(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
金属素線織物の両面に、ハンダ粒子ペースト層、導電性加熱硬化性樹脂ペースト層または加熱焼結性金属粒子ペースト層を有することを特徴とする、金属製部材接合用シート。
金属素線が、断面径が0.01〜0.2mmであり、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、スズ、鉄またはこれらを含む合金からなる素線である、請求項1に記載の、金属製部材接合用シート。
金属素線織物の両面にハンダ粒子ペースト層,導電性加熱硬化性樹脂ペースト層または加熱焼結性金属粒子ペースト層を有する金属製部材接合用シートを、複数の金属製部材間に介在させ、加熱して、ハンダ粒子を溶融させ、導電性加熱硬化性樹脂ペーストを硬化させ、または、加熱焼結性金属粒子を焼結させることを特徴とする、金属製部材の接合方法。
金属素線が、断面径が0.01〜0.2mmであり、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、スズ、鉄またはこれらを含む合金からなる素線である、請求項4に記載の、金属製部材の接合方法。
金属製部材の材質が、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、スズ、鉄または、これらを含む合金である、請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の、金属製部材の接合方法。
金属素線織物の両面と複数の金属製部材の間に、ハンダ粒子ペースト, 導電性加熱硬化性樹脂ペーストまたは加熱焼結性金属粒子ペーストを介在させ、加熱して、ハンダ粒子を溶融させ、導電性加熱硬化性樹脂を硬化させ、または、加熱焼結性金属粒子を焼結させることを特徴とする、金属製部材の接合方法。
金属素線が、断面径が0.01〜0.2mmであり、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、スズ、鉄またはこれらを含む合金からなる素線である、請求項8に記載の、金属製部材の接合方法。
金属製部材の材質が、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、スズ、鉄または、これらを含む合金である、請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の、金属製部材の接合方法。
複数の金属製部材間に、金属素線織物の両面にハンダ層,導電性硬化樹脂層または金属粒子焼結層を有する金属製部材接合用シートが介在し、該金属製部材はハンダ層,導電性硬化樹脂層または金属粒子焼結層と接着していることを特徴とする、金属製部材接合体。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者らは上記の問題点を解決するため鋭意研究した結果、金属素線織物の両面にハンダ粒子ペースト層,導電性加熱硬化性樹脂組成物層または加熱焼結性金属粒子組成物層を有する金属製部材接合用シートを、複数の金属製部材間に介在させ、加熱して、ハンダ粒子を溶融させ、導電性加熱硬化性樹脂組成物を硬化させ、または、加熱焼結性金属粒子を焼結させると、該金属製部材接合用シートが、熱衝撃を吸収して、電気伝導性および熱伝導性を保持しつつ、複数の金属製部材を強固に接合できることを見出して、本発明に到達した。
【0010】
本発明の目的は、熱衝撃耐性に優れた金属製部材接合体を製造するのに有用な金属製部材接合用シートを提供することにある。また、熱衝撃耐性に優れた金属製部材接合体を容易かつ確実に形成することのできる金属製部材の接合方法を提供することにある。また、熱衝撃耐性に優れた金属製部材接合体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、
「[1] 金属素線織物の両面に、ハンダ粒子ペースト層、導電性加熱硬化性樹脂ペースト層または加熱焼結性金属粒子ペースト層を有することを特徴とする、金属製部材接合用シート。
[2] 金属素線が、断面径が0.01〜0.2mmであり、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、スズ、鉄またはこれらを含む合金からなる素線である、[1]に記載の、金属製部材接合用シート。
[3] 金属素線織物が、3〜30本の金属素線の束からなる平織物である、[1]または[2]に記載の、金属製部材接合用シート。
【0012】
[4] 金属素線織物の両面にハンダ粒子ペースト層, 導電性加熱硬化性樹脂ペースト層または加熱焼結性金属粒子ペースト層を有する金属製部材接合用シートを、複数の金属製部材間に介在させ、加熱して、ハンダ粒子を溶融させ、導電性加熱硬化性樹脂を硬化させ、または、加熱焼結性金属粒子を焼結させることを特徴とする、金属製部材の接合方法。
[4-1] 複数の金属製部材が2個の金属製部材である[4]に記載の金属製部材の接合方法
[5] 金属素線が、断面径が0.01〜0.2mmであり、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、スズ、鉄またはこれらを含む合金からなる素線である[4]に記載の、金属製部材の接合方法。
[6] 金属素線織物が、3〜30本の金属素線の束からなる平織物である、[4]または[5]に記載の、金属製部材の接合方法。
[7] 金属製部材の材質が、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、スズ、鉄または、これらを含む合金である、[4]から[6]のいずれかに記載の、金属製部材の接合方法。
【0013】
[8] 金属素線織物の両面と複数の金属製部材の間に、ハンダ粒子ペースト, 導電性加熱硬化性樹脂ペーストまたは加熱焼結性金属粒子ペーストを介在させ、加熱して、ハンダ粒子を溶融させ、導電性加熱硬化性樹脂を硬化させ、または、加熱焼結性金属粒子を焼結させることを特徴とする、金属製部材の接合方法。
[8-1] 複数の金属製部材が2個の金属製部材である[8]に記載の金属製部材の接合方法。
[9] 金属素線が、断面径が0.01〜0.2mmであり、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、スズ、鉄またはこれらを含む合金からなる素線である、[8]または[8-1]に記載の、金属製部材の接合方法。
[10] 金属製部材の材質が、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、スズ、鉄または、これらを含む合金である、[8]または[9]に記載の、金属製部材の接合方法。
