(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の乳母車において、固定部に対する回転部の位置によっては、回転部に設けられた制動機構を操作し難いことがある。本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、車輪の回転を規制するための操作性において優れたキャスター、並びに、このキャスターを有した乳母車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるキャスターは、
乳母車の脚に固定される固定体と、
キャスター軸線を中心として前記固定体に対して回転可能となるように前記固定体と接続された回転体と、
前記回転体に対して回転可能となるように前記回転体に車軸を介して支持された車輪と、
前記回転体に対して相対移動可能となるように前記回転体に支持されたロック部材と、
前記キャスター軸線上に配置され且つ前記キャスター軸線に沿って前記固定体及び前記回転体に対して相対移動可能な切換部材と、を備え、
前記ロック部材は、前記車輪と係合して車輪の回転を規制するロック位置と、前記車輪との係合を解除される解除位置と、の間を前記切換部材のキャスター軸線に沿った移動にともなって移動可能である。
【0007】
本発明によるキャスターにおいて、前記固定体は、前記乳母車の前記脚に固定される固定体本体と、前記固定体本体から下方に延び出た軸部材と、を有し、前記回転体は、前記固定体の前記軸部材が貫通する筒状保持部を有し、前記切換部材は、前記軸部材に対して摺動可能となるよう当該軸部材を貫通して配置されていてもよい。
【0008】
本発明によるキャスターにおいて、前記軸部材は、当該軸部材を貫通する固定ピンを介して、前記固定体本体に固定され、前記切換部材は、前記軸部材を貫通する軸部を有し、前記キャスター軸線と平行な方向に延びる貫通孔が前記軸部に形成されていてもよい。
【0009】
本発明によるキャスターにおいて、前記軸部材は、円筒状の円筒状本体部と、前記円筒状本体部の下端に設けられ前記円筒状本体部から拡径するように延び出したつば部と、を有し、前記つば部は、前記キャスター軸線と平行な方向に沿って、前記回転体の前記筒状保持部の下端と対面して配置されていてもよい。
【0010】
本発明によるキャスターにおいて、前記回転体の前記筒状保持部の下端に前記筒状保持部から縮径するように延び出した輪状底板部が形成され、前記回転体の前記筒状保持部及び前記輪状底板部に対面する位置に、前記軸部材に貫通されたブッシュが設けられていてもよい。
【0011】
本発明によるキャスターにおいて、前記切換部材は、前記キャスター軸線に沿って延びる軸部と、前記軸部と固定され且つ前記キャスター軸線と非平行な方向に広がる係合板状部と、を有し、前記ロック部材は、前記キャスター軸線に沿った前記切換部材の移動にともなって前記切換部材の前記係合板状部に押圧され、前記回転体に対して相対移動するようにしてもよい。
【0012】
本発明によるキャスターにおいて、前記係合板状部は、円板状に形成されていてもよい。
【0013】
本発明によるキャスターにおいて、前記ロック部材は、前記キャスター軸線と平行な方向に沿って前記係合板状部と対面する位置に突出した突片を、有するようにしてもよい。
【0014】
本発明によるキャスターにおいて、前記ロック部材は、前記回転体に対して前記キャスター軸線と平行な方向に移動可能であるようにしてもよい。
【0015】
本発明によるキャスターにおいて、前記ロック部材は、前記回転体に対して相対移動可能なロック本体部と、前記ロック本体部に保持されたロックピンと、を有し、前記回転体は、前記ロック本体部を移動可能に収容するケーシングを有し、前記ケーシングには、前記ロックピンが貫通した貫通孔が形成され、この貫通孔は、前記ロック本体部の前記回転体に対する相対移動方向に延び、前記ロックピンは、前記ロック部材が前記ロック位置にある場合に前記車輪と係合して車輪の回転を規制し、前記ロック部材が前記解除位置にある場合に前記車輪との係合を解除されるようにしてもよい。
【0016】
本発明によるキャスターにおいて、前記ロック本体部は、前記ケーシングに対して移動可能に支持され、且つ、その移動方向の両端が開口した筒状となっており、前記ロック本体部内に少なくとも一部分が位置するようにして保持部材が設けられ、前記車軸は、前記ケーシング及び前記ガイド部材を貫通していてもよい。
【0017】
本発明によるキャスターにおいて、前記ケーシングに、前記車軸が貫通する貫通孔が形成され、この貫通孔は、前記ロック本体部の前記ケーシングに対する相対移動方向に延び、前記保持部材は、保持した前記車軸とともに、前記ロック本体部の前記ケーシングに対する相対移動方向と平行な方向に前記ケーシングに対して移動可能であるようにしてもよい。
【0018】
本発明によるキャスターにおいて、前記保持部材には、前記ロック本体部の移動方向に延び且つ前記ロックピンが貫通した貫通孔が形成されていてもよい。
【0019】
本発明によるキャスターにおいて、前記ロック本体部には、当該ロック本体部の移動にともなって前記車軸が入り込む切欠が形成されていてもよい。
【0020】
本発明によるキャスターにおいて、前記車輪は、タイヤを含む車輪本体と、前記車輪本体の前記回転体に対面する位置に設けられたブレーキ板と、を有し、前記ブレーキ板には、前記車輪の回転中心を中心とした放射方向に延びる複数の溝が形成されており、前記ロック部材は、前記ロック位置において前記複数の溝のいずれかと係合して前記車輪の回転を規制し、前記解除位置において前記溝との係合を解除されるようにしてもよい。
【0021】
本発明によるキャスターが、前記固定体に対して動作可能となるように当該固定体に取り付けられた操作部材を、さらに備え、前記操作部材は、前記切換部材に接続されており、操作されることによって前記切換部材を前記キャスター軸線に沿って前記固定体及び前記回転体に対して移動させるようにしてもよい。
