(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記時間推定手段は、前記ハンドオーバ元無線基地局から受信した能力の情報又は設定の情報に対応する前記ハンドオーバ元無線基地局における前記ユーザ装置についてのデータ滞留量を推定し、当該データ滞留量に基づき前記時間を算出する
ことを特徴とする請求項2に記載の移動通信システム。
ユーザ装置にハンドオーバを行わせるためのハンドオーバ元無線基地局とハンドオーバ先無線基地局とを有する移動通信システムが実行するハンドオーバ転送データ待ち制御方法であって、
前記ハンドオーバ元無線基地局が、前記ユーザ装置にハンドオーバを行わせることを決定したときに、当該ユーザ装置の能力の情報、設定の情報、又はUE非アクティブタイマの値を前記ハンドオーバ先無線基地局に通知する通知ステップと、
前記ハンドオーバ先無線基地局が、前記ハンドオーバ元無線基地局から受信した能力の情報、設定の情報、又はUE非アクティブタイマの値に基づいて、前記ユーザ装置のハンドオーバ時に当該ユーザ装置の通信に係るデータを前記ハンドオーバ元無線基地局から前記ハンドオーバ先無線基地局に転送するためにかかる時間を推定する時間推定ステップと、
前記ハンドオーバ先無線基地局が、前記時間推定ステップにより推定された時間を、前記ユーザ装置のハンドオーバ時に前記ハンドオーバ元無線基地局から転送される当該ユーザ装置の通信に係るデータの転送完了を待つ時間を計る転送データ待ちタイマの値として設定するステップと、を備え、
前記時間推定ステップにおいて、前記ハンドオーバ先無線基地局は、前記ハンドオーバ元無線基地局から受信したUE非アクティブタイマの値に基づいて、前記ハンドオーバ元無線基地局における前記ユーザ装置についてのデータの有無を推定し、当該データの有無に基づき前記時間を算出する
ことを特徴とするハンドオーバ転送データ待ち制御方法。
【背景技術】
【0003】
LTEにおいては、ユーザ装置UEが移動することにより、RRC接続状態(RRC connected状態)のユーザ装置UEに対して、通信を行うのに最適なセルが変わる場合、ユーザ装置UEを当該最適セルへ遷移させるハンドオーバ制御が規定されている(3GPP TS36.300)。
【0004】
図1にLTEにおけるハンドオーバ制御の概要を示す。ハンドオーバを行う際に、ハンドオーバ元無線基地局eNB(Source−eNB:S−eNB、以下、ソース無線基地局eNBと呼ぶ)は、当該ソース無線基地局eNBで送達確認のとれていないDL(下り)データ(DL PDCP PDU)、及び当該ソース無線基地局eNBでOut−of−orderに(歯抜けに)受信されたUL(上り)データ(UL PDCP PDU)をハンドオーバ先eNB(Target−eNB:T−eNB、以下、ターゲット無線基地局eNBと呼ぶ)へ転送するデータ転送制御を行う(
図1のA)。
【0005】
また、ターゲット無線基地局eNBはDL/ULデータの順序性を保つため、DLとULの転送データを全て受け取るまで、上位ノード(例:Serving−GateWay)から受け取った新規データの送信を開始しない(
図1のB)。
【0006】
ここで、ターゲット無線基地局eNBはDL/UL転送データを全て受け取ったことを以下のようにして検知する。
【0007】
DLに関し、上位ノードは、ハンドオーバ成功を契機に転送データに後続するエンドマーカ(End marker)をソース無線基地局eNBに送信するとともに(
図1のC)、U−planeデータの経路をソース無線基地局eNB側からターゲット無線基地局eNB側へ切り替える(Path switch、
図1のD)。上記のエンドマーカはソース無線基地局eNBからターゲット無線基地局eNBに送られ、ターゲット無線基地局eNBは当該エンドマーカを受信することでDLの転送データを全て受け取ったと判断する。
【0008】
ULに関し、ハンドオーバ手順時に、ソース無線基地局eNBにおけるUL PDCP PDUの受信状況を示すIEであるSNステータス転送メッセージ(SN status transfer)がソース無線基地局eNBからターゲット無線基地局eNBが送信される。SNステータス転送メッセージには、reordering待ちデータを示す情報が含まれており、ターゲット無線基地局eNBは、reordering待ちデータを全て受信したことで、ULの転送データを全て受信したと判断する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。例えば、以下では移動通信システムの例としてLTEを用いているが、本発明は、LTEに限らず適用可能である。また、本発明を適用できるハンドオーバの方式はX2インタフェース方式に限られず、他のハンドオーバの方式にも適用できる。
【0023】
図3に本発明の実施の形態に係る移動通信システムの構成図を示す。本実施の形態に係る移動通信システムは、例えばLTE方式の通信システムであり、
