特許第6239152号(P6239152)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングの特許一覧

<>
  • 特許6239152-車両を運転するための装置及び方法 図000002
  • 特許6239152-車両を運転するための装置及び方法 図000003
  • 特許6239152-車両を運転するための装置及び方法 図000004
  • 特許6239152-車両を運転するための装置及び方法 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6239152
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】車両を運転するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B60T 17/18 20060101AFI20171120BHJP
   B60T 8/92 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   B60T17/18
   B60T8/92
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-566750(P2016-566750)
(86)(22)【出願日】2015年3月31日
(65)【公表番号】特表2017-514751(P2017-514751A)
(43)【公表日】2017年6月8日
(86)【国際出願番号】EP2015056958
(87)【国際公開番号】WO2015169510
(87)【国際公開日】20151112
【審査請求日】2016年11月4日
(31)【優先権主張番号】102014208391.5
(32)【優先日】2014年5月6日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ペーター ザウター
【審査官】 山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−252126(JP,A)
【文献】 特開昭56−116542(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102004008935(DE,A1)
【文献】 特開昭59−213551(JP,A)
【文献】 特開昭50−121685(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 17/18
B60T 8/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を運転するための装置(101,401)において、
前記車両のホイールの回転数を検出する回転数検出器(407)を、一次ブレーキ制御システムの一次制御部(303,409)の一次エネルギ供給源(305)から切り離し且つ二次エネルギ供給源(423)に結合させるように構成されている結合装置(103,405)と、
前記結合装置(103,405)を、前記一次制御部(303,409)のエラー信号に依存して制御するように構成されている制御装置(105,403)であって、それにより、前記一次制御部(303,409)におけるエラー発生時に、前記回転数検出器(407)が前記一次エネルギ供給源(305)から切り離され且つ前記二次エネルギ供給源(423)に結合される、制御装置(105,403)と、
を備えていることを特徴とする装置(101,401)。
【請求項2】
前記回転数検出器(407)から供給される回転数検出器信号を増幅し、且つ、増幅された前記回転数検出器信号を二次ブレーキシステムの二次制御部(465)に送信する増幅器装置(415)を備えており、前記結合装置(103,405)は、前記制御装置(105,403)を用いた制御に応じて、前記増幅器装置(415)を、前記二次エネルギ供給源(423)に結合させるように構成されている、請求項1に記載の装置(101,401)。
【請求項3】
前記増幅器装置(415)は、前記増幅された回転数検出器信号を、前記エラー信号に依存することなく前記二次制御部(465)に送信するように構成されている、請求項2に記載の装置(101,401)。
【請求項4】
前記二次制御部(465)は、前記増幅された回転数検出器信号と車速信号との比較を用いて前記増幅された回転数検出器信号を監視するように構成されている、請求項2又は3に記載の装置(101,401)。
【請求項5】
