特許第6239168号(P6239168)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6239168
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】災害保険管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/08 20120101AFI20171120BHJP
【FI】
   G06Q40/08
【請求項の数】5
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-38130(P2017-38130)
(22)【出願日】2017年3月1日
【審査請求日】2017年3月30日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】301049157
【氏名又は名称】株式会社アルム
(74)【代理人】
【識別番号】100168952
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 壮一郎
(72)【発明者】
【氏名】坂野 哲平
【審査官】 谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−039914(JP,A)
【文献】 特開2010−055536(JP,A)
【文献】 特開2009−217676(JP,A)
【文献】 特開2002−288423(JP,A)
【文献】 特開2001−076055(JP,A)
【文献】 特開2013−061721(JP,A)
【文献】 特開2002−007714(JP,A)
【文献】 特開2002−092190(JP,A)
【文献】 特開2001−222585(JP,A)
【文献】 特開2006−031447(JP,A)
【文献】 特開2002−092334(JP,A)
【文献】 特開2002−183437(JP,A)
【文献】 特開2003−187058(JP,A)
【文献】 特開2002−312586(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被保険者ごとの災害保険の契約内容を示し、災害発生前に災害保険の補償対象物を撮影した補償対象物画像と補償対象物の位置情報とを含んだ契約情報を記録した記憶媒体と、
前記補償対象物に対する災害発生時における保険金の払い出し条件の入力を受け付ける払い出し条件入力受付手段と、
通信回線を介して接続された外部装置から、災害が発生したことを示す災害情報を受信する災害情報受信手段と、
前記災害情報受信手段によって前記災害情報を受信したときに、発生した災害の内容および前記記憶媒体に記録されている前記契約情報と、前記保険金の払い出し条件とを比較し、前記記憶媒体に前記契約情報が記録されている被保険者の中から、前記補償対象物の被災状況が保険金の払い出し条件と一致する被保険者を保険金の払い出し対象者として抽出する払い出し対象者特定手段と、
あらかじめ定められた額の保険金を、前記払い出し対象者特定手段によって前記払い出し対象者として抽出された被保険者によって指定されている保険料受け取り口座へ振り込むための保険金払い出し処理を実行する第一の払い出し処理実行手段と、
前記払い出し対象者特定手段によって前記保険金の払い出し対象者として抽出されなかった払い出し対象外被保険者から、災害発生後に前記補償対象物を撮影した被災後画像と補償対象物の位置情報とを含んだ払い出し依頼情報の入力を受け付けて保険金の払い出し依頼を受け付ける払い出し依頼受付手段と、
前記払い出し依頼受付手段によって前記払い出し依頼を受け付けたときに、保険会社の担当者へ通知する通知手段と、
災害発生前の前記補償対象物画像及び補償対象物の位置情報と、災害発生後の前記被災後画像と補償対象物の位置情報とを並べて表示した被害状況確認画面を前記保険会社の担当者へ提示する被害状況確認画面提示手段とを備え
前記被害状況確認画面提示手段は、災害発生前の前記補償対象物の位置情報に基づいて特定した前記補償対象物の撮影場所と、災害発生後の前記補償対象物の位置情報に基づいて特定した前記補償対象物の撮影場所とが一致する場合に、前記補償対象物画像と前記被災後画像の撮影場所が一致していることを示す情報を前記被害状況確認画面内に表示することを特徴とする災害保険管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の災害保険管理システムにおいて、
前記払い出し依頼情報には、前記補償対象物の損壊の程度を示す情報を含み、
前記保険会社の担当者から、前記被害状況確認画面で前記払い出し対象外被保険者に対する保険金の払い出しの承認を受け付けた場合には、前記損壊の程度状況に応じた金額の保険金を、あらかじめ指定された被保険者の口座へ振り込むための保険金払い出し処理を実行する第二の払い出し処理実行手段をさらに備えることを特徴とする災害保険管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の災害保険管理システムにおいて、
前記保険会社の担当者から、前記被害状況確認画面で前記払い出し対象外被保険者に対して、前記補償対象物の被害状況を確認するための追加情報の入力要求を受け付ける追加情報入力要求受付手段と、
前記追加情報入力要求受付手段によって、前記追加情報の入力要求を受け付けたときに、前記払い出し対象外被保険者に前記追加情報の入力を促して、前記追加情報の入力を受け付ける追加情報入力受付手段と、
前記追加情報入力受付手段によって入力を受け付けた前記追加情報を前記保険会社の担当者へ提示する追加情報提示手段とをさらに備えることを特徴とする災害保険管理システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の災害保険管理システムにおいて、
災害保険の加入希望者から前記補償対象物に関する補償対象物情報の入力を受け付ける補償対象物情報入力受付手段と、
前記補償対象物情報入力受付手段によって入力を受け付けた前記補償対象物情報に基づいて、前記補償対象物に適した保険プランを特定する保険プラン特定手段と、
前記保険プラン特定手段によって特定された前記保険プランの情報を前記加入希望者に提示する保険プラン提示手段をさらに備えることを特徴とする災害保険管理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の災害保険管理システムにおいて、
前記補償対象物情報入力受付手段は、前記補償対象物情報に含まれるそれぞれの情報を前記加入希望者が順番に入力できるように、各情報の入力を個別に案内する案内手段をさらに備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害保険管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
次のような情報処理装置が知られている。この情報処理装置では、災害が発生したときに、被災地に住む顧客に対して、保険情報を送信する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−125557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