【0022】
本発明による乳母車は、
ハンドルと、
前脚および後脚と、
前脚および後脚の少なくとも一方に取り付けられたキャスターと、を備え、
前記キャスターは、上述した本発明によるキャスターのいずれかである。
る。
【0023】
本発明による乳母車が、一対の後脚を備え、
前記一対の後脚のうちの一方の後脚に、上述した本発明によるキャスターのいずれかが第1のキャスターとして設けられ、
前記一対の後脚のうちの他方の後脚に、上述した本発明によるキャスターのいずれかが第2のキャスターとして設けられ、
前記第1のキャスターと前記第2のキャスターとの間に、前記第1のキャスターの前記切換部材の動作にともなって前記2のキャスターを動作させるための伝達手段が、設けられ、
前記第1のキャスターの前記車輪の回転が規制されると前記第2のキャスターの前記車輪の回転が規制され、前記第1のキャスターの前記車輪の回転が規制解除されると前記第2のキャスターの前記車輪の回転が規制解除されるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、乳母車用キャスターにおける車輪の回転を規制するための操作性を改善することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1〜
図8は本発明による乳母車およびキャスターの一実施の形態を説明するための図である。
【0027】
このうち、
図1には、乳母車10の全体構成が示されている。
図1に示された乳母車10は、乳母車本体11と、乳母車本体11に取り付けられたキャスター30,31,32と、を有している。このうち、乳母車本体11は、一対の前脚14および一対の後脚15を有するフレーム部12と、フレーム部20に接続されたハンドル18と、を有している。キャスター30,31,32は、各前脚14及び各後脚15に取り付けられている。キャスター30,31,32は、車輪35を回転可能に保持する回転体50と、車輪35の回転軸線Arと非平行な軸線(「キャスター軸線Ac」とも呼ぶ)を中心として回転体50を回転可能に支持する固定体40と、を有している。
【0028】
本実施の形態における乳母車10では、ハンドル18は、フレーム部12に対して揺動可能となっている。ハンドル18は、
図1に実線で示された第1位置(背面押し位置、後方位置)と、
図1に二点鎖線で示された第2位置(対面押し位置、前方位置)と、の間を揺動可能となっている。このため、操作者(保護者)が乳幼児の背面側からハンドル18を把持して乳母車10を操縦し、乳幼児が進行方向の前方を向くようにして乳母車10を走行させること、並びに、操作者が乳幼児に対面する前脚側の位置からハンドル18を把持して乳母車を操縦し、乳母車10の後脚側が進行方向の前方となるようにして乳母車10を走行させること、の両方が可能となっている。
【0029】
このような乳母車10には、ハンドル18の位置に応じて自動的に、キャスター31,31,32の回転体50が固定体40に対して回転可能な状態と回転不可能な状態とに切り換えることができる切り替え機構が設けられていることが好ましい。切り換え機構は、ハンドル18の位置に応じて、進行方向における前方側に位置する脚に取り付けられたキャスター30,31,32における回転体50の固定体40に対するキャスター軸線Ac中心とした回転を可能とし、且つ、進行方向における後方側に位置する脚に取り付けられたキャスター30,31,32における回転体50の固定体40に対するキャスター軸線Ac中心とした回転を規制する。
【0030】
なお、ハンドル18をフレーム部材12に対して揺動可能とする構成や、キャスター軸線Acを中心とした車輪35および回転体50の回転をハンドル18の位置に応じて自動的に規制する切り換え機構の構成は、既知の構成、例えばJP2008−254688Aに開示された構成を、採用することができる。したがって、本明細書においては、これ以上の詳細な説明を省略する。
【0031】
また、本実施の形態において、乳母車10は、広く普及しているように、折り畳み可能に構成されている。乳母車10を折り畳み可能にする構成も、既知の構成、例えば、上述したJP2008−254688Aに開示された構成を、採用することができる。したがって、本明細書においては、これ以上の詳細な説明を省略する。
【0032】
なお、本明細書中において、乳母車10及びその構成要素に対する「前」、「後」、「上」および「下」の用語は、特に指示がない場合、展開状態にある乳母車10に乗車する乳幼児を基準とした「前」、「後」、「上」および「下」を意味する。したがって、「前後方向」とは、
図1における紙面の左下と右上とを結ぶ方向に相当する。そして、特に指示がない限り、「前」とは、乗車した乳幼児が向く側であり、
図1における紙面の右上側となる。一方、「上下方向」とは前後方向に直交するとともに乳母車10が置かれた面(地面)に直交する方向である。したがって、乳母車10が置かれている面が水平面である場合、「上下方向」とは鉛直方向をさす。また、「横方向」および「幅方向」とは、「前後方向」および「上下方向」のいずれにも直交する方向である。さらに、「右」および「左」についても、それぞれ、乳母車10に乗車する乳幼児を基準とした横方向または幅方向における「右」および「左」のことを意味する。図に示すように、乳母車10は、全体的に、前後方向に沿って延びる幅方向中心面を中心として概ね対称な構成となっている。
【0033】
次に、主として
図2〜
図8を参照しながら、キャスター30及びキャスター30に関連する乳母車10に構成について説明する。
【0034】
