(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基地局が管理するセルとの接続を確立可能なユーザ端末を有し、直接的な端末間通信であるD2D通信をサポートする移動通信システムにおける前記ユーザ端末に備えられるプロセッサであって、
前記D2D通信を行っている他のユーザ端末から送信される信号の受信強度に関する測定情報を送信するか否かを判断するために用いられる閾値を、前記基地局から受信する処理を実行し、
前記他のユーザ端末から送信される前記信号の前記受信強度を測定して前記測定情報を生成する処理を実行し、
前記測定情報が前記閾値を満たした場合に、前記測定情報を前記基地局に送信する処理を実行し、
前記ユーザ端末の地理的な位置を示す位置情報の送信を前記基地局から要求された場合に、前記位置情報を定期的に前記基地局に送信する処理を実行し、
前記測定情報及び前記位置情報は、前記基地局による前記D2D通信のための制御に用いられることを特徴とするプロセッサ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態の概要]
実施形態に係る基地局は、基地局が管理するセルとの接続を確立可能なユーザ端末を有し、直接的な端末間通信であるD2D通信をサポートする移動通信システムにおける基地局である。前記基地局は、前記D2D通信を行っている他のユーザ端末から送信される信号の受信強度を測定することを要求する測定要求を前記ユーザ端末に送信する送信部と、前記測定要求に基づいて測定された前記受信強度を示す測定情報を前記ユーザ端末から受信する受信部と、前記測定情報に基づいて、前記ユーザ端末が前記D2D通信を可能か否かを判断する制御部と、を備える。前記制御部は、前記ユーザ端末が前記D2D通信を可能であると判断した場合に、前記D2D通信を行うことを指示する制御を行う。
【0011】
実施形態に係る基地局において、前記送信部は、前記ユーザ端末が前記他のユーザ端末とコアネットワークを経由するセルラ通信を行っている場合に、前記測定要求を送信する。
【0012】
実施形態に係る基地局において、前記制御部は、前記他のユーザ端末が、前記ユーザ端末と接続を確立する前記セル又は前記セルに隣接する隣接セルに在圏する場合に、前記ユーザ端末が前記D2D通信を可能であると判断し、前記測定要求を送信する制御を行う。
【0013】
実施形態に係る基地局において、前記制御部は、前記ユーザ端末の位置情報及び前記他のユーザ端末の位置情報に基づいて、前記ユーザ端末が前記他のユーザ端末の近くに存在すると判断した場合に、前記測定要求を送信する制御を行う。
【0014】
実施形態に係る基地局において、前記制御部は、前記ユーザ端末が前記他のユーザ端末の近くに存在することを示す近傍通知を受信した場合に、前記測定要求を送信する制御を行う。
【0015】
実施形態に係る基地局において、前記制御部は、前記D2D通信用の相手端末を発見するための発見用信号を受信したことを示す発見情報を前記ユーザ端末又は前記他のユーザ端末から受信した場合に、前記測定要求を送信する制御を行う。
【0016】
実施形態に係る基地局において、前記送信部は、前記ユーザ端末が前記受信強度を測定するために、前記他のユーザ端末が前記D2D通信を行うために割り当てられた無線リソースを示すスケジューリング情報を前記ユーザ端末に送信する。
【0017】
実施形態に係る基地局において、前記送信部は、前記ユーザ端末が前記スケジューリング情報をデコードするためのデコード情報を前記ユーザ端末に送信する。
【0018】
実施形態に係る基地局において、前記送信部は、前記ユーザ端末が、前記測定情報を送信するか否かを判断するために用いられる閾値を前記ユーザ端末に送信する。
【0019】
実施形態に係るユーザ端末は、基地局が管理するセルとの接続を確立可能なユーザ端末を有し、直接的な端末間通信であるD2D通信をサポートする移動通信システムにおけるユーザ端末である。前記ユーザ端末は、前記D2D通信を行っている他のユーザ端末から送信される信号の受信強度を測定することを要求する測定要求を前記基地局から受信する受信部と、前記測定要求に基づいて、前記他のユーザ端末から送信される前記信号の前記受信強度を測定する制御を行う制御部と、前記受信強度を示す測定情報を前記基地局に送信する送信部と、を備える。前記制御部は、前記ユーザ端末が前記他のユーザ端末と前記D2D通信を行うことを指示するD2D指示を前記基地局から受信した場合に、前記他のユーザ端末と前記D2D通信を行う制御を行う。
【0020】
実施形態に係るユーザ端末において、前記送信部は、前記ユーザ端末の位置情報を前記基地局に送信し、前記受信部は、前記位置情報に基づいて送信された前記測定要求を前記基地局から受信する。
【0021】
実施形態に係るユーザ端末において、前記受信部は、前記他のユーザ端末の位置情報を前記基地局から受信し、前記制御部は、前記他のユーザ端末の前記位置情報に基づいて、前記ユーザ端末が前記他のユーザ端末の近くに存在すると判断した場合に、前記ユーザ端末が前記他のユーザ端末の近くに存在することを示す近傍通知を前記基地局に送信し、前記受信部は、前記近傍通知に基づいて送信された前記測定要求を前記基地局から受信する。
【0022】
実施形態に係るユーザ端末において、前記受信部は、前記D2D通信用の相手端末を発見するための発見用信号を前記他のユーザ端末から受信し、前記送信部は、前記発見用信号を受信したことを示す発見情報を前記基地局に送信し、前記受信部は、前記発見情報に基づいて送信された前記測定要求を前記基地局から受信する。
【0023】
実施形態に係るユーザ端末において、前記受信部は、前記他のユーザ端末が前記D2D通信を行うために割り当てられた無線リソースを示すスケジューリング情報を前記基地局から受信し、前記制御部は、前記スケジューリング情報に基づいて、前記受信強度を測定する制御を行う。
