【実施例】
【0039】
実施例1
本実施例は、1−[trans−4−(イミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−1(6H)−イル)シクロヘキシル]−N−メチルメタンスルホンアミド(表1の化合物22)の調製を例示する。
【0040】
ステップA:trans−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸メチル(0.19g)、アセトニトリル(3ml)およびK
2CO
3(0.407g)を、磁気撹拌機および加熱浴を備えた丸底フラスコ内に置いた。臭化ベンジル(0.29ml)を加えて反応混合物を25から30℃で3時間勢いよく撹拌した。TLC(DCM/MeOH 8:1)は、出発原料の完全転換およびモノベンジル化アミンの存在を示した。無機沈殿物をろ過した。ろ液を蒸発させた。残留物を、シリカゲルのクロマトグラフィー(DCM/ヘキサン 1:1からDCM/MeOH 10:1)によって精製しtrans−4−(ジベンジルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸メチルを白色針晶として与えた(0.33g)。
【0041】
ステップB:trans−4−(ジベンジルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸メチル(0.22g)を、無水THF(2.2ml)に溶解して0℃に冷却した。水素化リチウムアルミニウム(0.125g)を、約15分かけて少量ずつ加えた。発泡が止まったときにバッチ温度をゆっくり上昇させて反応を加速した(発熱)。30分後TLC(DCM)用に標本抽出し出発原料は検出されなかった。反応混合物を、水および10%のNaOHでクエンチした。相を分離した。水性を、メチルt−ブチルエーテルで抽出した。組み合わせた有機相を、塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ真空中で濃縮して[trans−4−(ジベンジルアミノ)シクロヘキシル]メタノールを、静置すると凝固する無色油として与えた(0.20g)。得られた粗製生成物を、さらなる精製をせずに用いた。
【0042】
ステップC:[trans−4−(ジベンジルアミノ)シクロヘキシル]メタノール(7.74g)およびトリフェニルホスフィン(9.84g)を、無水THF(60ml)に溶解した。テトラブロモメタン(12.44g)を、THF(17.5ml)に溶解して滴下で反応混合物に加えた。フラスコを、発熱のために水(約10℃)で冷却した。沈殿物が出現した。1時間後TLC(DCM100%)用に標本抽出しこれは反応の完了を示した。溶媒を蒸発させて残留物をシリカゲルのクロマトグラフィー(DCM100%)によって精製した。生成物を含有する画分を、組み合わせて蒸発させた。固体残留物を、ヘキサン(30ml)で取り2から4℃に冷却した。沈殿物を、ろ過し、冷ヘキサンですすぎ真空下で乾燥してN,N−ジベンジル−trans−4−(ブロモメチル)シクロヘキサンアミンを白色固体として与えた(9.2g)。
【0043】
ステップD:N,N−ジベンジル−trans−4−(ブロモメチル)シクロヘキサンアミン(5.0g)を、イソプロピルアルコール(10ml)中に懸濁させた。Na
2SO
3(2.2g)およびKI(触媒)を、水(20ml)に溶解して加圧反応器内のN,N−ジベンジル−4−(ブロモメチル)シクロヘキサンアミンの懸濁液に加えた。これを密封して十分な撹拌と共に130℃に加熱した。反応進行を、TLC(DCM100%)によってコントロールした。反応が完了したことが分かったとき、溶媒を蒸発させてトルエンとの共沸蒸留によって乾燥させ[trans−4−(ジベンジルアミノ)シクロヘキシル]メタンスルホン酸を与えた。得られた粗製生成物を、さらなる精製をせずに用いた。
【0044】
ステップE:粗製の[trans−4−(ジベンジルアミノ)シクロヘキシル]メタンスルホン酸(4.5g)を、クロロホルム(75ml)中に懸濁させて氷浴中で冷却した。塩化チオニル(19.4ml)を、滴下で加えた。反応混合物を、室温で20分間撹拌し次いで65℃に加熱して65℃で一晩撹拌した。溶媒および過剰の塩化チオニルを蒸発させて塩化[trans−4−(ジベンジルアミノ)シクロヘキシル]メタンスルホニルを与えた。得られた粗製生成物を、さらなる精製をせずに用いた。
【0045】
ステップF:粗製の塩化[trans−4−(ジベンジルアミノ)シクロヘキシル]メタンスルホニル(約11.5mmol)を、無水THF(45ml)中に懸濁させて0℃に冷却した。トリエチルアミン(2.4ml)その後メチルアミン(THF中2M、11.5ml)を加えた。反応混合物を、0℃で1時間撹拌し、室温に温めて室温で1時間保持した。溶媒を蒸発させて残留物をEtOAc(100ml)で取りNaHCO
3(飽和)で洗った。水性相を、EtOAc(50ml)で逆洗した。組み合わせた有機相を、水および塩水(それぞれ50ml)で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥させて真空中で濃縮した。粗製材料を、シリカゲルのクロマトグラフィー(DCM/MeOH 8:1)で精製した。生成物を含有する画分を組み合わせ、真空中で濃縮してDCM/ヘキサン(1:1)で摩砕した。沈殿物をろ過し、冷DCM/ヘキサン(1:1)で洗い真空下で乾燥させて1−[trans−4−(ジベンジルアミノ)シクロヘキシル]−N−メチル−メタンスルホンアミドを白色固体として与えた(1.67g)。