上述したように、図示された本実施の形態では、前脚14及び後脚15の全てにキャスターが設けられている。図示された本実施の形態では、一対の前脚14には、従来のキャスター32が取り付けられている。一方、一対の後脚15には、車輪35の回転を規制するための操作性において優れたキャスター30,31が設けられている。したがって、以下における図示された実施の形態の説明においては、一対の後脚15に取り付けられたキャスター30,31について説明する。また図示された実施の形態において、左後脚15に取り付けられたキャスター31は、後述する切換部材60の操作方法に関連する構成において異なり、その他を右後脚15に取り付けられたキャスター30と実質的に同様に構成することができる。したがって、以下の説明では、まず右後脚15に取り付けられたキャスター30について説明し、その後に、左後脚15に取り付けられたキャスター31については、主として、右後脚15に取り付けられたキャスター30との相違する点を説明する。
【0035】
なお、後述するように、図示された実施の形態とは異なり、各脚14,15に取り付けられるキャスターは、脚への取り付け部分の構成が異なるだけで、その他において実質的に同様に構成することも可能である。また、一対の前脚14には、同様または左右対称に構成されたキャスターを取り付けることができる。同様に、一対の後脚15にも、同様または左右対称に構成されたキャスターを取り付けることができる。
【0036】
図2〜
図7に示すように、本実施の形態におけるキャスター30は、全体的な構成として、乳母車10の後脚15に固定された固定体40と、回転軸線Arを中心として車輪35を回転可能に保持する回転体50と、を有している。回転体50は、キャスター軸線Acを中心として固定体40に対して回転可能となるよう、固定体40と接続している。回転軸線Arは、水平方向と平行であり、キャスター軸線Acは、上下方向と平行になっている。なお、
図1に示すように、キャスター30は、回転体50を挟むようにして配置された一対の車輪35を有している。ただし、理解の便宜上、
図4、
図5及び
図6においては、図示された視野において手前側に位置する片方の車輪の図示を省略している。
【0037】
加えて、キャスター30は、回転体50に対して相対移動可能となるように回転体50に支持されたロック部材70と、キャスター軸線Ac上に配置され且つキャスター軸線Acに沿って固定体40及び回転体50に対して相対移動可能な切換部材60と、固定体40に対して動作可能となるように当該固定体40に取り付けられた操作部材90と、を有している。ロック部材70、切換部材60及び操作部材90は、回転軸線Arを中心とした車輪35の回転を規制するための制動機構を構成する。
【0038】
さらにキャスター30は、車輪35と接続された車軸38を保持する保持部材80を、さらに有している。保持部材80は、回転体50に対して動作可能となるように回転体50に支持されている。回転体50は、保持部材80を介して車輪を保持している。保持部材80は、サスペンション機能をキャスター30に付与するとともに、制動機構をなすロック部材70の動作を案内する。
【0039】
以下、キャスター30を構成する各要素について、順に説明する。まず、固定体40について説明する。
図5及び
図6に示すように、固定体40は、後脚15に固定された固定体本体41と、固定体本体41から下方に延び出た軸部材46と、を有している。固定体本体41には、上下方向に延びる貫通孔(縦孔)41aが形成されている。軸部材46は、下方側から固定体本体41の貫通孔41a内に挿入されている。固定ピン48が、軸部材46と固定体本体41とを貫通することにより、軸部材46を固定体本体41に固定している。軸部材46は、金属製のパイプ状の部材として形成されている。軸部材46は、固定ピン48に貫通された円筒状の円筒状本体部46aと、円筒状本体部46aの下端に設けられたつば部46bと、を有している。つば部46bは、拡径するようにして筒状本体部46aから延び出している。固定体40は、回転体50の円筒状本体部46aの周囲を回転するようになる。したがって、円筒状本体部46a及び円筒状本体部46aが挿入された貫通孔41aが、その軸線方向にキャスター軸線Acを画成する。
【0040】
固定体本体41は、後脚15への取り付け部位となる固定部42と、軸部材46を支持する軸支持部43と、操作部材90を取り付けられた操作部材支持部44と、を含んでいる。固定体本体41は、例えば樹脂製成形品から形成される。
図1に示すように、後脚15に取り付けられた一対のキャスター30,31の間には、後方連結部材16が配置されている。
図2及び
図4に示すように、固定部42にはボス42aが設けられ、このボス42aが後方連結部材16を支持している。また、
図4〜
図6に示すように、操作部材支持部44には、伝達手段保持部44bが形成されている。伝達手段保持部44bは、後述する伝達手段20を保持するための凹部として形成されている。
【0041】
次に、固定体40に取り付けられた操作部材90及び操作部材90と接続された切換部材60について説明する。操作部材90及び切換部材60は、共に、樹脂成形物として形成されている。まず、操作部材90は、取付ピン92を介して、固定体40の操作部材支持部44に取り付けられている。操作部材90は、取付ピン92の軸線方向を中心として固定体40に対して揺動可能なレバーとして形成されている。操作部材90には、第1及び第2係止孔90b,90cが形成されている。この第1及び第2係止孔90b,90cは、回転体50操作部材支持部44に形成された突出部44aと係合可能となっている。第1係止孔90bと突出部44aとが係合すると、操作部材90が固定体40に対してある所定の位置に保持され、また、第2係止孔90cと突出部44aとが係合すると、操作部材90が固定体40に対して別の所定の位置に保持される。
【0042】