【0024】
実施形態に係るユーザ端末において、前記受信部は、前記スケジューリング情報をデコードするためのデコード情報を前記基地局から受信し、前記制御部は、前記デコード情報を用いて前記スケジューリング情報をデコードする。
【0025】
実施形態に係るユーザ端末において、前記制御部は、前記受信強度が閾値を超えた場合に、前記基地局に前記測定情報を送信する制御を行う。
【0026】
実施形態において、前記信号は、前記D2D通信のために用いられる参照信号である。
【0027】
実施形態に係るプロセッサは、基地局が管理するセルとの接続を確立可能なユーザ端末を有し、直接的な端末間通信であるD2D通信をサポートする移動通信システムにおける前記ユーザ端末に備えられるプロセッサである。前記プロセッサは、前記D2D通信を行っている他のユーザ端末から送信される信号の受信強度を測定することを要求する測定要求を前記基地局から受信する処理を実行し、前記測定要求に基づいて、前記他のユーザ端末から送信される前記信号の前記受信強度を測定する制御を行う処理を実行し、前記受信強度を示す測定情報を前記基地局に送信する処理を実行し、前記ユーザ端末が前記他のユーザ端末と前記D2D通信を行うことを指示するD2D指示を前記基地局から受信した場合に、前記他のユーザ端末と前記D2D通信を行う処理を実行する。
【0028】
以下、図面を参照して、3GPP規格に準拠して構成されるセルラ移動通信システム(以下、「LTEシステム」)にD2D通信を導入する場合の各実施形態を説明する。
【0029】
(LTEシステム)
図1は、本実施形態に係るLTEシステムの構成図である。
【0030】
図1に示すように、LTEシステムは、複数のUE(User Equipment)100と、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)10と、EPC(Evolved Packet Core)20と、を含む。E−UTRAN10及びEPC20は、ネットワークを構成する。
【0031】
UE100は、移動型の無線通信装置であり、接続を確立したセル(サービングセル)との無線通信を行う。UE100はユーザ端末に相当する。
【0032】
E−UTRAN10は、複数のeNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は基地局に相当する。eNB200は、セルを管理しており、セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。
【0033】
なお、「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される他に、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても使用される。
【0034】
eNB200は、例えば、無線リソース管理(RRM)機能と、ユーザデータのルーティング機能と、モビリティ制御及びスケジューリングのための測定制御機能と、を有する。
【0035】
EPC20は、MME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)300と、OAM400(Operation and Maintenance)と)を含む。また、EPC20は、コアネットワークに相当する。
【0036】
MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行うネットワークノードであり、制御局に相当する。S−GWは、ユーザデータの転送制御を行うネットワークノードであり、交換局に相当する。
【0037】
eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。また、eNB200は、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。
【0038】
OAM400は、オペレータによって管理されるサーバ装置であり、E−UTRAN10の保守及び監視を行う。
【0039】
次に、UE100及びeNB200の構成を説明する。
【0040】
図2は、UE100のブロック図である。
図2に示すように、UE100は、アンテナ101と、無線送受信機110と、ユーザインターフェイス120と、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機130と、バッテリ140と、メモリ150と、プロセッサ160と、を有する。メモリ150及びプロセッサ160は、制御部を構成する。
【0041】
UE100は、GNSS受信機130を有していなくてもよい。また、メモリ150をプロセッサ160と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサ160’としてもよい。
【0042】
アンテナ101及び無線送受信機110は、無線信号の送受信に用いられる。アンテナ101は、複数のアンテナ素子を含む。無線送受信機110は、プロセッサ160が出力するベースバンド信号を無線信号に変換してアンテナ101から送信する。また、無線送受信機110は、アンテナ101が受信する無線信号をベースバンド信号に変換してプロセッサ160に出力する。
【0043】
ユーザインターフェイス120は、UE100を所持するユーザとのインターフェイスであり、例えば、ディスプレイ、マイク、スピーカ、及び各種ボタンなどを含む。ユーザインターフェイス120は、ユーザからの操作を受け付けて、該操作の内容を示す信号をプロセッサ160に出力する。
【0044】
GNSS受信機130は、UE100の地理的な位置を示す位置情報を得るために、GNSS信号を受信して、受信した信号をプロセッサ160に出力する。
【0045】
バッテリ140は、UE100の各ブロックに供給すべき電力を蓄える。