【0046】
ステップG:1−[trans−4−(ジベンジルアミノ)シクロヘキシル]−N−メチル−メタンスルホンアミド(1.6g)を、MeOH(16ml)に(一部分)溶解した。ギ酸アンモニウム(1.04g)および湿性10%Pd/C(0.3g)を加えた。反応混合物を、十分な撹拌と共に加熱して還流した。非常にゆっくりとした転換が生じた(TLC−DCM/MeOH 8:1)。溶媒を、THF(10ml)でいっぱいに満たした。ギ酸アンモニウムの別の部(1.04g)その後10%Pd(OH)
2/C(0.3g)を加えた。反応混合物を、1時間後TLC(DCM/MeOH 8:1)用に再標本抽出し、完全な転換が確認された。パラジウム触媒を、セライトプラグを通してろ過した。ろ過ケークを、MeOH(2×20ml)で洗った。ろ液を、組み合わせて蒸発させた。固体残留物を、メタノールで取り蒸発させた(残留している芳香族の揮発性物およびギ酸アンモニウムを除去するため)。本ステップを、2回繰り返して1−(trans−4−アミノシクロヘキシル)−N−メチル−メタンスルホンアミドを灰白色固体として与えた(0.85g)。
【0047】
ステップH:DCM(70ml)中の4−クロロ−7−アザインドール(1.37g)、トリエチルアミン(1.9ml)およびDMAP(0.11g)の懸濁液に、室温で塩化ベンゼンスルホニル(1.3ml)を加えた。反応混合物を、室温で一晩撹拌した。反応混合物を、DCMで希釈してHClの水溶液(1M、70ml)でクエンチした。有機相を、分離してNaHCO
3(70ml)の飽和溶液、水およびNaClの飽和水溶液で抽出し、Na
2SO
4で乾燥させ真空中で濃縮して1−(ベンゼンスルホニル)−4−クロロ−ピロロ[2,3−b]ピリジンを褐色固体として与えた(2.65g)。得られた粗製生成物を、さらなる精製をせずに用いた。
【0048】
ステップI:DCM(5ml)に溶解した硝酸テトラブチルアンモニウム(381mg)を、−10℃で窒素下でDCM(5ml)中の1−(ベンゼンスルホニル)−4−クロロ−ピロロ[2,3−b]ピリジン(292mg)の溶液に滴下で加えた。トリフルオロ酢酸無水物(180μl)を、滴下で加え、同温度で30分次いで室温で4時間撹拌した。追加の硝酸テトラブチルアンモニウム(80mg)およびトリフルオロ酢酸無水物(40μl)を加えて反応混合物を室温で一晩撹拌した。追加の硝酸テトラブチルアンモニウム(380mg)およびトリフルオロ酢酸無水物(180μl)を加えて反応混合物を室温で3時間撹拌した。DCMで希釈後、反応混合物を、水でクエンチした。有機相を、分離して水で3回およびNaClの飽和水溶液で1回抽出し、Na
2SO
4で乾燥させて真空中で濃縮した。粗製生成物を、シリカゲルのクロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン 1:5)によって精製して1−(ベンゼンスルホニル)−4−クロロ−5−ニトロ−ピロロ[2,3−b]ピリジンをベージュ色固体として与えた(111mg)。
【0049】
ステップJ:1−(ベンゼンスルホニル)−4−クロロ−5−ニトロ−ピロロ[2,3−b]ピリジン(337mg)、1−(trans−4−アミノシクロヘキシル)−N−メチル−メタンスルホンアミド(実施例1、ステップG、206mg)および炭酸カリウム(304mg)を、ジオキサン/水9:1(10ml)中に懸濁させた。得られる懸濁液を、マイクロ波加熱炉内で120℃に加熱した。2時間後、反応混合物を、HPLC/MS用に標本抽出し、可視の出発原料は無く、生成物が形成された。反応混合物を、真空中で濃縮した。THF(15ml)、EtOAc(45ml)および水(30ml)を、残留物に加えた。反応混合物を、室温で30分間撹拌した。水性相を、分離してTHF/EtOAc 1:3の混合物で2回抽出した。組み合わせた有機相を、NaClの飽和水溶液で抽出し、Na
2SO
4で乾燥させて真空中で濃縮した。粗製生成物を、シリカゲルのクロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン1:1からEtOAc100%)によって精製して1−[trans−4−[[1−(ベンゼンスルホニル)−5−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]アミノ]シクロヘキシル]−N−メチル−メタンスルホンアミドを黄色泡沫として与えた(276mg)。
【0050】
ステップK:1−[trans−4−[[1−(ベンゼンスルホニル)−5−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]アミノ]シクロヘキシル]−N−メチル−メタンスルホンアミド(254mg)を、THF(20ml)に溶解した。この溶液を、H−cube(登録商標)フロー反応器(フルH
