(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
カットオフ縁部(4)が遮光部材(16)の前縁部(63)により形成され、遮光部材(16)が、ロービーム源(7)からの光が固定式ミラー(5)の下縁部より下方に進まないように位置決めされる請求項1に記載のヘッドライト(11)。
カットオフ縁部(4)が、ロービームLEDアレイ(7)及びハイビームLEDアレイ(8)の少なくとも一方と熱的に連通するヒートシンク(200)の横方向縁部により形成される請求項1に記載のヘッドライト(1、11)。
カットオフ縁部(4)が、その水平の横方向縁部(41、42、61、62)位置で、凹型のリフレクタ(3)から離間し且つレンズ(2)側の方向に屈曲される請求項1に記載のヘッドライト(1、11)。
レンズ(2)が、凹型のリフレクタ(3)に面する全体に平坦な側面(21)と、凹型のリフレクタ(3)から遠い側に面する突状の面(22)とを有する請求項1に記載のヘッドライト(1、11)。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで、“上”、“下”、“上部”、“底部”、“側部”、“横”、“長手方向”等及びその他用語は特定要素における絶対的及び相対的方向についてのものとする。それら記載に関し、光はヘッドライトの“前部”に全体に直交し且つ地面と全体に平行の長手方向軸を中心とする周囲空間に分布される状況下に、この“前部”から放出されるものとする。前記記載には、対向車に対するグレアを低減させる上での、直交状態からの微量の角度偏向を含むものとする。前記各用語は、ヘッドライトを上方、下方、水平方向、あるいは任意のその他好適な方向に向けた場合にも尚、適用されるものとする。
【0011】
自動車のヘッドライトはロー及びハイの両ビームを可動パーツなしで出力する。ロービーム用のロービームLEDアレイが楕円形のリフレクタの第1焦点付近に配置される。ロービームLEDアレイからの光は横方向に進み、リフレクタに当たるとリフレクタの第2焦点方向に反射され、その間、ハイビームLEDは賦活されない。第2焦点付近にはカットオフエレメントが配置され、その縁部がロービーム線に明/暗エッジを形成させる。カットオフエレメントを垂直の光バッフルとした場合はその上縁部が明/暗エッジを形成させる。カットオフエレメントを水平の光妨害部材とした場合はその前縁部が明/暗エッジを形成させる。カットオフ素子は、ロービームがその明/暗エッジを角出力としてレンズを透過するよう、レンズの焦点位置又はその付近に位置付けられる。ハイビーム用の固定式の全反射ミラーがリフレクタの第2焦点付近に配置される。全反射ミラーはハイビームLEDアレイからの光をレンズに配光する。全反射ミラーで反射されレンズを通過した光は明/暗エッジの無いハイビームを形成する。
【0012】
上記説明は以下に詳細に説明する各要素及び特徴を一般化したものに過ぎず、それらに限定されるものではない。
図1には、ロー及びハイの両ビームを出力し得る、可動パーツを持たないヘッドライト1の断面が示される。ヘッドライト1はその内部の各コンポーネントを機械的に支持するハウジング10を含む。
【0013】
一次近似構成としてのヘッドライト1は、その第1焦点位置にLEDアレイを配置し、その第2焦点位置に前記LEDアレイが結像される楕円状のリフレクタと、前記第2焦点に一致する焦点を有するレンズとを含むものであり得る。前記第2焦点に接近して光バッフルが位置付けられる。光バッフルがレンズの焦点またはその付近に配置されることで、この光バッフルが形成する明/暗エッジがロービームの角出力の明/暗エッジとなる。ハイビームに関しては、光バッフルと第2焦点とに接近配置した全反射ミラーが別のLEDアレイからの光をレンズを通して配光する。ハイビームには前記の如き明/暗エッジは無いが、この場合のヘッドライトは一次近似構成としてのものであることを銘記されたい。例えば、角出力性能を改善させるためにリフレクタの真性楕円形状を変化させ、回転非対称性さえ持たせ得る。他の例では、リフレクタの表面プロファイルを調節して第1焦点から第2焦点へのLEDアレイ結像におけるオフアクシス性能を改善させ得るが、実際のLEDアレイは長い光源であって、第1焦点位置に正確に位置付けた点光源ではない点を銘記されたい。この一次近似構成を念頭に置きつつ、ヘッドライト1の各コンポーネントの詳細を以下に説明する。