【0046】
メモリ150は、プロセッサ160によって実行されるプログラムと、プロセッサ160による処理に使用される情報と、を記憶する。
【0047】
プロセッサ160は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ150に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサ160は、さらに、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサ160は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
【0048】
図3は、eNB200のブロック図である。
図3に示すように、eNB200は、アンテナ201と、無線送受信機210と、ネットワークインターフェイス220と、メモリ230と、プロセッサ240と、を有する。メモリ230及びプロセッサ240は、制御部を構成する。なお、メモリ230をプロセッサ240と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサ240’としてもよい。
【0049】
アンテナ201及び無線送受信機210は、無線信号の送受信に用いられる。アンテナ201は、複数のアンテナ素子を含む。無線送受信機210は、プロセッサ240が出力するベースバンド信号を無線信号に変換してアンテナ201から送信する。また、無線送受信機210は、アンテナ201が受信する無線信号をベースバンド信号に変換してプロセッサ240に出力する。
【0050】
ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイスを介して隣接eNB200と接続され、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信に用いられる。
【0051】
メモリ230は、プロセッサ240によって実行されるプログラムと、プロセッサ240による処理に使用される情報と、を記憶する。
【0052】
プロセッサ240は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ230に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPUと、を含む。プロセッサ240は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
【0053】
図4は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。
【0054】
図4に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルのレイヤ1乃至レイヤ3に区分されており、レイヤ1は物理(PHY)レイヤである。レイヤ2は、MAC(Media Access Control)レイヤと、RLC(Radio Link Control)レイヤと、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤと、を含む。レイヤ3は、RRC(Radio Resource Control)レイヤを含む。
【0055】
物理レイヤは、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。物理レイヤは、物理チャネルを用いて上位レイヤに伝送サービスを提供する。UE100の物理レイヤとeNB200の物理レイヤとの間では、物理チャネルを介してデータが伝送される。
【0056】
MACレイヤは、データの優先制御、及びハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理などを行う。UE100のMACレイヤとeNB200のMACレイヤとの間では、トランスポートチャネルを介してデータが伝送される。eNB200のMACレイヤは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式など)、及び割り当てリソースブロックを決定するMACスケジューラを含む。
【0057】
RLCレイヤは、MACレイヤ及び物理レイヤの機能を利用してデータを受信側のRLCレイヤに伝送する。UE100のRLCレイヤとeNB200のRLCレイヤとの間では、論理チャネルを介してデータが伝送される。
【0058】
PDCPレイヤは、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
【0059】
RRCレイヤは、制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRCレイヤとeNB200のRRCレイヤとの間では、各種設定のための制御信号(RRCメッセージ)が伝送される。RRCレイヤは、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間にRRC接続がある場合、UE100は接続状態であり、そうでない場合、UE100はアイドル状態である。
【0060】
RRCレイヤの上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)レイヤは、セッション管理及びモビリティ管理などを行う。
【0061】
図5は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。LTEシステムは、下りリンクにはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)、上りリンクにはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)がそれぞれ使用される。