2モード、温度=室温、流速=1ml/分)を用いてラネーニッケル触媒上で6時間水素添加した。THFを、真空中で除去した。残留物を、EtOAcに溶解し、硫酸マグネシウムで乾燥させ真空中で濃縮して1−[trans−4−[[5−アミノ−1−(ベンゼンスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]アミノ]シクロヘキシル]−N−メチル−メタンスルホンアミドを黄色樹脂として与えた(222mg)。得られた粗製生成物を、さらなる精製をせずに用いた。
【0051】
ステップL:トルエン(6ml)中の1−[trans−4−[[5−アミノ−1−(ベンゼンスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]アミノ]シクロヘキシル]−N−メチル−メタンスルホンアミド(95mg)、オルトギ酸トリエチル(80μl)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(4mg)の混合物を、一晩還流した。EtOAcで希釈後、反応混合物を、NaHCO
3の飽和水溶液でクエンチした。有機相を、分離してNaHCO
3の飽和水溶液およびNaClの飽和水溶液でもう一回抽出し、MgSO
4で乾燥させて真空中で濃縮した。粗製生成物を、セミ分取HPLC上で精製して1−[trans−4−(6−(フェニルスルホニル)−イミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−1(6H)−イル)シクロヘキシル]−N−メチルメタンスルホンアミドを無色樹脂として与えた(50mg)。
【0052】
ステップM:イソプロパノール/水1:1(1ml)中の1−[trans−4−(6−(フェニルスルホニル)−イミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−1(6H)−イル)シクロヘキシル]−N−メチルメタンスルホンアミド(68mg)および水酸化リチウム(14mg)の混合物を、40℃で一晩撹拌した。20時間後、反応混合物を、50℃に加熱して50℃で1日撹拌した。追加の水酸化リチウム(14mg)を加えた。反応混合物を、60℃に加熱して60℃で1日撹拌した。HClの水溶液37%(120μl)を、pH=5に達するまで加え次いでNaHCO
3の飽和水溶液(100μl)を、pH=8に達するまで加えた。イソプロパノールを蒸発させた。EtOAc/THF(2〜3ml)を、残留物に加えて得られる懸濁液を、室温で撹拌した。炭酸カリウムの水溶液(2M、2〜3ml)を、pH=12に達するまで加えた。懸濁液を、室温でさらに撹拌して沈殿物をろ過し、水ですすいで真空下で乾燥し1−[trans−4−(イミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−1(6H)−イル)シクロヘキシル]−N−メチルメタンスルホンアミドを与えた(13mg、表1の化合物22)。MS(HPLC/MS):348(MH
+)。保持時間:1.70分
【0053】
実施例2
本実施例は、N−メチル−1−[trans−4−[(5−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル]メタンスルホンアミドの調製を例示する(表1の化合物25)
【0054】
ステップA:trans−4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸エチル(10g)、ジイソプロピルアミン(21ml)、臭化ベンジル(10ml)およびヨウ化ナトリウム(0.9g)を、一緒に混合して封管内で120℃で一晩加熱した。EtOAcで希釈後、反応混合物を、水でクエンチした。水性相を、分離してEtOAcで2回抽出した。組み合わせた有機相を、無水MgSO
4で乾燥させて真空中で濃縮した。粗製生成物を、シリカゲルのクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 9:1)によって精製しtrans−4−(ベンジルオキシ)シクロヘキサンカルボン酸エチルを黄色油として与えた(16.0g)。
【0055】
ステップB:trans−4−(ベンジルオキシ)シクロヘキサンカルボン酸エチル(16.0g)を、氷浴中で冷却しながら乾燥THF中に懸濁させた。水素化リチウムアルミニウム(5.2g)を、少量ずつ加えた。追加後に反応混合物を60℃で4時間加熱した。その後反応混合物を、0℃に冷却してEtOAc(30ml)その後水(30ml)を加えた。得られる無機塩を、セライトのパッドを通してろ過した。相を分離した。水性を、EtOAcで抽出した。組み合わせた有機相を、無水MgSO
4で乾燥させ真空中で濃縮してtrans−4−ベンジルオキシシクロヘキシル)メタノールを淡黄色固体として与えた(14.2g)。得られた粗製生成物を、さらなる精製をせずに用いた。
【0056】
ステップC:(trans−4−ベンジルオキシシクロヘキシル)メタノール(14.2g)を、氷浴中で冷却しながら乾燥THF中に懸濁させた。トリフェニルホスフィン(22.32g)を加えた。得られる溶液を、0℃で10分間撹拌し、次いでテトラブロモメタン(28.22g)を少量ずつ加えてスラリーを室温に達しさせた。撹拌の24時間後に白色沈殿物をろ過してTHFその後EtOAcで洗った。ろ液を、減圧下で蒸発させシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 9:1)によって精製してベンジルtrans−4−(ブロモメチル)シクロヘキシルエーテルを黄色固体として与えた(17.0g)。