【0014】
ヘッドライト1は、ロー及びハイの両ビーム出力を透過させる正レンズ(以下、レンズ)2を含む。
図1の構成では、ヘッドライト1の後方に面する側部21は平坦である。平凸レンズを使用する場合、レンズ面には代表的には抗反射コーティングをコーティングしないため、平坦な入射面により表面位置の反射損失が低減または最小化され得る点が利点となり得る。湾曲入射面の場合、ビーム縁部位置に見受けられる高角度入射時のフレネル反射損失が増大され得る。反射損失による障害が無いのであればレンズ2の内面を凸あるいは凹状に湾曲させ、かくしてレンズ2を両凸、メニスカス、あるいは平凸の何れかとなし得る。
【0015】
レンズ2は外側(即ち、自動車の前方方向)を向いた凸面22を有する。凸面22はその大半が非球面(即ち、非完全球状)構成とされる。レンズの凸面22は代表的にはその表面処方上、1つまたは1つ超の非球面項(aspheric term)を含み、随意的にはゼロではない円錐定数(conic constant)を含み得る。随意的にはレンズ2の片面または両面が、ロービーム及びまたはハイビームの出力特性を改善させる回転非対称性を有し得る。
【0016】
レンズ2の片面または両面には、その表面に沿って1つまたは1つ超の、狭幅リブを含み得る“ひだ”(flute)を設け得る。“ひだ”はレンズを透過する光を部分的に拡散させ得、それによってレンズ2の所望の性能が改善される場合があり得る。レンズの“ひだ”は、表面プロファイルやハウジング10内のその他ジオメトリと共に、所望の出力を生じさせるデザインプロセス中に変更可能な幾つかの要素の1つである。
レンズ2は、アライメントまたは取り付けを支援する特徴部を有し得る。例えば、レンズ2はその外側周囲部分に、ハウジング10の好適サイズ化した溝24あるいは切り欠き25内に伸延するフランジ23を有し得る。フランジ23の片面または両面は、レンズがフランジ23の平坦部と接触してハウジング10上の参照面と整合し得るよう平坦であり得る。
【0017】
レンズ2自体は任意の好適なガラスまたはプラスチック材料から形成され得る。一般に、長年の使用によっても破損または変色しない十分な強さを有すべきである。一般に、レンズ2は、ヘッドライトの電流発生用材料を含む既知の種々の材料の任意の1つを使用し得る。ヘッドライト1は比較的大量に製造されるため、レンズ2は代表的には成型により既知の様式で製造される。レンズ2は凹型のリフレクタ3の第2焦点F2に略合致する焦点を有する。
【0018】
リフレクタ3が真性楕円であれば、その第1焦点F1位置に配置した物体が第2焦点F2位置に完全に画像化される。実際は、ほぼ楕円状の表面を持つ長い光源(即ち、有限サイズのLEDアレイ)では回折や波面収差が生じるため完全画像は形成されない。ロービームの角出力性能を改善するべく、リフレクタ3は真性楕円から若干外れる形状とされる。外す度合いはリフレクタ3のヒール位置(即ち、反射光が長手方向軸Zと交差する部分)で最小とし、ヒール位置から離れるに従い大きくする。本明細書の目的上、リフレクタ3は“全体に楕円状”であるとし、“全体に”とは、真性楕円からの外れ度が小さい部分に関するものとする。2つの焦点に関する画像化上の特性は、全体に楕円状の場合においても尚、適用される。換言すれば、第1焦点F1位置に生じるロービームは第2焦点F2位置上に尚、画像化され、凹型のリフレクタ3によりレンズ2方向に差し向けられる。
凹型のリフレクタ3は長手方向軸Zの全体に沿って伸延される必要はなく、楕円の“上”半分にして、相当する“下”半分におけるより地面から遠い“上”半分のみを含めば良い。リフレクタ3がロービームLEDアレイ7からの光を反射させること、及び、ロービームLEDアレイ7からの光はこのロービームLEDアレイ7に隣り合うハーフスペース(白熱灯によるフルスペース放射に対するものとしての)内においてのみ放射されることから、LEDアレイ7からの全ての光を収集するにはリフレクタ3を半楕円とするのみで良い。換言すれば、仮に“下”半分があってもこの“下”半分はロービームLEDアレイ7からの光を受けない。