【0062】
図5に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成され、各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。各シンボルの先頭には、サイクリックプレフィックス(CP)と呼ばれるガード区間が設けられる。リソースブロックは、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。1つのサブキャリア及び1つのシンボルにより構成される無線リソース単位はリソースエレメント(RE)と称される。
【0063】
UE100に割り当てられる無線リソースのうち、周波数リソースはリソースブロックにより特定でき、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により特定できる。
【0064】
下りリンクにおいて、各サブフレームの先頭数シンボルの区間は、主に物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)として使用される制御領域である。また、各サブフレームの残りの区間は、主に物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)として使用できる領域である。さらに、各サブフレームには、セル固有参照信号(CRS)が分散して配置される。
【0065】
上りリンクにおいて、各サブフレームにおける周波数方向の両端部は、主に物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)として使用される制御領域である。また、各サブフレームにおける周波数方向の中央部は、主に物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)として使用できる領域である。さらに、各サブフレームには、復調参照信号(DMRS)及びサウンディング参照信号(SRS)が配置される。
【0066】
(D2D通信)
次に、LTEシステムの通常の通信(セルラ通信)とD2D通信とを比較して説明する。
【0067】
図6は、セルラ通信におけるデータパスを示す図である。ここでは、eNB200−1との接続を確立したUE100−1と、eNB200−2との接続を確立したUE100−2と、の間でセルラ通信を行う場合を例示している。なお、データパスとは、ユーザデータ(ユーザプレーン)の転送経路を意味する。
【0068】
図6に示すように、セルラ通信のデータパスはコアネットワークを経由する。詳細には、eNB200−1、S−GW300、及びeNB200−2を経由するデータパスが設定される。
【0069】
図7は、D2D通信におけるデータパスを示す図である。ここでは、eNB200−1との接続を確立したUE100−1と、eNB200−2との接続を確立したUE100−2と、の間でD2D通信を行う場合を例示している。
【0070】
例えば、UE100−1及びUE100−2のうち一方のUE100が、近傍に存在する他方のUE100を発見することで、D2D通信が開始される。なお、D2D通信を開始するために、UE100は、自身の近傍に存在する他のUE100を発見する(Discover)機能を有する。また、UE100は、他のUE100から発見される(Discoverable)機能を有する。
【0071】
図7に示すように、D2D通信のデータパスはコアネットワークを経由しない。すなわち、UE間で直接的な無線通信を行う。このように、UE100−1の近傍にUE100−2が存在するのであれば、UE100−1とUE100−2との間でD2D通信を行うことによって、コアネットワークのトラフィック負荷及びUE100のバッテリ消費量を削減するなどの効果が得られる。なお、Locally Routedというモードでは、データパスがS−GW300を経由せずにeNB200を経由する。
【0072】
(D2D端末リスト)
ネットワークは、D2D通信を行っているUE100を管理している。本実施形態において、eNB200は、D2D端末リストを有し、当該D2D端末リストを用いてD2D通信を行っているUE100を管理する。
【0073】
D2D端末リストは、D2D通信を行っているUE100のリストである。具体的には、D2D端末リストには、eNB200が管理する自セルに在圏し、D2D通信を行っているUE100の情報が記録される。UE100の情報として、例えば、UE100の識別子、位置情報、UE100の通信相手の識別子、UE100の通信相手の位置情報、及び、UE100の通信相手が在圏しているセルの識別子が挙げられる。なお、自セルに隣接する隣接セルに在圏し、D2D通信を行っているUE100の情報が記録されてもよい。
【0074】
なお、UE100がセルに在圏している場合、UE100は、当該セルとの接続を確立した状態(接続状態)、又は当該セルにキャンプした状態(アイドル状態)である。
【0075】
eNB200は、自セルに在圏するUE100が、D2D通信を開始した場合又はD2D通信を行っている場合に、当該UE100をD2D端末リストに記録する。
【0076】
また、eNB200は、D2D端末リストに記録されているUE100が、D2D通信を終了した場合に、D2D端末リストに記録されたUE100を削除する。また、eNB200は、UE100が、eNB200に隣接する隣接eNB200が管理するセルとの接続を確立した場合に、D2D端末リストに記録されたUE100を削除してもよいし、UE100が、自セル及び隣接セルから別のセルとの接続を確立した場合に、D2D端末リストに記録されたUE100を削除してもよい。
【0077】
eNB200は、D2D端末リストに基づいて、UE100がD2D通信を行っているかを判断する。
【0078】