図3に示すように、ソース無線基地局eNB1と、ターゲット無線基地局eNB2と、ユーザ装置UEとを有する。また、
図3には、ソース無線基地局eNB1と、ターゲット無線基地局eNB2に接続される上位ノードUN(例:Serving GW)も示されている。
【0024】
本実施の形態では、ソース無線基地局eNB1に滞留しているデータ量に応じて転送データ待ちタイマを動的に変更する。例えば、データ滞留量が少なければ、転送データ待ちタイマの値を小さく設定することで、エンドマーカ欠落時にスケジューリング遅延を抑えることができる。
【0025】
以下、第1の実施の形態、第2の実施の形態について説明するが、本実施の形態では、LTEにおけるX2ハンドオーバの手順を一例として用いているので、まず、当該ハンドオーバについての一般的なメッセージの流れを
図4を参照して説明する。
【0026】
ユーザ装置UEは、所定のイベント条件が満たされたことをトリガとして、メジャメントリポート(Measurement Report)をソース無線基地局eNBに送信する(ステップ1)。ソース無線基地局eNBは、メジャメントリポートに含まれる電波強度等からハンドオーバを行うことを決定し、ハンドオーバ手順を開始する。
【0027】
ハンドオーバ手順において、ソース無線基地局eNBがハンドオーバ要求メッセージ(Handover Request)を送信し(ステップ2)、ターゲット無線基地局eNBがハンドオーバ要求ACK(Handover Request Acknowledgement)をソース無線基地局eNBに送信する(ステップ3)。ソース無線基地局eNBは、RRCコネクション再設定(RRC Connection Reconfiguration)メッセージをユーザ装置UEに送信する(ステップ4)。また、ソース無線基地局eNBは前述したSNステータス転送(SN Status Transfer)メッセージをターゲット無線基地局eNBに送信し(ステップ5)、更に、ソース無線基地局eNBに滞留していたデータをターゲット無線基地局eNBに転送する(ステップ6)。ユーザ装置UEは、ターゲット無線基地局eNBと接続するためランダムアクセス(RA)手順を行い(ステップ7、8)、RRCコネクション再設定完了(RRC Connection Reconfiguration Complete)メッセージをターゲット無線基地局eNBに送信する(ステップ9)。これにより、ターゲット無線基地局eNBはハンドオーバ成功を認識し、ソース無線基地局eNBからDLデータを受け取っていれば当該DLデータをユーザ装置UEに送信し、ユーザ装置UEはターゲット無線基地局eNBにULデータを送信する(ステップ10)。
【0028】
また、ターゲット無線基地局eNBは、パスをターゲット無線基地局eNB側に切り替えるように要求するパス切替要求(Path Switch Request)メッセージを上位ノードに送信する(ステップ11)。これにより、上位ノードからターゲット無線基地局eNBにDLデータが送られる(ステップ12)。また、パス切替要求ACK(Path Switch Request Acknowledgment)がターゲット無線基地局eNBに送られ(ステップ13)、ターゲット無線基地局eNBは、ULデータがあれば上位ノードに送信する(ステップ14)。また、ターゲット無線基地局eNBは、ソース無線基地局eNBにおけるユーザ装置UEのコンテキストを解放するためにUEコンテキスト解放(UE Context Release)メッセージをソース無線基地局eNBに送信する(ステップ15)。
【0029】
なお、RRCコネクション再設定(RRC Connection Reconfiguration)をハンドオーバ(HO)コマンドと呼んでもよい。
【0030】
以下、第1の実施の形態、第2の実施の形態、変形例を説明する。
【0031】
(第1の実施の形態)
<処理内容>
第1の実施の形態では、ソース無線基地局eNB又はターゲット無線基地局eNBが、転送データ待ちタイマの値をソース無線基地局eNB1におけるデータ滞留量(転送データ量)に基づき算出する。
【0032】
図5、
図6を参照して第1の実施の形態における処理例1を説明する。処理例1では、ソース無線基地局eNBがターゲット無線基地局eNBに対してタイマの値をハンドオーバ手順中に指定する。
【0033】
