、イネーブル信号が有効化されたときに、接地電圧を第1のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに供給する。
【0009】
さまざまな例において、第1の回路は、第2のp型金属酸化物半導体トランジスタを備え、第2のp型金属酸化膜半導体トランジスタのソースは、装置の出力端子に接続され、第2のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートは、イネーブル信号に接続され、第1のn型金属酸化物半導体トランジスタを備え、第1のn型金属酸化物半導体トランジスタのソースは、アースに接続され、第1のn型金属酸化物半導体トランジスタのゲートは、イネーブル信号に接続され、第2のn型金属酸化物半導体トランジスタを備え、第2のn型金属酸化物半導体トランジスタのゲートは、イネーブル信号の反転信号に接続され、第2のn型金属酸化物半導体トランジスタのソースは、装置の出力端子に接続され、第2のp型金属酸化物半導体トランジスタのドレインと、第1のn型金属酸化物半導体トランジスタのドレインと、第2のn型金属酸化物半導体トランジスタのドレインとは、第1のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに接続されている。装置は、第3のn型金属酸化物半導体トランジスタをさらに備え、第3のn型金属酸化物半導体トランジスタのソースは、装置の出力に接続され、イネーブル信号が無効化されたときに、装置の出力端子上の信号を第3のn型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに伝送し、イネーブル信号が有効化されたときに、電源電圧を第3のn型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに供給するための第2の回路をさらに備える。
【0010】
さらに、本開示は、n型金属酸化物半導体トランジスタと回路とを有する装置を提供する。n型金属酸化物半導体トランジスタのソースは、装置の出力端子に接続されている。回路は、イネーブル信号が無効化されたときに、装置の出力端子上の信号をn型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに伝送し、イネーブル信号が有効化されたときに、電源電圧をn型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに供給する。
【0011】
また、本開示は、p型金属酸化物半導体トランジスタを制御するための方法を提供する。たとえば、方法は、p型金属酸化膜半導体トランジスタのソースに入力信号を転送するステップと、イネーブル信号を受信するステップとを含む。イネーブル信号は、接地電圧または電源電圧のいずれかを含む。方法はまた、イネーブル信号が電源電圧である場合、p型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに接地電圧を供給するステップを含み、p型金属酸化物半導体トランジスタは、接地電圧がp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに供給されたときに、閉合される。方法はさらに、イネーブル信号が接地電圧である場合、p型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに入力信号を伝送するステップを含み、p型金属酸化物半導体トランジスタは、入力信号がp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに伝送されたときに、開放される。
【0012】
さまざまな例において、方法はさらに、イネーブル信号が電源電圧である場合、第2のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに接地電圧を供給するステップ含むことができ、第2のp型金属酸化物半導体トランジスタは、接地電圧が第2のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに供給されたときに、閉合され、イネーブル信号が接地電圧である場合、回路の出力端子上の出力信号を第2のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに伝送するステップ含むことができ、第2のp型金属酸化物半導体トランジスタは、出力信号が第2のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに伝送されたときに、開放され、接地電圧が第1のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートおよび第2のp型金属酸化膜半導体トランジスタのゲートに供給されたときに、第1のp型金属酸化膜半導体トランジスタのソースからの入力信号を回路の出力端子に伝送するステップ含むことができる。第1のp型金属酸化物半導体トランジスタのドレインは、第2のp型金属酸化物半導体トランジスタのドレインに接続され、第2のp型金属酸化膜半導体トランジスタのソースは、回路の出力端子に接続されている。
【0013】
さらに、本開示は、回路への入力信号を隔離するための方法を提供する。たとえば、この方法は、回路の電源電圧を超える入力信号を受信するステップと、入力信号を回路の第1のp型金属酸化物半導体トランジスタのソースに転送するステップと、入力信号を回路の第2のp型金属酸化物半導体トランジスタのソースに転送するステップとを含む。次に、方法は、接地電圧を第2のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに供給する。接地電圧が第2のp型金属酸化物のゲートに転送されたときに、第2のp型金属酸化物半導体トランジスタは、閉合され、入力信号は、第2のp型金属酸化物半導体トランジスタのソースから第2のp型金属酸化物半導体トランジスタのドレインに伝送される。その後、方法は、入力信号を第2のp型金属酸化物半導体トランジスタのドレインから第1のp型金属酸化物半導体トランジスタのゲートに転送する。入力信号が第1のp型金属酸化物半導体のゲートおよび第1のp型金属酸化物半導体のソースに転送されたときに、第1のp型金属酸化物半導体は、開放される。
【0014】
