特許第6239129号(P6239129)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6239129マルチモード組み合わせ電気外科用デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6239129
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】マルチモード組み合わせ電気外科用デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20171120BHJP
【FI】
   A61B18/14
【請求項の数】15
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2016-543610(P2016-543610)
(86)(22)【出願日】2015年8月19日
(65)【公表番号】特表2017-500968(P2017-500968A)
(43)【公表日】2017年1月12日
(86)【国際出願番号】US2015045874
(87)【国際公開番号】WO2016028882
(87)【国際公開日】20160225
【審査請求日】2016年6月29日
(31)【優先権主張番号】62/039,506
(32)【優先日】2014年8月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バチェラー ケスター ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】カーティス リチャード ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ブルース セオドア
【審査官】 中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−206554(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0178852(US,A1)
【文献】 実開昭50−143380(JP,U)
【文献】 特開2001−029353(JP,A)
【文献】 特開2000−210301(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気外科用デバイスであって、前記電気外科用デバイスは、
a.第1のワーキングアーム、および、第2のワーキングアームを含む、鉗子と、
b.ブレードと、
c.少なくとも第1の位置と第2の位置との間で前記鉗子に沿って移動する1つ以上のスライダーと、
d.第1の活性化ボタンと、
e.第2の活性化ボタンと
を含み、
前記電気外科用デバイスは、第1の構成と第2の構成との間で切り替え可能であり、
A.前記第1の構成では、
前記第1のワーキングアームおよび前記第2のワーキングアームが、その間に組織をつかむために、互いに向き合う方向に自由に移動し、
前記ブレードが、前記第1のワーキングアームの遠位端部と前記第2のワーキングアームの遠位端部との内側に後退させられており、
前記第1の活性化ボタンが、第1の治療信号を作り出すように構成されており、
B.前記第2の構成では、
前記第1のワーキングアームおよび前記第2のワーキングアームが、互いに向き合う方向への移動を防止するために一緒に固定されており、
前記ブレードの遠位端部が前記第1のワーキングアームの前記遠位端部および前記第2のワーキングアームの前記遠位端部と実質的に同一平面になるように、前記ブレードが延在させられており、
記1つ以上のスライダーのうちの少なくとも1つのスライダーは前記少なくとも1つのスライダーが前記第1の位置にあるときに、前記第2の活性化ボタンを作動しないようにし、
第2の位置にある前記少なくとも1つのスライダーは、互いに向き合う方向への前記第1のワーキングアームおよび前記第2のワーキングアームの移動が防止されるように、前記第1のワーキングアームおよび前記第2のワーキングアームを固定する、または、前記ブレードを延在させ、または、前記第2の活性化ボタンが第2の治療信号を作り出すことを可能にすることを特徴とする、電気外科用デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の電気外科用デバイスであって、トグルコントローラーのトグル制御ボタンは、1つ以上のスライダーが前記第2の位置にあるときに露出させられ、
前記トグルコントローラーは、
前記第1の治療信号または第3の治療信号のいずれかを作り出すために、前記第1の活性化ボタンをトグルするように構成されており、または、
前記第2の治療信号もしくは第4の治療信号のいずれかを作り出すために、前記第2の活性化ボタンをトグルするように構成されていることを特徴とする、電気外科用デバイス。
【請求項3】
請求項2に記載の電気外科用デバイスであって、前記1つ以上のスライダーが第1のスライダー位置にあるときに、前記1つ以上のスライダーが、前記トグルコントローラーを作動しないようにすることを特徴とする、電気外科用デバイス。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の電気外科用デバイスであって、前記電気外科用デバイスが、第3の構成を含み、前記第3の構成では、前記ブレードが、前記第1のワーキングアームおよび前記第2のワーキングアームの前記遠位端部を越えて延在させられており、
前記電気外科用デバイスが前記第3の構成になっているときに、トグルコントローラーのトグル制御ボタンが露出させられ、前記トグルコントローラーが、
前記第1の治療信号、第3の治療信号のいずれか、もしくは両方を作り出すために、前記第1の活性化ボタンをトグルするように構成され、または、
前記第2の治療信号もしくは第4の治療信号のいずれか、または両方を作り出すために、前記第2の活性化ボタンをトグルするように構成されるようになっていることを特徴とする、電気外科用デバイス。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の電気外科用デバイスであって、前記1つ以上のスライダーが、第1のスライダーおよび第2のスライダーであり、
前記第1のスライダーが、1つ以上の位置において、前記第1の活性化ボタン、前記第2の活性化ボタン、または両方をカバーすることを特徴とする、電気外科用デバイス。
【請求項6】
請求項5に記載の電気外科用デバイスであって、前記第2のスライダーは、前記第1のスライダーが第1の位置にあるときに、移動することを防止され、前記第1のスライダーが第2の位置にあるときに、移動することを許容されることを特徴とする、電気外科用デバイス。
【請求項7】
請求項5または6に記載の電気外科用デバイスであって、前記第1のスライダーは、前記第1の位置にあるときに、前記ブレードの前記遠位端部を、前記第1のワーキングアームの前記遠位端部と前記第2のワーキングアームの前記遠位端部との内側に位置決めすることを特徴とする、電気外科用デバイス。
【請求項8】
請求項5から7のいずれか1項に記載の電気外科用デバイスであって、前記第1のスライダーは、前記第2の位置にあるときに、前記ブレードの前記遠位端部を、前記第1のワーキングアームの前記遠位端部および前記第2のワーキングアームの前記遠位端部に整合させ、前記ブレードの前記遠位端部、ならびに、前記第1のワーキングアームの前記遠位端部および前記第2のワーキングアームの前記遠位端部が同一平面になるようになっていることを特徴とする、電気外科用デバイス。
【請求項9】
請求項5から8のいずれか1項に記載の電気外科用デバイスであって、前記第1のスライダーは、前記第3の位置にあるときに、前記ブレードの前記遠位端部を、前記第1のワーキングアームの前記遠位端部および前記第2のワーキングアームの前記遠位端部を越えて延在させることを特徴とする、電気外科用デバイス。
【請求項10】
電気外科用デバイスであって、前記電気外科用デバイスは、
鉗子を含み、前記鉗子は、
(i)第1のワーキングアームと、
(ii)第2のワーキングアームと、
(iii)第1の活性化ボタンと、
(iv)第2の活性化ボタンと、
(v)1つ以上のスライダーと、
(vi)トグルコントローラーと
を含み、
前記電気外科用デバイスは、第1の構成と第2の構成との間で切り替え可能であり、
前記第1の構成では、
前記トグルコントローラーのトグル制御ボタンが、非アクティブになっており、または閉鎖されており、
第1の治療電流が、前記第1のワーキングアームと前記第2のワーキングアームとの間を通り、
前記第2の構成では、
前記1つ以上のスライダーのうちの1つが第2の位置にあるときに、前記トグル制御ボタンが露出させられ、
前記トグルコントローラーが、
第1の治療信号、第3の治療信号のいずれかを作り出すために、前記第1の活性化ボタンをトグルするように構成されており、または、
第2の治療信号もしくは第4の治療信号のいずれかを作り出すために、前記第2の活性化ボタンをトグルするように構成されていることを特徴とする、電気外科用デバイス。
【請求項11】
請求項10に記載の電気外科用デバイスであって、第2のスライダーは、1つ以上の位置において、前記トグルコントローラーの前記トグル制御ボタンをカバーし、前記トグル制御ボタンが少なくとも1つの位置においてアクセス可能でないようになっており、
前記第2のスライダーが、前記トグル制御ボタンであり、前記トグル制御ボタンは、双極状態と単極状態との間で切り替わり、前記第1の活性化ボタン、前記第2の活性化ボタン、または両方は、前記単極状態において単極信号を作り出し、前記双極状態において双極信号を作り出すことを特徴とする、電気外科用デバイス。
【請求項12】
電気外科用デバイスであって、前記電気外科用デバイスは、
第1のワーキングと、第2のワーキングアームとを含む鉗子を有し、さらに、
a.少なくとも第1のスライダーの第1の位置と第1のスライダーの第2の位置との間で前記鉗子に沿って移動する第1のスライダーと、
b.少なくとも第2のスライダーの第1の位置と第2のスライダーの第2の位置との間で前記鉗子に沿って移動する第2のスライダーと、
c.第1の活性化ボタンと、
d.第2の活性化ボタンと
を含み、
前記第1のスライダーが前記第1のスライダーの第1の位置にあるときに、
(i)前記第1のワーキングアームおよび前記第2のワーキングアームが、その間に組織をつかむために、互いに向き合う方向に自由に移動し、
(ii)前記第1の活性化ボタンが、第1の治療信号を作り出すように構成されており、
(iii)前記第2の活性化ボタンが閉鎖され、または作動しないようにされ、
(iv)前記第2のスライダーが、前記第2のスライダーの第1の位置から移動することを防止され、
前記第1のスライダーが前記第1のスライダーの第2の位置にあるときに、
(i)前記第2の活性化ボタンが、第2の治療信号を作り出すように構成されており、
(ii)前記第2のスライダーが、前記第2のスライダーの第1の位置と前記第2のスライダーの第2の位置との間で移動することを許容されることを特徴とする、電気外科用デバイス。
【請求項13】
請求項12に記載の電気外科用デバイスであって、
記第1のスライダーが前記第1のスライダーの第1の位置にあるときには、前記第1のワーキングアームおよび第2のワーキングアームが、その間に組織をつかむために、互いに向き合う方向に自由に移動し、
前記第2のスライダーが前記第2のスライダーの第2の位置にあるときには、前記第1のワーキングアームおよび前記第2のワーキングアームが、互いに向き合う前記方向の移動から固定化されることを特徴とする、電気外科用デバイス。
【請求項14】
請求項13に記載の電気外科用デバイスであって、前記第2のスライダーが前記第2のスライダーの第1の位置にあるときには、前記第1のワーキングアームおよび前記第2のワーキングアームが、その間に組織前記をつかむために、互いに向き合う前記方向に自由に移動することを特徴とする、電気外科用デバイス。
【請求項15】
請求項12から14のいずれか1項に記載の電気外科用デバイスであって、前記電気外科用デバイスが、
第1のワーキングアームと、第2のワーキングアームと、ブレードと、を含む鉗子を含み、
前記第1のスライダーが前記第1のスライダーの第1の位置にあるときには、前記ブレードの遠位端部が、第1のブレード位置にあり、