【0019】
ロービームLEDアレイ7は、全体に矩形または四角形に配列したLEDであり得る。代表的なLEDアレイは、各LED間に非放射性の細い“デッド”スペースを配した四角形状または矩形状を有する。ロービームLEDアレイ7は、2×2、3×3、4×4〜等の四角形状を有し得る。あるいはロービームLEDアレイ7は、1×2、1×3、1×4、2×3、2×4、3×4〜等の矩形状を有し得る。更にはロービームLEDアレイは、“+”形、“T”字形、全体に円形または細長の底面形状〜等の変形形状を有し得る。ロービームLEDアレイ7における各LEDは全体に白色の光を放射し得、青または紫色のエミッタ上にリン光性コーティングを被着することで形成され得る。ロービームLEDアレイ7の構造及び機能は一般に既知のものである。
【0020】
ロービームLEDアレイ7はその照射光が、地面から離れ且つ長手方向軸Zに直交し、全体に“上向き”となるようヘッドライト1内で配置される。LEDアレイからの光分布は垂直軸中心的なものであり得る。
凹型のリフレクタ3は第1焦点F1のロービームLEDアレイ7を第2焦点F2上に結像する。第2焦点F2位置で、結像されたロービームLEDアレイ7上に光バッフル4が重畳することでLED光に明/暗エッジが形成される。この明/暗エッジはレンズ2の焦点位置から降下してロービーム出力の角度間隔内で明/暗エッジとなる。換言すればロービームは、特定の閾値角度以下では照射量が多く、閾値角度より上方では照射量が殆どあるいは全く無いシャープなカットオフを持つ角度で出力される。このようなシャープな明/暗エッジは対向するドライバーへのグレア低減上有益である。
【0021】
光バッフル4は色々の態様で形成され得る。
図1の構成では光バッフル4は、以下に詳しく説明する固定式の全反射ミラー5の一部と、もしあれば光吸収部材100の一部とに一体化される。他の構成ではこれら各要素の一方または両方を光バッフル4とは別に作製して光バッフル4に装着する。光バッフル4、固定式の全反射ミラー5、光吸収部材100、の相互装着態様(一体化、分離化)に関わらず、これら3要素の機能は不変である。以下に、これら各要素の機能を先ず光バッフル4から説明する。
光バッフル4は基本的には単なる縁部であり、この縁部に当たるロービーム部分に明確な明/暗(シャドー)エッジを形成させる。光バッフル4は、
図1に例示する如く交差してある角度の縁部を形成する2つの全体に平坦な表面を含み得る。あるいは光バッフル4はシャドー部を創出させるために使用し得る専用エレメントであり得る。
【0022】
図1に示すように、光バッフル4はその縁部より上方の光を通過させ、縁部より下方の光を遮蔽する。レンズ2を通過したヘッドライトにはある角度、即ち、前記明/暗エッジの角度を超えて下方(地面方向)に進む光を通過させる一方、明/暗エッジの角度を超えて上方に(対向車のドライバーの目に向かって)進む光を遮蔽する角度のエッジが現れる。
実際上、光バッフル4は凹型のリフレクタ3の第2焦点F2に非常に近いが、しかしこの第2焦点F2から若干ずらして配置される。ずらす方向は第1焦点F1方向で且つレンズ2から離れる方向であり得、あるいは第1焦点F1から離れ且つレンズ2方向であり得る。このようにずらした配置は、明/暗エッジの角度範囲における暗部以前の部分に、特に青色あるいは赤色等に見える有意のカラーアーチファクトが存在しないことが保証される上で有益である。それらアーチファクトはレンズの分散性、即ち、スペクトルの赤色及び青色部分間におけるレンズの屈折率の相違により生ずるものである。本明細書ではずらし量は1mm未満であり、代表的には1mmよりずっと小さい。
【0023】
光バッフル4は
図1では全体に水平状態であり、且つ、長手方向軸Zに直交する状態で示される。その組み込み位置において、ヘッドライト1は自動車の走行地面と全体に平行な方向に配行される。この水平配行は対向車両への光の遮蔽上好都合である。対照的に、路肩方向への照射については、路肩部には対向ドライバーが存在しないことやアイレベルよりずっと上方の標識を読む必要があり得ることから、無理に同じ角度基準を適用しなくて良い。路肩方向へのそのような照射は光バッフル4の一部を屈曲させることで容易に実現させ得る。例えば、光バッフル4の一方の半分を、