図5に示す例では、ソース無線基地局eNB1が、例えばハンドオーバを行うことを決定した時点におけるデータ滞留量に基づき転送データ待ちタイマの値を算出し(ステップ21)、ハンドオーバ要求メッセージを用いて(ハンドオーバ要求メッセージの中に含めて)転送データ待ちタイマの値をターゲット無線基地局eNB2に通知する(ステップ22)。ターゲット無線基地局eNB2では、ハンドオーバ要求ACKを送信するタイミングで転送データ待ちタイマを起動する(ステップ23)。ターゲット無線基地局eNB2では、転送データ待ちタイマが満了するまで、全ての転送データをソース無線基地局eNB1から受信するのを待ち、転送データ待ちタイマが満了する前に全ての転送データをソース無線基地局eNB1から受信すれば、その時点で、上位ノードUNからのデータをユーザ装置UEに転送する等の動作を開始する。もし、転送データ待ちタイマが満了する前に全ての転送データをソース無線基地局eNB1から受信していなければ、タイマが満了した時点で、上位ノードUNからのデータをユーザ装置UEに転送する等の動作を開始する。
【0034】
ここで、データ滞留量は、ソース無線基地局eNBに滞留している、ターゲット無線基地局eNB2に転送すべきデータの量である。また、転送データ待ちタイマの値に関しては、例えば、データ滞留量とバックホール帯域(ソース無線基地局eNB1からターゲット無線基地局eNB2への回線の帯域(速度))とから、データ滞留量÷バックホール帯域を計算することにより、データ転送にかかる時間の大凡の値を転送データ待ちタイマの値として算出する。
【0035】
また、
図6に示すように、ソース無線基地局eNB1は、算出した転送データ待ちタイマの値を、SNステータス転送メッセージを用いて(SNステータス転送メッセージの中に含めて)送信してもよい。その場合、ターゲット無線基地局eNB2は、SNステータス転送メッセージを受信した時点で転送データ待ちタイマを起動する。
【0036】
図7、
図8は、第1の実施の形態における処理例2を説明するための図である。処理例2では、
図7に示すように、ソース無線基地局eNB1が、ハンドオーバを決定した時点での滞留データ量をハンドオーバ要求を用いてターゲット無線基地局eNBに通知し(ステップ31)、ターゲット無線基地局eNB2が上述した方法(データ滞留量÷バックホール帯域)で転送データ待ちタイマの値を算出し(ステップ32)、当該タイマの値を設定して、ハンドオーバ要求ACKを送信する時点でタイマを起動する(ステップ33)。
【0037】
更に、
図8に示すように、ソース無線基地局eNB1が、ハンドオーバを決定した時点での滞留データ量をSNステータス転送メッセージを用いてターゲット無線基地局eNBに通知し(ステップ31)、ターゲット無線基地局eNB2が上述した方法で転送データ待ちタイマの値を算出し(ステップ32)、タイマを起動することとしてもよい(ステップ33)。
【0038】
なお、ターゲット無線基地局eNB2は、ハンドオーバ要求もしくはSNステータス転送メッセージにて、転送データ待ちタイマの値とデータ滞留量のいずれも受信しなかった場合、予め保持したデフォルト値(固定値)を転送データ待ちタイマの値として設定してもよい。
【0039】
<装置構成、処理フロー>
図9に、本発明の実施の形態(第1と第2の実施の形態に共通)に係る無線基地局eNB10の機能構成図を示す。無線基地局eNB10は、ユーザ装置UEから見てソース無線基地局として動作する場合もあるし、ターゲット無線基地局として動作する場合もあることから、
図9に示す無線基地局eNBは、本発明の実施の形態のソース無線基地局としての機能と本発明の実施の形態のターゲット無線基地局としての機能の両方を備える。
【0040】
図9に示すように、無線基地局eNB10は、バッファ管理部11、データ転送部12、UE管理部13、ハンドオーバ処理部14、タイマ管理部15を含む。なお、
図9は、無線基地局eNB10において本発明に特に関連する機能部のみを示すものであり、少なくともLTE方式に準拠した動作を行うための図示しない機能も有するものである。
【0041】
バッファ管理部11は、データバッファ111(メモリ等)を備える。データバッファ111には、ユーザ装置UEのULデータ及びDLデータが格納される。バッファ管理部11は、データバッファ111に格納されているDLデータとULデータの滞留量を算出し、出力する機能を含む。
【0042】
データ転送部12は、ハンドオーバ手順において、データバッファ111に格納されているデータをターゲット無線基地局に転送する機能を備える。ハンドオーバ処理部14は、ハンドオーバにおけるメッセージの送受信等を行うことにより、ハンドオーバの処理を行う機能を備える。例えば、ソース無線基地局として機能する場合、ハンドオーバ処理部14は、ターゲット無線基地局にユーザ装置UEの状態を引き継ぐために、UE管理部13からUEの状態(コンフィギュレーション、コンテキスト等)を取得し、ハンドオーバ要求メッセージに含めて送信する。
【0043】
UE管理部13は、各ユーザ装置UEの状態を管理する機能部であり、UE状態記憶部131を含む。UE状態記憶部には、各ユーザ装置UEの能力情報、状態情報等が格納されており、UE管理部13は、ユーザ装置UEの状態等を取得してUE状態記憶部131に格納するとともに、特定のユーザ装置UEについての状態等をUE状態記憶部131から取得して出力する機能を備える。