なお、eNB200は、定期的又は不定期に、eNB200に隣接する隣接eNB200から、X2インターフェイスを介して、隣接eNB200が有するD2D端末リストを取得してもよい。
【0079】
(実施形態に係る移動通信システムの概略動作)
次に、実施形態に係る移動通信システムの概略動作について、
図8を用いて説明する。
図8は、実施形態に係る移動通信システムの動作例を示すシーケンス図である。
【0080】
本実施形態において、UE100−1、UE100−2及びUE100−3は、eNB200が管理するセルとの接続を確立している。また、
図8に示すように、実施形態において、UE100−1は、UE100−2及びUE100−3と、eNB200及びコアネットワーク(不図示)を介するセルラ通信を行っている。また、UE100−2とUE100−3とは、D2D通信を行っている。
【0081】
なお、eNB200が、UE100−2とUE100−3とのD2D通信を制御していると仮定して説明する。従って、eNB200は、UE100−2とUE100−3とがD2D通信を行うために無線リソースを割り当て、割り当てられた無線リソースを示すスケジューリング情報をUE100−2及びUE100−3に送信する。
【0082】
本実施形態において、eNB200は、UE100−1が、D2D通信を行っているUE100−2及びUE100−3とセルラ通信を行っている場合に、ステップS101の処理を実行する。
【0083】
図8に示すように、ステップS101において、eNB200は、UE100−1が、UE100−1のセルラ通信の相手端末であるUE100−2及びUE100−3の近くに存在するか否かを判断する。具体的には、eNB200は、以下の(A)〜(D)の少なくともいずれかの方法によって、判断する。
【0084】
(A)判断パターン1
eNB200は、UE100−1、UE100−2及びUE100−3が在圏するセルに基づいて、UE100−1がUE100−2及びUE100−3の近くに存在するか否かを判断する。
【0085】
具体的には、eNB200は、D2D端末リストに基づいて、UE100−1が接続するセルが、UE100−2及びUE100−3の少なくとも一方が在圏するセルと同一又は隣接する場合に、UE100−1がUE100−2及びUE100−3の近くに存在すると判断する。すなわち、eNB200は、UE100−2及びUE100−3の少なくとも一方が、UE100−1が接続するセル又は当該セルに隣接するセルに在圏する場合に、UE100−1がUE100−2及びUE100−3の近くに存在すると判断する。
【0086】
なお、eNB200は、UE100−2及びUE100−3の両方が、UE100−1が接続するセル又は隣接セルに在圏する場合に、UE100−1がUE100−2及びUE100−3の近くに存在すると判断してもよい。
【0087】
(B)判断パターン2
eNB200は、UE100−1、UE100−2及びUE100−3のそれぞれの位置情報に基づいて、UE100−1がUE100−2及びUE100−3の近くに存在するか否かを判断する。
【0088】
eNB200は、UE100−1の位置情報及びUE100−2の位置情報に基づいて、UE100−1とUE100−2との距離が閾値以下になった場合に、UE100−1がUE100−2の近くに存在すると判断する。eNB200は、同様に、UE100−1が、UE100−3の近くに存在するか否かを判断する。
【0089】
また、eNB200は、UE100−1とUE100−2及びUE100−3の一方との距離が閾値以下になった場合に、UE100−1とUE100−2及びUE100−3の他方との距離が閾値以下になったとみなしてもよい。
【0090】
なお、eNB200は、UE100−1、UE100−2及びUE100−3のそれぞれに位置情報を要求して、各UE100(UE100−1、UE100−2及びUE100−3)から位置情報を取得することができる。また、eNB200は、eNB200の上位装置から、各UE100の位置情報を取得してもよい。
【0091】
また、eNB200は、UE100−1がUE100−2及びUE100−3の近くに存在しないと判断した場合に、各UE100に、各UE100の位置情報を送信する要求を定期的又は不定期に行ってもよく、eNB200は、各UE100に、定期的に位置情報を送信する要求を行ってもよい。また、eNB200は、各UE100が、eNB200に送信した位置情報が示す位置から所定値以上離れた場合に、最新の位置情報を送信するように、各UE100に要求してもよい。
【0092】
(C)判断パターン3
eNB200は、UE100−1がUE100−2及びUE100−3の近くに存在することを示す近傍通知に基づいて、UE100−1がUE100−2及びUE100−3の近くに存在するか否かを判断する。
【0093】
まず、eNB200は、UE100−2及びUE100−3のそれぞれに位置情報を要求して、UE100−2及びUE100−3のそれぞれから位置情報を取得する。
【0094】
次に、eNB200は、UE100−2及びUE100−3のそれぞれの位置情報をUE100−1に送信する。UE100−1は、UE100−2及びUE100−3のそれぞれの位置情報を受信する。
【0095】
UE100−1は、受信したUE100−2及びUE100−3のそれぞれの位置情報に基づいて、UE100−1がUE100−2及びUE100−3の近くに存在するか否かを判断する。具体的には、UE100−1は、UE100−1の現在位置とUE100−2の位置情報とに基づいて、UE100−1とUE100−2との距離が閾値以下になった場合に、UE100−1がUE100−2の近くに存在すると判断する。eNB200は、同様に、UE100−1が、UE100−3の近くに存在するか否かを判断する。
【0096】
UE100−1は、UE100−2及びUE100−3の近くに存在すると判断した場合に、近傍通知をeNB200に送信する。