前記第2のスライダーが前記第2のスライダーの第2の位置にあるときには、前記ブレードの前記遠位端部が、前記第1のブレード位置とは異なる第2のブレード位置にあることを特徴とする、電気外科用デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本教示は、概して、外科手術の間に、単極パワーおよび双極パワーの両方を供給することができる電気外科用デバイスに関し、具体的には、外科手術の間に、複数のモードの間で切り替わるように機械的に再構成され、次いで、電子的に再構成され得る、電気的な鉗子に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的に、電気外科用デバイスは、単独の単極能力または双極能力を有している。したがって、外科医は、手術の開始前に、単極能力を備えるデバイスまたは双極能力を備えるデバイスのいずれかを選択することが可能であり、また、外科医は、単極パワーまたは双極パワーのいずれかを印加するために、デバイスを使用することが可能である。たとえば、外科医が単極デバイスを選択し、単極パワーが外科手術の一部に関して望まれない場合には、外科医は、単極パワーを供給するデバイスを使用して、手術のその部分を行うか、または、双極能力を備えるデバイスに切り替えるかのいずれかを行うことが可能である。これらのデバイスの両方は、手術を行うために使用され得るが、しかし、デバイス同士の間のスイッチング、および/または、異なる目的により良好に適している可能性のあるデバイスを使用することは、手術フローを妨げ、手術において不必要な遅れを引き起こし、場合によっては、最適とはいえないエネルギー供給源が使用されることを結果として生じさせる可能性がある。
【0003】
一般的に、電気外科用デバイスは、ジェネレーターに接続されており、ジェネレーターは、治療信号を作り出し、パワーを電気外科用デバイスに提供し、治療電流が作り出されるようになっている。しかし、使用され得る治療電流は、ジェネレーターによって限定されており、したがって、ジェネレーターが単一の治療電流だけを作り出すことができる場合には、単に1つの治療電流だけが、電気外科用デバイスを通して印加され得る。追加的に、ジェネレーターは、2つの治療電流を作り出すことが可能であり得るが、電気外科用デバイスは、単一の治療電流だけを制御および印加することが可能である。したがって、電気外科用デバイスは、単一の治療電流だけを印加することが可能である。単一のデバイスの中に単極能力および双極能力の両方を含むデバイスを作り出すいくつかの試みが行われてきた。これらのデバイスは、スイッチングデバイスなしに、単極能力と双極能力との間で切り替えられ得る。これらのデバイスのうちのいくつかは、2つの機械的な構成の間で再構成可能であり、単極および双極の両方が適用され得るようになっている。しかし、これらのデバイスの中で利用可能なモードの数は、デバイスの上で利用可能なボタンの数によって制限され得る。
【0004】
追加的に、多くの外科手術は、多くの異なるツールを必要とし、それぞれのツールは、外科手術の間に有用な1つ以上の機能を提供する。したがって、それぞれの外科手術に関して、複数の異なるツールが、外科手術を行うために外科医によって使用され得る。ツールを変えることは、手術を長くし、または、外科医が適切な場所から目をそらすことを引き起こし、次いで、手術を継続する前に、関心の場所を再配置するために追加的な時間または集中を必要とする可能性がある。したがって、必要とされるものは、外科医が、ツールまたは視野を変化させる必要なしに、1つの器具を用いていくつかのステップを行うことができるように、機械的に再構成され得るデバイスである。
【0005】
いくつかの電気外科的器具の例は、米国特許第6,110,171号;米国特許第6,113,596号;米国特許第6,190,386号;米国特許第6,358,268号;および米国特許第7,232,440号;ならびに、米国特許出願公開第2005/0113827号;米国特許出願公開第2005/0187512号;米国特許出願公開第2006/0084973号;米国特許出願公開第2012/0123405号;米国特許出願公開第2014/0276795号;および米国特許出願公開第2014/0276799号に見出すことが可能で、そのすべては、すべての目的に関して、参照により本明細書に組み込まれている。単極治療電流および双極治療電流を印加するために使用され得る単一のボタンを含む電気外科用デバイスを有することが魅力的であることとなる。治療電流をそれぞれ印加する3つの異なる機械的な構成の間で機械的に再構成され得る電気外科用デバイスを有することが魅力的であることとなる。必要とされるものは、ジェネレーターが電気外科用デバイスに信号(すなわち、ジェネレーターモード)を供給するよりも多くの治療電流を作り出し、電気外科用デバイスの上で利用可能なボタンよりも多くのモードを利用する、電気外科用デバイスである。必要とされるものは、3つ以上の異なる構成の間で移動させられるブレードであり、それぞれの異なる構成において、1つ以上の治療電流が、異なる機能を果たす電気外科用デバイスによって印加される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本教示は、電気外科用デバイスであって、電気外科用デバイスは、(a)第1のワーキングアーム、および、第2のワーキングアームを含む、鉗子と、(b)ブレードと、(c)少なくとも第1の位置と第2の位置との間で鉗子に沿って移動する1つ以上のスライダーと、(d)第1の活性化ボタンと、(e)第2の活性化ボタンと、を含み、電気外科用デバイスは、第1の構成と第2の構成との間で切り替え可能であり、(A)第1の構成では、第1のワーキングアームおよび第2のワーキングアームが、その間に組織をつかむために、互いに向き合う方向に自由に移動し、ブレードが、第1のワーキングアームの遠位端部と第2のワーキングアームの遠位端部との内側に後退させられており、第1の活性化ボタンが、第1の治療信号を作り出すように構成されており、(B)第2の構成では、第1のワーキングアームおよび第2のワーキングアームが、互いに向き合う方向への移動を防止するために一緒に固定されており、ブレードの遠位端部が第1のワーキングアームの遠位端部および第2のワーキングアームの遠位端部と実質的に同一平面になるように、ブレードが延在しており、少なくとも1つのスライダーが第1の位置にあるときに、1つ以上のスライダーのうちの少なくとも1つが、第2の活性化ボタンを作動しないようにし、第2の位置にある少なくとも1つのスライダーは、互いに向き合う方向への第1のワーキングアームおよび第2のワーキングアームの移動が防止されるように、第1のワーキングアームおよび第2のワーキングアームを固定し、ブレードを延在させ、または、第2の活性化ボタンが第2の治療信号を作り出すことを可能にする、電気外科用デバイスを提供することによって、現在のニーズのうちの1つ以上を満たす。
【0007】
本教示は、電気外科用デバイスであって、電気外科用デバイスは、鉗子を含み、鉗子は、(1)第1のワーキングアームと、(2)第2のワーキングアームと、(3)第1の活性化ボタンと、(4)随意的な第2の活性化ボタンと、(5)1つ以上のスライダーと、(6)トグルコントローラーとを含み、電気外科用デバイスは、第1の構成と第2の構成との間で切り替え可能で、第1の構成では、トグルコントローラーのトグル制御ボタンが、非アクティブになっており、または閉鎖されており、第1の治療電流が、第1のワーキングアームと第2のワーキングアームとの間を通り、第2の構成では、1つ以上のスライダーのうちの1つが第2の位置にあるときに、トグル制御ボタンが露出させられ、トグルコントローラーが、第1の治療信号、第3の治療信号のいずれか、もしくは両方を作り出すために、第1の活性化ボタンをトグル(toggle)するように構成されており、または、第2の治療信号もしくは第4の治療信号のいずれか、または両方を作り出すために、随意的な第2の活性化ボタンをトグルするように構成されている、電気外科用デバイスを提供する。
【0008】
本教示は、電気外科用デバイスであって、電気外科用デバイスは、(a)第1のワーキングアーム、および、第2のワーキングアームを含む、鉗子と、(b)ブレード電極とを含み、電気外科用デバイスは、第1の構成と第2の構成との間で切り替え可能であり、(A)第1の構成では、第1のワーキングアームおよび第2のワーキングアームが、その間に組織をつかむために、互いに向き合う方向に自由に移動し、ブレード電極が、第1のワーキングアームの遠位端部と第2のワーキングアームの遠位端部との内側に後退させられており、デバイスが、第1の電気外科的治療信号を作り出すように構成されており、(B)第2の構成では、第1のワーキングアームおよび第2のワーキングアームが、互いに向き合う方向への移動を防止するために一緒に固定されており、ブレード電極の遠位端部が第1のワーキングアームの遠位端部および第2のワーキングアームの遠位端部と実質的に同一平面になるように、ブレード電極が延在させられている、電気外科用デバイスを提供する。
【0009】
本教示は、電気外科用デバイスであって、電気外科用デバイスは、(a)少なくとも第1のスライダーの第1の位置と第1のスライダーの第2の位置との間で鉗子に沿って移動する第1のスライダーと、(b)少なくとも第2のスライダーの第1の位置と第2のスライダーの第2の位置との間で鉗子に沿って移動する第2のスライダーと、(c)第1の活性化ボタンと、(d)第2の活性化ボタンと、を含み、第1のスライダーが第1のスライダーの第1の位置にあるときに、(i)第1のワーキングアームおよび第2のワーキングアームが、その間に組織をつかむために、互いに向き合う方向に自由に移動し、(ii)第1の活性化ボタンが、第1の治療信号を作り出すように構成されており、(iii)第2の活性化ボタンが閉鎖され、または作動しないようにされ、(iv)第2のスライダーが、第2のスライダーの第1の位置から移動することを防止され、第1のスライダーが第1のスライダーの第2の位置にあるときに、(i)第2の活性化ボタンが、第2の治療信号を作り出すように構成されており、(ii)第2のスライダーが、第2のスライダーの第1の位置と第2のスライダーの第2の位置との間で移動することを許容される、電気外科用デバイスを提供する。
【0010】
本明細書における教示は、単極治療電流および双極治療電流を印加するために使用され得る単一のボタンを含む電気外科用デバイスを提供する。本明細書における教示は、治療電流をそれぞれ印加する3つの異なる機械的な構成の間で機械的に再構成され得る電気外科用デバイスを提供する。本明細書における教示は、ジェネレーターが信号(すなわち、ジェネレーターモード)を電気外科用デバイスに供給するよりも多くの治療電流を作り出し、かつ、電気外科用デバイスの上で利用可能なボタンよりも多くのモードを適用する、電気外科用デバイスを提供する。本明細書における教示は、3つ以上の異なる構成の間で移動させられるブレードであって、それぞれの異なる構成では、1つ以上の治療電流が、異なる機能を果たす電気外科用デバイスによって印加される、ブレードを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の構成での電気外科用デバイスの斜視図である。
図2】第2の構成での電気外科用デバイスの斜視図である。
図3】第3の構成での電気外科用デバイスの斜視図である。
図4A】電気外科用デバイスのボタンおよびスライダーの位置決めの拡大図である。
図4B】電気外科用デバイスのボタンおよびスライダーの位置決めの拡大図である。
図4C】第2のスライダーの移動を制限する、第1のスライダー位置にある第1のスライダーの拡大図である。
図5A】第1の構成でのコンポーネントの位置決めを図示する図である。
図5B】第2の構成でのコンポーネントの位置決めを図示する図である。
図5C】第3の構成でのコンポーネントの位置決めを図示する図である。
図6A】双極電流とともに、第2の構成での電気外科用デバイスを図示する図である。
図6B】単極凝固電流とともに、第2の構成での電気外科用デバイスを図示する図である。
図6C】双極凝固電流とともに、第2の構成での電気外科用デバイスを図示する図である。
図6D】単極切断電流とともに、第2の構成での電気外科用デバイスを図示する図である。
図7A】双極電流とともに、第3の構成での電気外科用デバイスを図示する図である。
図7B】単極電流とともに、第3の構成での電気外科用デバイスを図示する図である。
図8】本明細書で教示されている電気外科用デバイスの電気回路である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書で提示されている説明および図示は、教示、その原理、および、その実用的な用途を、当業者に分からせることを意図している。当業者は、特定の使用の要件に最良に適し得るように、その多数の形態で教示を適合および適用することが可能である。したがって、述べられているような本教示の特定の実施形態は、包括的であるとして、または、本教示を限定するものとして、意図されていない。したがって、本教示の範囲は、上記の説明を参照して決定されるべきではなく、その代わりに、そのような特許請求の範囲に付与される均等物の全範囲とともに、添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。特許出願および刊行物を含むすべての記事および参考文献の開示は、すべての目的に関して、参照により組み込まれている。また、以下の特許請求の範囲から得られることとなるように、他の組み合わせも可能であり、それは、また、本明細書で参照によりこの書面による説明の中に組み込まれている。
【0013】