【0044】
タイマ管理部15は、転送データ待ちタイマ151、タイマ値算出部152(時間推定手段の例)を含む。転送データ待ちタイマ151は、既に説明したタイマであり、ターゲット無線基地局として動作する際に、ソース無線基地局からの転送データが全て転送されるのを待つ時間を計測するタイマである。タイマ管理部15は、転送データが全て転送される前にこのタイマが満了した場合には、これ以上転送データを待たずに、新たなデータの送受信を行うようハンドオーバ処理部14を制御する。
【0045】
タイマ値算出部152は、データ滞留量等に基づいて、転送データ待ちタイマの値を算出する機能を備える。
【0046】
図10は、第1の実施の形態の処理例1における無線基地局eNB10の処理手順例を示すフローチャートである。
図10を参照して、第1の実施の形態における処理例1の処理手順を説明する。ソース無線基地局としての無線基地局eNB10におけるハンドオーバ処理部14が、ユーザ装置UEからのメジャメントレポートに基づき、当該ユーザ装置UEに関してハンドオーバを行うことを決定すると(ステップ41のYes)、タイマ値算出部152は、バッファ管理部11から当該ユーザ装置UEのデータ滞留量を取得し、当該データ滞留量とバックホール帯域とから転送データ待ちタイマの値を算出する(ステップ42)。
【0047】
そして、ハンドオーバ処理部14が、ハンドオーバ要求メッセージもしくはSNステータス転送メッセージを用いて転送データ待ちタイマの値をターゲット無線基地局に通知する。ターゲット無線基地局では、通知されたタイマ値(時間)に転送データ待ちタイマが設定される。
【0048】
図11、
図12は、第1の実施の形態の処理例2における無線基地局eNB10の処理手順例を示すフローチャートである。
図11、
図12を参照して、第1の実施の形態における処理例2の処理手順を説明する。
【0049】
ソース無線基地局として機能する無線基地局eNB10におけるハンドオーバ処理部14が、ユーザ装置UEからのメジャメントレポートに基づき、当該ユーザ装置UEに関してハンドオーバを行うことを決定すると(ステップ51のYes)、ハンドオーバ処理部14は、バッファ管理部11から当該ユーザ装置UEのデータ滞留量を取得し、ハンドオーバ要求メッセージもしくはSNステータス転送メッセージを用いてデータ滞留量をターゲット無線基地局に通知する(ステップ52)。
【0050】
ターゲット無線基地局として機能する無線基地局eNB10は、ハンドオーバ要求メッセージもしくはSNステータス転送メッセージを用いてデータ滞留量を受信すると(ステップ53のYes)、タイマ値算出部152は、当該データ滞留量とバックホール帯域とから転送データ待ちタイマの値を算出し(ステップ54)、算出されたタイマ値を転送データ待ちタイマに設定する(ステップ55)。
【0051】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、ターゲット無線基地局eNB2が転送データ待ちタイマの値を推定し、タイマの値を設定する。
【0052】
<処理内容>
図13を参照して、第2の実施の形態における処理例1を説明する。本例では、ターゲット無線基地局eNB2が、データ滞留量を推定して適切なタイマ値を算出する。
図13の例では、ソース無線基地局eNB1が、ユーザ装置UEの能力を示す情報、もしくはユーザ装置UEのソース無線基地局eNB1における設定(configuration)を示す情報をターゲット基地局eNB2に通知する(ステップ61)。
【0053】
そして、ターゲット基地局eNB2が、上記能力もしくは設定の情報に基づきソース無線基地局eNB1におけるデータ滞留量を推定し、そこからデータ転送にかかる時間の大凡の値をタイマ値として算出し(ステップ62)、算出した値を転送データ待ちタイマの値に設定し、転送データ待ちタイマを起動する(ステップ63)。データ滞留量からタイマ値を算出する方法は第1の実施の形態と同様である。
【0054】
なお、本例では、データ滞留量の推定に用いる能力や設定の情報はハンドオーバ要求メッセージに含まれていることを想定しているが、含まれていない場合には、ソース無線基地局eNB1において含めるようにしてもよい。また、能力や設定の情報はハンドオーバ要求メッセージで送信することは必須でなく、他のメッセージ(例:SNステータス転送メッセージ)で送信してもよい。
【0055】
本実施の形態の処理例1は、高スループットを実現できるユーザ装置UEに対しては、大量のデータが発生しているという想定に基づいている。すなわち、例えばデータ通信でよく用いられるTCPであれば、高スループットを実現できるユーザ装置UEはピークレートを実現するために大きいTCP window sizeを設定することが想定され、TCP window sizeが大きいほど無線で送受信されるデータ量が大きくなる。従って、高スループットを実現できるユーザ装置UEに対しては、大量のデータが発生していると想定できる。
