特許第6239252号(P6239252)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6239252
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】電気スイッチ構成
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/62 20060101AFI20171120BHJP
   H01H 9/16 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   H01H13/62
   H01H9/16 A
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-81601(P2013-81601)
(22)【出願日】2013年3月22日
(65)【公開番号】特開2013-201130(P2013-201130A)
(43)【公開日】2013年10月3日
【審査請求日】2016年3月17日
(31)【優先権主張番号】10 2012 005 960.4
(32)【優先日】2012年3月23日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】502458039
【氏名又は名称】ジョンソン エレクトリック ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ケプセル
【審査官】 関 信之
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−011238(JP,U)
【文献】 実開昭50−014572(JP,U)
【文献】 特開平10−275535(JP,A)
【文献】 米国特許第04238653(US,A)
【文献】 登録実用新案第3048715(JP,U)
【文献】 実開昭62−131326(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/62
H01H 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気スイッチ構成であって、
スイッチハウジングと、
2つの固定スイッチング状態にもたらすことができる前記スイッチハウジングにおいて案内される少なくとも1つのボタンと、
前記スイッチング状態の少なくとも一方が到達された時を示すディスプレイと、
を含み、
バネが、前記ボタンの内側に該ボタンの移動の方向に対してほぼ直角に配列され、該バネは、前記スイッチハウジングの区画に形成された案内軌道において案内され、
弾性スイッチングマットが前記ハウジングに配列されている、
ことを特徴とするスイッチ構成。
【請求項2】
前記案内軌道は、心臓形曲線の形態にあることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ構成。
【請求項3】
前記バネは、U字形状に曲げられた1片のワイヤであり、これは、そのU字基部の領域において前記ボタンの内側に保持され、一方のU字脚の自由端が、前記案内軌道と同じ範囲まで延びることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスイッチ構成。
【請求項4】
前記突出するU字脚の中間区画が、前記ボタンにおける突出の一方の側面に対して同一平面に位置することを特徴とする請求項3に記載のスイッチ構成。
【請求項5】
他方のU字脚が、前記ボタンの他の区画に対して同一平面に位置することを特徴とする請求項4に記載のスイッチ構成。
【請求項6】
前記突出するU字脚は、一方のスイッチング状態で無負荷状態であり、かつ前記案内軌道に沿った前記ボタンの移動の結果として該U字脚の前記平面において偏向可能であることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載のスイッチ構成。
【請求項7】
前記ボタンは、キャップによって覆われることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のスイッチ構成。
【請求項8】
前記ボタンは、前記スイッチハウジングの中に延びるホイル上に配列されたスイッチ構成要素に対して作用することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のスイッチ構成。
【請求項9】
光源が、前記スイッチハウジングの内側で前記ホイル上に配列されたLEDによって形成され、前記ボタン及びスイッチングマットのうちの少なくとも1つが、半透明材料から作られることを特徴とする請求項8に記載のスイッチ構成。