本出願は、2014年8月20日に出願された米国仮特許出願第62/039,506号の優先権を主張し、その内容は、すべての理由で、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。本教示は、電気外科用デバイスに関する。好ましくは、本教示は、電気外科用デバイス、および、電気外科用システムを形成する関連の構成部品に関する。電気外科用システムは、本明細書で教示されているデバイスのうちの1つ以上を含む任意のシステムであることが可能である。好ましくは、電気外科用システムは、少なくとも電気外科用デバイスを含む。電気外科用システムは、本明細書で教示されているような1つ以上のハンドピース、1つ以上のグランドパッド、1つ以上のジェネレーター、1つ以上の電気外科用デバイス、1つ以上の隣接するハンドピースコンポーネント、または、それらの組み合わせ、および、電気外科用システムに組み込まれるそれぞれのデバイスの本明細書での教示を含むことが可能である。電気外科用デバイスは、外科医によって外科手術を行うために使用され得る任意のデバイスであることが可能である。電気外科用デバイスは、2つ以上の構成の間、2つ以上の状態の間、または両方の間で切り替えられるように機能することが可能である。たとえば、電気外科用デバイスは、単極構成、双極構成、非電気外科的構成、または、3つのうちの組み合わせの間で切り替えられ得る。電気外科用デバイスは、片手で2つ以上の構成の間で切り替えられ得る任意のデバイスであることが可能であり、ユーザーが、手術を中断させることなく、もう1つの手を必要とすることなく、または両方で、構成同士の間で切り替えることが可能であるようになっている。電気外科用デバイスは、左右両手によって使用され得、構成同士の間で左右両手によって切り替えられ得、または両方であり得る、任意のデバイスおよび/または構成であることが可能である。電気外科用デバイスは、切断する、止血を行う、凝固する、乾燥させる、高周波療法をする、電気焼灼を行う、または、それらの組み合わせのために使用され得る。電気外科用デバイスは、双極能力、単極能力、非電気外科的能力、または、それらの組み合わせを含む任意のデバイスであることが可能である。電気外科用デバイスは、観血的手術において使用され得る。その電気外科的能力に加えて、電気外科用デバイスは、非電気外科的目的のために使用され得る。たとえば、電気外科用デバイスは、対象物、解剖学的特徴、臓器、血管、皮膚、組織など、または、それらの組み合わせを把持するために使用され得る、鉗子、ピンセット、または両方として使用され得る。別の例では、デバイスの1つ以上のパーツが、鋭い縁部を含むことが可能であり、外科用メスのものと同様に、切断するために使用され得る。電気外科用デバイスは、ハンドピースおよびジェネレーターを含むことが可能である。電気外科用デバイスは、ハンドピースとジェネレーターとの間に延在する1つ以上の治療信号を有することが可能である。
【0014】
1つ以上の治療信号は、信号、パワー、連続性(continuity)、または、それらの組み合わせであることが可能である。本明細書で議論されているような治療信号は、電気外科的治療信号である。治療信号は、第1の電気外科的治療信号、第2の電気外科的治療信号、第3の電気外科的治療信号、第4の電気外科的治療信号、または、それらの組み合わせであることが可能である。1つ以上の治療信号は、ハンドピースからジェネレーターへ延在することが可能であり、または、その逆も同様である。1つ以上の治療信号は、ハンドピースによって形成され得、ジェネレーターによって形成され得、または両方であることが可能である。電気外科的治療信号は、治療電流であることが可能である。好ましくは、電気外科的治療信号は、ユーザーがステップを行ったということ、および、治療電流、エネルギー、または両方が発生させられるように信号が送信されているということを示す。電気外科的治療信号は、1つ以上の治療電流が作り出されるように信号を提供することが可能であり、治療電流が、電気外科手術のために使用され得る。ハンドピースの上に位置付けされているスライダー(たとえば、第1のスライダーまたは第2のスライダー)のうちの1つ以上が、第1の位置、第2の位置、第3の位置、または、それらの組み合わせにあるときに、電気外科的治療信号は伝導され得る。電気外科的治療信号は、単極治療信号、双極治療信号、または両方であることが可能である。電気外科的治療信号は、単極治療信号、双極治療信号、または両方であることが可能である。電気外科的治療信号は、単極切断すること、単極凝固すること、単極高周波療法をすること、双極切断すること、双極凝固すること、双極高周波療法をすること、または、それらの組み合わせであることが可能である。単極治療信号は、ジェネレーターの中のリターンポートとアクティブポートとの間の電圧差を有する任意の信号であることが可能である。単極治療信号は、電気外科用デバイスによって印加されると、電気外科用デバイスの1つのポールから、遠隔の場所に位置付けされている別のポールへ、電気外科用デバイスから離れて、ハンドピースから離れて、または、それらの組み合わせで延在する任意の信号である。単極治療信号(すなわち、電流、電圧、パワー、または、それらの組み合わせ)は、ハンドピースの電極から、ハンドピースの一部ではない電極へ延在し、または、ハンドピースに直接的に電気的に接続されている。双極治療信号は、電気外科用デバイスに接続されているか、ジェネレーターの中に位置付けされているか、または両方である、2つのリードの間の電圧差を有する任意の信号であることが可能である。双極治療信号は、電気外科用デバイスによって印加されると、ハンドピースの1つのコンポーネントからハンドピースの別のコンポーネントへ(たとえば、2つのワーキングアームの間で、ブレード電極から1つのまたは両方のワーキングアームへ、または両方で)延在する任意の信号であることが可能である。治療信号は、ハンドピースからジェネレーターへ発生させられ、伝導され得る。
【0015】
ジェネレーターは、パワー、治療電流、制御信号、電気外科的治療信号、または、それらの組み合わせを供給するように機能することが可能である。ジェネレーターは、ハンドピースに電気的に接続され、電気外科的治療信号、パワー、治療電流、または、それらの組み合わせを提供し、および/または、受け取るように機能することが可能である。ジェネレーターは、単一の治療電流だけを作り出すことが可能であり得る。ジェネレーターは、2つの治療電流を作り出すことが可能であり得る。ジェネレーターは、2つ以上のパワー接続、3つ以上のパワー接続、または4つ以上のパワー接続を含むことが可能である。パワー接続は、ジェネレーターの中の任意のポートであることが可能であり、ハンドピースの1つ以上のパワーコネクターが差し込まれ得るようになっており、パワー、制御信号、治療電流、または、それらの組み合わせが、電気外科用デバイスに供給されるようになっている。ジェネレーターは、パワー接続の1つ以上の間で切り替えられ得る1つ以上のスイッチを含むことが可能であり、パワー、信号、または両方が、電気外科用デバイスの所望の構成に基づいて、電気外科用デバイスに選択的に印加され得るようになっている。ジェネレーターは、中央処理装置(CPU)、一連の内部スイッチング、または両方を含むことが可能である。CPUは、内部スイッチングと交換され得、スイッチングは、CPUと同じ機能を果たすことが可能である。CPUまたは内部スイッチングは、第1の構成、第2の構成、第3の構成、単極構成、双極構成、非電気外科的構成、または、それらの組み合わせの間で、電気外科用デバイスを切り替えるために使用され得る。好ましくは、電気外科用デバイスは、第1の構成と第2の構成との間で、および、随意的に第3の構成へ機械的に再構成される。
【0016】
第1の構成、第2の構成、および第3の構成は、機械的な再構成である。第1の構成、第2の構成、および第3の構成は、電気外科用デバイスを機械的に再構成することが可能であり、電気外科用デバイスが異なるモードを提供するようになっている。たとえば、第1の構成では、電気外科用デバイスは、双極治療電流だけを提供することが可能である。第1の構成では、ブレードは、後退させられた状態になっていることが可能である。第1の構成は、ワーキングアームが鉗子として使用されることを可能にすることができ、ワーキングアームは、互いに対して移動することが可能であり、ワーキングアームは、横方向に移動することが可能であり(すなわち、たとえば、把持するタイプの方向などに、互いに向かい、および、互いから離れる)、ワーキングアームは、ブレードによって抑制されないことが可能であり、または、それらの組み合わせである。第1の構成では、他のボタン(たとえば、活性化ボタンまたはトグル制御ボタン)は、ハンドピースの構造体(たとえば、スライダー)によって、作動させられることを物理的に防止され得る。別の例において、第2の構成では、電気外科用デバイスは、単極切断、単極凝固、双極切断、双極凝固、または、それらの組み合わせを含むことが可能である。第1の構成、第2の構成、および第3の構成は、本明細書で議論されている様々な構成のうちのいずれかであることが可能である。第1の構成は、第1の治療電流を提供することが可能である。第1の治療電流は、単極エネルギーおよび/または単極電流であることが可能である。好ましくは、第1の治療電流は、双極エネルギーおよび/または双極電流であることが可能である。双極エネルギーは、適用の間に、電気外科用デバイスの1つのポールから同じ電気外科用デバイスの上の別のポールへ延在する任意のパワー供給源である。別の方式で述べると、双極エネルギーは、ハンドピースの1つのコンポーネントからハンドピースの別のコンポーネントへ延在するエネルギーである。たとえば、ハンドピースの上の2つのワーキングアームの間で延在するエネルギーは、双極エネルギーであり、または、ブレード電極からワーキングアームの1つもしくは両方へ延在するエネルギーは、双極エネルギーである。第1の電気的な構成は、1つ以上の第1の活性化ボタンの電気的接続を切ることによって、1つ以上の第1の活性化ボタンをカバーすることによって、ブレード電極の電気的接続を切ることによって、ワーキングアームのうちの1つまたは両方の電気的接続を切ることによって、または、それらの組み合わせによって、非活性化され得る。
【0017】
第2の構成は、第2の治療電流または第2の治療信号を提供することが可能である(本明細書で議論されているように、すべてのモードおよび構成に関して、治療電流および治療信号が交換可能に使用される)。第2の構成は、電気外科用デバイスの第2の機械的な構成であることが可能である。第2の構成は、ワーキングアームに対して部分的に前進させられるブレードを有することが可能である。好ましくは、第2の構成は、(第1の構成および第3の構成に対して)電気外科用デバイスを機械的に再構成し、ブレード、第1のワーキングアーム、および第2のワーキングアームの遠位端部が実質的にと同一平面になるか(たとえば、直線状になるか、または、一致する)、または、わずかに突き出すようになっている。ここで議論されているような遠位端部は、パワーコード、および、ユーザーの方を向くパーツから最も遠くにあるそれぞれのコンポーネントの端部である。したがって、ブレードおよびワーキングアームの遠位端部は、使用の間にユーザーから離れる方を向いている。遠位端部は、実質的に同一平面になることが可能であり、中央線(すなわち、それは、ブレードの長さに対して垂直に延在する線であり、3つの遠位端部のそれぞれは、その線と実質的に同一平面になる(たとえば、それぞれの遠位端部は、その線に向かって延在し、その線の約3mm以下の範囲に延在する))の約3mm以下、好ましくは約2mm以下、より好ましくは約1mm以下、または、さらには約0mmの範囲に位置付けされ得る。より好ましくは、ブレード、第1のワーキングアーム、および第2のワーキングアームの遠位端部は、同一平面になっており、実質的に真っ直ぐな線を形成する。ブレード、第1のワーキングアーム、第2のワーキングアームの遠位端部、または、それらの組み合わせは、1つ以上の治療電流を提供し、好ましくは、電気外科用デバイスを再構成することなく、第1の治療電流および第2の治療電流を異なる時間に提供することが可能である。
【0018】