【0056】
また、ユーザ装置UEが実現するスループットの大きさに関わる要素として、例えばユーザ装置UEの能力と、ソース無線基地局eNBでのユーザ装置UEに対する設定(Configuration)があることから、本実施の形態の処理例1では、これらの情報をターゲット無線基地局eNB2に通知し、ターゲット無線基地局eNB2においてデータ滞留量を推定し、データ転送にかかる時間を算出し、転送データ待ちタイマの値を設定することとしている。
【0057】
処理例1におけるユーザ装置UEの能力を示す情報の例としては、UEカテゴリ(規格上規定されたユーザ装置の能力分類)、キャリアアグリゲーション(CA)においてアグリゲートできるコンポーネントキャリア(CC)の数、MIMOのレイヤをいくつまでサポートしているか等がある。ターゲット無線基地局eNB2は、ユーザ装置UEの能力が高いほど、高スループットを実現することが可能であり、高スループットで通信している蓋然性が高いと判断して、データ滞留量を大きく推定する。例えば、ユーザ装置UEの能力1が能力2よりも高い能力である場合に、能力1に対応する推定データ滞留量は能力2に対応する推定データ滞留量よりも大きい。ターゲット無線基地局eNB2は、例えば、ユーザ装置UEの能力と、推定されるデータ滞留量とを対応付けたテーブルを記憶手段に保持し、当該テーブルを参照することで、データ滞留量を決定する。
【0058】
処理例1におけるユーザ装置UEに対するソース無線基地局eNB1での設定の例としては、例えば、3つのコンポーネントキャリアをアグリゲートできるユーザ装置UEに対して、常に2つのコンポーネントキャリアで動作させる設定等がある。その理由としては、例えば、最適な3CC目のセルが見付からなかった等がある。また、MIMOのレイヤ数(ランク)、伝送モード等も上記設定の例である。
【0059】
ターゲット無線基地局eNB2は、ユーザ装置UEに対する設定に応じてデータ滞留量を推定する。例えば、ユーザ装置UEの設定1(例:3CC)が設定2(例:2CC)よりも、高スループットを実現できる設定である場合、設定1に対応する推定データ滞留量は設定2に対応する推定データ滞留量よりも大きい。ターゲット無線基地局eNB2は、例えば、ユーザ装置UEに対する設定と、推定されるデータ滞留量とを対応付けたテーブルを記憶手段に保持し、当該テーブルを参照することで、データ滞留量を決定する。
【0060】
なお、ユーザ装置UEの能力がいくら高くとも、その能力を十分に活用できるような設定でなければ、高スループットを実現することはできないため、より正確にデータ滞留量を推定する観点では、設定に基づきデータ滞留量を推定することが好ましい。
【0061】
図14を参照して、第2の実施の形態における処理例2を説明する。本例では、ソース無線基地局eNB1が、ターゲット無線基地局eNB2にUE非アクティブタイマ(UE Inactive Timer)の値を通知する(ステップ71)。そして、ターゲット無線基地局eNB2が、当該UE非アクティブタイマの値に基づいて、ソース無線基地局eNB1における該当ユーザ装置のU−plane(ユーザプレーン)データの有無を判定して、データの有無に応じて転送データ待ちタイマ値を算出(ステップ72)、設定し、転送データ待ちタイマを起動する(ステップ73)。
【0062】
本例では、UE非アクティブタイマの値が、UE非アクティブタイマ起動していることを示す値(0でない値、所定の閾値より大きい値、等)である場合に、ソース無線基地局eNB1において該当ユーザ装置UEの滞留データが有ると判定し、データ有りの場合の転送データ待ちタイマ値を設定し、UE非アクティブタイマが起動していないことを示す値である場合に、ソース無線基地局eNB1において滞留データが無いと判定し、データ無しの場合の転送データ待ちタイマ値を設定することとしている。つまり、本例では、ターゲット無線基地局eNB2は、転送データ待ちタイマ値として、データ有り用のタイマ値とデータ無し用のタイマ値の2値を保持している。
【0063】
なお、本例では、データ滞留有り無しの推定に用いるUE非アクティブタイマの値はハンドオーバ要求メッセージに含まれていることを想定しているが、含まれていない場合には、ソース無線基地局eNB1において含めるようにしてもよい。また、UE非アクティブタイマの値はハンドオーバ要求メッセージで送信することは必須でなく、他のメッセージ(例:SNステータス転送メッセージ)で送信してもよい。
【0064】
以下、UE非アクティブタイマ(UE Inactive Timer)についてより詳細に説明する。
【0065】
本実施の形態に適用されるLTEでは、ユーザ装置UEをRRC接続(RRC connected)状態、及びアイドル(IDLE)状態の2つの状態で管理している。