【0057】
ステップD:ベンジルtrans−4−(ブロモメチル)シクロヘキシルエーテル(8.0g)を、イソプロパノール(100ml)に溶解して水(100ml)中の亜硫酸ナトリウム(7.12g)を加えた。反応混合物を、次いで100℃で一晩加熱しながら勢いよく撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物を濃縮して白色固体を与えた。メタノールを加えて混合物を室温で3時間撹拌し、次いで沈殿物をろ過し、メタノールですすぎ、ろ液を蒸発させて(trans−4−ベンジルオキシシクロヘキシル)メタンスルホン酸を白色固体として与えた(9.5g)。
【0058】
ステップE:(trans−4−ベンジルオキシシクロヘキシル)メタンスルホン酸(1.0g)を、新たに蒸留したクロロホルム(50ml)中に氷浴中で冷却しながら懸濁させた。乾燥DMF(3〜5滴)を加えた。得られる溶液を、0℃で10分間撹拌し、次いで塩化チオニル(0.52ml)を、滴下で加えた。混合物を、この温度で15分間、室温で30分間および45℃で一晩撹拌した。冷却後、溶媒を蒸発させ、乾燥DCMを加え蒸発させて残りの塩化チオニルを除去した。この手順を2回繰り返して塩化(trans−4−ベンジルオキシシクロヘキシル)メタンスルホニルを黄色油として与えた(1.0g)。
【0059】
ステップF:塩化(trans−4−ベンジルオキシシクロヘキシル)メタンスルホニル(1.0g)を、乾燥DCM(50ml)中に氷浴中で冷却しながら懸濁させ、メチルアミン(THF中2M、5.0ml)を滴下で加えた。続いて、反応混合物を、室温に達しさせてこの温度で一晩撹拌した。その後、溶媒を蒸発させシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 9:1)によって精製して1−(trans−4−ベンジルオキシシクロヘキシル)−N−メチル−メタンスルホンアミドを淡黄色固体として与えた(0.56g)。
【0060】
ステップG:1−(trans−4−ベンジルオキシシクロヘキシル)−N−メチル−メタンスルホンアミド(3.7g)を、メタノール中に懸濁させて、Pd(OH)
2(1.75g)を加えた。続いて、反応をパール装置(Parr apparatus)内で12時間継続した。次いで、触媒を、セライトのパッドを通してろ過した。ろ液を蒸発させ、Et
2Oで洗い真空下で乾燥させて1−(trans−4−ヒドロキシシクロヘキシル)−N−メチル−メタンスルホンアミドを白色固体として与えた(2.44g)。
【0061】
ステップH:水素化ナトリウム(鉱油中60%、0.09g)を、窒素下でDMF(19ml)中の1−(trans−4−ヒドロキシシクロヘキシル)−N−メチル−メタンスルホンアミド(0.40g)の溶液に加えた。室温で30分後、塩化2−(トリメチルシリル)エトキシメチルを、15分間かけて反応混合物に加えた。室温で18時間後、反応混合物を、EtOAcで希釈しリン酸ナトリウムの水溶液(1M)でクエンチした。水性相を、分離してEtOAcで2回抽出した。組み合わせた有機相を、水で洗って塩水で2回洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ真空中で濃縮して1−(trans−4−ヒドロキシシクロヘキシル)−N−メチル−N−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)メタンスルホンアミドを黄色油として与えた(0.66g)。得られた粗製生成物を、さらなる精製をせずに用いた。
【0062】
ステップI:水素化ナトリウム(鉱油中60%、0.07g)を、窒素下でDMF(10ml)中の1−(trans−4−ヒドロキシシクロヘキシル)−N−メチル−N−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)メタンスルホンアミド(0.49g)の溶液に加えた。室温で30分後、DMF(5ml)中の1−(ベンゼンスルホニル)−4−クロロ−5−ニトロ−ピロロ[2,3−b]ピリジン(実施例1、ステップI、0.49g)を、15分間かけて反応混合物に加えた。室温で3日後、EtOAcを加えて反応混合物を水に注いだ。水性相を、分離してEtOAcで抽出した。組み合わせた有機相を、水で2回、水酸化ナトリウム水溶液(2N)で2回および塩水で2回洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥させて真空中で濃縮した。粗製生成物を、セミ分取HPLC上で精製してN−メチル−1−[trans−4−[(5−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル]−N−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)メタンスルホンアミドを黄色固体として与えた(0.12g)。