【請求項10】
前記スイッチハウジングは、2つの部分に構成され、前記案内軌道を備えた構成要素が、基部構成要素の上にかつそれに締結されて配列されることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のスイッチ構成。
【請求項11】
少なくとも1つの光源が、前記スイッチハウジングの内側に配列され、前記ボタン及びスイッチングマットのうちの少なくとも一方が、半透明材料から作られることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のスイッチ構成。
【請求項12】
前記スイッチングマットは、前記ホイルの上に直接に配置されることを特徴とする請求項8に記載のスイッチ構成。
【請求項13】
前記スイッチは、押しボタンスイッチであることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のスイッチ構成。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気スイッチ構成に関し、特に、2つの固定スイッチング状態を有するスイッチと、スイッチング状態の少なくとも一方が到達された時を示すディスプレイとに関する。
【背景技術】
【0002】
そのような電気スイッチ構成は、例えば、自動車内でスイッチが作動された時に、運転者及び/又は助手席搭乗者が、スイッチが作動されたことを見ることができなければならないような様々な目的のために使用される。そのような例として、電気式後部ガラス加熱器のためのスイッチ又はハザード警告灯システムのためのスイッチも含まれる。このようなスイッチを用いて、スイッチング状態は、画像表示によって示され、この画像表示は、そのスイッチング状態が到達したことを示す。
【0003】
スイッチハウジング内に導かれたボタンは、一方のスイッチング状態では電気回路が閉じられ、他方のスイッチング状態では電気回路が開く2つの固定スイッチング状態にすることができる。そのようなボタンは、プッシュボタン又はプルボタン、又は同じく回転式ボタンの形態とすることができる。
【0004】
少なくとも1つの固定スイッチング状態を生成するために心臓形曲線の形態の案内軌道を使用する電気スイッチング構成が従来技術で公知である。ボタンと作動的接続状態にあるバネが、この心臓形曲線内に案内され、バネは、多くの場合に軌道曲線に沿ってばかりでなく傾斜路の上にも案内される。傾斜路は、一方の側に漸変的な上向き傾斜を有し、そのためにバネの一部分はその上で摺動することができるが、傾斜路の端部でより低いレベルまで急激に落下し、バネがこの傾斜路の上を通過してより低いレベルまで下降する時に騒音が発生する。バネは、3方向で案内され、それは、共振増幅器としても機能する。
【0005】
加えて、バネのアラインメントは、例えば、DE 197 14 163 C2から公知のスイッチが比較的高い構造体であるように、従来技術によれば一般的に垂直である。構造的高さがより高いことは、設置空間が極端に制限される多くの作動的使用において具合が悪いものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】DE 197 14 163 C2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、設置高さがより低く、騒音の発生が少ない安全なスイッチングを可能にする電気スイッチ構成の要望がある。同時に、スイッチング状態の信頼性のある表示は、妨げられてはならない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この要望は、バネが、ボタンの移動の方向に対してほぼ直角にボタンの内側に配列され、バネは、スイッチハウジングの区画内の案内軌道で案内されるという点で本発明によって満足される。
【0009】
本発明によるスイッチ構成では、バネは、ボタンがプッシュボタンの形態を有する時に垂直に整列しない。プッシュボタンは、スイッチハウジング内で線形運動を説明し、バネは、この運動に対して直角に整列する。従って、バネは、構造的高さを低減することが可能であるようにボタンの運動の方向に対して横断方向に整列する。バネは、スイッチハウジングに位置付けられた案内軌道内に突出する。ボタンは、バネを通じてこの案内軌道に沿って移動することができ、案内軌道は、ボタンが固定スイッチング状態にもたらすことができ、その結果異なるスイッチング状態を取るような公知の方式で成形される。