前記制御装置(105,403)は、前記結合装置(103,405)を、自動化された走行モードを通知する自動運転信号に依存して制御するように構成されており、それによって、前記回転数検出器(407)は、前記一次制御部(303,409)におけるエラー発生時に、付加的に、前記自動化された走行モードにある場合にだけ、前記一次エネルギ供給源(305)から切り離され、前記二次エネルギ供給源(423)に結合される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の装置(101,401)。
【請求項6】
前記制御装置(105,403)は、前記結合装置(103,405)を、前記回転数検出器(407)が前記二次エネルギ供給源(423)結合された後の経過時間に依存して制御するように構成されており、それによって、前記回転数検出器(407)は、前記二次エネルギ供給源(423)から切り離される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の装置(101,401)。
【請求項7】
車両を運転するための方法であって、
前記車両のホイールの回転数を検出する回転数検出器(407)を、一次ブレーキ制御システムの一次制御部(303,409)におけるエラー発生時に、前記一次制御部(303,409)の一次エネルギ供給源(305)から切り離し且つ二次エネルギ供給源(423)に結合させる、ことを特徴とする方法。
【請求項8】
前記回転数検出器(407)から供給される回転数検出器信号を増幅器装置(415)が増幅し、前記増幅された回転数検出器信号を、二次ブレーキシステムの二次制御部(465)に送信し、前記一次制御部(303,409)におけるエラー発生時に、前記増幅器装置(415)を、前記二次エネルギ供給源(423)に結合させる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
車両を運転するためのシステム(301)であって、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の装置(101,401)と、一次エネルギ供給源(305)を備えた一次ブレーキ制御システムのための一次制御部(303,409)とを含むことを特徴とするシステム(301)。
【請求項10】
コンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに、請求項7又は8に記載の方法を実行するためのプログラムコードが含まれていることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を運転するための装置に関する。さらに本発明は、車両を運転するための方法に関する。さらに本発明は、車両を運転するためのシステム、及び、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術
車両の自動化された走行の際には、通常は一次ブレーキ制御システムが故障した場合に、例えばESP(電子制御式安定化プログラム)、フォールバックレベル、例えば二次ブレーキシステムが、車両の減速を引き継がなければならない。その際には、その車両の減速時における車両のタイヤがホイールロックを起こさないことが望まれる。即ち、このことは、特にその車両の減速がアンチロック機能を備えていることが望ましいことを意味する。そのためには、複数のホイール速度情報、例えば少なくとも二つのホイール速度情報が利用可能である必要がある。一次ブレーキ制御システムに依存しないものであるようにするために、一次ブレーキ制御システム用の回転数検出器に加えて、さらに二つのさらなる回転数検出器を使用することが公知である。このことは、増加する材料コスト及び取り付けコストを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
発明の開示
本発明の基礎となる課題は、既知の欠点を克服する、車両を運転するための装置を提供することにある。
【0004】
本発明の基礎となる課題は、車両を運転するための、対応する方法を提供することにも見出すことができる。
【0005】
本発明の基礎となる課題は、さらに、車両を運転するための、対応するシステムを提供することにも見出すことができる。
【0006】
本発明の基礎となる課題は、対応するコンピュータプログラムを提供することにも見出すことができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、独立請求項のそれぞれの態様を用いて解決される。本発明の好ましい実施形態は、各従属請求項の態様である。
【0008】
一態様によれば、車両を運転するための装置であって、
回転数検出器を、一次ブレーキ制御システムの一次制御部の一次エネルギ供給源から切り離し且つ二次エネルギ供給源に結合させるように構成されている結合装置と、