災害保険の被保険者に対しては、災害が発生した際に迅速な保険金の払い出しが望まれる。その一方で、保険会社では、災害状況の把握や払い出し金額の特定に時間を要し、迅速な保険金の払い出しを実現することが困難であった。従来の技術によれば、被保険者に対して迅速に保険情報を提供することはできるが、迅速な保険金の払い出しを実現するための技術については、何ら検討されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による災害保険管理システムは、被保険者ごとの災害保険の契約内容を示し、災害発生前に災害保険の補償対象物を撮影した補償対象物画像と補償対象物の位置情報とを含んだ契約情報を記録した記憶媒体と、災害保険の補償対象物に対する災害発生時における保険金の払い出し条件の入力を受け付ける払い出し条件入力受付手段と、通信回線を介して接続された外部装置から、災害が発生したことを示す災害情報を受信する災害情報受信手段と、災害情報受信手段によって災害情報を受信したときに、発生した災害の内容および記憶媒体に記録されている契約情報と、保険金の払い出し条件とを比較し、記憶媒体に契約情報が記録されている被保険者の中から、補償対象物の被災状況が保険金の払い出し条件と一致する被保険者を保険金の払い出し対象者として抽出する払い出し対象者特定手段と、あらかじめ定められた額の保険金を、払い出し対象者特定手段によって払い出し対象者として抽出された被保険者によって指定されている保険料受け取り口座へ振り込むための保険金払い出し処理を実行する第一の払い出し処理実行手段と、払い出し対象者特定手段によって保険金の払い出し対象者として抽出されなかった払い出し対象外被保険者から、災害発生後に補償対象物を撮影した被災後画像と補償対象物の位置情報とを含んだ払い出し依頼情報の入力を受け付けて保険金の払い出し依頼を受け付ける払い出し依頼受付手段と、払い出し依頼受付手段によって払い出し依頼を受け付けたときに、保険会社の担当者へ通知する通知手段と、災害発生前の補償対象物画像及び補償対象物の位置情報と、災害発生後の被災後画像と補償対象物の位置情報とを並べて表示した被害状況確認画面を保険会社の担当者へ提示する被害状況確認画面提示手段とを備え、被害状況確認画面提示手段は、災害発生前の補償対象物の位置情報に基づいて特定した補償対象物の撮影場所と、災害発生後の補償対象物の位置情報に基づいて特定した補償対象物の撮影場所とが一致する場合に、補償対象物画像と被災後画像の撮影場所が一致していることを示す情報を被害状況確認画面内に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、災害が発生した際に、事前登録された払い出し条件に基づいて、保険金の払い出しが可能な被保険者と払い出す保険金の額を特定して自動的に保険金を払い出すことができるため、被保険者へ迅速に保険金を払い出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】災害保険管理システム10の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図2】被保険者端末100の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図3】災害保険管理装置200の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図4】保険会社端末300の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図5】保険金払い出し状況管理画面の一例を示す図である。
図6】第1の実施の形態における被保険者端末100で実行される処理の流れを示すフローチャート図である。
図7】第1の実施の形態における災害保険管理装置200で実行される処理の流れを示すフローチャート図である。
図8】第1の実施の形態における保険会社端末300で実行される処理の流れを示すフローチャート図である。
図9】第2の実施の形態における被保険者端末100で実行される処理の流れを示すフローチャート図である。
図10】第2の実施の形態における災害保険管理装置200で実行される処理の流れを示すフローチャート図である。
図11】第2の実施の形態における保険会社端末300で実行される処理の流れを示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
−第1の実施の形態―
図1は、本実施の形態における災害保険管理システム10の一実施の形態の構成を示すブロック図である。災害保険管理システム10では、災害保険の被保険者によって操作される被保険者端末100と、被保険者端末100からデータを受信して処理を実行する災害保険管理装置200と、災害保険を取り扱う保険会社に設置された保険会社端末300とが通信回線を介して接続されている。
【0009】
被保険者端末100は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、タブレット端末、パソコンなどが用いられる。図2は、本実施の形態における被保険者端末100として、スマートフォンを用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。本実施の形態では、スマートフォンに、以下に説明する処理を実行するための被保険者端末用ソフトウェアがインストールされることにより、本実施の形態における被保険者端末100として動作する。なお、被保険者端末用ソフトウェアのプログラムは、インターネットを介して接続されたサーバ上で公開されることにより提供され、操作者がこれをダウンロードにより入手し、被保険者端末100にあらかじめインストールされているものとする。あるいは、被保険者端末用ソフトウェアのプログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体に記録されて提供されるようにしてもよい。
【0010】
被保険者端末100は、タッチパネル101と、通信モジュール102と、カメラ103と、GPSモジュール104と、制御装置105とを備えている。
【0011】
タッチパネル101は、液晶パネル等の表示装置とタッチパッドのような位置入力装置を組み合わせた電子部品であり、画面上の表示を押すことで機器を操作することができる入力装置である。例えば、被保険者端末100の操作者は、液晶パネル上に表示されたボタンやメニュー等の表示項目を指やタッチペンを用いてタッチまたはスライドさせることにより、被保険者端末100を操作することができる。タッチパネル101は、操作者によるタッチやスライドといった操作を検出して、その検出信号を制御装置105へ出力する。
【0012】
通信モジュール102は、無線または有線により、LANや携帯電話通信網を介して被保険者端末100をインターネットに接続させるためのモジュールを含む。被保険者端末100は、通信モジュール102を介してインターネットに接続することにより、災害保険管理装置200と通信を行うことが可能となる。
【0013】
カメラ103は、レンズ、撮像素子、その他周辺回路によって構成される公知の撮像装置である。
【0014】
GPSモジュール104は、GPS衛星と通信を行って、GPS衛星から現在位置を特定するための測位情報を受信するためのモジュールであり、GPS衛星と通信を行うためのアンテナや制御回路等が含まれる。
【0015】
制御装置105は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、被保険者端末100の全体を制御する。なお、制御装置105を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリやフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリを含む。揮発性のメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。また、不揮発性のメモリには、被保険者端末100を動作させるためのファームウェアや種々のアプリケーションを動作させるためのソフトウェアのプログラムデータが記録される。本実施の形態では、この不揮発性のメモリに、上述した被保険者端末用ソフトウェアのプログラムが記録されている。
【0016】
災害保険管理装置200は、インターネットに接続された装置であって、例えば、パソコンやサーバなどが用いられる。図3は、本実施の形態における災害保険管理装置200として、サーバ装置を用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。災害保険管理装置200は、接続インターフェース201と、制御装置202と、記憶媒体203とを備えている。
【0017】
接続インターフェース201は、災害保険管理装置200をインターネット等の通信回線に接続するためのインターフェースであり、例えば、インターネットに有線で接続するための有線LANモジュールや、インターネットに無線で接続するための無線LANモジュールなどが用いられる。本実施の形態では、災害保険管理装置200は、この接続インターフェース201を介して被保険者端末100や保険会社端末300と通信する。