また、操作部材90には、細長い係合孔90aが、形成されている。係合孔90aは、固定体40に対する操作部材90の揺動位置に依らず、側面視においてキャスター軸線Acと交差する。係合孔90a内には連結ピン93が配置されている。連結ピン93は、係合孔90a内において、係合孔90aの長手方向に移動可能となっている。この連結ピン93は、切換部材60を貫通している。そして連結ピン93は、切換部材60と操作部材90とを連結している。
【0043】
次に切換部材60について説明する。切換部材60は、上述したように、キャスター軸線Ac上に配置され且つキャスター軸線Acに沿って固定体40及び回転体50に対して相対移動可能となっている。本実施の形態において、切換部材60は、固定体40に形成された貫通孔41aと、貫通孔41a内に配置された筒状の軸部材46と、を貫通するようにして配置されている。また、切換部材60は、軸部材46に対して摺動可能となっている。切換部材60は、軸部材46を貫通する軸部62と、軸部62と固定された係合板状部64と、を有している。軸部62は、キャスター軸線Acと平行な方向に延びる棒状に形成されている。一方、係合板状部64は、キャスター軸線Acと非平行な方向に広がる板状に形成されている。
図7に示すように、係合板状部64は、円板状に形成されている。円板状の係合板状部64は、その中心がキャスター軸線Ac上に位置し且つその板面がキャスター軸線Acと直交するようにして配置されている。
【0044】
切換部材60の軸部62には、取付ピン92が貫通した貫通孔62bを形成されている。取付ピン92を介して、切換部材60が操作部材90と連結されている。そして、操作部材90を操作することにより、より具体的には操作部材90を固定体40に対して揺動させることにより、切換部材60は、キャスター軸線Acに沿って上下動することができる。なお、切換部材60の軸部62は、固定ピン48が貫通した貫通孔62aを形成されている。貫通孔62aは、キャスター軸線Acと平行な方向に延びる長穴として形成されている。これにより、キャスター軸線Acに沿った軸部材46に対する切換部材60の相対移動が、固定ピン48によって阻害されることはない。
【0045】
次に、回転体50について説明する。回転体50は、樹脂成形物としてのケーシング51を含んでいる。ケーシング51は、大別して、接続部52aと保持部52bとを含んでいる。接続部52aは、キャスター軸線Acを中心として固定体40に対して回転可能となるように当該固定体40との接続を確保する部位である。一方、保持部52bは、車輪35を保持する保持部材80と、車輪35の回転を規制するためのロック部材70と、を収容する部位である。
【0046】
図5及び
図6に示すように、ケーシング51は、接続部52aにおいて、固定体40の軸部材46が貫通した筒状保持部53aを有している、また、筒状保持部53aの下端には、筒状保持部53aから縮径するように延び出した輪状底板部53bが形成されている。すなわち、筒状保持部53a及び輪状底板部53bは、底面の中心が開口した凹部を形成している。固定体40の軸部材46は、この凹部を貫通している。軸部材46のつば部46bは、上下方向における下方となる側から輪状底板部53bに対面して配置されている。これにより、回転体50が、下方に脱落することなく固定体40によって支持される。上述したように、切換部材60の軸部62は、軸部材46を貫通して下方に延びている。切換部材60の軸部62は、筒状保持部53a及び輪状底板部53bに接触することなく、回転体50のケーシング51内まで延び入っている。
図7に示すように、軸部62の下端に取り付けられた係合板状部64は、回転体50の内部に配置されている。ケーシング51によって画成される接続部52aにおける回転体50の内部空間は、係合板状部64の外輪郭に対応した形状となっている。これにより、係合板状部64は、回転体50に接触することなく、回転体50の内部をキャスター軸線Acに沿って移動することができる。
【0047】
また、回転体50の筒状保持部53a及び輪状底板部53bに対面する位置に、軸部材46に貫通された略円筒状のブッシュ39が設けられている。ブッシュ39を介在させることにより、軸部材46が、筒状保持部53a及び輪状底板部53bに直接接触することが回避され、固定体40と回転体50との滑らかな相対回転を確保することができる。
【0048】
図5〜
図7に示すように、回転体50のケーシング51内には、上下方向に配置された案内壁55が形成されている。ケーシング51及び案内壁55によって、保持部52bに、ロック部材70及び保持部材80を収容する空間が形成されている。この空間は、上下方向に広がっており、下方に開口している。そして本実施の形態において、回転体50は、ロック部材70を、キャスター軸線Acと平行な方向、すなわち上下方向に移動可能に支持している。
【0049】
次に、ロック部材70について説明する。上述したように、本実施の形態のロック部材70は、回転体50のケーシング51内において、キャスター軸線Acと平行な方向に移動可能となっている。また、ロック部材70の少なくとも一部分が、キャスター軸線Acと平行な方向に沿って切換部材60の係合板状部64に対面する位置に配置されている。これにより、ロック部材70は、キャスター軸線Acに沿った切換部材60の移動にともない、切換部材60の係合板状部64に押圧されて移動する。ロック部材70は、車輪35と係合して車輪35の回転を規制するロック位置(
図6に示された位置)と、車輪35との係合を解除される解除位置(
図5に示された一)と、の間を移動可能となっている。
【0050】
本実施の形態において、ロック部材70は、ロック本体部71と、ロック本体部71に保持されたロックピン73と、ロック本体部71から突出した突片75と、を有している。ロック本体部71は、回転体50のケーシング51内に移動可能に支持されている。ロック本体部71は、その移動方向の両端が開口した四角形筒状に形成されている。