前記結合装置を、前記一次制御部のエラー信号に依存して制御するように構成されている制御装置であって、それにより、前記一次制御部におけるエラー発生時に、前記回転数検出器が前記一次エネルギ供給源から切り離され且つ前記二次エネルギ供給源に結合され得る、制御装置と、
を備えている装置が提供される。
【0009】
さらに一態様によれば、車両を運転するための方法であって、回転数検出器を、一次ブレーキ制御システムの一次制御部におけるエラー発生時に、一次制御部の一次エネルギ供給源から切り離し且つ二次エネルギ供給源に結合させる方法が提供される。
【0010】
さらに一態様によれば、車両を運転するためのシステムであって、本発明に係る装置、及び、一次エネルギ供給源を備えた一次ブレーキ制御システムのための一次制御部を含むシステムが提供される。
【0011】
さらに一態様によれば、コンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに,本発明に係る方法を実行するためのプログラムコードが含まれているコンピュータプログラムが提供される。
【0012】
即ち、本発明は、特に、一次制御部において、エラー信号によって通知されるエラーが発生した時に、回転数検出器を一次制御部から、特に一次制御部の一次エネルギ供給源から切り離し且つ二次エネルギ供給源に結合させるという考察を含んでいる。即ち、これは特に、エラー発生時に、回転数検出器のエネルギ供給がもはや一次制御部の一次エネルギ供給源によって行われるのではなく、二次エネルギ供給源を用いて行われることを意味する。即ち、回転数検出器のエネルギ供給は、エラー発生時には一次制御部に依存することなく行われる。これにより、有利な方法で回転数検出器を、一次制御部のエラー発生時においても動作させることが可能になる。これは特に、回転数検出器がこのようなエネルギ供給の非依存性に基づいて、エラー発生時にも、車輪の回転数を測定又は検出し、対応する回転数検出器信号が使用可能又は供給可能であることを意味する。この回転数検出器信号に基づけば、例えば二次ブレーキシステムの二次制御部が、車両の減速を制御可能である。この二次制御部は、一つの車輪又は複数の車輪の回転数を得られるので、二次制御部は、例えば有利な方法で、車輪がホイールロックしているどうか又はほぼホイールロック状態にあるかどうかを識別することができる。即ち、相応に二次制御部は、回転数検出器信号に基づいて二次ブレーキシステムを次のように制御することが可能である。即ち、車両減速時に二次ブレーキシステムを用いて、一つ以上の車輪のホイールロックが阻止又は少なくとも低減されるように制御可能である。
【0013】
このことのために、好ましい方法によれば、通常運転において通常は一次ブレーキ制御システムのために設けられている既存の回転数検出器が継続利用され得る。ここでは必ずしもさらに付加的な回転数検出器が取り付けられる必要はない。一次ブレーキ制御システムの枠内で既に存在する回転数検出器は、エラー発生時においても継続利用又は継続動作させることが可能である。これは、有利な方法によって、材料コストや取り付け時間を節約させる。これは特に、回転数検出器信号に基づいて求めることができるホイール速度が、付加的な回転数検出器を必要とさせることなく、外的フォールバックレベル(又はフォールバックシステム)のために、ここでは特に二次ブレーキシステムの二次制御部のために、得られることを意味する。
【0014】
一実施形態によれば、複数の回転数検出器を設けてもよい。これらの回転数検出器は、特に、同等であってもよいし、又は好ましくは、異なるように構成されていてもよい。本発明の趣旨による回転数検出器は、特に、車両のホイールの回転数を測定又は検出し、回転数に対応した回転数検出器信号を供給するように構成されている。単一の回転数検出器に関連する実施形態は、複数の回転数検出器に関連する実施形態に対しても同様に当て嵌まり、その逆も有効である。回転数検出器は、回転数センサとも称され得る。
【0015】
一実施形態によれば、回転数検出器信号を増幅し、且つ、増幅された回転数検出器信号を二次ブレーキシステムの二次制御部に送信する増幅器装置が設けられており、結合装置は、制御装置を用いた制御に応じて、前記増幅器装置を、二次エネルギ供給源に結合させるように構成されている。
【0016】
一実施形態によれば、増幅器装置は、回転数検出器信号を増幅し、増幅された回転数検出器信号を、二次ブレーキシステムの二次制御部に送信し、エラー時(又はエラー発生時)に増幅器装置は、二次エネルギ供給源に結合される。
【0017】