【0018】
制御装置202は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、災害保険管理装置200の全体を制御する。なお、制御装置202を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。例えば、接続インターフェース201を介して読み込まれたデータは、バッファメモリに一時的に記録される。
【0019】
記憶媒体203は、災害保険管理装置200が蓄える種々のデータや、制御装置202が実行するためのプログラムのデータ等を記録するための記憶媒体であり、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。なお、記憶媒体203に記録されるプログラムのデータは、CD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体に記録されて提供されたり、ネットワークを介して提供され、操作者が取得したプログラムのデータを記憶媒体203にインストールすることによって、制御装置202がプログラムを実行できるようになる。
【0020】
保険会社端末300は、保険会社に設置され、保険会社の担当者によって操作される被保険者端末であって、例えば、パソコン、スマートフォン、タブレット端末などが用いられる。図4は、保険会社端末300として、パソコンを用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。保険会社端末300は、操作部材301と、接続インターフェース302と、制御装置303と、記憶媒体304と、表示装置305とを備えている。
【0021】
操作部材301は、保険会社端末300の操作者によって操作される種々の装置、例えばキーボードやマウスを含む。
【0022】
接続インターフェース302は、保険会社端末300を他の装置や端末等の外部機器と接続するためのインターフェースである。例えば、保険会社端末300は、LANやインターネット等の通信回線に接続するためのインターフェースが含まれる。保険会社端末300は、この接続インターフェース302を介して災害保険管理装置200と通信を行う。
【0023】
制御装置303は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、保険会社端末300の全体を制御する。なお、制御装置303を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。例えば、接続インターフェース302を介して読み込まれたデータは、バッファメモリに一時的に記録される。
【0024】
記憶媒体304は、保険会社端末300が蓄える種々のデータや、制御装置303が実行するためのプログラムのデータ等を記録するための記憶媒体であり、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。なお、記憶媒体304に記録されるプログラムのデータは、CD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体に記録されて提供されたり、ネットワークを介して提供され、公開者が取得したプログラムのデータを記憶媒体304にインストールすることによって、制御装置303がプログラムを実行できるようになる。
【0025】
表示装置305は、例えば液晶モニタであって、制御装置303から出力される種々の表示用データが表示される。
【0026】
本実施の形態における災害保険管理システム10は、災害保険に加入している被保険者に対して、災害発生時に迅速に保険金の払い出しを行うことができる仕組みを提供する。なお、本実施の形態における災害保険は、災害が発生した際に保険会社から被保険者に対して保険金が払い出される保険を対象とし、例えば、火災保険(住宅火災保険、住宅総合保険、地震保険、店舗総合保険)、自動車保険、傷害保険(地震・津波等の災害による傷害を想定)、所得補償保険(災害により職場が失われる、就労困難になるなどを想定)などを想定する。
【0027】
本実施の形態では、被保険者と保険会社との間で災害保険の契約が完了しており、各契約ごとの契約内容を示す契約情報は、災害保険管理装置200の記憶媒体203に記録されているものとする。契約情報には、例えば、被保険者の個人連絡先情報、被保険者の基本情報、契約済みの保険プランの内容を示す契約保険プラン情報、補償対象物に関する補償対象物情報が含まれる。
【0028】
被保険者の個人連絡先情報には、被保険者の名前、住所、メールアドレス、電話番号などの情報が含まれる。被保険者の基本情報には、性別、生年月日、住所(都道府県、市区町村のみ)、保険料受け取り口座の情報が含まれる。契約保険プラン情報には、契約済み保険プランの保険プラン名、保険プランを提供する保険会社名、掛け金、補償期間、補償内容(支払い条件)、補償対象物、補償条件、契約日などの情報が含まれる。補償対象物情報には、補償対象物の住所、補償対象物の種別(一戸建て、マンション)、建物構造(鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造、木造)、資産価値面(築年数、経年劣化、骨董的希少価値、過去の災害等損壊等)、家財総額、建物の時価、面積(建物の延床面積または区分所有部分の床面積)、補償対象物を被写体として撮影された補償対象物画像が含まれる。また、補償対象画像のヘッダ情報には、補償対象画像の撮影日時と補償対象画像の撮影場所を示す位置情報、例えば緯度、経度情報が付加されている。
【0029】
保険会社端末300の操作者、例えば、保険会社の担当者は、保険会社端末300を操作して、あらかじめ災害が発生した際の保険金の払い出し条件を入力し、災害保険管理装置200に登録しておく。保険金の払い出し条件は、保険プランが対象とする災害によって異なるが、地震保険の場合には、例えば、補償対象物の震源地からの距離、マグニチュード、補償対象物の種別(一戸建て、マンション)、建物構造(鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造、木造)の各情報が登録される。以下の説明では、被保険者が地震保険に加入している状況で、地震が発生した場合に被保険者に対して保険金を払い出す場合を想定して、処理の内容について説明する。
【0030】
保険会社端末300の制御装置303は、操作者によって入力された保険金の払い出し条件に関する情報を災害保険管理装置200へ送信する。災害保険管理装置200では、制御装置202は、保険会社端末300から保険金の払い出し条件に関する情報を受信した場合には、受信した情報を記憶媒体203に記録する。
【0031】
制御装置202は、通信回線を介して、外部の災害情報発信システムから災害情報を受信することができる。制御装置202は、地震発生時には、震源地、災害発生エリア、マグニチュード、震度などの情報を含んだ災害情報を災害情報発信システムからから受信する。
【0032】
制御装置202は、災害情報を受信した場合には、被保険者端末100と保険会社端末300へ災害が発生したことを通知するための通知情報を送信する。通知情報としては、災害が発生したことを示すメッセージとともに、災害情報に含まれる震源地、災害発生エリア、マグニチュード、震度などの情報が通知される。
【0033】
被保険者端末100の制御装置105は、災害保険管理装置200から通知情報を受信すると、受信した通知情報をタッチパネル101へ表示する。また、保険会社端末300の制御装置303は、災害保険管理装置200から通知情報を受信すると、受信した通知情報を表示装置305へ表示する。これによって、被保険者や保険会社の担当者は、災害発生の事実と発生した災害の内容を把握することができる。
【0034】
また、制御装置202は、災害情報を受信した場合には、記憶媒体203に記録されている契約情報の中に、保険金の自動払い出し対象となる契約情報が存在するか否かを判断する。本実施の形態では、制御装置202は、記憶媒体203に記録されている保険金の払い出し条件に関する情報と契約情報とを比較して、契約情報の中から、保険金の払い出し条件を満たす契約情報を抽出するための払い出し条件一致検索処理を実行する。