図7に示すように、回転体50内には、ロック本体部71の外輪郭に対応した収納空間が形成されている。具体的には、ケーシング51内には、四角柱を収容し得る空間が形成されている。また、ロック本体部71には、その移動方向であるキャスター軸線Acと平行な方向に延びる突状77が形成されている。回転体50の内面には、突条77に対応した案内凹部56が、キャスター軸線Acと平行な方向に形成されている。突条77と案内凹部56との係合により、ロック部材70の回転体50に対する一方向のみへの円滑な相対移動が保証される。
【0051】
ロック本体部71に、ロックピン73が貫通する貫通孔71bが形成されている。また、回転体50のケーシング51にも、ロックピン73が貫通する貫通孔51aが形成されている。ケーシング51に形成された貫通孔51aは、ロック本体部71のケーシング51に対する相対移動方向に延びる長穴となっている。したがって、貫通孔51aは、キャスター軸線Acと平行な方向に延びている。ロックピン73は、後述するように、ロック部材70がロック位置にある場合に車輪35と係合して車輪35の回転を規制し、ロック部材70が解除位置にある場合に車輪35との係合を解除される。
【0052】
図5及び
図6に示すように、ロック部材70と回転体50との間には、例えば圧縮バネからなる第1付勢部材86が設けられている。第1付勢部材86は、ロック部材70をその移動可能な方向に沿って付勢している。本実施の形態において、第1付勢部材86は、キャスター軸線Acと平行な方向において、上方から下方に向けてロック部材70を付勢している。一方、突片75は、キャスター軸線Acと平行な方向に沿って切換部材60の係合板状部64に上方から対面する位へと、ロック本体部71から突出している。したがって、キャスター軸線Acに沿って上方に移動する切換部材60に押圧されることによって、第1付勢部材86の付勢力に抗してロック部材70を上方に移動させることができる。
【0053】
次に保持部材80について説明する。保持部材80は、車輪35が取り付けられた車軸38を保持する部材である。図示された本実施の形態では、保持部材80は、直方体状の外輪郭を有している。保持部材80は、その長手方向が上下方向に沿うようにして、ケーシング51内に配置されている。保持部材80の少なくとも一部分が、筒状に形成されたロック部材70のロック本体部71内に位置している。そして、保持部材80は、ロック部材70の回転体50に対する移動を案内する部材としても機能する。保持部材80には、ロック部材70のロックピン73が貫通した貫通孔80aが形成されている。貫通孔80aは、ロック部材70の回転体50に対する移動方向に延びる長穴となっている。
【0054】
保持部材80は、車軸38が貫通する軸受け孔としての貫通孔80bを形成されている。回転体50のケーシング51にも、車軸38が貫通する軸受け孔としての貫通孔51bが形成されている。ただし、
図4に示すように、ケーシング51に形成された貫通孔51bは、キャスター軸線Acと平行な上下方向にいくらか細長く延びている。したがって、車軸38を保持した保持部材80は、回転体50に対して上下方向に限られた範囲内で移動可能となっている。そして、保持部材80と回転体50との間には、例えば圧縮バネからなる第2付勢部材87が設けられている。第2付勢部材87は、保持部材80を上下方向に付勢している。本実施の形態において、第2付勢部材87は、キャスター軸線Acと平行な方向において、上方から下方に向けて保持部材80を付勢している。したがって、車軸38を保持する保持部材80は、第2付勢部材87からの付勢力によってキャスター30にサスペンション機能を付与している。図示された例において、保持部材80の上端に受け凹部80cが形成されており、第2付勢部材87は受け凹部80c内に一端を収容されている。
【0055】
なお、図示された本実施の形態において、ロック部材70のロック本体部71には、切欠71aが形成されている。保持部材80の保持された車軸38は、当該ロック本体部71の移動や保持部材80の移動にともなって、この切欠71a内に入り込むことができる。切欠71aは、ロック本体部71が画成する四角形筒の側面の下端から上方に延びるように形成されている。ロック部材70が回転体50に対して下方に移動した際、ロック部材70に保持された車軸38は、ロック本体部71の切欠71aに入り込む。すなわち、この切欠71aによって、ロック部材70の回転体50に対する移動が阻害されることを回避している。
【0056】
次に車輪35について説明する。本実施の形態において、車輪35は、タイヤ36aを含む車輪本体36と、車輪本体36に固定されたブレーキ板37と、を有している。
図1に示すように、車輪本体36は、タイヤ36aと、タイヤ36aを保持するホイール36bと、を有している。ブレーキ板37は、車輪本体36のホイール36bに対して固定されている。ブレーキ板37は、車輪本体36の回転体50に対面する位置に配置されている。ブレーキ板37には、車輪35の回転軸線Arを中心とした放射方向に延びる複数の溝37aが形成されている。
図2〜
図6に示すように、溝37aは、放射方向における内側に開口している。
【0057】
ここで以上のような構成からなるキャスター30の動作について説明する。
【0058】
まず、操作部材90が、
図5に示された状態にある場合について、説明する。
図5に示された状態において、操作部材90の第1係止孔90b内に、固定体40の突出部44aが入り込んでいる。第1係止孔90bと突出部44aとの係合により、操作部材90は、
図4に実線で示されるとともに
図5に示された位置に保持される。
図5の状態において、切換部材60は、キャスター軸線Acに沿って下方に移動している。そして、切換部材60の係合板状部64は、ロック部材70の突片75よりも下方に位置している。したがって、ロック部材70は、第1付勢部材86からの付勢力によって下方に移動している。