【0063】
ステップJ:AcOH(10ml)および水(5ml)中のN−メチル−1−[trans−4−[(5−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル]−N−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)メタンスルホンアミド(120mg)の溶液を、窒素下で70℃で1時間撹拌した。反応混合物を、室温に冷却して水に注いだ。NaOHの水溶液(4N)を、pH=7〜8に達するまで加えた。水性相を、EtOAcで2回抽出した。組み合わせた有機相を、水、水酸化ナトリウム水溶液(2N)で2回および塩水で洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥させて真空中で濃縮した。残留物をDCM/EtOAc(9:1)から再結晶させてN−メチル−1−[trans−4−[(5−ニトロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)オキシ]シクロヘキシル]メタンスルホンアミドを与えた(50mg、表1の化合物25)。MS(HPLC/MS):369(MH
+)。保持時間:(1.12分)
【0064】
実施例3
本実施例は、1−[trans−4−[(5−シアノ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−メチル−アミノ]シクロヘキシル]−N−メチル−メタンスルホンアミドの調製を例示する(表1の化合物26)。
【0065】
ステップA:ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム水素化物溶液(Red−Al(登録商標)、トルエン中65%、183ml)を、0℃でトルエン(250ml)中のtrans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸(24.3g)の溶液に60分かけて加えた。反応混合物を、次いで130℃に加熱してこの温度で1時間撹拌した。0℃まで冷却後、硫酸ナトリウムの飽和水溶液(195ml)を滴下で加えた。反応混合物を、次いでHyfloろ過器を通してろ過した。ろ過ケークを、DCM(150ml)および水(24ml)ですすいだ。水性相を、分離してDCM(2×150ml)で2回抽出した。組み合わせた有機相を、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ真空中で濃縮して[trans−4−(メチルアミノ)シクロヘキシル]メタノールをと白色結晶として与えた(12.5g)。得られた粗製生成物を、さらなる精製をせずに用いた。
【0066】
ステップB:塩化ベンゾイル(8.8ml)を、水(50ml)中の炭酸水素ナトリウム(12.6g)のエマルションおよびDCM(50ml)中の[trans−4−(メチルアミノ)シクロヘキシル]メタノール(10.9g)に0℃で滴下で加えた。続いて、反応混合物を、室温に達しさせてこの温度で3時間撹拌した。反応混合物を、水(150ml)およびDCM(200ml)で希釈した。有機相を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ真空中で濃縮してN−[trans−4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]−N−メチルベンズアミドをベージュ色結晶として与えた(17.2g)。得られた粗製生成物を、さらなる精製をせずに用いた。
【0067】
ステップC:トリエチルアミン(11ml)、DMAP(0.43g)および塩化p−トルエンスルホニル(13.2g)を、DCM(250ml)中のN−[trans−4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]−N−メチルベンズアミド(17.0g)の溶液に加えた。室温で3時間後、反応混合物を水(150ml)でクエンチした。有機相を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させて真空中で濃縮した。粗製生成物を、シリカゲルのクロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン1:1)によって精製し4−メチルベンゼンスルホン酸[trans−4−[ベンゾイル(メチル)アミノ]シクロヘキシル]メチルを白色結晶として与えた(19.5g)。
【0068】
ステップD:チオ酢酸カリウム(6.3g)を、室温でDMSO(66ml)中の4−メチルベンゼンスルホン酸[trans−4−[ベンゾイル(メチル)アミノ]シクロヘキシル]メチルの懸濁液(19.5g)に加えた。反応混合物を、55℃に加熱して55℃で3時間撹拌した。室温で冷却後、反応混合物を、EtOAc(200ml)で希釈してNaHCO