【0097】
eNB200は、近傍通知を受信した場合に、UE100−1がUE100−2及びUE100−3の近くに存在すると判断する。
【0098】
なお、eNB200は、UE100−2及びUE100−3のそれぞれから定期的又は不定期に受信した位置情報をUE100−1に送信してもよい。
【0099】
(D)判断パターン4
eNB200は、D2D通信用の相手端末を発見するための発見用信号(以下、Discovery信号と称する)を受信したことを示す発見情報に基づいて、UE100−1がUE100−2及びUE100−3の近くに存在するか否かを判断する。
【0100】
まず、eNB200は、UE100−1、UE100−2及びUE100−3の少なくともいずれかのUE100に、Discovery信号を送信するように要求する。ここでは、UE100−2及びUE100−3が、Discovery信号の送信要求を受信したと仮定して説明する。
【0101】
UE100−2及びUE100−3は、当該要求に基づいて、Discovery信号を送信する。UE100−1は、UE100−2及びUE100−3のそれぞれからのDiscovery信号を受信した場合に、Discovery信号を受信したことを示す発見情報をeNB200に送信する。
【0102】
eNB200は、発見情報を受信した場合に、UE100−1がUE100−2及びUE100−3の近くに存在すると判断する。
【0103】
以上の(A)〜(D)の少なくともいずれかの判断パターンにより、eNB200は、UE100−1が、UE100−2及びUE100−3に近接したと判断した場合に、ステップS102の処理を実行する。
【0104】
ステップS102において、eNB200は、UE100−1に測定要求を行う。UE100−1は、測定要求を受信する。
【0105】
測定要求は、D2D通信を行っているUE100−2及びUE100−3から送信される信号の受信強度を測定することを要求する情報である。
【0106】
また、eNB200は、UE100−2とUE100−3とがD2D通信を行うために割り当てられた無線リソースを示すスケジューリング情報をUE100−1に送信してもよい。
【0107】
また、eNB200は、スケジューリング情報を送信する無線リソースを示す無線リソース情報をUE100−1に送信してもよい。UE100−1は、受信した無線リソース情報に基づいて、スケジューリング情報を受信することができる。
【0108】
また、eNB200は、スケジューリング情報をデコードするためのデコード情報を送信してもよい。UE100−1は、デコード情報に基づいて、スケジューリング情報をデコードすることができる。
【0109】
また、eNB200は、後述する測定情報を送信するか否かを判断するために用いられる閾値をUE100−1に送信してもよい。
【0110】
ステップS103において、UE100−1は、D2D通信を行っているUE100−2及びUE100−3から送信される信号を測定する。
【0111】
UE100−2及びUE100−3は、D2D通信を行っているため、D2D通信に用いられるD2D信号を送信している。UE100−1は、UE100−2及びUE100−3のそれぞれから送信されるD2D信号を受信し、受信した各D2D信号の受信強度を測定する。
【0112】
UE100−1は、スケジューリング情報によって、UE100−2及びUE100−3がD2D信号を送信するタイミング及びD2D信号の周波数帯を推定することができる。UE100−1は、推定した周波数帯におけるD2D信号の受信強度を推定したタイミングで測定してもよい。
【0113】
また、UE100−1は、UE100−2及びUE100−3から送信されたD2D通信のために用いられるD2D参照信号を受信して、D2D参照信号の受信強度を測定してもよい。D2D参照信号は、D2D通信を行っているUE100が、所定の電波強度で定期的又は不定期に送信する信号である。D2D参照信号は、例えば、D2D通信を行っているUE100が、D2D通信を継続可能か否かを判断するために用いられる。具体的には、UE100−2及びUE100−3は、D2D参照信号を互いに所定値以上の受信強度で受信することにより、D2D通信が継続可能と判断する。
【0114】
ステップS104において、UE100−1は、測定されたD2D信号の受信強度を示す測定情報をeNB200に送信する。eNB200は、測定情報を受信する。
【0115】
UE100−1は、定期的に測定情報をeNB200に送信してもよいし、UE100−1は、受信強度が所定の閾値を超えた場合に、eNB200に送信してもよい。当該所定の閾値は、UE100−1に予め記憶されていた固有の閾値であってもよいし、ステップS102で説明したeNB200から受信した閾値であってもよい。
【0116】
ステップS105において、eNB200は、UE100−1がUE100−2及びUE100−3とD2D通信が可能か否かを判断する。eNB200は、UE100−2及びUE100−3のそれぞれのD2D信号の受信強度が所定値以上である場合に、UE100−1がUE100−2及びUE100−3とD2D通信が可能と判断する。
【0117】
eNB200は、D2D通信が不可能と判断した場合は、ステップS101の近接判断を行ってもよいし、ステップS101の近接判断を行わずにステップS102の測定要求を定期的又は不定期に送信してもよい。
【0118】
一方、eNB200は、D2D通信が可能と判断した場合は、ステップS106において、UE100−2及びUE100−3とD2D通信を行うことを指示するD2D指示を送信する。UE100−1は、D2D指示を受信する。
【0119】
eNB200は、UE100−1、UE100−2及びUE100−3がD2D通信を行うために割り当てられた無線リソースを示すスケジューリング情報をUE100−1に送信してもよい。
【0120】