【0059】
図5に示すように、ロック部材70が上下方向における下方に移動した状態において、ロック部材70のロックピン73は、ブレーキ板37の溝37a内に位置していない。すなわち、
図5に示されたロック部材70の位置が解除位置であり、ロックピン73と溝37aとの係合が解除され、車輪35は回転可能な状態となっている。
【0060】
一方、車輪35の回転を規制するには、
図4に実線で示された位置から
図4に二点鎖線で示された位置に操作部材90を移動させる。操作部材90の動作にともなって、切換部材60がキャスター軸線Acに上方に沿って移動する。このとき、切換部材60の係合板状部64は、ロック部材70の突片75に当接し、さらに、第1付勢部材86の付勢力に抗して突片75をキャスター軸線Acに沿って上方に押し上げる。これにより、
図6に示すように、ロック部材70が、上方に移動する。ここで、ロック部材70のロックピン73は、
図5及び
図6に示すように、キャスター軸線Acと平行な方向に沿って車軸38の上方に位置している。したがって、ロック部材70がキャスター軸線Acに沿って上方に移動すると、ロックピン73は、車輪35の回転軸線Arを中心とした放射方向に延びる複数の溝37aのいずれかに内方側から入り込むことができる。すなわち、
図6に示されたロック部材70の位置がロック位置であり、ロックピン73が複数の溝37aのいずれかと係合して、車輪35の回転が規制されるようになる。
【0061】
図7に示すように、切換部材60は、キャスター軸線Ac上に位置している。そして、ロック部材70の少なくとも一部分が、キャスター軸線Acと平行な方向に沿って、切換部材60の係合板状部64に対面する位置に配置されている。とりわけ本実施の形態では、ロック部材70の突片75が、キャスター軸線Acと平行な方向に沿って、切換部材60の円板状の形成された係合板状部64に対面する位置に配置されている。すなわち、
図7に二点鎖線で示すように、キャスター軸線Acを中心として、ロック部材70を保持する回転体50が、切換部材60を保持する固定体40に対して回転したとしても、その回転位置に依存することなく、突片75と係合板状部64とが対面している。この結果、回転体50の固定体40に対する相対位置関係に依らず、切換部材60をキャスター軸線Acに沿って移動させることによって、車輪35と係合可能なロック部材70を回転体50に対して移動させることができる。したがって、車輪35の回転が許容される状態と車輪35の回転が規制される状態との切り換えを容易且つ安定して行うことができる。
【0062】
図6に示された状態において、操作部材90の第2係止孔90c内に、固定体40の突出部44aが入り込んでいる。第2係止孔90cと突出部44aとの係合により、操作部材90は、
図6に示された位置に保持され、車輪35の回転が規制される状態が保持される。
【0063】
なお、
図6に示された状態から
図5に示された状態へと操作部材90を操作すると、切換部材60がキャスター軸線Acに沿って下方に移動する。これにともなって、ロック部材70も、第1付勢部材86に付勢されて下方に移動する。これにより、ロックピン73と溝37aとの係合が解除され、車輪35の回転が許容されるようになる。
【0064】
次に、左後脚15に取り付けられたキャスター31について説明する。キャスター31は、切換部材60の操作方法において右後脚15に取り付けられたキャスター30と異なっている。
図1に示すように、左後脚15に取り付けられたキャスター31は、伝達手段20を介して、右後脚15に取り付けられたキャスター30と接続されている。伝達手段20は、右後脚15に取り付けられたキャスター30の動作にともなって、左後脚15に取り付けられたキャスター31の切換部材61を動作させる。このため、左後脚15に取り付けられたキャスター31は、独立した操作部材を有していない点において右後脚15に取り付けられたキャスター30と異なっているが、その他において右後脚15に取り付けられたキャスター30と同一に構成されている。
【0065】
本実施の形態において、伝達手段20は、チューブ22と、チューブ22内に挿通されたワイヤ21と、を有している。ワイヤ21は、チューブ22に対して摺動可能となっている。チューブ22の一端は、上述したキャスター30の固定体40に形成された伝達手段保持部44bに保持されている。また、ワイヤ21の一端は、
図5及び
図6に示すように、操作部材90に固定されている。
図8に示すように、チューブ22の他端は、左後脚15に取り付けられたキャスター31の固定体40に形成された伝達手段保持部44cに保持されている。また、ワイヤ21の他端は、
図8に示すように、左後脚15に取り付けられたキャスター31の切換部材61に保持されている。
【0066】
そして、
図5に示された状態から
図6に示された状態へと操作部材90を操作すると、ワイヤ21が、右後脚15に取り付けられたキャスター30の側へとチューブ22内にて移動する。この結果、左後脚15に取り付けられたキャスター31の切換部材61がキャスター軸線Acに沿って上方に移動する。すなわち、右後脚15に取り付けられたキャスター30と同様に、左後脚15に取り付けられたキャスター31の車輪35の回転が規制されるようになる。その一方で、
図6に示された状態から
図5に示された状態へと操作部材90を操作すると、ワイヤ21が、左後脚15に取り付けられたキャスター31の側へとワイヤ21内にて移動する。この結果、左後脚15に取り付けられたキャスター31の切換部材61がキャスター軸線Acに沿って下方に移動する。すなわち、右後脚15に取り付けられたキャスター30と同様に、左後脚15に取り付けられたキャスター31の車輪35の回転が可能となる。このように図示された実施の形態では、回転体50ではなく固定体40に取り付けられた一つの操作部材90を操作することによって、一対の後脚15にそれぞれ取り付けられた二つのキャスター30,31について、車輪35の回転が可能な状態と規制された状態とを切り換えることができる。