3(0.1M、300ml)の水溶液でクエンチした。水性相を、分離してEtOAc(2×200ml)で2回抽出した。組み合わせた有機相を、水および塩水で洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥させて真空中で濃縮した。残留物(17g、淡黄色結晶)を、ギ酸(73ml)に溶解して反応混合物を、25〜35℃に加熱した。過酸化水素溶液(水中30%、25ml)を、この温度で60分かけて加えた。続いて、反応混合物を、室温で冷却して室温で15分間撹拌した。0℃で冷却後、反応混合物を、メタ重亜硫酸ナトリウムの水溶液(33%、27ml)でクエンチした。NaOHの水溶液(33%、121ml)を、次いで0℃でpH=5に達するまで加えて反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を、真空中で濃縮した。得られた残留物を、水(160ml)および2−プロパノール(40ml)へ取り込んで45℃で撹拌した。続いて、2−プロパノールを蒸発させてHClの水溶液(2M、10ml)を加えた。懸濁液を、0℃で撹拌してろ過した。沈殿物を、真空下でSicapent(登録商標)で乾燥させて[trans−4−[ベンゾイル(メチル)アミノ]シクロヘキシル]メタンスルホン酸をさらなる精製をせずに次のステップにおいて用いられる白色固体として与えた(31.0g)。
【0069】
ステップE:[trans−4−[ベンゾイル(メチル)アミノ]シクロヘキシル]メタンスルホン酸(10.1g)を、数滴のDMFの追加と共にDCM(40ml)中に懸濁させた。反応混合物を、0℃で冷却して塩化チオニル(4.7ml)を滴下で10分かけて加えた。反応混合物を、次いで6時間還流させた。0℃で冷却後、追加の塩化チオニル(4.7ml)を、滴下で10分かけて加えた。反応混合物を、次いで一晩還流させた。その後、混合物を、室温に冷却して真空中でほとんど乾燥するまで濃縮した。いかなる未反応の塩化チオニルも確実に除去するために乾燥トルエンを残留物に加えて減圧下で除去した。残留物を、THF(40ml)に取り込んでメチルアミン(THF中2M、47ml)を加えた。反応混合物を、室温で一晩撹拌した。得られる懸濁液を、ろ過してTHFですすいだ。ろ液を蒸発させて淡褐色樹脂を与えた(2.6g)。沈殿物を、数滴のDMFの追加と共にDCM(20ml)中に懸濁させた。塩化チオニル(2.4ml)を、10分かけて滴下で加えた。反応混合物を、次いで一晩還流させた。還流下で16時間後、追加の塩化チオニル(2.4ml)を、滴下で10分かけて加えた。反応混合物を、次いで一晩還流させた。その後、混合物を、室温に冷却して真空中でほとんど乾燥するまで濃縮した。いかなる未反応の塩化チオニルも確実に除去するために乾燥トルエンを残留物に加えて減圧下で除去した。残留物を、THF(20ml)に取り込んでメチルアミン(THF中2M、24ml)を加えた。反応混合物を、室温で4時間撹拌し、次いでろ過してTHFですすいだ。ろ液を蒸発させて淡褐色樹脂を与えた(2.0g)。組み合わせた淡褐色樹脂(4.6g)を、シリカゲルのクロマトグラフィー(MeOH/DCM 1:49から1:19)によって精製しN−メチル−N−[trans−4−(メチルスルファモイルメチル)シクロヘキシル]ベンズアミドをベージュ色結晶として与えた(2.18g)。
【0070】
ステップF:N−メチル−N−[trans−4−(メチルスルファモイルメチル)シクロヘキシル]ベンズアミド(875mg)を、HClの水溶液(6M、10ml)に取り込んで反応混合物を、2日間還流させた。室温で冷却後、得られる懸濁液をろ過した。ろ液を、真空中で濃縮してN−メチル−1−[trans−4−(メチルアミノ)シクロヘキシル]メタンスルホンアミド塩酸塩をベージュ色結晶として与えた(710mg)。得られた粗製生成物を、さらなる精製をせずに用いた。
【0071】
ステップG:N−メチル−1−[trans−4−(メチルアミノ)シクロヘキシル]メタンスルホンアミド塩酸塩(129mg)、4−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−カルボニトリル(89mg)および炭酸カリウム(225mg)を、水/ジオキサン1:9(4.5ml)中に懸濁させた。得られる懸濁液を、マイクロ波加熱炉内で160℃に8時間加熱した。反応混合物を、真空中で濃縮した。残留物を、THF(10ml)に取り込んで、水/NaClの飽和水溶液1:1の混合物(20ml)を加えた。混合物を、室温で撹拌した。水性相を、分離してTHF(2×10ml)で2回抽出した。組み合わせた有機相を、塩水で洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥させて真空中で濃縮した。残留物を、アセトニトリル中に懸濁させ、室温で撹拌し、ろ過してアセトニトリルですすいだ。ろ液を、真空中で濃縮しセミ分取HPLCで精製して1−[trans−4−[(5−シアノ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−メチル−アミノ]シクロヘキシル]−N−メチル−メタンスルホンアミドを与えた(22mg、表1の化合物26)。MS(HPLC/MS):362(MH
+)。保持時間:(2.19分)
【0072】
実施例4
本実施例は、N−メチル−1−[trans−4−[メチル(9H−プリン−6−イル)アミノ]シクロヘキシル]メタンスルホンアミドの調製を例示する(表1の化合物2)。