第2の治療電流は、双極エネルギー(たとえば、双極電流または双極パワー)であることが可能である。好ましくは、第2の治療電流は、単極エネルギー(たとえば、単極電流または単極パワー)であることが可能である。単極エネルギーは、適用の間に、電気外科用デバイスの1つのポールから、遠隔の場所に位置付けされている別のポールへ、電気外科用デバイスから離れて、ハンドピースから離れて、または、それらの組み合わせで延在する任意のパワー供給源であることが可能である。別の方式で述べると、双極エネルギーは、ハンドピースの1つのコンポーネントから、ハンドピースの一部ではないコンポーネントへ延在するエネルギーである。たとえば、ブレード電極からグランドパッドへ延在するエネルギーは、単極エネルギーであり、または、1つまたは両方のワーキングアームからグランドパッドへ延在するエネルギーは、単極エネルギーである。より好ましくは、第2の構成は、複数の治療電流を提供し、デバイスは、電気外科用デバイスのモードを変化させることによって、治療電流の間で切り替えられ得る。第2の構成は、少なくとも4つの異なる治療電流を提供することが可能である。少なくとも4つの異なる治療電流は、単極切断、単極凝固、双極切断、および双極凝固を含むことが可能である。第2の電気的な構成は、1つ以上の第2の活性化ボタンの電気的接続を切ることによって、1つ以上の第2の活性化ボタンをカバーすることによって、1つまたは両方のワーキングアームの電気的接続を切ることによって、ブレード電極の電気的接続を切ることによって、第1のワーキングアームと第2のワーキングアームを短絡させることによって、または、それらの組み合わせによって、非活性化され得る。第2の構成は、異なる活性化ボタンを押すことによって、異なる治療電流の少なくとも2つの間で切り替わることが可能である。第2の構成では、トグル制御ボタンを押すことによって、および、電気外科用デバイスのモードを変化させることによって、活性化ボタンのそれぞれから利用可能な治療電流が変化させられ得る。第2の構成は、凝固活性化ボタンを押圧することによって、凝固治療電流を生成させることが可能であり、次いで、凝固活性化ボタンを解除することによって、および、切断活性化ボタンを押圧することによって、ほとんど間を置かずに切断治療電流を提供することが可能である。第2の構成は、第3の構成へと転換され得、または、第2の構成は、電気外科用デバイスが第1の構成から第3の構成へ直接的に転換されるように、バイパスされ得る。
【0019】
第3の構成は、ブレードを完全に延在させ、複数の治療電流を提供するように機能することが可能である。好ましくは、第3の構成は、少なくとも1つの第1の治療電流および少なくとも1つの第2の治療電流を提供する。より好ましくは、第3の構成は、少なくとも4つの治療電流(たとえば、単極切断、単極凝固、双極切断、双極凝固)を提供する。第3の構成は、機械的な切断を提供するように機能することが可能である。たとえば、ブレードは、機械的な切断ブレードとして使用され得る。ブレードは、機械的な切断ブレードおよび電気的なブレードの両方として使用され得る。第3の構成は、第2の構成に関して本明細書で教示されている治療電流のいずれかを提供することが可能である。ブレードは、第1のワーキングアームおよび第2のワーキングアームの遠位端部を越えて延在させられ得、ブレードが関心の特徴に接触することができ、ワーキングアームは任意の関心の特徴に接触しなくてもよいようになっている。第3の構成は、第2のスライダーが2つ以上の位置の間で移動することを可能にする。第3の構成は、単極構成であることが可能である。
【0020】
デバイスは、単極構成になっているときには、ハンドピースコンポーネント(たとえば、ブレード電極)、および、電気外科用デバイスのハンドヘルド部分の外側の別の場所に位置付けされ得るリターン電極を通して、ハンドピースコンポーネントおよび隣接するハンドピースコンポーネントを通して、または両方によって、パワーを供給することが可能である。単極構成は、電気外科用デバイスが単極パワーを印加するために使用され得る任意の構成であることが可能である。単極構成は、組織を切断し、血液および/または流体を凝固させ、電気的な切断をし、止血をし、大きい領域にパワーを印加し、または、それらの組み合わせのために、使用され得る。単極構成は、特定の領域を加熱するために使用され得、両方の電極の間の対象物、両方の電極に接触している対象物、または、それらの組み合わせ加熱するために使用され得る。使用の間に、パワーが、ブレード電極から、1つまたは両方の双極電極、1つ以上のワーキングアーム、1つ以上のグランドパッド、または、それらの組み合わせへ延在するように、単極構成は使用され得る。好ましくは、単極構成では、治療電流は、ブレードから遠隔電極へ延在する。遠隔電極は、ハンドピースから遠隔に位置付けされている任意の電極であることが可能である。遠隔電極は、ハンドピースに直接的に接続されていなくてもよい。たとえば、遠隔電極およびハンドピースは、ジェネレーターを通して接続され得る。遠隔電極は、グランドパッドであることが可能である。遠隔電極は、ハンドピースの上の電極のうちの1つ以上に、関心の組織または解剖学的特徴を通して、電気的に接続され得る。ブレード電極は、単極構成になっているときには、双極電気外科手術と比較したときに、より繊細でない手術のために、より局部的でない電気外科手術のために、または両方のために使用され得る。
【0021】
デバイスは、双極構成になっているときには、デバイスの1つの部分からデバイスの第2の部分へパワーを供給することが可能であり、パワーのためのリターン経路が、単極構成と比較したときに、相対的に短くなるようになっている。双極構成は、電気外科用デバイスが双極パワーを印加するために使用され得る任意の構成であることが可能である。デバイスは、双極構成になっているときには、2つのワーキングアームなどのような2つの局部的なハンドピースコンポーネントの間でパワーを供給することが可能である。双極構成は、凝固させるために、また、止血、切断、高周波療法、または、それらの組み合わせのために使用され得る。双極構成になっているときには、電気外科用デバイスは、2つの対向するワーキングアームを含むことが可能である。2つの対向するワーキングアームは、鉗子として構成され得る。
【0022】
鉗子は、1つ以上の対象物を把持し、保持し、ギュッとつまみ、または、それらの組み合わせをするように機能することが可能である。鉗子は、1つ以上のフィンガーグリップ(すなわち、はさみのように構成されている)を含むことが可能であり、1つ以上のフィンガーグリップは、鉗子を移動させるために使用され得、鉗子が1つ以上の対象物を把持するために使用され得るようになっている。鉗子は、フィンガーグリップがなくてもよく、直接的な圧力が鉗子の両側に印加されることによって作動させられ得、鉗子が閉じて対象物を把持するようになっている。鉗子は、ピンセット、または、ピンセットのようなデバイスであることが可能である。鉗子は、少なくとも2つのワーキングアーム、好ましくは2つの対向するワーキングアームを含む。
【0023】
ワーキングアーム(または、ジョーであるが、本明細書ではアームとして議論されている)は、対象物が2つ以上の対向するワーキングアームの間にあるときに、対象物を把持し、保持し、ギュッとつまみ、または、それらの組み合わせをするように機能することが可能である。ワーキングアームは、対象物を把持し、保持し、ギュッとつまみ、または、それらの組み合わせを支援し得る1つ以上の把持特徴を含むことが可能である。ワーキングアームは、中央セクションによって一緒に接続され得る。中央セクションは、電気外科用デバイスの本体セクション(または、ハンドピース)であることが可能であり、本体セクションは、ワーキングアームを互いに対して移動させ、または、ワーキングアームが互いに対して移動することを可能にする。ワーキングアームは、2つ以上の位置の間で移動可能であり得る。好ましくは、ワーキングアームは、少なくとも第1の位置と第2の位置との間で移動可能である。たとえば、ワーキングアームは、開位置(たとえば、鉗子)と閉位置(たとえば、プローブ)との間で移動可能であり得る。第1の位置にあるワーキングアームが、オフであり、励起され得、1つのワーキングアームが励起され得、または、それらの組み合わせであることが可能である。第2の位置にあるワーキングアームがオフであることが可能であり、ワーキングアームのうちの1つもしくは両方が電気的に接続を切られ得、ワーキングアームのうちの1つもしくは両方が電気的に接続され得、一方のワーキングアームが他方のワーキングアームによって短絡させられ得、または、それらの組み合わせである。より好ましくは、第2の位置、第3の位置、または両方において、両方のワーキングアームは、ワーキングアームが鉗子として使用されることができないように固定化されている。ワーキングアームは、長手方向に静止しており(すなわち、アームの長さに沿って静止している)、互いに対して横方向に(すなわち、把持運動中に、別のワーキングアームに向かって)移動可能であり得る。ワーキングアームは、長手方向に移動可能であり得、また、互いに対して移動可能であり得、把持力が生成され得るようになっている。たとえば、ワーキングアームは、双極構成になっているときには、拡張させられ得るとともに、次いで、後退させられ得、ブレード電極が露出させられ、単極構成を形成することができるようになっている。固定化される状態では、第1のワーキングアームおよび第2のワーキングアームは、横方向に静止しており、かつ、長手方向に静止していることが可能である。本明細書で議論されているように、横方向に静止しているということは、ワーキングアームが、互いに向かい合って、もしくは、互いから離れるように移動することができず、または、ワーキングアームの長手方向軸線の周りに回転することができないということである。好ましくは、第2の位置および第3の位置では、ワーキングアームは、完全に固定化されており、互いに対して任意の方向に移動することができない(すなわち、横方向移動)。ワーキングアームは、個別に、同時に、または両方で、後退可能および/または拡張可能であり得る。ワーキングアームは、選択的に後退可能および/または拡張可能であり得、1つ以上の先端部領域が、別のワーキングアーム、ブレード、または両方に対して露出させられるようになっている。
【0024】
ワーキングアームは、先端部領域を含む。先端部領域は、把持すること、保持すること、ギュッとつまむこと、または、それらの組み合わせを促進させることを支援するように構成されている部分を含むことが可能である。追加的に、先端部領域は、1つ以上の電気外科的構成(たとえば、単極構成、双極構成、または両方の組み合わせ)で構成され得る。先端部領域は、歯、セレーション、もしくはネズミの歯(mouse teeth)を含むか、歯がないか(すなわち、滑らかである)、または、それらの組み合わせであることが可能である。先端部領域は、完全におよび/または部分的に絶縁され得る。ワーキングアームのそれぞれの先端部領域は、電極を含む。好ましくは、第1のワーキングアームは、第1の電極を含み、第2のワーキングアームは、第2の電極を含む。ワーキングアームのそれぞれの電極のそれぞれは、パワーが、ワーキングアームのそれぞれへ、または、ワーキングアームのそれぞれから流れるポイントである。好ましくは、先端部領域は、ワーキングアームの非接触部分の上に絶縁体を含み、電気外科的エネルギーが偶発的な接触を通して伝達されないようになっている。先端部部分は、先端部領域の上に絶縁体を含むことが可能である。絶縁体は、電極(たとえば、第1の電極または第2の電極)を除いて、ワーキングアームの任意の部分をカバーすることが可能であり、パワーが電極からまたは電極へ通ることができるようになっている。ワーキングアームは、アクティブ部分および非アクティブ部分(すなわち、絶縁されている部分)を含むことが可能である。ワーキングアームは、1つ以上の機械的な特徴によって固定化され得る。好ましくは、機械的な特徴は、1つ以上の固定化アームであり、1つ以上の固定化アームは、1つ以上のワーキングアームまたはハウジングのそれぞれから延在し、ワーキングアームを拘束する。
【0025】
1つ以上の固定化アーム、1つ以上の固定化特徴、または両方は、ハウジング、ワーキングアーム、または両方の任意の特徴であることが可能であり、それは、電気外科用デバイスが第2の構成、第3の構成、または両方になっているときに、1つまたは両方のワーキングアームを固定化することが可能である。固定化アームは、ハウジングに接続され得、ワーキングアームのうちの1つまたは両方の間で延在することが可能であり、また、ブレードが前進させられるときには、固定化アームは分離され、ワーキングアームは、互いに接触するように移動させられる。固定化アームは、ハウジングに接続され得、ワーキングアームのうちの1つまたは両方の間で延在することが可能であり、また、ブレードが前進させられるときには、固定化アームが、圧縮され、一緒に押され、または両方であり、ワーキングアームが、ブレードに接触するように移動させられ、固定化される。固定化アームは、ワーキングアームに対して概して平行であることが可能であり、ワーキングアームと同じ方向に延在することが可能であり、ワーキングアームから離れるように延在することが可能であり、対向するワーキングアームに向かって延在することが可能であり、ユーザーに向かって延在することが可能であり、ユーザーから離れるように延在することが可能であり、または、それらの組み合わせであることが可能である。ハウジング、ワーキングアーム、または両方は、固定化アームがなくてもよい。くさびなどのような固定化特徴は、第1の固定化アームと第2の固定化アームとの間で移動させられ得、固定化アームは、接触するように移動させられ得、または、離れるように広げられ得、ワーキングアームが固定化されるようになっている。
【0026】