【0035】
具体的には、制御装置202は、災害情報に基づいて震源地、マグニチュードを特定する。そして、制御装置202は、記憶媒体203に記録されている契約情報の中から、補償対象物情報に含まれる補償対象物の住所に基づいて特定される補償対象物の震源地からの距離が保険金の払い出し条件として設定されている補償対象物の震源地からの距離以内であり、地震の規模を示すマグニチュードが保険金の払い出し条件として設定されているマグニチュード以上であり、契約情報の補償対象物情報に含まれる補償対象物の種別が保険金の払い出し条件として設定されている補償対象物の種別と一致し、補償対象物の建物構造が保険金の払い出し条件として設定されている補償対象物の種別と一致する契約情報の被保険者を保険金の自動払い出し対象者として抽出する。
【0036】
制御装置202は、保険金の自動払い出し対象者として抽出した被保険者の契約情報に基づいて被保険者の保険料受け取り口座を特定し、特定した口座に宛てて所定額の保険金を振り込む払い出し処理を行うことにより、被災者である被保険者に対して保険金の払い出しを行う。なお、自動払い出しを行う際に払い出す保険金の額は、契約情報に含まれる補償内容に基づいて特定されるものとし、例えば、補償対象物が全壊した際に支払われる金額を全額払い出してもよいし、全壊時の補償金額の50%のようにあらかじめ設定されていてもよい。
【0037】
制御装置202は、被保険者に保険金を払い出した場合には、保険金の払い出し日時や払い出した金額の情報を含んだ払い出し完了情報を、対応する被保険者の契約情報に関連付けて記録する。また、制御装置202は、被保険者端末100に宛てて、払い出しが完了したことを通知するための払い出し完了通知を送信する。これによって、被保険者は、保険金が振り込まれたことを把握することができる。
【0038】
保険会社の担当者は、保険会社端末300を操作して、保険金の払い出し結果を確認することができる。保険会社端末300の制御装置303は、操作者から保険金の払い出し結果の確認指示を受け付けた場合には、災害保険管理装置200にアクセスして、各契約ごとの契約情報と払い出し完了情報とを取得して表示装置305に表示する。このとき、操作者は、契約を一意に特定するための識別情報を指定して、特定の契約に対して保険金の払い出し結果の確認を指示できるようにしてもよいし、記憶媒体203に払い出し完了情報が記録されている全ての契約について、特定の契約に対して保険金の払い出し結果の確認を指示できるようにしてもよい。
【0039】
本実施の形態では、保険金の自動払い出し対象とならなかった被保険者は、被保険者端末100を操作して、保険会社へ保険金の払い出しを依頼することができる。被保険者は、保険会社に保険金の払い出しを依頼するに当たり、補償対象物の被害状況を伝えるための被害状況情報として、被災後の補償対象物を被写体とした被災後画像を撮影する。制御装置105は、被保険者から撮影が指示されると、カメラ103を制御して補償対象物の撮影を行って被災後画像を取得し、被災後画像データのヘッダ部に、撮影日時とGPSモジュール104から取得した撮影位置情報を記録する。被災者は、タッチパネル201上に保険金の払い出しを依頼するための払い出し依頼画面を表示させ、該払い出し表示画面上で払い出しを申請する保険金額と被災後画像データとを登録して、払い出し依頼を行うことができる。制御装置105は、被保険者から払い出し依頼を受け付けた場合には、払い出し申請金額と被災後画像データとを含んだ払い出し依頼情報を災害保険管理装置200へ送信する。
【0040】
なお、払い出し申請金額は、保険プランの補償内容と補償対象物の損壊の程度に基づいて判断され、例えば、全壊の場合は3000万円、大半壊の場合は1800万円、小半壊の場合は900万円、一部損壊の場合は150万円などとなる。被保険者は、払い出し表示画面上で払い出しを希望する金額を直接入力してもよいし、補償対象物の損壊の程度を全壊、大半壊、小半壊、一部損壊の中から選択することにより、補償対象物の損壊の程度に応じた払い出し額を間接的に指定できるようにしてもよい。
【0041】
災害保険管理装置200では、制御装置202は、被保険者端末100から払い出し依頼情報を受信した場合には、払い出し依頼情報を、対応する被保険者の契約情報に関連付けて記録する。また、制御装置202は、被保険者から保険金の払い出し依頼があったことを保険会社端末300へ通知する。
【0042】
保険会社の担当者は、災害保険管理装置200から保険金の払い出し依頼があったことを示す通知を受けた場合には、保険会社端末300を操作して、被保険者からの依頼内容を確認することができる。制御装置303は、担当者から依頼内容の確認が指示された場合には、災害保険管理装置200にアクセスして、該当する被保険者の契約情報、払い出し依頼情報、災害情報を取得して、図5に示す保険金払い出し状況管理画面を、保険会社の担当者が被害状況を確認するための被害状況確認画面として表示装置305に表示する。
【0043】
図5に示すように、保険金払い出し状況管理画面には、契約情報に含まれる個人連絡先情報、契約保険プラン情報、補償対象物情報、災害情報から抽出された各種情報が表示されるとともに、払い出し依頼情報に含まれる被害者から申請された払い出し額(申請払い出し保険金)が表示される。また、契約情報に含まれる補償対象物画像5aと払い出し依頼情報に含まれる被災後画像5bとを並べて表示するとともに、各画像に対応付けて、各画像データのヘッダ部に記録されている撮影位置情報に基づいて特定した撮影場所を示す住所と、撮影日時の各情報を表示する。さらに、撮影者の情報として、これらの画像が被保険者自身によって撮影されたことを示すために「被保険者自身」が表示される。
【0044】
また、被災後画像5bの撮影場所には、補償対象物画像5aの撮影場所と被災後画像5bの撮影場所とを比較した結果、両画像の撮影場所が一致していることを示す情報として「(一致)」が付加されている。なお、補償対象物画像5aの撮影場所と被災後画像5bの撮影場所とが一致しているかの確認処理は、災害保険管理装置200の制御装置202が実行して保険金払い出し状況管理画面上に表示させてもよいし、保険金会社端末300の制御装置303が実行して保険金払い出し状況管理画面上に表示させてもよい。
【0045】
保険会社の担当者は、保険金払い出し状況管理画面上に表示された種々の情報を確認した結果、被保険者からの払い出し申請に承認する場合には、マウスを操作して承認ボタン5cをクリックする。例えば、保険会社の担当者は、保険金払い出し状況管理画面上に表示されている契約情報に間違いがないことを確認した上で、補償対象物画像5aと被災後画像5bとを比較して、被害者から申請された払い出し額が補償対象物の被害状況に応じた額となっているか、及び補償対象物画像5aの撮影場所と被災後画像5bの撮影場所が一致しているかを確認して、被保険者からの払い出し申請に承認するか否かを判断することができる。
【0046】
制御装置303は、操作者によって承認ボタン5cが押下されたことを検出した場合には、払い出し申請が承認されたことを示す情報を災害保険管理装置200へ送信する。災害保険管理装置200では、制御装置202は、払い出し申請が承認された契約情報に基づいて被保険者の保険料受け取り口座を特定し、特定した口座に宛てて承認された額の保険金を振り込む払い出し処理を行うことにより、被災者である被保険者に対して保険金の払い出しを行う。
【0047】
制御装置202は、被保険者に保険金を払い出した場合には、保険金の払い出し日時や払い出した金額の情報を含んだ払い出し完了情報を、対応する被保険者の契約情報に関連付けて記録する。また、制御装置202は、被保険者端末100に宛てて、払い出しが完了したことを通知するための払い出し完了通知を送信する。これによって、被保険者は、自身が行った保険金の払い出し申請に対して、保険金が振り込まれたことを把握することができる。
【0048】
図6は、第1の実施の形態における被保険者端末100で実行される処理の流れを示すフローチャートである。図6に示す処理は、災害保険管理装置200から災害が発生したことを通知する通知情報を受信すると起動するプログラムとして、制御装置105によって実行される。