【0073】
ステップA:N−メチル−1−[trans−4−(メチルアミノ)シクロヘキシル]メタンスルホンアミド塩酸塩(実施例3、ステップF、140mg)、6−クロロプリン(59mg)およびトリエチルアミン(0.26ml)を、n−ブタノール(4ml)に溶解した。反応混合物を、140℃に加熱し、140℃で一晩撹拌してマイクロ波加熱炉内で150℃に1時間加熱した。反応混合物を、真空中で濃縮した。残留物を、THF(3ml)に取り込んで水/NaClの飽和水溶液1:1の混合物(4ml)を加えた。混合物を、室温で撹拌した。水性相を、分離してTHF(2×3ml)で2回抽出した。組み合わせた有機相を、塩水で洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥させて真空中で濃縮した。残留物を、最初にIsolute(登録商標)NH
2(DCM100%、MeOH/DCM 1:49から1:19)のクロマトグラフィー、次いでセミ分取HPLCおよび最後にIsolute(登録商標)NH
2(MeOH/DCM 1:24)のクロマトグラフィーによって精製してN−メチル−1−[trans−4−[メチル(9H−プリン−6−イル)アミノ]シクロヘキシル]メタンスルホンアミドを与えた(22mg、表1の化合物2)。MS(HPLC/MS):339(MH
+)。保持時間:(1.87分)
【0074】
実施例5
本実施例は、1−[4−[(2−アミノ−5−メチル−ピリミジン−4−イル)−メチル−アミノ]シクロヘキシル]−N−メチル−メタンスルホンアミドの調製を例示する(表1の化合物29)。
【0075】
ステップA:N−メチル−1−[trans−4−(メチルアミノ)シクロヘキシル]メタンスルホンアミド塩酸塩(実施例3、ステップF、129mg)、4−クロロ−5−メチル−ピリミジン−2−アミン(72mg)、Cs
2CO
3(390mg)、Pd(OAc)
2(11mg)およびRuPhos(47mg)を、シュレンク管中のtert−ブタノール(1ml)に溶解した。反応混合物を、85℃に加熱し、85℃で一晩撹拌した。反応混合物を、THF(10ml)に取り込んでセライト上でろ過した。ろ液を、真空中で濃縮した。残留物を、セミ分取HPLC上で精製し1−[4−[(2−アミノ−5−メチル−ピリミジン−4−イル)−メチル−アミノ]シクロヘキシル]−N−メチル−メタンスルホンアミドを与えた(表1の化合物29)。MS(HPLC/MS):328(MH
+)。保持時間:(1.82分)
【0076】
実施例6
本実施例は、1−[trans−4−((2−メトキシメチル)イミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−1(6H)−イル)シクロヘキシル]−N−メチルメタンスルホンアミドの調製を例示する(表1の化合物35)。
【0077】
ステップA:
塩化メチレン(5ml)中の1−[trans−4−[[5−アミノ−1−(ベンゼンスルホニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル]アミノ]シクロヘキシル]−N−メチル−メタンスルホンアミド(実施例1、ステップK)(212mg)、塩化メトキシアセチル(40μl)およびトリエチルアミン(70μl)の混合物を、室温で1時間撹拌した。反応混合物を、真空中で濃縮する。粗製物を、酢酸(2ml)に取り込んでマイクロ波加熱炉内で100℃で3時間加熱する。EtOAcで希釈後、反応混合物を、NaHCO
3の飽和水溶液でクエンチした。有機相を、分離してNaHCO
3の飽和水溶液およびNaClの飽和水溶液でもう一回抽出し、MgSO
4で乾燥させて真空中で濃縮した。粗製生成物を、セミ分取HPLC上で精製して1−[trans−4−((2−メトキシメチル)−6−(フェニルスルホニル)−イミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−1(6H)−イル)シクロヘキシル]−N−メチルメタンスルホンアミドを無色樹脂として与えた。
【0078】
ステップB:
1−[trans−4−((2−メトキシメチル)−6−(フェニルスルホニル)−イミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−1(6H)−イル)シクロヘキシル]−N−メチルメタンスルホンアミドを、実施例1、ステップIに記載のように同様の手順を用いて脱保護し、1−[trans−4−((2−メトキシメチル)イミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−1(6H)−イル)シクロヘキシル]−N−メチルメタンスルホンアミドを与える(26mg、表1の化合物35)。MS(HPLC/MS):392(MH
+)。保持時間:(1.89分)
【0079】
精製した試料の分析は、いずれの場合にも独国、レオンバーグ、Bischoffの逆相カラム(Daisogel SP−120−ODS−AP 5μm、150×3mm)を備えたWaters Autopurification(HPLC/MS)システムを用いて行う。試料は、m/zおよび保持時間によって特性を決定する。上記で示した保持時間は、いずれの場合にも2種の異なる溶媒、溶媒A:H