これは特に、エラー発生時においても増幅器装置が継続動作可能であることを意味する。というのも、この増幅器装置も、エラー発生時には二次エネルギ供給源に結合されるからである。例えば増幅器装置は、回転数検出器に類似させて一次エネルギ供給源に結合させてもよい。エラー発生時には、増幅器装置は、一次エネルギ供給源から好ましくは切り離され、二次エネルギ供給源に結合される。それにより、有利な方法で、二次制御部は、エラー発止時においても、増幅された回転数検出器信号を得ることができる。
【0018】
本明細書に照らして「結合」との記載があるときには、その記載により総てのケース、即ち、二次エネルギ供給源への回転数検出器の結合、二次エネルギ供給源への増幅器装置の結合、二次エネルギ供給源への増幅器装置のみならず、回転数検出器の結合がカバーされるべきである。これはまた、二次エネルギ供給源のみならず、一次エネルギ供給源からの「切り離し」に対しても同様に当て嵌まる。
【0019】
一実施形態によれば、増幅器装置は、回転数検出器信号の信号エッジでトリガし、このトリガに応じて、所定のレベルの信号、特に12Vの信号を、二次制御部に送信するように構成されていてもよい。
【0020】
一実施形態において、増幅器装置は、回転数検出器信号の信号エッジでトリガし、このトリガに応じて、所定のレベルの信号、特に12Vの信号を、二次制御部に送信する。
【0021】
さらなる実施形態によれば、増幅器装置は、回転数検出器信号の信号レベルでトリガし、このトリガに応じて、所定の信号レベルの信号、特に12Vの信号を、二次制御部に送信するように構成されていてもよい。
【0022】
一実施形態において、増幅器装置は、回転数検出器信号の信号レベルでトリガし、このトリガに応じて、所定の信号レベルの信号、特に12Vの信号を、二次制御部に送信する。
【0023】
一実施形態によれば、増幅器装置は、増幅された回転数検出器信号を、エラー信号に依存することなく、二次制御部に送信するように構成されていてもよい。
【0024】
さらなる実施形態によれば、増幅器装置は、増幅された回転数検出器信号を、エラー信号に依存することなく、二次制御部に送信してもよい。
【0025】
これは特に、一次制御部の正常な場合又は通常動作の場合(即ち、エラー信号が存在しない場合)であっても、増幅器装置は、増幅された回転数検出器信号を二次制御部に送信することを意味する。これは特に、二次制御部は、一次制御部が正常に機能している場合、即ち、エラー信号が存在しない場合であっても、増幅された回転数検出器信号を受信することを意味する。これは特に、たとえ増幅器装置及び/又は回転数検出器が一次制御部の一次エネルギ供給源に結合されている場合であっても、増幅器装置は、回転数検出器信号を増幅して二次制御部に送信することを意味する。これにより、有利な方法で二次制御は、回転数を、一次制御部に依存することなく監視可能である。この監視は、特に増幅された回転数検出器信号と車速信号との比較を用いて実施することが可能である。
【0026】
一実施形態によれば、増幅された回転数検出器信号と車速信号との比較を用いて、増幅された回転数検出器信号を監視するように構成された二次制御部が設けられていてもよい。
【0027】
一実施形態によれば、二次制御部は、増幅された回転数検出器信号を、増幅された回転数検出器信号と車速信号との比較を用いて監視するようにしてもよい。
【0028】
即ち、一方では、それに基づいて一つの車速(第1の値)が算出できる回転数検出器信号が使用される。さらに、それには依存することなく、ある車速(第2の値)に対応する車速信号が使用される。これらの二つの値(即ち、特に対応している信号)を比較することによって、有利な方法によって偏差を識別することができる。
【0029】
さらなる実施形態によれば、制御装置は、結合装置を、自動化された走行モードを通知する自動運転信号に依存して制御するように構成されており、それによって、結合装置は、エラー発生時に、付加的に、自動化された走行モードにある場合にだけ切り離され、相応に結合されるようにしてもよい。
【0030】
一実施形態によれば、エラー信号に対して付加的にさらに、自動化された走行モードを通知する自動運転信号が存在している場合にだけ、相応に切り離され、相応に結合されるようにしてもよい。
【0031】
即ち、これは特に、回転数検出器又は増幅器装置を、一次エネルギ供給源から切り離し且つ二次エネルギ供給源に結合させるためには、二つの条件が満たされなければならないことを意味している。一方は、エラー信号が存在しなければならないことである。即ち、一次制御部においてエラーが発生する必要がある。他方は、車両が自動化された走行モードにおかれていなければならないことである。このことは、自動運転信号で通知される。これは特に、自動運転信号の存在において又はそれに直面して、車両が自動化された走行モードに置かれていることを意味する。自動化された走行モードは、特に次のようなことによって特徴付けられる。即ち、車両が運転者に依存することなく自律的に走行することによって特徴付けられる。車両の操縦は、運転者に依存せずに行われる。これらの二つの条件の存在によって、有利な方法により、車両の自動化された走行モードにおいて一次制御部にエラーが発生した場合にだけ、一次エネルギ供給源からの切り離しと、二次エネルギ供給源への結合とが実施されることが保証される。