【0067】
以上のような実施の形態によれば、キャスター30が、キャスター軸線Ac上に配置され且つキャスター軸線Acに沿って固定体40及び回転体50に対して相対移動可能な切換部材60を、有している。そして、回転体50によって支持されたロック部材70が、切換部材60のキャスター軸線Acに沿った移動にともなって、車輪35と係合して車輪35の回転を規制するロック位置と、車輪35との係合を解除される解除位置と、の間を移動する。このような本実施の形態によれば、脚15に固定された固定体40に対して切換部材60をキャスター軸線Acに沿って移動させることにより、切換部材60が、回転体50に対しても移動し、さらに、回転体50に支持されたロック部材70をロック位置と解除位置との間で移動させることができる。すなわち、回転体40の固定体50に対する位置に依らず、切換部材60をキャスター軸線Acに沿って移動させることにより、車輪35と係合可能なロック部材70を回転体50に対して移動させることができる。したがって、車輪35の回転が許容される状態と車輪35の回転が規制される状態との切り換えを容易且つ安定して行うことができる。
【0068】
また本実施の形態によれば、固定体40は、乳母車10の脚に固定される固定体本体41と固定体本体41から下方に延び出た軸部材46とを有し、回転体50は、固定体40の軸部材46が貫通する筒状保持部53aを有している。そして、切換部材60は、軸部材46に対して摺動可能となるよう当該軸部材46を貫通して配置されている。このような本実施の形態によれば、キャスター軸線Acを中心とした固定体40に対する回転体50の円滑な回転を可能にすることができるとともに、キャスター軸線Acに沿った切換部材60の長さを確保することができ、固定体40及び回転体50に対する切換部材60のキャスター軸線Acに沿った円滑な移動を可能にすることもできる。また、切換部材60は、軸部材46内を通過して筒状保持部53aを貫通し、回転体50内に延び入ってロック部材70と係合することが可能となる。これにより、固定体40に対する回転体40の回転を害することなく、車輪35の回転が許容される状態と車輪35の回転が規制される状態との切り換えをより確実に行うことができる。
【0069】
さらに本実施の形態によれば、軸部材46は、当該軸部材46を貫通する固定ピン48を介して、固定体本体41に固定されている。一方、切換部材60は、軸部材46を貫通する軸部62を有している。そして、キャスター軸線Acと平行な方向に延びる貫通孔62aが軸部62に形成され、固定ピン48はこの貫通孔62aを貫通している。このような本実施の形態によれば、固定体40の固定ピン48と切換部材60の貫通孔62aとの係合により、固定体40及び回転体50に対する切換部材60のキャスター軸線Acに沿った移動をさらに円滑にすることができる。これにより、車輪35の回転が許容される状態と車輪35の回転が規制される状態との切り換えをより確実に行うことができる。
【0070】
さらに本実施の形態によれば、軸部材46は、円筒状の円筒状本体部46aと、円筒状本体部46aの下端に設けられ円筒状本体部46aから拡径するように延び出したつば部46bと、を有している。つば部46bは、回転体50の筒状保持部53aの下端と、キャスター軸線Acと平行な方向に対面して配置されている。このような本実施の形態によれば、切換部材60が、固定体40の軸部材46内を通過して、回転体50の少なくとも筒状保持部53aに接触することなく回転体内まで到達することができる。これにより、固定体40に対する回転体40の回転が、切換部材60での摩擦によって害されることを防止することが可能となる。すなわち、キャスター30の本来的な機能を害することなく、車輪35の回転が許容される状態と車輪35の回転が規制される状態との切り換えを容易にすることができる。
【0071】
さらに本実施の形態によれば、回転体50の筒状保持部53aの下端に筒状保持部53aから縮径するように延び出した輪状底板部53bが形成されている。回転体50の筒状保持部53a及び輪状底板部53bに対面する位置には、固定体40の軸部材46に貫通されたブッシュ39が設けられている。このような本実施の形態によれば、固定体40の軸部材46のつば部46bと、回転体50の輪状底板部53bとの係合により、固定体40と回転体50との接続が安定して確保される。さらに、固定体40と回転体50との間にブッシュ39が介在しているので、固定体40に対する回転体50の回転が安定して確保される。
【0072】
さらに本実施の形態によれば、切換部材60は、キャスター軸線Acに沿って延びる軸部62と、軸部62と固定され且つキャスター軸線Acと非平行な方向に広がる係合板状部64と、を有している。ロック部材70は、キャスター軸線Acに沿った切換部材60の移動にともなって切換部材60の係合板状部64に押圧され、ロック位置及び解除位置の一方から他方へと移動することができる。すなわち本実施の形態によれば、切換部材60に幅広の係合板状部64が設けられている。そして、キャスター軸線Acに沿った切換部材60の移動にともなって、切換部材60のうちの幅広の係合板状部64がロック部材70に当接してロック部材70を押圧するようになる。したがって、切換部材60とロック部材70との係合をより安定して確保することができ、これにより、切換部材60を用いてロック部材70をより確実に動作させることができる。この結果、車輪35の回転が許容される状態と車輪35の回転が規制される状態との切り換えをより確実に行うことができる。
【0073】