ステップS107において、UE100−1、UE100−2及びUE100−3は、D2Dリンクを確立するために、D2Dセットアップを行う。D2Dリンクを確立した後、UE100−1、UE100−2及びUE100−3は、D2D通信を行う。
【0121】
D2Dリンクが確立した場合、UE100−1は、D2Dセットアップが完了したことを報告する完了報告をeNB200に送信してもよい。または、UE100−1、UE100−2及びUE100−3を代表してeNB200と通信を行うアンカーUE100が、完了報告をeNB200に送信してもよい。
【0122】
eNB200は、当該完了報告に基づいて、D2D端末リストを更新してもよいし、ステップS106におけるD2D指示を送信した場合に、D2D端末リストを更新してもよい。
【0123】
(第1実施形態のまとめ)
本実施形態において、eNB200(無線送受信機210)は、D2D通信を行っているUE100−2及びUE100−3から送信されるD2D信号の受信強度を測定することを要求する測定要求を送信する。UE100−1(無線送受信機110)は、測定要求をeNB200から受信する。UE100−1(制御部及び無線送受信機110)は、測定要求に基づいて、UE100−2及びUE100−3から送信されるD2D信号の受信強度を測定する。UE100−1(無線送受信機110)は、受信強度を示す測定情報をeNB200に送信する。eNB200(無線送受信機210)は、測定情報をUE100−1から受信する。eNB200(制御部)は、測定情報に基づいて、UE100−1がD2D通信を可能か否かを判断する。eNB200(制御部及び無線送受信機210)は、UE100−1がD2D通信が可能であると判断した場合に、UE100−1にD2D通信を行うことを指示するD2D指示を送信する。UE100−1(制御部及び無線送受信機110)は、D2D通信を行うことを指示するD2D指示をeNB200から受信した場合に、UE100−2及びUE100−3とD2D通信を行う。これにより、eNB200は、D2D通信を行っているUE100−2及びUE100−3からの信号の受信強度に基づいて、UE100−1がD2D通信が可能か否かを判断するため、UE100−1がD2D通信が可能か否かを精度よく判断することができる。さらに、UE100−1は、D2D通信が可能である場合に、eNB200からのD2D指示に基づいてD2D通信を行うため、D2D通信を有効に活用することができる。
【0124】
また、本実施形態では、eNB200(無線送受信機210)は、UE100−1がUE100−2及びUE100−3とセルラ通信を行っている場合に、測定要求を送信し、UE100−1(制御部及び無線送受信機110)は、UE100−2及びUE100−3とセルラ通信を行っている場合に、受信強度を測定する。これにより、セルラ通信の代わりに、D2D通信を行うことによって、D2D通信を有効活用すると共に、eNB200の負荷を低減することができる。
【0125】
また、本実施形態では、eNB200(制御部)は、UE100−2及びUE100−3の少なくとも一方が、UE100−1が接続するセル又は当該セルに隣接するセルに在圏する場合に、UE100−1がUE100−2及びUE100−3の近くに存在すると判断し、UE100−1がD2D通信を可能であると判断する。これにより、eNB200は、無駄な測定要求を送信せずに済み、UE100−1は、無駄なD2D信号の測定をせずに済む。
【0126】
また、本実施形態では、UE100−1(無線送受信機110)は、UE100−1の位置情報をeNB200に送信する。eNB200(制御部及び無線送受信機210)は、UE100−1の位置情報及びUE100−2及びUE100−3のそれぞれの位置情報に基づいて、UE100−1がUE100−2及びUE100−3の近くに存在すると判断した場合に測定要求を送信する。UE100−1(無線送受信機110)は、位置情報に基づいて送信された測定要求をeNB200から受信する。これにより、eNB200は、無駄な測定要求を送信せずに済み、UE100−1は、無駄なD2D信号の測定をせずに済む。
【0127】
また、本実施形態では、UE100−1(無線送受信機110)は、UE100−2及びUE100−3のそれぞれの位置情報をeNB200から受信する。UE100−1(制御部及び無線送受信機110)は、UE100−2及びUE100−3のそれぞれの位置情報に基づいて、UE100−2及びUE100−3の近くに存在すると判断した場合に、近傍通知を送信する。eNB200(制御部及び無線送受信機210)は、近傍通知を受信した場合に、測定要求を送信する。UE100−1(無線送受信機110)は、近傍通知に基づいて送信された測定要求をeNB200から受信する。これにより、eNB200は、無駄な測定要求を送信せずに済み、UE100−1は、無駄なD2D信号の測定をせずに済む。
【0128】
UE100−1(無線送受信機110)は、Discovery信号をUE100−2及びUE100−3から受信し、Discovery信号を受信したことを示す発見情報をeNB200に送信する。eNB200(制御部及び無線送受信機210)は、発見情報をUE100−1から受信した場合に、測定要求を送信する。UE100−1(無線送受信機110)は、発見情報に基づいて送信された測定要求をeNB200から受信する。これにより、eNB200は、無駄な測定要求を送信せずに済み、UE100−1は、無駄なD2D信号の測定をせずに済む。
【0129】
また、本実施形態では、eNB200(無線送受信機210)は、UE100−2及びUE100−3がD2D通信を行うために割り当てられた無線リソースを示すスケジューリング情報をUE100−1に送信する。UE100−1(無線送受信機110)は、スケジューリング情報を受信する。UE100−1(制御部及び無線送受信機110)は、スケジューリング情報に基づいて、受信強度を測定する。これにより、UE100−1は、スケジューリング情報によって、UE100−2及びUE100−3がD2D信号を送信するタイミング及びD2D信号の周波数帯を推定することができる。UE100−1は、推定した周波数帯におけるD2D信号の受信強度を推定したタイミングで測定することによって、効率よく受信強度を測定できる。