【0049】
ステップS10において、制御装置105は、受信した通知情報をタッチパネル101へ表示する。その後、ステップS20へ進む。
【0050】
ステップS20では、制御装置105は、災害保険管理装置200から保険金の払い出した完了したことを通知する払い出し完了通知を受信したか否かを判断する。ステップS20で否定判断した場合には、後述するステップS40へ進む。これに対して、ステップS20で肯定判断した場合には、ステップS30へ進む。
【0051】
ステップS30では、制御装置105は、受信した払い出し完了通知をタッチパネル101へ表示する。その後、処理を終了する。
【0052】
ステップS40では、制御装置105は、被保険者から上述した払い出し依頼を受け付けたか否かを判断する。ステップS40で否定判断した場合には、処理を終了する。これに対して、ステップS40で肯定判断した場合には、ステップS50へ進む。
【0053】
ステップS50では、制御装置105は、払い出し申請金額と被災後画像データとを含んだ払い出し依頼情報を災害保険管理装置200へ送信する。その後、ステップS60へ進む。
【0054】
ステップS60では、制御装置105は、災害保険管理装置200から保険金の払い出した完了したことを通知する払い出し完了通知を受信したか否かを判断する。ステップS60で肯定判断した場合には、ステップS70へ進む。
【0055】
ステップS70では、制御装置105は、受信した払い出し完了通知をタッチパネル101へ表示する。その後、処理を終了する。
【0056】
図7は、第1の実施の形態における災害保険管理装置200で実行される処理の流れを示すフローチャートである。図7に示す処理は、災害保険管理装置200でプログラムの開始が指示されると起動するプログラムとして、制御装置202によって実行される。なお、災害保険管理装置200におけるプログラムの開始は、災害保険管理装置200の管理者が手動で指示をしてもよいし、災害保険管理装置200の電源がオンされると自動的に開始するようにしてもよい。なお、図7において、上述した契約情報と保険金の払い出し条件に関する情報は、あらかじめ記憶媒体203に記録されているものとする。
【0057】
ステップS110において、制御装置202は、通信回線を介して、外部の災害情報発信システムから災害情報を受信したか否かを判断する。ステップS110で否定判断した場合には、後述するステップS250へ進む。これに対して、ステップS110で肯定判断した場合には、ステップS120へ進む。
【0058】
ステップS120では、制御装置202は、被保険者端末100と保険会社端末300へ災害が発生したことを通知するための通知情報を送信する。その後、ステップS130へ進む。
【0059】
ステップS130では、制御装置202は、上述した払い出し条件一致検索処理を実行して、記憶媒体203に記録されている契約情報の中に、保険金の自動払い出し対象となる契約情報が存在するか否かを判断する。その後、ステップS140へ進む。
【0060】
ステップS140では、制御装置202は、ステップS130における払い出し条件一致検索処理の結果、保険金の自動払い出し対象となる契約情報が存在したか否かを判断する。ステップS140で否定判断した場合には、後述するステップS180へ進む。これに対して、ステップS140で肯定判断した場合には、ステップS150へ進む。
【0061】
ステップS150では、制御装置202は、上述したように、保険金の自動払い出し対象として抽出した契約情報に基づいて被保険者の保険料受け取り口座を特定し、特定した口座に宛てて所定額の保険金の払い出し処理を行う。その後、ステップS160へ進む。
【0062】
ステップS160では、制御装置202は、上述したように、保険金の払い出し日時や払い出した金額の情報を含んだ払い出し完了情報を、対応する被保険者の契約情報に関連付けて記録する。その後、ステップS170へ進む。
【0063】
ステップS170では、制御装置202は、被保険者端末100に宛てて、払い出しが完了したことを通知するための払い出し完了通知を送信する。その後、ステップS180へ進む。
【0064】
ステップS180では、制御装置202は、被保険者端末100から上述した払い出し依頼情報を受信したか否かを判断する。ステップS180で否定判断した場合には、後述するステップS250へ進む。これに対して、ステップS180で肯定判断した場合には、ステップS190へ進む。
【0065】
ステップS190では、制御装置202は、受信した払い出し依頼情報を、対応する被保険者の契約情報に関連付けて記録する。その後、ステップS200へ進む。
【0066】
ステップS200では、制御装置202は、被保険者から保険金の払い出し依頼があったことを保険会社端末300へ通知する。その後、ステップS210へ進む。
【0067】
ステップS210では、制御装置202は、保険会社端末300から払い出し申請が承認されたことを示す情報を受信したか否かを判断する。ステップS210で否定判断した場合には、後述するステップS250へ進む。これに対して、ステップS210で肯定判断した場合には、ステップS220へ進む。
【0068】
ステップS220では、制御装置202は、上述したように、保険金の自動払い出し対象として抽出した契約情報に基づいて被保険者の保険料受け取り口座を特定し、特定した口座に宛てて所定額の保険金の払い出し処理を行う。その後、ステップS230へ進む。
【0069】
ステップS230では、制御装置202は、上述したように、保険金の払い出し日時や払い出した金額の情報を含んだ払い出し完了情報を、対応する被保険者の契約情報に関連付けて記録する。その後、ステップS240へ進む。
【0070】
ステップS240では、制御装置202は、被保険者端末100に宛てて、払い出しが完了したことを通知するための払い出し完了通知を送信する。その後、ステップS250へ進む。
【0071】
ステップS250では、制御装置202は、実行中のプログラムの終了が指示されか否かを判断する。ステップS250で否定判断した場合には、ステップS110へ戻る。これに対して、ステップS250で肯定判断した場合には、処理を終了する。
【0072】
図8は、第1の本実施の形態における保険会社端末300で実行される処理の流れを示すフローチャートである。図8に示す処理は、上述したように、災害保険管理装置200から災害が発生したことを通知する通知情報を受信すると起動するプログラムとして、制御装置303によって実行される。なお、図8においては、上述した保険金の払い出し条件に関する情報は、あらかじめ災害保険管理装置200へ送信して登録が完了しているものとする。
【0073】
ステップS310において、制御装置303は、災害保険管理装置200から受信した通知情報を表示装置305へ表示する。その後、ステップS320へ進む。
【0074】
ステップS320では、制御装置303は、操作者から保険金の払い出し結果の確認指示を受け付けたか否かを判断する。ステップS320で否定判断した場合には、後述するステップS340へ進む。これに対して、ステップS320で肯定判断した場合には、ステップS330へ進む。
【0075】
ステップS330では、制御装置303は、災害保険管理装置200にアクセスして、各契約ごとの契約情報と払い出し完了情報とを取得して表示装置305に表示する。その後、ステップS340へ進む。
【0076】
ステップS340では、制御装置303は、災害保険管理装置200から保険金の払い出し依頼があったことを示す通知を受けたか否かを判断する。ステップS340で否定判断した場合には、処理を終了する。これに対して、ステップS340で肯定判断した場合には、ステップS350へ進む。
【0077】
ステップS350では、制御装置303は、操作者から、被保険者からの依頼内容の確認指示を受け付けたか否かを判断する。ステップS350で肯定判断した場合には、ステップS360へ進む。
【0078】
ステップS360では、制御装置303は、図5に示した保険金払い出し状況管理画面を表示装置305に表示する。その後、ステップS370へ進む。
【0079】