図1で見て手前側に延ばすように引き出し、他方の半分を、
図1で見て裏側に延びるようにその方位角を傾斜させ得る。換言すれば、ヘッドライト1の端部を前方から見た場合、光バッフルの左半分は9時方向を指す時針に良く似た状態で水平方向に延び、右半分は3時よりはむしろ4時を指す時針と良く似た状態で水平方向から逸れる方向に延びる。実際は、路肩部分を十分に照射するために傾斜角度を15°まで、あるいはそれ以上とし得る。照射に関する法律上の仕様条件は国毎に異なり、各設定条件にはそれら条件に適したバッフル縁部形状がある。ある実施例では光バッフル4は好適な位置に1つまたは1つ超の切り欠きまたは峰部を有するものであり得る。
【0024】
光バッフル4を、全体的に平面的にでは無くその各縁部位置で屈曲あるいはカールさせる場合があり得る。詳しくは、
図1で見て最も手前側(
図1の紙面の外方)または最も遠い側(
図1の紙面の内方)の各横方向縁部に関してバッフルをレンズ2の方向に屈曲させ得る。このように屈曲させることでロービーム出力性能が改善され得る。この屈曲は凹形のリフレクタ3の形状を真性楕円から外すことによっても生じさせ得る。
【0025】
図1に示す如き固定式の全反射ミラー5は光バッフル4と一体的に作製される。上述した如く、全反射ミラー5もまた、別個に作製したものを光バッフル4に装着し得る。用語としての“全反射”は何らかの動きを含むものであり得るが、業界ではビーム路の単なる屈折の意味として十分認識されたものである。全反射ミラー5は、ハイビームLEDアレイ8からの光を反射するハイビーム時と、その反射が無いロービーム時の何れの場合も
図1に示す位置のまま動かない。
【0026】
全反射ミラー5に関し、
図1に示すジオメトリは最大限簡略化されており、ハイビームLEDアレイ8は光を全体に上向きに照射(自動車の軸線を中心とする分布)し、全反射ミラー5は45°に角度付けされ、全反射ミラー5で反射した光はレンズ2に向けて全体に水平方向に(長手方向軸を中心とする分布)進む。あるいは、ハイビームLEDアレイ8及び全反射ミラー5の取り付け角度が変更され、しかしビーム配光は全体的に水平に維持されるその他のジオメトリを使用できる。換言すれば、ハイビームLEDアレイ8の所定の取り付け角度に対して全反射ミラー5は常にビーム路を全体的に水平化するよう配向される。
【0027】
ハイビームLEDアレイ8はその構造及び機能的にロービームLEDアレイ7のそれに類似され得、または、随意的にはLED数をもっと多く又は少なくし得、また随意的には設置面積を相違させ得る。
ヘッドライト1は随意的に遮光部材100を含み得る。遮光部材100(あるいは以下に議論する部材16)はロービームLEDアレイ7からの光が全反射ミラー5の下方縁部より下側に進ませないように位置決めされる。
例えば、
図1の構成では遮光部材100は全体に水平であり、ロービームLEDアレイ7を含む平面内に略延在し、凹形のリフレクタ3の2つの焦点F1及びF2と交差する。
【0028】
図1の構成では、ロービームLEDアレイ7及びハイビームLEDアレイ8は、ヘッドライト1の組み付け及び使用時において、何れも水平化され且つ自動車の下側の地面と全体に平行化されるよう共に水平配向されたものとする。
図1では遮光部材100は凹形のリフレクタ3内で地面と全体に平行であり、代表的にはロービームLEDアレイ7から光バッフル4方向に伸延する。
遮光部材100は、全反射ミラー5の下方縁部より下方へのロービームLEDアレイ7からの光の通過を阻止する限りにおいて、任意の好適な配向及び形状を有し得るものとする。例えば、遮光部材100を、全反射ミラー5の下方縁部より下方へのロービームLEDアレイ7からの光の通過を阻止する限りにおいて、水平以外に配向され得、及び又は、必要に応じて傾斜あるいは屈曲させ得る。
ある構成では遮光部材100は反射性表面を有し得、かくしてロービームリフレクタ6であり得る。ロービームリフレクタ6に当たるロービームは反射されて上方の凹形のリフレクタ3方向に戻され得る。加えて、ロービームリフレクタ6は固定式の全反射ミラー5よりも下方へのロービーム通過を防止する。