留意すべきことは、「第1」、「第2」および「第3」などの用語が上記に使用されているが、これらの用語は、素子を標記する意図のみとして使用されていることである。したがって、「第3」のような用語が一例に使用された場合、この例は、必ずしも「第1」および/または「第2」を含まなければならないことを意味していない。
【0015】
その他の特徴は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲を検討すれば認識されるであろう。
【0016】
添付図面は、本開示の1つ以上の局面に係る例示的な回路を示す。しかしながら、添付図面は、本開示を示された例に限定するものではなく、説明および理解ためのもののみである。
【0017】
理解を容易にするために、可能な場合、同様の参照番号を用いて、図面に共通する同様の要素を標記する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
発明の詳細な説明
本開示は、一般的にマルチプレクサの異なる端末の間に電流の流れを防止する装置に関する。たとえば、マルチプレクサを用いて、装置または回路の両端の電圧を測定またはサンプリングすることができる。一例において、マルチプレクサの各々の入力端子は、電圧が測定される装置の異なる部分に接続される。これらの入力端子は、各々の経路を有し、これらの経路は、共通の出力端子に接続される。一例において、各径路は、相補型金属酸化物半導体(CMOS)スイッチを含む。このようなCMOSスイッチは、オンにされた場合、電流が入力端子から出力端子に流れることを可能にし、オフにされた場合、電流が入力端子から出力端子に流れることを防止する。装置の一箇所の電圧を測定するために、入力端子がその箇所に接続された経路がオンにされ、たとえば、対応するCMOSスイッチがオンにされる。他の径路がそれぞれオフにされる。このようにして、出力端子は、連続的におよび/または周期的に測定する/サンプリングすることができる測定またはサンプリング回路に装置の異なる位置に存在し得る異なる電圧を供給することができる。しかしながら、PMOSトランジスタまたはNMOSトランジスタのソースまたはドレインがゲート電圧を超える場合、ゲートは、トランジスタを閉合するまたはオンにすることがある。したがって、マルチプレクサの共通出力端子が電源電圧(したがってゲート電圧)を超える電圧を有する場合、他の入力端子のCMOSゲートに位置するトランジスタは、電流の流れを阻止するために開放されるとの予想と逆に、閉合されることができ、よって、電流がソースとドレインとの間に流れる。
【0020】
本開示をより良く理解するために、
図1は、装置100の詳細なブロック図を示している。特に、装置100は、上記CMOSスイッチの欠点を克服する。より具体的には、CMOSスイッチとして見なされ得る装置100は、出力信号から入力信号を隔離することができ、入力端子の電圧および/または出力端子の電圧が電源電圧または接地電圧を超える場合においてもこの隔離機能を保持することができる。装置100は、従来のCMOSスイッチに存在するPMOS装置およびNMOS装置にそれぞれ対応する2つの経路、すなわち、PMOS径路162およびNMOS径路164を含む。
【0021】
留意すべきことは、
図1に示されたPMOSおよびNMOSトランジスタの各々は、矢印を用いてソース端子を含むPN接合の方向、たとえばp型領域からn型領域への方向を示している。したがって、PMOSトランジスタにおいて、PN接合を示す矢印は、p型ソース端子からn型基板に指向する。逆に、NMOSトランジスタにおいて、PN接合を示す矢印は、p型基板からn型ソース端子に指向する。各トランジスタにおいて、ドレインは、矢印を付けていない端子として示される。一例において、トランジスタのソース端子は、基板またはバルク端子に接続および/または短絡される。別の例において、1つ以上のPMOSトランジスタのバルク端子は、電源電圧に接続されており、1つ以上のNMOSトランジスタのバルク端子は、アースに接続されている。たとえば、全てのPMOSおよびNMOSトランジスタのバルク端子は、上記のように接続されてもよい。しかしながら、一例において、PMOSトランジスタ110、120のソース端子およびNMOSトランジスタ130、140のソース端子は、対応するバルク端子に短絡されることもできる。特に断りのない限り、例示の目的のために、(矢印で示された)各トランジスタのソース端子は、対応するバルク端子に短絡される。
【0022】
PMOS径路162は、装置100の入力端子152に接続されたソース端子を有するPMOSトランジスタ110を含む。また、PMOS径路162は、NMOSトランジスタ112と、PMOSトランジスタ114と、NMOSトランジスタ116とを含む。トランジスタ112、114および116は、共同で回路182を構成することができる。この回路182は、イネーブル信号172が低電圧である場合に、入力端子152上の信号をPMOSトランジスタ110のゲートに伝送し、イネーブル信号172が高電圧である場合に、接地信号192を伝送する。一例において、イネーブル信号172は、装置100の電源電圧と同一の電圧レベルである場合、高電圧であると認められる。同様に、イネーブル信号172は、接地電圧、すなわちゼロ電圧レベルまたは装置100に利用される最低電圧レベルである場合、低電圧であると認められる。以下では、例示の目的のために、接地電圧の電圧レベルが0Vであり、他の電圧の電圧レベルが0V(ゼロボルト)である接地電圧レベルを基準にすると仮定する。一例において、電源電圧が1.8Vであってもよい。よって、電源電圧は、接地電圧よりも1.8V大きい。また、一例において、入力信号および出力信号は、一般的に0から約1.8Vの間にあると予期されるアナログ信号を含むことができる。
【0023】
特に、回路182は、イネーブル信号172によって制御されてもよい。たとえば、イネーブル信号を低電圧、たとえば0Vに設定することによって、入力信号が選択され、PMOSトランジスタ110のゲートに伝送されることができる。イネーブル信号を高電圧、たとえば1.8Vに設定することによって、接地信号192がPMOSトランジスタ110のゲートに伝送される。例示のために、イネーブル信号が0Vであり、入力信号が1.2Vである場合、1.2Vの入力信号は、PMOSトランジスタ114およびNMOSトランジスタ116のソース端子に現れる。PMOSトランジスタ114のゲートは、イネーブル信号172に接続されているため、0Vである。PMOSトランジスタを閉合するまたはオンにするために、ゲートとソースとの間の電圧Vgsは、負の電圧でなければならない。また、電圧Vgsは、大きさでトランジスタの閾値電圧よりも大きくなければならない。しかしながら、説明するために、本開示は、この条件を満していると仮定する。
