特許第6239285号(P6239285)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6239285
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】タッチスイッチパネル及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 36/00 20060101AFI20171120BHJP
【FI】
   H01H36/00 J
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-143144(P2013-143144)
(22)【出願日】2013年7月9日
(65)【公開番号】特開2015-18613(P2015-18613A)
(43)【公開日】2015年1月29日
【審査請求日】2016年5月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】クラリオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】特許業務法人湘洋内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高野 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】村住 尚宣
【審査官】 澤崎 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−329090(JP,A)
【文献】 特開2013−084437(JP,A)
【文献】 特開2014−022113(JP,A)
【文献】 特開平09−139142(JP,A)
【文献】 特開2004−335273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 36/00
G06F 3/041
H03K 17/955
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のボタン部を備え、誘電体として機能する誘電体パネルと、
前記複数のボタン部に対応する位置に配置された複数の電極パターン部と、を備え、
前記誘電体パネルの前記複数のボタン部の厚さは、前記ボタン部の面積に応じて異なり、
前記誘電体パネルの第1のボタン部の厚さは、当該第1のボタン部より面積の狭い第2のボタン部の厚さより厚く、
前記第1のボタン部の面積と厚さの比は、前記第2のボタン部の面積と厚さの比と等しい
ことを特徴とするタッチスイッチパネル。
【請求項2】
請求項1に記載のタッチスイッチパネルを備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチスイッチパネル及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ベースフィルム上に透明導電膜と、誘電体層とが積層された構造であり、透明導電膜と誘電体層との間に、誘電体層上の接触部の位置座標を静電容量の変化により検知するための電極となる導電膜パターン層を有する薄型静電容量式タッチパネルが知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の薄型静電容量式タッチパネルによれば、光学特性や耐久性に優れ、ハンディタイプの機器に適用可能な薄型静電容量式タッチパネルを提供できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−23904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載されているような薄型静電容量式タッチパネルにおいては、フィルム形状の静電式タッチパネルであることから様々な形状のパネルに適用できるものの、タッチパネルに設けられる複数のボタン部それぞれの感度を簡単に制御することができない。
【0005】
したがって、本発明の目的は、複数のボタン部の感度を複数の制御用ICを用いずに容易に調整できるタッチスイッチパネル及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、
複数のボタン部を備え、誘電体として機能する誘電体パネルと、
前記複数のボタン部に対応する位置に配置された複数の電極パターン部と、を備え、