【0029】
他の実施例では遮光部材100は、ロービームLEDアレイ7と固定式の全反射ミラー5との間、及び又は全反射ミラー5の後方に配置した、ヒートシンク200の角部又は縁部であり得る。ヒートシンク200は、金属あるいはその他の伝熱性の塊状物から形成され且つロービームLEDアレイ7及び又はハイビームLEDアレイ8と熱的に連通する遮光部材100を有する構成とされ得る。遮光部材100は吸収性表面であり得、入射光を散乱させる粗化表面であり得、あるいは、研磨した反射表面であり得る。
【0030】
一般に、任意の特定構成において、遮光部材100上の照射光量は、遮光部材を通り越して光バッフル4に当たるか又は光バッフル4を通り越す光量よりも比較的少ないと考えられる。遮光部材100が反射性のものであれば遮光部材100を通り越すそれらの比較的少ない光量を有効ロービームとして再利用できる。
図2には
図1のヘッドライト1の分解斜視図が示される。
図2にはビームは示されないが、便宜上、
図2においてそれら光線が辿るであろう通路について説明する。
図2ではロービームは
図2の右上角部付近の、凹形のリフレクタ3の第1焦点位置に位置付けたロービームLEDアレイ7から発生する。ロービームは全体に上向きで且つ若干左方向で凹形のリフレクタ3上に照射され、リフレクタ3により、全反射ミラー5付近に位置付けた第2焦点方向に差し向けられる。
【0031】
光バッフル4から生じる、あるいは地面又はヒートシンク200の一部と全体に平行な反射面を含み得るロービームリフレクタ6の縁部から生じるロービーム内に明/暗エッジが形成される。あるいは明/暗エッジは、全反射ミラー5の縁部から、あるいは全反射ミラー5を然るべく保持する構造エレメントから、あるいはロービームLEDアレイ7を支持するヒートシンク200の前縁部から形成され得る。あるいは明/暗エッジは、
図7を参照して以下に議論する如く、遮光部材16の縁部63により形成され得る。ロービームは、非球面のレンズ2の下半分方向に全体に進行し、レンズからヘッドライト1を出て自動車前方に差し向けられる。
【0032】
図2ではハイビームはハイビームLEDアレイ8から発生し、全体に上向きで且つ若干左方向で全反射ミラー5上に照射される。反射されたハイビームは非球面のレンズ2の上下の各半分に入り、レンズ2からヘッドライト1を出て自動車前方に差し向けられる。この状況は
図4に明示される。
【0033】
図2には
図1の光バッフル4の詳細が示される。光バッフル4は全反射ミラー5から水平方向に離間して伸延する。
図2では光バッフル4の横方向の水平な各縁部41及び42はレンズ2の方向に屈曲している。他の構成では光バッフル4は全体に平坦且つ全体に垂直であり得る。
図3には
図1及び
図2のヘッドライト1の、ロービームLEDアレイ7からヘッドライト1を出る何本かの代表的なロービーム線のトレースを含む側面図が示される。光の大半は全反射ミラー5の上方を通過してレンズ2の下半分に入り、地面に向けて下方に屈折される。光の小部分が遮光部材100に当たるが、遮光部材100がロービームリフレクタ6として光を反射する場合は光は上方に反射されてレンズ2の方向に戻り、レンズ2により地面方向に全体に下方に屈折される。
【0034】
図3ではロービームはその全て又はほぼ全てがヘッドライト1を出て若干下方に傾斜しつつ右方向に進行し、若干上方に傾斜して進行する光線は無い又は僅かである。一般に、レンズ2の位置でヘッドライト1を出るロービームの照射パターンは、ロービームの幾分かが路肩上方に進行してアイレベルよりも高位置の標識を照射し得、他方、対向車線上の対向車ドライバーの目にロービームが入らないよう、意図的に左右非対称化される。この理由から、米国(及びその他右側通行地域)ではヘッドライト1を出てドライバーの若干右側方向に進行するロービームの上方移動量はドライバーの左側に進む光のそれよりずっと大きい。この状況は左側通行の場合は逆になる。
【0035】