【0024】
したがって、PMOSトランジスタ114の場合、Vgs=0V−1.2V=−1.2Vである。Vgsが負の電圧であるため、ゲートは、閉合され、すなわち低抵抗/導通状態になり、入力信号をソースからドレインに伝送することができる。同様に、NMOSトランジスタ116のゲートは、イネーブル信号の反転信号174に接続されている。イネーブル信号172が低電圧または0Vであるため、反転信号174が高電圧または1.8Vである。NMOSトランジスタの場合、ゲートを閉合するため、すなわちトランジスタをオンにし、低抵抗/導通状態にするためには、Vgsは、正の電圧でなければならない。具体的には、Vgsは、正の電圧でなければならず、大きさでトランジスタの閾値電圧よりも大きくなければならない。しかしながら、例示の目的のために、後者の条件は無視される。したがって、NMOSトランジスタ116の場合、ソースが1.2Vであり、ゲートが1.8Vであるため、Vgs=1.8V−1.2V=0.6Vである。Vgsが正の電圧であるため、ゲートは、閉合され、入力信号をソースからドレインに伝送する。
【0025】
NMOSトランジスタ112は、そのソースがたとえば0Vのアースに接続され、ゲートがこの例において0Vのイネーブル信号172に接続されている。Vgs=0であるため、ゲートは、開放され、ソースからドレインに電流が殆ど流れないまたは全く流れない。実際には、イネーブル信号172が低電圧/0Vになるたびに、NMOSトランジスタ112は、開放/オフされる。
【0026】
よって、PMOSトランジスタ114およびNMOSトランジスタ116のドレインがPMOSトランジスタ110のゲートに接続されているため、PMOSトランジスタ110のゲートは、1.2Vの入力信号を受信する。PMOSトランジスタ110のソース端子は、入力端子152に直接接続されているため、同様に1.2Vである。よって、PMOSトランジスタ110の場合、Vgs=1.2V−1.2V=0Vである。したがって、PMOSトランジスタ110がオフにされ、すなわちゲートが開放され、導通されておらずまたは非常に高抵抗状態にある。その結果、イネーブル信号172を低電圧に設定することにより、入力信号は、PMOSトランジスタ110のゲートに伝送される。設計により、入力信号とゲートが同一の電圧レベルであるため、Vgs=0である。したがって、入力信号は、PMOSトランジスタ110のソース端子からドレインに伝送されない。
【0027】
入力端子152上の電圧が0Vであり、イネーブル信号172上の電圧が低電圧/0Vであるため、PMOSトランジスタ114のVgs=0V−0V=0Vである。したがって、PMOSトランジスタ114は、開放/オフされる。NMOSトランジスタ116の場合、ソースが0Vであり、ゲートがイネーブル信号の反転信号174(1.8V)であるため、Vgs=1.8Vである。したがって、このトランジスタは、閉合/オンされる。よって、0Vの入力信号は、NMOSトランジスタ116のソースからドレインに伝送され、さらにPMOSトランジスタ110のゲートに伝送される。
【0028】
入力端子152上の電圧が過大電圧(overvoltage)または不足電圧(undervoltage)である場合にも、回路構造182は、同様にうまく動作する。具体的には、過大電圧とは、回路/装置の電源電圧よりも高い電圧である。この例において、電源電圧が1.8Vであるため、過大電圧は、1.8Vよりも大きい任意の電圧である。不足電圧とは、装置/回路の接地電圧よりも低い電圧である。この例において、不足電圧は、ゼロよりも低い電圧、すなわち任意の負の電圧である。
【0029】
過大電圧の場合に回路182の動作を説明するために、PMOSトランジスタ114の場合、イネーブル信号172が0Vであり、入力信号が1.9Vであるため、Vgs=−1.9Vである。Vgsが負の電圧であるため、PMOSトランジスタ114は、オンにされ、入力信号をソースからドレインに伝送する。NMOSトランジスタ116の場合、ゲート端子が反転信号174(1.8V)を有し、ソースが1.9Vであるため、NMOSトランジスタ116のVgs=−0.1Vである。Vgsが負の電圧であるため、NMOSトランジスタ116は、開放され、導通していない。しかしながら、PMOSトランジスタ114が閉合され導通しているため、入力信号は、同様にPMOSトランジスタ110のゲートに伝送される。さらに、PMOSトランジスタ110のゲート電圧およびソース電圧がともに1.9Vであるため、Vgs=1.9V−1.9V=0Vである。その結果、PMOSトランジスタ110は、オフのままに維持される。
【0030】
PMOSトランジスタ114の場合、入力端子152の電圧が−0.2Vであり、イネーブル信号172の電圧が低電圧/0Vであるため、Vgs=0V−(−0.2V)=0.2Vである。Vgsが負の電圧ではないため、PMOSトランジスタ114は、開放/オフされる。NMOSトランジスタ116の場合、ソースが−0.2Vであり、ゲートがイネーブル信号の反転信号174(1.8V)であるため、Vgs=1.8V−(−0.2V)=2Vである。NMOSトランジスタのVgsが正の電圧であるため、NMOSトランジスタ116は、閉合/オンされる。よって、−0.2Vの入力信号は、NMOSトランジスタ116のソースからドレインに伝送され、さらにPMOSトランジスタ110のゲートに伝送される。
【0031】
イネーブル信号172がたとえば高電圧または1.8Vである場合、回路は182は、PMOSトランジスタ110をオンにするために、0V/アース信号をPMOSトランジスタ110のゲートに伝送する。具体的には、NMOSトランジスタ112のソースが0Vのアース192に接続されており、またイネーブル信号172が1.8Vであるため、NMOSトランジスタ112のVgs=1.8V−0V=1.8Vである。Vgsが正の電圧であるため、このトランジスタは、オンにされ、0Vの接地信号をソースからドレインに伝送する。さらに、この信号は、NMOSトランジスタ112のドレインからPMOSトランジスタ110のゲートに伝送される。PMOSトランジスタ110のゲートが0Vであるため、0Vより大きい任意の入力信号に対して、PMOSトランジスタ110のVgsは、負の電圧であり、このトランジスタは、オンにされる。したがって、入力信号は、PMOSトランジスタ110のソースからドレインに伝送される。