【0066】
RRC接続状態は、RRCで接続が確立している状態であり、ユーザデータの送受信を行うことが可能な状態である。データを持つユーザは、遅延無くデータの送受信を行うため、RRC接続状態を保つことが望ましい。
アイドル状態はRRCで接続が確立していない状態であり、ユーザデータの送受信を行う際には、まずNWとの接続を確立する必要がある。データを持たないユーザは、バッテリーセービングやNWリソース観点から、アイドル状態でいることが望ましい。
ユーザレスポンス(遅延)の観点からは、ユーザ装置UEはRRC接続状態でいることが望ましいが、所定期間データがないユーザ装置UEに対しては、その後もデータが発生しないとみなして、アイドル状態に遷移させる制御が行われる。
【0067】
このような状態管理の下、無線基地局eNBはユーザ装置UE毎にUE非アクティブタイマを管理し、以下のような制御を行う。この制御について
図15を参照して説明する。
【0068】
無線基地局eNBは、ユーザ装置UEに対して送受信すべきU−planeデータが無くなった場合にUE非アクティブタイマを起動し(例:
図15のA、B)、ユーザ装置UEに対して送受信すべきU−planeデータが発生する場合に、UE非アクティブタイマを停止する(例:
図15のC)。
【0069】
また、無線基地局eNBは、UE非アクティブタイマが満了する(或いは閾値を超過する)場合には、当該ユーザ装置UEに対してアイドル遷移させることを決定し、RRC接続リリース(RRC connection release)を送信する(例:
図15のD)。
【0070】
なお、ハンドオーバや再接続する場合には当該タイマの値はターゲットセルへと引き継がれる。ハンドオーバや再接続の度にリセットしていると、ユーザ装置UEがなかなかアイドル遷移できないためである。
【0071】
本実施の形態の処理例2では、上記のようなUE非アクティブタイマの制御に基づいて、UE非アクティブタイマの値がUE非アクティブタイマが起動していないことを示す値である場合(例:
図15のC〜Bの区間)にデータ有りと推定し、UE非アクティブタイマの値がUE非アクティブタイマが起動していることを示す値である場合(例:
図15のA〜Cの区間)にデータ無しと推定し、転送データ待ちタイマの値を設定している。
【0072】
<装置構成、処理フロー>
第2の実施の形態に係る無線基地局eNB10の機能構成は、
図5に示した無線基地局eNB10の構成と同様である。ただし、本実施の形態では、タイマ値算出部152の処理内容が第1の実施の形態と異なる。
【0073】
本実施の形態では、タイマ値算出部152は、ユーザ装置の能力、設定等と、データ滞留量とを対応付けたテーブルを保持し、ソース無線基地局eNBから通知されたユーザ装置UEの能力、設定等に基づき、上記テーブルを参照することでデータ滞留量を決定し、当該データ滞留量とバックホール帯域とから転送データ待ちタイマ値を算出する。また、タイマ値算出部152は、ソース無線基地局eNBにおけるデータ有無とタイマ値とを対応付けたテーブルを保持し、ソース無線基地局eNBから通知されたUE非アクティブタイマの値に基づき、上記テーブルを参照することで転送データ待ちタイマ値を決定する。
【0074】
図16は、第2の実施の形態における無線基地局eNB10(ターゲット無線基地局として機能する場合)の処理手順例を示すフローチャートである。
図16を参照して、第2の実施の形態における処理手順を説明する。
【0075】
ソース無線基地局eNBが、ハンドオーバを行うことを決定し、ユーザ装置の能力、設定、又はUE非アクティブタイマの値を含むハンドオーバ要求メッセージ又はSNステータス転送メッセージを無線基地局eNB10(ターゲット無線基地局として機能)に送信し、無線基地局eNB10のハンドオーバ処理部14はこれを受信する。
【0076】
無線基地局eNB10において、タイマ値算出部152は、受信したメッセージから、能力、設定、又はUE非アクティブタイマの値を取得し、取得した値に基づいて転送データ待ちタイマの値を算出し(ステップ82)、算出されたタイマ値により転送データ待ちタイマを設定する(ステップ83)。
【0077】
(変形例)
これまでに説明した各実施の形態において、
図17に示すように、ソース無線基地局eNB1においてデータ滞留時間が非常に長い状態(或いは、データ滞留量が非常に大きい状態)でハンドオーバが発生する場合には、ソース無線基地局eNB1からデータが転送される前に、既に上位(例:TCP)から滞留データ(転送データ)の再送データが発出され、ターゲット無線基地局eNB側に届いている場合がある(
図17のA)。
【0078】
その場合、既に上位の再送が開始されているデータをソース無線基地局eNB1からターゲット無線基地局eNB2へ転送し、ターゲット無線基地局eNB2からユーザ装置UEへと転送することになり、伝送路・無線リソースへの浪費観点から望ましくない。
