【課題を解決するための手段】
【0010】
その目的のため、本発明は、目的地に到着すべき車両の運転遅延を低減するための方法であって、車両が、異なる時刻で車両の速度及び位置を定義する走行プロファイルに従うように運転手によって運転される、方法において、
− 現在のタイミングを決定するステップと、
− 車両の名目加速度を取得するステップであって、名目加速度が、現在のタイミングで走行プロファイルに従うように車両の運転手によって決定される、ステップと、
− ローリングプロファイルを用いて車両の速度誤差を判定するステップと、
− ローリングプロファイルを用いて車両の位置誤差を判定するステップと、
− 目的地に到着するための時間の予測を決定するステップと、
− 速度誤差、位置誤差及び目的地に到着するための予測時間から限界加速度を決定するステップと、
− 名目加速度及び決定された限界加速度の和で車両を加速するステップと
を含むことを特徴とする、方法に関する。
【0011】
本発明はまた、目的地に到着すべき車両の運転遅延を低減するための装置であって、車両が、異なる時刻で車両の速度及び位置を定義する走行プロファイルに従うように運転手によって運転される、装置において、
− 現在のタイミングを決定するための手段と、
− 車両の名目加速度を取得するための手段であって、名目加速度が、現在のタイミングで走行プロファイルに従うように車両の運転手によって決定される、ステップと、
− ローリングプロファイルを用いて車両の速度誤差を判定するための手段と、
− ローリングプロファイルを用いて車両の位置誤差を判定するための手段と、
− 目的地に到着するための時間の予測を決定するための手段と、
− 速度誤差、位置誤差及び目的地に到着するための予測時間から限界加速度を決定するための手段と、
− 名目加速度及び決定された限界加速度の和で車両を加速するための手段と
を含むことを特徴とする、装置に関する。
【0012】
従って、運転手によって決定された名目加速度が、走行プロファイルに従って車両を運転するのに効果的でない場合、有効加速度は、限界加速度を用いて修正される。速度及び位置誤差は補正され得、目的地への到着時には解消することができる。目的地への到着時には、車両は、カテナリ電圧の降下、ペイロード質量の変化、風又は雨の存在などの混乱が存在する状態でさえ、走行プロファイルに従って作動している。
【0013】
更に、本発明によってもたらされる運転支援は、走行プロファイルを厳密に遵守する運転手の責任を軽減する。運転手の注意が安全問題からそらされない。
【0014】
特有の特徴によれば、目的地は、車両の次の停車地である。
【0015】
従って、車両は、駅に時間通りに到着する。遅延は、鉄道網において伝搬されない。
【0016】
特有の特徴によれば、目的地は、自動停止制御システムが車両の停車を管理し始める位置である。
【0017】
従って、自動停止制御システムは、デッキに沿った正確な位置に時間通りに車両を停車させる際に効果的である。
【0018】
特有の特徴によれば、目的地は、車両が速度制限エリアに入る位置である。
【0019】
従って、遅延は、車両が速度制限エリアに入る前に補償される。車両の速度は、速度制限エリアに入った後では速度制限を超過しない。
【0020】
特有の特徴によれば、限界加速度は、目的地に到着するための時間によって割られたパラメータの2倍×速度誤差と、目的地に到着するための時間の二乗によって割られたパラメータの二乗×位置誤差との和の負の値として決定される。
【0021】
従って、車両の位置及び速度の誤差は、変動なしに効果的に低減され、且つ目的地に到着するときに完全に補償される。限界加速度が変動しないため、乗客の不快が最小化される。
【0022】
特有の特徴によれば、パラメータは予め決定され、且つ3.5〜5に含まれる。
【0023】
従って、パラメータが固定されるため、パラメータは、目的地に到着するための時間に対して適合される必要がない。
【0024】
パラメータが2+√2より高い場合、限界加速度はまた、目的地に到着するときにゼロに達する。その結果、追加の加速電力が制限され、乗客にもたらされる不快も低減される。
【0025】
パラメータが5より低い場合、初期限界加速度は制限される。
【0026】
特有の特徴によれば、パラメータは3.7に等しい。
【0027】
従って、パラメータは、限界加速度の点で優れた特性を示す。
【0028】
特有の特徴によれば、名目加速度及び限界加速度の和は最大加速度に制限され、最大加速度は、車両の速度制限レベルと速度との間の差を期間で割ったものとして決定される。
【0029】
従って、少なくとも速度が速度制限を超過し始めるための期間がかかる。典型的には、期間が、提案されたアルゴリズムのリフレッシュ時間より長いため、車両は、速度制限を決して超過することができず、脱線の危険が低減される。
【0030】
特有の特徴によれば、名目加速度及び限界加速度の和は最小加速度に制限され、最小加速度は、車両の測定値を期間で割ったものの負の値として決定される。
【0031】
従って、少なくとも速度がその符号を変更するための期間がかかる。典型的には、期間が、提案されたアルゴリズムのリフレッシュ時間より長いため、車両は、その速度の符号を決して変更することができず、後続列車との衝突の危険が低減される。
【0032】
特有の特徴によれば、方法は、
− 限界加速度が、車両の運転手によってイネーブルにされるかどうかをチェックするステップと、
− 限界加速度が、車両の運転手によってイネーブルにされる場合に、限界加速度を名目加速度に追加するステップと、
− 限界加速度が、車両の運転手によってイネーブルにされていない場合に、走行プロファイルに従うために車両の運転手によって定義された車両の加速度に限界加速度を追加しないステップと
を更に含む。
【0033】
従って、運転手は、混乱が存在する状態において、遅延の回復のために支援される。運転手はまた、いつでも、例えば緊急の場合に支援をディスエーブルにするように決定できるため、車両の完全な制御を維持する。
【0034】
更に別の態様によれば、本発明は、プログラム可能な装置に直接ロード可能であり得るコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムがプログラム可能な装置上で実行される場合に、本発明に従って方法のステップを実行するための命令、又はコードの一部を含むコンピュータプログラムに関する。
【0035】
コンピュータプログラムに関連する特徴及び利点が、本発明による方法及び装置に関連して上記で提示した特徴及び利点と同じであるため、それらは、ここでは繰り返されない。
【0036】
本発明の特徴は、例示的な実施形態の以下の説明を読めばより明白になるであろう。前記説明は、添付の図面に関連して作成されている。