2つ以上のワーキングアームは、固定化特徴によって固定化され得る。固定化特徴は、2つ以上のワーキングアームを一緒に接続またはロックする任意の特徴であることが可能であり、アームがプローブ構成で固定化されるようになっており、鉗子が作動しないようにされるようになっており、または両方となるようになっている。固定化特徴は、アームの一部であり、ハウジングの一部であり、第1のスライダーのすべてもしくは一部であり、第2のスライダーのすべてもしくは一部であり、または、それらの組み合わせであることが可能である。固定化特徴は、移動させられている間に、および、固定化している間に、ブレードを移動させることが可能であり、ブレードをワーキングアームの間からチャネルの外へ延在させることが可能であり、または両方の組み合わせであることが可能である。
【0027】
ブレードは、手術の間に単極パワーを印加するために使用され得る任意のデバイスであり得、機械的に切断するために、長手方向に移動可能であり得、回転して移動可能であり得、拡張可能であり得、後退可能であり得る任意のデバイスであり得、または、それらの組み合わせであることが可能である。ブレードは、双極治療電流を印加するように機能することが可能である。ブレードは、ブレード電極を含み、ブレード電極は、治療信号を印加し、または治療信号を受け取る。ブレードは、静止していることが可能である。ブレード電極は、ブレードの遠位端部の中に位置付けされ得る。ブレード電極は、ブレードの一部であることが可能である。ブレード電極は、ポイント、縁部、または、ブレードの上の表面であることが可能であり、パワーが、そこから延在し、そこへ延在し、または両方である。好ましくは、一実施形態では、ブレードは、静止していることが可能であり、ワーキングアームは、ブレードに対して移動させられ得、ワーキングアームが移動させられるときには、ブレードが露出させられるようになっている。より好ましくは、ブレードは、移動可能である。ブレードは、第1の位置(たとえば、後退させられている)、第2の位置(たとえば、部分的に延在させられている)、および第3の位置(たとえば、完全に延在させられている)を有することが可能である。第1の位置は、ワーキングアームがブレードの遠位端部を通り過ぎるように、ブレードがワーキングアームに対して位置付けされている場所であることが可能である(たとえば、ワーキングアームがブレード通り過ぎて延在するように、ブレードが後退させられており、または、ワーキングアームがブレードの遠位端部を通り過ぎて延在するように、ワーキングアームが延在させられている)。第2の位置は、ブレードの遠位端部、ならびに、第1のワーキングアームおよび第2のワーキングアームの遠位端部が、実質的に同一平面になる場所であることが可能である(たとえば、約3mm以下の範囲に、好ましくは、約2mm以下の範囲に、および、より好ましくは、約1mm以下(すなわち、約0.75mm)の範囲に)。最も好ましくは、同一平面になるということは、一方の表面が他方の表面の前方または後方にあるということなく、遠位端部が平坦な表面を形成するということを意味している。第2の位置は、ブレードの遠位端部およびワーキングアームの遠位端部を、実質的に同一平面になる構成に固定化することが可能であり、電気外科用デバイスの遠位端部が実質的に平坦となるようになっている。第3の位置は、ブレードの遠位端部がワーキングアームの遠位端部を越えて延在させられるように、ブレードの遠位端部(すなわち、ブレード電極)がワーキングアームに対して位置付けされている場所であることが可能である(たとえば、ワーキングアームがユーザーの近位に位置付けされるように、ブレードが延在させられているか、または、ブレードがワーキングアームを越えるように、ワーキングアームが後退させられている)。ブレードおよびワーキングアームは、第1の位置、第2の位置、第3の位置、または、それらの組み合わせにおいて、インシュレーターまたは絶縁体によって分離され得る。好ましくは、絶縁体またはインシュレーターは、少なくとも第2の位置および第3の位置において、ブレードとワーキングアームとの間に位置付けされている。
【0028】
インシュレーターは、パワーおよび/または漂遊するパワーが、ブレードへおよび/またはブレードから、ワーキングアームから延在することを防止するように機能することが可能である。絶縁体またはインシュレーター(以降では、インシュレーター)は、ブレード、ワーキングアーム、または両方が、短絡して、望ましくない場所へ通過する電流、電極以外の場所から通過する電流、または、それらの組み合わせを生成させることを防止することが可能である。インシュレーターは、ブレードのすべてまたは一部分に沿って延在することが可能である。ブレードが、後退位置、双極構成、鉗子構成、プローブ構成、または、それらの組み合わせになっているときに、インシュレーターは、ブレードのすべてを実質的に取り囲むことが可能である。インシュレーターは、ワーキングアーム、グランドパッド、または両方からの迷走電流から、ブレードおよびブレード電極を絶縁させることが可能である。インシュレーターは、静止コンポーネントであることが可能であり、ブレードは、インシュレーターに対して移動することが可能である。インシュレーターは、ブレード、ワーキングアーム、または両方とともに、移動することが可能である。インシュレーターは、絶縁材料から作製され得、ブレード電極へのおよび/またはブレード電極からの電流のフローが実質的に防止されるようになっている。インシュレーターは、ゴム、プラスチック、シリコーン、エラストマー、シリコーン、PTFE、もしくは、それらの組み合わせから作製され、および/または、それらを含むことが可能である。インシュレーターは、インシュレータースリーブであることが可能である。インシュレータースリーブは、パワーがブレード電極へおよび/またはブレード電極から通過することを防止することが可能である。好ましくは、インシュレータースリーブは、ブレードが後退させられているときに、パワーがブレードへおよび/またはブレードから通ることを防止し、ブレード電極がパワーを与えられないようになっており、回路が完成されることができないようになっており、または両方になっている。インシュレータースリーブは、ブレードの一部分をカバーするスリーブであることが可能である。インシュレータースリーブは、ブレードとともに移動することが可能であり、ブレードの同じ部分が常にカバーされており、かつ、ブレード電極の同じ部分が常に露出させられているようになっている。インシュレータースリーブは、ブレードの一体部分であることが可能である。インシュレータースリーブは、ブレード、ワーキングアーム、または両方に、固定して接続され得る。インシュレータースリーブは、1つ以上のスライダーが移動させられるときに、ブレードとともに移動することが可能である。
【0029】
1つ以上のスライダーは、1つ以上の活性化ボタンをカバーし、1つ以上の活性化アームを移動させ、ブレードを移動させ、1つまたは両方のワーキングアームを移動させ、電気外科用デバイスの1つ以上の特徴を固定化し、および/または電気的に接続を切り、1つ以上の活性化ボタンを固定化し、1つ以上の活性化ボタンの移動および/または押圧を妨げ、1つ以上の固定化アームを移動させ、1つ以上のモードの間でトグルし、1つ以上のトグル制御ボタンの移動を防止し、または、それらの組み合わせを行うように機能することが可能である。1つ以上のスライダーは、使用されていない活性化ボタンをカバーするシールドであることが可能であり、活性化ボタンの1つ以上が接触から保護されるようになっている。たとえば、電気外科用デバイスが双極使用のために構成されているときには、スライダーが、単極活性化ボタンをカバーし、双極活性化ボタンを露出させることが可能であり、または、その逆も同様である。1つ以上のスライダーは、電気外科用デバイスの上で移動可能なコンポーネントであることが可能であり、スライダーは、それらが移動させられるときに、電気外科用デバイスのすべてまたは一部分を再構成する。1つ以上のスライダーは、電気外科用デバイスに沿って長手方向に移動可能であり得る。1つ以上のスライダーは、ワーキングアームをロックすることが可能であり、ブレードを前進および後退させることが可能であり、または両方であることが可能である。スライダーは、中実のピースであることが可能である。電気外科用デバイスは、複数のスライダーを含むことが可能である。好ましくは、電気外科用デバイスは、少なくとも2つのスライダー(すなわち、第1のスライダーおよび第2のスライダー)を含む。第1のスライダーは、第1のスライダーの第1の位置、第1のスライダーの第2の位置、第1のスライダーの第3の位置、または、それらの組み合わせを有することが可能である。第1のスライダーの第1の位置は、後退位置または近位位置であることが可能である。第1のスライダーの第2の位置は、中間位置(近位位置と遠位位置との間)または遠位位置であることが可能である。第1のスライダーの第3の位置は、遠位位置であることが可能である。第2のスライダーは、第2のスライダーの第1の位置、第2のスライダーの第2の位置、第2のスライダーの第3の位置、または、それらの組み合わせを有することが可能である。第2のスライダーの第1の位置は、後退位置または近位位置であることが可能である。第2のスライダーの第2の位置は、中間位置(近位位置と遠位位置との間)または遠位位置であることが可能である。第2のスライダーの第3の位置は、遠位位置であることが可能である。スライダーは、1つ以上の活性化ボタン、1つ以上のトグル制御ボタン、または両方を受け取り、それらの上に延在し、それらの移動を防止し、または、それらの組み合わせを行う、ドーム形の構造を有することが可能である。スライダーは、1つ以上の位置を含むことが可能である。好ましくは、スライダーは、少なくとも第1の位置および第2の位置(たとえば、第1の電気的な構成、第2の電気的な構成、鉗子構成、プローブ構成)を含む。スライダーは、複数の位置を有することが可能である(たとえば、スライダーは、3つの異なる構成の間で電気外科用デバイスを転換させるために使用され得、したがって、スライダーは、3つの位置を有することが可能である)。複数のスライダーは、複数の構成の間で電気外科用デバイスを転換させるために使用され得る。たとえば、第1のスライダーは、電気外科用デバイスを第1の構成から第2の構成へ機械的に転換させることが可能であり、第2のスライダーは、電気外科用デバイスを第2の構成から第3の構成へ機械的に転換させることが可能である。第1の位置、第2の位置、第3の位置、または、それらの組み合わせにあるスライダーは、スライダーに関して本明細書で議論されている機能のいずれかを果たすことが可能である。スライダーは、複数の位置をそれぞれ有することが可能である。スライダーは、トラックの上でスライドさせることによって移動させられ得る。スライダーは、ハンドピース、ワーキングアーム、または両方に対して移動することが可能である。スライダーは、ワーキングアーム、ハンドピース、または両方に対して、直線状の様式で移動することが可能である。スライダーは、ハンドピース、ワーキングアーム、または両方に対して回転することが可能である。スライダーは、ブレードを移動させるスライダーアッセンブリの一部であることが可能である。第1のスライダー、第2のスライダー、または両方は、ブレードを移動させることが可能であり、ワーキングアームを固定化することが可能であり、または両方であることが可能である。第1のスライダーは、第2のスライダーの移動を防止することが可能であり、または、その逆も同様である。たとえば、第1の位置にあるときには、第1のスライダーは、第2のスライダーをオフ位置にロックすることが可能であり、トグル制御ボタンがカバーされるようになっている。第1の位置にある第1のスライダーは、第2のスライダーを第1の位置にロックすることによって、ブレードの移動を防止することが可能であり、第2のスライダーがモードを変化させるように第2のスライダーを移動させることが可能であり、または両方が可能である。
【0030】