さらに本実施の形態によれば、係合板状部64は、円板状に形成されている。とりわけ、円板状の係合板状部64は、その中心がキャスター軸線Ac上に位置し且つその板面がキャスター軸線Acと直交するようにして、配置されている。このような本実施の形態によれば、固定体40に対する回転体50の位置に依らず、切換部材60の係合板状部64と回転体50に支持されたロック部材70とを安定して係合させることが可能となる。これにより、車輪35の回転が許容される状態と車輪35の回転が規制される状態との切り換えをより確実に行うことができる。
【0074】
さらに本実施の形態によれば、ロック部材70は、キャスター軸線とAc平行な方向に沿って係合板状部64と対面する位置に突出した突片75を、有している。このような本実施の形態によれば、回転体40及びキャスター30を大型化させることなく、切換部材60とロック部材70との係合をより安定して確保することができる。したがって、切換部材60を用いてロック部材70をより確実に動作させることができる。これにより、車輪35の回転が許容される状態と車輪35の回転が規制される状態との切り換えをより確実に行うことができる。
【0075】
さらに本実施の形態によれば、ロック部材70は、回転体50に対してキャスター軸線Acと平行な方向に移動可能となっている。このような本実施の形態によれば、回転体50に対する切換部材60の移動方向と、回転体50に対するロック部材70の移動方向とが平行となる。したがって、切換部材60の移動にともなって、ロック部材70をより安定して移動させることができる。これにより、車輪35の回転が許容される状態と車輪35の回転が規制される状態との切り換えをより確実に行うことができる。
【0076】
さらに本実施の形態によれば、ロック部材70は、回転体50に対して相対移動可能なロック本体部71と、ロック本体部71に保持されたロックピン73と、を有し、回転体50は、ロック本体部71を移動可能に収容するケーシング51を有している。ケーシング51には、ロック本体部71の回転体50に対する相対移動方向に延び且つロックピン73が貫通した貫通孔51aが形成されている。このロックピン73は、ロック部材70がロック位置にある場合に車輪35と係合して車輪35の回転を規制し、ロック部材70が解除位置にある場合に車輪35との係合を解除される。このような本実施の形態によれば、ロック部材70のロックピン73とケーシング51に形成された貫通孔51aとの係合により、回転体50に対するロック部材70の移動をより円滑にすることができる。これにより、車輪35の回転が許容される状態と車輪35の回転が規制される状態との切り換えをより確実に行うことができる。
【0077】
さらに本実施の形態によれば、ロック本体部71は、ケーシング51に対して移動可能に支持され、且つ、その移動方向の両端が開口した筒状となっており、ロック本体部71内に少なくとも一部分が位置するようにして保持部材80が設けられている。このような本実施の形態によれば、筒状に形成されたロック本体部71と保持部材80との係合により、回転体50に対するロック部材70の移動をより円滑にすることができる。これにより、車輪35の回転が許容される状態と車輪35の回転が規制される状態との切り換えをより確実に行うことができる。
【0078】
さらに本実施の形態によれば、保持部材80には、ロック本体部71の移動方向に延び且つロックピン73が貫通した貫通孔80aが形成されている。このような本実施の形態によれば、ロック部材70のロックピン73と保持部材80に形成された貫通孔80aとの係合によって、回転体50に対するロック部材70の移動をより円滑にすることができる。これにより、車輪35の回転が許容される状態と車輪35の回転が規制される状態との切り換えをより確実に行うことができる。
【0079】
さらに本実施の形態によれば、ロック本体部71には、当該ロック本体部71の移動にともなって車軸38が入り込む切欠71aが形成されている。このような本実施の形態によれば、ロック部材70のロック本体部71に形成された切欠71aと車軸38との係合によって、回転体50に対するロック部材70の移動を案内してより円滑にすることができる。これにより、車輪35の回転が許容される状態と車輪35の回転が規制される状態との切り換えをより確実に行うことができる。
【0080】
以上、本発明を図示する一実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、この他にも種々の態様で実施可能である。以下、変形の一例について説明する。
【0081】
例えば、上述した実施の形態において、右後脚15に取り付けられたキャスター30及び左後脚15に取り付けられたキャスター31について説明したが、これらのキャスター30,31が、一対の後脚15に代えて一対の前脚14に取り付けられるようにしてもよいし、或いは、一対の後脚15に加えて一対の前脚14にも取り付けられるようにしてもよい。
【0082】
また、上述した実施の形態において、左後脚15に取り付けられたキャスター31が、伝達手段20を介して、右後脚15に取り付けられたキャスター30と同様に動作する例を示したが、これに限られない。左後脚15に取り付けられたキャスター31にも、独立して切換部材60を操作するための操作部材が設けられていてもよい。
【0083】
さらに、上述した実施の形態において、キャスター30の切換部材60を操作するための操作部材90が、キャスター30の固定体40に取り付けられている例を示したがこれに限られない。例えば、この操作部材90に代えて、乳母車本体11のいずれかの位置に遠隔操作部材が設けられ、遠隔操作部材の動作が補助伝達手段を介してキャスター30,31の切換部材60,61に伝達されるようにしてもよい。すなわち、この例によれば、遠隔操作部材を操作することによって、補助伝達手段を介してキャスター30,31の切換部材60,61を動作させることができる。
【0084】
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。