【0014】
[11] 複数の金属製部材間に、金属素線織物の両面にハンダ層,導電性硬化樹脂層または金属粒子焼結層を有する金属製部材接合用シートが介在し、該金属製部材はハンダ層,導電性硬化樹脂層または金属粒子焼結層と接着していることを特徴とする、金属製部材接合体。
[11-1] 複数の金属製部材が2個の金属製部材である[11]に記載の金属製部材接合体。
[11-2] 金属素線が、断面径が0.01〜0.2mmであり、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、スズ、鉄またはこれらを含む合金からなる素線である、[11]または[11-1]に記載の、金属製部材接合体。
[12] 金属製部材が金属部分を有する電子部品である、[11]、[11-1]または[11-2]に記載の金属製部材接合体。
[12−1] 金属部分の材質が、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、スズ、鉄または、これらを含む合金である、[12]に記載の、金属製部材接合体。」により達成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の金属製部材接合用シートは、金属素線織物の両面に、ハンダ粒子ペースト層,導電性加熱硬化性樹脂ペースト層または加熱焼結性金属粒子ペースト層を有するので、複数の金属製部材間に介在させて加熱すると、ハンダ粒子が溶融し、導電性加熱硬化性樹脂が硬化し、または、加熱焼結性金属粒子が焼結して、熱衝撃耐性に優れた金属製部材接合体が形成される。
【0016】
本発明の接合方法では、金属素線織物の両面にハンダ粒子ペースト層, 導電性加熱硬化性樹脂ペースト層または加熱焼結性金属粒子組ペースト層を有する金属製部材接合用シートを、複数の金属製部材間に介在させ、加熱して、ハンダ粒子を溶融させ、導電性加熱硬化性樹脂を硬化させ、または、加熱焼結性金属粒子を焼結させるので、熱衝撃耐性に優れた金属製部材接合体を容易かつ確実に形成することができる。
本発明の第2の接合方法では、金属素線織物の両面と複数の金属製部材の間に、ハンダ粒子ペースト,導電性加熱硬化性樹脂ペーストまたは加熱焼結性金属粒子ペーストを介在させ、加熱して、ハンダ粒子を溶融させ、導電性加熱硬化性樹脂を硬化させ、または、加熱焼結性金属粒子を焼結させるので、熱衝撃耐性に優れた金属製部材接合体を容易かつ確実に形成することができる。
【0017】
本発明の金属製部材接合体は、複数の金属製部材間に、金属素線織物の両面にハンダ層,導電性硬化樹脂層または金属粒子焼結層を有する金属製部材接合用シートが介在し、該金属製部材はハンダ層,導電性硬化樹脂層または金属粒子焼結層と接着しているので、熱衝撃耐性に優れている。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の金属製部材接合用シートは、金属素線織物の両面に、ハンダ粒子ペースト層、導電性加熱硬化性樹脂ペースト層または加熱焼結性金属粒子ペースト層を有することを特徴とする。
金属素線織物は布状であり、シート状である。そのため柔軟性があり、力が加わると容易に変形するため、熱衝撃に対する追従性が優れ、熱応力を緩和することができる。
【0020】
織物の織り方は、平織、綾織、繻子織りが例示されるが、製造が容易な平織であることが好ましい。平織は、たて糸とよこ糸を交互に織るもので、模様は左右対称で機械的な強さがあり、摩擦に強いという特徴がある。
綾織は、たて糸が2本のよこ糸を通過した後に、1本のぬき糸の下を通過することを繰り返す三つ綾と、たて糸が3本のよこ糸を通過した後に、1本のぬき糸の下を通過することを繰り返す四つ綾があり、糸の交差部分が斜めになるため伸縮性があり、しわがよりにくいという特徴がある。
繻子織(しゅすおり)は、経糸・緯糸を5本以上で作られる。表面上は縦糸もしくは緯糸のみが現れるのが特徴である。光沢があり、柔らかいというメリットがあるが、摩擦に弱いというデメリットもある。
なお、金属素線の不織布をこれらの織物の代わりに用いてもよい。不織布は、素線を織ることなく絡み合わせたものであり、多孔質構造であり、極めて高い応力緩和性を有する。
【0021】
金属素線は、金属の細線である。本発明の金属製部材接合用シートが柔軟性に優れるようにするために、断面径が0.01〜0.2mmであることが好ましく、0.03〜0.12mmであることがより好ましく、0.05〜0.10mmであることが特に好ましい。金属素線の断面形状は限定されないが、製造が容易な円、楕円またはこれに近い形状であることが好ましい。
【0022】
金属素線の材質は、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、スズ、鉄またはこれらを含む合金であることが好ましい。
【0023】
金属素線織物が平織物または綾織物である場合は、3〜10本の金属素線をひとつにまとめた束として、相互に織り込むことが好ましい。束を用いることにより、応力緩和性が向上するからである。平織物、綾織物は既存の方法により容易に得ることができる。金属素線織物の厚さは、50〜1000μmであることが好ましい。ただし、金属素線織物の厚さは、金属素線の断面径の5倍以上であることが好ましい。
【0024】
本発明の金属製部材接合用シートの製造に使用される金属素線織物は、熱衝撃が加わった際に容易に変形し、優れた応力緩和性を発揮するため、その内部に、ハンダペースト、導電性加熱硬化性樹脂ペーストまたは加熱焼結性金属粒子ペーストが浸透しにくいことが好ましい。このため、金属素線織物における開口部の面積は小さいことが好ましく、金属製部材接合用シートにおける開口部の面積の割合を示す開口率は、5%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。開口率の測定方法は通常の測定方法が利用できる。例えば、金属素線織物の表面を写真撮影し、画像解析ソフトにより、開口部の面積を求める方法、あるいは、撮影した写真を均質な紙等に印刷し、開口部と開口部以外をはさみ等で切り分けて各々の質量を測定し、その割合を面積比率とする方法が例示される。この場合の紙等は、実質的に均一な材質および厚さであることが好ましい。
【0025】
金属素線織物はそのままでは金属製部材への接着性を有しないため、接合材として用いるためには、その両面に接着性を有する材料層を有する必要がある。特に金属製部材に対し優れた接着性を有する材料として、ハンダペースト、導電性加熱硬化性樹脂ペーストまたは加熱焼結性金属粒子ペースト物が好ましい。このようなハンダペースト、導電性加熱硬化性樹脂ペーストまたは加熱焼結性金属粒子ペーストは従来公知のものを使用することができる。