【0032】
イネーブル信号172が高電圧/1.8Vである場合、PMOSトランジスタ114およびNMOSトランジスタ116の両方は、ともに開放/オフされる。たとえば、PMOSトランジスタ114の場合、Vgs=1.8V−Nである(Nは、予期される任意の入力電圧である)。この例の場合、予期電圧が0V〜1.7である。よって、Vgsは、常に正の電圧であり、PMOSトランジスタ114は、開放/オフのままに維持される。また、入力端子152に小さな過大電圧、たとえば1.9Vが入力される場合、Vgs=1.8V−1.9V=−0.1Vである。一般的には、PMOSトランジスタをオンにするために負の電圧が必要とされるが、実際にこの電圧がトランジスタの閾値電圧Vtを超える十分な大きさを有しなければならない。よって、閾値電圧Vtを超えない小さな過大電圧は、PMOSトランジスタ114をオンにすることができない。同様に、NMOSトランジスタ116に対し、たとえば不足電圧が小さな−0.2Vである場合、Vgs=0V−(−0.2V)=0.2Vである。Vgsは、正の電圧であるが、NMOSトランジスタ116のVtよりも小さければ、NMOSトランジスタ116は、開放/オフのままに維持される。したがって、小さな過大電圧または不足電圧の場合、PMOSトランジスタ114およびNMOSトランジスタ116は、PMOSトランジスタ110のゲートに影響を与えず、入力端子152上の入力信号をPMOSトランジスタ110のドレインに伝送することができる。このように、装置100は、マルチプレクサ/計測装置の一部を含む場合においても、入力端子152上の電源電圧または接地電圧を超える電圧を測定することが可能である。一方、過大電圧または不足電圧の大きさがPMOSトランジスタ114またはNMOSトランジスタ116のいずれかのVtよりも大きい場合、回路182は、入力端子152を隔離し、装置の他の部分に保護措置を提供する。
【0033】
前述した例は、PMOS径路162内の回路182およびPMOSトランジスタ110に対して、装置100の機能を示している。具体的には、これらの例において、装置100は、イネーブル信号(たとえば、イネーブル信号が0Vである)によって無効化され、入力信号は、たとえば0V〜1.7Vという正常電圧範囲内にあり、および入力電圧は、過大電圧または不足電圧である。以下に提供される付加的な例において、装置100は、たとえば高電圧/1.8Vであるイネーブル信号によって有効化される。特に、回路184およびPMOS装置120は、装置100の出力端子154に対して同様の機能を提供する。
【0034】
上述したように、装置100は、異なる入力端子が共通の出力端子に接続されるマルチプレクサからなるいくつかの径路のうち1つを含むことができる。たとえば、上述したように、このようなマルチプレクサは、サンプリング回路として使用され、より大きな装置、たとえば集積回路の周囲からの異なるアナログ電圧信号を測定することができる。例示のために、
図2は、たとえばマルチプレクサの例示的な装置200を示している。この装置200は、共通出力端子220に接続されている複数の経路210_1〜210_Nを備える。経路210_1〜210_Nの各々は、出力端子220から入力信号を選択的に隔離するための回路100_1〜100_Nをそれぞれ含む。たとえば、回路100_1〜100_Nの各々は、
図1の装置100の形にした異なる回路を含んでもよい。また、回路100_1〜100_Nの各々は、各々の回路を制御ための異なるイネーブル信号EN_1〜EN_Nを受信する。一般的には、異なるイネーブル信号EN_1〜EN_Nを用いて、入力信号を出力端子220に伝送するように径路のうち1つを有効化しまたは選択することができ、対応する入力信号を出力端子220に伝送しないように他の経路を防止することができる。たとえば、EN_2を1.8Vに設定し、EN_1、EN_3....EN_Nの各々を0Vに設定することによって、経路210_2を選択することができる。装置200を用いて測定回路の各種電圧をサンプリングする場合、現在測定されている入力信号、たとえば経路210_2の入力信号は、他の各経路の入力端子が出力端子200から隔離されながら、出力端子220に伝送されることができる。
【0035】
図1の装置100の説明に戻ると、装置100が有効化されていない場合に入力端子152を出力端子154から隔離し、装置100が有効化されている場合に入力端子152を出力端子154に連結することは、望ましい。よって、装置100が有効化されていない(たとえば、イネーブル信号172が低電圧または0Vである)場合、回路182およびPMOSトランジスタ110は、PMOSトランジスタ110のドレインから入力端子152を隔離することができる。また、装置100が有効化されている(たとえば、イネーブル信号172が高電圧または1.8Vである)場合、回路182およびPMOSトランジスタ110は、入力端子152からの入力信号をPMOSトランジスタ110のドレインに伝送することができる。
【0036】
同様に、装置100が有効化にされていない場合、回路184およびPMOSトランジスタ120は、出力端子154上の信号をPMOSトランジスタ120のドレインから隔離することができ、装置100が有効化にされた場合、回路184およびPMOSトランジスタ120は、閉合のままに維持されまたはオンにされる。例示のために、出力端子154が1.2Vの信号を有し、イネーブル信号172が0Vであると仮定する。NMOSトランジスタ122の場合、Vgs=0V−0V=0Vである。したがって、イネーブル信号が低電圧/0Vである場合に、NMOSトランジスタ122は、常に開放/オフされる。PMOSトランジスタ124は、0Vのゲート電圧および1.2Vのソース電圧を有するため、Vgs=0V−1.2V=−1.2Vである。Vgsが負の電圧であるため、PMOSトランジスタ124は、閉合され、したがって「オン」にされ、導電になる。よって、ソースおよびドレインが接続され、出力端子154からの1.2Vの信号は、PMOSトランジスタ124のソース端子からドレイン端子に伝送される。同様に、NMOSトランジスタ126は、ゲートに1.8Vのイネーブル信号反転信号174を有し、ソースに出力端子154からの1.2Vの出力信号を有するため、Vgs=1.8V−1.2V=0.6Vである。よって、NMOSトランジスタ126は、閉合/オンされ、1.2Vの出力信号をNMOSトランジスタ126のソースからドレインに伝送し、その後PMOSトランジスタ120のゲートに伝送する。PMOSトランジスタ120のゲートおよびソースが同一の電圧1.2Vを有するため、Vgs=0Vであり、PMOSトランジスタ120は、オフにされる。したがって、出力端子154上の信号は、PMOSトランジスタ120のドレインから隔離される。