前記誘電体パネルの前記複数のボタン部の厚さは、前記ボタン部の面積に応じて異なる
ことを特徴とするスイッチパネルである。
前記誘電体パネルの第1のボタン部の厚さは、当該第1のボタン部より面積の狭い第2のボタン部の厚さより厚いことを特徴してもよい。
前記第1のボタン部の面積と厚さの比は、前記第2のボタン部の面積と厚さの比と等しいことを特徴としてもよい。
【0007】
また、本発明の一態様は、複数のボタン部を備え、誘電体として機能する誘電体パネルと、
前記複数のボタン部に対応する位置に配置された複数の電極パターン部と、を備え、
前記誘電体パネルの前記複数のボタン部の厚さは、前記ボタン部の機能に応じて異なる
ことを特徴とするスイッチパネルである。
【0008】
また、本発明の一態様は、
複数のボタン部を備え、誘電体として機能する誘電体パネルと、
前記複数のボタン部に対応する位置に配置された複数の電極パターン部と、を備え、
前記誘電体パネルの前記複数のボタン部の厚さは、前記ボタン部に対応して配置された電極パターンの密度に応じて異なることを特徴とするスイッチパネルである。
【0009】
また、上記タッチスイッチパネルを備える情報処理装置も本発明に含まれる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るタッチスイッチパネル及び情報処理装置によれば、複数のボタン部の感度を複数の制御用ICを用いずに容易に調整できるタッチスイッチパネル及び情報処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態に係るタッチスイッチパネルの模式的な斜視図である。
図2】本発明の実施の形態に係るタッチスイッチパネルの模式的な裏面図である。
図3】本発明の実施の形態に係る電極パターン部の図である。
図4】本発明の実施の形態に係るタッチスイッチパネルの模式的な断面図である。
図5】(a)及び(b)は本発明の実施の形態の変形例に係る電極パターン部の図である。
図6】(a)及び(b)は本発明の実施の形態に係るタッチスイッチパネルの製造方法を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係るタッチスイッチパネルの模式的な斜視図の一例を示す。また、図2は、本発明の実施の形態に係るタッチスイッチパネルの模式的な裏面の一例を示す。
【0013】
(タッチスイッチパネル1の概要)
本実施の形態に係るタッチスイッチパネル1は、情報処理装置としての電子機器2の筐体20に設けられるディスプレイ200等の表示部側に接触させて用いられるタッチセンサ操作パネルである。タッチスイッチパネル1は、静電容量式タッチスイッチパネル、一例として、投影型静電容量式タッチスイッチパネルである。なお、電子機器2としては、例えば、カーナビゲーションシステムや車載用オーディオ機器等の車載用電子機器が挙げられる。
【0014】
具体的に、タッチスイッチパネル1は、表面100に複数のボタン部(すなわち、第1ボタン部150、第2ボタン部152、第3ボタン部154、及び第4ボタン部156)を有すると共にディスプレイ200用の透明な窓部160を有する誘電体パネル15と、誘電体パネル15の裏面102において複数のボタン部のそれぞれに対応する位置に設けられる複数の電極パターン部(すなわち、電極パターン部7、電極パターン部7a、電極パターン部7b、及び電極パターン部7c)とを備える。
【0015】
各電極パターン部は基材10に設けられており、それぞれ対応するボタン部の下方に配置される。例えば、第1ボタン部裏面150aに電極パターン部7が配置され、第2ボタン部裏面152aに電極パターン部7aが配置され、第3ボタン部裏面154aに電極パターン部7cが配置され、第4ボタン部裏面156aに電極パターン部7cが配置される。なお、基材10は誘電体パネル15に一体的に固定されている。
【0016】
そして、タッチスイッチパネル1が備える誘電体パネル15においては、複数のボタン部の平面視における面積に応じ、複数のボタン部が設けられている位置における誘電体パネル15の厚さが互いに異なっている。例えば、第1ボタン部150の平面視における面積と第2ボタン部152の平面視における面積とが異なる場合、第1ボタン部150の表面から第1ボタン部裏面150aまでの誘電体パネル15の厚さと、第2ボタン部152の表面から第2ボタン部裏面152aまでの誘電体パネル15の厚さとは、互いに異なる厚さに設定される。これにより、複数のボタン部それぞれの感度が、当該厚さを変更することにより調節される。