【0026】
金属素線織物の両面にハンダ粒子ペースト層、導電性加熱硬化性樹脂ペースト層または加熱焼結性金属粒子ペースト層を形成する方法として、金属素線織物の表面にスクリーン印刷、ステンシル印刷、ディスペンス塗布がある。この際、ペースト状であるため、一部は金属素線織物の隙間に浸透して入り込むが、隙間全部に入り込まないことが好ましい。隙間全部に入り込むと、金属製部材接合用シートの応力緩和性が低下するからである。
【0027】
金属素線織物の両面にハンダ粒子ペースト層を形成するためのハンダ粒子ペーストは、ハンダ合金粒子とフラックスからなり、いずれも公知のものを使用することができる。そのようなハンダ合金としては、Sn−Pb系(60Sn/40Pb,40Sn/60Pbなど。ここで、60Sn/40Pbとは、Snが60質量%で、Pbが40質量%の意味である。以下、同様。)のものが例示される。また、Sn−Ag−Pb系(5Sn/1.5Ag/93.5Pbなど)、Sn−Bi−Pb系(43Sn/14Bi/43Pbなど)、Sn−Sb−Pb系(27Sn/3Sb/70Pbなど)、Sn−Bi−Ag−Pb系(57Sn/3Bi/2Ag/38Pbなど)などの鉛含有合金系のものが例示される。さらには、Sn−In系(48Sn/52In,58Sn/42Inなど)、Sn−Bi系(43Sn/57Bi,60Sn/40Biなど)、In−Ag系(97In/3Agなど)、In−Bi系(95In/5Biなど)、Sn−Zn系(91Sn/9Znなど)、Sn−Ag系(96.5Sn/3.5Ag,90Sn/10Agなど)、Sn−Cu系(99.3Sn/0.7Cu,97Sn/3Cuなど)、Sn−Sb系(95Sn/5Sbなど)、Sn−Au系(20Sn/80Auなど)、Sn−Bi−Ag−Cu系(90Sn/7.5Bi/2Ag/0.5Cuなど)、Sn−Ge系(99Sn/1Geなど)、Sn−Bi−Cu系(92Sn/7.5Bi/0.5Cuなど)、Sn−Cu−Sb−Ag系(97Sn/2Cu/0.8Sb/0.2Agなど)、Sn−Ag−Zn系(95.5Sn/3.5Ag/1Znなど)、Sn−Ag−Cu系(95.5Sn/3Ag/0.5Cuなど)、Sn−Bi−Sb系(52Sn/45Bi/3Sb,85Sn/10Bi/5Sbなど)、Sn−Bi−Sb−Zn系(51Sn/45Bi/3Sb/1Zn,84Sn/10Bi/5Sb/1Znなど)、Sn−Bi−Cu−Zn系(88.2Sn/10Bi/0.8Cu/1Znなど)、Sn−Ag−Sb系(89Sn/4Ag/7Sb,98Sn/1Ag/1Sbなど)、Sn−Ag−Sb−Zn系(88Sn/4Ag/7Sb/1Zn,97Sn/1Ag/1Sb/1Znなど)、Sn−Ag−Cu−Zn系(91.2Sn/2Ag/0.8Cu/6Zn,89.1Sn/2Ag/0.9Cu/8Znなど)、Sn−Zn−Bi系(89Sn/8Zn/3Bi,86Sn/8Zn/6Biなど)などの鉛フリー系のものが例示される。
【0028】
ハンダ合金粒子の形状は、球状、粒状または液滴状であることが好ましく、球状であることがより好ましい。そのメディアン径は、0.01〜100μmであり、0.1〜50μmであることがより好ましい。
【0029】
ハンダ粒子ペースト用のフラックスは、通常、ベース樹脂、活性剤、チクソ付与剤、溶媒を含有する。
ベース樹脂として、ロジンまたはロジン誘導体、合成樹脂が例示される。尚、ロジンとして、ガムロジン、トールロジン、ウッドロジンなどが例示される。ロジン誘導体としては、熱処理したロジン、重合ロジン、変性ロジン(例えば、アクリル化ロジン、水素添加ロジン、ホルミル化ロジン、ロジンエステル、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキド樹脂)、低軟化点ロジンが例示される。
ベース樹脂がフラックス中で占める量は、好ましくは、30〜70質量%である。
【0030】
活性剤としては、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、メチルシクロヘキシルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジフェニルグアニジン等のアミン類や、前記アミン類の塩化水素酸塩または臭素酸塩が例示される。また、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバチン酸等のカルボン酸と言った酸も挙げられる。又、テトラブロモメタン、1,1,2,2−テトラブロモブタン、1,2−ジブロモ−2−ブテン、2,3−ジボロモ−1−プロパノール、1,2−ジボロモ−2,3−ブタンジオール、トランス−2,3−ジボロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、2,2−ビス(ブロモメチル)−1,3−プロパンジオール等の有機ハロゲン化物が例示される。
活性剤がフラックス中で占める量は、好ましくは、1〜10質量%である。
【0031】
チクソ付与剤は、ハンダペーストの流動性を抑える為に、ハンダペーストが含有する重要な成分である。例えば、水添ひまし油、硬化ひまし油、蜜ロウ、カルナバワックス、ソルビトール、アミド等が挙げられる。この種のチクソ付与剤がフラックス中で占める量は、好ましくは、0.5〜10質量%である。
【0032】
溶媒として、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルカルビトール、α−ターピネオール、β−ターピネオール、へキシレングリコール、ブチルカルビトール、ベンジルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジイソブチルアジペート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート等のカルボン酸エステル類、トルエン、テレピン油、ヘキサデカン、ドデシルベンゼン、ケロシン、軽油等の炭化水素類、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリペンチル等のリン酸エステル類が例示される。溶媒は、ベース樹脂などを溶解するのに十分な量配合される。
【0033】
ハンダ粒子ペーストは、ハンダ合金粒子と、ペースト状にするのに十分な量のフラックスからなる。ハンダ合金粒子がハンダ粒子ペースト中に占める量は、好ましくは70〜95 質量%であり、フラックスがハンダ粒子ペースト中に占める量は、好ましくは5〜30質量%である。
【0034】
金属素線織物の両面に導電性加熱硬化性樹脂ペースト層を形成するための導電性加熱硬化性樹脂ペーストは、加熱硬化性樹脂および導電性金属粒子からなり、ペースト状にするため、希釈剤や揮発性の溶媒を含んでもよい。また、ホットメルト型のような、加熱によりペースト状になるものであってもよい。