図5に示すように、放射光の左右非対称度は比較的小さく、代表的には1又は2°のオーダーのものである。この非対称性は、LEDアレイ7の取り付け構造の傾斜化、凹形のリフレクタ3の形状変更(代表的には設計/シミュレーション相中に行う)、及び又は、レンズ2を完全中心から移動させることで実現し得る。放射光を非対称化させるこれらの方法は全て当業者には良く知られたものである。本明細書の目的上、非対称性の程度を1°又は2°としたが、ヘッドライト1の長手方向軸は尚、全体に水平であるものとして参照され、ロービームLEDアレイ7及びハイビームLEDアレイ8の各出力は尚、全体に垂直な又は全体に垂直な軸を中心として分布するものとして参照される。
【0036】
図4には、ハイビームLEDアレイ8からの、
図1及び
図2のヘッドライト1を出る何本かの代表的なハイビーム線のトレースを含む側面図が示される。ヘッドライト1を出るハイビームは若干上向き及び下向きの各角度で進行する。
【0037】
図3にはロービームLEDアレイ7からの光線のみが示され、
図4にはハイビームLEDアレイ8からの光線のみが示される。
図3及び
図4では各LEDアレイからの光線は明瞭化のために分離状態で示される。実際は、ヘッドライト1を出る実質のハイビームにロービームLEDアレイ7及びハイビームLEDアレイ8からの各光線が共に含まれるよう、ハイビームを点灯してもロービームは通常はそのまま維持される。
図6ではシミュレートされるハイビームの出力にはロービームLEDアレイ7及びハイビームLEDアレイ8の双方からの貢献分が含まれる。
【0038】
図5にはヘッドライト1から出力されるロービームのコンタがプロットされている。水平及び垂直の各目盛りは、(0、0)位置を自動車前部に直接相当するポイント位置とした場合の度数である。路肩はプロットの右側、対向車線は左側である。この特定関心事項プロット図には3つの特徴部が含まれる。第1は、ほぼ全てのロービームが下方またはほぼ下方に照射され、かくして垂直軸のゼロ°ポイント位置より上方にはロービームが殆どまたは全く無い点である。第2は、“ホットスポット”またはピーク明度位置が路肩部方向に1°または2°シフトされ、また、真の水平から1°または2°下方にシフトされる点である(路肩方向へのシフトは1°または2°以上、1°または2°未満、またはゼロ、の場合があり得る)。第3は、ロービームの“テール部”が対向車両(
図5で左側)方向よりも路肩方向(
図5で右側)において一段と遠方に伸延され得ることである(テール部が路肩及び対向車両方向に等距離伸延される場合があり得る)。
【0039】
ロービームの出力プロファイルはヘッドライト設計のシミュレーションステージでルーチン様式下に調節される。この出力プロファイルは、ロービームLEDアレイ7、凹型のリフレクタ3、遮光部材100、光バッフル4、レンズ2、の形状及び方向の全てを調節可能な種々の光線トレース用コンピュータソフトウェアによりシミュレートされ得る。一般に、レンズ2を除くこれら全コンポーネントはロービーム出力に対してのみ寄与し、ヘッドライト1のハイビームの出力変更を要することなく調節され得る。
【0040】
ヘッドライト性能をシミュレートし、ヘッドライト設計を最適化させるために一般に使用される既知の光線トレースプログラムが幾つかある。例えば、Lucidshapeなるプログラムは照明の設計作業用のコンピューター支援設計用ソフトウェアであり、ドイツ国PaderbornのBrandenburg GmbH社から市販入手可能である。その他の既知のコンピューターソフトウェアも使用できる。
一般に、代表的な設計開始点には凹型のリフレクタ3の如き回転対称性の楕円が使用され得る。次いでソフトウェアが、凹型のリフレクタ3及びその他コンポーネントの表面プロファイルを調節してその性能を向上させ、光出力を所望の仕様設定に類似化させる。凹型のリフレクタ3は最終的には楕円に類似化され得るが、特にレンズ2に最も近い部分では真の楕円から外され得る。凹型のリフレクタ3は最終的には回転非対称性ともされ、かくして、各コンポーネントが研削や研磨によってではなくむしろ代表的には成型される点で、製造プロセスを複雑化することなく性能が改善され得る。
【0041】
同様に、
図6にはヘッドライト1のハイビームの出力コンタがプロットされる。このプロット図ではハイビームLEDアレイ8のスイッチオン時にロービームLEDアレイ7は作動状態に維持され、かくして、