1つ以上のスライダーのうちの1つ以上が、後退させられ得る1つ以上の他のデバイスに接続され得る。たとえば、1つのスライダーは、ブレードに接続され得、スライダーは、第1の構成、第2の構成、第3の構成、任意の他の構成、または、それらの組み合わせへ、および/または、それらの間で、ブレードを移動するために使用され得る。別の例では、スライダーは、ワーキングアームに接続され得、スライダーが移動させられるときに、ワーキングアームが拡張および/もしくは後退させられ、または、互いに向かってもしくは互いから離れるように横方向に移動させられるようになっている。スライダーは、ブレードに一体的に接続され得る。スライダーは、1つ以上の電気コネクターを含むことが可能である。1つ以上の電気コネクターは、ワイヤーから電気外科的コンポーネントへパワーを通すように機能することが可能であり、または、電気外科用デバイスのモードを変化させるように機能することが可能である。たとえば、ワイヤーは、電気コネクターに接続することが可能であり、電気コネクターは、ブレードの中のブレード電極にパワーを与えることが可能である。1つ以上の電気コネクターは、スライダーとともに移動することが可能であり、スライダーが延在または後退させられているときに、電気外科用デバイスが機械的な移動を通して電気的に再構成されるようになっている。別の例では、前方方向(たとえば、長手方向)へのスライダーの移動は、グランドパッドをパワー供給源に電気的に接続させることが可能であり、スライダーの後退は、パワー供給源からグランドパッドの電気的接続を切ることが可能である。スライダーは、2つ、3つ、または、4つもの電気コネクターを有することが可能である。スライダーは、第1のワーキングアーム、第2のワーキングアーム、グランドパッド、およびブレード電極のための電気コネクターを含むことが可能である。スライダーは、デバイスを適切な位置にロックすることが可能であり、1つ以上のワーキングアームを固定化することが可能であり、または両方であることが可能である。たとえば、電気外科用デバイスが第1の構成になっているときに、スライダーは、ブレードを後退位置にロックすることが可能である。別の例では、電気外科用デバイスが第2の構成または第3の構成になっているときに、スライダーは、ブレードを前方位置にロックすることが可能であり、ワーキングアームの両方を固定化することが可能である。スライダーは、戻り止め、対応する凹部にロックする突出部、機械的なインターロック、摩擦嵌合、機械的なロック、電磁ラッチングシステム、または、それらの組み合わせによって、ロックすることが可能である。このスライダーは、電気外科用デバイスの1つまたは両方のワーキングアームに接続され得る。スライダーは、電気外科用デバイスの中央セクションに接続され得る。第1の位置、第2の位置、第3の位置、または、それらの組み合わせにある1つ以上のスライダーは、中央セクションに接触しているままであることが可能である。1つ以上のスライダーは、第1の位置および第2の位置および第3の位置の間で移動することによって、活性化回路の中の1つ以上のスイッチを変化させることが可能であり、電気外科用デバイスの1つ以上のモードが変化させられるようになっている。
【0031】
活性化回路は、電気外科用システム、ハンドピース、または両方の任意のパーツであることが可能であり、それは、活性化させられ得、1つ以上の治療電流が、発生させられ、印加され、供給され、供給されることを防止され、または、それらの組み合わせとなるようになっている。活性化回路は、2つ以上のコンポーネントの電気的接続することが可能であり、2つ以上のコンポーネントを電気的に活性化させることが可能であり、ユーザーインターフェースを提供することが可能であり、または、それらの組み合わせであることが可能である。活性化回路は、1つ以上のスイッチ状態、2つ以上のスイッチ状態、または3つ以上のスイッチ状態を有することが可能である。1つ以上のスライダーが、第1の位置、第2の位置、第3の位置、もしくは、それらの組み合わせから移動させられるときに、スイッチ状態が変化させられ得、または、トグルコントローラーが作動させられ(すなわち、トグルコントローラーの1つ以上のトグル制御ボタン)、または両方である。活性化回路およびスイッチ状態は、ジェネレーターからの治療信号の経路を変化させることが可能であり、活性化ボタンのうちの1つ以上を活性化させると、異なるモードが生成されるようになっている。
【0032】
1つ以上の活性化ボタンは、電気外科用デバイスの1つ以上の機能を制御するように機能することが可能である。1つ以上の活性化ボタンは、双極パワー、単極パワー、双極切断設定、双極凝固設定、治療電流、治療信号、ブレードの回転、単極電極の回転、トグルコントローラー、または、それらの組み合わせを制御することが可能である。第1の構成からおよび/または第1の構成へ、第2の構成および第3の構成へ、または、その逆も同様に、スライダーが移動するとき、ブレードが移動するとき、または両方であるとき、1つ以上のボタンが、スライダーによって露出させられ、および/またはアンロックされ得る。たとえば、スライダー、ブレード、または両方が、単極構成であるときには、単極活性化ボタンだけが露出させられ得る。単極活性化ボタン、双極活性化ボタン、または両方が、それぞれの電極へパワーを出すことが可能であり、パワーが関心の領域に供給されるようになっている。それぞれの活性化ボタンは、一度に1つの治療信号または治療電流を印加することが可能であるが、しかし、それぞれの活性化ボタンは、モード同士の間で変化させられている電気外科用デバイスによって複数のモードを適用することが可能である。たとえば、トグルコントローラーが第1の位置にあるときには、第1の活性化ボタンは、第1の治療信号を提供することが可能であり、トグルコントローラーが第2の位置にあるときには、同じ第1の活性化ボタンが、第1の治療信号とは異なる第2の治療信号を提供することが可能である。別の例では、電気外科用デバイスの上に位置付けされている2つの活性化ボタンが存在している場合において、トグルコントローラーが第1の位置にあるときには、両方の活性化ボタンが、第1の治療信号(たとえば、双極切断および双極凝固)を提供することが可能であり、トグルコントローラーが第2の位置へ移動させられるときには、両方の活性化ボタンが、両方とも、第2の治療信号(たとえば、単極切断および単極凝固)を提供することが可能であり、第1の治療信号の両方は、互いに異なっており、第2の治療信号の両方は、互いに異なっている。たとえば、トグルコントローラーは、1つ以上のトグル制御ボタンを含むことが可能であり、トグル制御ボタンは、電気外科用デバイスがモード同士の間で移動させられるように作動させられ得る。活性化ボタンのそれぞれが活性化させられるときに、トグルコントローラーは、ワーキングアームから、ワーキングアームを通って、ワーキングアーム同士の間で、ブレードから、ブレードへ、または、それらの組み合わせで提供される治療信号を変化させることが可能である。
【0033】
トグルコントローラーは、1つ以上のトグル制御ボタンを含むことが可能である。トグルコントローラーは、複数のトグル制御ボタンを含むことが可能である。トグルコントローラーは、2つ以上のモードの間で電気外科用デバイスを切り替えることが可能である。好ましくは、単一のトグル制御ボタンは、複数の異なるモードの間でトグルすることが可能である。トグルコントローラーは、2つ以上のモードの間で電気外科用デバイスを変化させるように機能することが可能である。1つ以上のトグル制御ボタンは、電気外科用デバイスの構成のそれぞれにおいて、2つ以上のモードの間でトグルすることが可能である。1つ以上のトグル制御ボタンは、複数のモードの間でトグルまたは進展することが可能である。トグルコントローラー、トグル制御ボタン、または両方は、トグルすることによって、モード同士の間で切り替わり、または、モードを変化させるスイッチを移動させることが可能である。トグルコントローラーは、電気外科用デバイスをトグルすることが可能であり、活性化ボタンが押圧されるときに、電気外科用デバイスから提供される治療信号が、1つのモードから異なるモードへ変化させられるようになっている。1つ以上のトグル制御ボタンは、モード同士の間で電気外科用デバイスを電気的に変化させることが可能であり、モード同士の間で電気外科用デバイスを機械的に変化させることが可能であり、または両方であることが可能である。電気外科用デバイスが特定の構成(たとえば、第1の構成または双極構成)であるときには、トグルコントローラー、トグル制御ボタン、または両方が、単一のモードでロックされ得る。トグル制御ボタンは、スライダー、または、スライダーの一部であることが可能である。トグル制御ボタンは、作動の間に、ハンドピースに沿って物理的な移動がないことが可能である。トグル制御ボタンは、ジェネレーターの中で、ハンドピースの中で、または両方で、モードを切り替えることが可能である。トグルコントローラーは、ブレード、ブレード電極、または両方に接続され得、ブレードを第1の位置から第2の位置へ移動させることを支援することが可能であり、電気外科用デバイスのモードが、第1のモードから第2のモードへ変化させられるようになっている。
【0034】
ブレードは、電気的に切断し、機械的に切断し、または両方を行うように機能することが可能である。ブレードは、パワーを1つの場所から遠位場所へ供給する電気外科用デバイスの任意の一部であることが可能である。ブレードは、組み合わせられるとブレードを形成し得る2つ以上のデバイスの組み合わせであることが可能である。ブレードは、その軸線の周りに回転可能であり得、長手方向軸線、電気外科用デバイスの長手方向軸線、ワーキングアーム、もしくは、それらの組み合わせに関して長手方向に移動可能であり得、静止していることが可能であり、または、それらの組み合わせであることが可能である。ブレードは、尖っていないことが可能であり、1つ以上の先の尖った縁部を有することが可能であり、切れない縁部を有することが可能であり、または、それらの組み合わせであることが可能である。ブレードは、ブレードが切断するために使用され得るように、その長手方向軸線の周りに任意の角度まで回転することが可能であり、ユーザーがそれらのグリップを再位置決めすることが必要とされないように人間工学的に配向され得、垂直方向の切断のために使用され得、左右方向の切断のために使用され得、または、それらの組み合わせであることが可能である。
【0035】
ハンドピースは、ユーザーが把持するデバイスの任意の一部であることが可能であり、それは、制御ボタン、トグルコントローラー、1つ以上のスイッチ、1つ以上の電気コネクター、1つ以上のダイオード、1つ以上のコンデンサー、または、それらの組み合わせのうちの1つ以上を収容する。ハンドピースは、制御回路、中央処理装置、または両方のすべてまたは一部分を収容することが可能である。ハンドピースは、電気外科用デバイス、電気的なシステム、または両方を、ジェネレーターに電気的に接続させることが可能である。ハンドピースは、電気外科用デバイスの機能的なエレメントを物理的に接続すること、および、電気外科用デバイスのエレメントを電気的に接続することの両方が可能である。ハンドピースは、電気外科用デバイスの本体部分、2つ以上のワーキングアームの間の部分、2つ以上のワーキングアームの間のコネクターであることが可能であり、それは、活性化回路を含む回路のすべてまたは一部分を収容し、それは、1つ以上の活性化ボタン、トグルコントローラー、トグル制御ボタン、または、それらの組み合わせを含む。好ましくは、ハンドピースは、外科医が把持する部分であり、所望の場所にパワーを印加するために、モードを変化させるために、または両方のために、1つ以上の活性化ボタンを押す部分である。より好ましくは、ハンドピースは、2つの活性化ボタン、1つのトグルコントローラー、および、電気外科用デバイス、ワーキングアーム、ブレード電極、または、それらの組み合わせにパワーを供給するための1つ以上の電気コネクターを含む中央セクションである。最も好ましくは、ハンドピースは、2つの活性化ボタン、トグルコントローラー、および、1つ以上のスライダーを含み、1つ以上のスライダーは、ブレードを前進させ、ワーキングアームを一緒にロックし、スライダーは、いくつかの構成でトグルコントローラーを閉鎖し、また、いくつかの構成でトグルコントローラーを露出させる。別の好適な構成では、ハンドピースは、2つの活性化ボタン、トグルスライダーを有するトグルコントローラー、およびスライダーを含み、スライダーは、トグル制御スライダーをアンロックしている間に、ワーキングアームを固定化し、ブレードを前進させる。ハンドピースは、2つの活性化ボタン、1つのトグルコントローラー、および少なくとも1つのスライダーを含むことが可能であるが、好ましくは2つのスライダーを含むことが可能である。ハンドピースは、1つ以上のおよび好ましくは複数のハンドピースコンポーネントを含むことが可能である。
【0036】
1つ以上のハンドピースコンポーネントは、ハンドピース直接的に電気的に接続されている任意のデバイス、ハンドピースに物理的に接続されている任意のデバイス、ハンドピースの上に担持されている任意のデバイス、または、それらの組み合わせであることが可能である。1つ以上のハンドピースコンポーネントは、ハンドピースを機械的に再構成することが可能である任意のコンポーネント、ハンドピースによって機械的に再構成され得る任意のコンポーネント、ハンドピースに沿って移動させられ得る任意のコンポーネント、ハンドピースから治療電流を印加することが可能である任意のコンポーネント、または、それらの組み合わせであることが可能である。1つ以上のハンドピースコンポーネントは、ハンドピースに直接的に電気的に接続され得、パワー、信号、治療電流、または、それらの組み合わせが、介在デバイスを通って進行することなく、ハンドピースもしくはハンドピースコンポーネントへ、および/または、ハンドピースもしくはハンドピースコンポーネントから、直接的に流れるようになっている。ハンドピースコンポーネントは、ハンドピースから分離されて位置付けされ得るが、ハンドピースに直接的に電気的に接続され得る。たとえば、ハンドピースコンポーネントは、ハンドピースに直接的に取り付けられているコードを有することが可能である。逆に、コンポーネントが、ジェネレーターを通してハンドピースに接続する場合には、コンポーネントは、ハンドピースコンポーネントではない。1つ以上のハンドピースコンポーネントおよびハンドピースは、電気的に再構成可能であり得、ハンドピースおよびハンドピースコンポーネントが、いくつかの構成では電気的に接続され、いくつかの構成では、電気的に接続を切られるようになっている。1つ以上のハンドピースコンポーネントは、ブレード電極、第1のワーキングアーム、第2のワーキングアーム、グランドパッド、スライダー、単極電極、1つ以上の双極電極、または、それらの組み合わせであることが可能である。好ましくは、1つの構成では、グランドパッドは、ハンドピースから離散的に設置されているが、グランドパッドは、ハンドピースに直接的に電気的に接続されており、ハンドピースが単極構成になっているときには、グランドパッドが電気的に活性化させられるようになっている。より好ましくは、グランドパッドは、ハンドピースコンポーネントではない。ハンドピースは、1つ以上のハンドピースコンポーネントにパワーを提供することが可能であり、ハンドピースコンポーネントが、パワー供給部、治療電流、ジェネレーター、または、それらの組み合わせに直接的に電気的に接続されないようになっている。