2O+0.01% HCOOH、および溶媒B:CH
3CN+0.01% HCOOH)を含む溶媒系の使用に関連する。前記2種の溶媒AおよびBは、表に示した通りの時間依存性勾配で2.00ml/分の流速で用いる。
【0080】
方法A:独国、レオンバーグ、BischoffのDaisogel SP−120−ODS−AP 5μm、150×3mm)カラム、表1に示した通りの時間依存性勾配で2.00ml/分の流速:
【表1】
【0081】
方法B:Waters XTerra MS C18 5μm、50×4.6mm(Waters)カラム、表2に示した通りの時間依存性勾配で3.00ml/分の流速:
【表2】
【0082】
下記の表3において指定した物質を、上記の方法に類似して調製する。下記の物理データは、上記のHPLC/MS特性評価プロセスに従って得られる。
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【表3-4】
【表3-5】
【0083】
JAK酵素への効果の測定
JAK/TYK−キナーゼファミリーの4種のキナーゼ全てを、活性キナーゼドメインを含有する、精製した組み換えGST−融合タンパク質として用いた。GST−JAK1(866−1154)、GST−JAK3(811−1124)、およびGST−TYK2(888−1187)を、発現させてEPK生物学単位でアフィニティークロマトグラフィーによって精製した。
【0084】
キナーゼアッセイは、LabChip 3000システムを用いるCaliper移動度シフトアッセイに基づいた。この技術は、キャピラリー電気泳動法に類似しており微小流体チップ内の基質および生成物の電荷駆動分離を使用する。
【0085】
全てのキナーゼ反応を、18μIの総反応体積で384ウェルマイクロタイタープレート内で実行した。アッセイプレートを、「化合物希釈物の調製」の節で述べた通りに、適切な試験濃度で1ウェル当り0.1μIの試験化合物で調製した。反応を、9μIの基質混合物(ペプチドおよびATPからなる)を9μIのキナーゼ希釈物と組み合わせることによって開始した。反応を、30℃で60分間インキュベートして70μIの停止緩衝液(100mM Hepes、5% DMSO、0.1%コーティング試薬、10mM EDTA、0.015% Brij 35)を加えることによって停止した。
【0086】
蛍光標識した合成ペプチドを、全ての反応において基質として用いた。IRS−1(IRS−1ペプチド、FITC−Ahx−KKSRGDYMTMQIG−NH2)の配列由来のペプチドは、JAK1およびTYK2用にかつJAK3tideと名前の付いたペプチド(FITC−GGEEEEYFELVKKKK−NH2)を、JAK3用に使用した。特有のアッセイ条件を表4に記載する。
【表4】
【0087】
終了した反応を、Caliper LabChip 3000読取り装置に移してそれぞれの反応のターンオーバーを、基質/生成物比率を決定することによって測定した。
【0088】
化合物希釈物の調製
試験化合物を、DMSO(10mM)に溶解し個別の化合物ハブによって独自の2Dマトリクスチップを保持する1.4mLの平底またはV字型のマトリクス管内に移した。これらのチップの数は、他と区別して個々の化合物識別番号に関連した。原液は、直ちに使用しない場合は−20℃で保管した。試験手順のためにバイアルを解凍してスキャナーによって特定しそれによって後続の作業ステップを案内する作業シートを生成した。化合物希釈物を、96ウェルプレートにおいて作成した。この形式は、4種の参照化合物を含めた8濃度(単一点)での最大40種の個別試験化合物のアッセイを可能にした。希釈プロトコルには、前希釈プレート、マスタープレートおよびアッセイプレートの生成が含まれた。
【0089】
前希釈プレート:96ポリプロピレンウェルプレートを、前希釈プレートとして用いた。プレート位置A1〜A10上にそれぞれ10種の試験化合物、A11に1種の標準化合物およびA12に1種のDMSO対照を含めた合計4つの前希釈プレートを調製した。全ての希釈ステップを、HamiltonSTARロボット上で行った。
【0090】
マスタープレート:4つの「前希釈プレート」の標準化合物および対照を含めた100μIの個別化合物希釈物を、それぞれDMSOの90%中の次の濃度、1’820、564、182、54.6、18.2、5.46、1.82および0.546μMを含む384「マスタープレート」に移した。
【0091】
アッセイプレート:全く同じアッセイプレートを、次いでマスタープレートの100nLの化合物希釈物を384−ウェル「アッセイプレート」にピペット操作することにより調製した。以下では化合物を、9μIのアッセイ成分に加えてそれぞれ10、3.0、1.0、0.3、0.1、0.03、0.01および0.003μMの最終濃度を可能にする1:181希釈ステップに対応する9μIの酵素と混合した。マスタープレートの調製は、PlateMate Plusロボットによっておよびアッセイプレートの複製は、HummingBirdロボットによって処理した。
【0092】
本調査に基づいて、本発明の化合物は、特にタンパク質キナーゼに依存する障害、特にJAK/TYKキナーゼ活性が介在する増殖性疾患に対する治療有効性を示す。
【表5】