ステップS370では、制御装置303は、保険金払い出し状況管理画面上で、操作者によって承認ボタン5cが押下されることにより、被保険者からの払い出し申請が承認されたか否かを判断する。ステップS370で肯定判断した場合には、ステップS380へ進む。
【0080】
ステップS380では、制御装置303は、払い出し申請が承認されたことを示す情報を災害保険管理装置200へ送信する。その後、処理を終了する。
【0081】
以上説明した第1の実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)災害保険管理装置200は、記憶媒体203に被保険者ごとの災害保険の契約内容を示す契約情報が記録されており、制御装置202は、保険会社端末300から災害保険の補償対象物に対する災害発生時における保険金の払い出し条件の入力を受け付け、通信回線を介して接続された外部装置から、災害が発生したことを示す災害情報を受信したときに、発生した災害の内容および記憶媒体203に記録されている契約情報と、保険金の払い出し条件とを比較し、記憶媒体202に契約情報が記録されている被保険者の中から、補償対象物の被災状況が保険金の払い出し条件と一致する被保険者を保険金の払い出し対象者として抽出し、あらかじめ定められた額の保険金を、払い出し対象者として抽出された被保険者によって指定されている保険料受け取り口座へ振り込むための保険金払い出し処理を実行するようにした。これによって、災害発生時に、迅速に払い出し対象となる被保険者を特定して保険金を払い出すことができる。
【0082】
(2)制御装置202は、保険金の払い出し対象者として抽出されなかった払い出し対象外被保険者から、被害状況を示す被害状況情報の入力を受け付けて保険金の払い出し依頼を受け付けたときに、保険会社の担当者へ通知するようにした。これによって、保険金の自動払い出し対象とならなかった被保険者は、保険会社に対して保険金の払い出しを請求することができる。また、保険会社の担当者は、被保険者から保険金の払い出し依頼があったことを把握することができる。
【0083】
(3)契約情報には、災害発生前に補償対象物を撮影した補償対象物画像と補償対象物の位置情報とが含まれており、保険会社端末300の制御装置303は、災害発生前の補償対象物画像及び補償対象物の位置情報と、災害発生後の補償対象物画像と補償対象物の位置情報とを並べて表示した被害状況確認画面を表示装置305に表示して保険会社の担当者へ提示するようにした。これによって、保険会社の担当者は、災害発生前後の補償対象物の画像に基づいて、補償対象物の被害状況を確認することができる。また、補償対象物の位置情報に基づいて、災害発生前後の補償対象物の画像が同じ補償対象物を撮影したものであることを確認することができる。
【0084】
(4)被害状況情報には、補償対象物の損壊の程度を示す情報を含み、保険会社の担当者から、被害状況確認画面で払い出し対象外被保険者に対する保険金の払い出しの承認を受け付けた場合には、損壊の程度に応じた金額の保険金を、あらかじめ指定された被保険者の口座へ振り込むための保険金払い出し処理を実行するようにした。これによって、被保険者からの払い出し依頼に対して、補償対象物の損壊の程度に応じた額の保険金を払い出すことができる。
【0085】
−第2の実施の形態―
上述した第1の実施の形態では、被保険者と保険会社との間で災害保険の契約が完了しており、契約情報は、災害保険管理装置200の記憶媒体203に記録されているものとした。第2の実施の形態では、被保険者からの要望に基づいて、補償対象物に適した保険プランを提案し、提案した保険プランの情報に基づいて、契約情報を記憶媒体203に記録するための方法について説明する。なお、以下の説明では、災害保険への加入を希望する人物、すなわち保険に加入する前の人物を加入希望者と呼び、契約を完了した被保険者とは区別する。また、第2の実施の形態において、第1の実施の形態で上述した図1から図4については、第1の実施の形態と同様のため、説明は省略する。
【0086】
保険会社端末300の操作者、例えば、保険会社の担当者は、保険会社端末300を操作して、あらかじめ災害保険プランに関する情報を入力し、災害保険管理装置200に登録しておく。災害保険プランに関する情報としては、例えば、災害保険プラン名、保険プランを提供する保険会社名、掛け金、補償期間、補償内容(支払い条件)、補償対象物、補償条件などの情報が含まれる。
【0087】
制御装置303は、操作者によって入力された災害保険プランに関する情報を災害保険管理装置200へ送信する。災害保険管理装置200では、制御装置202は、保険会社端末300から災害保険プランに関する情報を受信した場合には、受信した情報を記憶媒体203に記録する。
【0088】
被保険者端末100の操作者、すなわち加入希望者は、タッチパネル101を操作して保険プランの提案を受けるための処理の開始を指示すると、タッチパネル101に表示される加入希望者情報入力画面上で加入希望者に関連する種々の情報を含んだ加入希望者情報を入力する。加入希望者情報には、加入希望者の連絡先情報と基本情報が含まれる。連絡先情報には、名前、住所、メールアドレス、電話番号などの情報が含まれる。基本情報には、性別、生年月日、住所(都道府県、市区町村のみ)、保険料受け取り口座の情報が含まれる。
【0089】
制御装置105は、加入希望者によって入力された加入希望者情報を災害保険管理装置200へ送信する。災害保険管理装置200では、制御装置202は、被保険者端末100から加入希望者情報を受信した場合には、受信した情報を記憶媒体203に記録する。
【0090】
制御装置105は、操作者に対して、補償対象物に関する補償対象物情報の入力を促す。本実施の形態では、制御装置105は、補償対象物情報に含まれるそれぞれの情報を加入希望者が順番に入力できるように、各情報の入力を個別に案内するナビゲーション機能を備えている。例えば、災害保険や地震保険において補償対象物が建物である場合を想定すると、制御装置105は、補償対象物の住所、補償対象物の種別(一戸建て、マンション)、建物構造(鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造、木造)、資産価値面(築年数、経年劣化、骨董的希少価値、過去の災害等損壊等)、家財総額、建物の時価、面積(建物の延床面積または区分所有部分の床面積)などの各情報の入力を順番に促し、加入希望者からの各情報の入力を受け付ける。また、制御装置105は、加入希望者に対して補償対象物の写真撮影を促し、カメラ103を介して補償対象物を被写体とした補償対象物画像を取得し、補償対象画像データのヘッダ部に、撮影日時とGPSモジュール104から取得した位置情報を付加する。
【0091】
制御装置105は、加入希望者によって入力された各情報と撮影された補償対象物画像とを含んだ補償対象物情報を災害保険管理装置200へ送信する。災害保険管理装置200では、制御装置202は、被保険者端末100から補償対象物情報を受信した場合には、受信した情報を上述した加入希望者情報に関連付けて記憶媒体203に記録する。
【0092】
加入希望者は、補償対象物情報を災害保険管理装置200に登録した後に、被保険者端末100を操作して、保険プランの提案を依頼することができる。例えば、制御装置105は、タッチパネル101に保険プランの提案依頼を受け付けるための画面を表示し、加入希望者は、該画面上に表示されたボタンにタッチするなどして、保険プランの提案依頼を行うことができる。制御装置105は、操作者から保険プランの提案依頼を受け付けた場合には、災害保険管理装置200へ保険プランの提案を指示するためのデータを送信する。
【0093】
制御装置200では、制御装置202は、被保険者端末100から保険プランの提案依頼を受け付けた場合には、保険プランを選定するために必要な査定処理を実行する。本実施の形態では、補償対象物を災害発生時におけるリスク面と資産価値面に基づいて査定を行う。また、補償対象物画像の正確性の確認も行う。
【0094】