【0037】
出力端子154上の電圧が0Vであり、イネーブル信号172の電圧が低電圧/0Vである場合に、PMOSトランジスタ124のVgs=0V−0V=0Vである。よって、PMOSトランジスタ124は、開放/オフされる。NMOSトランジスタ126の場合、ソースが0Vであり、ゲートがイネーブル信号の反転信号174、すなわち1.8Vであるため、Vgs=1.8V−0V=1.8Vである。したがって、NMOSトランジスタ126は、閉合/オンされる。よって、0Vの入力信号は、NMOSトランジスタ126のソースからドレインに伝送され、その後PMOSトランジスタ120のゲートに伝送される。また、PMOSトランジスタ120の場合、Vgs=0V−0V=0Vであり、このPMOSトランジスタは、開放/オフされる。
【0038】
出力信号が過大電圧または不足電圧である場合に、回路構造184は、同様にうまく機能して、出力端子154をPMOSトランジスタ120のドレインから隔離する。たとえば、イネーブル信号172が0Vであり、出力信号が1.9Vである場合、PMOSトランジスタ124のゲート電圧は、0Vであり、ソース電圧は、1.9Vである。したがって、Vgs=0V−1.9V=−1.9Vである。Vgsが負の電圧であるため、PMOSトランジスタ124は、閉合/オンされ、導通になる。したがって、ソースおよびドレインが接続され、出力端子154からの1.9Vの出力信号は、PMOSトランジスタ124のソース端子からドレイン端子に伝送される。同様に、NMOSトランジスタ126は、ゲートに1.8Vのイネーブル信号反転信号174を有し、ソースに出力端子154からの1.9Vの出力信号を有するため、Vgs=1.8V−1.9V=−0.1Vである。よって、NMOSトランジスタ126は、開放/オフされる。しかしながら、PMOSトランジスタ124は、オン/閉合されているため、出力信号をソースからドレインに伝送し、その後PMOSトランジスタ120のゲートに伝送することができる。PMOSトランジスタ120のゲートおよびソースが同一の電圧1.9Vにあるため、Vgs=0Vであり、PMOSトランジスタ120は、オフにされる。したがって、過大電圧の場合においても、出力端子154上の信号は、PMOSトランジスタ120のドレインから隔離される。
【0039】
出力端子154上の電圧が−0.2Vであり、イネーブル信号172の電圧が低電圧/0Vである場合、PMOSトランジスタ124のVgs=0V−(−0.2V)=0.2Vである。Vgsが負の電圧ではないため、PMOSトランジスタ124は、開放/オフされる。しかしながら、NMOSトランジスタ126のソースが−0.2Vであり、そのゲートがイネーブル信号の反転信号174(1.8V)であるため、Vgs=1.8V−(−0.2V)=2Vである。NMOSトランジスタのVgsが正の電圧であるため、NMOSトランジスタ126は、閉合/オンされる。したがって、−0.2Vの出力信号は、NMOSトランジスタ126のソースからドレインに伝送され、その後PMOSトランジスタ120のゲートに伝送される。
【0040】
イネーブル信号172が高電圧または1.8Vである場合、PMOSトランジスタ120をオンにするために、回路184は、動作して、PMOSトランジスタ120のゲートに0V信号/アース信号を伝送する。具体的には、NMOSトランジスタ122のソースが0Vであるアース192に接続され、イネーブル信号172が1.8Vであるため、NMOSトランジスタ122のVgs=1.8V−0V=1.8Vである。Vgsが正の電圧であるため、トランジスタ122は、オンにされ、0Vである接地信号をソースからドレインに伝送する。この信号はさらに、NMOSトランジスタ122のドレインからPMOSトランジスタ120のゲートに伝送される。PMOSトランジスタ120のゲートが0Vであるため、0Vを超える任意の入力信号に対し、PMOSトランジスタ120のVgsが負の電圧であり、トランジスタは、オンにされる。したがって、PMOSトランジスタ120のソースおよびドレインは、接続される。
【0041】
イネーブル信号172が高電圧/1.8Vである場合、PMOSトランジスタ124およびNMOSトランジスタ126の両方は、開放/オフされる。たとえば、PMOSトランジスタ124の場合、Vgs=1.8V−Nである(Nは、出力端子154上の任意の予期電圧である)。この場合、予期電圧が0V〜1.7であるため、Vgsは、常に正の電圧であり、PMOSトランジスタ124は、開放/オフのままに維持される。また、入力端子152上のたとえば1.9Vの小さな過大電圧を出力端子154に伝送する場合、Vgs=1.8V−1.9V=−0.1Vである。一般的には、PMOSトランジスタをオンにするために負の電圧が必要とされるが、実際にこの電圧がトランジスタの閾値電圧Vtを超える十分な大きさを有しなければならない。よって、閾値電圧Vtを超えない小さな過大電圧は、PMOSトランジスタ124をオンにすることができない。同様に、NMOSトランジスタ126の場合、たとえば−0.2Vの小さな不足電圧の場合、Vgs=0V−(−0.2V)=0.2Vである。Vgsは、正の電圧であるが、NMOSトランジスタ126のVtよりも小さい場合、NMOSトランジスタ126も開放/オフのままに維持される。したがって、小さな過大電圧または不足電圧の場合、PMOSトランジスタ124およびNMOSトランジスタ126は、PMOSトランジスタ120のゲートに影響を与えず、PMOSトランジスタ120のドレインおよびゲートを接続のままに維持することができる。一方、過大電圧または不足電圧の大きさがPMOSトランジスタ124またはNMOSトランジスタ126のいずれかのVtよりも大きい場合、回路184は、MOSトランジスタ120のドレインおよびゲートを隔離し、装置の他の部分に保護措置を提供する。
【0042】