【0032】
さらなる実施形態によれば、制御装置は、結合装置を、前記二次エネルギ供給源に相応に結合された後の経過時間に依存して制御するように構成されており、それによって、前記結合装置は、前記二次エネルギ供給源から相応に切り離されるようにしてもよい。
【0033】
さらなる実施形態によれば、結合後、所定の時間が経過したときに、回転数検出器及び/又は増幅器装置を、二次エネルギ供給源へのそれらの結合の後で、そこから切り離すようにしてもよい。
【0034】
このことは特に、二次エネルギ供給源が、増幅器装置及び/又は回転数検出器のエネルギ供給を、所定の期間の間だけ引き継ぐことを意味する。この所定期間の経過後、増幅器装置及び/又は回転数検出器は、二次エネルギ供給源から切り離される。それにより、例えば有利な方法によって、二次エネルギ供給源が、それらの総てのエネルギ蓄積器を空にしないことが保証され得る。このことは特に、二次エネルギ供給源が、バッテリ及び/又は蓄電池を含む場合に関係する。一実施形態によれば、増幅器装置及び/又は回転数検出器は、車両が安全な状態で操縦されている場合、及び/又は、自動化された走行モードが終了した場合には、二次エネルギ供給源への相応の結合の後でそこから切り離されるようにしてもよい。後者のケースは、例えば運転者が車両の操縦を再び引き継ぐときである。
【0035】
一実施形態によれば、一次制御部を設けていてもよい。
【0036】
一実施形態によれば、一次ブレーキ制御システムを含んだ一次制御部を設けていてもよい。
【0037】
さらなる実施形態によれば、二次制御部を設けていてもよい。
【0038】
さらなる実施形態によれば、二次ブレーキシステムを含んだ二次制御部を設けていてもよい。
【0039】
一実施形態によれば、二次エネルギ供給源は、バッテリ及び/又は蓄電池を含み、又は、蓄電池若しくはバッテリとして構成されていてもよい。例えば、それらのバッテリ又は蓄電池は、車両用バッテリ又は車両用蓄電池であり得る。
【0040】
一般的に、エネルギ供給源は、本発明の趣旨、即ち、特に一次エネルギ供給源及び/又は二次エネルギ供給源では、回転数検出器又は増幅器装置のための電気エネルギが(例えば電流及び/又は電圧の形態において)使用可能である。
【0041】
一実施形態によれば、一次ブレーキ制御システムは、アンチロック機能を含んだ一次ブレーキ制御システムであってもよい。一次ブレーキ制御システムは、例えばアンチロックブレーキシステム(ABS)及び/又はESP(電子制御式安定化プログラム)システムであってもよいし、又は、それらを含むものであってもよい。
【0042】
一実施形態によれば、二次ブレーキシステムは、ブレーキブースタを含んでいてもよい。このブレーキブースタは、特に二次制御部を用いて制御される。特に複数のブレーキブースタが設けられていてもよい。それらは二次制御部を用いて制御可能であり又は制御される。これらのブレーキブースタは、例えば同等に構成されていてもよいし、又は好ましくは、異なるように構成されていてもよい。ブレーキブースタは、例えば、真空式ブレーキブースタであってもよい。ブレーキブースタは、例えば、油圧式又は電動式のブレーキブースタであってもよい。
【0043】
一態様によれば、本発明に係る装置又は本発明に係るシステムを含む車両が提供される。
【0044】
一実施形態によれば、一つ以上の回転数検出器が設けられていてもよい。これらの回転数検出器は、特に同等に構成されており、又は好ましくは、異なるように構成されている。
【0045】
装置若しくはシステム若しくは方法に関する実施形態及び/又は機能性及び/又は特徴は、方法若しくは装置若しくはシステムに関しての対応する実施形態、機能性、特徴からも同様に得られ、またその逆の任意の組合せにおいても得られる。
【0046】
以下では、本発明を、好ましい実施形態に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】車両を運転するための装置。
図2】車両を運転するための方法のフローチャート。
図3】車両を運転するためのシステム。
図4】車両を運転するためのさらなる装置。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1には、車両(図示せず)を運転するための装置101が示されている。