【0035】
そのような導電性加熱硬化性樹脂ペーストとして、導電性加熱硬化性エポキシ樹脂ペースト、導電性加熱硬化性液状フェノール樹脂ペースト、導電性加熱硬化性液状ポリウレタン樹脂ペースト、導電性加熱硬化性液状アルキド樹脂ペースト、導電性加熱硬化性液状ポリエステル樹脂ペースト、導電性加熱硬化性液状シリコン樹脂ペースト、導電性加熱硬化性液状ポリアミドイミド樹脂ペースト、導電性加熱硬化性液状ポリアミック酸型ポリイミド樹脂ペースト等が例示されるが、接着性と耐熱性の点で、導電性加熱硬化性エポキシ樹脂ペーストであることが好ましい。
【0036】
そのような導電性加熱硬化性エポキシ樹脂は、通常、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等の主剤と、アミン、イミダゾール、酸無水物等の硬化剤からなり、必要に応じて、さらに硬化促進剤、1官能性あるいは多官能性の反応性稀釈剤等の付加的成分からなる。耐熱性の点でビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂が好ましい。
【0037】
導電性加熱硬化性樹脂ペーストにおける導電性金属粒子の材質は、銀、銅、ニッケル、インジウム、スズ、アルミニウム、および、これらの金属を含む合金が例示される。これらの材質のうちでは、電気伝導性および熱伝導性の点で、銀、銀合金、銅、銅合金が好ましく、銀が特に好ましい。銀粒子は、表面や内部が酸化銀または過酸化銀であってもよいが、その割合は50%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、5%以下であることが特に好ましい。銅粒子は、表面や内部が酸化銅であってもよいがその割合は50%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、5%以下であることが特に好ましい。
【0038】
導電性金属粒子は、通常、単独の材質からなるが、複数の材質の粒子の混合物であってもよい。導電性金属粒子は、それら導電性金属(例えば銀)により表面がメッキされた金属(例えば、銅、ニッケル、インジウム、スズまたはアルミニウム)粒子、それら導電性金属(例えば、銀)により表面がメッキされた樹脂(例えば、エポキシ樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂)粒子であってもよい。
【0039】
導電性金属粒子の形状は、球状、粒状、液滴状またはフレーク状であることが好ましく、球状、粒状、液滴状であることがより好ましい。そのメディアン径は、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜10μmであることがより好ましい。また、導電性金属粒子の材質、形状および粒径が異なった複数の導電性金属粒子を併用しても良い。
【0040】
導電性金属粒子は、導電性金属粒子の凝集防止のため表面が有機物で被覆ないし処理されていることが好ましい。そのような有機物としては、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、高分子分散剤およびアルキルアミン等が例示される。被覆効果、処理効果の点で特には炭素原子数が6以上の脂肪酸が好ましい。また、有機物の被覆量は、加熱焼結性金属粒子100質量部中に0.1〜5質量部であることが好ましい。
【0041】
導電性金属粒子の配合量は、導電性加熱硬化性樹脂が常温においてペースト状となる量である。加熱硬化性樹脂の種類、粘度、および、導電性金属粒子の粒径、比表面積、形状などにより変動するが、具体的には、例えば、導電性加熱硬化性樹脂ペースト100質量部中に40〜80質量部である。
本発明で使用する導電性加熱硬化性樹脂ペーストは、本発明の目的に反せず、効果を損なわない限り、導電性金属粒子以外の金属系または非金属系の粉体、金属化合物、金属錯体、チクソ剤、安定剤、溶剤、希釈剤、着色剤等の添加物を少量ないし微量含有してもよい。
【0042】
金属素線織物の両面に加熱焼結性金属粒子組成物層を形成するための加熱焼結性金属粒子ペーストは、加熱焼結性を有する金属粒子と揮発性分散媒からなり、常温でペースト状である。
【0043】
加熱焼結性金属粒子のメディアン径は0.01μm以上10μm以下であることが好ましい。メディアン径が10μmを越えると、加熱焼結性金属粒子の焼結性が低下するためである。しかし、メディアン径が0.01μm未満であると加熱焼結性金属粒子は表面活性が強すぎて、加熱焼結性金属粒子ペーストの保存安定性が低下し、加熱焼結時の接合強度が不均一になるため、メディアン径は0.01μm以上であり、0.1μm以上であることが好ましい。
なお、メディアン径は、レーザ回折式粒度分布測定装置により、粒子の粒度分布を体積基準で測定し、得られた体積基準粒度分布曲線において積算値が50%となるときの粒径値のことである。
【0044】
加熱焼結性金属粒子の材質は、金、銀、銅、パラジウム、スズ、および、これらの金属を含む合金が例示される。これらの材質のうちでは、加熱焼結性、焼結物の電気伝導性および熱伝導性の点で、銀、銀合金、銅、銅合金が好ましく、銀が特に好ましい。銀粒子は、表面や内部が酸化銀または過酸化銀であってもよいが、その割合は50%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、5%以下であることが特に好ましい。銅粒子は、表面や内部が酸化銅であってもよいがその割合は50%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、5%以下であることが特に好ましい。
【0045】
加熱焼結性金属粒子は、通常、単独の材質からなるが、複数の材質の粒子の混合物であってもよい。加熱焼結性金属粒子は、それら加熱焼結性金属(例えば銀)により表面がメッキされた金属(例えば、銅、ニッケル、スズまたはアルミニウム)粒子、それら加熱焼結性金属(例えば、銀)により表面がメッキされた樹脂(例えば、エポキシ樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂)粒子であってもよい。
【0046】
加熱焼結性金属粒子の形状は、加熱焼結性があれば特に限定されず、球状,針状,角状,樹枝状,繊維状,フレーク状(片状),粒状, 不規則形状,涙滴状が例示される(JIS Z2500:2000参照)。さらには楕円球状,海綿状,ぶどう状,紡錘状,略立方体状等が例示される。
その形状は、多孔質焼結物を形成しやすい点で球状、粒状、涙滴状およびフレーク状が好ましい。