図6のプロットではロー及びハイの各ビームの各明度が追加されている。ハイビームのスイッチオン時にロービームをスイッチオフすることも出来るが、通常、ハイビームスイッチオン時は代表的には通常ロービームもスイッチオンのままである。
ハイビームの出力は、代表的には左右方向に中心を置く有意の光量を水平位置よりも上方に追加する。ハイビームは、対向車のドライバーの視界悪化に関する考慮事項を減少させるよう、対向車両が存在しない場合のみスイッチオンされるものとした。ハイビームの出力性能は、設計プロセスのシミュレーション相で既知の光線トレースソフトウェアを用いることにより、ロービーム出力に関するそれと同一様式において改善または最適化され得る。
【0042】
図1〜4に示す設計では、ロービームの明/暗エッジは明確な光バッフル4により形成される。別の設計では光バッフル4を取り外して遮光部材100の前縁部を前方(レンズ2方向)に伸延させ、伸延させた遮光部材100の前縁部を利用してロービームに明/暗エッジを形成できる。この設計は、1つ少ない構成部材で同一機能が含まれることで
図1〜
図4の設計より簡単で且つ製造費用が低減され得る。
図7及び
図8には、遮光部材16をやや上方及びやや下方からみて前方に伸延させた1例としてのヘッドライト11の分解斜視図が示される。遮光部材16の前縁部63がロービームに明/暗エッジを形成させる。
【0043】
図7にはロー及びハイの各LEDアレイは示されないが、それらは
図2におけると同様に配置され、上方の凹型のリフレクタ3及び全反射ミラー5の各方向に配光する。
遮光部材16の水平の横方向縁部61、62は、全反射ミラー5に近いその中心位置からレンズ2方向に伸延される。ある実施例ではこの延長部は
図7及び
図8に示す如く左右対称とされる。他の実施例では延長部は左右非対称とされる。例えば、水平の横方向縁部61(あるいは62)が他方の水平な横方向縁部62(あるいは61)よりもレンズ2方向に長く伸延され得る。あるいは、遮光部材16の前縁部63の形状を、上述した非対称性化を助成するように左右非対称性化させ得る。
【0044】
ある実施例では遮光部材16は平坦である。その場合、遮光部材16の平面は水平または地面に平行とされ、あるいは地面に対して傾斜される。例えば、遮光部材の平面は、遮光部材16の前縁部63が、その後方部よりも地面に接近するように前方に傾斜され得る。ある実施例では遮光部材の平面は左右対称に配行され得る。他の実施例では遮光部材の平面はヘッドライト11の左側あるいは右側方向に傾斜され得る。それら全ての場合において、遮光部材16は、1°、2°、3°、4°、5°、10°、あるいは10°以上傾斜された場合においてさえ、その使用中は地面に対して“全体に平行”であるとする。
【0045】
ある実施例では遮光部材16は平面から外れたものとなる。例えば、遮光部材16は全体に湾曲され得、あるいは遮光部材16上の特定位置に、カール、リップル、あるいはウェーブ等の部分湾曲部を有し得る。
ある実施例では遮光部材16は凹型のリフレクタ3方向へと横断方向に伸延する。ある実施例では遮光部材16と凹型のリフレクタ3とが、レンズ2方向に開放する容積部を画定し、この容積部の前記開口部はレンズ2の上半分に全体に一致する。前記各実施例の幾つかにおいて、前記容積部の開口部はレンズ2の上半分より若干小さいまたは若干大きい。ある実施例では遮光部材16はヘッドライト11の長手方向軸位置あるいはその付近に位置付けられる。
【0046】
ある実施例では遮光部材16は凹型のリフレクタ3に達するまで横方向に完全に伸延され得る。前記伸延は遮光部材16の周囲の関連部分全体に沿ったものであり得、あるいは随意的には、クリアランス、通気、あるいはその他理由に基づいた1つまたは1つ超の中断部を含むものであり得る。他の実施例では遮光部材16は凹型のリフレクタ3に達するまで、しかしリフレクタとは接触しない状態で伸延され得る。
“実質的”、“実質的に”とは、特に断りのない限り、当業者には理解される如く、正確な関係、状況、配置、方向、及び又はその他特性を、また、ここで開示する方法及びシステムに実質的に悪影響を及ぼさない程度におけるそれらの変形例を含むものとする。
以上、本発明を実施例を参照して説明したが、本発明の内で種々の変更をなし得ることを理解されたい。