上記は、PMOS径路162に関する説明である。NMOS径路164は、同様の構成素子を含み、その機能が以下に説明される。具体的には、NMOS径路164は、装置100の入力端子152に接続されたソース端子を有するNMOSトランジスタ130を含む。また、PMOS径路164は、PMOSトランジスタ132と、NMOSトランジスタ134と、PMOSトランジスタ136とを含む。トランジスタ132、134および136は、共同で回路186を構成することができる。この回路186は、イネーブル信号172が低電圧、たとえば0Vである場合に、入力端子152上の信号をNMOSトランジスタ130のゲートに伝送し、イネーブル信号172が高電圧、たとえば1.8である場合に、接地信号192を伝送する。
【0043】
例示のために、イネーブル信号が0Vであり、入力信号が1.2Vである場合、1.2Vの入力信号は、NMOSトランジスタ134およびPMOSトランジスタ136のソース端子に現れる。NMOSトランジスタ134のゲートがイネーブル信号の反転信号174に接続されており、イネーブル信号172が低電圧または0Vであるため、反転信号174は、高電圧または1.8Vである。したがって、NMOSトランジスタ134の場合、Vgs=1.8V−1.2V=0.6Vである。Vgsが正の電圧であるため、ゲートが閉合され、すなわち低抵抗/導通状態になり、入力信号をソースからドレインに伝送することができる。同様に、PMOSトランジスタ136の場合、ソースが1.2Vであり、ゲートがイネーブル信号172、たとえば0Vに接続されているため、Vgs=0V−1.2V=−1.2Vである。Vgsが負の電圧であるため、ゲートが閉合され、入力信号がソースからドレインに伝送される。
【0044】
PMOSトランジスタ132は、そのソースが電源電圧132、たとえば1.8Vに接続され、そのゲートがイネーブル信号の反転信号174、この例において1.8Vに接続されているため、Vgs=0である。よって、ゲートが開放され、電流がソースからドレインに殆ど流れないまたは全く流れない。したがって、イネーブル信号の反転信号174が高電圧/1.8Vになるたびに、PMOSトランジスタ132が開放/オフされる。
【0045】
したがって、NMOSトランジスタ134およびPMOSトランジスタ136のドレインがともにNMOSトランジスタ130のゲートに接続されているため、NMOSトランジスタ130のゲートが1.2Vの入力信号を受信する。NMOSトランジスタ130のソース端子は、入力端子152に直接接続されているため、1.2Vである。したがって、NMOSトランジスタ130の場合、Vgs=1.2V−1.2V=0Vである。よって、NMOSトランジスタ130は、オフにされる。すなわち、ゲートが開放され、導通しておらずまたは非常に高抵抗状態にある。設計により、入力信号およびゲートは、同一の電圧レベルであるため、Vgs=0である。よって、PMOSトランジスタ110は、そのソース端子から入力信号をドレインに伝送しないように、防止される。
【0046】
入力端子152上の電圧が0Vであり、イネーブル信号172が低電圧/0Vである(イネーブル信号の反転信号174が高電圧/1.8Vである)場合、NMOSトランジスタ134のVgs=1.8V−0V=1.8Vである。したがって、NMOSトランジスタ134は、閉合/オンされ、0Vの入力信号をNMOSトランジスタ134のソースからドレインに伝送し、その後NMOSトランジスタ130のゲートに伝送する。PMOSトランジスタ136の場合、ソースが0Vであり、ゲートがイネーブル信号174の反転信号(0V)であるため、Vgs=0Vであり、トランジスタは、オフにされる。
【0047】
入力端子152の電圧が過大電圧または不足電圧である場合に、回路構造186は、同様にうまく動作する。たとえば、イネーブル信号172が0Vである場合、イネーブル信号の反転信号174が高電圧/1.8Vであり、入力端子が1.9Vである。NMOSトランジスタ134の場合、Vgs=1.8V−1.9V=−0.1Vである。Vgsが負の電圧であるため、NMOSトランジスタ134は、開放/オフされる。しかしながら、PMOSトランジスタ136の場合、ゲート端子は、イネーブル信号172(0V)を有し、ソースは、1.9Vである。したがって、PMOSトランジスタ136の場合、Vgs=0V−1.9V=−1.9Vである。Vgsが負の電圧であるため、トランジスタは、閉合/オンされ、導通になる。したがって、入力信号は、PMOSトランジスタ136のソースからドレインに伝送され、その後NMOSトランジスタ130のゲート端子に伝送される。また、NMOSトランジスタ130のゲートおよびソースの電圧の両方が1.9Vであるため、Vgs=1.9V−1.9V=0Vである。したがって、NMOSトランジスタ130は、オフのままに維持される。
【0048】
入力端子152上の電圧が−0.2Vであり、イネーブル信号172が低電圧/0Vである(イネーブル信号の反転信号174が高電圧/1.8Vである)場合、NMOSトランジスタ134のVgs=1.8V−(−0.2V)=2Vである。Vgsが正の電圧であるため、NMOSトランジスタ134は、閉合/オンされる。したがって、−0.2Vの入力信号は、NMOSトランジスタ136のソースからドレインに伝送され、その後NMOSトランジスタ130のゲートに伝送される。PMOSトランジスタ136の場合、ソースが−0.2Vであり、ゲートがイネーブル信号174(0V)であるため、Vgs=0V−(−0.2V)=0.2Vである。PMOSトランジスタのVgsが正の電圧であるため、PMOSトランジスタ136は、開放/オフされる。
【0049】
イネーブル信号172がオンであり、イネーブル信号の反転信号174が低電圧/0Vである場合、NMOSトランジスタ130をオンにするために、回路186は、動作して、NMOSトランジスタ130のゲートに電源電圧信号を伝送する。具体的には、PMOSトランジスタ132のソースが本実施例において1.8Vである電源電圧194に接続されており、イネーブル信号の反転信号174が0Vであるため、PMOSトランジスタ132のVgs=0V−1.8V=−1.8Vである。Vgsが負の電圧であるため、トランジスタは、オンにされ、この例において1.8Vである電源信号をソースからドレインに伝送する。この信号はさらに、PMOSトランジスタ132のドレインからNMOSトランジスタ130のゲートに伝送される。NMOSトランジスタ130のゲートが1.8Vであるため、任意の予期入力信号(たとえば0V〜1.7V)に対し、NMOSトランジスタ130のVgsが正の電圧であり、トランジスタがオンにされる。したがって、入力信号は、NMOSトランジスタ130のソースからドレインに伝送される。