ここで言う球状とは、ほぼ球に近い形状である(JIS Z2500:2000参照)。必ずしも真球状である必要はなく、粒子の長径(DL)と短径(DS)との比(DL)/(DS)(球状係数と言うことがある)が1.0〜1.2の範囲にあるものが好ましい。
粒状とは、不規則形状のものではなく、幅,奥行き,高さがほぼ等しい寸法をもち、丸っぽい形状である。
涙滴状とは、涙滴が示すような丸みを帯びた不規則形状である。
フレーク状(片状)とは、薄板のような形状であり、鱗のように薄い板状であることから鱗片状とも言われるものである。いずれの形状であっても粒度分布は限定されない。
【0047】
好ましい加熱焼結性金属粒子は、加熱焼結性の点で、還元法で作られた銀粒子である。なお、還元法による銀粒子の製造方法は多く提案されており、例えば、硝酸銀水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて酸化銀を調製し、これにホルマリンのような還元剤の水溶液を加えることにより酸化銀を還元して銀粒子分散液とし、分散液をろ過し、ろ過残渣を水洗し、乾燥をおこなうことにより製造される。
【0048】
加熱焼結性金属粒子は、加熱焼結性金属粒子の凝集防止のため表面が有機物で被覆ないし処理されていることが好ましい。そのような有機物としては、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、高分子分散剤およびアルキルアミン等が例示される。被覆効果、処理効果の点で特には炭素原子数が6以上の脂肪酸が好ましい。また、有機物の被覆量は、加熱焼結性金属粒子100質量部中に0.1〜5質量部であることが好ましい。
【0049】
加熱焼結性金属粒子ペースト中の揮発性分散媒は、粉状である加熱焼結性金属粒子をペースト状にするために配合される。揮発性分散媒の沸点は、常圧において60℃〜300℃であることが好ましい。
【0050】
そのような揮発性分散媒は、炭素原子および水素原子からなる揮発性炭化水素化合物、炭素原子,水素原子および酸素原子からなる揮発性有機化合物、炭素原子,水素原子および窒素原子からなる揮発性有機化合物、炭素原子,水素原子,酸素原子および窒素原子からなる揮発性有機化合物、前記揮発性有機化合物のうちの親水性揮発性有機化合物と水との混合物などから選択される。これらはいずれも常温において液状である。
【0051】
具体的には、炭素原子,水素原子および酸素原子からなる揮発性有機化合物として、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール等の揮発性一価アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ、メチルカルビトール)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エメチルセロソルブ、エチルカルビトール)、エチレングリコールモノプロピルエーテル(プロピルセロソルブ、プロピルカルビトール)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルメトキシブタノール等のエーテル結合を有する揮発性一価アルコール;ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコールなどの揮発性アラルキルアルコール;テルピネオール等のテルペン系アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの揮発性多価脂肪族アルコールが例示される。
【0052】
さらにはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイゾブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール(4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン)、2−オクタノン、イソホロン(3、5、5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン)、ジイブチルケトン(2、6−ジメチル−4−ヘプタノン)等の揮発性脂肪族ケトン;酢酸エチル(エチルアセテート)、酢酸ブチル、アセトキシエタン、酪酸メチル、ヘキサン酸メチル、オクタン酸メチル、デカン酸メチル、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、1,2−ジアセトキシエタンのような揮発性脂肪族カルボン酸エステル;テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、エトキシエチルエーテル、1,2−ビス(2−ジエトキシ)エタン、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン等の揮発性脂肪族エーテルが例示される。その他に、酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エタンのようなエステルエーテル、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール等のエーテルアルコールが例示される。
【0053】
炭素原子および水素原子からなる揮発性炭化水素化合物として、n−パラフィン、イソパラフィン等の揮発性脂肪族炭化水素;リモネンなどのテルペン系炭化水素;トルエン、キシレン等の揮発性芳香族炭化水素が例示される。
【0054】
炭素原子、水素原子および窒素原子からなる揮発性有機化合物として、アセトニトリル、プロピオニトリルのような揮発性アルキルニトリルが例示される。
炭素原子、水素原子、酸素原子および窒素原子からなる揮発性有機化合物として、アセトアミド、N、N-ジメチルホルムアミドのような揮発性カルボン酸アミドが例示される。その他に、低分子量の揮発性シリコーンオイルおよび揮発性有機変成シリコーンオイルが例示される。
【0055】
揮発性分散媒の配合量は、加熱焼結性金属粒子を常温においてペースト状にするのに十分な量である。加熱焼結性金属粒子の粒径、比表面積、形状など、および、揮発性分散媒の種類、粘度などにより、ペースト状にするのに十分な量は変動するが、具体的には、例えば、加熱焼結性金属粒子100質量部当たり3〜30質量部である。
本発明で使用する加熱焼結性金属粒子ペーストには、本発明の目的に反せず、効果を損なわない限り、加熱焼結性金属粒子以外の金属系または非金属系の粉体、金属化合物、金属錯体、チクソ剤、安定剤、着色剤等の添加物を少量ないし微量含有しても良い。
【0056】