【0049】
この装置101は、結合装置103を含み、この結合装置103は、回転数検出器を、一次ブレーキ制御システムの一次制御部の一次エネルギ供給源から切り離し、二次エネルギ供給源に結合させるように構成されている。さらにこの装置101は、制御装置105を含み、この制御装置105は、結合装置103を、一次制御部からのエラー信号に依存して制御するように構成されており、それによって、一次制御部のエラー発生時に、回転数検出器が一次エネルギ供給源から切り離され、二次エネルギ供給源に結合され得る。
【0050】
図2には、車両を運転するための方法がフローチャートで示されている。
【0051】
ステップ201によれば、回転数検出器が、一次ブレーキ制御システムの一次制御部におけるエラー発生時に、一次制御部の一次エネルギ供給源から切り離される。ステップ203によれば、回転数検出器は、引き続き二次エネルギ供給源に接続される。
【0052】
図3には、車両(図示せず)を運転するためのシステム301が示されている。
【0053】
このシステム301は、図1による装置101を含む。このシステム301は、さらに一次ブレーキ制御システムのための一次制御部303を含む。この一次制御部303は、さらに、一次エネルギ供給源305を含む。
【0054】
図4には、車両(図示せず)を運転するためのさらなる装置401が示されている。
【0055】
この装置401は、制御装置403及び結合装置405及び増幅器装置415を含む。さらに一次ブレーキ制御システムのための一次制御部409が設けられている。この一次制御部409は、計算ユニット411を含み、この計算ユニット411は、回転数検出器407の回転数検出器信号に基づいて、車両の減速を制御することができる。一次制御部409は、さらにこれ以上詳細には図示しないスイッチング回路413を含み、このスイッチング回路413は、図示されていない一次エネルギ供給源及び回転数検出器407の回転数検出器信号のための図示されていない評価ユニットを含む。評価された回転数検出器信号に基づいて、制御が中央処理ユニット411を用いて実施される。
【0056】
符号417,419,421は、中央処理ユニット411が送出可能な信号を示している。信号417が論理値ローに設定される場合、これはエラー信号である。信号419が論理値ハイに設定される場合、これは自動運転モード信号に対応する。即ち、特に自動化された走行モードにおいて信号419は、論理値ハイに設定される。信号421が論理値ハイに設定される場合、これは検査信号に対応し、そのため、装置401の検査モードを実施することができるようになる。そのような検査モードにおいては、回転数検出器407を一次エネルギ供給源から切り離し、続いて第2のエネルギ供給源423(例えば車両用バッテリであり得る)に結合させることが機能するか否かが検査される。図示されていない実施形態によれば、上述した論理値レベルの代わりに、それらに対応する逆の補完が設定されてもよく、即ち、論理値ハイの代わりに論理値ローが、また、論理値ローの代わりに論理値ハイが設定されてもよい。
【0057】
構成要素403,405及び415内には、例えば抵抗やトランジスタのような当業者に公知の電子部品を有する回路図が説明のために示されている。これらの回路図の電子部品に対しては、通常の回路記号が使用されている。そのため、いくつかの参照符号は省略されている。例示的な回路図を用いることにより、本発明に係る結合/切り離しを行わせることが可能である。但し、本発明は、図示の回路図にのみ限定されるべきものではない。これらは単なる例示であって、限定を意味するものではない。特に本発明に係る効果(切り離しと結合)が引き起こされる限り、他の回路図も可能である。
【0058】
増幅器装置415は、回転数検出器信号を増幅し、増幅された回転数検出器信号を、これ以上図示しない二次ブレーキシステムの二次制御部465に送信する。結合装置405は、制御装置403を用いた制御に応じて、増幅器装置415を、二次エネルギ供給源423に結合させるように構成されている。増幅された回転数検出器信号に基づいて、二次制御部465は、車両減速を制御することができる。それにより二次制御部465は、一つの車輪又は複数の車輪の回転数が得られるので、二次制御部465は、例えば有利な方法によって、車輪がホイールロックされているかどうか、又は、ほぼホイールロック状態にあるかどうかを識別することができる。従って、相応に二次制御部465は、回転数検出器信号に基づいて、二次ブレーキシステムを次のように制御することができる。即ち、車両減速時に二次ブレーキシステムを用いて、一つ以上の車輪のホイールロックを阻止し又は少なくとも低減させるように制御することができる。
図1
図2
図3
図4