【0050】
イネーブル信号172が高電圧であり、イネーブル信号の反転信号174が低電圧である場合、NMOSトランジスタ134およびPMOSトランジスタ136の両方は、開放/オフされる。たとえば、NMOSトランジスタ134の場合、Vgs=0V−Nである(Nは、予期される任意の入力電圧である)。この場合、予期電圧が0V〜1.7であるため、Vgsは、常にゼロまたは負の電圧であり、NMOSトランジスタ134は、開放/オフのままに維持される。また、入力端子152に小さな不足電圧、たとえば−0.2Vが入力される場合、Vgs=0V−(−0.2V)=0.2Vである。一般的には、NMOSトランジスタをオンにするために正の電圧が必要とされるが、実際には、この電圧がトランジスタの閾値電圧Vtを超える十分な大きさを有しなければならない。よって、閾値電圧Vtを超えない小さな過大電圧は、NMOSトランジスタ134をオンにすることができない。同様に、PMOSトランジスタ136の場合、たとえば1.9Vの小さな過大電圧の場合、Vgs=1.8V−1.9V=−0.1Vである。Vgsは、負の電圧であるが、PMOSトランジスタ136のVtよりも小さい場合、PMOSトランジスタ136は、開放/オフのままに維持される。したがって、小さな過大電圧または不足電圧の場合、NMOSトランジスタ134およびPMOSトランジスタ136は、NMOSトランジスタ130のゲートに影響を与えず、入力端子152からの入力信号をNMOSトランジスタ130のドレインに伝送することができる。一方、過大電圧または不足電圧の大きさがNMOSトランジスタ134またはPMOSトランジスタ136のいずれかのVtよりも大きい場合、回路186は、入力端子152を隔離し、装置の他の部分に保護措置を提供する。
【0051】
よって、装置100が有効化されていない(たとえば、イネーブル信号172が低電圧または0Vであり、イネーブル信号の反転信号174が高電圧/1.8Vである)場合、回路186およびNMOSトランジスタ130は、入力端子152をNMOSトランジスタ130のドレインから隔離することができる。また、装置100が有効化されている(たとえば、イネーブル信号172が高電圧または1.8Vであり、イネーブル信号の反転信号174が低電圧または0Vである)場合、回路186およびNMOSトランジスタ130は、入力端子152からの入力信号をNMOSトランジスタ130のドレインに伝送することができる。同様に、装置100が有効化にされていない場合、回路188およびNMOSトランジスタ140は、出力端子154上の信号をNMOSトランジスタ140のドレインから隔離することができ、装置100が有効化にされた場合、回路188およびNMOSトランジスタ140は、閉合のままに維持されまたはオンにされる。
【0052】
例示のために、出力端子154が1.2Vの信号を有し、イネーブル信号172が0Vである(すなわち、イネーブル信号の反転信号174が高電圧/1.8Vである)と仮定する。PMOSトランジスタ142の場合、そのソースが電源電圧188、たとえば1.8Vに接続している。よって、Vgs=1.8V−1.8V=0Vである。したがって、イネーブル信号が低電圧/0Vである(すなわち、イネーブル信号の反転信号174が高電圧/1.8Vである)場合、PMOSトランジスタ142は、常に開放/オフされる。NMOSトランジスタ144は、1.8Vのゲート電圧および1.2Vのソース電圧を有するため、Vgs=1.8V−1.2V=0.6Vである。Vgsが正の電圧であるため、NMOSトランジスタ144は、閉合され、したがって「オン」にされ、導電になる。よって、ソースおよびドレインが接続され、出力端子154からの1.2Vの信号は、NMOSトランジスタ144のソース端子からドレイン端子に伝送される。同様に、PMOSトランジスタ146は、ゲートに0Vのイネーブル信号172を有し、ソースに出力端子154からの1.2Vの出力信号を有するため、Vgs=0V−1.2V=−1.2Vである。よって、PMOSトランジスタ146は、閉合/オンされ、1.2Vの出力信号をPMOSトランジスタ146のソースからドレインに伝送し、その後NMOSトランジスタ140のゲートに伝送する。NMOSトランジスタ140のゲートおよびソースが同一の電圧1.2Vを有するため、Vgs=0Vであり、NMOSトランジスタ120は、オフされる。したがって、出力端子154上の信号は、NMOSトランジスタ140のドレインから隔離される。
【0053】
出力端子154上の電圧が0Vであり、イネーブル信号172の電圧が低電圧/0Vである(すなわち、イネーブル信号の反転信号174が高電圧/1.8Vである)場合、NMOSトランジスタ144のVgs=1.8V−0V=1.8Vである。よって、NMOSトランジスタ144は、開放/オフされる。したがって、0Vの入力信号は、NMOSトランジスタ144のソースからドレインに伝送され、その後NMOSトランジスタ140のゲートに伝送される。PMOSトランジスタ146の場合、ソースが0Vであり、ゲートがイネーブル信号172、すなわち0Vであるため、Vgs=0V−0V=0Vである。したがって、PMOSトランジスタ1
46は、開放/オフされる。また、NMOSトランジスタ140の場合、Vgs=0V−0V=0Vであり、トランジスタは、開放/オフされる。
【0054】
回路構造188は、出力信号が過大電圧または不足電圧である場合に、同様にうまく機能して、出力端子154をNMOSトランジスタ140のドレインから隔離する。たとえば、イネーブル信号172が0V(イネーブル信号の反転信号174が高電圧/1.8V)であり、出力信号が1.9Vである場合、NMOSトランジスタ144のゲート電圧が1.8Vであり、ソース電圧が1.9Vである。したがって、Vgs=1.8V−1.9V=−0.1Vである。Vgsが負の電圧であるため、NMOSトランジスタ1
44は、開放/オフされる。一方、PMOSトランジスタ146は、ゲートに0Vのイネーブル信号172を有し、ソースに出力端子154からの1.9Vの出力信号を有するため、Vgs=0V−1.9V=−1.9Vである。よって、PMOSトランジスタ146は、閉合/オンされ、導通になる。したがって、ソースおよびドレインが接続され、出力端子154からの1.9Vの信号をPMOSトランジスタ146のソース端子からドレイン端子に伝送し、その後NMOSトランジスタ140のゲートに伝送する。NMOSトランジスタ140のゲートおよびソースが同一の電圧1.9Vにあるため、Vgs=0Vであり、NMOSトランジスタ140は、オフされる。したがって、過大電圧の場合においても、出力端子154上の信号は、NMOSトランジスタ140のドレインから隔離される。