【0017】
(タッチスイッチパネル1の詳細)
図3は、本発明の実施の形態に係る電極パターン部の一例を示し、図4は、本発明の実施の形態に係るタッチスイッチパネルの模式的な断面の一例を示す。
【0018】
本実施の形態に係るタッチスイッチパネル1は、基材10と、基材10の表面若しくは内部に設けられ、電界を発生する駆動電極110と、駆動電極110が発生した電界若しくは電界の変化を検知する受信電極120とを有する複数の電極パターン部と、平面視における面積が互いに異なる複数の第1ボタン部150、第2ボタン部152、第3ボタン部154、及び第4ボタン部156を有し、複数のボタン部それぞれに対応させて設けられる複数の電極パターン部の上方における厚さが複数のボタン部それぞれの面積に応じて異なる誘電体パネル15と備える。
【0019】
(基材10)
基材10は、電気絶縁性を有する材料から構成される。基材10は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、又はポリイミド等の樹脂材料を用いて構成される。
【0020】
(電極パターン部7、電極パターン部7a、電極パターン部7b、電極パターン部7c)
複数の電極パターン部はそれぞれ、駆動電極110と受信電極120とを有して構成される。以下では、第1ボタン部150の第1ボタン部裏面150aに設けられる電極パターン部7を例として説明する。まず、平面視にて第1ボタン部150が占める領域の直下である第1ボタン部裏面150aに、櫛歯状を有する細線電極としての櫛歯部112を含む駆動電極110が配置される。そして、駆動電極110の櫛歯部112の間であって櫛歯部112から離れた位置に、櫛歯部112の形状に沿った形状を有する受信電極120が配置される。
【0021】
複数の電極パターン部はそれぞれ、基材10の表面に固定されるか、若しくは内部に埋没されて設けられる。また、複数の電極パターン部はそれぞれ、実質的に同一平面上に設けられる。そして、複数の電極パターン部はそれぞれ、導電性を有する材料を用いて形成できる。例えば、複数の電極パターン部はそれぞれ、金属材料を用いて形成される金属薄膜である。なお、複数の電極パターン部は、駆動電極110及び受信電極120を有する限り、直線及び曲線を組み合わせた様々な形状にすることができる。
【0022】
(誘電体パネル15)
誘電体パネル15は、ポリカーボネートやアクリル樹脂等の誘電体材料を用いて構成される。そして、誘電体パネル15は、表面100に複数のボタン部及び窓部160を有すると共に、裏面102に複数のボタン部それぞれに対応する複数の電極パターン部を有する。なお、誘電体パネル15の裏面102において、窓部160及び複数のボタン部裏面を除く領域は、例えば、黒色等で着色される。
【0023】
誘電体パネル15は、複数のボタン部それぞれに対応させて設けられる複数の電極パターン部の上方において、複数のボタン部それぞれの平面視における面積の違いに応じて異なる厚さを有する。具体的に、誘電体パネル15は、複数のボタン部それぞれの平面視における面積の増加に応じ、複数の電極パターン部の上方における厚さが厚くなる構成を有する。一例として、平面視における第1ボタン部150の面積と平面視における第2ボタン部152の面積とを比較した場合、第1ボタン部150の面積の方が大きい場合を説明する。
【0024】
この場合において誘電体パネル15は、図4に示すように、第1ボタン部150に対応させて設けられる電極パターン部の上方における厚さTを、第2ボタン部152に対応させて設けられる電極パターン部の上方における厚さTよりも厚くした構成を有する。同様にして、第1ボタン部150、第2ボタン部152、第3ボタン部154、第4ボタン部156の平面視における面積を比較した場合に、第3ボタン部154の面積、第1ボタン部150の面積、第2ボタン部152の面積、第4ボタン部156の面積の順に面積が小さくなる場合を説明する。この場合、第3ボタン部154の下方の誘電体パネル15の厚さ、第1ボタン部150の下方の誘電体パネル15の厚さ、第2ボタン部152の下方の誘電体パネル15の厚さ、そして、第4ボタン部156の下方の誘電体パネル15の厚さの順に厚さが薄くなる構成を誘電体パネル15は有する。
【0025】