本発明の接合方法で使用するハンダ粒子ペースト、導電性加熱硬化性樹脂ペースト、加熱焼結性金属粒子ペーストは、常温でペースト状である。なお、ペースト状はクリーム状やスラリー状を含む。ペースト化することにより、メタル印刷塗布、ステンシル印刷塗布、シリンダーやノズルによる塗布が容易となる。
【0057】
本発明の金属製部材接合用シートにおいて、金属素線織物の両面に存在するハンダ粒子ペースト層、導電性加熱硬化性樹脂ペースト層または加熱焼結性金属粒子ペースト層の厚さは、金属素線織物を金属製部材へ接着するのに十分な厚さであれば特に限定されないが、好ましくは、20μm〜1000μmであり、より好ましくは、50μm〜500μmである。
【0058】
本発明の金属製部材の接合方法は、前記した、金属素線織物の両面にハンダ粒子ペースト層, 導電性加熱硬化性樹脂ペースト層または加熱焼結性金属粒子ペースト層を有する金属製部材接合用シートを、複数の金属製部材間に介在させ、加熱して、ハンダ粒子を溶融させ、導電性加熱硬化性樹脂を硬化させ、または、加熱焼結性金属粒子を焼結させることを特徴とする。
【0059】
本発明の第2の金属製部材の接合方法は、金属素線織物の両面と複数の金属製部材の間にハンダ粒子ペースト,導電性加熱硬化性樹脂ペーストまたはペーストを介在させ、加熱して、ハンダ粒子を溶融させ、導電性加熱硬化性樹脂を硬化させ、または、加熱焼結性金属粒子を焼結させることを特徴とする。
【0060】
その際に使用する金属製部材は、ハンダ粒子が溶融し、導電性加熱硬化性樹脂が硬化し、または、加熱焼結性金属粒子を焼結して、接着する被接合体である。
金属製部材の材質としては、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、スズ、鉄、および、これら各金属を含む合金が例示される。これらのうちでは導電性、接合性の点で、金、銀、銅、ニッケル、スズまたはこれらを含む合金であることが好ましい。
【0061】
金属製部材は前記金属で全体または一部をメッキされたものであってもよく、本発明においては、前記金属で全体または一部をメッキされたものも金属製部材である。そのような金属製部材として、セラミック製部材、合成樹脂製部材の全体または一部を前記金属でメッキしたものが例示される。金属製部材としては、全体または一部が金属で形成されたリードフレーム、プリント基板、半導体チップ、半導体チップ封止用のキャン、ケース、キャップおよびリッド、放熱板が例示される。
【0062】
本発明の金属製部材の接合方法において、金属素線織物の両面に存在する加熱焼結性金属粒子ペースト、および、金属素線織物の両面と複数の金属製部材間に存在する加熱焼結性金属粒子ペーストは、加熱されると、揮発性分散媒が揮散し、該加熱焼結性金属粒子同士が焼結して多孔質焼結物となる。この多孔質焼結物は、断面における空孔率が、好ましくは面積比で5%〜50%である。
【0063】
接合作業時の雰囲気は、金属素線織物、加熱焼結性金属粒子および金属製部材の材質が銅、銅合金、スズまたはスズ合金のように酸化されやすい材質の場合には、酸素ガスを含まない、窒素ガス等の不活性ガス、水素ガスを含む還元性ガスが好ましい。還元性ガスとしては、水素ガス5〜25体積%と窒素ガス95〜75体積%からなるフォーミングガスが例示される。
金属素線織物、加熱焼結性金属粒子および金属製部材が銀または銀合金からなる場合は、酸素ガスを含む酸化性ガス、特には大気が好ましい。なお、接合に使用する加熱焼結性金属粒子ペースト中の金属粒子と金属製部材の表面金属は、合金を形成しやすい金属であってもよい。
【0064】
接合作業時の加熱温度は、ハンダ粒子が溶融し、導電性加熱硬化性樹脂が硬化し、または、加熱焼結性金属粒子を焼結すればよく、通常70℃以上であり、150℃以上がより好ましい。しかし、380℃を越えると、導電性加熱硬化性樹脂中の樹脂が熱分解する恐れがあるため、380℃以下であることが好ましく、300℃以下であることがより好ましい。
【0065】
本発明の金属製部材接合体は、複数の金属製部材間に、金属素線織物の両面にハンダ層,導電性硬化樹脂層または金属粒子焼結層を有する金属製部材接合用シートが介在し、該金属製部材はハンダ層,導電性硬化樹脂層または金属粒子焼結層と接着していることを特徴とする。
【0066】
本発明の金属製部材接合体における金属製部材として、金属部分を有する電子部品、例えば、コンデンサ,抵抗等のチップ部品、ダイオード,メモリ,IC,IGBT,CPU等の半導体チップ、高発熱のIGBTチップ,CPUチップ、リードフレーム、回路基板、冷却板が例示される。さらには、金属部分を有する、電子装置、電気部品、電気装置が例示される。
【0067】
複数の金属製部材は、通常2個であるが、3個以上であってもよい。
複数の金属製部材が2個の場合は、2個の金属製部材間に、金属素線織物の両面にハンダ層,導電性硬化樹脂層または金属粒子焼結層を有する金属製部材接合用シートが挟持されている。複数の金属製部材が3個の場合は、3個の金属製部材間に、金属素線織物の両面にハンダ層,導電性硬化樹脂層または金属粒子焼結層を有する金属製部材接合用シートが挟持されている。
【0068】
本発明の金属製部材接合体においては、例えば、金属部分を有する電子部品が、金メッキ基板、銀基板、銀メッキ金属基板、銅基板、アルミニウム基板、ニッケルメッキ基板、スズメッキ金属基板、鉄を含むリードフレーム等の金属系基板へ強固に耐久性よく接着し、電気絶縁性基板上の電極等の導電性金属部分へ強固に耐久性よく接着している。これら金属製部材接合体においては、金属素線織物の両面にハンダ層,導電性硬化樹脂層または金属粒子焼結層を有する金属製部材接合用シートが、複数の金属製部材間に挟持されているので、熱衝撃耐性に優れている。
【0069】
複数の金属製部材間の接合として、コンデンサ,抵抗等のチップ部品と回路基板との接合、ダイオード,メモリ,IC,IGBT,CPU等の半導体チップとリードフレームもしくは回路基板との接合、高発熱のIGBTチップ,CPUチップと冷却板との接合が例示される。
【実施例】
【0070】
本発明の実施例と比較例を掲げる。実施例と比較例中、部と記載されているのは、質量部を意味する。
測定項目および測定方法は以下の通りである。なお、測定時の温度は特に記載のない場合は25℃である。
【0071】
[金属素線織物の両面にハンダ合金層、導電性硬化エポキシ樹脂層または銀粒子焼結層を形成した試験体の体積抵抗率および熱伝導率]