【0130】
また、本実施形態では、eNB200(無線送受信機210)は、UE100−1がスケジューリング情報をデコードするためのデコード情報をUE100−1に送信する。UE100−1(無線送受信機110)は、デコード情報をeNB200から受信する。UE100−1(制御部)は、デコード情報を用いてスケジューリング情報をデコードする。これにより、UE100−1は、スケジューリング情報を受信し、受信したスケジューリング情報をデコードすることができる。UE100−1は、デコードされたスケジューリング情報に基づいて、効率よくD2D信号の受信強度を測定できる。
【0131】
また、本実施形態において、eNB200(無線送受信機210)は、UE100−1が測定情報を送信するか否かを判断するために用いられる閾値をUE100−1に送信する。UE100−1(制御部及び無線送受信機110)は、受信強度が当該閾値を超えた場合に、eNB200に測定情報を送信する。これにより、eNB200は、測定情報の送信を制御できる。例えば、eNB200は、所定値以上の送信電力でD2D通信を行うことを許可する場合には、基準値よりも低い閾値をUE100−1に送信することができる。一方、eNB200は、所定値未満の送信電力でのみD2D通信を行うことを許可する場合には、基準値よりも高い閾値をUE100−1に送信することができる。
【0132】
また、本実施形態では、D2D信号は、D2D通信のために用いられるD2D参照信号であってもよい。D2D参照信号は、D2D通信が継続可能か否かを判定するために用いることができるため、D2D参照信号の受信強度を測定することにより、安定したD2D通信が保証された上で、UE100−1は、D2D通信を開始することができる。
【0133】
[その他実施形態]
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0134】
例えば、上述した実施形態では、UE100−1は、UE100−2及びUE100−3とセルラ通信を行っていたが、これに限られない。UE100−1は、UE100−2とのみセルラ通信を行い、UE100−3と通信を行っていない場合であっても、eNB200は、測定要求を送信してもよい。すなわち、eNB200は、D2D通信を行っている複数のUE100のうち、少なくとも一つのUE100とセルラ通信を行い、且つ複数のUE100とD2D通信を行っていないUE100に対して、測定要求を送信してもよい。
【0135】
また、上述した実施形態では、eNB200は、UE100−2及びUE100−3とセルラ通信を行っている場合に、測定要求をUE100−1に送信していたが、これに限られない。UE100−1が、D2D通信を行っているUE100を通信相手としてセルラ通信又はD2D通信を要求した場合に、測定要求を送信してもよい。
【0136】
また、上述した実施形態では、eNB200は、UE100−1が、UE100−2及びUE100−3の近くに存在する場合に測定要求を送信していたが、これに限られない。eNB200は、近接判断をせずに測定要求を送信してもよい。
【0137】
また、上述した実施形態では、UE100−1は、UE100−2及びUE100−3のそれぞれのD2D信号の受信強度を測定していたが、これに限られない。例えば、UE100−1は、UE100−2とセルラ通信をしていた場合に、UE100−1のD2D信号の受信強度を測定し、UE100−3のD2D信号の受信強度を測定しなくてもよい。従って、UE100−1は、UE100−2のみの信号の受信強度を示す測定情報をeNB200に送信してもよい。また、UE100−1は、D2D通信のためにeNB200との通信を代表して行うアンカーUE100が存在する場合に、アンカーUE100のD2D信号の受信強度を測定し、他のUE100の受信強度を測定しなくてもよい。この場合、eNB200は、アンカーUE100の識別子をUE100に送信し、UE100−1は、当該識別子に基づいて、アンカーUE100のD2D信号の受信強度を測定する。
【0138】
また、上述した実施形態では、eNB200は、UE100−1にD2D指示を送信したが、これに限られない。eNB200は、UE100−1だけでなく、UE100−2及びUE100−3にD2D指示を送信してもよい。また、アンカーUE100が存在する場合には、アンカーUE100に、D2D通信を指示してもよい。
【0139】
また、上述した実施形態では、eNB200は、UE100−1にスケジューリング情報を送信していたが、これに限られない。UE100−1は、UE100−1宛てではなくUE100−2及びUE100−3宛てであるスケジューリング情報を送信する無線リソースを示す無線リソース情報に基づいて、受信してもよい。さらに、UE100−1は、受信したスケジューリング情報を、デコード情報に基づいて、スケジューリング情報をデコードすることができる。
【0140】
また、上述した実施形態では、eNB200は、UE100−1がUE100−2及びUE100−3とD2D通信が可能か否かを判断していたが、これに限られない。例えば、eNB200の上位装置(例えば、MME)が、D2D端末リストを用いて、D2D通信を行っているUE100を管理していてもよい。すなわち、eNB200の上位装置が、UE100−1がUE100−2及びUE100−3とD2D通信が可能か否かを判断してもよい。また、eNB200の上位装置が、UE100−1が、UE100−2及びUE100−3の近くに存在するか否かを判断してもよい。