【0079】
そこで、ソース無線基地局eNB1においてハンドオーバを決定した時点で、データ滞留量が所定の閾値よりも大きいこと(あるいは、データ滞留時間が所定の閾値よりも長いこと)を検知した場合には、ソース無線基地局eNB1がハンドオーバ要求もしくはSNステータス転送メッセージにて、非常に短いタイマ値(予め定めた短い時間)をターゲット無線基地局eNB2に通知し、ターゲット無線基地局eNB2は当該タイマ値を転送データ待ちタイマ値として設定する。
【0080】
あるいは、ソース無線基地局eNB1においてハンドオーバを決定した時点で、データ滞留量が所定の閾値よりも大きいこと(あるいは、データ滞留時間が所定の閾値よりも長いこと)を検知した場合には、ソース無線基地局eNB1がハンドオーバ要求もしくはSNステータス転送メッセージにて、その旨を示す情報をターゲット無線基地局eNB2に通知し、ターゲット無線基地局eNB2が上記非常に短いタイマ値(予め定めた短い時間)を決定し、当該タイマ値を転送データ待ちタイマ値として設定する。
【0081】
これにより、ターゲット無線基地局eNB2では、ソース無線基地局eNB1からの転送データを待たずに、既に開始している再送データの転送を行うことになる。この変形例の処理は、これまでに説明した全ての実施の形態及び処理例に適用できるものである。
【0082】
明細書には以下の事項が開示されている。
(第1項)
ユーザ装置にハンドオーバを行わせるためのハンドオーバ元無線基地局とハンドオーバ先無線基地局とを有する移動通信システムであって、
前記ハンドオーバ元無線基地局は、
前記ユーザ装置にハンドオーバを行わせることを決定したときに、当該ユーザ装置についてのデータ滞留量に基づいて、当該ユーザ装置のハンドオーバ時に当該ユーザ装置の通信に係るデータを前記ハンドオーバ元無線基地局から前記ハンドオーバ先無線基地局に転送するためにかかる時間を推定する時間推定手段と、
前記時間推定手段により算出された時間を前記ハンドオーバ先無線基地局に通知する手段と、を備え、
前記ハンドオーバ先無線基地局は、
前記ハンドオーバ元無線基地局から受信した時間を、前記ユーザ装置のハンドオーバ時に前記ハンドオーバ元無線基地局から転送される当該ユーザ装置の通信に係るデータの転送完了を待つ時間を計る転送データ待ちタイマの値として設定する手段を備える、
ことを特徴とする移動通信システム。
(第2項)
ユーザ装置にハンドオーバを行わせるためのハンドオーバ元無線基地局とハンドオーバ先無線基地局とを有する移動通信システムであって、
前記ハンドオーバ元無線基地局は、
前記ユーザ装置にハンドオーバを行わせることを決定したときに、当該ユーザ装置についてのデータ滞留量を前記ハンドオーバ先無線基地局に通知する通知手段を備え、
前記ハンドオーバ先無線基地局は、
前記ハンドオーバ元無線基地局から受信したデータ滞留量に基づいて、前記ユーザ装置のハンドオーバ時に当該ユーザ装置の通信に係るデータを前記ハンドオーバ元無線基地局から前記ハンドオーバ先無線基地局に転送するためにかかる時間を推定する時間推定手段と、
前記時間推定手段により推定された時間を、前記ユーザ装置のハンドオーバ時に前記ハンドオーバ元無線基地局から転送される当該ユーザ装置の通信に係るデータの転送完了を待つ時間を計る転送データ待ちタイマの値として設定する手段と、を備える、
ことを特徴とする移動通信システム。
(第3項)
前記時間推定手段は、前記データ滞留量と、前記ハンドオーバ元無線基地局から前記ハンドオーバ先無線基地局への通信帯域とに基づいて前記時間を算出する
ことを特徴とする第1項又は第2項に記載の移動通信システム。
(第4項)
ユーザ装置にハンドオーバを行わせるためのハンドオーバ元無線基地局とハンドオーバ先無線基地局とを有する移動通信システムであって、
前記ハンドオーバ元無線基地局は、
前記ユーザ装置にハンドオーバを行わせることを決定したときに、当該ユーザ装置の能力の情報、設定の情報、又はUE非アクティブタイマの値を前記ハンドオーバ先無線基地局に通知する通知手段を備え、
前記ハンドオーバ先無線基地局は、
前記ハンドオーバ元無線基地局から受信した能力の情報、設定の情報、又はUE非アクティブタイマの値に基づいて、前記ユーザ装置のハンドオーバ時に当該ユーザ装置の通信に係るデータを前記ハンドオーバ元無線基地局から前記ハンドオーバ先無線基地局に転送するためにかかる時間を推定する時間推定手段と、
前記時間推定手段により推定された時間を、前記ユーザ装置のハンドオーバ時に前記ハンドオーバ元無線基地局から転送される当該ユーザ装置の通信に係るデータの転送完了を待つ時間を計る転送データ待ちタイマの値として設定する手段と、を備える、
ことを特徴とする移動通信システム。
(第5項)
前記時間推定手段は、前記ハンドオーバ元無線基地局から受信した能力の情報又は設定の情報に対応する前記ハンドオーバ元無線基地局における前記ユーザ装置についてのデータ滞留量を推定し、当該データ滞留量に基づき前記時間を算出する