【0055】
出力端子154上の電圧が−0.2Vであり、イネーブル信号172上の電圧が低電圧/0Vである(イネーブル信号の反転信号174上の電圧が高電圧/1.8Vである)場合、NMOSトランジスタ144のVgs=1.8V−(−0.2V)=2Vである。Vgsが正の電圧であるため、NMOSトランジスタ144は、閉合/オンされ、導通になる。したがって、−0.2Vの出力信号は、NMOSトランジスタ144のソース端子からドレイン端子に伝送され、その後NMOSトランジスタ140のゲートに伝送される。PMOSトランジスタ146の場合、そのソースは−0.2Vであり、そのゲートはイネーブル信号172(0V)であるため、Vgs=0V−(−0.2V)=0.2Vである。PMOSトランジスタのVgsが正の電圧であるため、PMOSトランジスタ136は、開放/オフされる。しかしながら、NMOSトランジスタ144が閉合され、導通になっているため、入力信号は、同様にNMOSトランジスタ140のゲート端子に伝送される。さらに、NMOSトランジスタ140のゲート電圧およびソース電圧の両方が−0.2Vであるため、Vgs=−0.2V−(−0.2のV)=0Vである。したがって、NMOSトランジスタ140は、オフのままに維持される。
【0056】
イネーブル信号172がオンであり、イネーブル信号の反転信号が低電圧/0Vである場合、NMOSトランジスタ140をオンにするために、回路188は、動作して、NMOSトランジスタ140のゲートにたとえば1.8Vの電源電圧/高電圧信号を伝送する。具体的には、PMOSトランジスタ142のソースが本実施例において1.8Vである電源電圧194に接続されており、イネーブル信号172が低電圧であり、イネーブル信号の反転信号174が高電圧/1.8Vであるため、PMOSトランジスタ142の場合、Vgs=0V−1.8V=−1.8Vである。Vgsが負の電圧であるため、トランジスタは、オンにされ、この場合に1.8Vの電源信号をソースからドレインに伝送する。この信号はさらに、PMOSトランジスタ142のドレインからNMOSトランジスタ140のゲートに伝送される。NMOSトランジスタ140のゲートが1.8Vであるため、任意の予期入力信号、たとえば0V〜1.7Vに対し、NMOSトランジスタ140のVgsが正の電圧であるため、トランジスタは、オンにされる。したがって、NMOSトランジスタ140のソースおよびドレインは、接続される。
【0057】
イネーブル信号172が高電圧であり、イネーブル信号の反転信号174が低電圧/0Vである場合、NMOSトランジスタ144およびPMOSトランジスタ146の両方は、開放/オフされる。たとえば、NMOSトランジスタ13
6の場合、Vgs=0V−Nである(Nは、出力端子154上の任意の予期電圧である)。この場合、予期電圧が0V〜1.7であるため、Vgsは、常にゼロまたは負の電圧であり、NMOSトランジスタ144は、開放/オフのままに維持される。また、入力端子152上の小さな不足電圧、たとえば−0.2Vを出力端子154に供給される場合、Vgs=0V−(−0.2V)=0.2Vである。一般的には、NMOSトランジスタをオンにするために正の電圧が必要とされるが、実際には、この電圧がトランジスタの閾値電圧Vtを超える十分な大きさを有しなければならない。よって、閾値電圧Vtを超えない小さな過大電圧は、NMOSトランジスタ144をオンにすることができない。同様に、PMOSトランジスタ146の場合、たとえば1.9Vの小さな過大電圧の場合、Vgs=1.8V−1.9V=−0.1Vである。Vgsは、負の電圧であるが、PMOSトランジスタ1
46のVtよりも小さい場合、PMOSトランジスタ1
46は、開放/オフのままに維持される。したがって、小さな過大電圧または不足電圧の場合、NMOSトランジスタ144およびPMOSトランジスタ146は、NMOSトランジスタ140のゲートに影響を与えず、NMOSトランジスタ140のドレインおよびソースが接続のままに維持される。一方、過大電圧または不足電圧の大きさがNMOSトランジスタ13
6またはPMOSトランジスタ146のいずれかのVtよりも大きい場合、回路188は、NMOSトランジスタ140のドレインおよびソースを隔離し、装置の他の部分に保護措置を提供する。
【0058】
本明細書に説明したように、装置100は、所定電圧範囲に亘って、かつ、入力端子152および/または出力端子154に過大電圧または不足電圧が印加された場合に、出力端子154から入力端子152を隔離することができる。また、イネーブル信号が高電圧である場合、すなわち装置100が起動された場合、装置100は、すべての予期入力電圧および一部の過大電圧および不足電圧を入力端子152から出力端子154に流せることができる。したがって、装置100が多くの経路の1つを含むことができるマルチプレクサ/測定回路において、入力端子152に印加された電源電圧および/または接地電圧を超える電圧を測定することができるとともに、大きな偏差を有する電圧から装置100および接続された他の素子を保護することができる。
【0059】
上記は、本開示の1つ以上の局面に係るさまざまな実施例を説明したが、本開示の1つ以上の局面に係る他の実施例およびさらなる実施例は、以下の特許請求の範囲およびその均等物により規定される範囲から逸脱することなく考案されることができる。たとえば、一例において、装置100が上記のように殆どまたはすべての所望の機能を保持しながら、PMOSトランジスタ116および126ならびにNMOSトランジスタ136および172を省略してもよい。留意すべきことは、上記および下記の特許請求の範囲に「第1」、「第2」および「第3」などの用語が使用されているが、これらの用語は、素子を標記する意図のみとして使用されることである。したがって、一例において「第3」のような用語を使用する場合、この例は、必ずしも「第1」および/または「第2」を含まなければならないことを意味していない。特許請求の範囲において、ステップの列挙は、これらのステップの順序を意味するものではない。商標は、それぞれの所有者に帰属する。