そして、所定のボタン部の表面に接触物としての指3が接触した場合、当該接触物と当該ボタン部の表面との接触面積は略一定になる。接触物がボタン部の表面に接触した場合、当該ボタン部に対応して設けられる電極パターン部と接触物との間で静電容量が変化する。すなわち、駆動電極110は駆動バッファ5からの駆動パルスに応じて誘電体パネル15内に電界を発生させており、接触物のボタン部の表面への接触により発生する電界の変化を受信電極120が検知する。タッチスイッチパネル1が備える制御用IC(図示しない)は、受信電極120が検知した電界の変化に基づいて静電容量の変化を検知する。そして、制御用ICは、静電容量の変化に基づいてボタン部を押されたことを検知する。
【0026】
ここで、静電容量と誘電体パネル15の厚さとの関係は以下のとおりである。まず、誘電体パネル15を構成する誘電体の誘電率をεとし、複数のボタン部の上方における誘電体パネル15の厚さをd(m)とし、複数のボタン部の表面面積をS(m)とする。この場合において、複数のボタン部それぞれの表面と複数のボタン部のそれぞれに対応する複数の電極パターン部それぞれとの間の静電容量Cとは、C=ε・S/dの式を満たす。
すなわち、各ボタン部の面積と厚さの比が、等しくなるように、ボタン部の面積および厚さが調整されている。なお、実質的に等しければよく、値が厳密に一致する必要はない。
【0027】
誘電率εは誘電体パネル15を構成する誘電体によって固有の値になる。したがって、静電容量Cは、面積Sと誘電体パネル15の厚さdに応じて変化する。ボタン部の表面に接触する接触物(例えば、指3)と当該表面との接触面積は実質的に一定になるので、静電容量Cは誘電体パネル15の厚さdと実質的に反比例の関係になる。
【0028】
タッチスイッチパネル1が備える制御用ICは、複数の電極パターン部のそれぞれにおいて検出される電界の変化に基づいて静電容量の変化を検知することにより、複数のボタン部のそれぞれが押されたか否か(すなわち、ON/OFFされたか)を判定する。したがって、同一面積の接触物がボタン部の表面に接触する場合、誘電体パネル15の厚さが薄いほど静電容量の変化量が大きくなる。本実施の形態において、静電容量の変化量が大きいことは、タッチスイッチパネル1の感度が高くなることに該当する。
誘電体パネル15の厚さが薄いほど静電容量Cの値は大きくなる。ボタン部の面積が狭ければ、指3の接触面積も狭くなる。誘電体層の厚さが薄いことで、静電容量Cの値は大きくなるので、感度が高くなる。
大きなボタンは押しやすいので感度が低くてもタッチが検出される。一方、小さいボタンは押しにくいが、感度が高いので僅かな指の接触でもタッチが検出される。すなわち、ユーザに対しては、ボタンの大きさに関わらず、感度が一定であるとの感覚を与えることができる。
【0029】
なお、誘電体パネル15は、互いに異なる機能を有する複数のボタン部を有することもできる。この場合、誘電体パネル15は、互いに異なる機能を有する複数のボタン部それぞれに対応させて設けられる複数の電極パターン部の上方における厚さを、当該機能に応じてそれぞれ異ならせた構成を有することもできる。例えば、使用頻度が低いボタン部(一例として、情報処理装置の機能を設定する設定ボタン等)に対応する電極パターン部の上方における誘電体パネル15の厚さを厚くすることで、当該ボタン部の感度を低下させることができる。また、緊急時に用いるボタン部に対応する電極パターン部の上方における誘電体パネル15の厚さを薄くすることで、当該ボタン部の感度を向上させることができる。
【0030】
(実施の形態の変形例)
図5(a)及び(b)は、本発明の実施の形態の変形例に係る電極パターン部の一例を示す。
【0031】
実施の形態の変形例に係るタッチスイッチパネルが備える誘電体パネル15は、複数のボタン部を有し、複数のボタン部それぞれに対応させて設けられる複数の電極パターン部それぞれの単位面積あたりにおける駆動電極110及び受信電極120が占める面積の違いに応じ、複数の電極パターン部の上方における厚さをそれぞれ異ならせた構成を有する。
【0032】
具体的に、図5(a)は、第一の電極密度を有して形成される電極パターン部であり、図5(b)は、第二の電極密度を有して形成される電極パターン部である。ここで、電極密度とは、単位面積あたりに含まれる電極パターン部が占める面積である。変形例に係るタッチスイッチパネルにおいては、電極密度の高さに応じて誘電体パネル15の厚さを増大させる。
【0033】