【0037】
本教示は、システムの一部である。本明細書で教示されているようなシステムは、少なくとも電気外科用デバイスおよびジェネレーターを含む。また、システムは、遠隔電極、パワー供給源、または両方を含むことが可能である。ジェネレーターは、電気外科用デバイスに供給されるモードを制御する1つ以上のスイッチ、または、好ましくは複数のスイッチを内部に含むことが可能である。ジェネレーターは、スイッチを物理的に移動させることなく、電気外科用デバイスに提供されている治療信号を電気的に制御することが可能である。ジェネレータースイッチは、1つ以上の単極スイッチ、1つ以上の双極スイッチ、1つ以上の共通スイッチ、または、それらの組み合わせであることが可能である。好ましくは、ジェネレーターは、2つ以上の双極スイッチ、2つ以上の単極スイッチ、および、それぞれのモード(たとえば、単極および双極)のための1つ以上の共通スイッチを含む。ジェネレーターは、1つ以上のモードスイッチを含むことが可能である。モードスイッチは、ジェネレーターを双極モードから単極モードへ転換することが可能であり、または、その逆も同様である。モードスイッチは、双極と単極との間で、切断と凝固との間で、切断と高周波療法との間で、または、それらの組み合わせで切り替わることが可能である。ジェネレーターは、電気外科用デバイスにパワーを提供する1つ以上のアクティブ部分に接続され得る。それぞれのアクティブ部分は、特定のモードに関して、ジェネレーターから電気外科用デバイスへパワーを提供することが可能である。ジェネレーターは、1つ以上のリターン経路に接続され得る。ジェネレーターは、モードのそれぞれに関するリターン経路を含むことが可能であり、それぞれのモードが、リターン経路を通してパワーを戻し、回路を完成させるようになっている。
【0038】
本教示は、以下の特徴のうちの1つ以上を含むことが可能である。すなわち、第1の構成では、第1の治療信号が、第1のワーキングアームと第2のワーキングアームとの間を通る(そして、ブレードは、電気的に参加しない)ということ、第2の構成では、デバイスが、(第1の電気外科的治療信号とは異なる)複数の治療信号を作り出すように構成されており、そのうちの少なくとも1つが、ブレード電極を通過するということ、電気外科用デバイスが、第1のスライダーを含み、第2の位置にある少なくとも1つのスライダーは、互いに向き合う方向への第1のワーキングアームおよび第2のワーキングアームの移動(すなわち、横方向移動またはその長手方向軸線の周りの回転移動)が防止されるように、第1のワーキングアームおよび第2のワーキングアームを固定し、ブレード電極を延在させるということ、第1の活性化ボタンおよび第2の活性化ボタンに関して、第1の構成では、第1の活性化ボタンは、第1の電気外科的治療信号を作り出すように構成されており、第2の構成では、少なくとも1つのスライダーが第1のスライダー位置にあるときには、1つ以上のスライダーのうちの少なくとも1つが第2の活性化ボタンを作動しないようにするということ、第2の位置にある少なくとも1つのスライダーは、(i)互いに向き合う方向への第1のワーキングアームおよび第2のワーキングアームの移動が防止されるように、第1のワーキングアームおよび第2のワーキングアームを固定し、(ii)ブレード電極を延在させ、または、(iii)第2の活性化ボタンが第2の電気外科的治療信号を作り出すことを可能にするということ、ならびに、トグル制御ボタンは、1つ以上のスライダーが第2の位置にあるときに露出させられ、トグルコントローラーは、第1の電気外科的治療信号、第3の治療信号のいずれか、もしくは両方を作り出すために、第1の活性化ボタンをトグルするように構成されており、または、第2の治療信号もしくは第4の治療信号のいずれか、または両方を作り出すために、第2の活性化ボタンをトグルするように構成されているということ。
【0039】
図1は、電気外科用デバイス10を示しており、電気外科用デバイス10は、中央セクション26を備える鉗子20を含み、遠位端部46を有する第1のワーキングアーム(または、ジョー)22と、遠位端部48を有する第2のワーキングアーム(または、ジョー)24と、ブレード電極30を備える前進可能なブレード32とが、中央セクション26から延在している。コード38が、中央セクション26の遠位端部28から延在し、電気外科用デバイス10を電気外科用ジェネレーター(図示せず)に接続する。第1のワーキングアーム22および第2のワーキングアーム24は、互いから離れるように付勢されている。ユーザーは、指の圧力を第1のワーキングアーム22および第2のワーキングアーム24に印加し、それらが組織60(図示せず)をつかむために互いに接近することを引き起こすことが可能である。第1のワーキングアーム22および第2のワーキングアーム24は、第1の電極42および第2の電極44を含む。第1の活性化ボタン52が、中央セクション26の上に位置付けされている。ユーザーが第1の活性化ボタン52を押圧すると、ジェネレーター(図示せず)は、第1の電気外科的信号を提供することが可能である。たとえば、ユーザーが第1の活性化ボタン52を押圧すると、ジェネレーターは、双極電気外科的信号を作り出し、双極電気外科的信号を第1の電極42および第2の電極44に送達し、双極電流62を作り出し、双極電流62は、第1の電極42と第2の電極44との間を通る。第1の構成100では、トグルコントローラーのトグル制御ボタン55および第2の活性化ボタン54が、使用を阻止され、または、視界から隠されている。第1のスライダーは、第1の位置にあるときに、第2の活性化ボタン54およびトグル制御ボタン55を閉鎖する。電圧、電流、パワー、周波数、およびデューティーサイクルなどのような、この電気外科的電流の特徴は、具体的には、第1のワーキングアーム22と第2のワーキングアーム24との間に保持されている組織を凝固させるように構成され得る。前進可能なブレード電極30が、第1のワーキングアーム22と第2のワーキングアーム24との間に位置付けされている。ブレード電極30は、第1の構成100で示されており、第1の構成100では、ブレード電極30が、近位位置へ完全に後退させられている。第1の構成100では、第1のワーキングアーム22および第2のワーキングアーム24は、互いに向き合う方向21に自由に移動する。ブレード30は、第1のスライダー34に接続されており、第1のスライダー34は、鉗子20に沿って遠位におよび近位にブレード30をスライドさせる(遠位位置に関して図2を参照)。第1のスライダー34がその遠位位置にあるときには、ブレード電極30が前進位置に前進させられる(図2および図3)。第1のスライダー34が近位位置にあるときに、ブレード電極30が、後退位置に後退させられており(図1)、後退位置では、ブレード32の遠位端部36が、第1のワーキングアーム22および第2のワーキングアーム24の内側に位置付けされている。第1のスライダー34が近位位置にあるときには、第1の電極42を備える第1のワーキングアーム22および第2の電極44を備える第2のワーキングアーム24が、それらの間に組織(図示せず)を把持するために、互いに向かって方向21に移動可能である。
【0040】
図2は、ブレード32を図示しており、ブレード32は、第2の位置102にあるブレード電極30を含み、第2の位置102は、部分的に前進させられた位置である。ブレード電極30は、その遠位端部36が第1のワーキングアーム22および第2のワーキングアーム24の遠位端部46、48と同一平面になるようにまたは実質的に同一平面になるように前進させられ得、プローブ18が形成されるようになっている。同一平面になるということは、ブレード32の遠位端部36が第1のワーキングアーム22および第2のワーキングアーム24の遠位端部46、48に整合させられるように、ブレードが延在させられるということ、または、ブレード電極32の遠位端部36がワーキングアーム22、24の遠位端部46、48からわずかに後退させられているか、もしくは、ワーキングアーム22、24の遠位端部46、48と一直線になっているということ(たとえば、約0.75mm以下)を意味している。トグルコントローラーのトグル制御ボタン55は、スライダー34が前方位置にあるときに、スライダー34によって露出させられている。スライダー34が遠位位置にあるときには、露出させられている切断および凝固ボタン(52、54)は、たとえば、単極切断および単極凝固を提供するように構成されており、また、スライダー34が遠位位置にあるときには、露出させられている切断および凝固ボタン52、54は、たとえば、双極切断および双極凝固を提供するように構成され得る。
【0041】
図3は、完全に前進させられた位置または第3の構成104にあるブレード32およびブレード電極30を実証しており、遠位端部36およびブレード電極30が、第1のワーキングアーム22および第2のワーキングアーム24の遠位端部46、48を越えて延在するように前進させられるようになっている。第3の構成104では、第1の活性化ボタン52、第2の活性化ボタン54、およびトグル制御ボタン55が、すべて露出させられている。
【0042】
図4A図4Cは、本明細書の教示の活性化ボタン構成の拡大図である。図4Aは、第1のスライダー34の近位に位置付けされている第1の活性化ボタン52および第2の活性化ボタン54を図示している。第1のスライダー34は、示されているように、第2の活性化ボタン54または第1の活性化ボタン52をカバーしていないが、活性化ボタンのうちの1つまたは両方をカバーするために移動させられ得る。第2のスライダー38は、トグル制御ボタン55を露出させるために矢印の方向に移動させられ、電気外科用デバイスのモードが変化させられ得るようになっている。
【0043】
図4Bは、第1のスライダー34の近位に位置付けされている第1の活性化ボタン52および第2の活性化ボタン54を図示している。第1のスライダー34は、示されているように、第2の活性化ボタン54または第1の活性化ボタン52をカバーしていないが、活性化ボタンのうちの1つまたは両方をカバーするために移動させられ得る。第2のスライダー38は、トグル制御ボタン55であり、トグル制御ボタン55は、2つ以上の位置の間で移動させられ、モード同士の間でトグルすることが可能であり、第1の活性化ボタン52および第2の活性化ボタン54が異なる治療電流を提供するようになっている。示されているように、第1のスライダー34は、前方に前進させられ、第2のスライダー38が第1の位置から移動することを許容されるようになっている。
【0044】
図4Cは、第1のスライダーの第1の位置にある第1のスライダー34によってカバーされている第2の活性化ボタン54を図示している。第2の活性化ボタン52は、第1のスライダー34を通してアクセス可能であり、第1の活性化ボタンはアクセス可能であるようになっている。第1のスライダー34は、第2のスライダー38に当接しており、第2のスライダー38が第2のスライダーの第1の位置から第2のスライダーの第2の位置へ移動することを防止する。第1の第2のスライダー38は、トグル制御ボタン55であり、トグル制御ボタン55は、トグル制御ボタン55が位置同士の間で移動させられるときに、電気外科用デバイスのモードを変化させる。
【0045】