【0010】
本発明の第1の改良により、案内軌道が心臓形曲線であることを提供する。バネは、互いに異なる心臓形曲線の凸状区画に位置を取ることができる。バネが純粋に2次元で案内されるように、傾斜路又は類似の3次元輪郭を備えたこの心臓形曲線の高さの違いはもたらされない。これは、最小の騒音発生をもたらす。
【0011】
本発明のその後の改良により、バネが、ほぼU字形状に湾曲してプッシュボタンにおいてその基部領域内に保持されたワイヤ区画を有し、U字形状の1つの脚の自由端が案内軌道内に突出することを提供する。バネは、従って、U字形状に湾曲し又は曲げられ、かつボタンの感知運動の方向に対して直角に整列したワイヤ区画の形態を有する。U字形状バネの2つの脚は、従って、同じ平面にあり、かつ感知運動の方向と垂直である。バネは、プッシュボタン内に保持され、これは、U字形状バネの基部によるこの改良によって保証される。それが、この領域に固定されるので、U字形状の脚の少なくとも一方、特に、その自由端が案内軌道の中に突出する脚は移動することができる。U字形状のこの突出する脚の中間区画は、好ましくは、U字形状の2つの脚の平面内で偏向力を印加することによって自由端が左又は右に偏向することができるようにプッシュボタンの突出の一方の側面と同一平面に位置し、これらの左及び右への偏向は、ボタンが作動された時に案内軌道に沿って移動するために使用される。U字形状バネの他方の脚は、ボタンの他の区画と同一平面に位置することができる。
【0012】
本発明のその後の改良により、U字形状の突出する脚が、一方のスイッチング状態では張力がなく、ボタン移動の結果として案内軌道に沿って偏向することができることを提供する。
【0013】
スイッチ構成の更に別の変形を生成するために、本発明の改良により、弾性スイッチングマットをハウジングの内側に配列することができることを提供することができる。作動された時に、ボタンは、スイッチングマットに向けて押され、スイッチングマットは、内向きバネ偏向が外向きバネ偏向よりも簡単に偏向するように構成することができる。これはまた、迅速なスイッチングを可能にすることによって望ましい触覚を生成することができ、その後にスイッチは、それが再度解放される時にその始動位置まで柔らかく戻る。圧縮バネ又は他のバネ構成要素も、弾性スイッチングマットの代わりに設けることができる。
【0014】
バネを備えたボタンは、好ましくは、スイッチ構成要素に作用する。ボタンを用いて、スイッチング力が実際のスイッチ構成要素に伝達され、それによって電気回路が開閉される。本発明の改良により、スイッチ構成要素が、スイッチハウジングの中に延びるホイル上に配列されることを提供する。スイッチ構成要素は、直接にホイル上に位置付けることができ、従って、構造的高さを最小限まで低くすることを可能にする。これは、次に、スイッチ構成の全体の構造的高さを更に低くすることを可能にする。ホイルは、スイッチハウジングの中に延び、従って、導電体を備えたスイッチ構成の形成に直接に参加する。
【0015】
好ましくは、スイッチハウジングは、案内軌道を備えた構成要素が基部構成要素に締結された2部構成とすることができる。更に、スイッチハウジングの内側に少なくとも1つの光源を配列することができ、この目的のために少なくとも1つのボタン及び存在すればスイッチングマットが半透明材料で製造されることを提供する。ボタン及びスイッチングマットは、光が通過することができるように及び好ましくは光が均等に分配されるように透明又は半透明材料で製造することができる。特に、光が均等に分配される時には、異なるスイッチング状態を取るためのスイッチハウジング内に配列されたバネは、光路の生成に対して妨害を示さない。好ましくは、光源は、ホイル上に配列されたLEDとすることができ、これも構造的高さを更に低くすることを助ける。スイッチ構成の構成要素はまた、穿孔又はチャンネル手段を通して光を案内する必要がないので一般的に簡略化することができ、これは、個々の構成要素の構成をこれに関連してより簡単にすることができることを意味する。
【0016】
スイッチングマットは、ホイルの上に直接に位置決めすることができる。これは、スイッチ構成要素を有するホイル区画のより密な構成を有利にもたらす。
【0017】
本発明の更に別の変形を実現するために、ボタンにキャップが備え付けられることも提供することができる。このキャップには、例えば、ボタンを有する電気回路の機能性を示す記号を備え付けることができる。
【0018】