リスク面における査定では、制御装置202は、補償対象物の立地、構造、河川からの距離、沿岸からの距離、河川からの距離、その河川の等級、洪水浸水想定区域図や洪水ハザードマップ(国土交通省や民間調査会社の発表情報)に基づく危険度、地震発生頻度等に基づいて、あらかじめ設定されているアルゴリズムを用いて査定を行う。また、資産価値面における査定では、制御装置202は、補償対象物の築年数、経年劣化、骨董的希少価値、過去の災害等損壊等に基づいて、あらかじめ設定されているアルゴリズムを用いて査定を行う。また、補償対象物画像の正確性の確認においては、制御装置202は、補償対象物画像の位置情報、画素、輝度などを確認して、補償対象画像に疑義がないかを確認する。なお、上記査定処理で用いるアルゴリズムは、保険会社が保険プランを提案する際の査定を自動的に行うために、査定方法や査定内容を再現したアルゴリズムとすることが好ましい。
【0095】
制御装置202は、補償対象物画像の正確性が確認できた場合には、記憶媒体203に記録されている災害保険プランに関する情報を参照して、加入希望者によって入力された補償対象物の種別が災害保険プランに関する情報に含まれる補償対象物と一致し、リスク面における査定結果と資産価値面における査定結果が、災害保険プランに関する情報に含まれる補償条件を満たす保険プランを提案保険プランとして抽出し、抽出した提案保険プランの情報を被保険者端末100へ送信する。
【0096】
被保険者端末100では、制御装置105は、災害保険管理装置200から受信した提案保険プランの情報をタッチパネル101に表示する。これによって、加入希望者は、災害保険管理装置200から提案された提案保険プランの情報を確認することができる。
【0097】
加入希望者は、提案された保険プランの中から、契約を希望する保険プランを選択することができる。制御装置105は、加入希望者によって保険プランが選択された場合には、選択された保険プランを特定するための加入希望保険プラン情報を災害保険管理装置200へ送信する。
【0098】
災害保険管理装置200では、制御装置202は、被保険者端末100から加入希望保険プラン情報を受信した場合には、対応する加入希望者情報に関連付けて、受信した加入希望保険プラン情報を記憶媒体203に記録する。
【0099】
保険会社端末300の制御装置303は、操作者によって加入希望者ごとの加入希望者情報と加入希望保険プラン情報の閲覧が指示された場合には、災害保険管理装置200にアクセスして、加入希望者ごとの加入希望者情報と加入希望保険プラン情報を取得し、表示装置305に表示する。これによって、保険会社の担当者は、保険会社端末300を操作して、加入希望者ごとの加入希望者情報と加入希望保険プラン情報を確認することができる。
【0100】
保険会社の担当者は、加入希望者と連絡をとり、通常の保険契約プロセスを経ることにより、加入希望者との間で災害保険の契約手続きを行う。加入希望者との契約が完了した場合には、保険会社の担当者は、保険会社端末300を操作して、加入希望者の契約が完了したことを示す契約完了情報を入力する。なお、契約完了情報には、契約日の情報も含まれる。制御装置303は、加入希望者の契約が完了したことを示す契約完了情報が入力されると、契約完了情報を災害保険管理装置200へ送信する。
【0101】
災害保険管理装置200では、制御装置202は、保険会社端末300から加入希望者の契約が完了したことを示す契約完了情報を受信すると、記憶媒体203に記録されている、対応する加入希望者情報を、第1の実施の形態で上述した被保険者の個人連絡先情報及び被保険者の基本情報とし、契約に至った加入希望保険プラン情報を第1の実施の形態で上述した契約保険プラン情報とし、加入希望者によって入力された補償対象物情報を含めた情報を、第1の実施の形態で上述した契約情報として、記憶媒体203に記録する。
【0102】
図9は、第2の実施の形態における被保険者端末100で実行される処理の流れを示すフローチャートである。図9に示す処理は、加入希望者によって保険プランの提案を受けるための処理の開始が指示されると起動するプログラムとして、制御装置105によって実行される。
【0103】
ステップS410において、制御装置105は、加入希望者によって上述した加入希望者情報が入力されたか否かを判断する。ステップS410で否定判断した場合には、後述するステップS460へ進む。これに対して、ステップS410で肯定判断した場合には、ステップS420へ進む。
【0104】
ステップS420では、制御装置105は、入力された加入希望者情報を災害保険管理装置200へ送信する。その後、ステップS430へ進む。
【0105】
ステップS430では、制御装置105は、上述したように、操作者に対して補償対象物に関する補償対象物情報の入力を促すために、補償対象物情報に含まれるそれぞれの情報の入力と補償対象物画像の撮影をナビゲートする。その後、ステップS440へ進む。
【0106】
ステップS440では、制御装置105は、補償対象情報の入力が全て完了したか否かを判断する。ステップS440で肯定判断した場合には、ステップS450へ進む。
【0107】
ステップS450では、制御装置105は、撮影された補償対象物画像を操作者によって入力された補償対象物情報に含めて災害保険管理装置200へ送信する。その後、ステップS460へ進む。
【0108】
ステップS460では、制御装置105は、加入希望者によって保険プランの提案依頼指示を受け付けたか否かを判断する。ステップS460で否定判断した場合には、処理を終了する。これに対して、ステップS460で肯定判断した場合には、ステップS470へ進む。
【0109】
ステップS470では、制御装置105は、災害保険管理装置200へ保険プランの提案を指示するためのデータを送信する。その後、ステップS480へ進む。
【0110】
ステップS480では、制御装置105は、災害保険管理装置200から提案保険プランの情報を受信したか否かを判断する。ステップS480で肯定判断した場合には、ステップS490へ進む。
【0111】
ステップS490では、制御装置105は、受信した提案保険プランの情報をタッチパネル101に表示する。その後、ステップS500へ進む。
【0112】
ステップS500では、制御装置105は、加入希望者によっていずれかの保険プランが選択されたか否かを判断する。ステップS490で肯定判断した場合には、ステップS510へ進む。
【0113】
ステップS510では、制御装置105は、選択された保険プランを特定するための加入希望保険プラン情報を災害保険管理装置200へ送信する。その後、処理を終了する。
【0114】
図10は、第2の実施の形態における災害保険管理装置200で実行される処理の流れを示すフローチャートである。図10に示す処理は、災害保険管理装置200でプログラムの開始が指示されると起動するプログラムとして、制御装置202によって実行される。なお、災害保険管理装置200におけるプログラムの開始は、災害保険管理装置200の管理者が手動で指示をしてもよいし、災害保険管理装置200の電源がオンされると自動的に開始するようにしてもよい。
【0115】
ステップS610において、制御装置202は、保険会社端末300から上述した災害保険プランに関する情報を受信したか否かを判断する。ステップS610で否定判断した場合には、後述するステップS630へ進む。これに対して、ステップS610で肯定判断した場合には、ステップS620へ進む。
【0116】
ステップS620では、制御装置202は、保険会社端末300から受信した情報を記憶媒体203に記録する。その後、ステップS630へ進む。
【0117】
ステップS630では、制御装置202は、被保険者端末100から上述した加入希望者情報を受信したか否かを判断する。ステップS630で否定判断した場合には、後述するステップS650へ進む。これに対して、ステップS630で肯定判断した場合には、ステップS640へ進む。
【0118】
ステップS640では、制御装置202は、被保険者端末100から受信した情報を記憶媒体203に記録する。その後、ステップS650へ進む。
【0119】
ステップS650では、制御装置202は、被保険者端末100から上述した補償対象物情報を受信したか否かを判断する。ステップS650で否定判断した場合には、後述するステップS670へ進む。これに対して、ステップS650で肯定判断した場合には、ステップS660へ進む。
【0120】