ことを特徴とする第4項に記載の移動通信システム。
(第6項)
前記時間推定手段は、前記ハンドオーバ元無線基地局から受信したUE非アクティブタイマの値に基づいて、前記ハンドオーバ元無線基地局における前記ユーザ装置についてのデータの有無を推定し、当該データの有無に基づき前記時間を算出する
ことを特徴とする第4項に記載の移動通信システム。
(第7項)
前記ユーザ装置のハンドオーバ時に、前記ハンドオーバ元無線基地局が当該ハンドオーバ元無線基地局における前記ユーザ装置についてのデータ滞留量が所定の閾値よりも大きいと判定した場合に、前記ハンドオーバ先無線基地局は、所定の短い時間を前記転送データ待ちタイマの値として設定する
ことを特徴とする第1項ないし第6項のうちいずれか1項に記載の移動通信システム。
(第8項)
ユーザ装置にハンドオーバを行わせるためのハンドオーバ元無線基地局とハンドオーバ先無線基地局とを有する移動通信システムが実行するハンドオーバ転送データ待ち制御方法であって、
前記ハンドオーバ元無線基地局が、前記ユーザ装置にハンドオーバを行わせることを決定したときに、当該ユーザ装置についてのデータ滞留量に基づいて、当該ユーザ装置のハンドオーバ時に当該ユーザ装置の通信に係るデータを前記ハンドオーバ元無線基地局から前記ハンドオーバ先無線基地局に転送するためにかかる時間を推定する時間推定ステップと、
前記ハンドオーバ元無線基地局が、前記時間推定ステップにより算出された時間を前記ハンドオーバ先無線基地局に通知するステップと、
前記ハンドオーバ先無線基地局が、前記ハンドオーバ元無線基地局から受信した時間を、前記ユーザ装置のハンドオーバ時に前記ハンドオーバ元無線基地局から転送される当該ユーザ装置の通信に係るデータの転送完了を待つ時間を計る転送データ待ちタイマの値として設定するステップと、
を備えることを特徴とするハンドオーバ転送データ待ち制御方法。
(第9項)
ユーザ装置にハンドオーバを行わせるためのハンドオーバ元無線基地局とハンドオーバ先無線基地局とを有する移動通信システムが実行するハンドオーバ転送データ待ち制御方法であって、
前記ハンドオーバ元無線基地局が、前記ユーザ装置にハンドオーバを行わせることを決定したときに、当該ユーザ装置についてのデータ滞留量を前記ハンドオーバ先無線基地局に通知する通知ステップと、
前記ハンドオーバ先無線基地局が、前記ハンドオーバ元無線基地局から受信したデータ滞留量に基づいて、前記ユーザ装置のハンドオーバ時に当該ユーザ装置の通信に係るデータを前記ハンドオーバ元無線基地局から前記ハンドオーバ先無線基地局に転送するためにかかる時間を推定する時間推定ステップと、
前記時間推定ステップにより推定された時間を、前記ユーザ装置のハンドオーバ時に前記ハンドオーバ元無線基地局から転送される当該ユーザ装置の通信に係るデータの転送完了を待つ時間を計る転送データ待ちタイマの値として設定するステップと、
を備えることを特徴とするハンドオーバ転送データ待ち制御方法。
(第10項)
ユーザ装置にハンドオーバを行わせるためのハンドオーバ元無線基地局とハンドオーバ先無線基地局とを有する移動通信システムが実行するハンドオーバ転送データ待ち制御方法であって、
前記ハンドオーバ元無線基地局が、前記ユーザ装置にハンドオーバを行わせることを決定したときに、当該ユーザ装置の能力の情報、設定の情報、又はUE非アクティブタイマの値を前記ハンドオーバ先無線基地局に通知する通知ステップと、
前記ハンドオーバ先無線基地局が、前記ハンドオーバ元無線基地局から受信した能力の情報、設定の情報、又はUE非アクティブタイマの値に基づいて、前記ユーザ装置のハンドオーバ時に当該ユーザ装置の通信に係るデータを前記ハンドオーバ元無線基地局から前記ハンドオーバ先無線基地局に転送するためにかかる時間を推定する時間推定ステップと、
前記ハンドオーバ先無線基地局が、前記時間推定ステップにより推定された時間を、前記ユーザ装置のハンドオーバ時に前記ハンドオーバ元無線基地局から転送される当該ユーザ装置の通信に係るデータの転送完了を待つ時間を計る転送データ待ちタイマの値として設定するステップと、
を備えることを特徴とするハンドオーバ転送データ待ち制御方法。
以上、変形例、実施の形態、変形例等を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態等に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。説明の便宜上、無線基地局eNBは機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明に従って動作するソフトウェアは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が本発明に包含される。