縦および横が10mmで厚さ500μmの金属素線織物(直径が0.08mm、断面が円状で材質が銅または銅にスズメッキした金属素線を6本有する束で平織したもの)の両面に、各々50μmのハンダ粒子ペースト、加熱焼結性エポキシ樹脂ペーストまたは加熱焼結性金属粒子ペーストをステンシル印刷にて塗布し、ハンダ粒子ペーストにおいては、リフロー炉で窒素気流中、230℃、10分間加熱して、該金属素線織物の両面にハンダ合金層を形成した。導電性加熱硬化性エポキシ樹脂ペーストおよび加熱焼結性銀粒子ペーストにおいては、窒素気流循環式オーブン中、230℃、1時間加熱して、該金属素線織物の両面に導電性硬化エポキシ樹脂層を形成した。また同様に該金属素線織物の両面に銀粒子焼結層を形成した。
【0072】
このようにして作製した熱伝導率測定用試験体について、レーザーフラッシュ法により熱伝導率(単位;W/m・K)を測定した。
【0073】
また、このようにして作製した体積抵抗率測定用試験体について、JIS K 7194に準じた方法により体積抵抗率(単位;Ω・cm)を測定した。
【0074】
[接合強度測定用試験体(1)の作製および熱衝撃を加える前と後のせん断接着強さ]
幅25mm×長さ70mm、厚さ1.0mmの金メッキ基板1(金純度99.99%)上に、10mmの間隔をおいて4つの開口部(2.5mm×2.5mm)を有する50μm厚のメタルマスクを用いて、ハンダペースト、導電性加熱硬化性エポキシ樹脂ペーストまたは加熱焼結性銀粒子ペーストを印刷塗布し、その上に縦および横が2.5mmで厚さが500μmの金属素線織物(直径が0.08mm、断面が円状で材質が銅または銅にスズメッキした金属素線を6本有する束で平織したもの)を搭載し、その上に、厚さが50μmとなる量のハンダ粒子ペースト、導電性加熱硬化性エポキシ樹脂ペーストまたは加熱焼結性銀粒子ペーストを塗布し、その上にサイズが2.5mm×2.5mm×0.5mmの銀チップ3(銀純度99.99%)を搭載した。
ついで、これを、ハンダ粒子ペーストにおいては、リフロー炉で窒素気流中、230℃、10分間加熱して、ハンダ合金により金メッキ基盤と銀チップを接合し、導電性加熱硬化性エポキシ樹脂ペーストおよび加熱焼結性銀粒子ペーストにおいては、窒素気流循環式オーブン中、230℃、1時間加熱して、導電性エポキシ樹脂硬化物または銀粒子焼結物により、金メッキ基盤と銀チップを接合した。
【0075】
かくして得られた接合強度測定用試験体(1)を、熱衝撃を加える前の試験体とした。また、該接合強度測定用試験体(1)を、冷熱衝撃試験機にて、−40℃で30分間放置と+150℃で30分間放置を1サイクルとする冷熱衝撃を1000サイクルおこない、熱衝撃を加えた後の試験体とした。
【0076】
前記試験体(1)を、接着強さ試験機の試験体取付け具にセットし、該銀チップ3の側面を接着強さ試験機の押圧棒により押厚速度23mm/分で押圧し、接合部がせん断破壊したときの荷重をもって接着強さ(単位;MPa)とした。4個の平均値をせん断接着強さとした。
なお、せん断接着強さ測定用試験体の平面図を
図2に示し、該平面図におけるX−X線断面図を
図3に示した。
【0077】
[接合強度測定用試験体(2)の作製および熱衝撃を加える前と後のせん断接着強さ]
幅25mm×長さ70mm、厚さ1.0mmの金メッキ基板1(金純度99.99%)上に、10mmの間隔をおいて4つの開口部(2.5mm×2.5mm)を有する600μm厚のメタルマスクを用いて、ハンダ粒子ペースト、導電性加熱硬化性エポキシ樹脂ペーストまたは加熱焼結性銀粒子ペーストを印刷塗布し、その上に、サイズが2.5mm×2.5mm×0.5mmの銀チップ3(銀純度99.99%)を搭載した。
ついで、これを、ハンダ粒子ペーストにおいては、リフロー炉で窒素気流中、230℃、10分間加熱して、ハンダ合金により金メッキ基盤と銀チップを接合し、導電性加熱硬化性エポキシ樹脂ペーストおよび加熱焼結性銀粒子ペーストにおいては、窒素気流循環式オーブン中、230℃、1時間加熱して、導電性エポキシ樹脂硬化物または銀粒子焼結物により、金メッキ基盤と銀チップを接合して、接合強度測定用試験体(2)を作製した。
【0078】
かくして得られた該接合強度測定用試験体(2)を、熱衝撃を加える前の試験体とした。また、該接合強度測定用試験体(2)を、冷熱衝撃試験機にて、−40℃で30分間放置と+150℃で30分間放置を1サイクルとする冷熱衝撃を1000サイクルおこない、熱衝撃を加えた後の試験体とした。
【0079】
前記試験体(2)を接着強さ試験機の試験体取付け具にセットし、該銀チップ3の側面を接着強さ試験機の押圧棒により押厚速度23mm/分で押圧し、接合部がせん断破壊したときの荷重をもって接着強さ(単位;MPa)とした。4個の平均値をせん断接着強さとした。
【0080】
[参考例1]
Sn−Ag−Cu合金(固相線温度は218℃、液相線温度は220℃)であり、メディアン径が30μmのハンダ合金粒子90部と、ベース樹脂として重合ロジン(商品名:アラダイム)、活性剤としてシクロヘキシルアミン臭化水素酸塩(試薬)、チクソ付与剤としてジベンジリデンソルビトール誘導体(試薬)、溶媒としてブチルカルビトール(試薬)を含む液状フラックス10部からなる、ハンダ粒子ペーストを調製した。該ハンダ粒子ペーストの粘度は200Pa・sであった。
【0081】
[参考例2]
還元法で製造され、表面がオレイン酸で被覆された銀粒子(形状:粒状、メディアン径:1.0μm、オレイン酸量:0.3重量%)50部と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:jER828)37.5部、1官能性エポキシ樹脂希釈剤(商品名:ED509S)4.0部、エポキシ樹脂硬化剤(商品名:PN−40)8.5部からなる、導電性加熱硬化性エポキシ樹脂ペーストを調製した。該導電性加熱硬化性エポキシ樹脂ペーストの粘度は100Pa・sであった。
【0082】
[参考例3]
還元法で製造され、表面がヘキサン酸で被覆された銀粒子(形状:粒状、メディアン径:1.0μm、ヘキサン酸量:0.3重量%)100部と、揮発性分散媒としてオクタンジオール(試薬)10部からなる、加熱焼結性銀粒子ペーストを調製した。該加熱焼結性金属粒子ペーストの粘度は20Pa・sであった。
【0083】
[実施例1]
【0084】
直径が0.08mm、断面が円状で材質が銅にスズメッキした金属素線を6本有する束で平織した金属素線織物の両面に、参考例1で調製したハンダ粒子ペーストを厚さ50μmとなるように塗布し、リフロー炉で窒素気流中、230℃で10分間加熱して金属素線織物の両面にハンダ合金層を形成することにより、熱伝導率測定用試験体および体積抵抗率測定用試験体を作製した。
これらの試験体について、熱伝導率および体積抵抗率を測定し、結果を表1にまとめて示した。
【0085】
前記金属素線織物および参考例1で調製したハンダ粒子ペーストなどを使用して、接合強度測定用試験体(1)を作製した。作製条件は接合強度測定用試験体(1)の作製および熱衝撃を加える前と後のせん断接着強さ]に記載したとおりである。これらの試験体について、熱衝撃を加える前と後のせん断接着強さを測定し、結果を表1にまとめて示した。