添付図面の図を参照して、単に一例として本発明の好ましい実施形態が今から説明する。図中、1つよりも多い図に出現する同一の構造、要素、又は部分は、一般的にそれらが出現する全ての図で同じ参照番号でラベル付けされる。図に示す構成要素及び特徴部の寸法は、一般的に呈示の便利さ及び明瞭さのために選択され、必ずしも縮尺に従っていない。図は、以下に列挙する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明による電気スイッチ構成の斜視図である。
図2】カバーを取り外した状態の図1のスイッチ構成の別の斜視図である。
図3図2のスイッチ構成の上面図である。
図4】アセンブリの様々なステージにおける図2及び3のスイッチ構成の構成要素の組立分解概略図である。
図5】拡大して示す図2のスイッチ構成の構成要素の図式側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1のスイッチ構成は、スイッチハウジング1とキャップ2とを含む。キャップ2は、顧客の要望に基づいて修正され、スイッチハウジング1の内側に配列された光源から光が通過するように穿孔又は半透明部分を備え付けることができる。
【0021】
導電通路4を含むホイル3は、スイッチハウジング1の内部の中に延びる。
【0022】
図2に示すようにキャップ2が取り外されると、キャップ2が、ボタン5の上に置かれていることを見ることができる。ボタン5は、スイッチハウジング1の内側に案内され、かつ2つの固定スイッチング状態を取ることができる。スイッチハウジング1は、基部構成要素6と、基部構成要素6の上に締結されて案内軌道13を有する別の構成要素7とで作られる。バネ8は、ボタン5内に挿入される。
【0023】
図3は、バネ8を示している。それは、U字形状に曲げられたワイヤの区画として構成され、それは、U字基部9、突出するU字脚10、及び別のU字脚11を有する。U字基部9は、ボタン5に固定して取り付けられる。突出するU字脚10は、ボタン5の出っ張り12の一方の側面に対して同一平面に位置する。他方のU字脚11は、ボタン5の他の区画に対して同一平面に位置する。
【0024】
突出するU字脚10の自由端は、ボタン5から出て案内軌道13によって構成要素7内に突出する。図5は、この案内軌道13及び破線の13aと、ボタン5が動いている間の突出するU字形状脚10’、10’’、10’’’の様々な位置とを示している。
【0025】
図5では、突出するU字脚10は、最初に電気スイッチ構成がOFF位置にある位置に示されている。ボタン5は、案内軌道13により構成要素7内で下向きに移動し、U字脚10の突出する端部は、案内軌道13に沿って進んで電気スイッチ構成がオンに切り換えられる10’’で所定の位置に到達する。それをOFFに切り換えるために、必要なことの全ては、U字脚10を位置10’’’に移動するためにボタン5を再度押すことであり、次に、ボタン5が解放されると、U字脚10は、それがその始動位置10を再度得るまで案内軌道13の左側面に沿って案内される。その始動位置では、U字脚は、無負荷である。U字脚10が右又は左に偏向される時に、リセット力が発生する。
【0026】
図4は、電気スイッチ構成の個々の構成要素を示している。第1に、基部構成要素6内に導電通路4を備えたホイル3が導入される。導電通路4は、スイッチ構成要素14と光源としてのLED15とに至る。スイッチ構成要素14は、スイッチングマット16を用いて作動され、ボタン5は、スイッチングマット16に対して作用する。案内軌道を備えた構成要素7は、基部構成要素6の上に置かれ、スイッチハウジング1のアセンブリを完了する。
【0027】
ボタン5は、バネ8が挿入された個別の構成要素である。U字形状バネ8の2つの脚10、11は、同じ平面内でボタン5の感知運動の方向と垂直に延びる。スイッチングマット16及び案内軌道13を備えた構成要素7、並びにボタン5は、LED15からの光がボタン5の上に置かれたキャップ2に到達することができるように透明材料で製造することができる。
【0028】
本明細書の説明及び特許請求の範囲では、動詞「comprise」、「include」、「contain」及び「have」の各々と、それらの変形とは、包含的な意味に使用して述べる項目の存在を指定するが、付加的な項目の存在を除外するものではない。
【0029】
本発明を1つ又はそれよりも多くの好ましい実施形態に関連して説明したが、様々な修正が可能であることは当業者によって認められるべきである。従って、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲を参照することによって判断されるものとする。
【符号の説明】
【0030】
1 スイッチハウジング
2 キャップ
3 ホイル
4 導電通路
図1
図2
図3
図4
図5