図5A図5Cは、第1の構成100、第2の構成102、および第3の構成104の間で切り替わる電気外科用デバイス10を図示している。図5Aは、電気外科用デバイス10の第1の構成100を図示しており、第1の構成100では、ブレード32が後退させられた状態にあり、ブレード32の遠位端部36が、第1のワーキングアーム22と第2のワーキングアーム24との間の領域の中に位置付けされるようになっており、双極電流62が、第1のワーキングアーム22と第2のワーキングアーム24との間を通ることができるようになっている。第1のワーキングアーム22および第2のワーキングアーム24は、ある距離だけ離れて位置付けされており、組織(図示せず)などのような解剖学的特徴が、それらの間に把持され得るようになっている。ブレード32の遠位端部36は、遠位端部35が解剖学的特徴(図示せず)の把持と干渉しないために十分な距離だけ後退させられている。示されているように、第1の構成100では、第2の活性化ボタン54は第1のスライダー34によってカバーされており、第1の活性化ボタン52は露出させられており、第1の活性化ボタン52を押圧すると、双極電流62が第1のワーキングアーム22と第2のワーキングアーム24との間で通されるようになっている。ブレード32は、絶縁体33を含み、ブレード32の意図しない場所からの電流の伝達を防止するが、ブレードは、図5B図5Cに示されているように、絶縁体がなくてもよい。絶縁体33は、存在するときには、ブレードからワーキングアームへのパワーの流れを防止し、または、その逆も同様である。絶縁体は、ワーキングアームの上に位置付けされ得る(図示せず)。
【0046】
図5Bは、電気外科用デバイス10の第2の構成102を図示しており、第2の構成102では、ブレード32の遠位端部36が、第1のワーキングアーム22の遠位端部46および第2のワーキングアーム48の遠位端部48と同一平面になっている。第1のワーキングアーム22および第2のワーキングアーム24は、ブレードを同一平面になる位置に把持することによって、ブレード32の移動を防止する。第1のスライダー34は、中間位置へと移動させられ、第1の活性化ボタン52および第2の活性化ボタン54の両方が露出させられるようになっており、ブレードは、実質的に同一平面になる位置へ移動させられる。
【0047】
図5Cは、第3の構成104を図示しており、第3の構成104では、ブレード32の遠位端部36が、第1のワーキングアーム22の遠位端部46と第2のワーキングアーム24の遠位端部48との間に延在している。第1のスライダー34は、遠位位置へ移動させられており、遠位位置では、第1の活性化ボタン52および第2の活性化ボタン54の両方が露出させられており、2つの異なる電流が、電気外科用デバイス10を通して印加され得るようになっている。
【0048】
図6A図6Dは、異なる電気外科的構成の電気外科用デバイス10の先端部の拡大図を図示している。図6Aは、第2の構成102の先端部を示しており、ブレード32の遠位端部36が、第1のワーキングアーム22の遠位端部46および第2のワーキングアーム24の遠位端部48と同一平面になっている。第1のワーキングアーム22および第2のワーキングアーム24は、ブレード32および絶縁体33によって間隔を離して配置されており、ブレード32の両側で絶縁体33に接触している。双極電流62が、第1のワーキングアーム22の第1の電極42と第2のワーキングアーム24の第2の電極44との間、および、ブレード32の遠位端部36の周りを通るように示されている。
【0049】
図6Bは、第2の構成102を示しており、単極電流63が、ブレード32のブレード電極30から遠隔電極45へ組織60(図示せず)を通って延在する。この電流は、具体的には、遠位端部36から遠隔電極45へ延在する単極電流63によって組織60(図示せず)を凝固させるために構成され得る。ブレード32の遠位端部36は、第1のワーキングアーム22の遠位端部46および第2のワーキングアーム24の遠位端部48と同一平面になっている。
【0050】
図6Cは、第2の構成102を示しており、トグル制御ボタン55(図示せず)が図4Aのものとは異なる位置にトグルされるときに、双極電流62は、ブレード32のブレード電極30から、それぞれの第1のワーキングアームまたは第2のワーキングアーム22、24の中の第1の電極42または第2の電極44のうちの1つまたは両方へ延在する。双極電流62は、具体的には、たとえば、第2の活性化ボタン(54)(図示せず)が押され、トグル制御ボタン(55)(図示せず)が双極状態になっているときに、組織を切断するように構成され得る。示されているように、ブレード32の遠位端部36、ならびに、第1のワーキングアーム22および第2のワーキングアーム24の遠位端部46、48は同一平面になっており、双極電流62は、ブレード32から、第1のワーキングアーム22、第2のワーキングアーム24へ、または両方へ流れる。第1のワーキングアーム22の遠位端部46および第2のワーキングアーム24の遠位端部48は、ブレード32および絶縁体33によって間隔を離して配置されており、ブレード32およびワーキングアーム22、24が電気的に絶縁されるようになっており、電流が組織(図示せず)などのような解剖学的特徴を通って流れる。
【0051】
図6Dは、第2の構成102を示しており、単極電流63が、ブレード32の遠位端部36にあるブレード電極30から組織(図示せず)を通って遠隔電極45へ通っている。この単極電流63は、具体的には、たとえば、第2の活性化ボタン(54)(切断ボタン)(図示せず)が押され、トグル制御ボタン(55)(図示せず)が単極状態になっているときに、組織(図示せず)を切断するように構成され得る。ブレード32の遠位端部36が、第1のワーキングアーム22の遠位端部46および第2のワーキングアーム24の遠位端部48と同一平面になっている。図示されていないが、ブレード32、ワーキングアーム、または両方が、絶縁体を含むことが可能である。
【0052】
図7Aは、第3の構成104を示しており、双極電流62が、ブレード32の遠位端部36におけるブレード電極30と、第1のワーキングアーム22の遠位端部46における第1の電極42、および、第2のワーキングアーム24の遠位端部48における第2の電極44との間を通っている。ブレード32の遠位端部36は、第1のワーキングアーム22の遠位端部46および第2のワーキングアーム24の遠位端部48を越えて延在している。第1のワーキングアーム22および第2のワーキングアーム24は、ブレード32に接触している。
【0053】
図7Bは、第3の構成104を示しており、単極電流63が、ブレード32の遠位端部36に位置付けされているブレード電極30から遠隔電極45へ通っている。ブレード32の遠位端部36は、第1のワーキングアーム22の遠位端部46および第2のワーキングアーム24の遠位端部48を越えて延在させられている。第1のワーキングアーム22および第2のワーキングアーム24は、ブレード32に接触している。
【0054】
図8は、電気外科用デバイス10とジェネレーター12との間の電気的な接続の概略図である。ジェネレーターは、単極スイッチリターン202および双極スイッチリターン212を含む。ジェネレーター12は、第1の単極スイッチリード200Aおよび第1の双極スイッチリード210Aを含み、第1の単極スイッチリード200Aおよび第1の双極スイッチリード210Aは、第2の活性化ボタン54に接続されており、また、トグルボタン55を通して、単極スイッチリターン202および双極スイッチリターン212のうちの1つに接続されており、そして、第2の活性化ボタン54を第1の単極状態と第1の双極状態との間で切り替える。ジェネレーター12は、第2の単極スイッチリード200bおよび第2の双極スイッチリード210bを含み、第2の単極スイッチリード200bおよび第2の双極スイッチリード210bは、第1の活性化ボタン52に接続されており、また、トグルボタン55を通して、単極スイッチリターン202および双極スイッチリターン212のうちの1つに接続されており、そして、第1の活性化ボタン52を第2の単極状態と第2の双極状態との間で切り替える。使用の間に、トグル制御ボタン55は、電気外科用デバイス10を単極共通スイッチ202と双極共通スイッチ212との間で切り替え、トグル制御ボタン55が単極スイッチ202にトグルされるかまたは双極スイッチ212にトグルされるかに応じて、単極エネルギーまたは双極エネルギーが印加されるようになっている。トグル制御ボタン55を切り替えることは、第1の活性化ボタン52を単極スイッチ200Bと双極スイッチ212Bとの間で切り替え、第2の活性化ボタン54を単極スイッチ200Aと双極スイッチ212Aとの間で切り替え、ユーザーが、単極電流または双極電流を印加するようにアクティブに選択することができるようになっている。ブレード30の中のブレード電極32は、単極スイッチ/双極スイッチ220を変化させることによって、単極アクティブ206と双極アクティブ216との間で切り替えられ得る。第1のワーキングアーム22の中に位置付けされている第1の電極42は、双極リターン214Aに接続されており、第2のワーキングアーム42の中に位置付けされている第2の電極44は、双極リターン214Bに接続されており、電流が、第1のワーキングアーム22と第2のワーキングアーム24との間で、または、ブレード電極32から、ならびに、第1のワーキングアーム22および/または第2のワーキングアーム24から、延在することができるようになっている。遠隔電極45は、電気外科用デバイス10からある距離だけ離れて位置付けされており、双極電流が、ブレード電極32から遠隔電極45へ流れる。
【0055】
本明細書で記載されている任意の数値は、任意の下側値と任意の高い側の値との間に少なくとも2単位の分離が存在するという条件で、下側値から上側値までの1単位ずつのすべての値を含む。例として、たとえば、温度、圧力、および時間などのような、コンポーネントの量またはプロセス変数の値が、たとえば、1から90、好ましくは、20から80、より好ましくは、30から70であると述べられている場合には、15から85、22から68、43から51、30から32などのような値が本明細書の中で明示的に列挙されているということが意図されている。1未満の値に関して、1単位は、必要に応じて、0.0001、0.001、0.01、または0.1であると考えられる。これらは、具体的には意図されているものの単なる例であり、列挙されている最低値と最高値との間の数値のすべての可能性のある組み合わせが、本出願の中に同様の様式で明示的に述べられているものと考えられるべきである。
【0056】
別段の記述がない限り、すべての範囲は、両方の端点、および、端点の間のすべての数を含む。範囲に関連して「約」または「おおよそ」の使用は、範囲の両端に適用される。したがって、「約20から30」は、「約20から約30」をカバーしており、少なくとも特定された端点を含むということが意図されている。
【0057】
特許出願および刊行物を含むすべての記事および参考文献の開示は、すべての目的に関して、参照により本明細書に組み込まれている。組み合わせを説明するための「本質的に〜からなる」という用語は、特定されているエレメント、原料、コンポーネント、またはステップ、および、組み合わせの基本的な新規の性質に実質的に影響を与えないような他のエレメント、原料、コンポーネント、またはステップを含むべきである。本明細書でエレメント、原料、コンポーネント、またはステップの組み合わせを記載するために、「含む(comprising)」または「含む(including)」という用語を使用することは、本質的に、エレメント、原料、コンポーネント、またはステップからなる実施形態も予期している。本明細書で「ことが可能である」という用語を使用することによって、含まれる「ことが可能である」任意の説明されている属性は、随意的なものであるということが意図されている。
【0058】
複数のエレメント、原料、コンポーネント、またはステップは、単一の統合されたエレメント、原料、コンポーネント、またはステップによって提供され得る。代替的に、単一の統合されたエレメント、原料、コンポーネント、またはステップは、別々の複数のエレメント、原料、コンポーネント、またはステップへと分割され得る。エレメント、原料、コンポーネント、またはステップを説明するための「1つの(a)」または「1つの(one)」の開示は、追加的なエレメント、原料、コンポーネント、またはステップを排除することを意図していない。
【0059】
上記の説明は、例示目的のためのものであり、限定するものではないということが意図されているということが理解される。提供されている例の他に、多くの実施形態および多くの応用例が、上記の説明を読むと、当業者に明らかになることとなる。したがって、教示の範囲は、上記の説明を参照して決定されるべきではなく、その代わりに、そのような特許請求の範囲に認められる均等物の完全な範囲とともに、添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。特許出願および刊行物を含むすべての記事および参考文献の開示は、すべての目的に関して、参照により本明細書に組み込まれている。以下の特許請求の範囲において、本明細書で開示されている主題の任意の態様の省略は、そのような主題の放棄ではなく、また、発明者がそのような主題を開示されている発明的主題の一部でないと考えているというように見なされるべきではない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図8