【0086】
以上の結果により、本発明の、金属素線織物の両面にハンダ層を有する金属製部材接合用シートを用いた金属製部材の接合方法によると、金属製部材同士を強固に接合することができ、熱衝撃耐性が優れ、熱伝導性と電気伝導性が損なわれない金属製部材接合体となることがわかった。
【0087】
[実施例2]
直径が0.08mm、断面が円状で材質が銅にスズメッキした金属素線を6本有する束で平織した金属素線織物の両面に、参考例2で調製した導電性加熱硬化性エポキシ樹脂ペーストを厚さ50μmとなるように塗布し、窒素気流循環式オーブンで、230℃、1時間加熱して金属素線織物の両面に導電性エポキシ樹脂硬化物層を形成することにより、熱伝導率測定用試験体および体積抵抗率測定用試験体を作製した。
これらの試験体について、熱伝導率および体積抵抗率を測定し、結果を表1にまとめて示した。
【0088】
前記金属素線織物および参考例2で調製した導電性加熱硬化性エポキシ樹脂ペーストなどを使用して、接合強度測定用試験体(1)を作製した。作製条件は[接合強度測定用試験体(1)の作製および熱衝撃を加える前と後のせん断接着強さ]に記載したとおりである。これらの試験体について、熱衝撃を加える前と後のせん断接着強さを測定し、結果を表1にまとめて示した、
【0089】
以上の結果により、本発明の金属素線織物の両面に,導電性硬化エポキシ樹脂層を有する金属製部材接合用シートを用いた金属製部材の接合方法によると、金属製部材同士を強固に接合することができ、熱衝撃耐性が優れ、熱伝導性と電気伝導性が損なわれない金属製部材接合体となることがわかった。
【0090】
[実施例3]
直径が0.08mm、断面が円状で材質が銅である金属素線を6本有する束で平織した金属素線織物の両面に、参考例3で調製した加熱焼結性銀粒子ペーストを厚さ50μmとなるように塗布し、窒素気流循環式オーブンで、230℃、1時間加熱して前記金属素線織物の両面に銀粒子焼結物層を形成することにより、熱伝導率測定用試験体および体積抵抗率測定用試験体を作製した。
これらの試験体について、熱伝導率および体積抵抗率を測定し、結果を表1にまとめて示した。
【0091】
前記金属素線織物および参考例3で調製した加熱焼結性銀粒子ペーストなどを使用して、接合強度測定用試験体(1)を作製した。作製条件は[接合強度測定用試験体(1)の作製および熱衝撃を加える前と後のせん断接着強さ]に記載したとおりである。これらの試験体について、熱衝撃を加える前と後のせん断接着強さを測定し、結果を表1にまとめて示した。
【0092】
以上の結果により、本発明の金属素線織物の両面に銀粒子焼結層を有する金属製部材接合用シートを用いる金属製部材の接合方法によると、金属製部材同士を強固に接合することができ、熱衝撃耐性が優れ、熱伝導性と電気伝導性が損なわれない金属製部材接合体となることがわかった。
【0093】
[比較例1]
フッ素樹脂製の板上に、参考例1で調製したハンダ粒子ペーストを縦10mm、横10mm、厚さ600μmとなるように印刷塗布し、リフロー炉で窒素気流中、230℃、10分間加熱してハンダ合金のみからなる熱伝導率測定用試験体および体積抵抗率測定用試験体を作製した。
これらの試験体について、熱伝導率および体積抵抗率を測定し、結果を表2にまとめて示した。
【0094】
参考例1で調製したハンダ粒子ペーストを用いて、ハンダ合金の厚さが600μmである接合強度測定用試験体(2)を作製した。作製条件は[接合強度測定用試験体(2)の作製および熱衝撃を加える前と後のせん断接着強さ]に記載したとおりである。この試験体について、熱衝撃を加える前と後のせん断接着強さを測定し、結果を表2にまとめて示した。
【0095】
以上の結果により、金属素線織物の両面にハンダ合金層を有する金属製部材接合用シートを用いない金属製部材の接合方法では、熱衝撃耐性の劣る金属製部材接合体となることがわかった。
【0096】
[比較例2]
フッ素樹脂製の板上に、参考例2で調製した導電性加熱硬化性エポキシ樹脂ペーストを縦10mm、横10mm、厚さ600μmとなるように印刷塗布し、窒素気流循環式オーブンで、230℃、1時間加熱して導電性エポキシ樹脂硬化物のみからなる熱伝導率測定用試験体および体積抵抗率測定用試験体を作製した。
これらの試験体について、熱伝導率および体積抵抗率を測定し、結果を表2にまとめて示した。
【0097】
参考例2で調製した導電性加熱硬化性エポキシ樹脂ペーストを用いて、導電性エポキシ樹脂硬化物の厚さが600μmである接合強度測定用試験体(2)を作製した。作製条件は[接合強度測定用試験体(2)の作製および熱衝撃を加える前と後のせん断接着強さ]に記載したとおりである。この試験体について、熱衝撃を加える前と後のせん断接着強さを測定し、結果を表2にまとめて示した。
【0098】
以上の結果により、金属素線織物の両面に導電性硬化エポキシ樹脂層を有する金属製部材接合用シートを用いない金属製部材の接合方法は、熱衝撃耐性の劣る金属製部材接合体となることがわかった。
【0099】
[比較例3]
フッ素樹脂製の板上に、参考例3で調製した加熱焼結性銀粒子ペーストを縦10mm、横10mm、厚さ600μmとなるように印刷塗布し、窒素気流循環式オーブンで、230℃、1時間加熱して銀粒子焼結物のみからなる熱伝導率測定用試験体および体積抵抗率測定用試験体を作製した。
これらの試験体について、熱伝導率および体積抵抗率を測定し、結果を表2にまとめて示した。
【0100】
参考例3で調製した加熱焼結性銀粒子ペーストを用いて、銀粒子焼結物の厚さが600μmである接合強度測定用試験体(2)を作製した。作製条件は[接合強度測定用試験体(2)の作製および熱衝撃を加える前と後のせん断接着強さ]に記載したとおりである。この試験体について、熱衝撃を加える前と後のせん断接着強さを測定し、結果を表2にまとめて示した。
【0101】
以上の結果により、金属素線織物の両面に銀粒子焼結層を有する金属製部材接合用シートを用いない金属製部材の接合方法は、熱衝撃耐性の劣る金属製部材接合体となることがわかった。
【0102】
【表1】
【0103】
【表2】
【解決手段】金属素線織物の両面に、ハンダ粒子ペースト層,導電性加熱硬化性樹脂ペースト層または加熱焼結性金属粒子ペースト層を有する、金属製部材接合用シート。前記金属製部材接合用シートを複数の金属製部材間に介在させ、加熱して、ハンダ粒子を溶融させ,導電性加熱硬化性樹脂を硬化させ,または,加熱焼結性金属粒子を焼結させる金属製部材の接合方法。複数の金属製部材間に、前記金属製部材接合用シートが介在し、該金属製部材はハンダ層,導電性硬化樹脂層または金属粒子焼結層と接着している、金属製部材接合体。