例えば、図5(b)に示す電極パターン部は、平面視にて第1ボタン部150が占める領域の直下である第1ボタン部裏面150aに、櫛歯部112aを含む駆動電極110aが配置される。そして、駆動電極110aの櫛歯部112aの間であって櫛歯部112から離れた位置に、櫛歯部112aの形状に沿った形状を有する受信電極120aが配置される。そして、図5(b)に示す電極パターン部の電極密度は、図5(a)に示す電極パターン部より櫛歯部が少ないことに起因して、図5(a)に示す電極パターン部の電極密度より低い。この場合において、図5(a)に示す電極パターン部の上方における誘電体パネル15の厚さは、図5(b)に示す電極パターン部の情報における誘電体パネル15の厚さより厚く設定される。これにより、電極密度の高低に応じ、ボタン部の感度を調整できる。
【0034】
(タッチスイッチパネル1の製造方法)
図6(a)及び(b)は、本発明の実施の形態に係るタッチスイッチパネルの製造方法の概要を示す。
【0035】
図6(a)に示すように、複数の電極パターン部を有する基材10と、ポリカーボネートやアクリル樹脂等の誘電材料としての樹脂材料とを複数のボタン部(例えば、ボタン部158及びボタン部158a)を形成することを目的として設けられる凹部300及び凹部305を有する金型としての型30と、型35との間に配置する。そして、型30と型35とを所定の温度、所定の圧力で所定の時間、密着させることにより、樹脂材料から誘電体パネル15を形成すると共に、誘電体パネル15と基材10とを一体成型する。これにより、誘電体パネル15の裏面にタッチセンサフィルムとしての複数の電極パターン部を有する基材10が一体成型され、本実施の形態に係るタッチスイッチパネル1が製造される。
【0036】
図6(b)は、変形例に係るタッチスイッチパネルの製造方法の概要を示す。変形例に係るタッチスイッチパネルの製造方法においては、複数の電極パターン部を有する基材10と、基材10の一方の面及び他方の面の双方に配置される樹脂材料とを型30と型37との間に配置する。そして、型30と型37とを密着させることにより、誘電体樹脂材料から誘電体パネル15及び誘電体パネル17を形成すると共に、誘電体パネル15と誘電体パネル17との間に基材10を挟みこんで一体成型する。これにより、基材10の誘電体パネル15が設けられている面の反対側の面に、凹凸を有する誘電体パネル17を形成することができる。
【0037】
なお、先に誘電体パネル15を製造した後に、誘電体パネル15を製造した工程とは別の工程で、複数の電極パターン部を有する基材10を誘電体パネル15の裏面に貼り付けることでタッチスイッチパネル1を製造することもできる。
【0038】
(実施の形態の効果)
本実施の形態に係るタッチスイッチパネル1は、誘電体パネル15の厚さを部分的に変化させるだけで複数のボタン部それぞれの感度を調整することができる。すなわち、タッチスイッチパネル1は、複数のボタン部のそれぞれに対応する複数の電極パターン部の上方における誘電体パネル15の厚さを変化させるので、電子部品(例えば、制御用IC)を増加させなくても、各ボタン部の感度調整ができる。
【0039】
また、タッチスイッチパネル1においては誘電体パネル15の厚さを部分的に変化させるだけで複数のボタン部それぞれの感度を調整できるので、複数の制御用ICを備えた上で複数のボタン部のそれぞれについて感度設定することを要さない。したがって、本実施の形態においては、1つの制御用ICで各ボタン部を制御できるので、タッチスイッチパネル1の低コスト化を図ることができる。
【0040】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【符号の説明】
【0041】
1 タッチスイッチパネル
2 電子機器
3 指
5 駆動バッファ
7、7a、7b、7c 電極パターン部
10 基材
15 誘電体パネル
17 誘電体パネル
20 筐体
30、35、37 型
100 表面
102 裏面
110、110a 駆動電極
112、112a 櫛歯部
120、120a 受信電極
150 第1ボタン部
150a 第1ボタン部裏面
152 第2ボタン部
152a 第2ボタン部裏面
154 第3ボタン部
154a 第3ボタン部裏面
156 第4ボタン部
156a 第4ボタン部裏面
158、158a ボタン部
160 窓部
200 ディスプレイ
300、305 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6