ステップS660では、制御装置202は、被保険者端末100から受信した補償対象物情報を上述した加入希望者情報に関連付けて記憶媒体203に記録する。その後、ステップS670へ進む。
【0121】
ステップS670では、制御装置202は、被保険者端末100から保険プランの提案依頼を受け付けたか否かを判断する。ステップS670で否定判断した場合には、後述するステップS740へ進む。これに対して、ステップS670で肯定判断した場合には、ステップS680へ進む。
【0122】
ステップS680では、制御装置202は、上述したように、保険プランを選定するために必要な査定処理を実行する。その後、ステップS690へ進む。
【0123】
ステップS690では、制御装置202は、査定処理の結果に基づいて抽出した提案保険プランの情報を被保険者端末100へ送信する。その後、ステップS700へ進む。
【0124】
ステップS700では、制御装置202は、被保険者端末100から上述した加入希望保険プラン情報を受信したか否かを判断する。ステップS700で肯定判断した場合には、ステップS710へ進む。
【0125】
ステップS710では、制御装置202は、被保険者端末100から受信した加入希望保険プラン情報を対応する加入希望者情報に関連付けて記憶媒体203に記録する。その後、ステップS720へ進む。
【0126】
ステップS720では、制御装置202は、保険会社端末300から上述した契約完了情報を受信したか否かを判断する。ステップS720で肯定判断した場合には、ステップS730へ進む。
【0127】
ステップS730では、制御装置202は、上述したように契約情報を記憶媒体203に記録する。その後、ステップS740へ進む。
【0128】
ステップS740では、制御装置202は、実行中のプログラムの終了が指示されか否かを判断する。ステップS740で否定判断した場合には、ステップS610へ戻る。これに対して、ステップS740で肯定判断した場合には、処理を終了する。
【0129】
図11は、第2の実施の形態における保険会社端末300で実行される処理の流れを示すフローチャートである。図11に示す処理は、操作者によって処理の開始が指示されると起動するプログラムとして、制御装置303によって実行される。
【0130】
ステップS810において、制御装置303は、操作者によって上述した災害保険プランに関する情報が入力されたか否かを判断する。ステップS810で否定判断した場合には、後述するステップS830へ進む。これに対して、ステップS810で肯定判断した場合には、ステップS820へ進む。
【0131】
ステップS820では、制御装置303は、入力された災害保険プランに関する情報を災害保険管理装置200へ送信する。その後、ステップS830へ進む。
【0132】
ステップS830では、制御装置303は、操作者によって、加入希望者の契約が完了したことを示す情報が入力されたか否かを判断する。ステップS830で否定判断した場合には、処理を終了する。これに対して、ステップS830で肯定判断した場合には、ステップS840へ進む。
【0133】
ステップS840では、制御装置303は、契約完了情報を災害保険管理装置200へ送信する。その後、処理を終了する。
【0134】
以上説明した第2の実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)制御装置202は、被保険者から補償対象物に関する補償対象物情報の入力を受け付け、補償対象物情報に基づいて補償対象物に適した保険プランを特定して、保険プランの情報を被保険者に提示するようにした。これによって、被保険者は、補償対象物に合った保険プランの提案を受けることができる。
【0135】
(2)制御装置105は、補償対象物情報に含まれるそれぞれの情報を被保険者が順番に入力できるように、各情報の入力を個別に案内するようにした。このように、被保険者に対して情報入力をナビゲートすることにより、被保険者は、案内に従って迷うことなく必要な情報を入力することができる。また、必要な情報の入力漏れを防ぐこともできる。
【0136】
―変形例―
なお、上述した実施の形態の災害保険管理システムは、以下のように変形することもできる。
(1)上述した第1の実施の形態では、保険会社の担当者は、保険金払い出し状況管理画面上に表示された種々の情報を確認した結果、被保険者からの払い出し申請を承認するか否かを判断する例について説明した。このとき、保険会社の担当者は、被保険者からの払い出し申請を承認するためには、追加の情報が必要となる場合には、被保険者に対して被害状況の説明や追加の画像の提出を求めるようにしてもよい。この場合、保険会社端末300の制御装置303は、操作者から追加情報の要求依頼を受け付けた場合には、災害保険管理装置200へ追加情報の要求依頼を受け付けたことを示す情報を送信し、災害保険管理装置200の制御装置202は、該情報を被保険者端末100へ送信する。被保険者端末100では、制御装置105は、被保険者に対して、保険会社から追加情報が要求されたことを通知するとともに、被保険者からの追加情報の入力を受け付け、入力された追加情報を災害保険管理装置200へ送信する。災害保険管理装置200では、制御装置202は、受信した追加情報を、対応する被保険者の契約情報に関連付けて記録するとともに、保険会社端末300へ送信して、保険会社の担当者へ提示する。これによって、保険会社の担当者は、追加情報を入手して被保険者からの払い出し申請を承認するか否かを判断することができる。
【0137】
(2)上述した第2の実施の形態では、補償対象物画像は、被保険者が撮影する例について説明したが、外部の画像提供サービスから補償対象画像を取得するようにしてもよい。外部の画像提供サービスが、地図データと実際に撮影した画像データとをリンクさせて提供している場合には、地図データから撮影位置情報も取得できるため、そこから取得した画像データを補償対象画像として利用することができる。なお、補償対象画像の撮影日時は、外部の画像提供サービスから撮影日時を取得できる場合にはその日時を用いればよい。一方、外部の画像提供サービスから撮影日時を取得できない場合には、外部の画像提供サービスから画像データを取得した日時を撮影日時に替えてヘッダ部に記録してもよい。
【0138】
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。また、上述の実施の形態と複数の変形例を組み合わせた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0139】
10 災害保険管理システム
100 被保険者端末
101 タッチパネル
102 通信モジュール
103 カメラ
104 GPSモジュール
105 制御装置
200 災害保険管理装置
201 接続インターフェース
202 制御装置
203 記憶媒体
300 保険会社端末
301 操作部材
302 接続インターフェース
303 制御装置
304 記憶媒体
305 表示装置
【要約】      (修正有)
【課題】対象者の想定寿命と想定医療費を算出すること。
【解決手段】災害保険管理システム10は、被保険者ごとの災害保険の契約内容を示す契約情報を記録した記憶媒体と、災害保険の補償対象物に対する保険金の払い出し条件の入力を受け付ける払い出し条件入力受付手段と、外部装置から災害情報を受信する災害情報受信手段と、災害情報受信手段によって災害情報を受信したときに、発生した災害の内容および記憶媒体に記録されている契約情報と、保険金の払い出し条件とを比較し、記憶媒体に契約情報が記録されている被保険者の中から、補償対象物の被災状況が保険金の払い出し条件と一致する被保険者を保険金の払い出し対象者として抽出する払い出し対象者特定手段と、あらかじめ定められた額の保険金を、払い出し対象者によって指定されている保険料受け取り口座へ振り込むための保険金払い出し処理を実行する第一の払い出し処理実行手段とを備える。
【選択図】図1
図1
図2
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図5
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図9
図10
図11